JP5157411B2 - 圧電薄膜素子 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電薄膜としてニオブ酸カリウムナトリウムを用いた圧電薄膜素子に関する。
圧電体は、種々の目的に応じて様々な圧電素子に加工され、圧電素子に電圧を加えて生じる変形を利用して種々の動作を行うアクチュエータや、それとは逆に圧電素子の変形によって発生する電圧から各種の物理量を検出するセンサなどの機能性電子部品として広く利用されている。
アクチュエータやセンサの用途に利用されている圧電体としては、優れた圧電特性を有する鉛系材料の強誘電体、特にPZTと呼ばれるPb(Zr1−xTi)O系のペロブスカイト型強誘電体が広く用いられている。これら強誘電体は、通常、個々の元素からなる酸化物粉末を焼結することによって形成される。
ところで、最近は各種電子部品の小型化・高性能化が進み、アクチュエータ等の圧電素子においても一層の小型化・高性能化が求められている。しかしながら、焼結法を中心とする製造方法により作製した圧電材料は、その厚みを薄くするにつれて、特に10μm程度の薄膜になると、材料を構成する結晶粒の大きさに近づくため、個々の結晶粒の特性の影響が無視できなくなり、特性のばらつきや劣化が顕著になるといった問題が発生する。
これを回避するために、焼結法に代わって薄膜形成技術を応用した圧電材料の形成法が近年盛んに研究されるようになってきた。薄膜形成技術としては、例えばスパッタリング法や、PLD(レーザーアブレーション)法、ゾルゲル法等があり、RFスパッタリング法で形成したPZT薄膜が高精細高速インクジェットプリンタのヘッド用アクチュエータとして実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、PZTから成る圧電焼結体や圧電薄膜は、鉛を60〜70重量%程度含有しているため、生態学的見地および公害防止の面から好ましくない。そこで、環境への配慮から、鉛を含有しない圧電材料の開発が望まれている。
現在、様々な非鉛圧電材料が研究されているが、その中にニオブ酸カリウムナトリウム(一般式:(KNa1−x)NbO(0<x<1))がある。ニオブ酸カリウムナトリウムは、ペロブスカイト構造を有する材料であり、非鉛の材料としては比較的良好な圧電特性を示すため、非鉛圧電材料の有力な候補として期待されている。ニオブ酸カリウムナトリウム焼結体は、(KNa1−x)NbOにおいて組成比x=0.5付近で優れた圧電特性を有する。
なお、従来技術には、PZTの圧電薄膜における耐電圧性を向上させるために、PZT薄膜の比誘電率を規定したものがある(例えば、特許文献2参照)。また、ニオブ酸系化合物の圧電薄膜素子については、十分な圧電特性を得るために、ペロブスカイト型結晶構造の配向度について検討したものがある(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−135850号公報 特開2001−284670号公報 特開2007−19302号公報
しかしながら、現状においては、ニオブ酸カリウムナトリウム薄膜では、PZT等の焼結体のような優れた圧電特性は実現されていない。また、各基板上に作製される圧電薄膜素子には、圧電特性にばらつきがあるが、簡易に圧電特性の良否を検査・検出することができなかった。
本発明は、上記課題を解決し、優れた圧電特性を有するニオブ酸カリウムナトリウム薄膜を用いた圧電薄膜素子を提供することにある。
本発明の第一の態様は、基板上に、下部電極と、膜厚が0.2μm以上10μm以下であり、一般式(KxNa1-x)NbO3(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造の圧電薄膜と、上部電極とを有する圧電薄膜素子において、前記下部電極と前記圧電薄膜との間に、KNbO 3 薄膜が形成されているとともに、前記圧電薄膜の比誘電率が、50以上200以下の範囲にあることを特徴とする。
