JP5155041B2 - 平面型水銀ランプ及び発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放電ガスと水銀が封入される平面型水銀ランプ及びその平面型水銀ランプを備える発光装置に関する発明である。
従来、一対の長方形板状のガラス基板を対向させて周面壁で封止することで形成される放電容器の内部に放電用ガスを封入すると共に、それぞれのガラス基板の外面の中央部付近にクロム層及びニッケル層を積層して長方形状の電極を形成することによって構成される放電ランプが知られている(例えば、特許文献1参照)。この放電ランプは、それぞれの電極の間に高周波電圧を印加することによって発光することができる。
特開2004−111326号公報
ここで、上述のような放電ランプにあっては、ガラス基板に設けられた電極同士で挟まれている中央部付近の領域では放電がなされるが、電極の外周縁よりも外側の領域、すなわち、放電容器の周面壁付近の領域では、電極同士に挟まれていないため放電がなされない。これにより放電容器の周面壁付近に非放電領域が形成される(例えば、図5においてAで示される領域)。従って、このような放電ランプの内部に水銀を封入して平面型水銀ランプとして使用した場合、非放電領域付近では放電がなされずに低温となるため、当該領域における水銀の蒸発が不十分となり液体として残留してしまうことによって、発光が不安定となってしまう可能性があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、発光の安定性を向上させることができる平面型水銀ランプ及び発光装置を提供することを目的とする。
本発明に係る平面型水銀ランプは、誘電体からなり、前面基板及び背面基板を対向させてそれぞれの外周縁部同士を周面壁で封着させることによって平板状に形成される気密容器と、気密容器の内部空間に封入され、電圧が印加されることにより発光する放電ガス及び水銀と、気密容器の前面基板の外面に設けられ、発生した光を出射可能とするように形成される前面側電極と、気密容器の背面基板の外面に設けられ、内部空間を介して電極と対向する背面側電極と、気密容器の外面に設けられ、内部空間で放射される赤外線を反射する絶縁性の赤外線反射層と、を備え、前面側電極の外周縁は、前面基板の外面の外周縁から離間するように形成され、赤外線反射層は、周面壁の外面に形成されると共に、前面基板の外面における前面側電極よりも外周側の領域に形成されることを特徴とする。
この平面型水銀ランプでは、周面壁の外面と、前面基板の外面における前面側電極の外周縁よりも外周側の領域に赤外線反射層が形成されている。これによって、放電中に内部空間で放射される赤外線を、周面壁及び前面基板の外周部分で反射することができ、周面壁付近に形成されている非放電領域における保温性を確保することができる。従って、非放電領域付近に水銀が液体として残留してしまうことを防止できると共に、内部空間全体の温度を水銀が蒸発することのできる温度にまで確実に上昇させて維持することができる。これによって、発光の安定性を向上させることができる。
また、本発明に係る平面型水銀ランプにおいて、前面基板における赤外線反射層は、前面基板の外面の外周縁から内周側に向かって拡がり、気密容器の厚み方向から見て、周面壁の厚みよりも内周側にまで及んでいることが好ましい。これによって、前面基板の外周部分の広い範囲で赤外線を反射することが可能となるため、非放電領域における保温性を向上させることができる。
また、本発明に係る平面型水銀ランプにおいて、前面基板における赤外線反射層の内周縁と、前面側電極の外周縁との間には間隙が形成されていることが好ましい。このように、赤外線反射層と前面側電極とを確実に分離させることによって、赤外線反射層を形成する材料が前面側電極上に付着してしまい、前面側電極と前面側電極に対する給電部との間で導通不良が発生することを防止できる。
また、本発明に係る平面型水銀ランプにおいて、気密容器は、周面壁から外部へ突出するチップ管を有し、チップ管の外面には赤外線反射層が形成されることが好ましい。周面壁の外面側には、製造時に筺体内の真空引きと放電ガス封入のために使用されるチップ管が形成される。このチップ管の内部空間は特に温度低下が生じ易い構成とされているが、このチップ管の外面に赤外線反射層を形成することによって、チップ管における水銀の残留を防止することができる。
