JP2627133B2 - 改良木質繊維板及びその製造方法 - Google Patents

改良木質繊維板及びその製造方法

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JP2627133B2 JP6940993A JP6940993A JP2627133B2 JP 2627133 B2 JP2627133 B2 JP 2627133B2 JP 6940993 A JP6940993 A JP 6940993A JP 6940993 A JP6940993 A JP 6940993A JP 2627133 B2 JP2627133 B2 JP 2627133B2
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忠史 川村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不燃化処理された木質
繊維を用いて成る改良木質繊維板及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】木材の棒、板又は単板状態で木材固有の
細胞孔内に不燃性無機化合物を分散定着して難燃化する
技術は従来より公知である(特開昭61−244502
号公報)が、この公知技術においては、木材の棒、板又
は単板状態において木材中に不燃性無機化合物を木材の
絶乾重量に対して40%以上分散させることが必要とさ
れており、この要件を満たすためには、断面形状の大き
さにもよるが、不燃性無機化合物溶液中に長時間浸漬さ
せなければならなかった。また、長時間浸漬によって
も、木材の外周部には多く含浸されるものの、内部まで
均一に分散させることは困難であった。更に、粉末状の
不燃性無機化合物が木材の外周部に付着して化粧性を阻
害するので、そのままの状態では製品として供すること
ができず、これを水洗等の手段で除去する作業が必要で
あったが、除去した不燃性無機化合物の回収は困難であ
るために不経済であり、また、廃液の処理工程も必要で
ある等の問題点を有するものであった。
【0003】このような問題点に鑑みて、本出願人は、
第1液及び第2液を木質繊維に含浸させることにより、
それらの反応によって生成する水不溶性の不燃性無機化
合物を木質繊維の細胞孔内及び/又は細胞孔内壁面に充
填ないし付着或は固着させ、この木質繊維を接着成形一
体化して、不燃性繊維板を得る技術を先に提案した(特
開平3−27199号)。この技術によれば、不燃化処
理を比較的短時間内に行うことができ、不燃性無機化合
物を繊維板の全般に亙って略均一に分散固定することが
でき、また化粧性を阻害することがない等の作用効果を
奏することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は上記先の提
案に係る不燃性繊維板について更に実験を重ねた結果、
この繊維板を防火試験等において燃焼させようとする
と、難燃性については優れた効果が認められるものの、
多量の発煙を伴うことが明らかとなった。そこで、第1
液及び第2液の反応処理後に脱液水洗処理を行ったとこ
ろ、発煙はかなり抑制されたが、反面難燃性が大幅に低
下した。
【0005】この理由については必ずしも明らかでない
が、第1液及び第2液の反応を完全に行わせることは実
際上困難であるから、例えば第1液又は第2液としてM
gCl,CaCl等の塩化物水溶液を用いた場合、
その未反応分としてクロルイオンが残留し、これが難燃
性の向上には寄与するものの防煙性に対しては悪影響を
及ぼしているものと推測される。
【0006】また、上記先の提案に係る不燃性繊維板に
あっては、比較的短時間ではあるものの第1液及び第2
液の反応のために時間を要し、反応条件をコントロール
する必要がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上記本
出願人による従来技術を更に改良し、極めて短時間の簡
単な操作によって、防火性能及び防煙性能に優れた改良
木質繊維板及びその製造方法を提供しようとするもので
あって、リン酸塩と、ほう酸塩と、水酸化アルミニウム
とが、細胞孔内及び/又は細胞孔内壁面に充填ないし付
着或は固着され、更に繊維表面に付着或いは固着された
木質繊維が、接着性物質を介して成形一体化されて成る
