JP5150044B2 - 木質系複合材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、木質系複合材料の製造方法に関する。
住宅土台などに用いる木質材料は、長期の耐久性が必要であり、かつては耐久性の高い樹種(ヒノキやヒバ)の新木材を多く用いてきた。しかし、これらの材料は供給量が少なくまた非常に高価であるため、現在では限られた建築に用いられるのみである。一般的な住宅土台は、木材保存剤を含浸した保存処理木材である。
一方、住宅などには、合板、集成材、LVL(単板積層材)、OSB(オリエンティッド・ストランド・ボード)、パーティクルボード、繊維板など、木質片、木質チップ、単板などの木質エレメントを接着一体化することによって得られる木質系複合材料が多く利用されている(例えば、特許文献1参照)。因みに、これらの木質系複合材料のうち、合板、OSB、パーティクルボード、繊維板は面材料であり、軸材料としては強度不足である。集成材、構造用LVLは軸材料であり、住宅の柱、梁などに用いられている。
また、木材資源の有効利用の観点から、木質系廃棄物、詳しくは未利用間伐材、工場や建築現場で発生する端材、使い終わった廃パレット、建築物解体時に発生する建設廃材やこれらのリサイクル材等の木質原材料を切削や破砕することによって得られた長さ20mm〜150mmの範囲にある木質片を70重量%以上含む木質片群が、各木質片を木質片の長さ方向をほぼ1方向に向けて隣接する他の木質片と接着一体化されている木質系複合材料も提案され、既に使用されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2の技術で得られる木質系複合材料は、防腐又は防虫等の性能不足から住宅土台として必要な長期耐久性が期待できないなど、用途に応じた機能が不十分であるという問題がある。
特公平4−10841号公報 特許第3520077号公報
本発明の目的は、耐火性、強度、防腐性、防虫性などの各種機能の長期安定性に優れた木質系複合材料の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の木質系複合材料の製造方法(以下、「請求項1の木質系複合材料の製造方法」と記す)は、長さ20mm〜150mmの範囲にある木質片を70重量%以上含み、各木質片に有機第4級アンモニウム化合物が含浸されるとともに、各木質片の表面に接着剤を付着させた木質片群を、各木質片の長さ方向がほぼ1方向に向いた状態に積層して積層マットを得る積層マット形成工程と、積層マット形成工程で得られた積層マットを150℃〜200℃の水蒸気を用いて加熱しながら圧縮して各木質片を隣接する木質片と圧縮状態で接着剤によって接着一体化させる接着工程とを含む木質系複合材料の製造方法であって、前記木質片が木質原材料を破砕することによって得られたものであり、有機第4級アンモニウム化合物を常圧処理で木質片に含浸させることを特徴とする。
本発明の請求項に記載の木質系複合材料の製造方法(以下、「請求項の木質系複合材料の製造方法」と記す)は、請求項1の木質系複合材料の製造方法において、有機第4級アンモニウム化合物、水平方向の断面積の80%以上に分布させることを特徴としている。
本発明の請求項に記載の木質系複合材料の製造方法(以下、「請求項の木質系複合材料の製造方法」と記す)は、請求項1または請求項の木質系複合材料の製造方法において、縦断面積木質積層マットの圧縮前の縦断面積の平均70%以下とすることを特徴としている。
本発明の請求項に記載の木質系複合材料の製造方法(以下、「請求項の木質系複合材料の製造方法」と記す)は、請求項1〜請求項のいずれかの木質系複合材料の製造方法において、有機第4級アンモニウム化合物が、ジデシルジメチルアンモニウム塩であることを特徴としている。
本発明の請求項に記載の木質系複合材料の製造方法(以下、「請求項の木質系複合材料の製造方法」と記す)は、請求項1〜請求項のいずれかの木質系複合材料の製造方法において、木質片が間伐材、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築物解体時に発生する解体廃材から選ばれた少なくともいずれか一種の木質原材料から得られるものであることを特徴としている。
