JP5378873B2 - キレート剤の必要量決定方法及び飛灰の処理方法 - Google Patents

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本発明は、飛灰等の固体廃棄物中の重金属を不溶化するのに適正なキレート剤の必要添加量を、簡便、迅速、安価かつ正確に決定することができるキレート剤の必要量決定方法及び該キレート剤の必要量決定方法を適用した飛灰の処理方法に関する。
産業廃棄物及び一般廃棄物等の廃棄物を焼却又は加熱酸化処理等を行うと、その反応に伴い炉内及び炉からの排ガス中等に重金属等を含有する灰が発生する。これらの灰(総称して「飛灰」と称することがある)は、廃棄物処理法により特別管理一般廃棄物に指定されており、中間処理を施したのち埋立等により処分することが義務づけられている。
この中間処理の目的は、飛灰の安定化、無害化及び飛散防止であり、例えば(1)溶融固化、(2)セメント固化、(3)薬剤処理、(4)酸その他溶媒への抽出、の4方法が挙げられる。これらの中でも、前記(3)の薬剤処理は、他の3法と比較して、(i)設備が小規模で安価である、(ii)設備の運転及び保守が容易である、といった利点があるので特に好ましい。
前記(3)の薬剤処理で使用される薬剤としては、有機系液体キレート剤などが挙げられる。該有機系液体キレート剤を飛灰と混練し、有害な重金属を液体キレート剤で固定することにより無害化を図れるものである。
処理後の飛灰は、溶出試験を行い、溶出液中の有害重金属(鉛、水銀、カドミウム、6価クロム、砒素、セレンなど)濃度が基準値を下回ることを確認した後に処分される。
このような薬剤処理方法において、飛灰に添加する液体キレート剤の量は、通常、飛灰中の重金属と反応する量よりも過剰に添加されているが、過剰すぎるキレート剤の添加は、大型の焼却工場であれば飛灰が100トン/日も発生するため、多量のキレート剤のロスが生じて不経済となる。一方、キレート剤の量が不足する場合には、重金属溶出の原因になるため、手間のかかる再処理が必要になるという問題がある。したがってキレート剤の適正な添加量を決定することは極めて重要である。
そこで、例えば飛灰中の重金属濃度をICPや原子吸光法、蛍光エックス線等で測定し、金属捕集剤の必要量を決定する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この方法では、重金属濃度を測定する装置が大型でかつ高価であるため、オンサイトで安価に測定することは困難であった。
また、特許文献2には、重金属と反応していない残存キレート剤の吸光度を測定してキレート剤の適正添加量を決定する方法が提案されており、特許文献3には、前記特許文献2の方法を改良した液体キレート剤の適正添加量の決定装置が提案されている。
しかし、前記特許文献2及び3に記載の技術では、波長286nmにおける吸光度を測定しており、該吸光度は高いため試料を高倍率(100倍〜500倍程度)に希釈する必要があり、希釈に基づく測定誤差が生じるおそれがある。また、重金属は、紫外線領域(200nm〜250nm)に吸収ピークを有しており、未反応の重金属による外乱を受けるおそれがある。その結果、安全性を確保するため、求めた適正添加量よりも過剰にキレート剤を添加しているのが現状である。更に、波長286nmでの吸光度の測定では、通常のガラスセルを用いることができず、高価な石英セルを使用しなければならないという欠点がある。
したがって先行技術文献では、飛灰等の固体廃棄物中の重金属を不溶化するのに適正なキレート剤の必要添加量を、未反応の重金属の影響がなく、希釈操作が不要で簡便であり、迅速、安価かつ正確に決定することができるキレート剤の必要量決定方法は、未だ提供されていないのが現状である。
特開平11−70374号公報 特開平10−337550号公報 特開2004−258022号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、飛灰等の固体廃棄物中の重金属を不溶化するのに適正なキレート剤の必要量を、未反応の重金属の影響がなく、希釈操作が不要で簡便であり、迅速、安価かつ正確に決定することができるキレート剤の必要量決定方法及び該キレート剤の必要量決定方法を適用した飛灰の処理方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、重金属を含有する固体廃棄物にキレート剤を過剰量添加し、反応させた後、未反応のキレート剤量を330nm以上の波長の吸光度で測定することにより、未反応の重金属の影響がなく、希釈操作が不要で簡便であり、迅速、安価かつ正確に、飛灰等の固体廃棄物中の重金属を不溶化処理するのに適正なキレート剤の必要添加量を決定できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 重金属を含有する固体廃棄物にキレート剤を過剰量添加し、反応させた後、未反応のキレート剤量を330nm以上の波長の吸光度で測定し、該測定値から固体廃棄物中の重金属の不溶化に必要なキレート剤の添加量を決定することを特徴とするキレート剤の必要量決定方法である。
