JP5154089B2 - シロアリ防除剤 - Google Patents
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Description
上記の化合物は、そのほとんどが、比較的毒性の低い化合物である。しかし、例えば、有機リン系化合物やカルバメート系化合物のなかには、人畜に対してコリンエステラーゼ活性阻害作用を有するものがあり、また、ピレスロイド系化合物には、魚毒性の高いものが多い。それゆえ、上記の化合物については、人畜や環境に対する安全性が十分であるとは言い難く、自然の生態系を破壊するおそれがある。
また、特許文献1には、安全性の高いシロアリ防除剤として、ニームの有機溶媒または含水溶媒による抽出物を有効成分として含有する防除剤が開示されており、さらに、特許文献2には、モリンガ属、マラー属などの植物から抽出または滲出された成分を害虫防除剤として用いることが開示されている。
そこで、本発明の目的は、シロアリの防除性能に優れ、しかも、人畜や環境に対する安全性がより高いシロアリ防除剤を提供することである。
すなわち、本発明は、
(1) ヒカゲノカズラ属(Lycopodium)に属する植物、および/またはウィタニア属(Withania)に属する植物から採取された成分を有効成分とすることを特徴とする、シロアリ防除剤、
(2) 前記ヒカゲノカズラ属に属する植物が、ヒカゲノカズラ(Lycopodium clavatum)であることを特徴とする、前記(1)に記載のシロアリ防除剤、
(3) 前記ヒカゲノカズラ属に属する植物から採取された成分が、前記ヒカゲノカズラ属に属する植物の根、茎、葉および胞子からなる群より選ばれる少なくとも1種の部位、または前記部位の抽出物であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載のシロアリ防除剤、
(4) 前記ヒカゲノカズラ属に属する植物から採取された成分が、リポコジウムアルカロイドであることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のシロアリ防除剤、
(5) 前記リポコジウムアルカロイドが、ヒューペリジンA(Huperizine A)であることを特徴とする、前記(4)に記載のシロアリ防除剤、
(6) 前記ウィタニア属に属する植物が、ウィタニア・ソムニフェラ(Withania somnifera)であることを特徴とする、前記(1)に記載のシロアリ防除剤、
(7) 前記ウィタニア属に属する植物から採取された成分が、ウィタフェリンA(Withaferin−A)であることを特徴とする、前記(1)または(6)に記載のシロアリ防除剤、
(8) さらに、パフィア属(Pfaffia)に属する植物から採取された成分、センニチコウ属(Gomphrena)に属する植物から採取された成分、イノコズチ属(Achyranthes)に属する植物から採取された成分、カワ種に属する植物から採取された成分、カプリン酸、ヒバ中性油、およびネオニコチノイド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のシロアリ防除成分を含有することを特徴とする、前記(1)〜(7)のいずれかに記載のシロアリ防除剤、
を提供するものである。
また、本発明のシロアリ防除剤は、シロアリ防除剤が使用されてからシロアリが死亡するまでの間のシロアリの活動を著しく低下させて、食害の発生を抑制することができる。
ヒカゲノカズラ属(リポコジウム;Lycopodium)は、ヒカゲノカズラ科に属する植物であって、ヒカゲノカズラ属に属する植物としては、例えば、リポコジウム・クラバツム(Lycopodium clavatum、和名:ヒカゲノカズラ)、リポコジウム・セラツム(Lycopodium serratum、和名:トウゲシバ)、リポコジウム・セルヌウム(Lycopodium cernuum、和名:ミズスギ)、リポコジウム・オブスクルム(Lycopodium obscurum、和名:マンネンスギ)、リポコジウム・コンプラナツム(Lycopodium complanatum、和名:アスヒカズラ)、リポコジウム・クリプトメリヌム(Lycopodium cryptomerinum、和名:スギラン)などが挙げられる。なかでも、好ましくは、ヒカゲノカズラが挙げられる。
