JP5156304B2 - インバータ発電機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インバータ発電機の制御装置に関し、とくにインバータ発電機の出力を安定させるための技術に関する。
特許文献1には、MOSFETを用いて構成され、三相インバータ回路及び三相整流回路として機能する三相交流発電動機の制御装置が開示されている。この制御装置は、負荷が増大して負荷側(バッテリー側)の電圧が減少すると、フルブリッジを構成しているMOSFETの一部(FET2、FET4、FET6)の通電タイミングを遅角させる(増磁制御)。また発電動機の出力が負荷に対して過大になるとMOSFETの一部(FET2、FET4、FET6)の通電タイミングを進角させる(減磁制御)。この制御装置は、このようなフィードバック制御を行うことにより、負荷側(バッテリー側)の電圧が所定の値に維持されるようにしている。
特開2004−274978号公報
ところで、インバータ発電機の動作中は負荷側に加わる負荷変動が極端に小さくなってしまうことがあるが、このような場合であっても負荷側の電圧が所定の電圧に安定して収束するようにするために、上記フィードバック制御は迅速に行う必要がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、インバータ発電機の出力を安定させることが可能なインバータ発電機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のうち請求項1に記載の発明は、三相交流出力を全波整流するコンバータ部と、前記コンバータ部に並列に接続され、前記コンバータ部の直流出力を交流に変換するインバータ部とを備えるインバータ発電機を制御する制御装置であって、前記コンバータ部の直流出力電圧Viをリアルタイムに検出する検出手段と、前記直流出力電圧Viの検出間隔をΔtiとし、前記直流出力電圧Viの変化率をΔVi/Δti=ΔEtiとするとき、前記直流出力電圧Viの増加中(ΔEti>0)は前記コンバータ部の全波整流の通電タイミングを進角させ、前記直流出力電圧Viの減少中(ΔEti<0)は前記コンバータ部の全波整流の通電タイミングを遅角させるように制御する制御手段とを備えることとする。
また本発明のうち請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインバータ発電機の制御装置であって、前記コンバータ部は、MOSFETを用いたフルブリッジ回路を有し、前記制御手段は、前記フルブリッジ回路を構成する全ての前記MOSFETを制御することにより、前記全波整流の通電タイミングを進角又は遅角させることとする。
また本発明のうち請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインバータ発電機の制御装置であって、前記MOSFETは、その導通角内において矩形波によりスイッチングされることとする。
また本発明のうち請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインバータ発電機の制御装置であって、前記制御手段は、前記コンバータ部の直流出力電圧のリップル分の許容限界値に対する前記矩形波のスイッチング周波数の下限値をfc1とし、前記コンバータ部の発熱量の許容限界値に対する前記矩形波のスイッチング周波数の上限値をfc2とするとき、前記矩形波のスイッチング周波数fcがfc1≦fc≦fc2となるように前記全波整流の通電タイミングを制御することとする。
また本発明のうち請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のインバータ発電機の制御装置であって、前記インバータ部は、MOSFETを用いたフルブリッジ回路を有し、前記インバータ発電機は前記インバータ部の後段に接続されるローパスフィルタを有し、前記制御手段は、前記インバータ部の前記MOSFETをPWM制御によりスイッチングし、実装上の制限から定まる前記ローパスフィルタのインダクタンスの最大値と、インバータ部の出力に含まれる不要周波数成分の除去性能とから定まる前記PWM制御のスイッチング周波数fiの下限値をfi1とし、前記インバータ部の発熱量の許容限界値に対する前記スイッチング周波数の上限値をfi2とするとき、前記インバータ部の前記スイッチング周波数fiが、fi1≦fi≦fi2となるように、前記インバータ部を制御することとする。