<2> キレート剤が、ジチオカルバミン酸系キレート剤である前記<1>に記載のキレート剤の必要量決定方法である。
<3> 重金属を含有する固体廃棄物が、飛灰である前記<1>から<2>のいずれかに記載のキレート剤の必要量決定方法である。
<4> 重金属を含有する固体廃棄物を無希釈で測定する前記<1>から<3>のいずれかに記載のキレート剤の必要量決定方法である。
<5> 吸光度の測定を、ガラスセルを用いて行う前記<1>から<4>のいずれかに記載のキレート剤の必要量決定方法である。
<6> 重金属を含有する飛灰に対し、前記<1>から<5>のいずれかに記載のキレート剤の必要量決定方法で求めた必要添加量のキレート剤を添加し、飛灰中の重金属を不溶化処理することを特徴とする飛灰の処理方法である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、飛灰等の固体廃棄物中の重金属を不溶化するのに適正なキレート剤の必要量を、未反応の重金属の影響がなく、希釈操作が不要で簡便であり、迅速、安価かつ正確に決定することができるキレート剤の必要量決定方法及び飛灰の処理方法を提供することができる。
図1は、実施例で用いた灰試料中の重金属の吸収スペクトルを示す図である。 図2は、本発明の方法による吸光度と必要添加率との関係を示すグラフである。 図3は、比較の方法による吸光度と必要添加率との関係を示すグラフである。 図4は、実施例1の必要添加率と自動測定装置の必要添加率との相関性を示すグラフである。
(キレート剤の必要量決定方法)
本発明のキレート剤の必要量決定方法は、重金属を含有する固体廃棄物にキレート剤を過剰量添加し、反応させた後、未反応のキレート剤量を330nm以上の波長の吸光度で測定し、該測定値から固体廃棄物中の重金属の不溶化に必要なキレート剤の添加量を決定するものである。
−重金属を含有する固体廃棄物−
前記固体廃棄物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばゴミ焼却場等で生じる飛灰、焼却灰、煤塵;鉱山から排出される鉱滓、廃水処理の際に生じる活性汚泥、化学工場跡地等の汚染された土壌、などが挙げられる。これらの中でも、飛灰が特に好ましい。
前記重金属としては、例えば鉛、カドミウム、六価クロム、砒素、セレン、水銀、ニッケル、モリブデン、アンチモン、銅、亜鉛、マンガン、などが挙げられる。
−キレート剤−
前記キレート剤としては、ジチオカルバミン酸基又はその塩を官能基として有するジチオカルバミン酸系キレート剤が好適である。
前記ジチオカルバミン酸系キレート剤は、ジチオカルバミン酸基又はその塩を有し、重金属と反応して錯体を形成すると水に不溶となる。前記ジチオカルバミン酸系キレート剤は、215nm、257nm、286nm、350nm付近に極大吸収を持つ吸収スペクトルを持つ。
前記キレート剤としては、市販のものを使用することもできる。該市販のキレート剤としては、例えば、アッシュクリーンC−500、アッシュクリーンC−508、アッシュクリーンC−505(株式会社荏原製作所)、アッシュナイトS−803(栗田工業株式会社)、TX−10、TS−500、TS−600、TS−800、(東ソー株式会社)、アルサイトL-105(不二サッシ株式会社)、コウエイキレート200(ラサ晃栄株式会社)、アッシュエースL−5000(日立造船株式会社)、UML−7200、UML−8100、UML−8100A(ユニチカ株式会社)、ALM−648HG、ハイジオン−VG(日本曹達株式会社)、ミヨシ油脂株式会社製のエポフロックシリーズ(エポフロックL−1、エポフロックL−2等)、ミヨシ油脂株式会社製のエポルバシリーズ(NEWエポルバ800、NEWエポルバ800A、NEWエポルバ810等)、ミヨシ油脂株式会社製のエポアッシュM−1、などが挙げられる。これらの中でも、ミヨシ油脂株式会社製のエポフロックシリーズ(エポフロックL−1、エポフロックL−2等)、ミヨシ油脂株式会社製のエポルバシリーズ(NEWエポルバ800、NEWエポルバ800A、NEWエポルバ810等)、ミヨシ油脂株式会社製のエポアッシュM−1が特に好ましい。
本発明のキレート剤の必要量決定方法は、重金属を含有する固体廃棄物にキレート剤を過剰量添加し、反応させた後、未反応のキレート剤量を330nm以上の波長の吸光度で測定する。
