JP5154639B2 - ナフチルカルバゾール誘導体、klホスト材料、これを用いた有機電界発光素子、これを用いた表示装置及び照明装置 - Google Patents

ナフチルカルバゾール誘導体、klホスト材料、これを用いた有機電界発光素子、これを用いた表示装置及び照明装置 Download PDF

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Description

本発明は新規のナフチルカルバゾール誘導体、KLホスト材料、これを用いた有機電界発光素子、及びこれを用いた表示装置及び照明装置に関し、特に単純な構造でありながらも発光効率が高く駆動電圧及び/又は電流密度の変化に関係なく優秀な色座標を維持できる有機電界発光素子に関する。
有機電界発光素子は、蛍光又は燐光有機膜に電流を流すと、電子と正孔が有機層で結合しながら光が発生する現象を利用した自己発光型素子であり、軽量で、部品が簡素で製作工程が比較的に簡単な構造を有する。
このうち、白色光を放出する白色−発光有機電界発光素子は液晶表示装置などのような各種電気装置の供給源であるバックライトユニットとして用いることができる。または、カラーフィルタなどとともに用いられることでフルカラーフラット表示装置としても用いることができる。
しかし、従来の白色−発光有機発光素子は輝度、電流密度、電力効率、色座標などのような電気的特性において満足し得る特性を備えていなかった。
具体的なメカニズムを見てみると、図1は従来の有機電界発光素子の発光メカニズムを示す図であり、正極で正孔注入層(Hole Injection Layer:HIL)の価電子帯(Valance Band、又はHighest Occupied Molecular Orbital:HOMO)に注入された正孔は正孔輸送層(Hole Transporting Layer:HTL)を介して発光層(Emitting Layer)に進み、同時に負極で電子注入層(Electron Injection Layer)を介して発光層に電子が移動して正孔と結合してエキシトン(exciton)を形成する。このエキシトンが基底状態に遷移しながら光を放出する。
このようなエネルギー転移過程で、蛍光発光の場合は一重項に転移し、燐光の場合は三重項にエネルギー転移を行い、蛍光の場合はエネルギー効率が最大で25%、燐光の場合は最大で75%まで寄与できるが、従来はこれらのうち発光できるのは一つのみで、複数の転移はできないと知られていた。
したがって、従来にはエネルギー効率のために、多層構造として、同一ホストで互いに異なる層を分離した後発光を行わせる場合に各層毎に蛍光又は燐光が発光を行うことになる場合を発表した。(参考文献:Nature.vol440.908.13.April.2006)
しかし、この場合、図2に示すように、従来の有機電界発光素子構造で、透明基板100上にインジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)を真空蒸着して形成される正極層110と、前記正極層110上に正孔注入層120、正孔輸送層130、多層構造の発光層140、150、160、正孔ブロック層170、電子輸送層180、電子注入層190、負極層200の順に真空蒸着した構造を有することで、単一層では単色の発光を行い、発光層の各層の色が混色されて多色の発光を提供することになる。
単一層ではなく多層構造の方式で蛍光と燐光を多層構造で発光させる有機電界発光素子は、負極層200から電子が注入され電子輸送層180を経て発光層140、150、160に電子が注入され、正極層110から注入された正孔は正孔注入層120、正孔輸送層130を経て発光層140、150、160に注入され、発光層140、150、160にそれぞれ移動した電子と正孔は対をなし、このように形成された各発光層のエキシトンが再結合しながら、同一ホストに蛍光ドーパントが蛍光発光層140で青色発光を行い、燐光緑色ドーパントが燐光緑色発光層150で緑色発光を行い、燐光赤色ドーパントが燐光赤色発光層160で赤色発光を行い、混色されて白色光が放出されるので構造的な複雑さの原因になっていた。
また、白色発光のために補色関係を利用しようとする試みがあったが(SID2006、NOVALED)、この場合補色関係の限界によって発光効率に限界があるだけでなく、特定の波長領域が充分ではないため色再現率にも多くの限界性があった。
したがって、単純な構造でありながらも発光効率が高く、色再現率の高い有機電界発光素子、及び駆動電圧及び/又は電流密度の変化に関係なく優秀な色座標を維持できる白色有機電界発光素子の開発が求められているのが実情である。
上記の問題点を解決するために、本発明の目的は、発光効率が高く、単一層で蛍光と燐光を同時に発光させることができる同時発光ホスト材料を提供することにある。
本発明の他の目的は、発光効率が高く、単一層で蛍光と燐光を同時に発光させることができる同時発光ホスト材料として用いられることができる新規のナフチルカルバゾール誘導体を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、構造が単純でありながらも発光効率が高い有機電界発光素子を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は発光効率が高く、色再現範囲及び色純度が高い表示装置及び照明装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、本発明は、下記化学式(1)のナフチルカルバゾール誘導体を提供する。
Figure 0005154639
(前記式で、Ar およびAr は少なくとも一つの不飽和脂肪族モエティ(moiety)を任意に有する置換されたか又は置換されなかった炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数2〜10の不飽和脂肪族炭化水素基及び置換されたか又は置換されなかった炭素数2〜24の不飽和ヘテロ環基からなる群から選択され;
及びRはそれぞれ独立的に水素、炭素数6乃至24の芳香族炭化水素基、及び少なくとも一つの不飽和脂肪族モエティを有する炭素数6乃至30の芳香族炭化水素基からなる群から選択され;
Xは炭素、シリコン、酸素及び硫黄からなる群から選択され、
Xが炭素又はシリコンの場合、mは4で、nは1乃至4の整数であり、
Xが酸素又は硫黄の場合、mは2で、nは1又は2である。)
好ましい実施形態において、前記Arは下記化学式(2−1−1)のうちから選択され、前記Ar は下記化学式(2−1−2)のうちから選択され、前記R、Rは下記化学式(2−2)のうちから選択される。
Figure 0005154639
Figure 0005154639
本発明の他の態様によれば、本発明は、有機電界発光素子の発光層ホスト材料であり、前記発光層ホスト材料が蛍光ドーパント及び燐光ドーパントのうち少なくとも一つとともに発光層を構成する場合、エネルギー転移が蛍光ドーパント及び燐光ドーパントの各々又はすべてに転移されてドーパントの発光と同時にホスト材料自体が発光することを特徴とするKLホスト材料を提供する。
本発明の一実施形態によれば、前記ホスト材料は化学式(1)のカルバゾール誘導体であり得る。
本発明の他の態様によれば、本発明は、
正極;負極;及び前記負極と正極間に少なくとも一つの発光層を含み、
前記発光層が前記KLホスト材料を含む有機電界発光素子を提供する。
