JP5157601B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱手段を有する定着装置を用いた複数の転写紙サイズに対応する複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置においては、多様なサイズ(例えば、A4、A3、A5、B4)の印刷媒体である転写紙を用いて印刷することが可能となっている。
かかる多様なサイズの転写紙を用いる場合、例えば、最大A3サイズが使用可能な画像形成装置において、その画像形成装置で使用可能な最大幅であるA3サイズの幅(297mm)より狭い幅を有するA4サイズやA5サイズの印刷媒体を用いる場合には、画像形成装置に設けた定着装置によって画像を加熱定着する際に、加熱部材、定着補助部材、定着部材の幅方向端部近辺の温度に過昇温が発生し、画像剥れや定着部材の劣化の促進等といった不具合、さらには定着装置の破損等を招く場合があった。
とくに最近は、画像形成装置の電源投入から印刷可能となるまでの立ち上がり時間を短縮するために、加熱部材の高出力化や定着部材の薄膜化を行なう必要があり、端部付近の温度過昇温が大きな課題となっていた。
上述した課題を解決する方法として、定着装置においては、加熱幅規制部材によって印刷媒体である転写紙の幅によって加熱幅を変更する加熱幅変更手段を設けている。従来例では、電磁誘導を利用した誘導加熱方式を用いており、熱源としてコイルによって磁界が発生し、加熱幅規制部材を用いて加熱部材の加熱幅を規制する。
この従来例の加熱幅規制部材は、例えば、加熱部にはフェライトなどを、対称形の階段形状の規制部には銅などを用いて、加熱効率に差を付けることで加熱部材の加熱幅を規制する。これにより、転写紙に合わせて加熱幅規制部材が回動し、加熱部材の加熱幅が規制され、定着部材の加熱幅を転写紙に適合させることが可能になる。
その結果、端部付近の過昇温を防止することができる。しかし、一方、このような加熱幅規制部材を用いた場合、以下のような新たな課題があった。すなわち、近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置は、多様な用途で用いられるようになり、複数の異なるサイズ(例えば、A4、A3、A5、B4)の転写紙を用いて連続印刷する、という必要が生じるケースが増加している。
例えば、封筒等の袋状の転写紙とその同封物を交互に印刷するような場合や、同サイズの転写紙を複数の給送装置を用いて縦と横に交互で連続印刷する(一般的には、回転ソートと呼ばれる)という機能を利用する場合にも、幅の異なる転写紙を連続印刷することになる。
このような複数の幅の異なるサイズの転写紙を混在させて連続印刷を行なう時、例えば、最大A3サイズが使用可能な画像形成装置において1枚目をA3サイズ、2枚目をA5サイズ、3枚目をA4サイズという順で印刷するとする。
この場合、連続印刷速度を確保するために定着装置の加熱幅を1枚毎に切り換えずに印刷すると、端部付近の過昇温や、端部付近の熱量不足が発生するため、加熱幅を1枚毎に切り換える必要があり、その切り換えに要する時間が発生するため、1枚目を搬送後、2枚目を搬送するまでに一定間隔の時間を開ける必要があり、連続印刷速度が著しく低下する、という課題があった。
このような連続印刷速度が著しく低下するという不都合を解決して、連続印刷速度を確保するために、従来から種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1には、非通紙部昇温対策のため、小サイズ通紙時に低速モードに切り換わる装置において、低速モードに切り換わるのはホストが小サイズ紙を指定した場合のみとし、小サイズの指定がない時は通常速度で駆動する技術が開示されている。
通常速度で駆動開始した後、実際の印刷媒体が小サイズ紙であることがセンサによって検知された場合でも低速モードには切り換わらず、通常速度のまま小サイズ紙に対応させてスループット(処理量)制御を行なう。これにより、給紙口に印刷媒体サイズセンサを設けない安価な構成で、簡素な低速モードへの移行条件の設定を行なうとともに、いかなる条件でも非通紙部昇温による定着装置の故障を起こさない。