本発明において、木質片は、破砕機によって破砕したりすることによって得られるものに限定されるが、その理由は、破砕によって得られた木質片は、破砕の際に圧縮やせん断を受けて木質繊維がほぐれ、また圧縮変形しており、機能性付与薬剤が吸収されやすいからである
また、本発明において使用される木質片群は、長さ20mm〜150mmの範囲にある木質片を70重量%以上含まれていることが必須であるが、その理由は、長さ20mm〜150mmの範囲にある木質片が70重量%未満であると、得られる製品の強度が不足したり、外観が悪くなったりする虞があるためである。
なお、長さ20mm〜150mmの範囲にある木質片を70重量%以上含まれている木質片群を得る方法としては、特に限定されないが、破砕等によって得られた大きさが不揃いの木質片を、例えば、ウェーブローラー方式等の分級機を用いて分級する方法が挙げられる。なお、ウェーブローラー方式の分級機は、木質片の厚さを基準に連続的に分級する装置である。
木質原材料としては、特に限定されないが、天然資源保護の観点から間伐材、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築物解体時に発生する解体廃材などが好ましい。
機能性付与薬剤としては、特に限定されないが、たとえば、木材保存剤、寸法安定剤、木材防火剤等が挙げられ、これらの機能性付与薬剤が単独であるいは必要に応じて併用される。また、これらの機能性付与薬剤は、積層マットをプレス成形する際に加熱を伴う場合、熱的に安定な物を選択することが好ましい。
なお、複数の機能性付与薬剤を併用する場合は、一度の処理で複数の機能性付与薬剤を含浸させてもよい。この場合は、複数の機能性付与薬剤を混ぜることになるので、薬剤同士の反応などで効果が低下しないことや、処理液が安定なことや、含浸量の低下などを考慮して条件を選ぶ必要がある。具体的には、乳化剤を用いる場合は、アニオン性乳化剤とカチオン性成分が混じる、あるいは逆にカチオン性乳化剤とアニオン性成分が混じると、ともに乳化状態が壊れて液が分離することがあり、好ましくない。
また、複数の機能性付与薬剤を逐次別工程で含浸させてもよい。この場合も、薬剤同士の反応などによる効果の低下や、後から処理する機能性付与薬剤の安定性、含浸量の低下などを考慮して条件を選ぶ必要がある。
上記木材保存剤としては、特に限定されないが、たとえば、アルキルアンモニウム化合物系、ホウ素・アルキルアンモニウム化合物等の有機アンモニウム化合物系、アゾール化合物系のものなどの一般的なものが挙げられる。
有機アンモニウム化合物系のものとしては、たとえば、有機第4級アンモニウム化合物が挙げられる。
因みに、有機第4級アンモニウム化合物の場合、得られる木質系複合材料1m3につき4.5kg以上含むように、かつ任意に切り出した木質系複合材料中のどの部分についても均一な濃度となるように含有させることが好ましい。すなわち、有機第4級アンモニウム化合物が、得られる木質系複合材料1m3につき4.5kg以上であれば、木造住宅の土台などとして用いることができる耐久性が十分なものとなる。上限は特になく、大量であっても性能上の問題はないが、コストが大きくなるので、適宜上限を決めて配合されると良い。
上記木材防火剤としては、特に限定されないが、たとえば、リン系化合物、窒素系化合物、ホウ素化合物、ハロゲン系化合物、水酸化アルミニウム化合物などが挙げられる。
上記寸法安定化剤としては、特に限定されないが、たとえば、パラフィンワックスなどの撥水剤、無機塩などの無機質複合化剤、ポリエチレングリコールなどの膨潤剤、アセチル化、ホルマール化、フェノール樹脂処理などの化学処理剤が挙げられる。
機能性付与薬剤を木質片に含浸させる方法としては、木質片を薬剤に浸漬する、薬剤をスプレーなどで木質片に塗布するまたは吹き付けるなどの常圧処理と、減圧・加圧条件下で木質片に薬剤液を含浸させる減圧処理、加圧式処理がある。一般に、常圧処理は、装置が簡易であるが薬剤の浸透性は劣る。しかし本発明では、木質片が、破砕されたものであることから機能性付与薬剤が浸透しやすいので簡易な常圧処理がより好適である。
含浸する工程において、木質片と薬剤液の温度を調節することも可能で薬剤の含浸性を高める効果がある。より詳しくは、薬剤液を加温しておくと薬剤液の浸透性が高まる。また、加温した薬剤液で処理した後、加温していない(もしくは冷却している)薬剤液で処理するいわゆる温冷浴法は、浸透性をより高める。木質片を加温しておくことも、浸透性の向上に有効な手段である。