本発明のキレート剤の必要量決定方法における、重金属を含有する固体廃棄物にキレート剤を添加する量は、固体廃棄物中の重金属と反応する量よりも過剰であれば特に制限はなく、適宜選択することができるが、事前に蛍光X線なので簡易分析ができる場合は、理論上必要なキレート量の1.5倍程度を添加することが望ましい。
前記重金属を含有する固体廃棄物にキレート剤を添加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一度に添加してもよく、何回かに分けて添加しても構わない。
前記重金属を含有する固体廃棄物にキレート剤を添加した後、撹拌することにより反応させる。
前記撹拌は、通常の混合撹拌の手段を用いることができ、例えばマグネチックスターラーなどで行うことができる。
次に、撹拌後、静置することにより上澄み液と沈澱に分離するので、沈澱を固液分離する。
前記固液分離の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばろ過、遠心分離、シックナーなどが挙げられる。これらの中でも、ろ過が好ましい。
次に、ろ過後のろ液を330nm以上の波長の吸光度で測定する。吸光度の測定は、通常の紫外可視分光光度計を用いることができ、特殊な装置は必要ない。
前記測定波長は、キレート剤の種類などに応じて異なるが、330nm以上であり、1ABS〜3ABSのピークを有する波長であることが好ましい。前記測定波長が、330nm未満であると、フィルターを通過した重金属の吸収波長と重なるため誤差を生じる可能性がある。
前記重金属を含有する固体廃棄物が無希釈であっても、吸光度が0.5ABS〜1.0ABSの範囲となる測定波長であることが好ましい。
また、330nm以上での吸光度の測定によると、ガラスセルによる吸収ピークが330nmよりも短波長側にあるので、高価な石英セルではなく、通常のガラスセルを用いることができるので、利便性が高い。
本発明においては、空試験(ブランク)で求めた添加したキレート剤の全量に対応する吸光度IAと、サンプル中の未反応の液体キレート剤に対応する吸光度IBとをそれぞれ検量線に当てはめ、対応するキレート添加量A、Bを求め、これらの差から反応した液体キレート剤の量Cを求める。この反応したキレート剤の量Cと固体廃棄物の量との比に基づいて、固体廃棄物全量を処理するのに適正なキレート剤添加量(添加濃度)を決定することができる。
本発明のキレート剤の必要量決定方法は、未反応の重金属の影響がなく、希釈操作が不要で簡便であり、迅速、安価かつ正確に固体廃棄物中の重金属を不溶化処理することができるので、各種固体廃棄物の処理方法などに好適に用いられるが、以下に説明する飛灰の処理方法に用いることが特に好ましい。
(飛灰の処理方法)
本発明の飛灰の処理方法は、重金属を含有する飛灰に対し、本発明の前記キレート剤の必要量決定方法により求めた必要添加量のキレート剤を添加し、飛灰中の重金属を不溶化処理するものである。
まず、焼却炉等においてごみ等を焼却した際に飛散するいわゆる飛灰は、電気集塵機やバグフィルターにて捕集し、飛灰ホッパーに一次貯留される。この飛灰は一般に乾燥した粉体である。この飛灰をサンプリングしてJIS法に則して重金属成分の定性分析又は定量分析を行う。飛灰は、飛灰ホッパーからコンベアーによって混練機に搬送し、本発明の前記キレート剤の必要量決定方法により求めた必要添加量のキレート剤、及び加湿水を添加して混練する。
混練作業の終了後、処理飛灰はコンテナに移す。この処理飛灰のサンプリングは飛灰のコンテナロット毎に行い、得られたサンプリング試料から溶出液を得、簡易分析を行い、溶出液中の金属イオンの有無及び未反応キレート剤の量又は有無の判定を行う。この間、処理飛灰は分析結果の判定待ちの状態にある。判定結果で、搬出基準を達成しなかった処理飛灰については、判定結果に基づく不足分のキレート剤を添加して混練し、無害化処理を行うことになる。搬出基準を達成した処理飛灰については、その後、JIS法に則して分析用サンプル液の調製と機器分析からなる出荷検査を行った後、最終処分場などに移送し、埋立処分される。
なお、前記出荷検査は、経時変化を含めて処理後の飛灰が埋立基準を満たすものであることを対外的に証明するための出荷時の必要な分析作業である。
ここで、前記混練処理後の処理飛灰サンプリング試料によって溶出液を得る手順は、環境省告示13号法試験に則ったものである。即ち、処理飛灰のサンプル50gを取り、pH5.8〜6.3に調整された500mlの脱塩水を加え、常温、常圧において、振幅4〜5cm、200rpmの振とう数で連続6時間振とうする。振とう後は、孔径1μmのグラスファイバーフィルターペーパー(GFP)で吸引ろ過した溶出液を抽出する。
本発明の飛灰処理方法によれば、重金属を含有する飛灰に対し、本発明の前記キレート剤の必要量決定方法により求めた必要添加量のキレート剤を添加することにより、キレート剤使用量を大幅に削減でき、費用及び時間を低減でき、処理作業の効率化を図れる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