特許文献2には、大サイズヒータと小サイズヒータへの通電を印刷媒体サイズに応じて切り換える画像形成装置において、ファーストプリントが遅くならない画像形成装置を提供するために、この画像形成装置の動作を制御するCPUは、印刷開始後の1枚目の定着は印刷媒体サイズに拘わり無く、必ず大サイズヒータの通電を行なう技術が開示されている。
また、小サイズ紙を定着させた後、大サイズヒータをオンしておく。さらに、小サイズ紙を定着させた後、大サイズヒータをオンしておくだけでなく、ヒータの温度を測定し、所定温度に到達していない湯合は印刷媒体の搬送を止めて、ヒータの温度が所定温度になるまで待ってから定着を行なうことも開示されている。
特開2003−076171公報 特開2001−255772公報
しかしながら、特許文献1では、ユーザーが小サイズの印刷媒体であることを指定して使用する場合、低速モードに切り換わる。このため、連続印刷速度の低下が避けられなかった。また、通常速モードと低速モードの切り換えに要する時間も必要に応じて空ける必要があるため、連続印刷速度の低下は著しいものとなっていた。
特許文献2では、1枚目の印刷の前に大サイズヒータをオンすること、また、小サイズの印刷媒体を印刷した後に大ヒータをオンするため、定着部材や定着補助部材、熱源などの端部付近の過昇温が完全には避けられず、大サイズと小サイズを交互に一定回数繰り返すと、画像剥がれが発生したり、装置の劣化を促進させるという不具合があった。
さらに、特許文献2では、大サイズヒータと小サイズヒータを2つ用意する必要があり、装置のコストアップや肥大化につながり、一般的に印刷画像の品質を良好に保つために、定着装置を定期的に交換する場合には、1枚当たりの印刷に要するコストが上昇し、連続印刷速度を向上させるのと引き換えに大きなデメリットが発生していた。
転写紙を、その幅に応じて複数のグループに分別し、先行する転写紙の属するグループと次の転写紙の属するグループを比較し、端部付近の熱量不足が発生する場合のみ次の転写紙の搬送開始までの時間を長く空けるが、それ以外は所定の間隔で連続印刷を行なうことにより、端部付近の過昇温や熱量不足を防止しながら連続印刷速度を確保することができる。
しかし、先行する転写紙の属するグループと次の転写紙の属するグループを比較し、端部付近の熱量不足が発生する場合のみ次の転写紙の搬送開始までの時間を長く空けるということは、転写紙の搬送タイミングがその都度変化するということには変わりがない。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、先行する転写紙の属するグループと次の転写紙の属するグループに関して、先行する転写紙の属するグループの分別の使用頻度の高いグループを次の転写紙の属するグループでも共有させることで、連続印刷の低下する確率を効果的に低減することができる画像形成装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、送り方向と直交する方向の幅によって転写紙を複数のグループに分別した情報を格納する第1の制御テーブルと、連続動作時に先行する転写紙が属する前記グループと次の転写紙が属する前記グループとに基づいた、定着装置への搬送タイミング情報を格納した第2の制御テーブルと、に基づいて前記転写紙の搬送タイミングを決定する画像形成装置であって、感光体ドラムによってトナー像を転写紙に形成するよう構成され、前記定着装置は、加熱部材の加熱幅規制部材により定着部材の加熱幅が調整可能に構成されるとともに、該加熱部材により定着部材を加熱させてトナー像を転写紙に定着させるよう構成され、搬送され得る転写紙の紙幅が大きい方のグループと紙幅が小さい方のグループとに分けて前記第1の制御テーブルに定義されるとともに、先行する転写紙の紙幅のグループと次の転写紙の紙幅グループとの組み合わせごとに、加熱幅規制部材による加熱幅の変更後の待ち時間が、前記第2の制御テーブルに定義されるとともに、グループ間の紙幅の差が大きいほどその待ち時間が長くなるように設定されており、連続プリントにおける最後の転写紙のグループと、次の連続プリントの転写紙のグループとを、前記第1の制御テーブルから取得し、取得したグループの組み合わせに対応する待ち時間を、前記第2の制御テーブルから取得し、取得した待ち時間だけ、定着装置への転写紙の搬送を待機させ、特定の紙幅を、紙幅が大きい方のグループと紙幅が小さい方のグループとに属するよう定義することで、先行の転写紙の紙幅又は次の転写紙の紙幅が、特定の紙幅であったときに、待ち時間が短くなるようにし、過昇温や熱量不足を防止することを特徴とする画像形成装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、印刷命令の情報を処理する情報処理装置を備え、該情報処理装置から得る前記転写紙の幅情報を前記第1の制御テーブルに照らして、該転写紙が属するグループを決定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、さらに転写紙の種類に基づく前記定着装置への搬送タイミング情報を格納し、前記転写紙の搬送タイミングを決定する際に、前記情報処理装置から得る前記転写紙の種類情報を用いることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、連続動作時に、前記先行する転写紙が前記定着装置を通過した時から、前記次の転写紙が前記定着装置に到達するまでの間の時間に、前記加熱幅規制部材が前記次の転写紙に適した加熱幅に前記制御手段によって制御され、前記転写紙の種類に応じて前記熱源を制御する請求項1乃至のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、第1の制御テーブルにおいてグループ1の分別の使用頻度の高いグループをグループ2でも共有させることによって、すべての搬送タイミングが同一の時間となり、必要以上に搬送タイミングt1及び待ち時間t2を長くすることなく、過昇温や熱量不足を防止することが可能となり、連続印刷の低下する確率をさらに効果的に低減することができる。
例えば、1枚目に定型サイズのA5横送り、2枚目にA6縦送り、3枚目にA5横送り、4枚目にA4横送り、という順に連続印刷を行なう場合、第1の制御テーブルに図7(後述)のテーブルを用い、第2の制御テーブルに図10(後述)のテーブルを用いると、2枚目と3枚目の搬送タイミングt1=4秒と長くなる。しかし、第1の制御テーブルに図11(後述)のテーブルを用いることにより、すべての搬送タイミングが0.2秒となり、必要以上に搬送タイミングt1及び待ち時間t2を長くすることなく、かつ過昇温や熱量不足を防止することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は画像形成装置としてのタンデム型直接転写方式のカラープリンタの実施の形態を示す概略構成図である。
このカラープリンタ10は、転写紙を給紙するために、1つの手差しトレイ20と、2つの給紙カセット21、22からなる3つの給紙トレイを有している。手差しトレイ20から給紙されたシート状印刷媒体としての図示しない転写紙は給紙手段23により最上位の転写紙から順に1枚ずつ分離され、レジストローラ対8へ向けて搬送される。
給紙カセット21、22から給紙された転写紙Pは給紙手段24により最上位の転写紙Pから順に1枚ずつ分離され、搬送ローラ対25を介してレジストローラ対8へ向けて搬送される。
給紙された転写紙Pは、レジストローラ対8でいったん停止され、スキューを修正された後、後述する最上流に位置する像担持体としての感光体ドラム1M上に形成された画像の先端と転写紙Pの搬送方向の所定位置とが一致するタイミングで、図示しないレジストクラッチのオン制御によるレジストローラ対8の回転動作により転写体としての転写ベルト52へ向けて搬送される。
転写紙Pは、転写ベルト52とこれに当接した図示しない転写紙吸着ローラとで構成される転写紙吸着ニップを通過する際、転写紙吸着ローラに印加されるバイアスにより転写ベルト52に静電力で吸着され、所定のプロセス線速にて搬送される。
転写ベルト52に吸着された転写紙Pには、転写ベルト52を挟んで各色の像担持体としての感光体ドラム1M、1C、1Y、1Bkに対応した位置に配置された転写バイアス印加部材としての転写ローラ51M、51C、51Y、51Bkから、トナーの帯電極性と逆極性の転写バイアスが印加される。これにより、各感光体ドラム1M、1C、1Y、1Bkに作像された各色のトナー像がマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の順で転写される。
各色の転写工程を経た転写紙Pは、下流側の駆動ローラ26の部位で転写ベルト52から曲率分離され、定着装置30へ搬送される。定着装置30における定着部材としての定着ベルト63と加圧部材としての加圧ローラ65により構成される定着ニップを通過することにより、トナー像が熱と圧力により転写紙Pに定着される。
