JP2013223954A - 木質系複合材料の製造方法及び木質系複合材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸水による膨張率が低減され良好な寸法安定性を有し、かつ、軽量でも高強度の木質系複合材料を得ることができる木質系複合材料の製造方法、及び、該木質系複合材料の製造方法により製造された木質系複合材料を提供する。
【解決手段】木質ストランドに、加熱により硬化、樹脂化される低分子フェノール系物質を含浸させて被薬剤処理ストランドを得る薬剤処理工程と、前記被薬剤処理ストランドに結合剤を付着させる結合剤付着工程と、前記結合剤を付着させた被薬剤処理ストランドを長さ方向に略揃えて配向させて積層して積層マットを形成する積層マット形成工程と、前記積層マットを熱圧成形する熱圧成形工程と、を有する木質系複合材料の製造方法であって、前記薬剤処理工程に供する木質ストランドは、厚さが0.1〜1.0mm、繊維方向長さが20mm以上、平均長さ/厚さが100〜500、平均長さ/幅が5〜30であり、かつ、繊維方向長さが平均長さ±20%の範囲内にある木質ストランドが全木質ストランドの70%以上を占めるものであり、前記積層マット形成工程において、前記結合剤を付着させた被薬剤処理ストランドを、長手方向に対し平均24°以下の角度で配向させる木質系複合材料の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】木質ストランドに、加熱により硬化、樹脂化される低分子フェノール系物質を含浸させて被薬剤処理ストランドを得る薬剤処理工程と、前記被薬剤処理ストランドに結合剤を付着させる結合剤付着工程と、前記結合剤を付着させた被薬剤処理ストランドを長さ方向に略揃えて配向させて積層して積層マットを形成する積層マット形成工程と、前記積層マットを熱圧成形する熱圧成形工程と、を有する木質系複合材料の製造方法であって、前記薬剤処理工程に供する木質ストランドは、厚さが0.1〜1.0mm、繊維方向長さが20mm以上、平均長さ/厚さが100〜500、平均長さ/幅が5〜30であり、かつ、繊維方向長さが平均長さ±20%の範囲内にある木質ストランドが全木質ストランドの70%以上を占めるものであり、前記積層マット形成工程において、前記結合剤を付着させた被薬剤処理ストランドを、長手方向に対し平均24°以下の角度で配向させる木質系複合材料の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、吸水による膨張率が低減され良好な寸法安定性を有し、かつ、軽量でも高強度の木質系複合材料を得ることができる木質系複合材料の製造方法、及び、該木質系複合材料の製造方法により製造された木質系複合材料に関する。
森林資源には限りがあり、またその保守維持も大変であることから、廃棄木材の有効活用が有望視され、木造建築物の解体時に発生する解体廃材を、木質チップにするなどして原材料とし、これに接着剤等の結合剤を付着させ、長手方向に揃えて配向させ、熱圧成形してなる木質材料が種々検討されている(例えば、特許文献1参照)。
木質チップを原料とし、結合剤により結合させて成形した木質系複合材料は、吸水性や吸湿性が高く、吸水や吸湿により膨張し、寸法安定性が低いという問題があった。これに対して特許文献2には、低分子フェノール系物質単独、又は、低分子フェノール系物質と無機塩系薬剤とを含浸し、結合剤が付着させた木質チップを積層し、これを熱圧成形して作製された木質系複合材料が開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載された木質チップは、寸法安定性の点では良好であるものの、高比重で重く、加工性や運搬性が悪いという問題があった。
しかしながら、特許文献2に記載された木質チップは、寸法安定性の点では良好であるものの、高比重で重く、加工性や運搬性が悪いという問題があった。
本発明は、吸水による膨張率が低減され良好な寸法安定性を有し、かつ、軽量でも高強度の木質系複合材料を得ることができる木質系複合材料の製造方法、及び、該木質系複合材料の製造方法により製造された木質系複合材料を提供することを目的とする。