本発明の一実施形態によれば、前記発光層は燐光ドーパント及び蛍光ドーパントのうち少なくとも一つをさらに含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、前記KLホスト材料の発光及び前記ドーパントの発光が単一層で行われる。
本発明の一実施形態によれば、前記発光層で蛍光と燐光が同時に発光することができる。
本発明の一実施形態によれば、前記発光層がKLホスト材料及び互いに異なる二つ以上のドーパントを含む2層以上の構造であり得る。
本発明の一実施形態によれば前記発光層(ら)の厚さの合計は1〜60nm、好ましくは10〜60nmであり得る。
本発明の一実施形態によれば、前記KLホスト材料は同じであるか、または異なることができる。
本発明の一実施形態によれば、前記互いに異なるドーパントは燐光対燐光、燐光対蛍光、蛍光対蛍光ドーパントであることができ、好ましくは燐光対燐光ドーパントである。即ち、互いに異なる燐光ドーパントを共に使用することができる。
前記ドーパントは前記発光層総100質量部に対して0.5〜35質量部が含まれることができる。
本発明の一実施形態によれば、前記KLホスト材料の発光と前記ドーパントのエネルギー転移発光が混合されて混色発光を行うことができる。
本発明の一実施形態によれば、前記混色発光は白色発光であり得る。
本発明の一実施形態によれば、前記KLホスト材料の発光は青色発光であり得る。
本発明の一実施形態によれば前記負極と前記発光層との間に正孔遮断層を具備しないこともある。
本発明のさらに他の態様によれば、本発明は、本発明による有機電界発光素子を具備した表示装置及び照明装置を提供する。
従来の有機電界発光素子からの発光ののメカニズムを図示したモデル図である。 従来の多層構造の発光層を有する有機電界発光素子を示す図である。 本発明による有機電界発光素子からの発光のメカニズムを図示したモデル図ある。 本発明の一実施形態によるKLホスト材料と燐光ドーパントとを含有する発光層を備えた有機電界発光素子の構造を示す図である。 本発明の一実施形態によるKLホスト材料、燐光ドーパント及び蛍光ドーパントを含有する発光層を備えた有機電界発光素子の構造を示す図である。 本発明の一実施形態による単一KLホスト材料と二つの異なる燐光ドーパントとを含有する発光層を備えた有機電界発光素子の構造を示す図である。 合成例1による化合物2のUV発光及び光ルミネセンス(PL)スペクトルを示す図である。 合成例2による化合物6のUV発光及び光ルミネセンス(PL)スペクトルを示す図である。 KLホスト材料を用いた有機電界発光素子(実施例1)、KLホスト材料及び蛍光ドーパントを用いた有機電界発光素子(実施例3)並びにそれぞれKLホスト材料と燐光ドーパントとを用いた有機電界発光素子(実施例2,4及び5)の電界発光(EL)スペクトルを示す図である。 KLホスト材料を用いた有機電界発光素子(実施例1)、KLホスト材料及び蛍光ドーパントを用いた有機電界発光素子(実施例3)、KLホスト材料と燐光ドーパントとを用いた有機電界発光素子(実施例2)並びにKLホスト材料、蛍光ドーパント及び燐光ドーパントを用いた有機電界発光素子(実施例6)のELスペクトルを示す図である。 寿命の半分が経過した後の有機電界発光素子(実施例2及び5)のELスペクトルにおける変化を示す図である。 正孔遮断層が無い有機電界発光素子(実施例1,2,3および7)のELスペクトルを示す図であり、図10と実質的に同じスペクトルを示し、素子の効率が大幅に増加していることが分かる。 実施例1により製造された有機電界発光素子のELスペクトルである。 正孔遮断層を具備し、燐光ドーパントとホスト材料を用いる有機電界発光素子(実施例2)のELスペクトルである。 正孔遮断層を具備せず、燐光ドーパントとホスト材料を用いる有機電界発光素子(実施例5)のELスペクトルである。 異なるドーピング濃度で黄色燐光ドーパントを用いた有機電界発光素子(実施例8)の発光強度の分布を示しすグラフである。 異なるドーピング濃度で緑色燐光ドーパントを用いた場合における、有機電界発光素子(実施例9)の発光強度の分布を示しすグラフである。 異なるドーピング濃度で赤色燐光ドーパントを用いた場合における、有機電界発光素子(実施例10)の発光強度の分布を示しすグラフである。 赤色燐光発光層と緑色燐光発光層とを備えた有機電界発光素子(実施例11)について、赤色燐光発光層の厚さを35nmに設定し、緑色燐光発光層の厚さを変えた場合の発光強度の分布を示すグラフである。 赤色燐光発光層と緑色燐光発光層とを備えた有機電界発光素子(実施例11)について、赤色燐光発光層の厚さを30nmに設定し、緑色燐光発光層の厚さを変えた場合の発光強度の分布を示すグラフである。 赤色燐光発光層と緑色燐光発光層とを備えた有機電界発光素子(実施例11)について、赤色燐光発光層の厚さを25nmに設定し、緑色燐光発光層の厚さを変えた場合の発光強度の分布を示すグラフである。 赤色燐光発光層と緑色燐光発光層とを備えた有機電界発光素子(実施例11)について、赤色燐光発光層の厚さを20nmに設定し、緑色燐光発光層の厚さを変えた場合の発光強度の分布を示すグラフである。 赤色燐光発光層と緑色燐光発光層とを備えた有機電界発光素子(実施例11)について、緑色燐光発光層の厚さを35nmに設定し、赤色燐光発光層の厚さを変えた場合の発光強度の分布を示すグラフである。 赤色燐光発光層と緑色燐光発光層とを備えた有機電界発光素子(実施例11)について、緑色燐光発光層の厚さを30nmに設定し、赤色燐光発光層の厚さを変えた場合の発光強度の分布を示すグラフである。 赤色燐光発光層と緑色燐光発光層とを備えた有機電界発光素子(実施例11)について、緑色燐光発光層の厚さを25nmに設定し、赤色燐光発光層の厚さを変えた場合の発光強度の分布を示すグラフである。 赤色燐光発光層と緑色燐光発光層とを備えた有機電界発光素子(実施例11)について、緑色燐光発光層の厚さを20nm又は17nmに設定し、赤色燐光発光層の厚さを変えた場合の発光強度の分布を示すグラフである。 異なるドーピング濃度で緑色燐光ドーパントを用いた場合における、有機電界発光素子(実施例12)の発光強度の分布を示しすグラフである。 実施例13及び実施例15による有機電界発光素子の発光強度の分布を示しすグラフである。 実施例14による有機電界発光素子の発光強度の分布を示しすグラフである。 KLホスト材料と類似の構造の材料をホスト材料として用いた素子(比較例1及び2)の発光強度の分布を示しすグラフである。 KLホスト材料と類似の構造の材料をホスト材料として用いた素子(比較例3及び4)の発光強度の分布を示しすグラフである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。しかし、下記の説明は本発明をより容易に理解できるようにするためのものであり、これを特許請求の範囲を制限する方法として使用してはならない。
先ず、本発明で使用する用語である「KLホスト(ケーエルホスト)」について説明する。
「KLホスト」とは本発明者らによって導入され、定義された、新しい概念である。従来の有機電界発光素子に使用される発光ホスト材料はドーパントとともに使用する場合、発光ホスト材料自体の発光は起こらず、ドーパントにエネルギー転移が起きてドーパントによる蛍光又は燐光の発光が起きることになる。しかし、本発明者らが発見し定義した「KLホスト」は図3に示すメカニズム説明図のように、ドーパントとともに使用する場合エネルギー転移が蛍光と燐光の各々又は全てに転移され、これによるドーパントの発光だけでなく、KLホスト材料も同時に発光することが特徴である。このような同時発光の特徴を有するものを「KLホスト」という(ここで、KLホスト材料自体の発光に寄与するエキシトンを「KLエキシトン」と命名する)。
