JP5197969B2 - シロアリ防除剤 - Google Patents

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Description

本発明は、シロアリ防除剤に関する。
従来、シロアリ防除剤としては、例えば、ホキシム、クロルピリホスなどの有機リン系化合物、プロポキサー、バッサなどのカルバメート系化合物、アレスリン、パーメスリンなどのピレスロイド系化合物などの、殺虫性の強い化学合成薬剤が知られている。
上記の化合物は、そのほとんどが、比較的毒性の低い化合物である。しかし、例えば、有機リン系化合物やカルバメート系化合物のなかには、人畜に対してコリンエステラーゼ活性阻害作用を有するものがあり、また、ピレスロイド系化合物には、魚毒性の高いものが多い。それゆえ、上記の化合物については、人畜や環境に対する安全性が十分であるとは言い難く、自然の生態系を破壊するおそれがある。
一方、天然物由来のシロアリ防除剤も知られている。例えば、キハダ(Phellodendron amurense Rupr., P. molle Nakai)に含まれるオバクノンや、オウレン(Coptis japonica Makino)の根およびキハダの樹皮などに含まれるベルベリンは、シロアリに対する防除効果が認められている。
また、特許文献1には、安全性の高いシロアリ防除剤として、ニームの有機溶媒または含水溶媒による抽出物を有効成分として含有する防除剤が開示されており、さらに、特許文献2には、モリンガ属、マラー属などの植物から抽出または滲出された成分を害虫防除剤として用いることが開示されている。
特開平3−41011号公報 特開平6−329514号公報
しかるに、近年、上記特許文献に記載された成分以外の、植物に由来する成分について、人畜や環境に対する安全性が十分であり、かつ上記特許文献に記載の防除剤と同等またはそれ以上の作用効果を有するシロアリ防除剤を提供することが要望されている。
そこで、本発明の目的は、シロアリの防除性能に優れ、しかも、人畜や環境に対する安全性がより高いシロアリ防除剤を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、新規なシロアリ防除剤について、鋭意検討したところ、植物から採取される成分が微粉末シリカに担持された担持剤がシロアリ防除剤として有用であり、この担持剤を用いることにより、上記の課題を解決できるとの知見を見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) パフィア属(Pfaffia)に属する植物、ヒカゲノカズラ属(Lycopodium)に属する植物、ウィタニア属(Withania)に属する植物、センニチコウ属(Gomphrena)に属する植物、および、イノコズチ属(Achyranthes)に属する植物からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物から採取された成分と、微粉末シリカとを含むことを特徴とする、シロアリ防除剤
(2) 前記植物が、パフィア、ヒカゲノカズラ、インドニンジン、およびキバナセンニチコウからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、前記()に記載のシロアリ防除剤、
) 木材の表面または内部に散布または注入するための木材保存剤であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載のシロアリ防除剤、
土壌の表面または内部に散布または注入するための木材保存剤であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載のシロアリ防除剤、
) 建物の基礎部の立ち上がり部分に処理されることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載のシロアリ防除剤、
を提供するものである。
本発明のシロアリ防除剤は、植物から採取される成分を有効成分としていることから、人畜や環境に対する安全性が高い。
また、本発明のシロアリ防除剤は、シロアリ防除剤が使用されてからシロアリが死亡するまでの間のシロアリの活動を著しく低下させて、食害の発生を抑制することができる。
本発明のシロアリ防除剤は、植物から採取された成分と、微粉末シリカとを含んでいる。
本発明において、植物から採取された成分を得るための植物としては、パフィア属(Pfaffia)に属する植物、ヒカゲノカズラ属(Lcopodium)に属する植物、ウィタニア属(Withania)に属する植物、センニチコウ属(Gomphrena)に属する植物、および、イノコズチ属(Achyranthes)に属する植物に属する植物からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物が挙げられる。
本発明のシロアリ防除剤は、上記した植物から採取された成分に加えて、カワ種に属する植物、ココヤシ属(Cocos)に属する植物、および、アブラヤシ属(Elaeis)から採取された成分を含んでいてもよい。
パフィア属(ヒユ科)に属する植物としては、例えば、パフィア・イレジノイデス(Pfaffia iresinoides、別名:ブラジルニンジン)などが挙げられる。