本発明によれば、インバータ発電機の出力を安定させることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に本発明の一実施形態として説明するインバータ発電機100のブロック図を示している。同図に示すように、このインバータ発電機100は、発電部11、発電部11において生成された三相交流を直流に変換するコンバータ部12、コンバータ部12の直流出力を単相交流に変換するインバータ部13、コンデンサ14、及びローパスフィルタ15を含んで構成される本体装置と、直流電圧モニタ16、交流電圧モニタ17、ECU18(ECU : Electronic Control Unit)を含んで構成される制御装置と、を備えている。
同図に示す発電部11は、ロータ及び複数の突極子を有するステータを備えている。ステータの各突極子には界磁巻線が施され、各突極子に対峙するように永久磁石が配置されたロータが上記ステータと同軸に回転することにより、上記界磁巻線にU,V,W相を有する三相交流が出力される。なお、発電部11には、ロータと同期してパルス信号を発生するサブコイル113、及びパルス信号に基づくデジタル信号をECU18に入力するエンコーダ114が付設されている。
コンバータ部12は、発電部11から出力される三相交流を直流に変換する。図1に示しているように、コンバータ部12は、MOSFET(FET1〜FET6)を用いたフルブリッジ回路で構成される整流回路を有している。ECU18から出力される制御信号に応じてMOSFET(FET1〜FET6)のゲートがスイッチングされることにより、三相交流が直流に変換される。
直流電圧モニタ16は、コンバータ部12の直流出力電圧をリアルタイムに検出してECU18に入力する。コンバータ部12の出力側には、インバータ発電機100の出力を安定させるための電界コンデンサ(コンデンサ14)が並列に接続されている。直流電圧モニタ16は、コンデンサ14の端子間電圧を測定することにより、コンバータ部12の直流出力電圧を検出する。
ECU18は、直流電圧モニタ16から入力される直流出力電圧に応じてMOSFET(FET1〜FET6)をフィードバック制御し、コンバータ部12から出力される直流出力電圧が所定値に維持されるように制御する。
コンデンサ14を介したコンバータ部12の出力側には、インバータ部13が並列接続されている。インバータ部13は、コンバータ部12の直流出力を単相交流に変換する。インバータ部13は、4つのMOSFET(FET7〜FET10)を用いて構成されるフルブリッジ回路を有している。MOSFET(FET7〜FET10)は、ECU18から出力される制御信号によりPWM制御(PWM : Pulse Width Modulation)される。
インバータ部13の後段には、インバータ部13の交流出力に含まれる不要周波数成分をカットするためのローパスフィルタ15が設けられている。本実施形態においては、ローパスフィルタ15をチョークコイル151とコンデンサ152を用いて構成しているが、ローパスフィルタ15の構成は必ずしもここに示した構成に限定されるわけではない。
制御装置の構成要素である交流電圧モニタ17は、インバータ部13の交流出力電圧をリアルタイムに検出してECU18に入力する。
次にコンバータ部12の制御について詳述する。図2にコンバータ部12の制御タイミングを示している。同図に示すように、発電部11から出力される三相交流のU,V,Wの各相の正の電圧に対応して、FET1,3,5が180度の導通角(オン期間)で制御される。なお、導通角の実時間は、発電部11のロータに配置される磁極の数、及びロータの回転速度に応じて定まる。
MOSFET(FET1〜FET6)は、導通角内においてデューティ比50%の矩形波でスイッチング制御される。図3に上記矩形波の一例を示している。矩形波の周波数fcは、コンバータ部12の直流出力に含まれるリップル分と、コンバータ部12を構成しているMOSFET(FET1〜FET6)の発熱量とに応じて決定される。
