JP5150202B2 - 防蟻組成物、防蟻材料及び防蟻方法 - Google Patents

防蟻組成物、防蟻材料及び防蟻方法 Download PDF

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Description

本発明は、シロアリに対して食害を阻害しないが木材の腐食を防止するトリアゾール系殺菌剤と、シロアリに対して遅効的且つ非忌避的に作用するキチン合成阻害剤と、を含有する防蟻組成物、その防蟻組成物を基材に含浸させた防蟻材料、及び、その防蟻材料による防蟻方法に関する。
従来、住宅をシロアリの被害から防止する方法として、ピレスロイド系やネオニコチノイド系の防蟻剤を住宅の床下に直接に散布する処理法が一般的に用いられている。この処理法によれば、地下性のシロアリであるヤマトシロアリ、イエシロアリ等のシロアリは、床下土壌を通じて基礎や配管に蟻道を作り、土台等の木材を加害するので、土壌表面に防蟻剤を散布して、シロアリが通過できない防蟻剤のバリヤーを形成することは、防蟻対策上非常に有効である。
しかしながら、この処理法においては、床下一面に多量の防蟻剤を散布するので、薬剤散布時に飛散する防蟻剤が作業者の健康に悪影響を与えること、散布した防蟻剤が住宅環境を汚染させてシックハウス問題を起こすこと、散布した防蟻剤が土壌中で分解して効力低下を起こすこと、といった問題があった。
そこで、このような防蟻剤を散布しない技術としてベイト工法が提案された。ベイト工法は、シロアリが進入して入れるような隙間を有する適切なプラスチック製の容器に餌としての木材等のセルロース材料を入れ、これを住宅外周部の地面に約3m間隔で埋設しておく。これを定期的に、例えば、シロアリの活動期である春から秋にかけて3回から5回程度点検し、シロアリがプラスチック内の木材等のセルロース材料に取り付いて食害している場合には、餌としての木材等のセルロース材料を擬餌(ベイト材)に置き換えることによりシロアリを駆除する技術である。
このベイト材は、シロアリに対して遅効的、非忌避的に作用する薬剤、例えば、ヘキサフルムロン等のキチン合成阻害剤をシロアリが好んで食害する木材、紙等のセルロース材料で構成される基材に予め含浸させたものである。ベイト材を食害したシロアリには、このキチン合成阻害剤はすぐには作用しないので、このシロアリが食べたものは他のシロアリにも分け与えられ、そのために、ベイト材に含まれるこの成分が多くの仲間のシロアリに伝染されて、やがて、この成分が作用することによって職蟻が脱皮できなくなり、最終的には、シロアリの巣が駆除されるとされている。このベイト材による工法は、床下に多量の薬剤を散布しないので、人や環境への負荷を減少させる大きなメリットがある。
しかしながら、このベイト材による工法は、シロアリの習性を利用しつつ、薬剤の使用量を大幅に減らすことが出来るという利点があるが、一方では、この方法ではシロアリの活動期である春から秋にかけ3回から5回程度点検を必要としている。その理由として、最初から防蟻成分を含むものを土中に埋設すると、土中の微生物や水分により分解や変質を受け、シロアリが侵入してきた際にせっかくそのベイト材を食害してもシロアリに有効に作用しない。点検は、専門の業者が住宅ごとに時間をかけて行うために人件費が嵩むという問題点があり、点検をなるべく必要としない方法が望まれている。
また、最初からシロアリ発見用の餌木に代えてベイト材を土中に設置できれば点検回数を大幅に減らすことが可能になると考えられるが、シロアリがベイト材を食害するまでの期間は特定できず、一般的には数年必要な場合が多いので、その間に土中の水分や微生物
によってベイト材に含浸された殺蟻性物質が劣化するという問題があった。ベイト材中の有効成分が劣化した後にシロアリが侵攻してきても機能せず、建築物に食害がおよぶ恐れがある。
そこで、シロアリに対し遅効的且つ非忌避的に作用する殺蟻性物質の劣化を防止してシロアリの食害の点検作業の負担をなくした防蟻材料として、シロアリに対し遅効的且つ非忌避的に作用する殺蟻性物質が含浸されたシロアリにとって食物になるセルロース材料で構成される基材と、これを封入する透水性に乏しく且つシロアリが容易に食害できる樹脂容器と、を有する防蟻材料(特許文献1)が提案された。
この防蟻材料によれば、土中の水分や微生物によるベイト材に含浸された殺蟻性物質の劣化は、かなり改善されたが、この防蟻材料の製造コストは高いので、製造コストの面でこの防蟻材料を製造し難いという問題があり、また、ベイト材の基材を構成する木材、紙等のセルロース材料は、数年経ると、腐朽してしまう、という問題があった。
特開2004−137150号公報
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、シロアリに対して遅効的、非忌避的に作用するキチン合成阻害剤の薬効を低下させず、しかも、シロアリに対する食害を阻害させずに、ベイト材の基材を構成する木材、紙等のセルロース材料の腐朽を防止することができる防蟻組成物、その防蟻組成物を基材に含浸させた防蟻材料、及び、その防蟻材料による防蟻方法を低コストで提供することを目的としている。
本発明者らは、シロアリが住宅に侵入する時期を予測できないので、殺蟻成分を含ませたベイト材を新築当初から設置しておき、シロアリによって食害されやすいベイト材の状態が長期間にわたって維持され、さらに、そこに含まれる成分が変質されなければ、防蟻効果が長期間に渡って期待できるのではないかと考えて、シロアリに対して食害を阻害しない防腐成分であって木材の腐朽を防止する防腐成分を鋭意探求し、そして、この防腐成分と併用してもシロアリに対して遅効的、非忌避的に作用するキチン合成阻害剤を鋭意探求して、(A)アザコナゾール、エタコナゾール、プロピコナゾール、ブロモコナゾール、ジフェノコナゾール、イトラコナゾール、ペンコナゾール、テトラコナゾール、ヘキサコナゾール、テブコナゾール、イミベンコナゾール、フルシラゾール、フルオトリマゾール、ジクロブトラゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、トリチコナゾール、マトコナゾール、イプコナゾール、フルコナゾール、及び、シプロコナゾールから選ばれる少なくとも1種の化合物からなるトリアゾール系殺菌剤と、(B)ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、フルフェノクスロン、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、ノバルロン、ノビフルムロン、及び、テフルベンズロン、トリフルムロンから選ばれる少なくとも1種の化合物からなるキチン合成阻害剤と、を含有する防蟻組成物とし、これを木材に圧入等の手段により含浸して試験したところ、シロアリに対して遅効的、非忌避的に作用するキチン合成阻害剤の薬効を低下させず、しかも、シロアリに対する食害を阻害させずに、ベイト材の基材を構成する木材、紙、又は、それら以外のセルロース材料の腐朽を防止することができる防蟻組成物、を低コストで提供することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、