本発明は、木質ストランドに、加熱により硬化、樹脂化される低分子フェノール系物質を含浸させて被薬剤処理ストランドを得る薬剤処理工程と、前記被薬剤処理ストランドに結合剤を付着させる結合剤付着工程と、前記結合剤を付着させた被薬剤処理ストランドを長さ方向に略揃えて配向させて積層して積層マットを形成する積層マット形成工程と、前記積層マットを熱圧成形する熱圧成形工程と、を有する木質系複合材料の製造方法であって、前記薬剤処理工程に供する木質ストランドは、厚さが0.1〜1.0mm、繊維方向長さが20mm以上、平均長さ/厚さが100〜500、平均長さ/幅が5〜30であり、かつ、繊維方向長さが平均長さ±20%の範囲内にある木質ストランドが全木質ストランドの70%以上を占めるものであり、前記積層マット形成工程において、前記結合剤を付着させた被薬剤処理ストランドを、長手方向に対し平均24°以下の角度で配向させる木質系複合材料の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記木質系複合材料において、原料として木質チップに代えて、特定の形状を有する木質ストランドを採用し、該木質ストランドに特定の低分子フェノール系物質を含浸させた被薬剤処理ストランドとしたうえで、特定の範囲に配向させた積層マットとして熱圧成形することにより、吸水による膨張率が低減され良好な寸法安定性を有し、かつ、軽量でも高強度の木質系複合材料が得られることを見出し、本発明を完成した。
一般にパーティクルボードに使用されているような破砕を要素としたチップ製造機で得られる木質チップは、厚さに対し長さが短くなり、強度を発現するためには、圧縮度を高める必要がある。薄く細長い木質ストランドを用いた木質系複合材料は、圧密化をしなくても強度がでやすいため、軽量でも高強度の木質系複合材料を得ることができると考えられる。
一般にパーティクルボードに使用されているような破砕を要素としたチップ製造機で得られる木質チップは、厚さに対し長さが短くなり、強度を発現するためには、圧縮度を高める必要がある。薄く細長い木質ストランドを用いた木質系複合材料は、圧密化をしなくても強度がでやすいため、軽量でも高強度の木質系複合材料を得ることができると考えられる。
本発明の木質系複合材料の製造方法は、木質ストランドに、加熱により硬化、樹脂化される低分子フェノール系物質を含浸させて被薬剤処理ストランドを得る薬剤処理工程を有する。
本明細書において木質ストランドとは、木材を細かく削って得た、薄く細長い木片を意味する。
本明細書において木質ストランドとは、木材を細かく削って得た、薄く細長い木片を意味する。
上記木質ストランドとなる原料材の樹種としては、スギ、ヒノキ、マツ、スプルース、パイン、ファー等の針葉樹や、ラワン、アピトン、カメレレ、ポプラ、アスペン等の広葉樹が挙げられる。また、これらの森林から生産される植物材料だけでなく、竹、コウリャン等の森林以外で生産される植物材料も用いることができる。これらの樹種は単独であってもよいし、二種以上を併用してもよい。原料材に利用できる形態としては、例えば、上記樹種の丸太、間伐材等の原木や、工場や住宅建築現場で発生する端材や、部材輸送後に廃棄される廃パレット材や、建築解体時に発生する解体廃材等が挙げられる。
なかでも、特に軽量で高強度の木質系複合材料が得られることから、密度0.5g/cm3以下の樹種が好適であり、密度0.4g/cm3以下のもの、例えばスギ、アスペン等がより好適である。
なかでも、特に軽量で高強度の木質系複合材料が得られることから、密度0.5g/cm3以下の樹種が好適であり、密度0.4g/cm3以下のもの、例えばスギ、アスペン等がより好適である。
上記原料材を木質ストランドにする加工方法としては、例えば、スライサーでベニア加工したものをロータリーカッターによって短冊状にする方法や、フレーカーの回転刃によって丸太を切削してストランドにする方法等が挙げられる。
上記木質ストランドは、厚さが0.1〜1.0mm、繊維方向長さが20mm以上、平均長さ/厚さが100〜500、平均長さ/幅が5〜30である。このような特定の形状を有する木質ストランドを原料として用いることにより、軽量でも高強度の木質系複合材料を得ることができる。好ましくは、厚さが0.1〜0.8mm、繊維方向長さが40〜70mm、平均長さ/厚さが100〜300、平均長さ/幅が10〜20である。
上記木質ストランドは、繊維方向長さが平均長さ±20%の範囲内にある木質ストランドが全木質ストランドの70%以上を占めるものである。このように繊維方向長さが均一な木質ストランドを原料として用いることにより、軽量でも高強度の木質系複合材料を得ることができる。繊維方向長さが平均長さ±20%の範囲内にある木質ストランドが全木質ストランドの80%以上を占めることが好ましい。