また、本発明に係る平面型水銀ランプにおいて、赤外線反射層は、二酸化珪素でコーティングされていることが好ましい。これによって、赤外線反射層の剥離を防止することができ、長時間使用しても非放電領域における保温性と絶縁性を維持することができる。
また、本発明に係る平面型水銀ランプにおいて、赤外線反射層は、周面壁の外面及び前面基板の外面のみに形成されており、背面側電極は、平板状電極を背面基板の外面に接触させることにより構成されていることが好ましい。背面基板に平板状の背面側電極を接触させるような構成とすることによって、背面側電極の剥離などを防止することができる。また、赤外線反射層が周面壁の外面及び前面基板の外面のみに形成され、背面基板の外面には形成されていないため、背面基板の外面と背面側電極の間の密着性を高めることができる。
また、本発明に係る平面型水銀ランプにおいて、赤外線反射層は、粒径が0.8μm以上の金属酸化物からなることが好ましい。このような粒径の金属酸化物を用いることによって、絶縁性と非放電領域における保温性を十分に確保することができる。
また、本発明に係る発光装置は、上述の平面型水銀ランプと、平面型水銀ランプを収容すると共に、平面型水銀ランプからの光を通過させる開口部が前面基板側に形成され、平面型水銀ランプを支持する支持部が背面基板側に設けられる筺体と、を備えることを特徴とする。この発光装置によれば、上述の水銀ランプを備えていることから、発光の安定性を向上させることができる。
本発明に係る平面型水銀ランプによれば、発光の安定性を向上させることができる。
以下、本発明に係る平面型水銀ランプの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る平面型水銀ランプを備える発光装置の斜視図である。図1に示すように、発光装置20は、長方形平板状の平面型水銀ランプ1を直方体状の筺体4内に収容すると共に、筺体4の上蓋8の中央部に長方形状の開口部8aを形成して、平面型水銀ランプ1の出射面を露出させることによって構成されている。この発光装置20は、平面型水銀ランプ1の内部空間に封入される放電ガス及び水銀に高周波電圧を印加することによって発光させ、発生した光を開口部8aから取り出すことができる装置である。筺体4の長手方向の一端側の側壁には、筺体4内を冷却するためのファン14が設けられている。
図2は、図1に示す発光装置の分解斜視図である。図2に示すように、平面型水銀ランプ1は、石英ガラスなどの出射光に対して透明な誘電体により長方形平板状に形成される気密容器2と、気密容器2の前面(前面基板の外面)2bの略全体にわたって形成されるメッシュ状の光通過電極(前面側電極)30と、気密容器2の背面(背面基板の外面)2cと対向して背面2cと接触する長方形状の平板状電極(背面側電極)3とを備えて構成されている。光通過電極30は、前面2bの外周縁部に沿って長方形環状に形成された電極の内部領域にメッシュ状の電極を形成することによって構成されている。この平面型水銀ランプ1の平板状電極3と光通過電極30とは、放電ガス及び水銀が封入された内部空間を介して互いに対向している。従って、光通過電極30をグランド電位(接地電位)とし、平板状電極3及び光通過電極30の間に高周波電圧を印加することによって内部空間の放電ガス及び水銀を発光させ、発生した光を気密容器2の前面2b側から出射させることができる。なお、この平面型水銀ランプ1の構成に関する詳細な説明は後述する。なお、高周波電圧とは1MHz以上の周波数を有する交流電圧である。
気密容器2の前面2b側には、前面2bの外周縁部と光通過電極30の長方形環状の外周縁部を覆うように、導電性材料、例えばステンレスの薄板などからなる長方形環状の枠状薄板26が配置されている。枠状薄板26は、気密容器2の前面2bの外周と略同一形状の外周を有すると共に、光通過電極30の長方形環状の縁部と略同一形状の内周を有している。この枠状薄板26は、気密容器2に対してロウ付けなどによって接合されている。
気密容器2の背面2c側の平板状電極3は、平面型水銀ランプ1の陽極として機能するものであり、平面型水銀ランプ1とは別体に設けられている。光通過電極30の長方形環状の外周縁部と略同一の形状を有するアルミニウム製の長方形状の平板によって構成されている。そのため、電極の剥離といった問題が生じ難い。平板状電極3は、気密容器2の背面2cと対向して、背面2cに接触配置される。この平板状電極3には、外縁部に高周波電源と接続された配線15が取り付けられている。気密容器2との接触面となる前面3aには、気密容器2内部で発生した光を前面2b側に反射させるために、鏡面加工が施されている。なお、平板状電極3の鏡面加工に代えて、気密容器2の背面2cにアルミニウム等の金属蒸着によって直接電極層兼反射鏡を形成しても良い。この場合、平板状電極3を電極層に給電するための給電部材として用いてもよいし、平板状電極3の替わりに別途給電部材を設けても良い。