定着がなされた転写紙Pは、片面印刷モードの場合には、装置本体上面に形成された排紙トレイ33へと排出される。図1中、符合27、28は転写ベルト52のテンションローラ、符号29は支持ローラを示している。
図2は定着装置における電磁誘導を利用した誘導加熱方式を用いた加熱幅変更手段を示す概略図である。図3は図2の誘導加熱方式の加熱幅規制部材を示す概略側面図である。
図1の定着装置30においては、図2及び図3に示すような加熱幅規制部材73によって印刷媒体である転写紙Pの幅によって加熱幅を変更する加熱幅変更手段を設けている。
本実施の形態では、図2のように電磁誘導を利用した誘導加熱方式を用いており、熱源としてのコイル72によって磁界が発生し、加熱幅規制部材73を用いて加熱部材71の加熱幅を規制する。
この実施の形態の加熱幅規制部材73の側面図が図2である。図3に示すように、加熱幅規制部材73は、加熱部73−3にはフェライトなどの材料、対称形の階段形状の規制部73−1及び73−2には銅などの材料を用いて、加熱効率に差を付けることで加熱部材71の加熱幅を規制する。
これにより、転写紙に合わせて加熱幅規制部材73が回動し、加熱部材71の加熱幅が規制され、定着部材(定着ベルト)63の加熱幅を転写紙に適合させることが可能になる。
すなわち、上述したように、コイル72によって磁界が発生し、フェライト材料からなる加熱部73−3及び対称形の階段形状の規制部73−1及び73−2を有する加熱幅規制部材73を用いて加熱部材71の加熱幅を規制する。
転写紙の幅情報を、情報処理装置(図5で後述)から受けて第1の制御テーブルと第2の制御テーブルに基づいて搬送タイミングを決定することで、図1に示す給紙手段23又は24とレジストローラ対8の間に転写紙の有無を検知するセンサを設ける必要がなくなるという効果が得られる。これにより、装置の小型化やコストダウンが可能となる。
図4は画像形成装置における本発明の流れを示すフローチャートである。図5は画像形成装置に内蔵する情報処理装置を部分的に示すブロック図である。図6はグループのタイミングテーブルを示す図である。
図4のフローチャートを説明する前に、図5の情報処理装置について説明する。画像形成装置の情報処理装置としてのコントローラ80は、転写紙情報、分別制御、第2の制御テーブル82からの情報による搬送タイミングの決定等の関連するすべての処理を行なうCPU81、第1の制御テーブル85の情報から印刷媒体である転写紙幅のグループ情報を記憶するG1メモリ83及びG2メモリ84を含んでいる。
パソコン(PC)等からの印刷命令、印字データ、画像データ等を情報処理装置80で受け、最初の転写紙(印刷媒体)情報を第1のテーブル85に照らし、転写紙の属するグループをG1メモリ83に記憶し、一方、次の転写紙(印刷媒体)情報を第1のテーブル85’に適合させ、転写紙の属するグループをG2メモリ84に記憶する。
転写紙情報を第1の制御テーブル85及び85’に照らして得たグループの比較を、第2の制御テーブルとしてのタイミングテーブル82に従って行ない、給紙搬送制御、定着装置制御等のすべての処理を行なうCPU81で2枚目の搬送タイミングを決定する。
図1、図4乃至図6を参照して説明すると、情報処理装置としてのコントローラ80から1枚目の印刷媒体である転写紙の情報を第1の制御テーブル85に基づいて、1枚目の転写紙の幅をグループに分別する(S1)。
ここでは、転写紙を代表的な定型サイズごとに分別し、属するグループ1を決定する。さらに、そのグループを上位のグループ2に分別する。本実施の形態では、転写紙幅が200mm以上のグループに分別された場合、グループG1=2となり、200mm未満であった場合はグループG1=1となり、これらを内部メモリに記憶する。
すなわち、先行する転写紙が属しかつ転写紙幅が200mm以上の定型サイズに属するグループ1をG1=2とし、転写紙幅が200mm未満の定型サイズに属するグループ1をG1=1として内部メモリであるG1メモリ83に記憶する。
この処理の後、1枚目の転写紙の搬送を開始する(S2)。この時、制御テーブルに基づく処理と搬送開始の順を逆に行なってもよい。また、グループ1のまま次の第2の制御テーブルの処理に進む方法も可能である。