なお、本実施形態では、後述するようにMOSFET(FET1〜FET6)の発熱量を考慮して導通角を180度に固定しており、MOSFET(FET1〜FET6)のオン/オフの切り替えは三相出力のU,V,Wの各波形のゼロクロスポイントで行えばよい。従って本実施形態のインバータ発電機100の制御は容易である。
ところで、コンバータ部12の直流出力電圧のリップル分は、上記矩形波のスイッチング周波数fcを大きくすれば減少するが、矩形波のスイッチング周波数fcを大きくするにつれてMOSFET(FET1〜FET6)の発熱量は増大する。また発熱量の増大を抑えようとしてスイッチング周波数を小さくすれば今度はコンバータ部12の直流出力電圧のリップル分が増大してしまう。このように矩形波のスイッチング周波数fcの変化に対する、コンバータ部12の直流出力電圧のリップル分の変化とMOSFET(FET1〜FET6)の発熱量の変化とは正負が逆の関係になる。このため、本実施形態では、実機を用いた実験により、次のようにして矩形波のスイッチング周波数fcの許容範囲を決定することとした。
すなわちコンバータ部12の直流出力電圧のリップル分の許容上限値を与える上記矩形波のスイッチング周波数fc1を決定した。またMOSFET(FET1〜FET6)の発熱量が許容上限値に達する際の矩形波のスイッチング周波数fc2を求めた。
また実機を用いて実際に実験を行ったところ、図4に示すように、fc1=12.5kHz、fc2=17.5kHzを得た。また矩形波のスイッチング周波数の許容範囲として12.5kHz〜17.5kHzを得た。そこでECU18がコンバータ部12をスイッチング制御する際の導通角における矩形波のスイッチング周波数fcを、上記許容範囲の中間の値である15kHzに設定した。
なお、上記実験では矩形波のスイッチング周波数fcを変化させたが、矩形波のデューティ比を変化させてデューティ比の最適値を求めるようにしてもよい。
次にECU18によって行われるコンバータ部12の制御について説明する。ECU18(制御手段)は、コンバータ部12の直流出力電圧を所定値に維持すべく、直流電圧モニタ16(検出手段)から入力されるコンバータ部12の直流出力電圧に応じてコンバータ部12の全波整流の通電タイミングを制御する。
具体的には、コンバータ部12の直流出力電圧をViとし、直流出力電圧Viの検出間隔をΔtiとし、直流出力電圧Viの変化率をΔVi/Δti=ΔEtiとするとき、ECU18は、直流出力電圧の増加中(ΔEti>0)は全波整流の通電タイミングを進角させて減磁動作するように、また直流出力電圧の減少中(ΔEti<0)は全波整流の通電タイミングを遅角させて増磁動作するように、コンバータ部12の全波整流の通電タイミングを制御する。
図5にECU18によるコンバータ部12のフィードバック制御の流れを示す。また図6にコンバータ部12の全波整流の通電タイミングを60度進角させた場合におけるタイミングチャートを、図7に60度遅角させた場合のタイミングチャートを夫々示す。
ここで本実施形態のインバータ発電機100では、進角、遅角のいずれの場合も導通角を180度としている。導通角を180度とした理由は次の通りである。例えばFET1について説明すると、図8に示すように導通角を120度とした場合には0度〜30度の間ではFET1のゲート電圧は接地電位(Grand Level)となっているためFET1にチャネルが形成されず、U相からの電流はFET1の寄生ダイオードを流れ、この寄生ダイオードにおける電圧降下分は熱となってFET1の発熱量に寄与することとなる。これは150度から180度の間でも同様である。
これに対し、導通角を180度に設定した場合には、0度〜180度の区間では、ゲートに正の電圧がかかるためFET1にチャネルが形成され、U相からの殆どの電流は抵抗の小さなチャネル側を流れ、寄生ダイオードによる電圧降下分は殆ど無く、発熱量は小さくなる。
ところで、本実施形態では、コンバータ部12の上アーム(FET1,3,5)と下アーム(FET2,4,6)の両アームを使用して全波整流を行い、全波整流の通電タイミングについて、前述の制御(増磁(遅角)/減磁(進角))を行っている。このため、特許文献1のように片側アームのみで制御を行う場合に比べて微小な負荷変動に対するフィードバック制御の追従性がよく、1A以下といった微小な負荷変動についても正確なフィードバックが行われ、コンバータ部12の直流出力電圧を確実かつ安定して所定値に維持することができる。