パフィア属に属する植物から採取された成分としては、例えば、パフィア属に属する植物の根、茎、葉および種子からなる群より選ばれる少なくとも1種の部位より得られるエキスが挙げられ、具体的には、例えば、いわゆるパフィアエキス(パフィア属に属する植物の抽出エキス)などが挙げられる。
上記エキスは、パフィア属に属する植物から、公知、慣用の方法により、抽出し、または滲出させることにより得られる。また、上記エキスは、市販されているものであってもよい。
カワ種(コショウ科コショウ属)に属する植物としては、カワ(Piper methysticum、または野生種Piper wichmannii)などが挙げられる。なお、カワには、カヴァ、カワカワ、カヴァカヴァ、ヤンゴナ、シャカオなどの別名がある。
カワ種に属する植物から採取された成分としては、例えば、カワ種に属する植物の根、茎、葉および種子からなる群より選ばれる少なくとも1種の部位より得られるエキスが挙げられ、具体的には、例えば、カワの抽出エキス(以下、「カワエキス」という)などが挙げられる。
上記エキスは、カワ種に属する植物から、公知、慣用の方法により、抽出し、または滲出させることにより得られる。また、上記エキスは、市販されているものであってもよい。
ヒカゲノカズラ属(ヒカゲノカズラ科)に属する植物としては、例えば、リポコジウム・クラバツム(Lycopodium clavatum、和名:ヒカゲノカズラ)、リポコジウム・セラツム(Lycopodium serratum、和名:トウゲシバ)、リポコジウム・セルヌウム(Lycopodium cernuum、和名:ミズスギ)、リポコジウム・オブスクルム(Lycopodium obscurum、和名:マンネンスギ)、リポコジウム・コンプラナツム(Lycopodium complanatum、和名:アスヒカズラ)、リポコジウム・クリプトメリヌム(Lycopodium cryptomerinum、和名:スギラン)などが挙げられる。なかでも、好ましくは、ヒカゲノカズラが挙げられる。
ヒカゲノカズラ属に属する植物から採取された成分としては、例えば、ヒカゲノカズラ属に属する植物の根、茎、葉および胞子からなる群より選ばれる少なくとも1種の部位や、これらの部位から得られるエキスが挙げられる。具体的には、例えば、ヒカゲノカズラ、トウゲシバ、ミズスギ、マンネンスギ、アスヒカズラ、スギランなどから抽出されるエキスが挙げられ、好ましくは、ヒカゲノカズラの抽出エキス(以下、「ヒカゲノカズラエキス」という。)が挙げられる。また、ヒカゲノカズラ属に属する植物から採取された成分として、石松子(ヒカゲノカズラの胞子)を用いることもできる。
上記エキスは、ヒカゲノカズラ属に属する植物から、公知、慣用の方法により、抽出し、または滲出させることにより得られる。また、上記エキスは、市販されているものであってもよい。
ウィタニア属(ナス科)に属する植物としては、例えば、ウィタニア・ソムニフェラ(Withania somnifera、和名:インドニンジン、別名:アシュワガンダ)、ウィタニア・コアグランス(Withania coagulans)などが挙げられる。なかでも、好ましくは、インドニンジンが挙げられる。
ウィタニア属に属する植物から採取された成分としては、例えば、ウィタニア属に属する植物の根、茎、葉および種子からなる群より選ばれる少なくとも1種の部位より得られるエキスが挙げられる。具体的には、例えば、インドニンジン、ウィタニア・コアグランスなどから抽出されるエキスが挙げられ、好ましくは、インドニンジンの抽出エキス(以下、「インドニンジンエキス」という。)が挙げられる。
上記エキスは、ウィタニア属に属する植物から、公知、慣用の方法により、抽出し、または滲出させることにより得られる。また、上記エキスは、市販されているものであってもよい。
センニチコウ属(ヒユ科)に属する植物としては、例えば、キバナセンニチコウ(ゴムフレナ・ハーゲアナ(Gomphrena haageana))、センニチコウ(ゴムフレナ・グロボサ(Gomphrena globosa))、センニチノゲイトウ(ゴムフレナ・セロシオイデス(Gomphrena celosioides))などが挙げられる。なかでも、好ましくは、キバナセンニチコウが挙げられる。
センニチコウ属に属する植物から採取された成分としては、例えば、センニチコウ属に属する植物の根、茎、葉および種子からなる群より選ばれる少なくとも1種の部位より得られるエキスが挙げられる。具体的には、例えば、キバナセンニチコウ、センニチコウ、センニチノゲイトウなどから抽出されるエキスが挙げられ、好ましくは、キバナセンニチコウの抽出エキス(以下、「キバナセンチニコウエキス」という。)が挙げられる。
上記エキスは、センニチコウ属に属する植物から、公知、慣用の方法により、抽出し、または滲出させることにより得られる。また、キバナセンニチコウエキスは、市販されているものであってもよい。
イノコズチ属(ヒユ科)に属する植物としては、例えば、ヒナタイノコズチ(アキランテス・ファウリエイ(Achyranthes fauriei))、ケイノコズチ(アキランテス・アスペラ(Achyranthes aspera))、ヤナギイノコズチ(アキランテス・ロンギフォリア(Achyranthes longifolia))、中国産のAchyranthes bidentataなどが挙げられる。なかでも、好ましくは、ヒナタイノコズチが挙げられる。