次に、給紙を手差しトレイからの場合として説明する。図1に示すように、手差しトレイ20より給紙された1枚目の転写紙が給紙手段23により最上位の転写紙から、搬送ローラ対25を介してレジストローラ対8へ向けて搬送される。給紙カセット21又は22から給紙された転写紙Pは、給紙手段24により最上位の転写紙から、搬送ローラ対25を介してレジストローラ対8へ向けて搬送される。
次いで、最後の転写紙かどうかを判断し(S3)、最後の転写紙ならば処理を終了する。最後の転写紙でないならば、第1の制御テーブル85で転写紙幅のグループ情報を情報処理装置(コントローラ)80のG1メモリ83に記憶する(S4)。
次に、情報処理装置80から2枚目の転写紙の情報を第1の制御テーブル85に基づいて、転写紙の幅をグループに分別する(S5)。1枚目と同様に、代表的な定型サイズごとにグループ1のグループ分けを行ない、さらに、そのグループで転写紙幅が200mm以上のグループに分別された場合、グループG2=2、200mm未満であった場合はグループG2=1とグループ2の分別を行ない、内部メモリであるG2メモリ84に記憶する(S6)。
次に、第2の制御テーブルとしてのタイミングテーブル82に基づいて、第1の制御テーブル85から得られた結果であるG1とG2の比較を行ない、2枚目の搬送タイミングを決定する(S7)。その第2の制御テーブルとしてのタイミングテーブル82の例を図6に示している。
本実施の形態では、G1≧G2であった場合には、搬送タイミングt=0.2秒、G1<G2であった場合には、搬送タイミングt1=4秒と決定する。ここで、情報処理装置80から受けた転写紙情報、又は給紙手段23又は24とレジストローラ対8の間に設けられた転写紙の有無を検知するセンサ(図示せず)の信号の長さから、1枚目の転写紙の長さ情報を得て、1枚目の搬送開始から2枚目の搬送開始までの待ち時間t2をCPU81で算出する(S8)。
例えば、搬送タイミングt1=0.2秒、1枚目の転写紙が定型のA4サイズ横送りであった場合、A4サイズの搬送方向の長さは210mmであるため、搬送方向の速度が150mm/秒の画像形成装置では、t2=0.2+210/150=1.6秒となる。その後、1枚目の搬送開始後、待ち時間t2の間隔を空け(S9)、2枚目の搬送を開始する。
このように、転写紙の幅によってグループへの分別を行ない、先行する転写紙のグループG1と次の転写紙のグループG2を比較して搬送タイミングt1を決定する。
その結果から待ち時間t2を決定することにより、先行する転写紙と次の転写紙の幅が大きく変化する場合、つまり、G1≠G2の時のみ待ち時間t2を変更し、大きく変化しない場合、つまり、G1=G2の場合にはt2を同サイズの連続印刷と等しい短い時間(第1の実施の形態においては0.2秒)となる。
本発明を用いることにより待ち時間t2が通常の同サイズの連続印刷より長くなる頻度を低くすることができる。また、本発明を用いると同時に、使用する転写紙の幅の変動を小さくするように縦送り又は横送りを使い分けた場合、さらに待ち時間が長くなる確率を低くすることができる。
転写紙の幅情報を、情報処理装置から受けて第1の制御テーブル85と第2の制御テーブル82に基づいて搬送タイミングを決定することで、給紙手段23又は24とレジストローラ対8の間に転写紙の有無を検知するセンサを設ける必要がなくなるという効果が得られる。これにより、装置の小型化やコストダウンが可能となる。
第2の実施の形態について、図1乃至図3を参照して説明する。画像形成装置は、定着装置30と、熱源としてのコイル72、定着装置30に設けられた加熱部材71と、この加熱部材71の加熱幅を規制する加熱幅規制部材73と、この加熱幅規制部材73を制御する制御手段(図示せず)を有している。
連続動作時に、先行する転写紙が定着装置30を通過した時から、次の転写紙が定着装置30に到達するまでの間の時間に、制御手段によって加熱幅規制部材73が次の転写紙に適した加熱幅に制御される。
すなわち、上述した第1の実施の形態の画像形成装置において、1枚目の転写紙が定着装置30を通過し終わるとほぼ同時に、定着装置30の加熱幅規制部材73を回動させ、2枚目の転写紙の幅に合わせた加熱幅規制を行なう。
この時、加熱幅規制部材73の回動開始から終了までの時間に合わせ、第2の制御テーブルの待ち時間t2を決定することで、転写紙に合った加熱幅規制を行なうことが可能となる。