本発明の第の態様は、第一の態様に記載の発明において、前記基板がSi基板またはMgO基板であり、前記下部電極がPt電極であることを特徴とする。
本発明の第の態様は、第又は第の態様に記載の発明において、前記下部電極、前記圧電薄膜、及び前記KNbO3薄膜がRFマグネトロンスパッタリング法により形成されていること特徴とする。
本発明によれば、優れた圧電特性を有するニオブ酸カリウムナトリウム薄膜を用いた圧電薄膜素子が得られる。
本発明者らは、薄膜のニオブ酸カリウムナトリウムで優れた圧電特性が得られない原因を探るために、様々なスパッタ成膜条件でニオブ酸カリウムナトリウム薄膜を形成して圧電特性などを評価したところ、ニオブ酸カリウムナトリウム薄膜の比誘電率と圧電定数とに相関があり、比誘電率を200以下にすると、圧電定数が急激に約3倍も大きくなることが分かった(図5参照)。比誘電率が50〜200の範囲では、圧電定数はほぼ一定であって、優れた圧電特性のニオブ酸カリウムナトリウム薄膜が得られた。
この結果を踏まえて、本発明は、ニオブ酸カリウムナトリウム薄膜の比誘電率が50から200の範囲になるように形成することで、優れた圧電特性を持つニオブ酸カリウムナトリウム薄膜を実現することを主旨とする。
本発明者らの検討結果によれば、一般的なスパッタリング法でニオブ酸カリウムナトリウム薄膜を形成する場合は、50〜200の比誘電率を有するニオブ酸カリウムナトリウム薄膜は、例えば、薄膜中の(001)面方位、(100)面方位、若しくは(010)面方位のいずれか1種以上の面方位の配向割合を高めることによって得られる。
図1に、本発明の一実施形態に係る圧電薄膜素子の断面図を示す。本実施形態の圧電薄膜素子は、図1に示すように、基板1上に、下部電極2と、ニオブ酸カリウム(KNbO)薄膜3と、ペロブスカイト構造のニオブ酸カリウムナトリウム((KNa1−x)NbO(0<x<1))で、膜厚が0.2μm〜10μm、且つ比誘電率が50以上200以下の範囲にある圧電薄膜4と、上部電極5とが順次形成されている。
KNbO薄膜3、圧電薄膜4の形成方法としては、スパッタリング法、CVD法、PLD法、ゾルゲル法などが考えられるが、本実施形態では、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて形成した。また、本実施形態では、下部電極2もRFマグネトロンスパッタリング法により形成した。
また、ニオブ酸カリウムナトリウムの圧電薄膜4に少量の添加物(例えば、原子数濃度8%以下のLi)を混入してもよい。この場合も、圧電特性の向上が期待できる。
基板1はSi基板またはMgO基板を用い、下部電極2はPt電極とするのが好ましい。圧電膜の成長には、下地層となる電極材料が重要になる。Si基板上に形成したPt(白金)は、自己配向性のため(111)面方位に配向した単結晶のPt膜となり、また、MgO(100)基板上に形成したPtは、(100)面方位に配向した多結晶膜ではあるが各結晶粒が基板1の面内方向に規則的に揃ったPt膜となる。このため、これらPt膜の下部電極2上に形成されるニオブ酸カリウムやニオブ酸カリウムナトリウムの圧電膜も(100)面方位に強く配向し、多結晶膜ではあっても各結晶粒は面内方向に規則性があり、圧電特性に優れ且つ均一な膜となる。
下部電極2上のKNbO薄膜3は、(001)面方位に配向しやすい。このため、下地膜であるKNbO薄膜3上に形成されるニオブ酸カリウムナトリウムの圧電薄膜4は、(001)面方位、(100)面方位、若しくは(010)面方位のいずれか1種以上の面方位の配向の割合が高くなる。(001)面方位、(100)面方位、若しくは(010)面方位のいずれか1種以上の面方位の配向の割合が高いニオブ酸カリウムナトリウムの圧電薄膜4は、比誘電率が低くなる。