本発明では、KLホスト材料に特に有用な化合物を開発したが、この材料の特徴はホスト材料に一つの燐光ドーパントをドーピングした場合、ホスト材料の蛍光とドーパントの燐光を同時に発光させて従来の最大蛍光効率25%、燐光効率75%を同時に発光させることで、理論的には100%の蛍光効率を発生させることができ、簡単な方法で最大効率を出すことができる利点があり、最大の長所は単一発光層を利用できるので素子の構造を単純化できるというところである。また、単一発光層にもKLホスト材料と燐光又は/及び蛍光ドーパントを共に使用してKLホスト材料による発光と、燐光又は/及び蛍光ドーパントによって発生する燐光又は/及び蛍光とが合わさることで、白色などの多色発光を行ったり、発光効率を上げたりすることができるという点である。
KLホスト材料として特に有用な化合物は下記化学式(1)の構造を有する。
Figure 0005154639
前記式で、Ar およびAr は少なくとも一つの不飽和脂肪族モエティ(moiety)を任意に有する置換されたか又は置換されなかった炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数2〜10の不飽和脂肪族炭化水素基及び置換されたか又は置換されなかった炭素数2〜24の不飽和ヘテロ環基からなる群から選択され;
及びRはそれぞれ独立的に水素、炭素数6乃至24の芳香族炭化水素基、及び少なくとも一つの不飽和脂肪族モエティを有する炭素数6乃至30の芳香族炭化水素基からなる群から選択され;
Xは炭素、シリコン、酸素及び硫黄からなる群から選択され、
Xが炭素又はシリコンの場合、mは4で、nは1乃至4の整数であり、
Xが酸素又は硫黄の場合、mは2で、nは1又は2である。
前記「芳香族炭化水素基」はフェニル、ビフェニル、アントラセン、ナフチルなどを含む炭素数6〜30のモノ−又はポリサイクリックモエティ(polycyclic moiety)である。
前記「不飽和脂肪族炭化水素基」は分子構造内に1以上の二重又は三重結合を有する炭化水素基であり、例えば、ブテン−2−イル、ペンテン−2−イル、ペンチン−2−イルなどを含む炭素数2〜20の炭化水素である。
前記「ヘテロ環基」はO、N及び/又はSから選択された少なくとも一つのヘテロ原子及び1乃至24の炭素原子を含む飽和又は不飽和環基である。好ましくはN及び/又はSから選択された1乃至3のヘテロ原子を含み、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニルなどを含むことができる。
前記「置換されたか又は置換されなかった」という表現は、「芳香族炭化水素基」、「不飽和脂肪族炭化水素基」、「ヘテロ環基」などの上述した官能基が、C−Cアルキル、C−Cアルキルアリル、C−Cアルキルヘテロアリル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、第一級、第二級又は第三級アミノ基、第四級アンモニウムモエティ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリル、アリルオキシ、ヘテロアリル、ヘテロアリルオキシ、カルボキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、スルファニル、スルホキシ、スルホニル、スルホンアミド、アルコキシ、チオアルコキシ、トリハロメチルからなる群から選択された1乃至5の置換基によって任意に置換されてもよいことを意味し、その意味は各置換基の定義によって制限されない。
前記化学式(1)でnが1で、Arとカルバゾールがナフタレンに付く位置が1,4−位置の場合、下記化学式(1−1)の構造を有する。
Figure 0005154639
前記式でArは前記化学式(1)で説明されたArのうち、R、Rは前記化学式(1)で説明されたR、Rのうちから選択され、またXも前記化学式(1)で説明されたXのうちから選択された基(group)である。Xが炭素、又はシリコンの場合、m−nは3であり、Xが酸素、又は硫黄の場合、m−nは1である。
前記化学式(1)でnが2で、Arとカルバゾールがナフタレンにつく位置が1,4−位置の場合、下記化学式(1−2)の構造を有する。
Figure 0005154639
前記式でArは前記化学式(1)で説明されたArのうち、R、Rは前記化学式(1)で説明されたR、Rのうちから選択され、またXも前記化学式(1)で説明されたXのうちから選択された基(group)である。Xが炭素、又はシリコンの場合、m−nは2であり、Xが酸素、又は硫黄の場合、m−nは0、即ち、存在しない。
前記化学式(1)でnが3でArとカルバゾールがナフタレンにつく位置が1,4−位置の場合、下記化学式(1−3)の構造を有する。
Figure 0005154639
前記式でArは前記化学式(1)で説明されたArのうち、R、Rは前記化学式(1)で説明されたR、Rのうちから選択され、またXも前記化学式(1)で説明されたXのうち炭素、又はシリコンの場合である。
前記化学式(1)でnが4でArとカルバゾールがナフタレンにつく位置が1,4−位置の場合、下記化学式(1−4)の構造を有する。
Figure 0005154639
前記化学式でArは前記化学式(1)で説明されたArのうち、R、Rは前記化学式(1)で説明されたR、Rのうちから選択され、またXも前記化学式(1)で説明されたXのうち炭素、又はシリコンの場合である。
前記化学式(1)でArは次のような化学式(2−1)の構造を有する。本発明で提示した構造は具体的な例示に過ぎず、本発明の保護範囲を限定または制限することを意図するものではない。
Figure 0005154639
前記化学式(1)でR、Rは次のような化学式(2−2)の構造を有する。本発明で提示した構造は具体的な例示に過ぎず、本発明の保護範囲を限定または制限することを意図するものではない。
Figure 0005154639
前記化合物1の具体的な化学構造式は次のとおりである。本発明で提示した構造は具体的な例示に過ぎず、本発明の保護範囲を限定または制限することを意図するものではない。
Figure 0005154639
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以下、本発明による有機電界発光素子を説明する。
本発明は正極;負極;及び前記負極と正極間に少なくとも一つの発光層を含み、前記発光層がKLホスト材料を含む。
本発明の一実施形態において、前記発光層はKLホスト材料及び一つ以上のドーパントを含む。
本発明の一実施形態において、前記KLホスト材料の発光及び前記ドーパントの発光が単一層で行われてもよい。
図4は本発明の一実施形態による有機電界発光素子の構造を示す模式図であって、発光層が単一層に構成された有機電界発光素子であり、透明基板10上にインジウムスズ酸化物(Indium TinOxide;ITO)を真空蒸着して形成される正極層11と、前記正極層11上に正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14、正孔遮断層17、電子輸送層18、電子注入層18、負極層20の順に真空蒸着した構造を有する。前記正孔注入層、正孔輸送層、正孔遮断層、電子輸送層、電子注入層のうち少なくとも一つ以上は必要に応じて省略できる。