この待ち時間t2は、1枚目と2枚目の転写紙が大きく変わらない場合、例えば、1枚目のグループ1の分別が257のグループに属し、2枚目のグループ1の分別が210のグループの場合には、最短の待ち時間(本実施の形態ではt1=0.2秒)とし、連続印刷速度を低下させないようにしている。
転写紙の幅が大きく変化した時には、定着装置30の加熱幅規制を厳密に行わないと、熱源72、加熱部材(定着補助部材)71、定着部材63などの端部付近の過昇温や、熱量不足が発生するため、次の転写紙が定着装置30に到達する前に加熱幅規制部材73を転写紙の幅に合わせる制御しておく必要がある。
しかし、大きく変わらない場合には、定着装置30に次の転写紙が到達した時点で、加熱幅規制部材73の制御が完了していなくても、転写紙の幅を超える加熱領域は狭いため、端部付近での過昇温や熱量不足への影響が非常に小さい。このため、熱源72の出力や、搬送速度、定着部材63や定着補助部材の熱容量などに応じて、第1の制御テーブルのグループ分けを決めることにより、熱源72や加熱部材(定着補助部材)71、定着部材63などの端部付近の過昇温や熱量不足を招くことなく待ち時間t2が通常の同サイズの連続印刷より長くなる頻度を低くすることができる。
図7は転写紙の幅判定の詳細を表で示す図である。図8は第2の制御テーブルとして用いる表を示す図である。この第3の実施の形態の画像形成装置においては、情報処理装置80(図5)から転写紙の幅情報と種類の情報を取得し、第2の制御テーブル82として図8のような表(テーブル)を用いる。
図5に示した情報処理装置80(図5)によって得られる転写紙の送り方向と直交する方向の転写紙の幅と、転写紙の種類の情報とを用いて、第1の制御テーブル85と前記第2の制御テーブル82に基づき転写紙の搬送タイミングを決定するように構成している。
情報処理装置80から転写紙の幅情報に加えて、種類の情報を取得し、第2の制御テーブル85に基づいて搬送タイミングt1及び待ち時間t2を決定することで、転写紙の種類が異なる時に、画像形成装置の設定変更に要する時間を確保し、最適な搬送タイミングを設定することで、連続印刷速度の低下を最小限することが可能となる。
図7及び図8を参照して説明すると、仮に1枚目に普通紙のA4サイズの横送り、2枚目に厚紙のA5サイズの縦送りの連続印刷を行なう場合、転写紙幅が200mm以上の定型サイズに属するグループG1=2、転写紙幅が200mm未満の定型サイズに属するG2=1となり、G1>G2となるため、搬送タイミングt1=6秒となる。この搬送タイミングにより、1枚目の搬送開始から2枚目の搬送開始までの待ち時間t2を算出する。
この第4の実施の形態では、定着装置30と、この定着装置30の熱源72と、定着装置30に設けられた加熱部材71と、この加熱部材71の加熱幅を規制する加熱幅規制部材73と、この加熱幅規制部材73を制御し、かつ熱源72を制御する制御手段(図示せず)を有している。
連続動作時に、先行する転写紙が定着装置30を通過した時から、次の店主紙が定着装置30に到達するまでの間の時間に、制御手段によって加熱幅規制部材73が次の転写紙に適した加熱幅に制御され、転写紙の種類に応じて熱源72を制御する構成になっている。
1枚目の転写紙が定着装置30を通過し終わるとほぼ同時に、制御手段(図示せず)によって、定着装置30の加熱幅規制部材73を回動させ、2枚目の転写髪の幅に合わせた加熱幅規制を行ない、さらに制御手段によって熱源72を2枚目の転写紙の種類に合わせた温度制御に切り換える。
本実施の形態においては、普通紙と厚紙を混在させた連続印刷を行なう場合の方法を示した。厚紙は普通紙よりも定着に要する熱量が多くなるため、1枚目が普通紙であり、2枚目が厚紙であった場合には、搬送タイミングt1をやや長く設定し、定着部材63及び加熱部材(定着補助部材)71の蓄熱量が多くなるようにしている。
前述の通り、転写紙の種類が異なると、定着に必要な熱量が異なるため、それに応じて熱源72の出力を変化させたり、熱源72のデューティーを変化させるといった手段により、定着部材63及び加熱部材(定着補助部材)71の蓄熱量を変化させる必要がある。
これに要する時間を第2の制御テーブル85(図5)の搬送タイミングt1及び待ち時間t2に予め組み込んでおくことにより、熱源72や加熱部材(定着補助部材)71、定着部材63などの端部付近の過昇温や、熱量不足を防止ができ、かつ連続印刷の低下を最小限することが可能となる。