なお、ECU18が直流電圧モニタ16(検出手段)から入力されるコンバータ部12の直流出力電圧を検出する際のサンプリング頻度は、コンバータ部12の出力の安定性とフィードバックの応答性の双方が確保されるように設定する必要がある。本実施形態ではサンプリング頻度を750回/秒に設定している。
次にECU18によって行われるインバータ部13の制御について説明する。先ず図9とともに、インバータ部13のPWM制御のスイッチング周波数fi、ローパスフィルタ15を構成するチョークコイル151のインダクタンスLi、及びMOSFET(FET7〜FET10)の発熱量の関係について説明する。
インバータ部13をPWM制御する際のスイッチング周波数fiを高くしていくと、発生する高調波の周波数成分が増大する(このような高調波の発生については、例えば「トランジスタ技術 2003年8月号:CQ出版社」の165〜166頁「高調波を除去する出力フィルタの設計」に詳述されている。)。このため、ローパスフィルタ15を構成しているチョークコイル151のインダクタンスLiは小さくてよく、チョークコイル151の外形寸法も小さくすることができる。
しかしチョークコイル151のインダクタンスLiを小さくすると、MOSFET(FET7〜FET10)の発熱量は増大する。ここでこの発熱量を抑えるには、スイッチング周波数fiを低く設定すればよいが、そうすると高調波の周波数成分が小さくなり、所定の単相交流を得るためにチョークコイル151のインダクタンスLiを大きくしなければならなくなる。
そこで本実施形態では、実機の構成を考慮するとともに実機による実験を行って、MOSFET(FET7〜FET10)のスイッチング周波数fiの許容範囲を決定した。
まずチョークコイル151が配置されるインバータ部13周辺の収納容積等の実装上の制約に基づいて、実機に実装可能なチョークコイル151の外形寸法や巻数の制限から許容される、チョークコイル151のインダクタンスの最大値Liuを決定した。
ここでインダクタンスが大きい場合は、カットオフ周波数の関係から、発生する高調波の周波数成分が小さい場合でも当該周波数成分を容易に除去することができ、MOSFETのスイッチング周波数fiを低く設定することができる。ここでローパスフィルタ15のカットオフ周波数fは、f=1/2π√(L・C)から求まる。つまりチョークコイル151のインダクタンスLiが大きい程、カットオフ周波数fは小さくなる。
このため、周波数成分が小さくても減衰量が大きくなり、スイッチング周波数fiをあまり高くしなくても、不要な周波数成分を充分に減衰又は除去することができる。一方、インダクタンスLiが小さいと、カットオフ周波数fが大きくなるため、ある程度スイッチング周波数fiを高くしないと不要周波数成分を効果的に減衰又は除去することができなくなる。
そこで本実施形態では、チョークコイル151のインダクタンスLiの最大値Liuを決定した後、スイッチング周波数fiの下限値を決定した。その結果、インダクタンスLiの最大値Liuとして650μHを、またスイッチング周波数filとして5kHzを得た。
一方、チョークコイル151のインダクタンスLiを小さくすると、カットオフ周波数の関係から、発生する高調波の周波数成分のうち、小さいものを除去できなくなってしまうため、スイッチング周波数fiを高くしなければならないが、スイッチング周波数fiを高くするとMOSFETの発熱量が増えてしまう。ここでMOSFETに許容される発熱量の上限は、実機に使用されるMOSFETの仕様に応じて定まる。
そこで次にこの発熱量の上限からスイッチング周波数fiの許容上限値fiuを求め、この許容上限値fiuに対応するインダクタンスLi1を、出力側で発生する高調波発生との兼ね合いから決定した。
具体的には、巻数を減らしたチョークコイル151を数種類用意し、夫々について出力側で発生する高調波成分を測定し、その中から許容されるインダクタンスLi1を決定した。その結果、チョークコイル151のインダクタンスLi1として90μHを、スイッチング周波数の上限値fiuとして19kHzを得た。
以上により、本実施形態では、PWM制御のスイッチング周波数fiの範囲として5kHz〜19kHzを得たので、この中間の値である12kHzをPWM制御のスイッチング周波数fiとして採用し、このスイッチング周波数fi(=12kHz)でインバータ部13をPWM制御するようにECU18を設定した。また別途実験により高調波成分の除去の有無を確認し、チョークコイル151のインダクタンスLiとして350μHを得たため、チョークコイル151としてこのインダクタンスLi(=350μH)を有するものを用いた。