(A)トリアゾール系殺菌剤としてシプロコナゾールと、
(B)キチン合成阻害剤としてクロルフルアズロンと、
を含有していることを特徴とする防蟻組成物である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された防蟻組成物が木材、大鋸屑、木材削り屑、紙、又は、それら以外のセルロース材料で構成される基材に含浸されていることを特徴とする防蟻材料である。
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、前記トリアゾール系殺菌剤が、前記基材1mに対して、0.01Kg以上になるように含浸され、そして、前記キチン合成阻害剤が、前記基材1mに対して、0.01〜10Kgになるように含浸されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項2又は3に記載された防蟻材料をそのまま、予め、建物の外周の土壌中に埋設しておくことを特徴とする防蟻方法である。
請求項5に記載された発明は、請求項2又は3に記載された防蟻材料を容器の中に入れて、予め、建物の外周の土壌中に埋設しておくことを特徴とする防蟻方法である。
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載された発明において、前記容器が、スチレン発泡体又はウレタン発泡体で構成された樹脂容器であるか、シロアリが通過できる程度のスリットを有する容器であるか、或いは、シロアリが食害しやすい物質で構成されている容器であることを特徴とするものである。
請求項1に記載された本発明によれば、(A)アザコナゾール、エタコナゾール、プロピコナゾール、ブロモコナゾール、ジフェノコナゾール、イトラコナゾール、ペンコナゾール、テトラコナゾール、ヘキサコナゾール、テブコナゾール、イミベンコナゾール、フルシラゾール、フルオトリマゾール、ジクロブトラゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、トリチコナゾール、マトコナゾール、イプコナゾール、フルコナゾール、及び、シプロコナゾールから選ばれる少なくとも1種の化合物からなるトリアゾール系殺菌剤と、(B)ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、フルフェノクスロン、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、ノバルロン、ノビフルムロン、及び、テフルベンズロン、トリフルムロンから選ばれる少なくとも1種の化合物からなるキチン合成阻害剤と、を含有している防蟻組成物とするので、シロアリに対して遅効的、非忌避的に作用するキチン合成阻害剤の薬効を低下させず、しかも、シロアリに対する食害を阻害させずに、ベイト材の基材を構成する木材、紙、又は、それら以外のセルロース材料の腐朽を防止することができる防蟻組成物を低コストで提供することができる。
請求項2に記載された本発明によれば、請求項1に記載された防蟻組成物が木材、大鋸屑、木材削り屑、紙、又は、それら以外のセルロース材料で構成される基材に含浸されているので、シロアリに対して遅効的、非忌避的に作用するキチン合成阻害剤の薬効を低下させず、しかも、シロアリに対する食害を阻害させずに、ベイト材の基材を構成する木材
、紙、又は、それら以外のセルロース材料の腐朽を防止することができ、それらのために、防蟻効果を長期間にわたって維持できる防蟻材料を低コストで提供することができる。
請求項3に記載された本発明によれば、前記トリアゾール系殺菌剤が、前記基材1mに対して、0.01Kg以上になるように含浸され、そして、前記キチン合成阻害剤が、前記基材1mに対して、0.01〜10Kgになるように含浸されているので、シロアリの食害を阻害させずに、ベイト材の基材の腐朽を防止することができ、且つ、遅効的、非忌避的にシロアリに作用することができる。
請求項4に記載された本発明によれば、請求項2又は3に記載された防蟻材料をそのまま、予め、建物の外周の土壌中に埋設しておくので、シロアリに対して遅効的、非忌避的に作用するキチン合成阻害剤の薬効を低下させず、しかも、シロアリに対する食害を阻害させずに、ベイト材の基材を構成する木材、紙、又は、それら以外のセルロース材料の腐朽を防止することができ、それらのために、防蟻効果を長期間にわたって維持できる。
請求項5,6に記載された本発明によれば、請求項2又は3に記載された防蟻材料を容器の中に入れて、予め、建物の外周の土壌中に埋設しておくので、シロアリに対して遅効的、非忌避的に作用するキチン合成阻害剤の薬効をいっそう低下させず、しかも、シロアリに対する食害を阻害させずに、ベイト材の基材を構成する木材、紙、又は、それら以外のセルロース材料の腐朽をいっそう防止することができ、それらのために、防蟻効果をいっそう長期間にわたって維持できる。
本発明の防蟻組成物は、 (A)トリアゾール系殺菌剤としてシプロコナゾールと、
(B)キチン合成阻害剤としてクロルフルアズロンと、を含有している防蟻組成物とすると、シロアリに対して遅効的、非忌避的に作用するキチン合成阻害剤の薬効を低下させず、しかも、シロアリに対する食害を阻害させずに、ベイト材の基材を構成する木材、紙、又は、それら以外のセルロース材料の腐朽を防止することができる防蟻組成物を低コストで提供することができる。
請求項1に記載された防蟻組成物は、木材、大鋸屑、木材削り屑、紙、又は、それら以外のセルロース材料で構成される基材に含浸されて防蟻材料とされる。