図9は第5の実施の形態の画像形成装置における本発明の流れを示すフローチャートである。図1、図4乃至図6及び図9を参照して説明すると、情報処理装置としてのコントローラ80から1枚目の印刷媒体である転写紙の情報を第1の制御テーブル85に照らして、1枚目の転写紙の幅をグループに分別する(S11)。
図4のフローチャートに関連して説明した処理を行なった後、1枚目の転写紙の搬送を開始する(S12)。次に、手差しトレイ20より給紙された1枚目の転写紙が給紙手段23により最上位の転写紙から、搬送ローラ対25を介してレジストローラ対8へ向けて搬送される。給紙カセット21又は22から給紙された転写紙Pは、給紙手段24により最上位の転写紙から、搬送ローラ対25を介してレジストローラ対8へ向けて搬送される。
次いで、最後の転写紙かどうかを判断し(S13)、最後の転写紙ならば処理を終了する。最後の転写紙でないならば、第1の制御テーブル85に基づいて転写紙幅のグループ情報を情報処理装置(コントローラ)80のG1メモリ83に記憶する(S14)。
次に、情報処理装置80から2枚目の転写紙の情報を第1の制御テーブル85に照らして、転写紙の幅をグループに分別する(S15)。1枚目と同様に、代表的な定型サイズごとにグループ1のグループ分けを行ない、さらに、そのグループで転写紙幅が200mm以上のグループに分別された場合、グループG2=2、200mm未満であった場合はグループG2=1とグループ2の分別を行ない、内部メモリであるG2メモリ84に記憶する(S16)。
次に、第2の制御テーブルとしてのタイミングテーブル82にて、第1の制御テーブル85から得られた結果であるG1とG2の比較を行ない、G1≧G2かどうかを判断する(S17)。G1≧G2であるならば、連続搬送可能(S18)とし、ここでは、t=0.2秒として、ステップ(S12)に戻ってフローを実施する。
図10は第2の制御テーブルとしてのタイミングテーブルの例を示す図である。上記ステップ(S17)において、G1≧G2でない場合、すなわち、G1<G2となった場合は、連続搬送不可と判断(S19)し、1枚目の転写紙が定着装置30を通過してから、2枚目の転写紙の搬送を開始する。
上述したように、第2の制御テーブルでG1≧G2となった場合、連続搬送可能と判断している。これは、先行する転写紙の幅が大きく、次の転写紙の幅が1枚目よりも小さく、さらにその幅の差が小さい時には、いったん次の転写紙の先端付近を定着している時に転写紙の端部より外側の領域でいったん熱量過多の状態になる。
しかし、加熱幅規制部材73(図2)が制御され、転写紙と加熱幅が一致して以降は、転写紙より外側の領域では加熱されないため、温度が下がることを利用している。よって、必要以上に搬送タイミングt1及び待ち時間t2を長くすることなく、かつ過昇温や熱量不足を防止することが可能となる。
この場合、定着装置30の直後に転写紙の有無を検知するセンサ等が必要となるが、図10のテーブルに表すように、に必要な時間を予め設定しておいてもよい。
図11は第1の制御テーブルとして用いる制御テーブルを示す図である。図5に示した第1の制御テーブル85におけるグループ分けにおいて、任意の転写紙の幅を複数のグループで共有するようにしている。
すなわち、第6の実施の形態においては、グループ1での210のグループを、G=1、G=2のどちらのグループにも属するようにしている。1枚目の転写紙のグループ1の分別結果が257のグループであると、G1=1となり、2枚目の転写紙のグループ1の分別結果が210のグループであると、210のグループはG=1、2の両方に属し、ここでは先行する転写紙と同じグループを優先して選定する。その結果、G2=G1となり、t1=0.2秒となる。
このように、第1の制御テーブルにおいてグループ1分別の使用頻度の高いグループをグループ2の複数で共有させることで、連続印刷の低下する確率をさらに効果的に低減することができる。
例えば、1枚目に定型サイズのA5横送り、2枚目にA6縦送り、3枚目にA5横送り、4枚目にA4横送り、という順に連続印刷を行なう場合、第1の制御テーブルに図7のテーブルを用い、第2の制御テーブルに図10のテーブルを用いると、2枚目と3枚目の搬送タイミングt1=4秒と長くなる。