本発明の正極層11は正孔注入層12に正孔を注入する電極である。したがって、正極層11を形成するための材料は特性が正極層11に附与されるものに限定されない。
正極層11を形成するための材料の例にはITO、IZO、スズオキサイド、亜鉛オキサイド、亜鉛アルミニウムオキサイド、及び窒化チタンなどの金属酸化物又は金属窒化物;金、白金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉛、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオビウムなどの金属;このような金属の合金又は銅ヨウ化物の合金;ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリ(3−メチルチオフェン)、及びポリフェニレンスルフィドなどの伝導性重合体がある。正極層11は前述した材料のうち一つのタイプのみで形成されるか、又は複数の材料の混合物でも形成されることができる。また、同じ造成又は互いに異なる造成の複数の層で構成される多層構造が形成されることができる。
正極層11を形成するための材料は、正孔を容易に注入するためにより大きな仕事関数を有することが好ましい。クロムは4.5eVの仕事関数を有し、ニッケルは5.15eVの仕事関数を有し、金は5.1eVの仕事関数を有し、パラジウムは5.55eVの仕事関数を有し、ITOは4.8eVの仕事関数を有し、銅は4.65eVの仕事関数を有する。正極層11の正孔注入層12と接触する表面の仕事関数は4eV以上であることが好ましい。
正極層11が発光層から光引出端部上に配置される時、引き出される光に対する透過率は10%より小さくないことが好ましい。発光層から発光された光が可視光領域にある時、ITOは可視光領域で高い透過率を有するので正極層11の形成に好ましい。
正孔注入層12はPEDOT/PSS、フタロシアニン銅(CuPc)又は4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)から形成され、約5〜60nmの厚さを有する。
正孔輸送層13は4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(NPD)又はN、N’−ジフェニル−N、N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)から形成され、約20〜60nmの厚さを有する。
発光層14はKLホスト材料を含むことが特徴である。KLホスト材料には前述した定義を満足するホスト材料であればすべてが限定されることなく選択されることができる。好ましい一例として、前記化学式(1)のKLホスト材料をあげることができる。
本発明の一において、発光層14が2層以上からなる多層構造の場合、前記KLホスト材料は、互いに同じであっても、異なっていてもよい。
本発明の一実施形態において、前記発光層が蛍光と燐光を同時に発光できるものであってもよい。図5を参照すると、KLホスト材料と蛍光ドーパント及び燐光ドーパントを発光層14に共に含有させることができる。
本発明の一実施形態において、前記発光層がKLホスト材料及び互いに異なる二つ以上のドーパントを含む2層以上の構造であり得る。
図6は、多層構造の発光層を有する有機電界発光素子を示している。図6を参照すると、前記発光層はKLホスト材料と互いに異なる二つ以上のドーパントが含まれて形成される2層以上の構造であり、それぞれ正極層210と、前記正極層210上に正孔注入層220、正孔輸送層230、発光層A240−1、発光層B240−2、正孔遮断層(図示せず)、電子輸送層260、電子注入層270、負極層280の順に真空蒸着した構造を有する。前記正孔注入層220、正孔輸送層230、正孔遮断層(図示せず)、電子輸送層260、電子注入層270のうち少なくとも一つ以上は必要に応じて省略できる。
本発明の一実施形態において、前記発光層(単層又は2層以上からなる多層構造)の厚さの合計は1〜60nm、好ましくは10〜60nmとすることができる。これよりさらに厚い場合には駆動電圧が上昇し青色発光が顕著に減少する問題点がある。
前記ドーパントの添加は一つ以上、好ましくは少なくとも二つの互いに異なるドーパントを添加できる。ここで、ドーパントは多様なものを添加することができ、添加により発光して固有の発光色を示すことができるものであれば、その上限値に制限はない。即ち、ドーパントの添加による様々な発光を可能にするために互いに異なるカラーを発光する層を必要に応じて複数形成することができ、例えば、R/G/B、R/G/B/Oなど、KLホスト材料の特性を利用して、O、R、G/R、G/Oなど、色再現率と輝度を高めるためにいくつかの発光層を形成することができる。
本発明の一実施形態において、前記互いに異なるドーパントは燐光対燐光、燐光対蛍光、蛍光対蛍光ドーパントであることができるが、好ましいのは燐光対燐光ドーパントである。即ち、互いに異なる燐光ドーパントを共に使用することができる。
前記ドーパントは前記発光層総100質量部に対して0.5〜35質量部で含まれることができる。これは発光層に含まれるドーパントの量が少なすぎると全体の効率が低くて利用が難しく、多すぎると適正水準による効率増加が行われず、ドーパントの浪費にしかならないからである。
本発明の一実施形態において、前記KLホスト材料の発光と前記ドーパントのエネルギー転移発光が混合されて混色発光を行うことができる。これにより白色等の多色発光を得るか、高輝度の特定色、例えばKLホスト材料の発光色を得ることができる。
蛍光ドーパントには、蛍光発光能を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ジスチリルアミン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、アントラセン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジエンなどを挙げることができ、これらのうち4,4’−ビス[2−(9−エチルカルバゾール−2−イル)ビニール]ビフェニル(BCzVBi)を例示することができる。また、出光興産株式会社から購入可能なIDE102、IDE105を使用することができる。
燐光性ドーパントは三重項励起子から発光できる化合物である。三重項励起子から発光する限り特に限定はされず、Ir、Ru、Pd、Pt、Os及びReからなる群から選択される一つ以上の金属を含む金属錯体であることが好ましく、特にポルフィリン金属錯体又はオルトメタル化中の錯体であることが好ましい。ポルフィリン金属錯体としてはポルフィリン白金錯体が好ましい。
