JP5154095B2 - 椅子における支基の構造 - Google Patents
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また、支基は、座と背凭れと着座者のすべての荷重を担わなければならず、その強度を維持するため、使用する材料の板厚を大としたり、高強度の高価な材料を使用しなければならない。
(1) 脚によって支持され、かつ座と背凭れとを支持する椅子における支基の構造であって、脚の上端に取付けられた基部と、この基部の前端両側部より前方に突出するとともに、周縁部に互いに内方を向く折曲縁部が形成された左右1対の腕部とを有する支基フレームを備え、前記各腕部の内面に補強板を固着し、この補強板と各腕部とに、左右方向を向く軸受筒を架設し、左右の軸受筒をもって、背凭れと一体となって回動する枢軸を枢支し、かつ前記両腕部間に、前記枢軸を、背凭れが起立する方向に付勢する付勢手段を配設し、さらに、前記支基フレームにおける両腕部の上部同士および下部同士間に、上下部連結板を架設し、この上下部連結板に、枢軸を付勢する付勢手段における付勢力調節手段を取り付ける。
請求項1記載の発明によると、支基フレームを、脚の上端に取付けられた基部と、この基部の前端両側部より前方に突出する左右1対の腕部とを有するものとしてあるので、部品を、上方だけでなく、下方や前方からも取り付けることができ、組立ての効率をよくすることができる。
また、左右の腕部の周縁部に、互いに内方を向く折曲縁部を形成し、かつ各腕部の内面に補強板を固着してあるので、各腕部を中空箱状として、強度を高めることができ、使用する材料の板厚を大としたり、高価な材料を用いたりする必要性をなくすことができる。
図1は、本発明の一実施形態を備える椅子の前方斜視図、図2は、同じく分解前方斜視図である。
この椅子は、先端部にキャスタ1を設けた放射状の5本の脚杆2の中心部に立設された脚柱3と、この脚柱3の上端に設けられた支基4と、この支基4に貫挿された左右方向を向く枢軸5と、この枢軸5の両端に固着された左右1対のブラケット6、6と、背凭れ7を支持するとともに、下端より前方に向かって延出する左右1対の前向杆8a、8aを、枢軸5とブラケット6とに連結し、それらと一体となって、支基4に対して回動するようにした背凭れフレーム8と、座9を支持するとともに、後部が左右1対のブラケット6、6の後端部に連結され、かつ前部が左右1対のリンクレバー10、10をもって、支基4の前部に連結され、背凭れフレーム8の後傾動作に連動して、支基4に対して後下方に移動するようにした座受枠11と、座9の両側部に設けられた肘掛装置12、12とを備えている。
この支基4は、脚柱3の上端に取付けられた基部13aと、この基部13aの前端両側部より前上方に向かって突出するとともに、周縁部に互いに内方を向く折曲縁部13bが形成された左右1対の腕部13c、13cとを有する、平面視ほぼ前向U字状の支基フレーム13を備えている。
基部13aは、中央部に脚柱3の上端部が下方より圧嵌されるようにした受孔14を有する水平板15の両側部と後部とに、上下の縁が内方を向くように円弧状に折曲された外周枠16を固着してなり、外周枠16は、左右の腕部13c、13cに連続するように形成されている。
枢軸5には、背凭れ7を起立する方向に付勢する付勢手段である左右1対のねじりコイルばね19、19が外嵌されている。
また、左右の腕部13cと補強板17との前部には、枢軸5と平行をなし、かつ座9の前部を支持する左右1対のリンクレバー10、10の下端部を枢支する左右方向を向く支軸20が貫設されている。
枢軸5は、両端部を円形軸部5a、5aとし、それ以外の中間部分は角軸部5bとしてあり、左右の補強板17、17により挟まれた空間内における角軸部5bの両側部には、ばね受け部材26における左右方向を向くばね受片26aの両側端より後上方に起立する両側片26b、26bの先端部に設けられて角孔27、27が外嵌され、ばね受け部材26は、枢軸5および背凭れ7と一体となって回動するようになっている。