上記木質ストランドは、含水率を15%以下に調整してから本発明の木質系複合材料の製造方法に供することが好ましい。含水率を15%以下に調整することにより、生産時の木質系複合材料の品質バラツキを小さくすることができる。
上記木質ストランドの含水率を15%以下に調整する方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間木質ストランドを放置する方法が挙げられる。例えば、105℃のオーブン中に24時間放置すると、木質ストランドの含水率はほぼ5%以下に保たれる。
上記木質ストランドの含水率を15%以下に調整する方法としては、例えば、温調したオーブン中に一定時間木質ストランドを放置する方法が挙げられる。例えば、105℃のオーブン中に24時間放置すると、木質ストランドの含水率はほぼ5%以下に保たれる。
上記薬剤処理工程においては、上記木質ストランドに、加熱により硬化、樹脂化される低分子フェノール系物質(以下、単に「低分子フェノール系物質」ともいう。)を含浸させて被薬剤処理ストランドを得る。
上記低分子フェノール系物質は、水溶液や水性溶液(以下、「低分子フェノール系溶液」ともいう。)とすることにより、ワレが発生する前の含水率の高い状態のままの木質ストランドに含浸させことができる。低分子フェノール系物質は低分子量であるため、上記木質ストランドを構成する木材細胞の微細な空隙にまで浸透することができ、含浸後に加熱することにより、硬化、樹脂化し、木材の細胞壁を膨張した状態に固定することができる。従って、本発明の木質系複合材料の製造方法により製造された木質系複合材料は、吸水や吸湿により膨張することなく、極めて高い寸法安定性を発揮することができる。
上記低分子フェノール系物質は、水溶液や水性溶液(以下、「低分子フェノール系溶液」ともいう。)とすることにより、ワレが発生する前の含水率の高い状態のままの木質ストランドに含浸させことができる。低分子フェノール系物質は低分子量であるため、上記木質ストランドを構成する木材細胞の微細な空隙にまで浸透することができ、含浸後に加熱することにより、硬化、樹脂化し、木材の細胞壁を膨張した状態に固定することができる。従って、本発明の木質系複合材料の製造方法により製造された木質系複合材料は、吸水や吸湿により膨張することなく、極めて高い寸法安定性を発揮することができる。
上記低分子フェノール系物質は、例えば、下記一般式(1)で表されるメチロール化フェノール単量体を含有することが好ましい。
式(1)中、mは1、2又は3を表す。メチロール化フェノール単量体はmが1、2又は3である単体を用いてもよいし、これらの混合物を用いてもよい。
上記メチロール化フェノール単量体は、既知の反応を利用して合成することができる。例えば、フェノール:ホルムアルデヒド:NaOH=1:(1.9〜2.0):(0.2〜0.5)のモル比で、30℃において15時間反応させ、次に1時間かけて70℃まで昇温し70℃で30分間反応させた後、冷却し、アルカリを除去することによりメチロール化フェノール単量体混合物として得ることができる。
上記メチロール化フェノール単量体の合成条件により、未反応フェノールやフェノール類の重合体が含まれていることがあるが、微少量であれば(一般的には10モル%以下)メチロール化フェノール単量体の機能に実質的な影響を与えることはない。
上記メチロール化フェノール単量体の合成条件により、未反応フェノールやフェノール類の重合体が含まれていることがあるが、微少量であれば(一般的には10モル%以下)メチロール化フェノール単量体の機能に実質的な影響を与えることはない。
上記木質ストランドに、上記低分子フェノール系物質を含浸させて被薬剤処理ストランドを得る具体的方法は、例えば、上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液を調製し、該水溶液又は水性溶液中に上記木質ストランドを浸漬する方法等が挙げられる。
上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液は、pH3.0〜7.0程度の弱酸性乃至中性に調整した水に低分子フェノール系物質を溶解することにより調製することができる。弱酸性乃至中性とすることにより、ホルムアルデヒドは存在しても極めて少量であるので、ホルムアルデヒドによる上記低分子フェノール系物質の架橋形成反応を防止することができる。上記水溶液又は水性溶液中の低分子フェノール系物質の濃度は45重量%以下、5〜20重量%の範囲とすることが好ましい。
