JP5154519B2 - 光半導体素子封止材料 - Google Patents
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Description
〔1〕 式(I):
で表わされる化合物を含有する表面処理剤で処理されてなる金属酸化物微粒子と、オルガノハイドロジェンシロキサンとを反応させて得られるシリコーン樹脂組成物を含有してなる、光半導体素子封止材料、ならびに
〔2〕 前記〔1〕記載の光半導体素子封止材料を用いて光半導体素子を封止してなる光半導体装置
に関する。
で表わされる化合物を含有する表面処理剤で処理されたものである。
で表わされる化合物、及び式(III):
で表わされる化合物、からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。本発明においては、上記で表わされるオルガノハイドロジェンシロキサン、及び金属酸化物微粒子に結合した式(I)で表わされる化合物は芳香族骨格を有さないため、得られる組成物が耐光性に優れるものとなる。なお、本明細書において、オルガノハイドロジェンシロキサンとは、オルガノハイドロジェンジシロキサンやオルガノハイドロジェンポリシロキサン等、低分子量化合物から高分子量化合物までの総称とする。
金属酸化物微粒子の平均粒子径とは、金属酸化物微粒子の一次粒子の平均粒子径のことであり、透過型電子顕微鏡TEMにて、画像に映った粒子100個の直径を測定し、それらの平均値を平均粒子径とする。
ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算にて求める。
以下に示す反応を行って調製した。
ナスフラスコに、ヘキサメチルシクロトリシロキサン79.51g(0.36mol)を加え、装置内を窒素で置換し、脱水アセトニトリル33.86mL、及び触媒として脱水DMF2.75mLを注射器で加えた。次に、ジメチルクロロビニルシラン43.12g(0.36mol)を加え、室温(25℃)で3時間攪拌した。反応後、オイルバス80℃を用いて、留出温度55〜58℃、圧力0.2mmHgの条件下で蒸留を行い、1-ビニル-7-クロロ-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサンを無色透明液体として得た(収率48%)。得られた化合物は、1H-NMRによって構造確認した。
ナスフラスコに、蒸留水250g、炭酸水素ナトリウム20g、及びジエチルエーテル175mL(d=0.72)を加え、最後に氷135gを加えた。このフラスコをアイスバスで冷却しながら、上記で得られた反応物50g(0.15mol)を滴下した。滴下終了後、室温(25℃)で約2時間、激しく攪拌した。反応後、反応液を分液ロートに移してジエチルエーテル相を分取し、水相をジエチルエーテルで3回抽出を行った。得られたジエチルエーテル溶液に、硫酸マグネシウムを加えて脱水後、ろ過を行った。その後、溶媒を真空留去し、1-ビニル-7-ヒドロキシ-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサンを無色透明液体として得た(収量43.5g、収率92.0%)。得られた化合物は、1H-NMRによって構造確認した。
窒素下のナスフラスコに、上記で得られた反応物20g(0.06mol)、及びテトラメトキシシラン28.13g(0.18mol)を加えて混合後、触媒としてイソプロピルアミン0.36g(0.0061mol)を注射器で加えた。その後、100℃で3時間攪拌後、留出温度60〜70℃、圧力0.1mmHgの条件下で蒸留を行い、1-ビニル-7-(トリメトキシ)シロキシ-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサン〔式(I)化合物A〕を無色透明オイルとして得た(収量18.4g、収率67.3%)。得られた化合物は、1H-NMRによって構造確認した。
上記式(I)化合物Aの3段階目の反応において、1-ビニル-7-ヒドロキシ-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサンの代わりに、1-ビニル-1-ヒドロキシ-1,1-ジメチルジシロキサンを6g(0.06mol)使用する以外は同様にして反応を行い、1-ビニル-3-(トリメトキシ)シロキシ-1,1-ジメチルジシロキサン〔式(I)化合物B〕を無色透明オイルとして得た(収量13.3g、収率70%)。得られた化合物は、1H-NMRによって構造確認した。
酸化ジルコニウムの水分散液(固形分濃度40重量%、平均粒子径7nm)0.81gをエタノール3gで希釈した後、上記で合成した式(I)化合物A 1.69g(3.8mmol)(表面処理される金属酸化物微粒子100重量部に対して522重量部)をイソプロピルアルコール10gに溶かした溶液を加え、室温(25℃)で20時間攪拌した。その後、溶媒を減圧下で留去して、1-ビニル-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキシシリル基が表面に結合した酸化ジルコニウム粒子を含むオイル(透明)が得られた。表面処理後の酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は7