燐光性ドーパントは単独で使用することもでき、2種以上をともに使用することもできる。オルトメタル化金属錯体を形成する配位子としては様々なものがあるが、好ましい配位子としては2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体などを挙げることができる。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有し得る。補助配位子としてアセチルアセトネート、ピクリン酸などの前記配位子以外の配位子をさらに有することもできる。具体的な例としては、ビスチエニルピリジンアセチルアセトネートイリジウム(bisthienylpyridineacetylacetonate Iridium)、ビス(ベンゾチエニルピリジン)アセチルアセトネートイリジウム{bis(benzothienylpyridine)acetylacetonate Iridium}、ビス(2−フェニルベンゾチアゾール)アセチルアセトネートイリジウム{Bis(2−phenylbenzothiazole)acetylacetonate Iridium}、ビス(1−フェニルイソキノリン)イリジウムアセチルアセトネート{bis(1−phenylisoquinoline)Iridium acetylacetonate}、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム{tris(1−phenylisoquinoline)Iridium}、トリス(フェニルピリジン)イリジウム{tris(phenylpyridine)Iridium}、トリス(2−ビフェニルピリジン)イリジウム{tris(2−phenylpyridine)Iridium}、トリス(3−ビフェニルピリジン)イリジウム{tris(3−biphenylpyridine)Iridium}、トリス(4−ビフェニルピリジン)イリジウム{tris(4−biphenylpyridine)Iridium}などを挙げることができる。
前記ドーパントをKLホスト材料とともに使用することで、ドーパントの発光がKLホスト材料の発光と共に起き、前記発光層で蛍光と燐光が共に発光できるようになる。このようにドーパント発光とKLホスト材料の発光が共に起きるので、これらの混色によって白色などの多様な発光色を具現することができる。
また、KLホスト材料のような色に発光するドーパントを添加する場合、KLホスト材料の発光と合わせることで高輝度の発光を得ることができるようになる。例えば、後述する実施例でKLホスト材料自体は青色に発光し、ここに青色に発光する蛍光/燐光ドーパントを添加する場合、より高輝度の青色発光を得ることができるようになる。
前記電子輸送層はアリル置換されたオキサジアゾール、アリル−置換されたトリアゾール、アリル−置換されたフェナントロリン、ベンゾオキサゾール、又はベンゾチアゾール化合物を含むことができ、例えば、1,3−ビス(N、N−t−ブチル−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(OXD−7);3−フェニル−4−(1'−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ);2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バソクプロイン又はBCP);ビス(2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾールレート)ジンク;又はビス(2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾールレート)亜鉛;電子輸送物質は(4−ビフェニル)(4−t−ブチルフェニル)オキサジアゾール(PDB)とトリス(8−キノリナト)アルミニウム(III)(Alq)を使用することができ、好ましくはトリス(8−キノリナト)アルミニウム(III)(Alq)が好ましい。
一般に、正孔遮断層は、一般にAlqのような物質を電子輸送層にする場合Alqが隣接する発光材料によって発光層の励起子がAlqの一重項又は三重項にエネルギーが移動する場合があるのでこの問題を防止するための層として、特に制限はされないが発光化合物より高いイオン化ポテンシャルを有するもので、代表的にビフェノキシ−ビ(8−キノリノラト)アルミニウム(biphenoxy−bi(8−quinolinolato)aluminum:BAlq)、バトクプロイン(bathocuproine)(BCP)、トリス(N−アリルベンゾイミダゾール){tris(N−arylbenzimidazole)}(TPBI)などが使用される。2〜20nm程度が使用され得る。後述する実施例の実験結果、前記負極と発光層間に正孔遮断層を具備しない場合が、正孔遮断層を具備した場合より発光効率がより良いという結果が確認され、したがって制限はされないが正孔遮断層を省略した方が良い。本発明で提供するKLホスト材料を使用する場合、正孔遮断層を省略することができ、これによって正孔遮断層形成工程が無くなるので工程時間及び費用を短縮することができ、有機電界発光素子のスリム化に寄与できる。
本発明の電子注入層と負極層は、LiFを電子注入層として使用し、Al、Ca、Mg:Agなど仕事関数の低い金属を負極層として使用できるが、好ましくはAlが良い。
本発明の一実施形態において、前記負極と前記発光層間に正孔遮断層を具備しないこともできる。本発明の他の実施形態によれば、負極;電子注入層;電子輸送層;発光層;正孔輸送層;正孔注入層;正極;及び基板からなり、前記発光層が本発明によるKLホスト材料と一つ以上のドーパントを含んで行われる有機電界発光素子を提供する。前記有機電界発光素子は正孔遮断層を省略した方が発光効率がより良いということが確認されたので、したがって、正孔遮断層を省略して構成されたものである。
本発明による有機電界発光素子を具備した表示装置を提供する。
本発明の一実施形態において、前記表示装置はバックライトユニットを使用する液晶表示装置などでありえ、前記有機電界発光素子は照明装置の光源に使われることができる。例えば、液晶表示装置のバックライトユニットの光源及び単独光源、各種表示装置の光源及び単独光源に使われることができる。また、前記表示装置は有機電気発光ディスプレイであり得る。又はカラーフィルタとともにフルカラー表示装置に具備される等様々な電気装置に使用可能である。
以下、化学式(1)の化合物の合成例及び有機電界発光素子の製造例等の各実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。
合成例
合成例1:化合物2の製造(以下「KL−1」という)
9−(4’−ブロモナフチル)−カルバゾールの製造
反応式1
Figure 0005154639
上記反応式(1)のように、カルバゾール3.3g(20mmol)、1,4−ジブロモナフチル8.6g(40mmol)、CuI、ジアミノヘキセン、KPOをジオキサンに溶かし、15時間の間還流した。反応が終わった後、反応物をエチルアセテートを用いて抽出した後、溶媒を減圧して除去した。生成物をコラムで分離した後、減圧ろ過して乾燥させた。35%の歩留まり。MS(EI)(C2214BrNの計算値:371.03;実測値:371)。
4−ブロモフェニル−トリフェニルシランの製造
反応式2
Figure 0005154639
上記反応式2のように、ジブロモベンゼン4g(17mmol)をエーテルに溶かし、温度を下げてn−BuLiを添加した後、ここにクロロトリフェニルシランを添加して常温で反応した。反応が終わった後、反応物をエーテルを用いて抽出した後、溶媒を減圧して除去した。生成物をコラムで分離した後、減圧ろ過して乾燥させた。66%の歩留まり;H−NMR(CDCl,ppm):7.54−7.5(m,Ar−H),7.45(Ar−H),7.40−7.35(m,Ar−H).IR(KBr,cm−1:1568,1477−1376,1110,810,727,698.MS(EI)(C2419BrSiの計算値:414;実測値:414).