上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液は、pH3.0〜7.0程度の弱酸性乃至中性に調整した水に低分子フェノール系物質を溶解することにより調製することができる。弱酸性乃至中性とすることにより、ホルムアルデヒドは存在しても極めて少量であるので、ホルムアルデヒドによる上記低分子フェノール系物質の架橋形成反応を防止することができる。上記水溶液又は水性溶液中の低分子フェノール系物質の濃度は45重量%以下、5〜20重量%の範囲とすることが好ましい。
上記木質ストランドへの上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液の含浸量は、上記木質ストランドに対し、低分子フェノール系物質の固形分換算で20〜50kg/m3の範囲とすることが好ましい。
上記木質ストランドへ上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液の含浸させた後は、適宜乾燥させることが好ましい。
乾燥させる場合には、ワレが発生したり、上記低分子フェノール系物質を加熱により硬化、樹脂化させる際にむらが生じたりするのを防止するために、ゆるやかな乾燥を行うことが重要である。具体的な乾燥条件は、上記木質ストランドの形状や寸法等を考慮して設定する。一般的には風乾を行った後に、乾燥機を用いて繊維飽和点になるまで乾燥させる。上記乾燥機としては、蒸気式、除湿式、高周波式、減圧式、マイクロ波式乾燥機等が挙げられるが、蒸気式乾燥機が好適である。
乾燥させる場合には、ワレが発生したり、上記低分子フェノール系物質を加熱により硬化、樹脂化させる際にむらが生じたりするのを防止するために、ゆるやかな乾燥を行うことが重要である。具体的な乾燥条件は、上記木質ストランドの形状や寸法等を考慮して設定する。一般的には風乾を行った後に、乾燥機を用いて繊維飽和点になるまで乾燥させる。上記乾燥機としては、蒸気式、除湿式、高周波式、減圧式、マイクロ波式乾燥機等が挙げられるが、蒸気式乾燥機が好適である。
上記薬剤処理工程においては、上記木質ストランドに、更に硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩及び塩酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の無機塩系薬剤を含浸させることが好ましい。無機塩系薬剤を含浸させることにより、得られる木質系複合材料の難燃性を向上させることができる。
上記無機塩系薬剤としては、例えば、硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩、塩酸塩等が挙げられる。具体的には、硫酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリ等)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ等)、塩化アンモニウム等が好適である。これらの無機塩系薬剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記無機塩系薬剤としては、例えば、硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩、塩酸塩等が挙げられる。具体的には、硫酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アルカリ金属炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリ等)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ等)、塩化アンモニウム等が好適である。これらの無機塩系薬剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記木質ストランドに、上記無機塩系薬剤を含浸させて被薬剤処理ストランドを得る具体的方法は、例えば、上記無機塩系薬剤の水溶液又は水性溶液を調製し、該水溶液又は水性溶液中に上記木質ストランドを浸漬する方法等が挙げられる。