平面型水銀ランプ1を収容する筺体4は導電性材料からなり、上面側が開放された底面長方形状のアルミニウム製のケース6の内部に平面型水銀ランプ1を配置し、長方形状の上蓋8を上方から被せることによって構成されている。この上蓋8には、平面型水銀ランプ1と対向する領域に略長方形状の開口部8aが形成されている。また、平面型水銀ランプ1の長手方向の端部を上方から押圧するための長方形の押圧板9A,9Bを嵌め込み可能とするように、開口部8aの長手方向の両端に幅広部8b,8cが形成されることによって、開口部8aは略I字状に構成されている。また、筺体4のケース6内部の底板側には、収容した平面型水銀ランプ1を支持及び位置決めするための支持ベース(支持部)7が設けられている。
上蓋8の開口部8aの両端の幅広部8b,8cに嵌め込まれる押圧板9A,9Bは、アルミニウムなどの導電性材料によって長方形状に構成されている。この押圧板9A,9Bは、平面型水銀ランプ1の端部を各々覆うように形成されている。また、押圧板9A,9Bの長手方向の両端部には、螺子を挿通させるための貫通孔が形成されている。
ケース6の内部に設けられた支持ベース7は、ケース6の底面を覆うようにして配置される長方形状のベース板5と、そのベース板5上の長手方向の両端側に設けられ、平面型水銀ランプ1の平面方向の位置決めを行うための支持部材11A,11Bと、ベース板5上に所定の間隔で複数箇所に設けられ、平面型水銀ランプ1を下方から支持する弾性支持部12とを備えて構成されている。支持部材11A,11Bは、ベース板5の両端側で、平面型水銀ランプ1の幅方向に広がるような略直方体状の絶縁部材(例えば、セラミックス)を立設させることによって構成されている。これらの支持部材11A,11Bの互いに向かい合う側面同士の間隔は、平面型水銀ランプ1の長手方向の長さよりも若干狭くされている。
ケース6の底面を覆うベース板5は、ケース6の底面と対向するように配置されている。このベース板5は、断熱部材で形成されることによって、平面型水銀ランプ1周辺の保温性を確保することができる。
図3は支持部材の拡大斜視図である。図3に示すように、ベース板5の一端側に配置される支持部材11Aは、略直方体状に形成されている。支持部材11Aの一方の長辺側の縁部には、長辺方向へ延びるような長方形状の切り欠きが、長辺方向の両端側の一部をそれぞれ残存させるように設けられている。この切欠きが設けられることにより、水平に広がる段差面11aと、鉛直に広がる切欠面11bとを形成することができる。この段差面11aは、平面型水銀ランプ1を載置するための載置面として機能させることができ、切欠面11bは、平面型水銀ランプ1の長手方向の位置決めを行うためのストッパ面として機能させることができる。なお、段差面11aは、長手方向の中央位置に長方形状の切欠部11cが形成されることによって、両端の二箇所のみで平面型水銀ランプ1と接触可能とされている。また、切欠部分の長手方向両端側の残存部分11d,11eの内側面同士の間隔は、平面型水銀ランプ1の幅方向の長さと略同一とされているため、これらの残存部分11d,11eを、平面型水銀ランプ1の幅方向の位置決め用のストッパとして機能させることができる。また、切欠面11bと残存部分11d,11eの内側面のうち、平面型水銀ランプ1の周面壁24と対向する部分には、水平方向に延びるような溝部が上下方向に複数形成されている。
支持部材11Aの上面11fは押圧板9Aを取り付けるための座面として機能することができ、この上面11fの長手方向の両端側には、押圧板9Aを固定する螺子を螺着させるための一対の螺子孔11gが形成されている。また、一方の螺子孔11gが形成される位置には、押圧板9Aと電気的に接続される平板状のグランド端子11hが設けられている。このグランド端子11hは、上面側に螺子孔11gと連通する貫通孔を有すると共に、支持部材11Aの他方の長辺側の側面に沿って下方にL字状に屈曲する屈曲部分を有しており、この屈曲部分で支持部材11Aの側面に螺合されることによって固定されている(図4参照)。この螺合部分には配線が同時に固定されており、グランド端子11hは、配線を介して高周波電源のグランド端子と電気的に接続されている。