具体的には、例えば、ヒカゲノカズラ属に属する植物から得られる抽出物として、ヒカゲノカズラ抽出エキスが挙げられる。このヒカゲノカズラ抽出エキスには、例えば、リポコジウムアルカロイドが含まれている。また、リポコジウムアルカロイドとしては、これに限定されないが、例えば、ヒューペリジンA(Huperizine A)が挙げられる。
リポコジウムアルカロイドや、これに含まれるヒューペリジンAは、ヒカゲノカズラ属に属する植物から、公知、慣用の方法により、抽出し、または滲出させることにより得られる。
ヒューペリジンAなどのリポコジウムアルカロイドは、例えば、エキスとして市販されているものであってもよい。
ウィタニア属(Withania)は、ナス科に属する植物であって、ウィタニア属に属する植物としては、例えば、ウィタニア・ソムニフェラ(Withania somnifera、和名:インドニンジン、別名:アシュワガンダ)、ウィタニア・コアグランス(Withania coagulans)などが挙げられる。なかでも、好ましくは、インドニンジンが挙げられる。
また、ウィタニア属に属する植物から採取された成分としては、これに限定されないが、例えば、ウィタフェリンA(Withaferin-A)が挙げられる。
すなわち、ウィタフェリンAを抽出または滲出により採取するには、一般的に、まず、ウィタニア属に属する植物の全体を細断し、または、ウィタニア属に属する植物の種子、葉、茎、花、根などの部分を細断して、乾燥または粉砕する。次いで、有効成分を、適当な溶媒により抽出させ、または圧搾などにより滲出させ、必要に応じ、濃縮、精製などの処理をすればよい。
ウィタフェリンAは、例えば、エキスとして市販されているものであってもよい。
具体的に、例えば、ウィタニア属に属する植物からウィタフェリンAを抽出または滲出により採取するには、例えば、ウィタニア属に属する植物体の全体を細断乾燥し、上記植物体1重量部に対して5重量部のエタノールを加え約8時間還流抽出する。抽出後、ろ過し、エバポレータにより濃縮することにより、ウィタフェリンAを含有したエキスを得る。
上記シロアリ防除剤は、ヒカゲノカズラ属(Lycopodium)に属する植物から採取された成分や、ウィタニア属(Withania)に属する植物から採取された成分を、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
製剤形態としては、例えば、溶液剤、水和剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、油剤、ローションなどの液剤、例えば、粉末状または粒状の担体の表面に付着、担持させた粉剤、粒剤などの固形剤、例えば、マイクロカプセル剤、例えば、ペースト剤、クリームなどの半固形剤、例えば、噴霧剤、エアゾール剤などが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、商品名:レオドールTW−O120V、花王(株))、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(例えば、商品名:ナロアクティーCL100、三洋化成(株))、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル(例えば、商品名:ニューカルゲンCP80、ニューカルゲンCP120、竹本油脂(株)製)、脂肪族多価アルコールエステル、脂肪族多価アルコールポリオキシエチレン、ショ糖脂肪酸エステル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体などが挙げられる。
界面活性剤の配合割合は、特に限定されないが、例えば、上記有効成分100重量部に対して、500重量部以下、好ましくは、50〜200重量部である。
増粘剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、キサンタンガムなどが挙げられる。