上記無機塩系薬剤の水溶液又は水性溶液は、上記無機塩系薬剤を水に溶解することより調製することができる。上記無機塩系薬剤の水溶液又は水性溶液中の無機塩系薬剤の濃度は50重量%以下、15〜45重量%の範囲とすることが好ましい。
上記無機塩系薬剤の水溶液又は水性溶液は、上記無機塩系薬剤を水に溶解することより調製することができる。上記無機塩系薬剤の水溶液又は水性溶液中の無機塩系薬剤の濃度は50重量%以下、15〜45重量%の範囲とすることが好ましい。
上記木質ストランドへの上記無機塩系薬剤の水溶液又は水性溶液の含浸量は、木質ストランドに対し、無機塩系薬剤の固形分換算で100〜200kg/m3の範囲とすることが好ましい。
上記木質ストランドへ上記無機塩系薬剤の水溶液又は水性溶液の含浸させた後は、適宜乾燥させることが好ましい。
上記薬剤処理工程においては、必要に応じて、上記木質ストランドに、更に防腐性金属塩を含浸させてもよい。
上記防腐性金属塩としては、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、CCA(クロム・銅・ヒ素化合物)等が挙げられる。なかでも、フッ化ナトリウムは、木材に対する浸透性に優れ、上記木質ストランド中に含浸された低分子フェノール系物質が硬化、樹脂化したときに、該樹脂に被覆された状態で細胞内腔に存在して、万一木材に小さなワレが生じた場合にでも防菌効果を発揮することができる。また、フッ化ナトリウムは、従来使用されていたCCA(クロム、銅、ヒ素)等の有害物質を含む保存剤と異なり、地球環境への影響を充分に考慮した安全性の高い薬剤である点でも好ましい。
上記防腐性金属塩は、例えば、上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液、若しくは、上記無機塩系薬剤の水溶液又は水性溶液のいずれか一方又は両方に0.001〜0.5重量%程度の濃度で配合することにより、上記木質ストランドへ含浸させることができる。
上記防腐性金属塩としては、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、CCA(クロム・銅・ヒ素化合物)等が挙げられる。なかでも、フッ化ナトリウムは、木材に対する浸透性に優れ、上記木質ストランド中に含浸された低分子フェノール系物質が硬化、樹脂化したときに、該樹脂に被覆された状態で細胞内腔に存在して、万一木材に小さなワレが生じた場合にでも防菌効果を発揮することができる。また、フッ化ナトリウムは、従来使用されていたCCA(クロム、銅、ヒ素)等の有害物質を含む保存剤と異なり、地球環境への影響を充分に考慮した安全性の高い薬剤である点でも好ましい。
上記防腐性金属塩は、例えば、上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液、若しくは、上記無機塩系薬剤の水溶液又は水性溶液のいずれか一方又は両方に0.001〜0.5重量%程度の濃度で配合することにより、上記木質ストランドへ含浸させることができる。
上記薬剤処理工程について、注薬缶を用いた具体的な態様の一例を詳述する。
本態様では、まず、上記木質ストランドを注薬缶内に搬入する。次いで、注薬缶内を減圧排気して木材内の空気を除く。減圧は600mmHg以上とし、また、木材の外周部及び木口からの上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液の浸潤をよくするために、減圧操作は一気に行うことが好ましい。次いで、上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液を注薬缶内に充満させる。次いで、注薬缶内を加圧し、上記木質ストランドの内部に上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液を含浸させる。この加圧操作は、木質ストランドの樹種、形状、寸法等を考慮して、徐々に圧力を上げてゆくようにすることが好ましい。次いで、上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液を排出する。次いで、注薬缶から上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液が含浸した木質ストランドを取り出す。以上の注薬缶を用いる各工程を、恒温室内で実施することにより、上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液の変性を防止することができる。