なお、本実施形態では、ローパスフィルタ15を構成するコンデンサ152の容量は固定し(10μF)、専らチョークコイル151のインダクタンスLiを変化させて実験を行っているが、コンデンサ152の容量を変化させて上記と同様の方法によりスイッチング周波数fi及びインダクタンスLiを決定するようにしてもよい。
以上に説明したように、コンバータ部12の直流出力電圧に応じてコンバータ部12の全波整流の通電タイミングを制御(進角/遅角)するようにしたため、コンバータ部12を高速にフィードバック制御することが可能となり、インバータ発電機100の出力を安定させることができる。
またコンバータ部12を、MOSFET(FET1〜FET6)によるフルブリッジ回路で構成したため、コンバータ部12の電力変換効率を向上させることができる。
またフルブリッジ回路を構成している全ての(上下アーム双方の)MOSFET(FET1〜FET6)を制御してコンバータ部12の全波整流の通電タイミングを進角又は遅角させるようにしたため、小さな負荷変動についても確実にフィードバックをかけることが可能になり、インバータ発電機100の出力が安定し、インバータ発電機100の信頼性を高めることができる。
またコンバータ部12のフルブリッジ回路を構成するMOSFET(FET1〜FET6)を、その導通角内において矩形波でスイッチングするようにしたため、コンバータ部12の電圧利用率を向上させることができる。
またコンバータ部12の直流出力電圧のリップル分の許容限界値と発熱量の許容限界値とを超えない範囲内になるように、具体的には導通角内における矩形波のスイッチング周波数fcがfc1≦fc≦fc2となるようにコンバータ部12のMOSFET(FET1〜FET6)を制御するようにしたため、コンバータ部12からインバータ部13に適正な入力電圧を与えることができる。そしてこれによりインバータ発電機100の発電効率を高めることができ、安定した出力を得ることができる。また発熱量が適正に抑えられ、インバータ発電機100の信頼性を向上させることができる。
なお、コンバータ部12の出力を高頻度で(750回/秒)検出し、この検出値に基づいてフィードバック制御を行い、MOSFET(FET1〜FET6)の各ゲートの通電タイミングの制御(進角/遅角)を行っているため、フィードバックの応答性が損なわれることはない。また負荷の変動が微小な場合でも、オーバーシュートやアンダーシュートといった不具合が発生することもなく、コンバータ部12の直流出力を所定値に維持することができる。
またインバータ部13のMOSFET(FET7〜FET10)をPWM制御する際のスイッチング周波数fiが、ローパスフィルタ15のインダクタンスLiの最大値Liuと、インバータ部13の出力に含まれる不要周波数成分の除去性能とから定まるスイッチング周波数fiの下限値をfi1とし、インバータ部13の発熱量の許容限界値に対するスイッチング周波数の上限値をfi2とするとき、インバータ部13のスイッチング周波数fiが、fi1≦fi≦fi2となるように制御するため、インバータ部13の発熱量が許容限界値を超えない範囲内でインバータ部13を制御することができる。また不要周波数成分を確実に除去することができる。また発熱量が適正に抑えられてインバータ発電機100の信頼性を向上させることができる。
また本実施形態のインバータ発電機100は、小さな出力変動に対する応答性が良く、出力を所定の電圧に正確に維持することができる。加えて、コンバータ部12とインバータ部13の制御信号のスイッチング周波数が最適な値に設定されているため、インバータ発電機100の総合的な効率を高めることができる。
なお、以上の実施形態の説明は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