機能性付与薬剤の含浸処理には、通常水溶液もしくは水系乳化液が用いられる。この場合は、含浸処理の後適正な含水率まで木質片を乾燥しなければならない。
木質片に機能性付与薬剤を含浸させた後に直ちに乾燥すると、木質片の内部に機能性付与薬剤が定着せず木質片の表面付近にばかり薬剤が分布する恐れがある。このため、薬剤の定着と浸透性を高める目的で養生することがある。
木質片同士を接着一体化するために、接着剤が用いられるが、接着剤としては、特に限定されないが、ユリア樹脂接着剤、メラミン・ユリア共縮合樹脂接着剤、フェノール・メラミン共縮合樹脂接着剤、フェノール樹脂接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤、イソシアネート系接着剤、水性高分子―イソシアネート系接着剤などの一般的に用いられている木質材用接着剤が挙げられる。
木質片への接着剤の塗布方法としては、特に限定されないが、たとえば、木質片に噴霧する方法が一般的である。
そして、本発明においては、接着剤が塗布された木質片が、各木質片の長さ方向をほぼ1方向に向けるように積層されて積層マットとされる。この積層マットの形成方法としては、特に限定されないが、たとえば、オリエンテッド・ストランド・ボード(OSB)等の既存の木質系成形材料の製造装置で用いられるディスクオリエンター等の公知の配向手段をフォーミング型の上方に配置し、この配向手段により配向させながら投入する方法が挙げられる。
つぎに、上記のようにして得られた積層マットが、圧縮されるとともに、各木質片同士が接着剤によって接着一体化されるが、一般に接着一体化には加熱が必要であるが、この工程によって機能性付与薬剤が劣化を起こさず所定の機能を発揮することが必要である。加熱条件下での機能性付与薬剤の劣化としては、成分の酸化反応による失活や、接着剤との反応による失活、水蒸気による加水分解などが考えられる。木材防火剤の場合は、防火効果を生む反応(たとえば脱水反応、分解反応、結晶水の放出など)が、接着一体化の加熱条件で起こらないことが必要である。
加熱方法としては、熱盤による方法、高周波による方法などがあるが、特に水蒸気を用いた加熱が望ましい。なぜなら、柱等厚い材料でも中央まで熱が早く伝わり、また水蒸気が木質片を軟化し圧縮時の圧力を低減する効果もあるからである。中央まで熱が伝わらないと、接着不良を生じて材の中央部分に割れを生じるいわゆるパンクを生じやすく、またパンクを生じなくても強度物性が低いという問題が生じやすい。加熱方法は、複数の加熱方法を併用してもよい。
水蒸気を用いて加熱する場合には150℃〜200℃の水蒸気を用いることが好ましい。150℃未満の温度の水蒸気は、熱伝達が不十分で木質片同士を接着一体化するための加熱時間が長くなり、経済的でない。また200℃を超える温度の水蒸気は、装置が大掛かりななるとともに木質材料の劣化が起こり、好ましくない。
得られた木質系複合材料は、プレス成形後の寸法精度や表面性を向上させるために、アニール処理や、切削、サンディング加工等を行うことが好ましい。
請求項1の製造方法で得られる木質系複合材料は、以上のように、長さ20mm〜150mmの範囲にある木質片を70重量%以上含み、各木質片表面に接着剤を付着させた木質片群を、各木質片の長さ方向がほぼ1方向に向いた状態に積層して得られた木質積層マットが150℃〜200℃の水蒸気を用いて加熱圧縮されて木質片同士が接着剤によって接着一体化されている木質系複合材料であって、前記木質片が木質原材料を破砕することによって得られ、各木質片に予め有機第4級アンモニウム化合物が含浸されているので、有機第4級アンモニウム化合物が各木質片に十分に含浸された状態になる。すなわち、破砕によって得られる木質片は、破砕の際に圧縮やせん断を受けて木質繊維がほぐれ、また圧縮変形しており、有機第4級アンモニウム化合物が吸収されやすい。したがって、有機第4級アンモニウム化合物が内部まで十分に含浸された木質片同士を接着して得られる木質系複合材料は、内部まで均一かつ十分に有機第4級アンモニウム化合物による機能を付与されたものとなる。すなわち、住宅土台としての強度がバラツキなく安定しており、しかも、製材した場合の切断面に何ら手を加えずとも高い耐久性を発揮して、防腐、防虫性が長期に安定した木質系複合材料となる。