この防蟻材料は、土中に埋設されたとしても、土壌中の微生物は、基材を構成する木材を分解できないので、木材の微細組織構造中に含まれる殺蟻成分は、影響を受けなくなる。また、この防蟻材料と併用されるシプロコナゾールとヘキサフルムロン等のキチン合成阻害剤は、シロアリが餌として基材(木材)を食害することに対して阻害することがなく、やがてキチン合成阻害剤がシロアリに対して作用するようになる。この防蟻材料を埋設し、その後にシロアリが侵入してきたとしても、シロアリはその防蟻材料を食害することにより死に、さらにそれを食害したシロアリから食べたものを分け与えられた仲間のシロアリも死に、巣を駆除することができる。その効果により、現在のベイト工法で課題にあがっている煩雑な点検も必要とせず、点検のための人件費を削減することができる。また、木材中のシプロコナゾールや殺蟻成分の量を調整することにより、土中で埋設して効果を持続させる期間をコントロールできる。また、住宅へのシロアリの侵入について、その時期を予測できないので殺蟻成分を含ませたベイト材を新築当初から設置しておき、シロアリにとってそのベイト材が食害しやすい状態が長期間にわたって維持され、さらにそこに含まれる成分が変質しなければ、防蟻効果が長期間に渡って期待できる。
したがって、請求項1に記載された防蟻組成物が木材、大鋸屑、木材削り屑、紙、又は、それら以外のセルロース材料で構成される基材に含浸されて防蟻材料とされると、シロアリに対して遅効的、非忌避的に作用するキチン合成阻害剤の薬効を低下させず、しかも、シロアリに対する食害を阻害させずに、ベイト材の基材を構成する木材、紙、又は、それら以外のセルロース材料の腐朽を防止することができ、それらのために、防蟻効果を長期間にわたって維持できる防蟻材料を低コストで提供することができる。
本発明においては、前記トリアゾール系殺菌剤は、前記基材1mに対して、0.01Kg以上になるように含浸され、そして、前記キチン合成阻害剤は、前記基材1mに対して、0.01〜10Kgになるように含浸されている。前記トリアゾール系殺菌剤が、前記基材1mに対して、0.01Kg未満で含浸されていると、防腐効果が無く、キチン合成阻害材が分解し、殺蟻効果が減少することとなり、そして、前記キチン合成阻害剤が、前記基材1mに対して、0.01Kg未満で含浸されていると、少なすぎて殺蟻効果が無くなり、また、前記キチン合成阻害剤が、前記基材1mに対して、10Kgを越えて含浸されていると、キチン合成阻害剤自体がシロアリの食害を阻害することとなる。したがって、前記トリアゾール系殺菌剤は、前記基材1mに対して、0.01Kg以上になるように含浸され、そして、前記キチン合成阻害剤が、前記基材1mに対して、0.01〜10Kgになるように含浸されていると、シロアリの食害を阻害させずに、ベイト材の基材の腐朽を防止することができ、且つ、遅効的、非忌避的にシロアリに作用することができる。
本発明の防蟻方法によれば、請求項2又は3に記載された防蟻材料をそのまま、予め、建物の外周の土壌中に埋設しておく。このように、請求項2又は3に記載された防蟻材料をそのまま、予め、建物の外周の土壌中に埋設しておくと、シロアリに対して遅効的、非忌避的に作用するキチン合成阻害剤の薬効を低下させず、しかも、シロアリに対する食害を阻害させずに、ベイト材の基材を構成する木材、紙、又は、それら以外のセルロース材料の腐朽を防止することができ、それらのために、防蟻効果を長期間にわたって維持できる。
また、本発明の防蟻方法によれば、請求項2又は3に記載された防蟻材料を容器の中に入れて、予め、建物の外周の土壌中に埋設しておく。前記容器は、スチレン発泡体又はウレタン発泡体で構成された樹脂容器であるか、シロアリが通過できる程度のスリットを有する容器であるか、或いは、シロアリが食害しやすい物質で構成されている容器である。シロアリが食害しやすい物質は、例えば、セルロースで構成される材料、熱可塑性樹脂、
及び、熱硬化性樹脂である。このように、請求項2又は3に記載された防蟻材料を容器の中に入れて、予め、建物の外周の土壌中に埋設しておくと、シロアリに対して遅効的、非忌避的に作用するキチン合成阻害剤の薬効をいっそう低下させず、しかも、シロアリに対する食害を阻害させずに、ベイト材の基材を構成する木材、紙、又は、それら以外のセルロース材料の腐朽をいっそう防止することができ、それらのために、防蟻効果をいっそう長期間にわたって維持できる。
実験例1)
シプロコナゾール及びルフェヌロンの各濃度が0.021%になるように2−プロパノールで希釈したものを注入用薬剤とした。これを2×2×1cmのスギ材に注入量が480Kg/m以上になるように注入して、シプロコナゾール及びルフェヌロンの吸収量が0.1Kg/m以上になった試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で3日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例2)
シプロコナゾール及びルフェノクスロンの各濃度が0.021%になるように2−プロパノールで希釈したものを注入用薬剤とした。これを2×2×1cmのスギ材に注入量が480Kg/m以上になるように注入して、シプロコナゾール及びルフェヌロンの吸収量が0.1Kg/m以上になった試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で3日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例1)
ルフェヌロンの濃度が0.021%になるように2−プロパノールで希釈したものを注入用薬剤とした。これを2×2×1cmのスギ材に注入量が480Kg/m以上になるように注入して、ルフェヌロンの吸収量が0.1Kg/m以上になった試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で3日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例2)
ルフェノクスロンの濃度が0.021%になるように2−プロパノールで希釈したものを注入用薬剤とした。これを2×2×1cmのスギ材に注入量が480Kg/m以上になるように注入して、ルフェヌロンの吸収量が0.1Kg/m以上になった試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で3日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例3)