凍結防止剤、防腐剤、防かび剤、比重調節剤などは、特に限定されず、それぞれの用途に用いられている公知の添加剤が挙げられる。
上記シロアリ防除剤を固形剤(粉剤、粒剤など)として調製するには、例えば、上記有効成分を、後述する含有割合となるように、粉状または粒状の担体と攪拌混合する。または、上記有効成分を、後述する含有割合となるように、溶媒中に配合し、さらに必要により、増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、比重調節剤などの公知の添加剤を適宜配合して、懸濁液を調製後、得られた懸濁液を乾燥する。また、上記懸濁液をスプレードライによって粉剤化、粒剤化してもよい。
上記シロアリ防除剤を噴霧剤として調製するには、上記有効成分を、後述する含有割合となるように、溶媒中に配合し、さらに必要により、増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、比重調節剤などの公知の添加剤を適宜配合して、噴霧器、スプレー容器などの容器に収容すればよい。
固形剤、マイクロカプセル剤、エアゾール剤などの調製に用いられる溶媒としては、例えば、水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、その他各種の溶媒が挙げられる。これら溶媒の具体例は、上記したのと同様の溶媒が挙げられる。
また、上記シロアリ防除剤を担持剤として調製するには、上記有効成分と、粉末または粒状の担体と、さらに必要により、増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、比重調節剤などの公知の添加剤とを、上記有効成分が後述する含有割合となるように配合し、これら配合成分を、攪拌、混合すればよい。
上記シロアリ防除剤には、上記有効成分とともに、他のシロアリ防除成分が配合されていてもよい。
パフィア属に属する植物から採取された成分としては、例えば、パフィア属に属する植物の根、茎、葉および種子からなる群より選ばれる少なくとも1種の部位より得られるエキスが挙げられ、具体的には、例えば、いわゆるパフィアエキス(パフィア属に属する植物の抽出エキス)などが挙げられる。
センニチコウ属(ヒユ科)に属する植物としては、例えば、キバナセンニチコウ(ゴムフレナ・ハーゲアナ(Gomphrena haageana))、センニチコウ(ゴムフレナ・グロボサ(Gomphrenaglobosa))、センニチノゲイトウ(ゴムフレナ・セロシオイデス(Gomphrenacelosioides))などが挙げられる。なかでも、好ましくは、キバナセンニチコウが挙げられる。
イノコズチ属(ヒユ科)に属する植物としては、例えば、ヒナタイノコズチ(アキランテス・ファウリエイ(Achyranthes fauriei))、ケイノコズチ(アキランテス・アスペラ(Achyranthes aspera))、ヤナギイノコズチ(アキランテス・ロンギフォリア(Achyranthes longifolia))、中国産のAchyranthes bidentataなどが挙げられる。なかでも、好ましくは、ヒナタイノコズチが挙げられる。
カワ種(コショウ科コショウ属)に属する植物としては、カワ(Piper methysticum、または野生種Piper wichmannii)などが挙げられる。なお、カワには、カヴァ、カワカワ、カヴァカヴァ、ヤンゴナ、シャカオなどの別名がある。
上記エキスは、カワ種に属する植物から、公知、慣用の方法により、抽出し、または滲出させることにより得られる。また、上記エキスは、市販されているものであってもよい。
ヒバ中性油は、ヒノキ科の樹木であるヒバから得られる精油のうち、酸性油を除去したものである。