そして、有機第4級アンモニウム化合物を常圧処理で木質片に含浸させるようにしたので、有機第4級アンモニウム化合物の含浸に大がかりな装置が不要となり、本発明の木質系複合材料を低コストで製造できる。
加えて、接着工程時に、積層マットを150℃〜200℃の水蒸気を用いて加熱するようにしたので、厚い積層マットでも中央まで熱が早く伝わり、また水蒸気が木質片を軟化し圧縮時の圧力を低減する。したがって、接着不良を生じて材の中央部分に割れを生じるいわゆるパンクを生じたり、またパンクを生じなくても強度物性が低くなったりすることなく、良好な木質系複合材料を安定して製造することができる。
そして、請求項の木質系複合材料の製造方法のように、有機第4級アンモニウム化合物が、水平方向の断面積の80%以上に分布しているようにすれば、住宅土台としての強度がバラツキなく安定しており、しかも、製材した場合の切断面に何ら手を加えずとも高い耐久性を発揮して、防腐、防虫性が長期に安定した木質系複合材料となる。通常、木材保存剤処理をした木材は、切断面をみると、表面から木材保存剤が浸透し、中央部は薬剤が浸透していない部分が観察される。このため、切断部の中央付近の薬剤未浸透部分から腐朽や蟻害を生じることがある。そのため、切断面に専用の塗布型薬剤を塗布する必要があったが、本発明の製造方法で得られる木質系複合材料においては、材料の切断面の80%以上の面積部分まで均一な濃度で保存薬剤が浸透しているので、切断面の耐久性が高くかつ専用の薬剤を塗布する必要もない。
請求項の木質系複合材料の製造方法のように、縦断面積を木質積層マットの圧縮前の縦断面積の平均70%以下とすれば、より強度的に優れたものとなる。
請求項の木質系複合材料の製造方法のように、木質原材料として間伐材、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築物解体時に発生する解体廃材などを用いるようにすれば、従来廃棄されていた材料の有効利用を図ることができるとともに、低コスト化を実現できる。
次に実施例を挙げて本発明を説明する。
(実施例1)
最初に保存処理木材の接着性能と薬剤の安定性を評価した。
住宅を解体した時に生じた廃木材や廃パレット材を破砕機で破砕した木質片(木チップ)を、ウェーブローラー方式の分級機で分級し、厚さ1〜11mm、長さ20〜150mm、長さ/厚さ≧10の木質片を得た。この木質片を、木材保存剤として第4級アンモニウム化合物を含む水溶液(ザイエンス社製、ペンタキュアーニューBM、DDAC(ジデシルジメチルアンモニウム塩)として1.25重量%含有)に30秒間の浸漬処理を行い、その後、含水率0〜10%になるまで乾燥した。この木質片からなる木質片群をドラムブレンダーに入れて、木質片1kgあたりに接着剤(住友バイエルウレタン社製、スミジュール44V10)を70gスプレーで塗布した。その後、木質片の長さ方向が得ようとする成形体の長さ方向とほぼ一致するように配向積層して積層マットとし、この積層マットを、蒸気噴射プレス装置にて180℃に加熱しながら5分間圧締することで、気乾密度0.75g/cm3の成形体(木質系複合材料)を得た。
この成形体の外観を目視で観察した。この成形体の中央部分を切断し、JIS A 9108により、第4級アンモニウム化合物の浸潤度と吸収量を測定した。また、この成形体を製材し、断面38mm×89mmで、木質片の配向方向に900mm長さとなる棒状体を得た。この製材品の4点曲げ試験を行った。
(比較例1)
保存処理剤として8ホウ酸2ナトリウム(ティンボアのホウ酸として4重量%液)を用いたこと以外は実施例1と同じとして成型体を得た。同様にして、得られた成形体の外観、木材保存剤(8ホウ酸2ナトリウム)の浸潤度と吸収量、4点曲げ試験を行った。目視による外観評価で、加熱前は無色だった8ホウ酸2ナトリウム含浸チップが加熱後は褐色に変色したので、8ホウ酸2ナトリウムの吸収量の評価は取りやめた。
(比較例2)
木材保存剤を用いなかったこと以外は実施例1と同じとして成型品を得、同様にして、成形体の外観4点曲げ試験を行った。木材保存剤不使用故、浸潤度と吸収量とは測定しなかった。
(比較例3)
加熱成形装置として、蒸気噴射プレスではなく180℃に加熱した熱版プレス装置で5分間圧締したこと以外は実施例1と同じにして成型体を得た。しかしながら、圧締開放時に内部破壊が生じ、サンプルは所定の寸法に成形できず、割れが生じたので評価を取りやめた。