図4は、図1に示すIV−IV線に沿う断面図であり、平面型水銀ランプの一端側を拡大して示す図である。図4に示すように、発光装置20の内部において、支持ベース7のベース板5は、スペーサ13を介することによって、ケース6の底面6aから離間して配置されている。また、ベース板5の長手方向端部側に設けられた支持部材11Aの段差面11aには、平面型水銀ランプ1の平板状電極3が載置されている。段差面11aは、幅方向の両端部のみで気密容器2と接触可能な構成とされているため(図3参照)、支持部材11Aと平面型水銀ランプ1との接触部分の面積は極力小さくされている。載置された平面型水銀ランプ1は、周面が支持部材11Aの切欠面11bと対向するように配置されており、この切欠面11bによって平面方向における長手方向の移動が規制されている。更に、残存部分11d,11eの内側面(図3参照)によって平面方向における平面型水銀ランプ1の幅方向の移動が規制されている。なお、切欠面11b及びの残存部分11d,11eの内側面に形成されている複数の溝部によって、平面型水銀ランプ1の周面と切欠面11bが接触している場合でも、平面型水銀ランプ1の光通過電極30と平板状電極3との間の沿面放電を抑制することができる。
支持部材11Aの上面11fには、上蓋8の開口部8aに嵌め込まれた押圧板9Aが載置されており、この枠状部材9の下面とグランド端子11hとが接触している。また、この押圧板9Aの短辺方向の幅は支持部材11Aの上面11fの短辺方向の幅よりも大きくされ、上面11fから突出した長縁部は、平面型水銀ランプ1の一端側の縁部を覆っている。押圧板9Aの長縁部の下面は、平面型水銀ランプ1の光通過電極30の外縁部分と電気的に接続された枠状薄板26と接触している。これによって、押圧板9A及び枠状薄板26は、グランド端子11hと平面型水銀ランプ1の光通過電極30とを電気的に接続するための通電部材として機能する。また、この押圧板9Aは、上方からボルト25を貫通させて螺子孔11gにねじ込むことによって支持部材11Aに螺合されており、これによって、平面型水銀ランプ1を下方(平板状電極3側)へ押圧することができる。なお、平面型水銀ランプ1の図示されない他端側においても、同様の構成とされている。
ベース板5には、支持部材11Aから平面方向に所定の間隔で離間するように、弾性支持部12が設けられている。この弾性支持部12は、ベース板5に固定されるボス部17のガイド孔に、上方へ延びる棒状部材16を装填することによって構成されている。ボス部17は、その中央部で上下方向に貫通するガイド孔を有しており、ベース板5を貫通するように上面側からねじ込むことによってベース板5に固定されると共に、ガイド孔の下端を封鎖するためのキャップ17aをベース板5の下面側に設けることによって構成されている。
棒状部材16は、底面6a側から上方の平板状電極3へ向かって略垂直に延び、平面型水銀ランプ1を底面6aから離間するように支持するものであり、平板状電極3を底面6aから20mm程度離間させている。この棒状部材16は、外径約6mm程度のセラミックスなどの絶縁体によって形成されており、その上端部は縮径して先細となっている。従って、平板状電極3の背面全体の面積に対して、棒状部材16の先端部分の面積を極めて小さくすることができるため、棒状部材16は、平板状電極3を実質的に点接触で支持することができる。また、ボス部17のガイド孔の底部には棒状部材16に弾性力を付与する圧縮バネ18が配置されているため、棒状部材16は、平面型水銀ランプ1の気密容器2の背面2cに平板状電極3を付勢することができる。
ここで、平面型水銀ランプ1の詳細な構成について、図5を参照して説明する。図5は、平面型水銀ランプ1の部分断面斜視図である。
平面型水銀ランプ1の平板状の気密容器2は、石英ガラスからなる長方形平板状の前面基板22と、前面基板22と同材質及び同形状に形成されると共に前面基板22と所定の間隔で対向するように配置される背面基板23とを備えている。厚み方向から見て、前面基板22の四方の外縁と背面基板23の四方の外縁は互いに一致するように配置されている。なお、「厚み方向」とは、前面基板22と背面基板23が対向する方向、すなわち前面2b及び背面2cに対して垂直な方向を示している。この気密容器2は、前面基板22と背面基板23の四方の外周縁部同士を、石英ガラスからなる長方形環状の周面壁24で封着することによって、内部空間28の気密性が保たれている。具体的には、周面壁24は、前面基板22の一対の長縁部と背面基板23の一対の長縁部同士を長手方向全長にわたって連結する一対の側面壁と、前面基板22の一対の短縁部と背面基板23の一対の短縁部同士を幅(短手)方向全長にわたって接合して連結する一対の側面壁とを備えて構成されている。周面壁24を構成する四方の側面壁は、それぞれ各基板22,23と垂直をなすように立設されている。なお、前面基板22、背面基板23及び周面壁24の板厚はいずれも同じとされている。