シプロコナゾールの濃度が0.021%になるように2−プロパノールで希釈したものを注入用薬剤とした。これを2×2×1cmのスギ材に注入量が480Kg/m以上になるように注入して、シプロコナゾールの吸収量が0.1Kg/m以上になった試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で3日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例4)
2−プロパノール(溶剤)のみを2×2×1cmのスギ材に注入量が480Kg/m以上になるように注入して、2−プロパノールの吸収量が0.1Kg/m以上になった試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で3日間乾燥させてベイト材料を得た。
(試験例1)
防腐剤が殺蟻成分の分解を抑制することを確認する試験
実験例1,2で得られたベイト材料をJIS K1571の注入処理用の室内防腐試験方法により木材腐朽菌(オオウズラタケ)1種に作用させた。試験前に60℃48時間乾燥直後の重量(試験前重)を記録した。試験期間は3ヵ月とし、そして、その反復は9個とした。比較例として、ルフェヌロンだけを注入したもの(比較例1)、フルフェノクスロンだけを注入したもの(比較例2)、シプロコナゾールだけを含むもの(比較例3)、並びに、、シプロコナゾール、ルフェヌロン、及び、フルフェノクスロン全てを含まないもの(比較例4)(無処理)もあわせて試験を行った。
試験終了後に前述のベイト材料を容器から取り出し、60℃48時間乾燥させた後、ベイト材料重量(試験後重)を測定した。腐朽菌による質量減少率は、次の式
質量減少率(%)=((試験前重−試験後重)/試験前重)×100
に基づいて算出した。
また、腐朽試験後に質量減少率を測定し終わったベイト材料を、JIS K1571の注入処理用の室内防蟻試験方法に準じ、イエシロアリ職蟻150頭、兵蟻15頭に作用させた。試験期間は21日、反復は6個とした。21日目に各ベイト材料容器毎に死んでいるシロアリの頭数を記録し、死虫率を次の式
死虫率(%)=死んだシロアリの頭数/165×100
に基づいて算出した。
試験結果は、次の表1に示される。
Figure 0005150202
表1からみると、シプロコナゾール+ルフェヌロン又はシプロコナゾール+フルフェノクスロンを含む処理区は、ルフェヌロン又はフルフェノクスロンだけの処理区と比較して、腐朽環境にあった場合でもシロアリの殺蟻効果を十分に有することがわかった。
実験例3)
シプロコナゾール及びルフェヌロンの各濃度が0.021%になるように2−プロパノールで希釈したものを注入用薬剤とした。これをφ6×20cmのスギ材に注入量が480Kg/m以上になるように注入し、シプロコナゾール及びルフェヌロンの吸収量が各々0.1Kg/m以上になった試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後40℃で7日間乾燥させてベイト材料を得た。
(試験例2)
フィールド試験
実験例3で得たベイト材料を腐朽活性の高い野外試験場で1年間設置した。その後、図1に示されているように、シロアリのいることが確認された巣を中心としてベイト材料を円状に埋設し、ベイト材料の更に外側に素材杭を設置した。この素材杭を設置した後、腐
朽を開始してから15ヵ月、17ヵ月、24ヵ月と定期的にベイト材料及び素材杭を観察した。観察結果は、表2に示される。
Figure 0005150202
表2からみると、野外においても、12ヵ月間土中に埋設しても分解を受けず、シロアリ殺蟻効果を十分に有することがわかった。
実験例4)
シプロコナゾール及びルフェヌロンを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、シプロコナゾール含有量:0.01Kg/m及びルフェヌロンの含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例5)
シプロコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、実験例4と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例6)
シプロコナゾール含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、実験例4と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例7)
シプロコナゾール含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例4と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例8)
テブコナゾール及びルフェヌロンを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、テブコナゾール含有量:0.01Kg/m及びルフェヌロンの含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例9)
テブコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、実験例8と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例10)
テブコナゾール含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、実験例8と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例11)
テブコナゾール含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例8と同様にし
て、ベイト材料を得た。
実験例12)
プロピコナゾール及びルフェヌロンを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、プロピコナゾール含有量:0.01Kg/m及びルフェヌロンの含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例13)
プロピコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、実験例12と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例14)