ネオニコチノイド系化合物としては、具体的には、例えば、(E)−1−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン(一般名:クロチアニジン)、N−アセチル−N−(2−クロロチアゾール−5−イル)メチル−N’−メチル−N”−ニトログアニジン、N−(2−クロロチアゾール−5−イル)メチル−N−メトキシカルボニル−N’−メチル−N”−ニトログアニジン、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリン−2−イリデンアミン(一般名:イミダクロプリド)、3−(2−クロロ−チアゾール−5−イルメチル)−5−[1,3,5]オキサジアジナン−4−イルインデン−N−ニトロアミン(一般名:チアメトキサム)、(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン(一般名:ジノテフラン)などが挙げられ、なかでも、好ましくは、クロチアニジンが挙げられる。これらネオニコチノイド系化合物は、単独で使用してもよく、また2種類以上併用してもよい。
上記他のシロアリ防除成分と混合して用いる際の、上記有効成分の剤型については、特に限定されないが、例えば、上記他のシロアリ防除成分と容易に混合し得る剤型であることが好ましい。これに限定されないが、例えば、上記有効成分が、ヒカゲノカズラの胞子である石松子である場合は、上記他のシロアリ防除成分と混合して使用することが好適である。
上記シロアリ防除剤は、シロアリの駆除およびシロアリによる被害(食害など)の予防などの用途に広く使用できる。
具体的には、例えば、土壌用の処理剤として、または、一般工業用や土木工業用に用いられる各種木材用の処理剤として好適に使用できる。
より具体的には、例えば、上記有効成分が0.05〜20重量%の割合で含有され、液剤として調製されたシロアリ防除剤の場合、動力噴霧器または手動噴霧器を用いて、木材の表面に対して50〜500g/m2で散布すればよい。
シロアリ防除剤を土壌に散布する場合には、散布状況と製剤形態により異なるが、全面散布の場合は、約0.5〜5L/m2で、帯状散布の場合は、約3〜10L/m2で散布すれば良い。
上記のシロアリ防除剤は、有効成分が、天然物由来の成分であることから、人畜や環境に対する安全性が高い。しかも、上記有効成分は、従来の天然物由来のシロアリ防除剤に比べて、優れたシロアリの防除作用を発揮することができる。
シロアリ防除剤の調製
実施例1
岐阜県内で採取されたヒカゲノカズラの全体を細断後乾燥し、細断物1重量部に対し、エタノール5重量部を加え、約8時間還流した。還流後、ろ過により固形分を除去し、エバポレータで濃縮して、ヒカゲノカズラエキスを抽出した。
実施例2
実施例1で得られたヒカゲノカズラエキスを、酢酸エチルと3%酒石酸水溶液とで分液した後、炭酸ナトリウムで水層のpHを9〜10程度に調節し、この水層を取り出して、クロロホルムと分液した。次いで、クロロホルム層をエバポレータで濃縮して、リポコジウムアルカロイドを得た。
実施例3
ヒューペリジンA(SIGMA社製の試薬)をアセトンで希釈し、その濃度を10mg/mL(1w/v%)となるように調整して、液剤のシロアリ防除剤(3)を得た。
インド国内で購入したインドニンジンの全体を細断後乾燥し、細断物1重量部に対し、エタノール5重量部を加え、約8時間還流した。還流後、ろ過により固形分を除去し、エバポレータで濃縮して、インドニンジンエキスを抽出した。
次に、得られたインドニンジンエキスをアセトンで希釈し、その濃度を10mg/mL(1w/v%)となるように調整して、液剤のシロアリ防除剤(4)を得た。
ウィタフェリンA(CALBIOCHEM社製の試薬)をアセトンで希釈し、その濃度を10mg/mL(1w/v%)となるように調整して、液剤のシロアリ防除剤(5)を得た。
実施例6
実施例1で得られたヒカゲノカズラエキス10重量部と、アジピン酸ジイソノニル60重量部と、プロピレングリコール30重量部とを配合し、均一に混合して、油剤のシロアリ防除剤(6)を得た。
実施例4で得られたインドニンジンエキス10重量部と、アジピン酸ジイソノニル60重量部と、プロピレングリコール30重量部とを配合し、均一に混合して、油剤のシロアリ防除剤(7)を得た。
実施例8
実施例1で得られたヒカゲノカズラエキス10重量部と、アジピン酸ジイソノニル25重量部と、ナロアクティーCL100(高級アルコール系非イオン界面活性剤、三洋化成(株)の商品名)10.5重量部と、ジエチレングリコールモノメチルエーテル27重量部と、菜種白紋油((株)J−オイルミルズ製)7.5重量部とを配合し、均一に混合して、乳剤のシロアリ防除剤(8)を得た。