上記無機塩系薬剤の水溶液又は水性溶液を上記木質ストランドに含浸させる場合にも、同様の操作を行うことができる。
本態様では、まず、上記木質ストランドを注薬缶内に搬入する。次いで、注薬缶内を減圧排気して木材内の空気を除く。減圧は600mmHg以上とし、また、木材の外周部及び木口からの上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液の浸潤をよくするために、減圧操作は一気に行うことが好ましい。次いで、上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液を注薬缶内に充満させる。次いで、注薬缶内を加圧し、上記木質ストランドの内部に上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液を含浸させる。この加圧操作は、木質ストランドの樹種、形状、寸法等を考慮して、徐々に圧力を上げてゆくようにすることが好ましい。次いで、上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液を排出する。次いで、注薬缶から上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液が含浸した木質ストランドを取り出す。以上の注薬缶を用いる各工程を、恒温室内で実施することにより、上記低分子フェノール系物質の水溶液又は水性溶液の変性を防止することができる。
上記無機塩系薬剤の水溶液又は水性溶液を上記木質ストランドに含浸させる場合にも、同様の操作を行うことができる。
本発明の木質系複合材料の製造方法は、次いで、上記被薬剤処理ストランドに結合剤を付着させる結合剤付着工程を行う。
上記結合剤としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の熱硬化型樹脂や熱可塑型樹脂系の接着剤や、天然物成分又は天然物から精製、抽出、変性等によって得られた天然物由来の接着剤等の、合板やパーティクルボード等に用いられる従来公知の木材工業用接着剤が挙げられる。これらの結合剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記結合剤としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の熱硬化型樹脂や熱可塑型樹脂系の接着剤や、天然物成分又は天然物から精製、抽出、変性等によって得られた天然物由来の接着剤等の、合板やパーティクルボード等に用いられる従来公知の木材工業用接着剤が挙げられる。これらの結合剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記天然物由来の接着剤としては、具体的には例えば、ゼラチン、カゼイングルー、大豆グルー、にかわ、アルブミン等のタンパク質系接着剤や、でんぷん、デキストリン、米糊、グルコマンナンなどのデンプン系接着剤や、キチン・キトサンなどの動物系接着剤や、セルロース系接着剤、リグニン系接着剤、タンニン系接着剤等が挙げられる。
上記結合剤は、上記木質ストランドに対し1〜20重量%の範囲で付着させることが好ましい。上記結合剤の付着量が1重量%未満であると、接着が不充分となり、20重量%を超えて付着させても材料コストが嵩む割に接着性能が上がらず、かえって釘打ち性能が低下したり、外観が木質的でなくなったりする等の問題が生じる。
上記被薬剤処理ストランドに結合剤を付着させる具体的な方法は、例えば上記結合剤が液状である場合には、上記木質ストランドに噴霧する方法や、上記木質ストランドと撹拌混合して予め木質ストランドに担持させた状態でフォーミング機に供給する方法等が挙げられる。また、上記結合剤が粉末状である場合には、上記木質ストランドと攪拌混合して予め木質ストランドに担持させた状態でフォーミング機に供給する方法等が挙げられる。
本発明の木質系複合材料の製造方法は、次いで、上記結合剤を付着させた被薬剤処理ストランドを長さ方向に略揃えて配向させて積層して積層マットを形成する積層マット形成工程を行う。