本発明の実施形態に係るインバータ発電機100のブロック図である。 本発明の実施形態に係るコンバータ部12の制御タイミングを説明する図である。 本発明の実施形態に係るMOSFET(FET1〜FET6)の制御信号の導通角内の波形(矩形波)を示す図である。 本発明の実施形態に係る導通角における矩形波のスイッチング周波数fcとMOSFETの発熱、及びコンバータ部12の直流出力電圧のリップル分の関係を示す図である。 本発明の実施形態に係るECU18によるコンバータ部12のフィードバック制御の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係るコンバータ部12の全波整流の通電タイミングを60度進角させた場合のタイミングチャートである。 本発明の実施形態に係るコンバータ部12の全波整流の通電タイミングを60度遅角させた場合のタイミングチャートである。 導通角が180度と120度である場合のFET1のドレイン−接地間電圧波形を比較した図である。 本発明の実施形態に係るインバータ部13のMOSFETのPWM制御のスイッチング周波数fi、MOSFETの発熱量、及びチョークコイル151のインダクタンスLiの関係を示す図である。
符号の説明
1〜10 FET
11 発電部
113 サブコイル
114 エンコーダ
12 コンバータ部
13 インバータ部
14 コンデンサ
15 ローパスフィルタ
16 直流電圧モニタ
17 交流電圧モニタ
18 ECU
100 インバータ発電機

Claims (5)

  1. 三相交流出力を全波整流するコンバータ部と、前記コンバータ部に並列に接続され、前記コンバータ部の直流出力を交流に変換するインバータ部とを備えるインバータ発電機を制御する制御装置であって、
    前記コンバータ部の直流出力電圧Viをリアルタイムに検出する検出手段と、
    前記直流出力電圧Viの検出間隔をΔtiとし、前記直流出力電圧Viの変化率をΔVi/Δti=ΔEtiとするとき、前記直流出力電圧Viの増加中(ΔEti>0)は前記コンバータ部の全波整流の通電タイミングを進角させ、前記直流出力電圧Viの減少中(ΔEti<0)は前記コンバータ部の全波整流の通電タイミングを遅角させるように制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするインバータ発電機の制御装置。
  2. 請求項1に記載のインバータ発電機の制御装置であって、
    前記コンバータ部は、MOSFETを用いたフルブリッジ回路を有し、
    前記制御手段は、前記フルブリッジ回路を構成する全ての前記MOSFETを制御することにより、前記全波整流の通電タイミングを進角又は遅角させること
    を特徴とするインバータ発電機の制御装置。
  3. 請求項2に記載のインバータ発電機の制御装置であって、
    前記MOSFETは、その導通角内において矩形波によりスイッチングされることを特徴とするインバータ発電機の制御装置。
  4. 請求項3に記載のインバータ発電機の制御装置であって、
    前記制御手段は、
    前記コンバータ部の直流出力電圧のリップル分の許容限界値に対する前記矩形波のスイッチング周波数の下限値をfc1とし、前記コンバータ部の発熱量の許容限界値に対する前記矩形波のスイッチング周波数の上限値をfc2とするとき、前記矩形波のスイッチング周波数fcがfc1≦fc≦fc2となるように前記全波整流の通電タイミングを制御することを特徴とするインバータ発電機の制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のインバータ発電機の制御装置であって、
    前記インバータ部は、MOSFETを用いたフルブリッジ回路を有し、
    前記インバータ発電機は前記インバータ部の後段に接続されるローパスフィルタを有し、
    前記制御手段は、
    前記インバータ部の前記MOSFETをPWM制御によりスイッチングし、
    実装上の制限から定まる前記ローパスフィルタのインダクタンスの最大値と、インバータ部の出力に含まれる不要周波数成分の除去性能とから定まる前記PWM制御のスイッチング周波数fiの下限値をfi1とし、前記インバータ部の発熱量の許容限界値に対する前記スイッチング周波数の上限値をfi2とするとき、前記インバータ部の前記スイッチング周波数fiが、fi1≦fi≦fi2となるように、前記インバータ部を制御することを特徴とするインバータ発電機の制御装置。
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