JP5153372B2 - 中継伝送装置 - Google Patents
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Description
MPEG( Moving Picture Experts Group )形式の圧縮符号化による映像の伝送においては、遅延プロファイルが異常の場合には、NG時画像フリーズが起き易いと考えられている。従って、受信状態情報として、遅延プロファイルを監視することは、フリーズを予期する上で重要な情報である。遅延プロファイル等の受信状態情報は受信点からセンタへ映像と共に伝送し、受信点とセンタの各々で、伝送状態のアラームとして検出している。
しかし2003年頃までは、例えば、小高い丘で得た映像をスタジオのある放送局本社等へ伝送する場合には、アナログ式のマイクロ回線で伝送された。そして、実際に伝送すべき放送映像を本線で送り、遅延プロファイルの表示画像を別の線で送る必要があり、2本のマイクロ回線で伝送しなければならない等の不便さがあった。
このため、OFDM( Orthogonal Frequency Division Multiplex )等のデジタル伝送装置を用いて映像と共に遅延プロファイルの表示画像を多重して伝送するのが現在実施されている。
図5の場合、例えば、ロードレース中のランナーの被写体像を捉えているカメラを搭載した移動車両などの撮影現場が送信側に相当し、位置が固定された放送局(スタジオ側)が受信側に相当する。これらの間では、例えばマイクロ波帯の電波を用いた無線伝送形式となる。
更に、放送局から撮像現場が遠い場合、或いは、伝送路の途中に電波の伝播に障害となる物があった場合、撮影現場と放送局の間に中継部を設ける必要が生じる。中継部は、例えば、小高い山頂や高層ビルの屋上など見通しの良い場所に設置される。
受信点に設けられた受信機200で受信したランナーの生映像は、送信機300により、放送局であるスタジオにマイクロ波帯で伝送される。
スタジオでは、映像受信機400が受信点からのランナーの映っている生映像を受信する。スタジオでは、その後、この生映像を本線映像として、全国の茶の間に放送する。
なお、伝送状態や距離の関係で、中継部を複数個所に設けることがあるが、方式的には、ほぼ同様の構成で伝送される。
受信用アンテナ302Rで受信された電波W1は、受信ユニット502の受信機202に入力される。受信機202は、入力された信号を中間周波信号に変換してから復調し、再生圧縮データとして復元する。復元された再生圧縮データは、送信機102から送信用アンテナ302Tを介して、電波W2として送信される。
TS信号は、TSパケットと呼ばれる固定長(例えば、204バイト)に小分けされた連続した信号列とされ、伝送し易いようにしている。映像や音声等各TSストリームは、それぞれ固有のPID(パケット識別子)を持ち、各TSパケットには、その固有のPIDがパケットヘッダーが付されて、TSパケットの種類を表す。例えば、受信状態情報Fr1のPIDのID値は、PID=FF(Pf_f)にて多重化される。
同時に、復号ユニット503は、復号したTS信号TS3をデコーダ803と遅延プロファイル表示部(遅延PFアダプタ)603に出力する。デコーダ803は、TS信号TS3をデコードし映像信号に伸張することによって再生して、本線映像として放送する等の出力が可能である。また、遅延PFアダプタ603は、遅延プロファイル情報を内蔵若しくは外付けの表示部に例えば表示画面703のように表示することができる。
受信状態情報の多重の具体的な説明をタイムチャートを図7によって説明する。図7は、従来の受信状態情報を多重化した場合のTS信号のタイミングチャートである。TSパケットTS121−1〜121−11が、横(時間軸上)に伝送されていることを示している。図7は、このTSパケットTS121−1〜121−11の中に受信状態情報の中の遅延プロファイルを定期的に多重して伝送しているタイミングについて説明するための図である。
即ち、図7において、4個目のTSパケットTS121−3、121−7、及び121−10、‥‥‥と、4個目毎のTSパケットのnull情報を受信状態情報に差し替えて、差し替えたTSパケットのPIDのID値をFF(pf_f)と記述して伝送している。なお、null情報が少ないTSパケットの場合には圧縮率を上げてnull情報を増やしてから伝送状況情報と差し替える。
また、標準的な遅延プロファイル表示ユニット若しくはアダプタの場合には、PIDのID値がFFであるTSパケットを探して伝送状況情報を抽出して表示する。また、地点Bの受信状態を地点Cの経由する等、多段にて、それぞれの中継部からそれぞれの受信状態情報を伝送する場合も多い。
標準の遅延PFアダプタの場合には、PID=FFであるTSパケットを検索して、そのTSパケットから、伝送されてきた前段以前の中継局の受信状態情報を表示することができる。また、遅延PFアダプタの仕様によっては、PIDのID値がFFでなくても検索して受信状態情報を表示することができる場合もある。
しかし、例えば、ある種のTSL( Transmitter-Studio-Link )回線では、PID=FFの多重分を削除してしまうので、標準の遅延PFアダプタでは、受信状態情報を表示することができなかった。この対応策として、特殊な遅延PFアダプタを用い、PID=FDで対応するようにしている場合もある。そのため、ある種のTSL回線では、標準の遅延PFアダプタを用いると受信状態情報を表示することができなかった。
以上のことから、既に設置されたTSL回線に対して、回線の方式の確認や、使用するPFアダプタの選択等、対応が難しかった。更にまた、多段中継伝送の場合、途中での回線状態を把握できなかった。
本発明の目的は、上記のような問題に鑑み、どのような回線方式であっても、多段中継の場合でも、また標準遅延プロファイルアダプタであっても、遅延プロファイル情報等の受信状態情報を表示可能な中継伝送装置を提供することにある。