プロピコナゾール含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例12と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例15)
アザコナゾール及びルフェヌロンを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、アザコナゾール含有量:0.01Kg/m及びルフェヌロンの含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例16)
アザコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、実験例15と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例17)
アザコナゾール含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例15と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例5)
2−プロパノールよりなる希釈剤を2×2×1cmのスギ材にに注入して試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例6)
シプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、シプロコナゾール含有量:0.005Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例7)
シプロコナゾール含有量:0.01Kg/mとなるようにした以外は、比較例6と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例8)
シプロコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、比較例6と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例9)
シプロコナゾール含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、比較例6と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例10)
シプロコナゾール含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、比較例6と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例11)
テブコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、テブコナゾール含有量:0.01Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例12)
テブコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、比較例11と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例13)
テブコナゾール含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、比較例11と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例14)
テブコナゾール含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、比較例11と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例15)
プロピコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、プロピコナゾール含有量:0.01Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例16)
プロピコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、比較例15と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例17)
プロピコナゾール含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、比較例15と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例18)
アザコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、アザコナゾール含有量:0.01Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例19)
アザコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、比較例18と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例20)
アザコナゾール含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、比較例18と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例21)
ルフェヌロンを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、ルフェヌロン含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例22)
シプロコナゾール及びルフェヌロンを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、シプロコナゾール含有量:0.005Kg/m及びルフェヌロンの含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(試験例3)
フィールド試験
