JP5150853B2 - 焼却飛灰中の重金属を固定化するための固定剤の適正添加量を決定する方法および装置 - Google Patents
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Description
(1)焼却飛灰のサンプルをとり、試料溶液中に存在する重金属の固定化に必要な量に対して過剰量であって、既知の量のキレート剤の水溶液を添加して反応させることにより、試料溶液を得る。
(2)所定の濃度のCu2+イオンを含有する液を用意し、試料溶液に対して、重金属の固定化に使用されなかったキレート剤に対して過剰量のCu2+イオンを含有する銅イオン溶液を、緩衝溶液の存在下に添加して、反応させる。
(3)工程2の反応混合物を濾過し、反応により生成した沈殿を除去する。
(4)工程3で得た濾液に対し呈色剤を添加して発色させ、一定波長の光を用いた吸光光度分析を行ない、吸光度から濾液中のCu2+イオンの含有量を定量する。
(5)工程4で定量されたCu2+イオンの含有量から、工程1において重金属の固定化に使用されなかったキレート剤の量を算出し、その値を既知のキレート剤の量から差し引くことによって、重金属の固定化に費やされたキレート剤の量を算出する。
このようにして算出された、重金属の固定化に費やされたキレート剤の量にもとづいて、重金属の固定化に使用するキレート剤の適正添加量を決定すること。
A)焼却飛灰のサンプルを秤量し、それに、所定の濃度であって飛灰中の重金属に対して過剰量のキレート剤の水溶液を加えて重金属を固定化して沈殿させ、過剰なキレート剤が溶存する試料溶液を得る手段、試料溶液を保持する試料溶液タンク(いずれも図示してない)、およびそこから一定量の試料溶液を供給するシリンジポンプ(1)
B)所定の濃度の呈色剤溶液を保持する呈色剤溶液タンク(図示してない)、およびそこから一定量の呈色剤溶液を供給するシリンジポンプ(2)、
C)所定の濃度のCu2+イオンを含有する溶液を保持する銅イオン溶液タンク(図示してない)、およびそこから一定量の銅イオン溶液を供給するシリンジポンプ(3)
D)それぞれ一定量ずつ供給された試料溶液と銅イオン溶液とを混合して、溶存するキレート剤とCu2+イオンとを反応させる混合反応手段(4A)、
E)反応により生成した沈殿を除去し、未反応のCu2+イオンを含有する濾液を得る濾過手段(5)、
F)それぞれ一定量ずつ供給された濾液と呈色剤溶液とを混合して、呈色液を得る混合反応手段(4B)、
G)呈色液を吸光光度分析にかけて、その中に存在する未反応のCu2+イオン濃度を測定するための分析装置(6)、ならびに
H)未反応のCu2+イオン濃度の分析結果にもとづいてキレート剤の過剰量を算出し、その値にもとづいて焼却飛灰中の重金属の固定化に必要なキレート剤の量を求めるための演算手段(7)。
配位子+Cu2+(過剰量) →Cu・配位子(s) (1) pH3
Cu2+(未反応)+2PAR→Cu・(PAR)2 (2) pH5
上記式(1)の反応は、pH3近辺で行なうのが好ましく、式(2)の反応は、pH5近辺が好適であるから、それぞれのpHを実現するための緩衝溶液を用意し、供給する手段を設ける。
0.4%(F−100):0.362411
ブランク: 0.815349
y=−1.1323x+0.8153
10%(使用キレート剤濃度)−2.9%=7.1%
の算式から、過剰であった量は2.9%、固定化に消費された量は7.1%であったことが判明した。
0.2%(F−100):0.636460
ブランク: 0.815349(実施例1の値を使用)
この結果を利用して得た検量線は、図7のグラフに示すとおりであって、検量線式はつぎのとおりである。
y=−0.8944x+0.8153
0.4%(N−10):0.588292
ブランク: 0.815349(実施例1の値を使用)
検量線は図10のグラフに示すとおりであって、検量線式はつぎのとおりである。
y=―0.5676+0.8153
