JP5151021B2 - 電力用半導体素子の異常検出装置 - Google Patents
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Description
図6において、1は直流電源、2は電動機等の負荷、3は直流電圧を所定の大きさ及び周波数の交流電圧に変換するインバータ部である。なお、図示されていないが、直流電源1は、一般的に、交流電源電圧をダイオード整流器と大容量の電解コンデンサとにより整流、平滑して構成される。
6はIGBT4の駆動・保護回路であり、一般にIGBT4,環流ダイオード5及び駆動・保護回路6を一体化したモジュールをIPM(インテリジェントパワーモジュール)と呼んでいる。なお、20は上記駆動・保護回路6との間で信号を授受して各IGBT4をオンオフ制御する制御回路である。
ここで、駆動・保護回路6は、IGBT4を駆動するだけでなく、IGBT4を過電流や過熱から保護する保護動作も行っている。
9はセンスエミッタ端子7に直列に接続された電流検出用の抵抗であり、この抵抗9の両端電圧が基準電圧10以上になるとIGBT4に過電流が流れていると判断し、コンパレータ11を介して制御回路20にアラーム信号を出力すると共に、ゲート駆動回路8を介してIGBT4の強制遮断を実行する。上記アラーム信号が出力された場合には、制御回路20側でも装置の強制停止を行うのが一般的である。
ここで、IPMの内部構成については、例えば後述する非特許文献1に記載されている。
図8において、131は銅ベース、132は絶縁材、133〜136は銅箔パターン(絶縁材132及び銅箔パターン133〜136をまとめて絶縁基板という)であり、IGBTチップ41C,42C,43C,44C,45C,46C及び環流ダイオードチップ51C,52C,53C,54C,55C,56Cは銅箔パターン133〜136上にそれぞれ半田付けされている。ここで、IGBTチップ41C,42C,43C,44C,45C,46Cは、それぞれ図7におけるIGBTチップ4Cと実質的に同一のものであり、また、環流ダイオードチップ51C,52C,53C,54C,55C,56Cは、図6における環流ダイオード5を有するチップである。
更に、下アーム側のIGBTチップ41C,42C,43Cのエミッタ側と下アーム側の環流ダイオードチップ51C,52C,53Cのアノード側とは、それぞれワイヤによって同電位の銅箔パターン121に接続されている。また、上アーム側のIGBTチップ44C,45C,46Cのエミッタ側と上アーム側の環流ダイオードチップ54C,55C,56Cのアノード側とは、それぞれワイヤによって銅箔パターン122,123,124に接続されている。
実際には、ワイヤ137にクラック139が入り始めても直ちにワイヤ137が剥がれるおそれは少ないが、基本的にはIPMが寿命に近付いているため、電力変換装置としては早期にIPMを交換する必要がある。
前記半導体素子のセンスエミッタ端子を流れる電流を抵抗の両端電圧に変換して検出する電流検出手段と、
前記両端電圧が第1の設定値以下であることを判定する第1の判定手段と、
前記電極と前記配線部材間に発生している電圧相当値を検出する手段と、
この電圧検出手段により検出した前記電圧相当値が第2の設定値以下であることを判定する第2の判定手段と、
第1及び第2の判定手段の出力に基づいて、前記配線部材の前記電極との接合部分の異常を検出する手段と、を備え、
前記配線部材に接続される前記半導体素子の電極の電位を、前記第1の設定値及び前記第2の設定値の基準電位としたものである。
前記半導体素子のセンスエミッタ端子を流れる電流を抵抗の両端電圧に変換して検出する電流検出手段と、
前記両端電圧が第1の設定値以下であることを判定する第1の判定手段と、
前記電極と前記配線部材間に発生している電圧相当値を検出する手段と、
この電圧検出手段により検出した前記電圧相当値が第2の設定値以上であることを判定する第2の判定手段と、
第1及び第2の判定手段の出力に基づいて、前記配線部材の前記電極との接合部分の異常を検出する手段と、を備え、
前記接合部分と外部とを接続する配線経路に中継点を設け、この中継点の電位を、前記第1の設定値及び前記第2の設定値の基準電位としたものである。
図1は本発明の第1実施形態に係る駆動・保護回路60Aの構成図であり、その主要部が本発明の異常検出装置を構成している。
この駆動・保護回路60Aは、IGBT4を駆動するゲート駆動回路8を備え、更に、以下に述べるごとくワイヤのIGBTチップ4Cとの接合部分のクラック発生を検出する手段を備えている。
また、前記コンパレータ603の非反転入力端子には、第2の設定値として負の基準電圧602が入力されている。
なお、図1において、608,609は前記基準電圧602,606を生成するための正負の直流電源である。