このとき、上記結合剤を付着させた被薬剤処理ストランドを、長手方向に対し平均24°以下の角度で配向させる。これにより、軽量でも高強度の木質系複合材料を得ることができる。長手方向に対し平均10°以下の角度で配向させることが好ましい。
このとき、上記結合剤を付着させた被薬剤処理ストランドを、長手方向に対し平均24°以下の角度で配向させる。これにより、軽量でも高強度の木質系複合材料を得ることができる。長手方向に対し平均10°以下の角度で配向させることが好ましい。
上記積層マットを形成する方法としては、例えば、オリエンテッド・ストランド・ボード(OSB)等の既存の木質系成形材料の製造装置で用いられるディスクオリエンター等の、公知の配向手段を持つフォーミング機を用いることができる。
上記フォーミング機の形状は、得ようとする木質系複合材料によって適宜決定されるが、例えば、1000×500×20mmの板形状の木質系複合材料を得る場合は、ディスクオリエンターにより1000×500×100mm程度の積層マットを形成させることが好ましい。即ち、積層マットの縦、横の寸法は、得ようとする木質系複合材料の縦、横と同じ寸法か、或いは少し大きめで作製しておき、積層マットの厚さは、得ようとする木質系複合材料の5倍以上の厚さとすることが好ましい。
上記ディスクオリエンターを用いて木質ストランドを配向し積層する場合、得ようとする木質系複合材料の横より少し大きめの寸法にディスクを並べ仕切ればよい。分割する方向については、木質ストランドを配向させた方向と配向と直角方向では強度特性が異なるため、必要な成形品により決まる。例えば1000×500×20mmの板形状の木質系複合材料を得る場合は、幅方向にt1.0mm、φ240mmのディスクを24mmの一定間隔で配置した軸材を長さ方法に5列並べ、ディスクを回転させながら、木質ストランドをディスク上方から幅方法に均一に振り撒けばよい。振り撒かれた木質ストランドはディスクの下方に設置されたコンベア等に積層すればよい。
上記木質ストランドの長さとディスクの間隔には、高強度の木質系複合材料を得るためにより好ましい関係があり、例えば、木質ストランドの長さが20mm〜150mmである場合、ディスクの間隔を5mm〜40mmとすることが好ましく、木質ストランドの長さが40mm〜80mmである場合ディスクの間隔を10mm〜30mmとすることが好ましい。
本発明の木質系複合材料の製造方法は、次いで、上記積層マットを熱圧成形する熱圧成形工程を行う。
上記熱圧成形時の温度条件は、100〜250℃の範囲であることが好ましい。上記加熱の方法は、例えば、熱盤を用いて積層マットの表面から伝熱により内部に熱を伝える方法や、蒸気噴射や高周波加熱等のように清掃マットの内部を直接加熱する方法が挙げられる。蒸気で加熱する場合には、0.5〜2MPaの圧力で蒸気を噴射することが好ましい。蒸気の噴射圧力が0.5MPa未満でえると、積層マット中の木質ストランドが軟化せずに圧縮しにくくなることがあり、2MPaを超えると、設備が大型化しすぎて現実的ではない。
上記熱圧成形時の温度条件は、100〜250℃の範囲であることが好ましい。上記加熱の方法は、例えば、熱盤を用いて積層マットの表面から伝熱により内部に熱を伝える方法や、蒸気噴射や高周波加熱等のように清掃マットの内部を直接加熱する方法が挙げられる。蒸気で加熱する場合には、0.5〜2MPaの圧力で蒸気を噴射することが好ましい。蒸気の噴射圧力が0.5MPa未満でえると、積層マット中の木質ストランドが軟化せずに圧縮しにくくなることがあり、2MPaを超えると、設備が大型化しすぎて現実的ではない。
上記熱圧成形時の圧力条件は、1〜10MPaであることが好ましい。圧力条件が1MPa未満であると、充分に圧縮できないことがあり、10MPaを超えると、圧縮のための設備が高価になる。加圧の方法としては、プレス機による機械的加圧で圧縮することより加圧する方法が挙げられる。上記プレス機としては、既存の木質系材料成形用の縦型プレス機や連続プレス機を垂直方向動作にしたものを用いることができる。
上記熱圧成形における加熱と加圧とは、同時に行ってもよいし、加圧をした後に加熱をしてもよいし、加熱した後に加圧してもよい。なかでも、蒸気により加熱しつつ加圧する方法が好適である。
上記熱圧成形の時間は、結合剤が硬化する時間であればよく、結合剤が硬化するまでの時間、加熱と圧力とを加えればよい。
上記熱圧成形の時間は、結合剤が硬化する時間であればよく、結合剤が硬化するまでの時間、加熱と圧力とを加えればよい。