4−フェニルボロン酸トリフェニルシランの製造
反応式3
Figure 0005154639
4−ブロモフェニル−トリフェニルシラン8.3g(20mol)をTHFに溶かして温度を下げてn−BuLiを添加する。ここにトリメチルボレートを添加して常温で反応した。希HClに注いで30分間攪拌(stirring)した。MCで抽出した後減圧して溶媒を除去し、生成物はコラムで分離した後、減圧ろ過して乾燥した:50%の歩留まり;H−NMR(CDCl):7.54(6H,Ar−H),7.5(2H,Ar−H),7.4(2H,Ar−H)、7.36(9H、Ar−H),2.0(s,2H,B−(OH)).IR(KBr、cm−1):1589,1491,1374−1277,829,725,695.MS(EI)(C2421BOSiの計算値:380.14;実測値,381):
化合物2の製造
反応式4
Figure 0005154639
上記反応式4のように、4−フェニルボロン酸−トリフェニルシラン3.8g(10mmol)に4−ブロモナフチルカルバゾール3.7g(10mmol)、2モールのKCO、Pd(PPh及びトルエンを入れて10時間の間還流させた。塩化メチルで抽出して溶媒を除去した後、ヘキセンでコラム分離した。66%の歩留まり;MS(EI)(C4633NSiの計算値:627.24;実測値:627)。
化合物2のUV及びPLの強度を図7に示した。
合成例2:化合物6の製造(以下「KL−3」という)
3,6−ジフェニルカルバゾールの製造
反応式5
Figure 0005154639
上記反応式5のように、3,6−ジブロモカルバゾール15g(46mmol)、フェニルボロン酸14g(92mmol)、2モルのKCO、Pd(PPh及びトルエンを入れて10時間の間還流させた。塩化メチルで抽出して溶媒を除去した後、ヘキセンでコラム分離した。73%の歩留まり;MS(EI)(C2417Nの計算値:319.14;実測値:319)。
4’−ナフチル−3,6−ジフェニルカルバゾールの製造
反応式6
Figure 0005154639
上記反応式6のように、カルバゾール10g(31.3mmol)、1,4−ジブロモナフチル13.5g(31.3mmol)、CuI、ジアミノヘキセン、KPOをジオキサンに溶かし、15時間の間還流した。反応が終わった後、反応物をエチルアセテートを用いて抽出した後、溶媒を減圧して除去した。生成物をコラムで分離した後、減圧ろ過して乾燥させた。6%の歩留まり。MS(EI)(C3422BrNの計算値:523.09;実測値:523)。
化合物6の製造
反応式7
Figure 0005154639
上記反応式7のように、4−フェニルボロン酸−トリフェニルシラン2g(3.3mmol)に4−ブロモナフチル−3,6−ジフェニルカルバゾール1.7g(3.3mmol)、2モルのKCO、Pd(PPh及びトルエンを入れて10時間の間還流させた。塩化メチルで抽出して溶媒を除去した後、ヘキセンでコラム分離した。956%の歩留まり;MS(EI)(C5841NSiの計算値:779.3;実測値:7797)。
化合物6のUV及びPL強度を図8に示した。
[有機電界発光素子の製作]
実施例1:
ガラス基板100上に上記の正極物質(ITO)110が蒸着されている基板(旭硝子製)を単位素子にリソグラフィを用いてパターニングを実施する。パターニングが終わった単位基板にアセトン、洗剤、蒸溜水、イソプロピルアルコールで洗浄の前処理を実施する。洗浄が終わった単位基板をUV/O3洗浄とプラズマ処理を実施した後、有機チャンバに移送する。上記の表面処理が終わった基板を有機チャンバ内で、正孔注入層であるm−MTDATAを50nmの厚さに、正孔輸送層であるNPDを20nmの厚さに、発光層であるKL−1(化合物2)を30nmの厚さに、正孔遮断層はBAlqを10nmの厚さに、電子輸送層であるAlqを20nmの厚さになるように蒸着する。有機層の蒸着が終わった後メタルチャンバに移送して、電子注入層と負極層を蒸着する。上記の有機電界発光素子構成層の蒸着が終わると、グローブボックスでゲッターを用いることなくエンキャップ(encap)を実施して素子製作を完了する(図13、表2参照)。
実施例2:
発光層を形成する時、発光層であるKL−1(化合物2)を単独で使用する代わりに燐光ドーパント物質であるIr(bt)2(acac)7%の濃度に蒸着したことを除けば、実施例1と同じ方法によって実施して有機電界発光素子を製造した(図14、表2参照)。
実施例3:
発光層を形成する時、発光層であるKL−1(化合物2)を単独で使用する代わりに下記化学式(3)で表される蛍光ドーパント物質を1%ドーピングを実施したことを除けば、実施例1と同じ方法によって実施して有機電界発光素子を製造した(表3参照)。
Figure 0005154639
実施例4:
発光層を形成する時、発光層にKL−1(化合物2)の代りにKL−3(化合物6)をホスト材料にし、燐光ドーパント物質であるIr(bt)2(acac)7%の濃度に蒸着したことを除けば、実施例1と同じ方法によって実施して有機電界発光素子を製造した(表4参照)。
実施例5:有機電界発光素子の製作(M/L−1−BCP)
正孔遮断層はBCPを10nmの厚さに、電子輸送層であるAlqを20nmの厚さになるように蒸着したことを除けば、前記実施例2のような方法で実施して素子を製作した(図13、表5参照)。
実施例6:有機電界発光素子の製作(KLホスト−1_BD、RD−doping)
発光層にKLホスト−1を30nmの厚さに、ドーパントは前記化学式(3)で表される蛍光ドーパントを1質量%、燐光ドーパントにIr(bt)2(acac)を7質量%の濃度にドーピングをして蒸着を実施し、それ以外は実施例2のような方法で実施して素子を製作した(表6参照)。
実施例7:有機電界発光素子の製作(M/L−1)
実施例2と同じ方法で実施するが、発光層の厚さを40nmにし正孔遮断層を蒸着することなく素子を製作した(表7参照)。
実施例8:有機電界発光素子の製作[KL−1(40nm)_BT(3、5、7、10%)]
燐光ドーパントBTを3、5、7、10質量%の濃度に蒸着したことを除けば、実施例7と同じように素子を製作した。下記表11は順にBT3質量%、5質量%、7質量%、10質量%の濃度である時の結果値である(図16、表8)。
実施例9:有機電界発光素子の製作[KL−1(40nm)_Bzq(3、5、7、10)]
燐光ドーパント物質であるイリジウム(III)ビス(7,8−ベンゾキノリン)アセチルアセトネート(以下、Bzq)を3、5、7、10質量%の濃度に蒸着したことを除けば、実施例7と同じように素子を製作した(図17、表9参照)。下記表9は順にBzq3質量%、5質量%、7質量%、10質量%の濃度である時の結果値である(図17、表8)。
実施例10:有機電界発光素子の製作[KL−1(40nm)_Tbpiq(3、5、7、10%)]
燐光ドーパント物質であるイリジウム(III)ビス(1−(4−tert−ブチルフェニル)イソキノリン)アセチルアセトネート(以下、Tbpiq)を3、5、7、10質量%の濃度に蒸着したことを除けば、実施例7と同じように素子を製作した(図18、表13参照)。下記表10は順にTbpiq3質量%、5質量%、7質量%、10質量%の濃度である時の結果値である(図18、表10)。