nmであった。
実施例1において、式(I)化合物A 1.69g(3.8mmol)を用いる代わりに、上記で合成した式(I)化合物B 0.85g(3.8mmol)(表面処理される金属酸化物微粒子100重量部に対して262重量部)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、1-ビニル-1,1-ジメチルジシロキシシリル基が表面に結合した酸化ジルコニウム粒子を含むオイル(透明)が得られた。表面処理後の酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は7nmであった。
実施例1において、式(I)化合物A 1.69g(3.8mmol)を用いる代わりに、式(I)化合物A 0.85g(1.9mmol)(表面処理される金属酸化物微粒子100重量部に対して262重量部)とメチル(トリメトキシ)シラン0.23g(1.9mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、1-ビニル-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキシシリル基とメチルシリル基が表面に結合した酸化ジルコニウム粒子を含むオイル(透明)が得られた。表面処理後の酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は7nmであった。
実施例1において、酸化ジルコニウムの水分散液0.81gを用いる代わりに、シリカの水分散液(固形分濃度40重量%、平均粒子径10nm)0.81gを用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、1-ビニル-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキシシリル基が表面に結合したシリカ粒子を含むオイル(透明)が得られた。表面処理後のシリカ粒子の平均粒子径は7nmであった。また、1-ビニル-7-(トリメトキシ)シロキシ-1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルテトラシロキサンの使用量は、表面処理される金属酸化物微粒子100重量部に対して522重量部であった。
実施例1において、式(I)化合物A 1.69g(3.8mmol)を用いる代わりに、7-オクテニル(トリメトキシ)シラン0.89g(3.8mmol)(表面処理される金属酸化物微粒子100重量部に対して275重量部)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、7-オクテニルシリル基が表面に結合した酸化ジルコニウム粒子を含むオイル(透明)が得られた。表面処理後の酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は7nmであった。
実施例1において、式(I)化合物A 1.69g(3.8mmol)を用いる代わりに、ビニル(トリメトキシ)シラン0.56g(3.8mmol)(表面処理される金属酸化物微粒子100重量部に対して173重量部)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、ビニルシリル基が表面に結合した酸化ジルコニウム粒子を含むオイル(透明)が得られた。表面処理後の酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は7nmであった。
実施例1において、式(I)化合物A 1.69g(3.8mmol)を用いる代わりに、p-スチリル(トリメトキシ)シラン0.85g(3.8mmol)(表面処理される金属酸化物微粒子100重量部に対して262重量部)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、p-スチリルシリル基が表面に結合した酸化ジルコニウム粒子を含むオイル(透明)が得られた。表面処理後の酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は7nmであった。
得られた表面処理後の金属酸化物微粒子を含むオイルを、ヘキサン、トルエン、アセトン、イソプロピルアルコール、メタノールの各溶剤中に、微粒子濃度が2重量%となるように添加して攪拌後、得られる溶液が透明な状態になるものを「○」、白濁するものを「×」とした。
得られた表面処理後の金属酸化物微粒子を含むオイルをトルエンに溶解させ、減圧下、80℃で1時間加熱して完全に溶媒を留去した後、トルエンに微粒子濃度が2重量%となるように再溶解させたとき、得られる溶液が透明な状態になるものを「○」、半透明なものを「△」、白濁するものを「×」とした。