実施例4で得られたインドニンジンエキス10重量部と、アジピン酸ジイソノニル25重量部と、ナロアクティーCL100(高級アルコール系非イオン界面活性剤、三洋化成(株)の商品名)10.5重量部と、ジエチレングリコールモノメチルエーテル27重量部と、菜種白紋油((株)J−オイルミルズ製)7.5重量部とを配合し、均一に混合して、乳剤のシロアリ防除剤(9)を得た。
実施例1のシロアリ防除剤(1)を、直径約12mmのろ紙(2種、JIS P 3801−1995)に対して40μL滴下し、60℃で24時間乾燥後、ろ紙の重量(WB)を測定した。
次に、含水率12%のケイ砂5号が50g充填されたガラス瓶に、イエシロアリ50頭と、上記シロアリ防除剤(1)が染み込んだろ紙とを投入して、シロアリ防除試験を開始した。その際、イエシロアリが外部に抜け出さないように、ガラス瓶の開口部を蓋(通気孔を有するもの)で閉じた。
また、試験終了後に、ガラス瓶内に投入したろ紙を取り出し、60℃で24時間乾燥後、シロアリ防除試験終了後のろ紙の重量WA(g)を測定した。この測定値と、試験開始前のろ紙の重量WB(g)とから、下記式により、ろ紙の食害率を測定した。
また、シロアリ防除剤(1)に代えて、実施例2〜9の各シロアリ防除剤についても、上記と同様にして、シロアリ防除試験をした。
また、対照として、シロアリ防除剤が染み込んだろ紙に代えて、シロアリ防除剤を染み込ませていないろ紙(直径12mm、2種、JIS P 3801−1995)を用いたこと以外は、上記と同様にして、シロアリ防除試験をした。
・死虫率
I:100%のシロアリが死亡した。
II:66.6%(全体の3分の2)以上、100%未満のシロアリが死亡した。
III:33.3%(全体の3分の1)以上、66.6%(全体の3分の2)未満のシロアリが死亡した。
IV:2%(1頭)以上、33.3%(全体の3分の1)未満のシロアリが死亡した。
V:死虫率が2%未満であった(死亡が確認されたシロアリが0頭であった)。
A:シロアリに食害されたろ紙の面積は、20%未満であった。
B:シロアリに食害されたろ紙の面積は、20%以上、40%未満であった。
C:シロアリに食害されたろ紙の面積は、40%以上、60%未満であった。
D:シロアリに食害されたろ紙の面積は、60%以上、80%未満であった。
E:シロアリに食害されたろ紙の面積は、80%以上、100%未満であった。
F:シロアリに食害されたろ紙の面積は、100%であった。
実施例10
岐阜県内で採取されたヒカゲノカズラの全体を細断し、粉剤のシロアリ防除剤(10)を得た。
次いで、含水率12%のケイ砂5号が50g充填されたガラス瓶に、イエシロアリ50頭と、上記シロアリ防除剤(10)0.1gとを投入して、シロアリ防除試験を開始した。その際、イエシロアリが外部に抜け出さないように、ガラス瓶の開口部を蓋(通気孔を有するもの)で閉じた。
上記シロアリ防除試験の結果を表2に示す。なお、死虫率の評価基準は、上記と同じである。
実施例11
粉剤のシロアリ防除剤(11)として、石松子((株)栃本天海堂製)を使用した。
実施例12
石松子((株)栃本天海堂製)75重量部と、パフィアエキスパウダー(松浦薬業(株)製)25重量部とを配合し、攪拌、混合して、粉剤のシロアリ防除剤(12)を得た。
石松子((株)栃本天海堂製)75重量部と、キバナセンニチコウエキス25重量部とを配合し、攪拌、混合して、粉剤のシロアリ防除剤(13)を得た。
キバナセンニチコウエキスは、兵庫県内の園芸店で購入したキバナセンニチコウの全体を細断し、乾燥後、細断物1重量部に対し、エタノール5重量部を加えて、約8時間還流し、次いで、ろ過により固形分を除去し、エバポレータで濃縮することにより抽出した。
石松子((株)栃本天海堂製)75重量部と、ヒナタイノコヅチエキス25重量部とを配合し、攪拌、混合して、粉剤のシロアリ防除剤(14)を得た。
ヒナタイノコヅチエキスは、岐阜県内で採取されたヒナタイノコヅチの全体を細断し、乾燥後、細断物1重量部に対し、エタノール5重量部を加えて、約8時間還流し、次いで、ろ過により固形分を除去し、エバポレータで濃縮することにより抽出した。