評価結果を表1に示す。
Figure 0005150044
(実施例2)
住宅を解体したときに生じた廃木材からヒノキ材選び、切削加工で小片化し、厚さ5±0.5mm、幅10±0.5mm、長さ60±0.5mmの木質片(チップ)からなる木質片群を得た。得られた木質片群を室温20℃、室内相対湿度60%の恒温室で2週間保持し、含水率調整を行った。
各木質片を厚さ4mmになるまで厚さ方向を圧縮した。この木質片に、第4級アンモニウム化合物を含む水溶液(ペンタキュアーニューBMのAAC(アルキルアンモニウム系化合物)として1.25%液)で1分間の浸漬処理を行い、その後含水率10%まで乾燥した。この木質片からなる木質片群をドラムブレンダーに入れて木質片1kgあたりに接着剤(スミジュール44V10)を70gスプレーで塗布した。その後、各木質片をその長手方向がほぼ1方向を向いた状態に積層して積層マットを得た。得られた積層マットを蒸気噴射プレス装置にて180℃に加熱しながら5分間圧締することで、成形体を得た。これを含水率10%に調整した結果、気乾密度0.75g/cm3の成形体を得た。
(実施例3)
住宅を解体したときに生じた廃木材からヒノキ材をえらび、破砕機で破砕した。得られた木質片から厚さ5±1mm、幅10±0.5mm、長さ60±3mmである木質片を取りだした。さらに室温20℃、室内相対湿度60%の恒温室で2週間含水率調整を行った。この木質片に、第4級アンモニウム化合物を含む水溶液(ペンタキュアーニューBMのAACとして1.25%液)で1分間の浸漬処理を行い、その後含水率10%まで乾燥した。この木質片からなる木質片群をドラムブレンダーに入れて木質片1kgあたりに接着剤(スミジュール44V10)を70gスプレーで塗布した。その後、各木質片をその長手方向がほぼ1方向を向いた状態に積層して積層マットを得た。得られた積層マットを蒸気噴射プレス装置にて180℃に加熱しながら5分間圧締することで、成形体を得た。これを含水率10%に調整した結果、気乾密度0.75g/cm3の成形体を得た。
(実施例4)
住宅を解体したときに生じた廃木材や廃パレット材を破砕機で破砕した木質片から長さ20mm〜150mmの範囲にある木質片を重量比70%以上含む木質片を得た。この木質片に、第4級アンモニウム化合物を含む水溶液(ペンタキュアーニューBMのAACとして1.25%液)で1分間の浸漬処理を行い、12時間後に含水率0〜10%までオーブンで乾燥した。この木質片をドラムブレンダーに入れて木質片1kgあたりに接着剤(スミジュール44V10)を70gスプレーで塗布した。その後、各木質片をその長手方向がほぼ1方向を向いた状態に積層して積層マットを得た。得られた積層マットを蒸気噴射プレス装置にて180℃に加熱しながら5分間圧締することで、成形体を得た。これを含水率10%に調整した結果、気乾密度0.75g/cm3の成形体を得た。
(実施例5)
浸漬液として第4級アンモニウム化合物を含む水溶液(ペンタキュアーニューBMのAACとして1.25%液)の替わりに、パラフィンワックスエマルジョン(セロゾール K−979、アニオン性)の2%液を用いた以外は実施例4と同様にして成形体を得た。
(実施例6)
浸漬液として第4級アンモニウム化合物を含む水溶液(ペンタキュアーニューBMのAACとして1.25%液)の替わりに、4ホウ酸ナトリウムの4%水溶液を用いた以外は実施例4と同様にして成形体を得た。
(実施例7)
浸漬液として第4級アンモニウム化合物を含む水溶液(ペンタキュアーニューBMのAACとして1.25%液)でかつパラフィンワックスエマルジョン(セロゾール M−244、カチオン性)の2%液を用いた以外は実施例3と同様にして成形体を得た。
(比較例4)
木質片を圧縮変形させなかった以外は実施例2と同様にして成形体を得た。
(比較例5)
住宅を解体したときに生じた廃木材や廃パレット材を破砕機で破砕した木質片から長さ150mm以上の木質片を得た以外は実施例3と同様にして成形体を得た。
(比較例6)
住宅を解体したときに生じた廃木材や廃パレット材を破砕機で破砕した木質片から長さ20mm未満の木質片を得た以外は実施例3と同様にして成形体を得た。
(比較例7)
木質片を積層するときに、ほぼ1方向を向くように配向せず、にランダムに積層したこと以外は実施例3と同様にして成形体を得た。