実験例4〜17及び比較例5〜22で得たベイト材料を腐朽活性の高い野外試験場で1年間設置した。その後、図2に示されているように、室内殺蟻試験を行った。前記室内殺蟻試験には、底部を硬石膏で固めたアクリルカラム(以下、「試験容器」という。)を作成し、この試験容器の石膏面にプラスチック製網を置いた後、その上に前記野外試験に用いたベイト材料及びスギ辺材片(以下、「無処理材料」という。)を1つずつ置き、1試験容器につきシロアリを165頭を投入した。前記ベイト材料と無処理材料とを入れた試験容器を水で湿らせた脱脂綿を敷いた角型プラスチック容器内に数個設置し、30日後のシロアリの死虫率を確認した。前記シロアリの死虫率は、次の表3に示される。
Figure 0005150202
表3からみると、トリアゾール系殺菌剤含有量:0.01Kg/m以上でキチン合成阻害剤の効力が確認された。
実験例18)
ルフェヌロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、ルフェヌロン含有量:0.01Kg/m及びシプロコナゾール含有量:0.01Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例19)
ルフェヌロン含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、実験例18と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例20)
ルフェヌロン含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、実験例18と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例21)
ルフェヌロン含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例18と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例22)
フルフェノクスロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、フルフェノクスロン含有量:0.01Kg/m及びシプロコナゾール含有量:0.01Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例23)
フルフェノクスロン含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、実験例22と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例24)
フルフェノクスロン含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、実験例22と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例25)
フルフェノクスロン含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例22と同様にして、ベイト材料を得た。
実施例1
クロルフルアズロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、クロルフルアズロン含有量:0.1Kg/m及びシプロコナゾール含有量:0.01Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例27)
テフルベンズロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、テフルベンズロン含有量:0.1Kg/m及びシプロコナゾール含有量:0.01Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例28)
ルフェヌロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、ルフェヌロン含有量:0.01Kg/m及びシプロコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例29)
ルフェヌロン含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、実験例28と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例30)
ルフェヌロン含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、実験例28と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例31)
ルフェヌロン含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例28と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例32)
フルフェノクスロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、フルフェノクスロン含有量:0.01Kg/m及びシプロコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例33)
フルフェノクスロン含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、実験例32と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例34)
フルフェノクスロン含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、実験例32と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例35)
フルフェノクスロン含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例32と同様にして、ベイト材料を得た。
実施例2
クロルフルアズロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、クロルフルアズロン含有量:0.1Kg/m及びシプロコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例37)
テフルベンズロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、テフルベンズロン含有量:0.1Kg/m及びシプロコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例38)
ルフェヌロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、ルフェヌロン含有量:0.01Kg/m及びシプロコナゾール含有量:1.0Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例39)
ルフェヌロン含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、実験例38と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例40)
ルフェヌロン含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、実験例38と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例41)
ルフェヌロン含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例38と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例42)
フルフェノクスロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、フルフェノクスロン含有量:0.01Kg/m及びシプロコナゾール含有量:1.0Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例43)
フルフェノクスロン含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、実験例42と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例44)
フルフェノクスロン含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、実験例42と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例45)
フルフェノクスロン含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例42と同様にして、ベイト材料を得た。
実施例3
クロルフルアズロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、クロルフルアズロン含有量:0.1Kg/m及びシプロコナゾール含有量:1.0Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例47)
テフルベンズロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、テフルベンズロン含有量:0.1Kg/m及びシプロコナゾール含有量:1.0Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例48)
ルフェヌロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、ルフェヌロン含有量:0.01Kg/m及びシプロコナゾール含有
量:10Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例49)
ルフェヌロン含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例48と同様にして、ベイト材料を得た。
実験例50)
フルフェノクスロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、フルフェノクスロン含有量:0.01Kg/m及びシプロコナゾール含有量:10Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
実験例51)
フルフェノクスロン含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、実験例50と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例23)
ルフェヌロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、ルフェヌロン含有量:0.001Kg/m及びシプロコナゾール含有量:0.005Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例24)
ルフェヌロン含有量:50Kg/mとなるようにした以外は、比較例23と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例25)
2−プロパノールよりなる希釈剤を2×2×1cmのスギ材にに注入して試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例26)
ルフェヌロンを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、ルフェヌロン含有量:0.001Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例27)
ルフェヌロン含有量:0.01Kg/mとなるようにした以外は、比較例26と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例28)
ルフェヌロン含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、比較例26と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例29)
ルフェヌロン含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、比較例26と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例30)
ルフェヌロン含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、比較例26と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例31)