気密容器2の長手方向の一端側の周面壁24には、製造時に内部空間28の排気を行うと共に放電ガス及び水銀を封入するために用いられたチップ管27が形成されている。このチップ管27は、気密容器2の幅方向の中央位置に接合されている。
気密容器2の前面2bに形成される光通過電極30は、金属膜によって形成されており、前面2bの外縁部を除いて、ほぼ全面に形成される。より詳細には、光通過電極30は、前面2bの外縁部に沿って長方形環状に形成される環状部31と、環状部31の内側領域で網状に形成されたメッシュ部32とを有している。光通過電極30は、前面2bの略全面にわたって網状に形成されているため、内部空間で発生した光を前面2bから出射可能としている。なお、光通過電極30自体を透光性の材料で形成することによって、光を出射可能としてもよい。
この光通過電極30の環状部31は、前面2bの長辺側の一方の外周縁22aに沿って延在する長辺部分31aと、他方の外周縁22bに沿って延在する長辺部分31bとを備えている。また、環状部31は、前面2bの短辺側の一方の外周縁22cに沿って延在する短辺部分31cと、他方の外周縁に沿って延在する短辺部分とを備えている(他方の外周縁及びそれに対応する短辺部分は不図示)。環状部31の長辺部分31a,31b及び短辺部分31cは、その外周縁が前面2bの外周縁22a,22b,22cからそれぞれ離間して形成されており、気密容器2の厚み方向から見て、少なくとも周面壁24の板厚よりも離間していることが好ましい。なお、図示されない他方の短辺部分についても同程度離間している。例えば、1.3mm程度の板厚で気密容器を形成した場合、環状部31の外周縁は前面2bの外周縁から1.3〜5mm程度離間していることが好ましい。
環状部31の内側領域に形成されるメッシュ部32は、環状部31の両側の短辺部分同士を接続するように、長辺部分31a,31bと平行な直線状の電極パタンを等間隔で複数形成すると共に、両側の長辺部分同士を接続するように、短辺部分31cと平行な直線状の電極パタンを等間隔で複数形成することによって構成されている。なお、このメッシュ部32を構成する直線状の電極パタンの太さは、環状部31の長辺部分31a,31b及び短辺部分31cよりも細くされており、気密容器2の内部空間28で発生した光が十分に出射できるように構成されている。
気密容器2の背面2cと接触する平板状電極3は、背面2cの外縁部は露出させつつも環状部31よりも若干大きな形状を有しており、厚み方向から見て環状部31と重なり合うように配置されている。これによって、気密容器2の内部空間28のうち、光通過電極30と平板状電極3に挟まれた領域は高周波電圧が印加される放電領域とされ、外周側の挟まれていない領域は高周波電圧が印加されない非放電領域とされる。この非放電領域は、図5におけるAで示される領域である。また、光通過電極30及び平板状電極3ともに、気密容器2の前面2b及び背面2cの外縁部を除いて配置されているため、両電極間の沿面距離を確保することができ、両電極間の沿面放電を防止することができる。
気密容器2の外面には、赤外線を反射する金属酸化物が塗布されることによって、絶縁性の赤外線反射層40が設けられている。なお、図5における図示としては、光通過電極30に付されている梨地模様よりも細かい梨地模様が付された領域に赤外線反射層40が形成されている。この赤外線反射層40は、周面壁24の外面及び前面基板22の外面(すなわち前面2b)の外周縁部のみに形成されており、背面基板23の外面(すなわち背面2c)には形成されていない。
具体的には、周面壁24を構成する四方の側面壁の外面全てにわたって赤外線反射層40が形成されており、周面壁24から突出するチップ管27の外面にも全面にわたって赤外線反射層40が形成されている。