インバータ部を有する電力変換装置の運転指令eに対して、前述したアラーム信号dがない場合(アラーム信号dが「Low」レベルの場合)には、アンドゲート701を介して通常時アルゴリズム703を有効とし、このアルゴリズム703をオアゲート705を介して実行させる。
一方、アラーム信号dが発生した場合(アラーム信号dが「High」レベルの場合)には、アンドゲート702を介してワイヤクラック発生時アルゴリズム704を有効とし、このアルゴリズム704をオアゲート705を介して実行させる。
但し、場合によっては、接合部分にクラックが発生していても、IGBTチップの温度が絶対最大定格温度以下であれば即破壊に至るおそれは少ないため、ある設定された所定の運転シーケンスの実行後に電力変換装置の運転を停止させても良い。
第1実施形態では、電圧検出値aが負電圧になり、両コンパレータ603,607の正負の基準電圧602,606を作成するために正負の直流電源608,609が必要になる。そこで、第2実施形態では、駆動・保護回路60Bを正の直流電源608のみで動作可能としたものである。
電圧検出値aはIGBT4のエミッタから直接検出され、フィルタ601を介してコンパレータ603の非反転入力端子に入力されている。また、このコンパレータ603の反転入力端子には正の基準電圧610が加えられている。
コンパレータ603以降の構成及び動作は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図示しないが、図2における他のIGBTチップの周辺の配線構造も、図5と同様に構成することができる。
また、配線部材としてワイヤ以外にリードフレームを用いても良い。
更に、電力用半導体素子としてIGBTを使用した場合について説明したが、本発明は、他のスイッチング素子を備えたチップに接合される配線部材のクラック発生の検出にも適用可能である。
4C:IGBTチップ
7:センスエミッタ端子
8:ゲート駆動回路
20:制御回路
41C,42C,43C,44C,45C,46C:IGBTチップ
51C,52C,53C,54C,55C,56C:環流ダイオードチップ
121〜125,133〜136:銅箔パターン
60A,60B:駆動・保護回路
61C1,62C1,63C1,64C1,65C1,66C1:駆動用IC
601:フィルタ
602,606,610:基準電圧
603,607:コンパレータ
604:アンドゲート
605:抵抗
608,609:直流電源
611,612,612a,612b:ワイヤ
701,702:アンドゲート
703:通常時アルゴリズム
704:ワイヤクラック発生時アルゴリズム
705:オアゲート
Claims (4)
- 電極がワイヤ、リードフレーム等の配線部材を介して外部に接続される電力用半導体素子の異常検出装置において、
前記半導体素子のセンスエミッタ端子を流れる電流を抵抗の両端電圧に変換して検出する電流検出手段と、
前記両端電圧が第1の設定値以下であることを判定する第1の判定手段と、
前記電極と前記配線部材間に発生している電圧相当値を検出する手段と、
この電圧検出手段により検出した前記電圧相当値が第2の設定値以下であることを判定する第2の判定手段と、
第1及び第2の判定手段の出力に基づいて、前記配線部材の前記電極との接合部分の異常を検出する手段と、
を備え、
前記配線部材に接続される前記半導体素子の電極の電位を、前記第1の設定値及び前記第2の設定値の基準電位としたことを特徴とする電力用半導体素子の異常検出装置。 - 電極がワイヤ、リードフレーム等の配線部材を介して外部に接続される電力用半導体素子の異常検出装置において、
前記半導体素子のセンスエミッタ端子を流れる電流を抵抗の両端電圧に変換して検出する電流検出手段と、
前記両端電圧が第1の設定値以下であることを判定する第1の判定手段と、
前記電極と前記配線部材間に発生している電圧相当値を検出する手段と、
この電圧検出手段により検出した前記電圧相当値が第2の設定値以上であることを判定する第2の判定手段と、
第1及び第2の判定手段の出力に基づいて、前記配線部材の前記電極との接合部分の異常を検出する手段と、
を備え、
前記接合部分と外部とを接続する配線経路に中継点を設け、この中継点の電位を、前記第1の設定値及び前記第2の設定値の基準電位としたことを特徴とする電力用半導体素子の異常検出装置。
- 請求項1または2に記載した電力用半導体素子の異常検出装置において、
前記接合部分の異常を検出する手段は、前記接合部分の熱疲労によるクラックの発生を検出することを特徴とする電力用半導体素子の異常検出装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載した電力用半導体素子の保護装置において、
前記接合部分の異常を検出した際に、外部へアラーム信号を出力することを特徴とする電力用半導体素子の異常検出装置。
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