実施例11:有機電界発光素子の製作[KL−1_Bzq(6%)/Tbpiq(7%)]
二つの発光層を積層するが、Bzqを先にドーピングして積層を行い、Tbpiqを後にドーピングして積層を行うが、それぞれの厚さを35nm×35nm乃至25×20nmに変えながら積層を行った。この時、ドーパントは緑色燐光ドーパントを6質量%、赤色燐光ドーパントを7質量%の濃度にドーピングをして蒸着を実施したことを除けば、実施例7と同じように素子を製作した(図19乃至26、表11参照)。下記表11で、例えば、35×35はBzq(6%)が35nm、Tbpiq(7%)が35nmにそれぞれ積層されたことを示す。
実施例12:有機電界発光素子の製作[KL−1(40nm)_Ir(ppy)3(3%、5%、7%、10%)]
ドーパントにIr(ppy)3を使用したことを除けば、実施例11と同じように有機電界発光素子を製造した(図27参照)。
実施例13:有機電界発光素子の製作[K−2(40nm)_BT7%)]
KLホスト材料に下記化学式(4)の物質(以下、「K−2」と称する)を使用したことを除けば、実施例7と同じ方法で有機電界発光素子を製造した(図28参照)。
Figure 0005154639
実施例17:有機電界発光素子の製作[K−3(40nm)_BT(7%)]
KLホスト材料に下記化学式(5)の物質(K−3)を使用したことを除けば、実施例7と同じ方法で有機電界発光素子を製造した(図29参照)。
Figure 0005154639
実施例18:有機電界発光素子の製作[K−4(40nm)_BT(7%)]
KLホスト材料に下記化学式(6)の物質(以下、「K−4」と称する)を使用したことを除けば、実施例7と同じ方法で有機電界発光素子を製造した(図28参照)。
Figure 0005154639
比較例1:有機電界発光素子の製作[CBP(40nm)_BTP(7%)]
ホスト材料としてCBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2'−ビフェニル)を使用し、ドーパントとしてBtp2Ir(acac)(ビス(2−(2'−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3')イリジウム(アセチルアセトネート)(以下、「BTP」と称する)を使用したことを除けば、実施例7と同じように有機電界発光素子を製造した(図30参照)。
比較例2:有機電界発光素子の製作[S−1(40nm)_BTP(7%)]
ホスト材料として、KLホスト材料と類似構造であるが、置換基がKLホスト材料の定義による範疇から外れた、下記化学式(7)の材料(以下、「S−1」と称する)を使用したことを除けば、比較例1と同じように有機電界発光素子を製造した(図30参照)。
Figure 0005154639
比較例3及び4:有機電界発光素子の製作[S−1(40nm)_Ir(ppy)3(7%)]
ドーパントとしてIr(ppy)3を使用したことを除けば、それぞれ比較例1、比較例2と同じように有機電界発光素子を製造した(図31参照)。
実験例:素子の評価
1)駆動電圧
製造された有機電界発光素子に対して電圧の変化による電流密度の変化を測定した。測定は電流密度を2.5mA/cmから100mA/cmまで2.5mAずつ増加させながら電流−電圧計(Kethley SMU 237)を用いて単位素子に流れる電流値を測定した。
2)色座標
製造された有機電界発光素子に対して電流密度を2.5mA/cmから100mA/cmまで2.5mAずつ増加させながら色度計
(Photo Research PR−650)を用いて測定した。
3)効率
以上で測定した輝度と電流密度を用いて発光効率を計算した。
4)EL max
電源供給装置(Kethley SMU 237)から電源を供給して輝度計(Photo Research PR−650)で求めたスペクトルの最高の強度(intensity)での波長をEL maxに決定した。
上記の測定結果を表1〜表11にそれぞれ示し、それぞれに対するスペクトルは図7乃至31に示した。図7乃至31でy軸はEL強度(a.u)を表し、x軸は波長(nm)を表す。
Figure 0005154639
Figure 0005154639
Figure 0005154639
Figure 0005154639
Figure 0005154639
Figure 0005154639
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Figure 0005154639
Figure 0005154639
Figure 0005154639
Figure 0005154639
表1乃至7及び図7乃至13から分かるように、本発明によるKLホスト材料は材料自体の発光だけでなく、ドーパントを共に蒸着する場合、KLホスト材料にドーパントを添加する場合KLホスト材料の発光とドーパントの発光を合わせることで高輝度の発光を得ることができるようになることが分かる(図9及び10)。また、ドーパントの発光がKLホスト材料の発光と共に起きるので、前記発光層で蛍光と燐光が共に発光することができ、混色によって白色などの様々な発光色を具現できるようになる。また図11及び12によって本発明によるKLホスト材料を用いた素子の場合は所定の寿命が過ぎた後(50%)にも色純度の変化がほとんど無く、一般に燐光材料を使用する場合には正孔遮断層を使用することになるが、本材料の場合には正孔遮断層が無い方がより大きい効率を表すということがわかる。これで、工程を短縮しながらも効率を上げることができる有機電界発光素子を提供できる。
表1、2、7乃至表11及びこれに対応する図13乃至19を比べると、青色発光物質である化合物2の物質を発光物質として使用した場合に比べて、化合物2の物質を本発明によってKLホスト材料として使用しドーパントを添加した実施例2とその結果である表2及び図14と比べた時、輝度及び電流効率がほぼ7倍に達するほど非常に高くなることを確認でき、実施例2と実施例7の結果を表で比べた時、正孔遮断層の無い素子の方が輝度及び最大効率がほぼ2倍以上上昇するということがわかる。したがって、本発明によるKLホスト材料はホスト材料としての役割を十分に行うことがわかり、さらに正孔遮断層の無いより単純な構造で効率はより高くなるという効果がある。
また、本発明によるKLホスト材料と一般に周知の燐光ホスト材料であるCBPとS−1をホスト材料として使用した比較例1乃至4と比べた時、これらのスペクトルを示す図27乃至31の結果によれば、従来のホスト材料はドーパントを添加した場合、すべてのエネルギーを転移させてエネルギーを失うので発光を行えないことが分かる。一方、本発明によって製造された素子の場合、ドーパントのエネルギー転移による長波長付近の発光だけでなく、ホスト材料自体の青色系発光が行われることがわかる。