スパッタリング成膜条件を様々に変更してニオブ酸カリウムナトリウム薄膜を形成し、それら薄膜の比誘電率と圧電定数との関係を調べた。結果を図5に示す。図5に示すように、比誘電率200を境界として圧電定数d31が大きく変化している。比誘電率が200を超える範囲では(従来方法で作製したニオブ酸カリウムナトリウム圧電薄膜では比誘電率は400程度)、圧電定数d31は概ね20〜40[−pm/V]であるが、比誘電率200以下では圧電定数d31が80[−pm/V]以上と格段に大きくなる。
なお、本発明者らはRFマグネトロンスパッタリング法を用い、スパッタリング成膜条件を変更してニオブ酸カリウムナトリウム薄膜を種々形成したが、比誘電率が50以下のニオブ酸カリウムナトリウム薄膜を成膜することができなかった。
従って、(001)面方位、(100)面方位、若しくは(010)面方位のいずれか1種以上の面方位の配向の割合が高く、比誘電率が50〜200と低いニオブ酸カリウムナトリウムの圧電薄膜4を形成することによって、圧電定数d31が大きく圧電特性に優れた圧電薄膜素子が得られることになる。
また、基板上に圧電薄膜が形成された圧電薄膜素子の圧電定数を求めるためには、従来は、後述するように圧電薄膜素子に電圧を印加したときの圧電変位量を測定しなければならなかった。ところが、本発明によれば、ニオブ酸カリウムナトリウム薄膜を用いた圧電薄膜素子に対し、LCRメータ等を使用して静電容量を測定するだけで、比誘電率を簡単に算出できるため、比誘電率が50〜200にある優れた圧電特性を有する圧電薄膜素子を選別する選別方法としても有用である。
圧電薄膜4の膜厚は、0.2μm〜10μmとするのがよい。膜厚0.2μm未満では十分な圧電性能を得ることができず、一方、膜厚10μmを超えると圧電薄膜素子の小型化が図れない。
また、KNbO薄膜3の膜厚は、0.1μm程度以下とするのがよい。但し、KNbO薄膜3は、圧電薄膜4の[001]方向の配向割合を高めるための膜であるので、その機能が十分に発揮される程度の膜厚は必要である。
また、(KNa1−x)NbOの圧電薄膜4は、優れた圧電特性を得るために、組成x=0.5付近とするのがよく、更に、圧電薄膜4の組成xは、膜厚方向の組成xの最大値と最小値の差を0.05以下にするなど、組成xの均一化を図るのが好ましい。
なお、上記実施形態では、(001)面方位、(100)面方位、若しくは(010)面方位のいずれか1種以上の面方位の配向の割合を高めるために、下部電極2と圧電薄膜4との間に、KNbO薄膜3を設けたが、これに限らず、スパッタリング成膜条件を調整することにより、圧電薄膜4の(001)面方位、(100)面方位、若しくは(010)面方位のいずれか1種以上の面方位の配向の割合を高めることが可能である。具体的には、基板温度、RF放電パワー、導入ガスの組成・圧力、ターゲットの組成、ターゲットと基板との間の距離などを調整する。例えば、ターゲットと基板との間の距離を長くすると、ターゲットからスパッタされて一直線に基板に飛来する原料原子の入射が基板に垂直な方向に揃い、(001)面方位、(100)面方位、若しくは(010)面方位のいずれか1種以上の面方位の配向の割合が高くなる。
図1に示す上記実施形態に係る圧電薄膜素子の下部電極2及び上部電極5に、少なくとも電圧印加手段を接続することでアクチュエータが得られる。このアクチュエータの圧電薄膜素子に電圧を印加して、圧電薄膜素子を変形することによって各種部材を駆動させることができる。また、本実施形態に係る圧電薄膜素子の下部電極2及び上部電極5に、少なくとも電圧検知手段を接続することでセンサが得られる。このセンサの圧電薄膜素子が何らかの物理量の変化に伴って変形されると、その変形に伴って電圧が発生するので、この電圧を検知することで各種物理量を検知することができる。
アクチュエータは、インクジェットプリンタ、スキャナー、超音波発生装置などに用いられる。また、センサは、ジャイロ、超音波センサ、圧カセンサ、速度・加速度センサなどに用いられる。