前面基板22側の赤外線反射層40は、光通過電極30の環状部31よりも外周側の領域を全て覆っており、光通過電極30を取り囲むように長方形環状に形成されている。この赤外線反射層40は、各外周縁22a〜22cから内周側に向かって拡がり、気密容器2の厚み方向から見て、周面壁24の厚みよりも内周側にまで及ぶように形成されている。これによって、前面基板22側の赤外線反射層40は、非放電領域Aに対応する位置をほぼ全て覆うような構成となっている。ただし、環状部31の外周縁と赤外線反射層40の内周縁との間には、図5においてBで示されるような間隙が設けられている。この間隙は、環状部31を取り囲むように長方形環状に形成されており、例えば、1mm程度の幅とされる。
赤外線反射層40を構成する金属酸化物としては赤外線遮蔽酸化チタン(例えば、テイカ株式会社製「JR−1000」)が用いられる。この赤外線遮蔽酸化チタンは、例えば、平均粒子径が1.0μm、屈折率が2.72、比重が4.2、酸化チタン結晶形がルチル形の白色粉状の金属酸化物である。この赤外線遮断酸化チタンの粉末を1:1の割合で水に溶かし、はけで気密容器2に塗布することによって、赤外線反射層40が形成される。更に、赤外線反射層40の表面を二酸化珪素でコーティングすることで、赤外線反射層の剥離を防止する。
このように構成された平面型水銀ランプ1においては、例えば、気密容器2の長さを約500mm、幅を約50mm、板厚を約1.3mmとし、前面基板22と背面基板23の間に約8mmの放電距離を確保し、内部空間28にXeガスと水銀を封入した場合、点灯周波数が2020kHz(約2MHz)、ランプ放電電圧が約2.5kVp-pとなる。
次に、本実施形態に係る平面型水銀ランプ1の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る平面型水銀ランプ1では、周面壁24の外面と、前面基板22の外面における光通過電極30の環状部31の外周縁よりも外周側の領域に赤外線反射層40が形成されている。この赤外線反射層40により、周面壁24及び前面基板22の外縁部分で、放電中に内部空間28で放射される赤外線を反射することができる。これによって、周面壁24付近に形成されている非放電領域Aにおける保温性を確保することができる。従って、非放電領域A付近に水銀が液体として残留してしまうことを防止できると共に、内部空間28全体の温度を水銀が蒸発することのできる温度にまで確実に上昇させて維持することができる。これによって、発光の安定性を向上させることができる。
なお、仮に、赤外線反射層40を気密容器2の内面側に形成した場合は、赤外線反射層40が放電に直にさらされてしまうため、二酸化珪素でコーティングを施したとしても劣化及び剥離してしまう可能性がある。それは、赤外線反射層へ二酸化珪素でコーティングを施したとしても同様である。一方、本実施形態においては赤外線反射層は気密容器2の外面に形成されているため、長時間使用することができる。
また、前面基板22における赤外線反射層40は、外周縁22a〜22cから内周側に向かって拡がり、気密容器2の厚み方向から見て、周面壁24の厚みよりも内周側にまで及んでいるため、前面基板22の外周部分の広い範囲で赤外線を反射することが可能となり、非放電領域における保温性を向上させることができる。
また、前面基板22における赤外線反射層40の内周縁と、光通過電極30の環状部31の外周縁との間には間隙が形成されている。このように、環状部31と赤外線反射層40とを確実に分離させることによって、環状部31上に金属酸化物が付着してしまい、環状部31と給電部材である枠状薄板26(図2参照)との間で導通不良が発生することを防止することができる。
また、外部に突出しているために、特に温度低下が生じ易い構成とされているチップ管27の外面にも赤外線反射層40が形成されているため、チップ管27における水銀の残留を防止することができる。
ここで、仮に、背面基板23の外面の外周縁付近に赤外線反射層40を設けた場合、平板状電極3の外周縁部と赤外線反射層40とが接触してしまったときに、当該接触部分で平板状電極3が背面基板23から若干浮いた状態となってしまい、平板状電極3と背面基板23の密着性が損なわれてしまう可能性がある。しかし、本実施形態においては、周面壁24の外面及び前面基板22の外面にのみ赤外線反射層40が形成されているため、平板状電極3と背面基板23の密着性を高めることができる。