(比較例8)
機能性付与薬剤を添加しなかった以外は実施例3と同様にして成形体を得た。
(比較例9)
第4級アンモニウム化合物を含む水溶液(ペンタキュアーニューBMのAACとして1.25%液)を用いなかったこと以外は実施例3と同様にして成形体を得た。得られた成形体を、第4級アンモニウム化合物を含む水溶液(ペンタキュアーニューBMのAACとして1.25%液)で減圧加圧処理を行い、自然乾燥2週間の後、オーブンで含水率10%まで乾燥した。
(比較例10)
蒸気噴射プレス装置にて180℃に加熱しながら5分間圧締するかわりに、熱版プレス(180℃)で5分間圧締したこと以外は実施例3と同様にして成形体を得た。
上記実施例2〜7および比較例4〜10で得られた成形体について、それぞれ外観検査、機能性薬剤の浸漬状態および曲げ強度検査を行うとともに、実施例2〜4、実施例5、比較例4〜6および比較例9について、機能性付与薬剤の薬剤分布、薬剤吸収量を、実施例5、実施例7および比較例8について、吸水膨張率を、実施例6および比較例8について、難燃性を調べ、その結果を表2に合わせて示した。
なお、機能性付与薬剤の薬剤分布、薬剤吸収量は、成形体の中央部分を切断し、JIS A 9108記載の方法を用いて調べた。
曲げ強度は、成形体を製材し、断面38mm×38mmで、木質片の配向方向に900mm長さとなる製材品を得たのち、この製材品の4点曲げ試験(JAS構造用集成材準拠)を行った結果の平均値を求めた。
吸水膨張率は、得られた成形体からチップの長さ方向50mm、幅50mm、圧縮方向38mmの試験片を切り出し、24時間常温水に浸漬して圧縮方向の膨張率を測定した結果の平均値を求めた。
難燃性は、成形体を製材し、断面30mm×80mmで、木質片の配向方向に200mm長さとなる製材品を得た。得られた製材品の長手方向を45度に傾斜させた状態で固定し、その下端をバーナーの炎で10秒間焼き、残炎時間が10秒以上の場合を×、残炎時間が10秒未満の場合を○とした。
Figure 0005150044
上記表2に示すように、実施例2〜7および比較例4〜8の成形体については、外観に問題がなかったが、比較例9の成形品の場合、減圧加圧処理後においては、成形時の圧縮方向に3%膨張し、成形全体に細かなクラックも見られ、比較例10の成形体の場合、成形体の中央付近に割れが生じ、いわゆるパンク状態であった。
本発明の木質複合材料は、従来構造材として利用出来なかった木質片を、構造材特に住宅土台として使用する目的に利用できる。このため、木質資源の有効利用が拡大する。

Claims (5)

  1. 長さ20mm〜150mmの範囲にある木質片を70重量%以上含み、各木質片に有機第4級アンモニウム化合物が含浸されるとともに、各木質片の表面に接着剤を付着させた木質片群を、各木質片の長さ方向がほぼ1方向に向いた状態に積層して積層マットを得る積層マット形成工程と、
    積層マット形成工程で得られた積層マットを150℃〜200℃の水蒸気を用いて加熱しながら圧縮して各木質片を隣接する木質片と圧縮状態で接着剤によって接着一体化させる接着工程とを含む木質系複合材料の製造方法であって、前記木質片が木質原材料を破砕することによって得られたものであり、有機第4級アンモニウム化合物を常圧処理で木質片に含浸させることを特徴とする木質系複合材料の製造方法。
  2. 有機第4級アンモニウム化合物、水平方向の断面積の80%以上に分布させることを特徴とする請求項1に記載の木質系複合材料の製造方法
  3. 縦断面積木質積層マットの圧縮前の縦断面積の平均70%以下とする請求項1または請求項に記載の木質系複合材料の製造方法
  4. 有機第4級アンモニウム化合物が、ジデシルジメチルアンモニウム塩である請求項1〜請求項のいずれかに記載の木質系複合材料の製造方法
  5. 木質片が間伐材、工場や住宅建築現場で発生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パレット材、建築物解体時に発生する解体廃材から選ばれた少なくともいずれか一種の木質原材料から得られるものである請求項1〜請求項のいずれかに記載の木質系複合材料の製造方法
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