したがって、本発明によるKLホスト材料はドーパントのエネルギー転移による発光以外にも同時発光を行うことによって発光効率が非常に高く、したがって、構造が単純な単一層構造だけでもホスト材料とドーパントが共に発光することで白色など多色発光が容易で発光効率が高いことがわかる。
また、単一層だけでなく、同一ホスト材料に対して他のドーパントを蒸着した実施例11とその結果の表11及び図19乃至26によれば、単層より輝度が高く、電流効率は非常に上昇した。これで、本発明によってKLホスト材料に少なくとも2種以上のドーパントを蒸着した多層構造の素子は、従来の素子より非常に高い発光効率を表すということがわかり、ドーパントの種類と濃度、層の厚さなどを変化させることによって様々な色を表すことができ、色再現率が高くなるということがわかる。
本発明によってKLホスト材料を使用して発光層を構成する場合、従来の発明とは異なってドーパントの発光と同時にKLホスト材料の同時発光を行うので発光効率が高く、また単層内でKLホスト材料とドーパントの発光が同時に行われることができるので、構造が相対的に単純で、同じホスト材料に燐光及び蛍光ドーパントを共に使用することができるので色再現率が高く、材料の単一化による工程性が容易で、発光層を同じKLホスト材料に対して互いに異なる2つ以上のドーパント(蛍光:蛍光、蛍光:燐光、燐光:燐光等)を使用した場合、輝度などが非常に上昇して、発光効率が相対的に非常に高くなるということが分かる。

Claims (17)

  1. 下記化学式(1)の構造を有する化合物:
    Figure 0005154639
    (前記式で、Ar およびAr は少なくとも一つの不飽和脂肪族モエティ(moiety)を任意に有する置換されたか又は置換されなかった炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数2〜10の不飽和脂肪族炭化水素基及び置換されたか又は置換されなかった炭素数2〜24の不飽和ヘテロ環基からなる群から選択され;
    及びRはそれぞれ独立的に水素、炭素数6乃至24の芳香族炭化水素基、及び少なくとも一つの不飽和脂肪族モエティを有する炭素数6乃至30の芳香族炭化水素基からなる群から選択され;
    Xは炭素およびシリコンからなる群から選択され、
    Xが炭素又はシリコンの場合、mは4で、nは1乃至4の整数である。)
  2. 前記Arが下記化学式(2−1−1)から選択され、
    前記Ar が下記化学式(2−1−2)から選択され、
    前記R及びRはそれぞれ独立的に下記化学式(2−2)のうちから選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物:
    Figure 0005154639
    Figure 0005154639
  3. ドーパントとともに使用する場合にエネルギー遷移が蛍光と燐光の各々又はすべてに転移され、これによるドーパントの発光と同時に発光する、有機電界発光素子の発光層を形成するためのKLホスト材料であり、
    前記ホスト材料は発光層を形成するために蛍光及び燐光ドーパントのうち少なくとも一つのドーパントと組み合わせられ、
    ホスト材料のエネルギーはドーパントを発光させ、同時にホスト材料自体を発光させるために蛍光及び燐光ドーパントのうち少なくとも一つのドーパントに転移され、
    前記ホスト材料は下記化学式(1)の化合物であることを特徴とするKLホスト材料:
    Figure 0005154639
    (前記式で、Ar およびAr は少なくとも一つの不飽和脂肪族モエティ(moiety)を任意に有する置換されたか又は置換されなかった炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数2〜10の不飽和脂肪族炭化水素基及び置換されたか又は置換されなかった炭素数2〜24の不飽和ヘテロ環基からなる群から選択され;
    及びRはそれぞれ独立的に水素、炭素数6乃至24の芳香族炭化水素基、及び少なくとも一つの不飽和脂肪族モエティを有する炭素数6乃至30の芳香族炭化水素基からなる群から選択され;
    Xは炭素およびシリコンからなる群から選択され;
    Xが炭素又はシリコンの場合、mは4で、nは1乃至4の整数である。)
  4. 正極(anode);負極(cathode);及び前記負極と正極間に少なくとも一つの発光層を含み、
    前記発光層が請求項3のKLホスト材料を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
  5. 前記発光層が燐光ドーパント及び蛍光ドーパントのうち少なくとも一つのドーパントをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記KLホスト材料の発光及びドーパントの発光が単一層で起きることを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記発光層で蛍光と燐光が同時に発光することを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
  8. 前記発光層がKLホスト材料と互いに異なる二つ以上のドーパントを含む2層以上の多層構造であることを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
  9. 前記発光層の厚さが1〜60nmであることを特徴とする請求項7に記載の有機電界発光素子。
  10. 前記ドーパントが互いに異なる燐光ドーパントであることを特徴とする請求項7に記載の有機電界発光素子。
  11. 前記ドーパントが前記発光層総100質量部に対して0.5〜35質量部で含まれることを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
  12. 前記KLホスト材料からの発光はKLホスト材料のエネルギー転移によって前記ドーパントの発光と混合されて混色発光することを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
  13. 前記混色発光が白色発光であることを特徴とする請求項12に記載の有機電界発光素子。
  14. 前記KLホスト材料が青色発光することを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
  15. 前記負極(cathode)と前記発光層間に正孔遮断層が具備されないことを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
  16. 請求項4乃至14のいずれか一項の有機電界発光素子を含むことを特徴とする表示装置。
  17. 請求項4乃至14のいずれか一項の有機電界発光素子を具備することを特徴とする照明装置。
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