また、赤外線反射層40を二酸化珪素でコーティングすることによって、赤外線反射層40の剥離が防止され、長時間使用しても非放電領域における保温性と絶縁性を維持することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態に係る平面型水銀ランプ1では、赤外線反射層40を構成する金属酸化物として赤外線遮蔽酸化チタンを用いたが、これに代えて、酸化ジルコニウムなどを用いてもよい。その他、赤外線反射層を構成する材質としては、粒径が0.8μm以上の金属酸化物を用いることが好ましい。このような粒径の金属酸化物を用いることによって、絶縁性と非放電領域における保温性を十分に確保することができる。
また、赤外線反射層40を二酸化珪素でコーティングしたが、これに代えて、水ガラスでコーティングしてもよい。水ガラスを用いる場合、コーティングに代えて、赤外線遮蔽酸化チタンの粉末を水ガラスで溶かして気密容器2に塗布してもよい。
また、本実施形態においては、平面型水銀ランプは長方形状とされているが、これに限らず、円板状としてもよい。また、平面型水銀ランプ1の気密容器2は、出射光に対して透明な、石英ガラスによって形成していたが、前面基板22のみを出射光に対して透明な材料で形成し、その他の構成部材は出射光に対して透明でない材料で形成してもよい。
本発明の実施形態に係る平面型水銀ランプを備える発光装置の斜視図である。 図1に示す発光装置の分解斜視図である。 支持部材の拡大斜視図である。 図1に示すIV−IV線に沿う断面図であり、平面型水銀ランプの一端側を拡大して示す図である。 平面型水銀ランプの部分断面斜視図である。
符号の説明
1…平面型水銀ランプ、2…気密容器、2b…前面(前面基板の外面)、2c…背面(背面基板の外面)、3…平板型電極(背面側電極)、4…筺体、7…支持ベース(支持部)、8a…開口部、20…発光装置、22…前面基板、22a,22b,22c…外周縁(前面基板の外面の外周縁)、23…背面基板、24…周面壁、27…チップ管、28…内部空間、30…光通過電極(前面側電極)、40…赤外線反射層。

Claims (5)

  1. 石英ガラスからなる長方形平板状の前面基板と、石英ガラスからなる長方形平板状の基板であって、前面基板と所定の間隔で対向するように配置される背面基板と、前記前面基板及び前記背面基板の外周縁同士を接続する、石英ガラスからなる周面壁と、を有する気密容器と、
    前記気密容器の内部空間に封入され、電圧が印加されることにより発光する放電ガスと、
    前記前面基板の外面に設けられ、前記前面基板の前記外面の外縁部に沿って直方体環状に形成される環状部と、前記環状部の内側領域に網状に形成されたメッシュ部と、を有する光通過電極と、
    前記周面壁に設けられたチップ管と、
    を備えた平面型ランプと、
    前記平面型ランプを収容すると共に、前記平面型ランプからの光を通過させる開口部が前記前面基板側に形成され、前記平面型ランプを支持する支持部が前記背面基板側に設けられる筺体と、
    前記前面基板の外周縁部と前記光通過電極の前記環状部を覆うように設けられ、前記光通過電極を接地電位とする、導電性の枠状薄板と、
    長方形状を有し、前記背面基板の前記外面に対して、外縁部を露出させつつ接触し、前記平面型ランプとは別個に設けられて、前記平面型ランプの厚み方向から見て前記環状部と重なり合うように配置されると共に、前記背面基板の前記外面との接触面が反射面となる平板状電極と、
    を備えることを特徴とする発光装置。
  2. 前記支持部は、長方形状のベース板と、その長手方向に設けられたセラミックスからなる支持部材とを備え、
    前記支持部材には前記平面型ランプを載置する載置面となる段差面が形成されることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記段差面の長手方向の中央位置に切欠部が形成されることによって、両端のみで前記平面型ランプと接触することを特徴とする請求項2記載の発光装置。
  4. 前記支持部材における前記平面型ランプの前記周面壁との対向部には、水平方向に延びる溝部が形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の発光装置。
  5. 前記支持部材にはグランド端子が設けられ、
    前記枠状薄板と、当該枠状薄板に接触すると共に前記平面型ランプを押圧する導電性材料からなる押圧板と、によって、前記光通過電極と前記グランド端子とが電気的に接続されることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項記載の発光装置。
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