ことを特徴とする改良木質繊維板である。
【0008】また本発明は、上記改良木質繊維板を製造
することのできる方法を提供するものであって、リン酸
塩とほう酸塩とが溶解された水溶液に水酸化アルミニウ
ムを添加混合して得られる処理液中に木質繊維を浸漬し
て、これらリン酸塩と、ほう酸塩と、水酸化アルミニウ
ムとを、該木質繊維の細胞孔内及び/又は細胞孔内壁面
にを充填ないし付着或は固着せしめると共に、更に繊維
表面に付着又は固着させしめ、かくして不燃化処理され
た木質繊維を接着性物質を介して成形一体化することを
特徴とする改良木質繊維板の製造方法である。
【0009】本発明に用いられる木質繊維は、例えば
松、杉、桧等の針葉樹材又はラワン、カポール、栗、ポ
プラ等の広葉樹材をチップにした後、常法に従って解繊
し、含水率20%以下、好ましくは10%以下に乾燥し
たものである。この木質繊維は長さ1〜30mm、太さ
直径2〜300μ程度のものが大半を占める。この木質
繊維は、導管及び仮導管又は細胞が束になったような形
をしており、繊維外周部の細胞壁は引き裂かれたり、割
れ目を生じたりしているものが多い。
【0010】この乾燥された木質繊維の細胞孔、導管孔
の空隙部に、リン酸塩と、ほう酸塩と、水酸化アルミニ
ウムとを充填させ、或は細胞孔内壁に沿って層状に固着
又は付着させ、更に木質繊維の外周部に付着又は固着さ
せることによって、不燃化処理を行う。この不燃化処理
は下記工程によって行うことができる。
【0011】即ち、リン酸塩及びほう酸塩を溶解させた
水溶液に、水不溶性の水酸化アルミニウムを添加混合し
た液中に、木質繊維を十分に浸漬させて含浸させる。
【0012】この際、減圧又は加圧中で含浸することに
より木質繊維への含浸を更に有効に行うことができる。
【0013】また、木質繊維を乾燥することなく高含水
率状態として、或は一旦乾燥した後に水又は温水に浸漬
吸水させてこれを飽水状態とした後に、該液中に浸漬さ
せて拡散含浸させても良い。
【0014】更には、処理液及び木質繊維の入った処理
槽の底から処理液を排出し、この排出処理液を再度処理
槽の表面側から供給することによる循環処理を行うこと
により、特に水不溶性の水酸化アルミニウムの木質繊維
への付着或いは固着効率を向上させることができる。
【0015】リン酸塩としては、(NHHP
、(NH)HPO、(NHPO等の
アンモニウム塩が好ましく、木質繊維が十分浸漬できる
水溶液のリン酸塩として1モル/lから5モル/lの濃
度の水溶液で用いられる。
【0016】ほう酸塩としては、KBO、NaB
、(NH)BO等のメタほう酸塩、LiB
、K、Na、(NH
等の四ほう酸塩、(NH)B等の五ほう酸
塩等が例示され、リン酸塩が溶解された水溶液にほう酸
塩として0.05〜2モル/l濃度の水溶液として用い
られる。ほう酸塩が0.05モル/lよりも低い濃度と
なると、得られる木質繊維板の防火性能試験において発
煙が多くなるため、好ましくない。
【0017】これらリン酸塩及びほう酸塩の水溶液に添
加混合される水酸化アルミニウムは、浸漬する木質繊維
1kgに対して100〜2,000gの範囲で水溶液に
混合される。水酸化アルミニウムの混合割合が100g
よりも少ないと、防火性能、防煙性能共に性能が低下す
るため、好ましくない。また、2,000gを越えて添
加しても、防火性能及び防煙性能の向上にさしたる効果
が認められない。
【0018】このようにして、木質繊維を処理液に浸漬
した後、処理槽内の処理液を脱液し、乾燥することによ
って、木質繊維の含水率を25%以下、好ましくは7〜
15%とする。
【0019】かくして、細胞孔内又は細胞孔内壁及び繊
維外周部に水不溶性の不燃性化合物が充填又は付着或は
固着され、更に木質繊維中及びその外周部に不燃性化合
物が含浸及び付着された状態に不燃化処理された木質繊
維が得られる。
【0020】不燃性化合物は、木質繊維に対して40重
量%以上の割合で混入されることが好ましく、これ未満
では十分な防火性能、防煙性能を得ることができない。
【0021】この不燃化処理された木質繊維を混合装置
内に投入し、尿素樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着
剤、メラミン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、イ