ガイド筒28は、上半部28aと下半部28bとに分離可能となっており、上半部28aの左右方向の中央部外周面には、半環状の凹溝30が、また下半部28bの左右方向の中央部外周面には、半円弧状の拡径鍔31が設けられている。
また、各ねじりコイルばね19における第1アーム19bと第2アーム19cとは、ともに巻回部19aから同方向に延出されているので、ねじりコイルばね19自体、およびそれを収容する部分等の前後方向の寸法を小として、小型化を図ることができる。
さらに、各ねじりコイルばね19は、ガイド筒28における上記テーパー面に沿って、円滑に拡縮することができる。
なお、ねじりコイルばね19、19の付勢力を調節する必要のないときは、ねじ杆34に代えて、下端を下部連結板22に係止した牽引杆(図示略)の上端に、ばね受け部材32、32係止して実施することもできる。
この状態から、着座者が背凭れ7を後方に押すと、背凭れ7は、左右のねじりコイルばね19、19の付勢力に抗して、枢軸5、ばね受け部材26等と一体となって、枢軸5を中心として後傾することができ、両ねじりコイルばね19、19の付勢力は、背凭れ7の起立方向への復帰回動力として作用する。
すなわち、回転ハンドル33により、ねじ杆34を回転させて、昇降駒36を下降させると、左右のねじりコイルばね19、19が同期して巻き締められて、背凭れ7の起立方向への付勢力が強くなり、逆に、昇降駒36を上昇させると、左右のねじりコイルばね19、19は同期して緩められ、背凭れ7の起立方向への付勢力が弱くなる。
このロック装置38は、図3、図5および図9に示すように、支持部材である支基4における左方の補強板17に複数の係合孔39を、可動部材であるばね受け部材26の移動方向である枢軸5を中心とする円弧状に並べて設け、可動部材であるばね受け部材26に、上記複数の係合孔39に選択的に係脱しうるロックピン40を、いずれかの係合孔39に係合する図9(c)に示すロック位置と、係合孔39から離脱した図9(a)に示すアンロック位置とに移動可能として装着するとともに、操作手段である操作レバー41の操作により移動させられる作動部材としてのワイヤエンド部材42を、図9(b)および(c)に示すロック予約位置と、図9(a)および(d)に示すアンロック予約位置とに移動可能として装着し、ワイヤエンド部材42がロック予約位置に位置しているときは、ロックピン40をロック位置に向かって付勢し、ワイヤエンド部材42がアンロック予約位置に位置しているときは、ロックピン40をアンロック位置に向かって付勢する付勢手段43を、ばね受け部材26のばね受け片26a上に設けたものよりなっている。
ロックピン40の右端部寄りに、左右方向に摺動可能として外嵌された摺動体45は、ケース44の上面に設けられた左右方向を向く長孔46を通って、ケース44の上方に突出し、長孔46内を左右方向に摺動しうるようになっている。
第1付勢手段である圧縮コイルばね50のばね定数は、第2付勢手段である圧縮コイルばね51のばね定数より大としてあり、これら2個の圧縮コイルばね50、51により、付勢手段43が形成されている。
ボーデンケーブル52は、操作レバー41の軸41aが枢支されている支基4における枢支部材53に一端が止着され、かつ他端がチューブホルダ47に止着された可撓性のアウターチューブ54と、このアウターチューブ54内に軸線方向に摺動自在に挿通され、アウターチューブ54の一端から引き出された端部が、操作レバー41の軸41aの基端側より前方に突出するアーム41bの先端部に係止され、かつアウターチューブ54の他端からロックピン40の移動方向と平行に引き出された端部が、摺動体45の上部に設けた左右方向を向くスリット55を通って、その先端がスリット55と連続して摺動体45の上部右側面に設けられた収容孔56に収容されたワイヤエンド部材42に止着されたワイヤ57とからなっている。