PARを加えて呈色させた液を対象にλmax512nmで吸光光度分析を行なった結果は、図11のグラフに示すとおりである。このデータを上記の検量線式に代入して、x=0.11の値を得た。したがって、過剰であったキレート剤の量は1.1%であり、重金属の固定化に使用された量は8.9%ということになる。
2 呈色剤溶液を供給するシリンジポンプ
3 銅イオン溶液を供給するシリンジポンプ
4A キレート剤とCu2+イオンとの混合反応手段
4B 濾液と呈色剤溶液との混合反応手段
5 濾過手段
6 分析装置(分光光度計)
7 演算手段
8A 試料溶液のホールディング・コイル
8B 呈色剤溶液のホールディング・コイル
8C 銅イオン溶液のホールディング・コイル
9 ミキシング・コイル
Claims (6)
- 焼却飛灰中の重金属を固定化するための固定化剤の適正添加量を決定する方法であって、下記の諸工程からなる方法:
(1)焼却飛灰のサンプルをとり、試料溶液中に存在する重金属の固定化に必要な量に対して過剰量であって、既知の量のキレート剤の水溶液を添加して反応させることにより、試料溶液を得ること、
(2)所定の濃度のCu2+イオンを含有する液を用意し、試料溶液に対して、重金属の固定化に使用されなかったキレート剤に対して過剰量のCu2+イオンを含有する銅イオン溶液を、緩衝溶液の存在下に添加して、反応させること、
(3)工程2の反応混合物を濾過し、反応により生成した沈殿を除去すること、
(4)工程3で得た濾液に対し呈色剤を添加して発色させ、一定波長の光を用いた吸光光度分析を行ない、吸光度から濾液中のCu2+イオンの含有量を定量すること、および
(5)工程4で定量されたCu2+イオンの含有量から、工程1において重金属の固定化に使用されなかったキレート剤の量を算出し、その値を既知のキレート剤の量から差し引くことによって、重金属の固定化に費やされたキレート剤の量を算出し、その値にもとづいて重金属の固定化に使用するキレート剤の適正添加量を決定すること。 - 前記(1)〜(5)の諸工程を自動化したフローに従って実施する請求項1の方法。
- 呈色剤として、4−(2−ピリジルアゾ)レゾルシノールを使用して実施する請求項1の方法。
- 吸光光度分析を行なうための一定波長の光として、λmax512nmの光を使用して実施する請求項1の方法。
- 焼却飛灰中の重金属を固定化するための固定化剤の適正添加量を決定する装置であって、下記の構成部分からなる装置:
A)焼却飛灰のサンプルを秤量し、それに、所定の濃度であって飛灰中の重金属に対して過剰量のキレート剤の水溶液を加えて重金属を固定化して沈殿させ、過剰なキレート剤が溶存する試料溶液を得る手段、試料溶液を保持する抽出液タンク(いずれも図示してない)、およびそこから一定量の試料溶液を供給するシリンジポンプ(1)
B)所定の濃度の呈色剤溶液を保持する呈色剤溶液タンク(図示してない)、およびそこから一定量の呈色剤溶液を供給するシリンジポンプ(2)、
C)所定の濃度のCu2+イオンを含有する溶液を保持する銅イオン溶液タンク(図示してない)、およびそこから一定量の銅イオン溶液を供給するシリンジポンプ(3)、
D)それぞれ一定量ずつ供給された試料溶液と銅イオン溶液とを混合して、溶存するキレート剤とCu2+イオンとを反応させる混合反応手段(4A)、
E)反応により生成した沈殿を除去し、未反応のCu2+イオンを含有する濾液を得る濾過手段(5A)、
F)それぞれ一定量ずつ供給された濾液と呈色剤溶液とを混合して、呈色液を得る混合反応手段(4B)、
G)呈色液を吸光光度分析にかけて、その中に存在する未反応のCu2+イオン濃度を測定するための分析装置(6)、ならびに
H)未反応のCu2+イオン濃度の分析結果にもとづいてキレート剤の過剰量を算出し、その値にもとづいて焼却飛灰中の重金属の固定化に必要なキレート剤の量を求めるための演算手段(7)。 - 混合反応手段(4A)および(4B)が同一の装置であって、液の経路を洗浄するための不活性洗浄液の供給手段を設けた請求項5の装置。
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