ソシアネート・酢酸ビニル樹脂系接着剤或はこれらの変
成合成樹脂接着剤、並びにサイズ剤を添加混合する。得
られる木質繊維板の防火性能を更に向上させるため、不
燃性化合物を添加した接着剤を用いることもできる。
【0022】接着剤を添加混合した不燃化処理木質繊維
を風送し、フォーミング装置に投入して、搬送装置上に
一定厚の連続した木質繊維マットを形成する。この木質
繊維マットを定尺に切断した後、ホットプレスに挿入し
て熱圧成形することにより、本発明の改良木質繊維板が
得られる。
【0023】
【実施例】
実施例1 ラジアータパインのチップを160℃、7kg/cm
で5分間煮沸して脱脂、軟化処理を行った。このチップ
をデファイブレーター式リファイナーで解繊し、得られ
た木質繊維を乾燥した。
【0024】この木質繊維1kgを、リン酸2アンモニ
ウム3モル/l、ほう酸ナトリウム0.2モル/lの割
合で溶解した水溶液20lに、水酸化アルミニウム50
0gを添加混合して得た処理液に浸漬し、処理液を循環
させながら1時間浸漬処理した後、脱液した。後、熱風
乾燥により含水率を7%に調整した。この不燃化処理に
よる木質繊維の重量増加率は125%であった。
【0025】得られた不燃化処理木質繊維を混合機内に
おいて、木質繊維に対し4.5重量%のワックスをスプ
レーにより添加混合した。次いで、別の混合機内におい
て、木質繊維に対し10重量%のフェノール樹脂接着剤
を添加混合した。
【0026】この木質繊維をダクト中に投入し風送し、
フォーミング装置にてスクリーンコンベア上に落下堆積
させて木質繊維マットを形成した。
【0027】この木質繊維マットを所定寸法に切断した
後、ホットプレスに投入して200℃にて2分間熱圧成
形し、本発明の改良木質繊維板を得た。 比較例1 実施例1の処理液においてほう酸ナトリウムを添加しな
い以外は、実施例1と同様に処理して改良木質繊維板を
得た。 比較例2 実施例1の処理液においてほう酸ナトリウム及び水酸化
アルミニウムを添加しない以外は、実施例1と同様に処
理して改良木質繊維板を得た。
【0028】これら実施例1及び比較例1、2で得た木
質繊維板を用いて防火試験を行った結果を表1に示す。
【表1】 この試験結果より、本発明による木質繊維板が、防火性
能、防煙性能、消煙性能がいずれも良好であって、準不
燃性基材の基準に合格するものであることが確認され
た。
【発明の効果】本発明によれば、極めて短時間且つ簡単
な処理によって、防火性能、防煙性能及び消煙性能に優
れ、準不燃性基材の基準に合格する改良木質繊維板が得
られる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸塩と、ほう酸塩と、水酸化アル
    ミニウムとが、細胞孔内及び/又は細胞孔内壁面に充填
    ないし付着或は固着され、更に繊維表面に付着或いは固
    着された木質繊維が、接着性物質を介して成形一体化さ
    れて成ることを特徴とする改良木質繊維板。
  2. 【請求項2】 リン酸塩とほう酸塩とが溶解された水
    溶液に水酸化アルミニウムを添加混合して得られる処理
    液中に木質繊維を浸漬して、これらリン酸塩と、ほう酸
    塩と、水酸化アルミニウムとを、該木質繊維の細胞孔内
    及び/又は細胞孔内壁面にを充填ないし付着或は固着せ
    しめると共に、更に繊維表面に付着又は固着させしめ、
    かくして不燃化処理された木質繊維を接着性物質を介し
    て成形一体化することを特徴とする改良木質繊維板の製
    造方法。
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JP5150044B2 (ja) * 2005-03-24 2013-02-20 積水化学工業株式会社 木質系複合材料の製造方法
JP5303421B2 (ja) * 2009-06-19 2013-10-02 積水化学工業株式会社 木質系複合材料およびその製造方法
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JP7149762B2 (ja) * 2018-08-09 2022-10-07 株式会社ノダ 難燃性木質繊維板の製造方法

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