しかし、第1の制御テーブルに図11のテーブルを用いることにより、すべての搬送タイミングが0.2秒となり、必要以上に搬送タイミングt1及び待ち時間t2を長くすることなく、かつ過昇温や熱量不足を防止することが可能となる。
画像形成装置としてのタンデム型直接転写方式のカラープリンタの実施の形態を示す概略構成図である。 定着装置における電磁誘導を利用した誘導加熱方式を用いた加熱幅変更手段を示す概略図である。 図2の誘導加熱方式の加熱幅規制部材を示す概略側面図である。 画像形成装置における本発明の流れを示すフローチャートである。 画像形成装置に内蔵する情報処理装置を部分的に示すブロック図である。 グループのタイミングテーブルを示す図である。 転写紙の幅判定の詳細を表で示す図である。 第2の制御テーブルとして用いる表を示す図である。 第5の実施の形態の画像形成装置における本発明の流れを示すフローチャートである。 第2の制御テーブルとしてのタイミングテーブルの例を示す図である。 第1の制御テーブルとして用いる制御テーブルを示す図である。
符号の説明
10 画像形成装置、30 定着装置、63 定着部材(定着ベルト)、71 加熱部材(定着補助部材)、72 熱源(コイル)、73 加熱幅規制部材、73−1 規制部、73−2 規制部、73−3 加熱部、80 情報処理装置(コントローラ)、81 CPU、82 第2の制御テーブル、83 G1メモリ(内部メモリ)、84 G2メモリ(内部メモリ)、85 第1の制御テーブル

Claims (4)

  1. 送り方向と直交する方向の幅によって転写紙を複数のグループに分別した情報を格納する第1の制御テーブルと、連続動作時に先行する転写紙が属する前記グループと次の転写紙が属する前記グループとに基づいた、定着装置への搬送タイミング情報を格納した第2の制御テーブルと、に基づいて前記転写紙の搬送タイミングを決定する画像形成装置であって、
    感光体ドラムによってトナー像を転写紙に形成するよう構成され、前記定着装置は、加熱部材の加熱幅規制部材により定着ベルトの加熱幅が調整可能に構成されるとともに、該加熱部材により定着ベルトを加熱させてトナー像を転写紙に定着させるよう構成され、
    搬送され得る転写紙の紙幅が大きい方のグループと紙幅が小さい方のグループとに分けて前記第1の制御テーブルに定義されるとともに、先行する転写紙の紙幅のグループと次の転写紙の紙幅グループとの組み合わせごとに、加熱幅規制部材による加熱幅の変更後の待ち時間が、前記第2の制御テーブルに定義されるとともに、グループ間の紙幅の差が大きいほどその待ち時間が長くなるように設定されており、
    連続プリントにおける最後の転写紙のグループと、次の連続プリントの転写紙のグループとを、前記第1の制御テーブルから取得し、取得したグループの組み合わせに対応する待ち時間を、前記第2の制御テーブルから取得し、取得した待ち時間だけ、定着装置への転写紙の搬送を待機させ、
    特定の紙幅を、紙幅が大きい方のグループと紙幅が小さい方のグループとに属するよう定義することで、先行の転写紙の紙幅又は次の転写紙の紙幅が、特定の紙幅であったときに、待ち時間が短くなるようにし、過昇温や熱量不足を防止することを特徴とする画像形成装置。
  2. 印刷命令の情報を処理する情報処理装置を備え、
    該情報処理装置から得る前記転写紙の幅情報を前記第1の制御テーブルに照らして、該転写紙が属するグループを決定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記第2の制御テーブルは、さらに転写紙の種類に基づく前記定着装置への搬送タイミング情報を格納し、
    前記転写紙の搬送タイミングを決定する際に、前記情報処理装置から得る前記転写紙の種類情報を用いることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 連続動作時に、前記先行する転写紙が前記定着装置を通過した時から、前記次の転写紙が前記定着装置に到達するまでの間の時間に、前記加熱幅規制部材が前記次の転写紙に適した加熱幅に前記制御手段によって制御され、前記転写紙の種類に応じて前記熱源を制御することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の画像形成装置。
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