また、上記実施形態では、ニオブ酸カリウムナトリウム薄膜を圧電薄膜として応用する場合について説明したが、その他にも、様々な用途への応用、例えば、焦電素子や表面弾性波デバイスヘの応用が考えられる。
次に、本発明の実施例を説明する。
(実施例)
本実施例においては、図1に示す上記実施形態と同一構造の圧電薄膜素子を作製した。
基板1にはSi基板((001)面方位、厚さ0.5mm)を用い、Si基板上にRFマグネトロンスパッタリング法により、白金の下部電極2((111)面単独配向、膜厚0.2μm)を形成した。白金の下部電極2は、基板温度350℃、放電パワー200W、導入ガスAr、圧力2.5Pa、成膜時間10分の条件で成膜した。
次に、下部電極2の上に、KNbO薄膜3(膜厚0.1μm)をRFマグネトロンスパッタリング法で形成した。KNbO薄膜3は、ターゲットにKNbO焼結体を用い、基板温度650℃、放電パワー100W、導入ガスAr、圧力0.4Pa、成膜時間10分で成膜した。
更に、KNbO薄膜3の上に、(K0.5Na0.5)NbOの圧電薄膜4(膜厚2.9μm)をRFマグネトロンスパッタリング法で形成した。(K0.5Na0.5)NbOの圧電薄膜4は、ターゲットに組成比が(K+Na)/Nb=1.0およびK/(K+Na)=0.5の(K0.5Na0.5)NbO焼結体を用い、基板温度650℃、放電パワー100W、導入ガスAr、圧力0.4Pa、成膜時間3時間50分で成膜した。
最後に、(K0.5Na0.5)NbOの圧電薄膜4の上に、RFマグネトロンスパッタリング法により、白金の上部電極(膜厚0.02μm)5を形成した。白金の上部電極5は、基板温度350℃、放電パワー200W、導入ガスAr、圧力2.5Pa、成膜時間1分で成膜した。
(比較例)
また、比較例として、図2に示す断面構造の圧電薄膜素子を作製した。
比較例では、実施例におけるKNbO薄膜3を形成せず、また、(K0.5Na0.5)NbOの圧電薄膜6の膜厚を3.0μm(成膜時間4時間)とした点を除き、実施例と全く同様にして図2に示す圧電薄膜素子を作製した。
実施例及び比較例の圧電薄膜素子に対して比誘電率測定と圧電特性評価測定を行った。
図1の実施例及び図2の比較例に示す圧電薄膜素子(用基板)から、長さ20mm×幅2.5mmの短冊形の試料10をそれぞれ切り出した。作製した試料10に、LCRメーターを使って静電容量を測定(周波数1kHz)し、試料10の電極面積と圧電薄膜の厚さを考慮して、実施例及び比較例の圧電薄膜素子の比誘電率を算出した。実施例における圧電薄膜4の比誘電率は180、比較例における圧電薄膜6の比誘電率は400であった。
次に、圧電特性評価測定を行った。図3(a)に測定方法の概略構成を示す。
図3(a)に示すように、上記試料10の一端をクランプ20に固定し、簡易的なユニモルフカンチレバーを構成した。クランプ20は除震台21上に設置し、震動を除去した。この状態で上部電極1と下部電極5との間に電圧を印加し、圧電薄膜3及び4、圧電薄膜6を伸縮させることで、試料10全体を屈曲動作させ、試料10先端を上下に動作させた。図3(b)には、試料10全体が屈曲し、試料10の先端が上方向に変位した状態を示す。上下動する試料10の先端変位量Δはレーザードップラ変位計22で測定した。
図4には、実施例及び比較例における印加電圧と先端最大変位量との関係を示す。図4より、比較例の圧電薄膜素子に対して、実施例の圧電薄膜素子では、圧電による試料10の先端最大変位量が約3倍になっていることが分かる。
上記試料10の寸法及び印加電圧と先端最大変位量との関係から、圧電定数d31を計算した。その結果、比較例により作製した圧電薄膜素子の圧電定数d31は30[−pm/V]であったのに対し、本実施例により作製した圧電薄膜素子の圧電定数d31は90[−pm/V]であった。このことから、本発明を用いることで、圧電特性の優れた(KNa1−x)NbOの圧電薄膜を作製できることが確認できた。