枢支部材53は、上部連結板21の下面中央に固着されている。
操作レバー41が、アンロック位置に位置しているときは、図9(a)に示すように、ワイヤエンド部材42は、アンロック予約位置に位置し、この状態では、左右の圧縮コイルばね51、50は、ともに伸長し、ロックピン40は、アンロック位置に位置し、いずれの係合孔39からも離脱している。
このとき、圧縮コイルばね51は圧縮されたままとなり、圧縮コイルばね50は、ほぼ無負荷状態まで伸長して、摺動体45を若干右方に押動する。摺動体45は、図9(d)に示す位置に停止し、ワイヤエンド部材42のみが、収容孔56から離脱する。ワイヤエンド部材42と収容孔56の内面との摩擦が大きい場合は、摺動体45が、ワイヤエンド部材42とともに右方に移動し、圧縮コイルばね50から離間することもあるが、いずれでもよい。
また、左右の腕部13c、13cの周縁部に、互いに内方を向く折曲縁部13b、13bを形成し、かつ各腕部13c、13cの内面に補強板17、17を固着してあるので、各腕部13c、13cを中空箱状として、強度を高めることができ、使用する材料の板厚を大としたり、高価な材料を用いたりする必要性をなくすことができる。
2 脚杆
3 脚柱
4 支基
5 枢軸
5a円形軸部
5b角軸部
6 ブラケット
7 背凭れ
8 背凭れフレーム
8a前向杆
9 座
10 リンクレバー
11 座受枠
12 肘掛装置
13 支基フレーム
13a基部
13b折曲縁
13c腕部
14 受け孔
15 水平板
16 外周縁
17 補強板
18 軸受筒
19 ねじりコイルばね(付勢手段)
19a巻回部
19b第1アーム
19c第2アーム
20 支軸
21 上部連結板
22 下部連結板
23 付勢力調節手段
24 上部カバー
25 下部カバー
26 ばね受け部材
26aばね受け片
26b側片
27 角孔
28 ガイド筒
28a上半部
28b下半部
29 角孔
30 凹溝
31 拡径鍔
32 ばね受け部材
33 回転ハンドル
34 ねじ杆
35 ねじ孔
36 昇降駒
37 ストッパ
38 ロック装置
39 係合孔
40 ロックピン
41 操作レバー(操作手段)
41a軸
41bアーム
42 ワイヤエンド部材(作動部材)
43 付勢手段
44 ケース
45 摺動体
46 長孔
47 チューブホルダ
48 ばね受け片
49 拡径鍔部
50 圧縮コイルばね(第1付勢手段)
51 圧縮コイルばね(第2付勢手段)
52 ボーデンケーブル
53 枢支部材
54 アウターチューブ
55 スリット
56 収容孔
57 ワイヤ
58 操作レバー
Claims (2)
- 脚によって支持され、かつ座と背凭れとを支持する椅子における支基の構造であって、脚の上端に取付けられた基部と、この基部の前端両側部より前方に突出するとともに、周縁部に互いに内方を向く折曲縁部が形成された左右1対の腕部とを有する支基フレームを備え、前記各腕部の内面に補強板を固着し、この補強板と各腕部とに、左右方向を向く軸受筒を架設し、左右の軸受筒をもって、背凭れと一体となって回動する枢軸を枢支し、かつ前記両腕部間に、前記枢軸を、背凭れが起立する方向に付勢する付勢手段を配設し、さらに、前記支基フレームにおける両腕部の上部同士および下部同士間に、上下部連結板を架設し、この上下部連結板に、枢軸を付勢する付勢手段における付勢力調節手段を取り付けたことを特徴とする椅子における支基の構造。
- 支基フレームにおける両腕部と補強板との前部間に、枢軸と平行をなし、かつ座の前部を支持する左右1対の支持リンクの下端部を枢支する軸を架設した請求項1記載の椅子における支基の構造。
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