石松子((株)栃本天海堂製)75重量部と、実施例1で得られたヒカゲノカズラエキス25重量部とを配合し、攪拌、混合して、粉剤のシロアリ防除剤(15)を得た。
実施例16
石松子((株)栃本天海堂製)75重量部と、実施例4で得られたインドニンジンエキス25重量部とを配合し、攪拌、混合して、粉剤のシロアリ防除剤(16)を得た。
石松子((株)栃本天海堂製)75重量部と、カワエキス25重量部とを配合し、攪拌、混合して、粉剤のシロアリ防除剤(17)を得た。
カワエキスは、フィジーで購入したコショウ属のカバ(別名:カワ)の全体を細断し、乾燥後、細断物1重量部に対し、エタノール5重量部を加えて、約8時間還流し、次いで、ろ過により固形分を除去し、エバポレータで濃縮することにより抽出した。
石松子((株)栃本天海堂製)75重量部と、カプリン酸(商品名「ルナック10−98」、花王(株)製))25重量部とを配合し、攪拌、混合して、粉剤のシロアリ防除剤(18)を得た。
実施例19
石松子((株)栃本天海堂製)90重量部と、ヒバ中性油(大阪有機化学工業(株)製)10重量部とを配合し、攪拌、混合して、粉剤のシロアリ防除剤(19)を得た。
石松子((株)栃本天海堂製)99.9重量部と、クロチアニジン((E)−1−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン)0.1重量部とを配合し、攪拌、混合して、粉剤のシロアリ防除剤(20)を得た。
シロアリ防除試験
実施例11で得られたシロアリ防除剤(粉剤)を用いて、下記の防除試験を行い、シロアリに対する防除効力を確認した。
こうして、プラスチック容器10内でのイエシロアリ17の状態を、2週間観察し、死亡したシロアリ割合(死虫率)を計測した。
上記シロアリ防除試験の結果を表3に示す。なお、死虫率の評価基準は、上記と同じである。
Claims (8)
- ヒカゲノカズラ属(Lycopodium)に属する植物、および/またはウィタニア属(Withania)に属する植物から採取された成分を有効成分とすることを特徴とする、シロアリ防除剤。
- 前記ヒカゲノカズラ属に属する植物が、ヒカゲノカズラ(Lycopodium clavatum)であることを特徴とする、請求項1に記載のシロアリ防除剤。
- 前記ヒカゲノカズラ属に属する植物から採取された成分が、前記ヒカゲノカズラ属に属する植物の根、茎、葉および胞子からなる群より選ばれる少なくとも1種の部位、または前記部位の抽出物であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシロアリ防除剤。
- 前記ヒカゲノカズラ属に属する植物から採取された成分が、リポコジウムアルカロイドであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のシロアリ防除剤。
- 前記リポコジウムアルカロイドが、ヒューペリジンA(Huperizine A)であることを特徴とする、請求項4に記載のシロアリ防除剤。
- 前記ウィタニア属に属する植物が、ウィタニア・ソムニフェラ(Withania somnifera)であることを特徴とする、請求項1に記載のシロアリ防除剤。
- 前記ウィタニア属に属する植物から採取された成分が、ウィタフェリンA(Withaferin−A)であることを特徴とする、請求項1または6に記載のシロアリ防除剤。
- さらに、パフィア属(Pfaffia)に属する植物から採取された成分、センニチコウ属(Gomphrena)に属する植物から採取された成分、イノコズチ属(Achyranthes)に属する植物から採取された成分、カワ種に属する植物から採取された成分、カプリン酸、ヒバ中性油、およびネオニコチノイド系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のシロアリ防除成分を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のシロアリ防除剤。
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