イノコズチ属に属する植物から採取された成分としては、例えば、イノコズチ属に属する植物の根、茎、葉および種子からなる群より選ばれる少なくとも1種の部位より得られるエキスが挙げられる。具体的には、例えば、ヒナタイノコズチ、ケイノコズチ、ヤナギイノコズチ、Achyranthes bidentataなどから抽出されるエキスが挙げられ、好ましくは、ヒナタイノコズチの抽出エキス(以下、「ヒナタイノコズチエキス」という。)が挙げられる。
上記エキスは、イノコズチ属に属する植物から、公知、慣用の方法により、抽出し、または滲出させることにより得られる。また、上記エキスは、市販されているものであってもよい。
ココヤシ属(ヤシ科)に属する植物としては、例えば、ココナッツ(ココス・ヌシフェラ(Cocos nucifera))などが挙げられる。
ココヤシ属に属する植物から採取された成分としては、例えば、ココヤシ属に属する植物の根、茎、葉および実(果肉)からなる群より選ばれる少なくとも1種の部位や、これらの部位から得られるエキス(オイル)が挙げられる。具体的には、例えば、ココナッツの実(果肉)から採取されるココナッツオイルが挙げられる。
上記エキス(オイル)は、ココヤシ属に属する植物の実(果肉)から、公知、慣用の方法により、抽出させることにより得られる。また、上記エキス(オイル)は、市販されているものであってもよい。
アブラヤシ属(ヤシ科)に属する植物としては、例えば、アブラヤシ(Elaeis)などが挙げられる。
アブラヤシ属に属する植物から採取された成分としては、例えば、アブラヤシ属に属する植物の根、茎、葉および実(果肉)からなる群より選ばれる少なくとも1種の部位や、これらの部位から得られるエキス(オイル)が挙げられる。具体的には、例えば、アブラヤシの実(果肉)から採取されるパーム油が挙げられる。
上記エキス(オイル)は、アブラヤシ属に属する植物の実(果肉)から、公知、慣用の方法により、抽出させることにより得られる。また、上記エキス(オイル)は、市販されているものであってもよい。
ココヤシ属やアブラヤシ属に属する植物の実(果肉)から採取されたエキス(オイル)には、ヤシ油脂肪酸が含まれている。このヤシ油脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの炭素数8〜18の飽和脂肪酸、例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸などの炭素数8〜18の不飽和脂肪酸などが挙げられる。なかでも、好ましくは、カプリン酸が挙げられる。
本発明においては、ココヤシ属やアブラヤシ属に属する植物の実(果肉)から得られたエキス(オイル)として、ヤシ油脂肪酸を用いてもよい。また、このヤシ油脂肪酸は、市販されているものであってもよい。
また、ヤシ油脂肪酸は、上記飽和・不飽和脂肪酸の混合物であってもよく、これら飽和・不飽和脂肪酸の混合物を精製、単離、またはオイルを加水分解して得られる単体であってもよい。
本発明において、上記例示の植物から採取された成分としては、好ましくは、パフィアエキス、ヒカゲノカズラエキス、インドニンジンエキス、およびキバナセンニチコウエキスが挙げられる。また、これらのエキスは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記エキスを採取するには、一般的に、まず、上記植物の全体を細断し、または、上記植物の種子(胞子)、葉、茎、花、根などの部分を細断して、乾燥または粉砕する。次いで、有効成分を、適当な溶媒により抽出させ、または圧搾などにより滲出させ、必要に応じ、濃縮、精製などの処理をすればよい。
また、上記の各種エキスを採取するための他の方法としては、例えば、上記植物の一部に傷をつけて、滲出物を採取する方法や、上記植物またはその一部を、必要に応じて熱水処理などを施した後、圧搾して、滲出物を採取する方法が挙げられる。
各種エキスの抽出または滲出処理に用いられる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノールなど)、エーテル類(例えば、エチルエーテル、テトラヒドロフランなど)、ケトン類(例えば、アセトンなど)、その他各種の有機溶媒が挙げられる。これら溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒の使用量は、各種エキスの抽出または滲出操作が妨げられたり、抽出効率や滲出効率が損なわれたりすることのない範囲で設定される。具体的には特に限定されないが、溶媒の使用量は、例えば、上記植物100重量部に対し、50〜10000重量部、好ましくは、70〜5000重量部、より好ましくは、100〜2000重量部である。
また、抽出または滲出処理の温度は、特に限定されないが、例えば、0〜150℃、好ましくは、室温(25℃程度)〜120℃である。抽出または滲出時間は、抽出または滲出処理の温度に合わせて適宜設定すればよい。例えば、抽出または滲出処理の温度が40℃前後であるときは、2〜4日放置して、抽出または滲出させてもよい。抽出または滲出処理を加熱還流下に行うには、3〜20時間、好ましくは、5〜10時間程度である。
具体的に、例えば、上記植物体からエキスを抽出または滲出により採取するには、例えば、上記植物体の全体を細断乾燥し、得られた細断物1重量部に対し、1〜10重量部のエタノールを加え、8〜24時間還流抽出する。抽出後、ろ過し、エバポレーターにより濃縮することにより、上記植物体のエキスを得る。
上記の方法により採取されたエキスは、例えば、液状、例えば、粉末状、粒状などの固体状、例えば、ペーストなどの半固形状などの形態で得られる。