即ち、PIDのID値を“FD”と記述する装置を作って多重伝送し、遅延プロファイルアダプタを特殊タイプとした。更に、遅延プロファイル情報のPIDのID値を“FF”と“FD”とに、一定時間周期毎に切換えて多重した。また更に、好ましくは、中継段の伝送装置の多重部は、特定のID値を捜して中継段の受信状態を示すパケットを前段のパケットと差し替えることで、中途の回線状態を伝送するようにしたものである。
また好ましくは、上記本発明の中継伝送装置の前記多重手段は、前記第1のID値で記述されたPIDを有するTSパケットを抽出する抽出手段を備え、前記中継伝送装置が受信したTS信号の受信状態情報を所定の頻度で、第3のID値に置き換えて、次段の中継伝送装置若しくは受信装置に送信する手段を備えたものである。
また好ましくは、上記本発明の中継伝送装置の前記多重手段は、前記受信状態情報を前記TSパケット中のnull情報と差し替えるものである。
マルチプレクサ402′の構成と動作について、以下説明する。なお、図示しないマルチプレクサ403′及び404′もマルチプレクサ402′と同一の機能と構成を備える。
図1の受信ユニット( RU1 )502′において、受信機 202は、受信用アンテナ302Rから入力された受信信号W1を中間周波数信号に変換して復調し、再生圧縮データとして復元する。復元された再生圧縮データのTS信号は、送信機102から送信用アンテナ302Tを介して、電波W2として送信されると共に、マルチプレクサ402′に出力される。
制御器13は、切替パルスを所定周期で切替器12に出力する。
切替器12は、制御器13から入力される切替パルスに応じて、2種類のID値1若しくはID値2を周期的に交互に選択し、マルチプレクサ本体11に出力する。
マルチプレクサ本体11は、2種類のID値を所定時間周期(例えば、500[ms])毎に切り替えて多重し、本線TS及びID値1の情報TS、或いは、本線TS及びID値2の情報TSとして、送信機102に出力する。
なお、地点Cの受信ユニット503′のように、更に、遅延プロファイル表示部(遅延PFアダプタ)603等に出力する場合もある。
即ち、図2において、4個目のTS121−3、121−7、及び121−10、‥‥‥と、4個目毎のTSパケットに、受信状態情報をnull情報と差し替えてID値として、“FF”若しくは“FD”に入れて伝送している。
検知器14は、入力されたTS信号のTSパケットからPID=FFのID値を有するTSパケットを検出し、検出したPID=FFのID値(“Pf_f”)を有するTSパケットについて“f”を頻度50%の割合でID値を“c”に変更する(Pf_c)。そして、地点Cでの受信状態情報を、このTSパケットに挿入する。このような処理を受けたTS信号は、送信機103に出力され、送信機103から送信用アンテナ303Tを介して、次段の中継部若しくは放送局に送信される。
TSパケットTS121−3は、入力時及び出力時共に変わらず、PID=FFであるが、TSパケットTS121−11は、入力時にはPID=FFであるが、出力時にはTS121−11′でPID=FC(“Pf_c”)に変わっている。
アダプタによっては、PID=FFではなく、PID=FDで上述のような処理をしても良い。
また、更に次段(地点Dが中継部で有る場合)の処理として、PID=FFを地点Dでは、更に頻度25%の割合で、地点Dでの受信状態情報を挿入しても良い(PID=Fb“Pf_b”)。
また、特定のPIDを除去する回線でも遅延PF等の受信状態情報を抽出して表示できる。
更に、対応する情報TSの抽出が、PIDのID値が特定の1種類であっても、表示可能となる。
また更に、多段接続において、もそれぞれの中継段での受信状態情報が後段で取得できる。
またこの中継装置で多段の中継伝送を行う場合、各中継段毎にその時点での受信状態情報をTS信号に加えるために、ID値を各中継段毎に後段にて差し替え置換する機能を持つマルチプレクサで構成する中継装置としても良い。
Claims (3)
- TS信号を受信し、該受信したTS信号を復号して、該受信したTS信号の受信状態情報を検出して該復号したTS信号と共に出力する受信手段と、
前記復号したTS信号のTSパケット中のnull情報を前記受信状態情報に差し替えて、差し替えたTSパケットのPIDのID値を記述する多重手段と、
前記多重手段の出力信号のTS信号を送信する送信手段とを備える中継装置において、
前記多重手段は、更に、前記復号したTS信号のTSパケット中のnull情報を前記受信状態情報に差し替えて、差し替えたTSパケットのPIDのID値をFF若しくはFDに周期的に交互に選択して記述する手段を備えたことを特徴とする中継伝送装置。 - 請求項1の中継伝送装置において、前記多重手段は、前記FF若しくはFDのID値で記述されたPIDを有するTSパケットを抽出する抽出手段を備え、前記中継伝送装置が受信したTS信号のその地点での受信状態情報を、所定の頻度でFCのID値に置き換えて、抽出したFF若しくはFDのID値を有するTSパケットに挿入し、次段の中継伝送装置若しくは受信装置に送信する手段を備えたことを特徴とする中継伝送装置。
- 請求項1乃至請求項2の中継伝送装置において、前記多重手段は、少なくとも、切替パルスを所定周期で出力する制御器、前記制御器から入力される前記切替パルスに応じてFF若しくはFDのID値を周期的に交互に選択して出力する切替器、及び前記切替器から入力くされるFF若しくはFDのID値に応じて多重するマルチプレクサ本体を有し、前記受信状態情報を4個目毎の前記TSパケット中のnull情報と差し替えることを特徴とする中継伝送装置。
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