また、上部電極5を成膜する前の状態にある実施例及び比較例の圧電薄膜素子に対して、圧電薄膜の配向状態を調べるために、X線回折パターン測定(2θ‐ωスキャン)を行った。図6に実施例のX線回折パターン測定の結果を、図7に比較例のX線回折パターン測定の結果を示す。
図6に示すように、実施例の圧電薄膜素子においては、(KNa1−x)NbO(KNN)の回折ピークが観察された結晶面は、KNNの(001)面方位、(100)面方位、若しくは(010)面方位のいずれか1種以上の面方位と、KNNの(002)面方位、(200)面方位、若しくは(020)面方位のいずれか1種以上の面方位がほとんどであった。このことから、実施例の(KNa1−x)NbO圧電薄膜は、(001)面方位、(100)面方位、若しくは(010)面方位のいずれか1種以上の面方位に高い割合で配向されていることが分かった。
これに対して、図7に示す比較例の圧電薄膜素子においては、NKKの回折ピークが観察された結晶面は、KNNの(001)面方位、(100)面方位、若しくは(010)面方位のいずれか1種以上の面方位と、KNNの(002)面方位、(200)面方位、若しくは(020)面方位のいずれか1種以上の面方位と、NKKの(110)面方位、(101)面方位、若しくは(011)面方位のいずれか1種以上の面方位とがあり、比較例の(KNa1−x)NbO圧電薄膜は、(001)面方位、(100)面方位、若しくは(010)面方位のいずれか1種以上の面方位の配向度が実施例に比べて低いことが分かった。
ここでのKNN結晶(圧電薄膜)の面方位は、X線回折測定(2θ‐ω)での回折パターンにおいて、
2θ=22.011°〜22.890°の回折ピークは、(001)面、(100)面または(010)面とし、
2θ=31.260°〜32.484°の回折ピークは、(110)面、(101)面または(011)面とし、
2θ=44.879°〜46.788°の回折ピークは、(002)面、(200)面または(020)面としている。
回折ピーク角度が上記のように範囲を有するのは、下記2つの理由による。
一つは、基板1とKNN結晶(圧電薄膜)の熱膨張差によって生ずる内部応力の影響や下地(下部電極2)の影響でKNN結晶格子が歪むためである。
もう一つは、Na/(K+Na)組成比によって結晶格子サイズが変化するためである。
本発明の実施形態及び実施例における圧電薄膜素子の断面図である。 比較例における圧電薄膜素子の断面図である。 圧電特性評価の測定方法を説明する概略構成図である。 実施例及び比較例の圧電薄膜素子に対する印加電圧と先端最大変位量との関係を示す図である。 圧電薄膜の圧電定数d31と、比誘電率との関係を示す図である。 実施例の圧電薄膜素子のX線回折パターンを示す図である。 比較例の圧電薄膜素子のX線回折パターンを示す図である。
符号の説明
1 基板
2 下部電極
3 KNbO薄膜
4 圧電薄膜
5 上部電極
6 圧電薄膜
10 試料
20 クランプ
21 除震台
22 レーザードップラ変位計

Claims (3)

  1. 基板上に、下部電極と、膜厚が0.2μm以上10μm以下であり、一般式(KxNa1-x)NbO3(0<x<1)で表されるペロブスカイト構造の圧電薄膜と、上部電極とを有する圧電薄膜素子において、前記下部電極と前記圧電薄膜との間に、KNbO 3 薄膜が形成されているとともに、前記圧電薄膜の比誘電率が、50以上200以下の範囲にあることを特徴とする圧電薄膜素子。
  2. 前記基板がSi基板またはMgO基板であり、前記下部電極がPt電極であることを特徴とする請求項1に記載の圧電薄膜素子。
  3. 前記下部電極、前記圧電薄膜、及び前記KNbO3薄膜がRFマグネトロンスパッタリング法により形成されていること特徴とする請求項またはに記載の圧電薄膜素子。
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