本発明において、微粉末シリカは、シロアリ防除剤の調製に際し、上記の植物から採取された成分の担体として用いられる。
微粉末シリカは、ケイ酸をゲル化させた三次元状のコロイド状シリカである。
微粉末シリカの粒子径は、特に限定されないが、レーザ回折散乱法による測定値で、好ましくは、2.5〜50μm、より好ましくは、5〜20μmである。微粉末シリカの比表面積は、特に限定されないが、BET法による測定値で、好ましくは、100〜1000m2/g、より好ましくは、200〜700m2/gである。また、微粉末シリカの細孔容積は、特に限定されないが、BET法による測定値で、好ましくは、0.2〜10cm3/g、より好ましくは、0.4〜2cm3/gである。
また、微粉末シリカは、市販されているものであってもよい。具体的には、例えば、富士シリシア化学(株)製の商品名「サイリシア」シリーズ、「サイロホービック」シリーズ、(株)東海化学工業所製の商品名「マイクロイド」シリーズなどが挙げられる。
上記シロアリ防除剤は、上記の植物から採取された成分を、微粉末シリカの表面に付着、担持させた担持剤として提供される。
上記の植物から採取された成分を、微粉末シリカの表面に付着、担持させるには、上記の植物から採取された成分と、微粉末シリカとを配合し、公知の攪拌混合機(例えば、ナウターミキサ、リボンブレンダ、スプレードライヤなど)で、適宜、攪拌、混合すればよい。また、上記の植物から採取された成分を溶媒に溶解し、得られた溶液と微粉末シリカとを混合した状態で、上記溶媒を除去することにより、上記の植物から採取された成分を、微粉末シリカの表面に付着、担持させることもできる。
また、上記シロアリ防除剤は、上記の植物から採取された成分と、微粉末シリカと、溶媒と、さらに必要により、例えば、界面活性剤、増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、防かび剤、比重調節剤などの公知の添加剤とを、上記の植物から採取された成分が後述する含有割合となるように配合し、これら配合成分を、攪拌、混合することで、懸濁液として調製されていてもよい。
溶媒としては、上記の植物から採取された成分と微粉末シリカとを分散し得るものであればよく、特に限定されないが、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール類、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール類などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤などの、従来公知の界面活性剤が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、商品名:レオドールTW−O120V、花王(株))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(例えば、商品名:ナロアクティーCL100、三洋化成(株))、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル(例えば、商品名:ニューカルゲンCP80、ニューカルゲンCP120、竹本油脂(株)製)、脂肪族多価アルコールエステル、脂肪族多価アルコールポリオキシエチレン、ショ糖脂肪酸エステル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、主として四級アンモニウム塩が挙げられ、具体的には、例えば、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル(C8〜C18)トリメチルアンモニウムハライド類、例えば、オクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルドデシルジメチルアンモニウムクロライドなどのジアルキル(C8〜C18)ジメチルアンモニウムハライド類などが挙げられる。また、油脂に由来する混合アルキル基を有する混合物、例えば、アルキル(C8〜C18)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル(C8〜C18)ジメチルアンモニウム塩、アルキル(C8〜C18)ジメチルベンジルアンモニウム塩(例えば、商品名:サニゾールC、花王(株))なども挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、金属石鹸類、硫酸アルキルナトリウムなどの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩、2−スルホコハク酸ジアルキルナトリウムなどの2−スルホコハク酸ジアルキル塩、ポリカルボン酸型界面活性剤、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウムなどが挙げられる。
上記例示の界面活性剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の配合割合は、特に限定されないが、例えば、微粉末シリカ100重量部に対して、200重量部以下、好ましくは、50〜150重量部である。
増粘剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、キサンタンガムなどが挙げられる。
増粘剤の配合割合は、特に限定されないが、例えば、微粉末シリカ100重量部に対して、200重量部以下、好ましくは、20〜150重量部である。