灰試料1〜10(日を変えて採取したもの)を用意した。これらの灰試料は、Ag、Al、B、Ba、Bi、Ca、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、In、K、Li、Mg、Mn、Na、Ni、Pb、Si、Ti、及びZnを合計1ppm含有し、図1に示す吸収スペクトルから、波長200nm〜250nm付近に吸収ピークが認められた。
次に、灰試料1〜10をそれぞれ10gに対し、1体積%のキレート剤(NEWエポルバ810、ミヨシ油脂株式会社製、ジチオカルバミン酸系キレート剤)を100mL添加し、マグネチックスターラーで10分間撹拌し、上澄み液をろ紙(ADVANTEC 5C、アドバンテック社製)でろ過した。得られたろ液をガラスセル(光路長10mm)に入れ、下記の測定条件で350nm付近の吸光度を測定した。結果を表1に示す。
次に、空試験(ブランク)で求めた添加したキレート剤の全量に対応する吸光度IAと、サンプル中の未反応のキレート剤に対応する吸光度IBとを、予め求めておいた検量線にそれぞれ当てはめ、対応するキレート添加量A、Bを求め、これらの差から反応したキレート剤の量Cを求めた。この反応したキレート剤の量Cと灰試料の量との比に基づいて、灰試料全量を処理するのに適正なキレート剤添加量(必要添加率)を求めた。吸光度と必要添加率との関係を図2に示す。
<測定条件>
・装置:島津紫外可視分光光度計UV−1240(島津製作所製)
・測定波長範囲:190nm〜1100nm
・測定方式:シングルビーム
・測光レンジ:−0.3ABS〜3.0ABS、透過率:0〜200%
・測光正確さ:±0.005ABS(at 1.0ABS)、±0.003ABS(at 0.5ABS)
・測光値繰り返し精度:0.002ABS(at 1.0ABS)
(比較例1)
実施例1で得られたろ液を純水で500倍希釈した液を石英セル(光路長10mm)に入れ、実施例1と同様にして、281.5nmの吸光度を測定した。結果を表1に示す。また、吸光度と必要添加率との関係を図3に示す。
表1、図2、及び図3の結果から、無希釈で350nm付近の吸光度を測定した実施例1は、500倍希釈で281.5nmの吸光度を測定した比較例1に比べて、希釈誤差や重金属による外乱がないので、相関係数が高くなり、バラツキが少なくなっていることが分かった。
(実施例2)
次に、実施例1と同じ灰試料1〜10を、市販自動測定装置(JFEエンジニアリング株式会社製)を用いて測定し、キレート剤の必要添加率を求めた。結果を表2に示す。また、実施例1で測定したキレート剤の必要添加率との相関関係を調べた。結果を図4に示す。なお、市販自動測定装置は、実施例1と同じキレート剤を用い、40倍希釈、285nmで測定した。
表2及び図4の結果から、実施例1と市販自動測定装置とは相関性が低かった。この原因は、市販自動測定装置の希釈誤差などが影響しているものと考えられる。
本発明のキレート剤の必要量決定方法は、ゴミ焼却場等で生じる飛灰、焼却灰、煤塵;鉱山から排出される鉱滓、廃水処理の際に生じる活性汚泥、化学工場跡地等の汚染された土壌などから重金属が溶出するのを防止するのに必要なキレート剤の量を過不足なく、簡便、迅速、安価かつ正確に決定することできるので、各種固体廃棄物の処理に幅広く用いられる。

Claims (6)

  1. 無希釈の重金属を含有する固体廃棄物にキレート剤を過剰量添加し、反応させた後、未反応のキレート剤量を330nm以上であり、吸光度が1ABS〜3ABSのピークを有する波長の吸光度で測定し、該測定値から固体廃棄物中の重金属の不溶化に必要なキレート剤の添加量を決定することを特徴とするキレート剤の必要量決定方法。
  2. キレート剤が、ジチオカルバミン酸系キレート剤である請求項1に記載のキレート剤の必要量決定方法。
  3. 重金属を含有する固体廃棄物が、飛灰である請求項1から2のいずれかに記載のキレート剤の必要量決定方法。
  4. 無希釈の重金属を含有する固体廃棄物を、330nm以上であり、吸光度が0.5ABS〜1.0ABSの範囲となる波長で測定する請求項1から3のいずれかに記載のキレート剤の必要量決定方法。
  5. 吸光度の測定を、ガラスセルを用いて行う請求項1から4のいずれかに記載のキレート剤の必要量決定方法。
  6. 無希釈の重金属を含有する飛灰に対し、請求項1から5のいずれかに記載のキレート剤の必要量決定方法で求めた必要添加量のキレート剤を添加し、飛灰中の重金属を不溶化処理することを特徴とする飛灰の処理方法。
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