実施例1の表面処理後の酸化ジルコニウム粒子を含むオイル0.4g(オルガノハイドロジェンシロキサン100重量部に対してジルコニウム粒子3.4重量部)、トルエン10mL、オルガノハイドロジェンポリシロキサン〔式(III)中のR3が全てメチル基、c=約50で表わされる化合物、平均分子量4000、SiH基当量0.4mmol/g〕2.86gの混合物に、ヒドロシリル化触媒として白金−ジビニルシロキサン錯体溶液(白金濃度2重量%)3μL(白金含有量はオルガノハイドロジェンシロキサン100重量部に対して2.1×10-3重量部)を加えて、室温(25℃)で30分間攪拌した。その後、溶媒を減圧下で留去して、表面処理後の酸化ジルコニウム粒子が分散したシリコーン樹脂組成物を得た。
実施例5において、実施例1のオイル0.4gを用いる代わりに、実施例2のオイル0.4gを用いる以外は、実施例5と同様にして反応を行い、表面処理後の酸化ジルコニウム粒子が分散したシリコーン樹脂組成物を得た。表面処理後の金属酸化物微粒子の含有量は、オルガノハイドロジェンシロキサン100重量部に対してジルコニウム粒子3.3重量部であった。
実施例5において、実施例1のオイル0.4gを用いる代わりに、実施例3のオイル0.4gを用いる以外は、実施例5と同様にして反応を行い、表面処理後の酸化ジルコニウム粒子が分散したシリコーン樹脂組成物を得た。表面処理後の金属酸化物微粒子の含有量は、オルガノハイドロジェンシロキサン100重量部に対してジルコニウム粒子6.8重量部であった。
実施例5において、実施例1のオイル0.4gを用いる代わりに、実施例4のオイル0.4gを用いる以外は、実施例5と同様にして反応を行い、表面処理後のシリカ粒子が分散したシリコーン樹脂組成物を得た。表面処理後の金属酸化物微粒子の含有量は、オルガノハイドロジェンシロキサン100重量部に対してシリカ粒子3.4重量部であった。
実施例5において、実施例1のオイル0.4gを用いる代わりに、比較例1のオイル0.4gを用いる以外は、実施例5と同様にして反応を行い、表面処理後の酸化ジルコニウム粒子が分散したシリコーン樹脂組成物を得た。表面処理後の金属酸化物微粒子の含有量は、オルガノハイドロジェンシロキサン100重量部に対してジルコニウム粒子3.4重量部であった。
実施例5において、実施例1のオイル0.4gを用いる代わりに、比較例2のオイル0.4gを用いる以外は、実施例5と同様にして反応を行い、表面処理後の酸化ジルコニウム粒子が分散したシリコーン樹脂組成物を得た。表面処理後の金属酸化物微粒子の含有量は、オルガノハイドロジェンシロキサン100重量部に対してジルコニウム粒子3.4重量部であった。
実施例5において、実施例1のオイル0.4gを用いる代わりに、比較例3のオイル0.4gを用いる以外は、実施例5と同様にして反応を行い、表面処理後の酸化ジルコニウム粒子が分散したシリコーン樹脂組成物を得た。表面処理後の金属酸化物微粒子の含有量は、オルガノハイドロジェンシロキサン100重量部に対してジルコニウム粒子3.4重量部であった。
各シリコーン樹脂組成物で青色LED素子をポッティング封止し、100℃で30分、次いで150℃で1時間加熱し樹脂を完全に硬化させて、LED装置を作製した。得られたLED装置に300mAの電流を流し、試験開始直後の封止樹脂の状態を目視で観察後、LED素子を点灯させた状態で放置し、300時間経過後の封止樹脂の状態を同様に目視で観察し、変化がないものを「○」、変色したものを「×」とした。
各シリコーン樹脂組成物を200℃で1時間加熱後、波長450nmにおける光透過率(%)を分光光度計(U−4100、日立ハイテク社製)を用いて測定して、光透過性を評価した。なお、測定用サンプルは、光散乱の影響が及ばないように、2枚のガラス板にマッチングオイルと、各シリコーン樹脂組成物を挟んだものを用いた。
200℃で100時間加熱後の各シリコーン樹脂組成物の光透過率を、上記光透過性の評価と同様にして測定し、加熱前、即ち、光透過性試験にて測定した値に対する比率(加熱後の光透過率/加熱前の光透過率×100)(%)を算出し、比率が95%以上のものを「○」、95%未満のものを「×」とした。
Claims (5)
- 表面処理される金属酸化物微粒子が、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、及びアルミナからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の光半導体素子封止材料。
- 表面処理後の金属酸化物微粒子の平均粒子径が1〜100nmである、請求項1又は2記載の光半導体素子封止材料。
- 請求項1〜4いずれか記載の光半導体素子封止材料を用いて光半導体素子を封止してなる光半導体装置。
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