凍結防止剤、防腐剤、防かび剤、比重調節剤などは、特に限定されず、それぞれの用途に用いられている公知の添加剤が挙げられる。
懸濁液の調製は、上記配合成分を公知の攪拌混合機に投入し、適宜、攪拌、混合すればよい。
懸濁液として調製されたシロアリ防除剤は、そのままの状態で使用してもよく、乾燥させて使用してもよい。また、懸濁液を、例えば、スプレードライによって粉剤化、粒剤化した上で、使用してもよい。
上記シロアリ防除剤において、上記の植物から採取された成分の含有量は、特に限定されないが、シロアリ防除剤全体の0.1重量%以上、好ましくは、0.1〜100重量%、より好ましくは、0.5〜5重量%である。
また、上記の植物から採取された成分の含有量は、特に限定されないが、微粉末シリカ100重量部に対し、10重量部以上、好ましくは、10〜500重量部、より好ましくは、20〜300重量部である。
上記シロアリ防除剤には、上記有効成分とともに、他のシロアリ防除成分が配合されていてもよい。
他のシロアリ防除成分としては、これに限定されないが、例えば、ネオニコチノイド系化合物、その他各種のシロアリ防除成分が挙げられる。
ネオニコチノイド系化合物としては、具体的には、例えば、(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン(一般名:クロチアニジン)、N−アセチル−N−(2−クロロチアゾール−5−イル)メチル−N’−メチル−N”−ニトログアニジン、N−(2−クロロチアゾール−5−イル)メチル−N−メトキシカルボニル−N’−メチル−N”−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリン−2−イリデンアミン(一般名:イミダクロプリド)、3−(2−クロロ−チアゾール−5−イルメチル)−5−[1,3,5]オキサジアジナン−4−イルインデン−N−ニトロアミン(一般名:チアメトキサム)、(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン(一般名:ジノテフラン)などが挙げられ、なかでも、好ましくは、クロチアニジンが挙げられる。これらネオニコチノイド系化合物は、単独で使用してもよく、また2種類以上併用してもよい。
上記他のシロアリ防除成分は、植物から採取された成分とともに用いることで、本発明のシロアリ防除剤によるシロアリ防除効果を向上させることができる。
上記シロアリ防除剤は、シロアリの駆除およびシロアリによる被害(食害など)の予防などの用途に広く使用できる。
シロアリを防除する部位としては、これに限定されないが、例えば、土壌(地盤面など)、例えば、木材、例えば、建物(建築物;すなわち、家屋、倉庫、門扉、塀およびこれらの付属設備など。)における基礎構造部、上部構造部および地下構造部、例えば、建物の付属設備としての地下埋設物、例えば、シロアリの生息・発生域などが挙げられる。
具体的には、例えば、土壌用の処理剤として、または、一般工業用や土木工業用に用いられる各種木材用の処理剤として好適に使用できる。
上記シロアリ防除剤の使用方法は、特に限定されるものではないが、例えば、公知の散布方法によって、例えば、処理対象である木材、土壌などに散布すればよい。上記シロアリ防除剤は、例えば、水で希釈した上で散布してもよい。
上記シロアリ防除剤は、具体的には、例えば、上記の植物から採取された成分が0.05〜20重量%の割合で含有され、上記の植物から採取された成分と、微粉末シリカと、溶媒とを含む懸濁剤として調製されたシロアリ防除剤の場合、動力噴霧器または手動噴霧器を用いて、木材の表面に対して50〜500g/m2で散布すればよい。
シロアリ防除剤を土壌に散布する場合には、散布状況と製剤形態により異なるが、例えば、上記懸濁液を用いた全面散布の場合は、約0.5〜5L/m2で、帯状散布の場合は、約3〜10L/m2で散布すればよい。
また、シロアリ防除剤を建物の基礎の立ち上がり部分に処理する場合には、処理状況と製剤形態により異なるが、例えば、シロアリ防除剤を0.05〜1.5L/m2で散布、または塗布すればよい。
上記シロアリ防除剤による防除対象は、シロアリ(等翅)目に属する昆虫であること以外は特に限定されないが、具体的には、例えば、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)などのミゾガシラシロアリ科に属するもの、アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリなどのレイビシロアリ科に属するものなどが挙げられる。
なお、シロアリに対する防除(シロアリの駆除およびシロアリによる被害の予防)とは、殺蟻(殺シロアリ)のみならず、忌避、摂食阻害をも含めた意味に用いている。
上記のシロアリ防除剤は、有効成分が、天然物由来の成分であることから、人畜や環境に対する安全性が高く、従来の天然物由来のシロアリ防除剤に比べて、優れたシロアリの防除作用を発揮することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。
シロアリ防除剤の調製
実施例1