ルフェヌロン含有量:50Kg/mとなるようにした以外は、比較例26と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例32)
フルフェノクスロンを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、フルフェノクスロン含有量:0.001Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例33)
フルフェノクスロン含有量:0.01Kg/mとなるようにした以外は、比較例32と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例34)
フルフェノクスロン含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、比較例32と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例35)
フルフェノクスロン含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、比較例32と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例36)
フルフェノクスロン含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、比較例32と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例37)
クロルフルアズロンを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、クロルフルアズロン含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例38)
テフルベンズロンを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、テフルベンズロン含有量:0.1Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例39)
シプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、シプロコナゾール含有量:0.005Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例40)
シプロコナゾール含有量:0.01Kg/mとなるようにした以外は、比較例39と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例41)
シプロコナゾール含有量:0.1Kg/mとなるようにした以外は、比較例39と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例42)
シプロコナゾール含有量:1.0Kg/mとなるようにした以外は、比較例39と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例43)
シプロコナゾール含有量:10Kg/mとなるようにした以外は、比較例39と同様にして、ベイト材料を得た。
(比較例44)
ルフェヌロン及びシプロコナゾールを2−プロパノールで希釈した処理液を、2×2×1cmのスギ材に、ルフェヌロン含有量:0.001Kg/m及びシプロコナゾール含有量:10Kg/mとなるように注入して、試験材料を作成した。この試験材料を室内で2日間、その後、40℃で5日間乾燥させてベイト材料を得た。
(比較例45)
ルフェヌロン含有量:50Kg/mとなるようにした以外は、比較例44と同様にして、ベイト材料を得た。
(試験例4)
フィールド試験
実験例18〜51及び比較例23〜45で得たベイト材料を腐朽活性の高い野外試験場で1年間設置した。その後、図2に示されているように、室内殺蟻試験を行った。前記室内殺蟻試験には、底部を硬石膏で固めたアクリルカラム(以下、「試験容器」という。)を作成し、この試験容器の石膏面にプラスチック製網を置いた後、その上に前記野外試験に用いたベイト材料及びスギ辺材片(以下、「無処理材料」という。)を1つずつ置き、1試験容器につきシロアリを165頭投入した。前記ベイト材料と無処理材料とを入れた試験容器を水で湿らせた脱脂綿を敷いた角型プラスチック容器内に数個設置し、30日後のシロアリの死虫率を確認した。前記シロアリの死虫率は、次の表4に示される。
Figure 0005150202
表4からみると、キチン合成阻害剤含有量:0.01Kg/m未満及び50Kg/m以上では、シロアリが死なないことがわかった。
以上、考察すると、トリアゾール系殺菌剤は、0.01Kg/m以上、キチン合成阻害剤(ルフェヌロン、フルフェノクスロン、クロルフルアズロン、テフルベンズロン)は、0.01〜10Kg/mの範囲であれば、基材の腐食を抑制しつつ、シロアリの食害を防げずにシロアリを死に至らしめることができたことがわかる。
図1は、フィールド試験の説明図である。 図2は、室内殺蟻試験の説明図である。

Claims (6)

  1. (A)トリアゾール系殺菌剤としてシプロコナゾールと、
    (B)キチン合成阻害剤としてクロルフルアズロンと、
    を含有していることを特徴とする防蟻組成物。
  2. 請求項1に記載された防蟻組成物が木材、大鋸屑、木材削り屑、紙、又は、それら以外のセルロース材料で構成される基材に含浸されていることを特徴とする防蟻材料。
  3. 前記トリアゾール系殺菌剤が、前記基材1mに対して、0.01Kg以上になるように含浸され、そして、前記キチン合成阻害剤が、前記基材1mに対して、0.01〜10Kgになるように含浸されていることを特徴とする請求項2に記載の防蟻材料。
  4. 請求項2又は3に記載された防蟻材料をそのまま、予め、建物の外周の土壌中に埋設しておくことを特徴とする防蟻方法。
  5. 請求項2又は3に記載された防蟻材料を容器の中に入れて、予め、建物の外周の土壌中に埋設しておくことを特徴とする防蟻方法。
  6. 前記容器が、スチレン発泡体又はウレタン発泡体で構成された樹脂容器であるか、シロアリが通過できる程度のスリットを有する容器であるか、或いは、シロアリが食害しやすい物質で構成されている容器であることを特徴とする請求項5に記載の防蟻方法。
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