パフィアエキスパウダー(松浦薬業(株)製)10重量部と、プロピレングリコール(和光純薬工業(株))50重量部と、サイシリア380(微粉末シリカ、富士シリシア化学(株)製)10重量部と、サニゾールC(4級アンモニウム塩型界面活性剤、花王(株)製)5重量部と、レオドールTW−O120V(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、花王(株)製)6重量部と、PEG−400(ポリオキシエチレングリコ−ル、平均分子量約400、三洋化成工業(株)製)6重量部と、レオジックH250(ポリアクリル酸ナトリウム、日本純薬(株)製)9重量部と、蒸留水4重量部とを配合し、均一に分散させた。こうして、パフィアエキスを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。得られた懸濁液中でのパフィアエキスの含有量は、10重量%であった。
参考
カワ種の全体を細断し、カワ種の細断物1重量部に対し、エタノール5重量部を加えて、約8時間還流した。還流後、ろ過により固形分を除去し、エバポレーターで濃縮して、カワエキスを抽出した。
パフィアエキスパウダーに代えて、上記カワエキス10重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カワエキスを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。得られた懸濁液中でのカワエキスの含有量は、10重量%であった。
実施例
カワ種に代えて、岐阜県内で採取されたヒカゲノカズラを用いたこと以外は、参考例1と同様にして、ヒカゲノカズラエキスを抽出した。
次いで、パフィアエキスパウダーに代えて、上記ヒカゲノカズラエキス10重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ヒカゲノカズラエキスを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。得られた懸濁液中でのヒカゲノカズラエキスの含有量は、10重量%であった。
実施例
カワ種に代えて、インド国内で購入したインドニンジンを用いたこと以外は、参考例1と同様にして、インドニンジンエキスを抽出した。
次いで、パフィアエキスパウダーに代えて、上記インドニンジンエキス10重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、インドニンジンエキスを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。得られた懸濁液中でのインドニンジンエキスの含有量は、10重量%であった。
実施例
カワ種に代えて、大阪府下で購入したキバナセンニチコウを用いたこと以外は、参考例1と同様にして、キバナセンニチコウエキスを抽出した。
次いで、パフィアエキスパウダーに代えて、上記キバナセンニチコウエキス10重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、キバナセンニチコウエキスを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。得られた懸濁液中でのキバナセンニチコウエキスの含有量は、10重量%であった。
実施例
カワ種に代えて、岐阜県内で採取されたヒナタイノコズチを用いたこと以外は、参考例1と同様にして、ヒナタイノコズチエキスを抽出した。
次いで、パフィアエキスパウダーに代えて、上記ヒナタイノコズチエキス10重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ヒナタイノコズチエキスを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。得られた懸濁液中でのヒナタイノコズチエキスの含有量は、10重量%であった。
参考
パフィアエキスパウダーに代えて、ヤシ油脂肪酸に含まれる単体の脂肪酸としてカプリン酸(商品名「ルナック10−98」、花王(株)製)20重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、カプリン酸を担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。得られた懸濁液中でのカプリン酸の含有量は、20重量%であった。
参考
参考で得られたカワエキス3重量部と、ISOFOL(登録商標)14T(2−ブチルオクタノール、2−ブチルデカノール、2−ヘキシルオクタノール、2−ヘキシルデカノールなどの混合物、サソール・ジャパンKK)52重量部と、サイシリア380(微粉末シリカ、富士シリシア化学(株)製)10重量部と、サニゾールC(4級アンモニウム塩型界面活性剤、花王(株)製)5重量部と、レオドールTW−0120V(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、花王(株)製)7重量部と、PEG−400(ポリオキシエチレングリコ−ル、平均分子量約400、三洋化成工業(株)製)7重量部と、レオジックH250(ポリアクリル酸ナトリウム、日本純薬(株)製)10重量部と、蒸留水6重量部とを配合し、均一に分散させた。こうして、カワエキスを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。得られた懸濁液中でのカワエキスの含有量は、3重量%であった。
実施例
パフィアエキスパウダー10重量部に代えて、パフィアエキスパウダー(松浦薬業(株)製)6重量部と、参考で得られたカワエキス6重量部とを使用し、かつ、プロピレングリコールの配合量を48重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、パフィアエキスとカワエキスとを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。
実施例
パフィアエキスパウダー10重量部に代えて、参考で得られたカワエキス6重量部と、実施例で得られたヒナタイノコズチエキス6重量部とを使用し、かつ、プロピレングリコールの配合量を48重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、カワエキスとヒナタイノコズチエキスとを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。
実施例
パフィアエキスパウダー10重量部に代えて、パフィアエキスパウダー(松浦薬業(株)製)8重量部と、実施例で得られたインドニンジンエキス2重量部とを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、パフィアエキスとインドニンジンエキスとを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。
実施例
パフィアエキスパウダー10重量部に代えて、参考で得られたカワエキス8重量部と、実施例で得られたインドニンジンエキス2重量部とを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、カワエキスとインドニンジンエキスとを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。
実施例1
パフィアエキスパウダー10重量部に代えて、パフィアエキスパウダー(松浦薬業(株)製)6重量部と、実施例で得られたヒカゲノカズラエキス6重量部とを使用し、かつ、プロピレングリコールの配合量を48重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、パフィアエキスとヒカゲノカズラエキスとを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。
実施例1
パフィアエキスパウダー10重量部に代えて、参考で得られたカワエキス6重量部と、実施例で得られたヒカゲノカズラエキス6重量部とを使用し、かつ、プロピレングリコールの配合量を48重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、カワエキスとヒカゲノカズラエキスとを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。
実施例1
パフィアエキスパウダー10重量部に代えて、パフィアエキスパウダー(松浦薬業(株)製)5重量部と、カプリン酸(商品名「ルナック10−98」、花王(株)製)10重量部とを使用し、かつ、プロピレングリコールの配合量を45重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、パフィアエキスとカプリン酸とを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。
参考
パフィアエキスパウダー10重量部に代えて、参考で得られたカワエキス5重量部と、カプリン酸(商品名「ルナック10−98」、花王(株)製)10重量部とを使用し、かつ、プロピレングリコールの配合量を45重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、パフィアエキスとカプリン酸とを担持した微粉末シリカの懸濁液を得た。
木材防蟻試験
木材についての防蟻試験は、社団法人日本木材保存協会規格集に記載の「表面処理用木材防蟻剤の室内防蟻効力試験方法および性能基準(JWPS−TW−S.1)」に準じて、以下の手順を採用した。
(i) 予め乾燥させたアカマツの木片(底面の縦および横の長さがそれぞれ1cmで、高さが2cmのもの)の表面に、実施例1で得られたシロアリ防除剤(懸濁液)を処理した。こうして薬剤処理がされた木片を、60℃で48時間乾燥後、木片の重量(W1)を測定した。
(ii) 予め含水率が、シロアリ活動の至適含水率である8%調節されたケイ砂を、プラスチック容器に充填し、ケイ砂の表面に、上記木片を設置した。
(iii) 次いで、ケイ砂上に、イエシロアリの職蟻150頭と、兵蟻15頭とを放虫して、木材防蟻試験を開始した。試験は、標本数nを2とした。
(iv) 放虫後、21日間に亘って、イエシロアリの行動や、死亡頭数を観察した。
(v) 放虫から21日間経過後、上記木片を取り出し、60℃で48時間乾燥後、木片の重量(W2)を測定した。
次いで、上記木片の重量について、木材防蟻試験開始前の値W1(g)と、試験終了後の値W2(g)とから、下記式により、木片の重量減少率を算出した。
重量減少率(%)=(W1−W2)/W1×100
上記式による重量減少率が、3%未満であるときは、木材の食害が少なく、シロアリ防除剤に防蟻効力があったことを示している。
また、実施例1で得られたシロアリ防除剤に代えて、実施例2〜12および参考例1〜4で得られたシロアリ防除剤(懸濁液)を用いたこと以外は、上記と同様にして、木材防蟻試験をした。なお、実施例12、参考例2および4では、得られたシロアリ防除剤を水で3倍に希釈した上で使用し、他の実施例および参考例では、得られたシロアリ防除剤をそのまま使用した。
また、対照として、薬剤処理を施していないアカマツの木片(底面の縦および横の長さがそれぞれ1cmで、高さが2cmのもの)を用い、かつ試験の標本数nを3としたこと以外は、上記と同様にして、木材防蟻試験をした。
なお、上記対照での木片の重量減少率は、薬剤処理を施さずに、60℃で48時間乾燥した木片の重量をW1として、上記式により算出した。
上記木材防蟻試験の結果を表2に示す。
死虫率および重量減少率の評価基準は、下記のとおりである。
・死虫率
I:100%のシロアリが死亡した。
II:66.6%(全体の3分の2)以上、100%未満のシロアリが死亡した。
III:33.3%(全体の3分の1)以上、66.6%(全体の3分の2)未満のシロアリが死亡した。
IV:2%(1頭)以上、33.3%(全体の3分の1)未満のシロアリが死亡した。
V:死虫率が2%未満であった(死亡が確認されたシロアリが0頭であった)。
・重量減少率
A:3%未満
B:3%以上、10%未満
C:10%以上、30%未満
D:30%以上
Figure 0005197969
這い上がり試験
幅3cm、奥行き3cm、高さ10cmのコンクリートブロックの表面に、上記実施例1〜12および参考例1〜4で得られたシロアリ防除剤を、それぞれ処理量が0.5L/mとなるように塗布して、薬剤処理コンクリート片を得た。
次いで、予め含水率がシロアリ活動の至適含水率である8%調節されたケイ砂を、内容量500mLのプラスチック容器内に充填し、上記ケイ砂の表面に、薬液処理コンクリート片を設置した。
次に、上記薬液処理コンクリート片の天面に、幅2cm、奥行き1cm、高さ1cmの木片を設置し、上記ケイ砂の表面に、イエシロアリの職蟻150頭を放虫した。
イエシロアリの放虫後、上記プラスチック容器の開口部をラップで封止し、イエシロアリの挙動を21日間観察した。
21日経過後、上記薬液処理コンクリート片の天面に設置された木片には、食害された痕跡が観察されなかった。
野外試験
鹿児島県下のイエシロアリ生育地内において、参考で得られた製剤(カプリン酸を担持した微粉末シリカの懸濁液)についての野外試験を行った。
試験は、(社)日本木材保存協会の規格「土壌処理用防蟻剤等の防蟻効力試験方法および性能基準(JWPS−TS−S)」の記載に準じて行った。
すなわち、まず、イエシロアリ生息地内に10点をマークし、そのうち、任意の5点を処理土壌区とし、残りの5点を無処理土壌区とした。各々の試験区は、1m以上の間隔をあけて設定した。また、各試験区において、土壌表面の植生や落葉を除外した。
次に、参考で得られた製剤を水で3倍に希釈し、3L/mの割合で、上記処理土壌区にのみ散布した。その後、処理土壌区および無処理土壌区の中央部に、健全なマツ辺材(縦10cm、横10cm、厚さ1cm)を2枚重ねて置いて、放置した。
上記処理土壌および無処理土壌の表面には、上記規格に準じて、塩化ビニール樹脂板からなる箱型容器を設置し、移動しないように杭で固定した。
こうして、試験開始から1年経過ごとに、上記マツ辺材の食害の有無を観察した。
その結果、試験開始から1年経過後には、無処理土壌区のマツ辺材に、食害の痕跡が顕著に観察された。
一方、処理土壌区のマツ辺材については、上記規格に規定された試験期間(2年)の経過後においても、食害の痕跡が観察されなかった。
また、上記土壌の代わりにコンクリート製の板(縦30cm、横30cm、高さ6cm)を土壌上に設置し、参考で得られた製剤を水で2倍に希釈し、底面以外の面に、0.5L/mの割合で散布した。その後、上面中央部に、健全なマツ辺材(縦10cm、横10cm、厚さ1cm)を2枚重ねて置いて、放置した。
上記処理コンクリート板には、塩化ビニール樹脂板からなる箱型容器を被せ、移動しないように杭で固定した。無処理区は上記試験においてコンクリート板に薬剤を処理しないものとした。
その結果、試験開始から1年経過後には、無処理コンクリート上のマツ辺材に、食害の痕跡が顕著に観察された。
一方、処理コンクリート上のマツ辺材については、上記規格に規定された試験期間(2年)の経過後においても、食害の痕跡が観察されなかった。

Claims (5)

  1. パフィア属(Pfaffia)に属する植物、ヒカゲノカズラ属(Lycopodium)に属する植物、ウィタニア属(Withania)に属する植物、センニチコウ属(Gomphrena)に属する植物、および、イノコズチ属(Achyranthes)に属する植物からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物から採取された成分と、微粉末シリカとを含むことを特徴とする、シロアリ防除剤。
  2. 前記植物が、パフィア、ヒカゲノカズラ、インドニンジン、およびキバナセンニチコウからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項に記載のシロアリ防除剤。
  3. 木材の表面または内部に散布または注入するための木材保存剤であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシロアリ防除剤。
  4. 土壌の表面または内部に散布または注入するための木材保存剤であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシロアリ防除剤。
  5. 建物の基礎部の立ち上がり部分に処理されることを特徴とする、請求項1または2に記載のシロアリ防除剤。
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