本発明の木質系複合材料の製造方法は、熱圧成形工程に、木質系複合材料の寸法精度や表面性を向上させるために、更に切削工程やサンディング加工を行ってもよい。
本発明の木質系複合材料の製造方法により製造された木質系複合材料もまた、本発明の1つである。
本発明の木質系複合材料は、上記薬剤処理工程において上記木質ストランドを構成する木材細胞の微細な空隙にまで低分子フェノール系物質を浸透させ、その後該低分子フェノール系物質が硬化、樹脂化をさせたことにより細胞壁が膨張した状態で固定されている。このようなバルキング効果のため、本発明の木質系複合材料は、吸水や吸湿により膨張することなく、極めて高い寸法安定性を発揮することができる。更に、寸法変化が抑制されることによりワレの発生を最小限にとどめることができ、樹脂化したフェノール系物質が細胞壁を被覆するために腐朽菌による木材成分の分解も防止することができる。
なお、本発明の木質系複合材料中に硬化、樹脂化した低分子フェノール系物質が浸透、存在していることは、当該複合材料の一部をスライスし、ゼフリー試薬でリグニン部を除き、その後、72%硫酸でセルロース部およびヘミセルロース部を加水分解したものの残存物をIRスペクトルで分析することにより確認することができる。更に、塩化鉄を塗布しても青色が認められないことからも樹脂化していることを確認できる。
なお、本発明の木質系複合材料中に硬化、樹脂化した低分子フェノール系物質が浸透、存在していることは、当該複合材料の一部をスライスし、ゼフリー試薬でリグニン部を除き、その後、72%硫酸でセルロース部およびヘミセルロース部を加水分解したものの残存物をIRスペクトルで分析することにより確認することができる。更に、塩化鉄を塗布しても青色が認められないことからも樹脂化していることを確認できる。
本発明の木質系複合材料は、特定の形状を有する木質ストランドを原料として採用し、該木質ストランドに特定の範囲に配向させた積層マットとして熱圧成形したものであることにより、軽量でも高強度を発揮することができる。
本発明の木質系複合材料は、密度が0.75g/cm3以下であり、かつ、曲げ強さが20MPa以上であることが好ましい。
本発明の木質系複合材料は、密度が0.75g/cm3以下であり、かつ、曲げ強さが20MPa以上であることが好ましい。
本発明の木質系複合材料は、コーンカロリーメーターによる発熱性試験において、難燃レベル以上であることが好ましく、準不燃レベル以上であることがより好ましい。
難燃レベル及び準不燃レベルに合格するためには、コーンカロリーメーターによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)において、以下の3つに基準をそれぞれ必要な時間(難燃レベルでは5分間、準不燃レベルでは10分間)にわたってクリアすることが必要である。
(1)総発熱量が8MJ/m2以下であること。
(2)200KW/m2を超える発熱速度が10秒以上継続しないこと。
(3)防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと。
難燃レベル及び準不燃レベルに合格するためには、コーンカロリーメーターによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)において、以下の3つに基準をそれぞれ必要な時間(難燃レベルでは5分間、準不燃レベルでは10分間)にわたってクリアすることが必要である。
(1)総発熱量が8MJ/m2以下であること。
(2)200KW/m2を超える発熱速度が10秒以上継続しないこと。
(3)防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと。
本発明の木質系複合材料は、例えば、構造材(柱、梁、土台等)、準構造材(間柱(壁芯材)、根太、胴縁、大引、垂木、野縁等)、造作材(建具、階段、枠材、天井、棚板等)、造作芯材(上記の芯材)、(表)面材(床材、壁材、天井材等)等の種々の用途に好適に用いることができる。
本発明によれば、吸水による膨張率が低減され良好な寸法安定性を有し、かつ、軽量でも高強度の木質系複合材料を得ることができる木質系複合材料の製造方法、及び、該木質系複合材料の製造方法により製造された木質系複合材料を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)木質ストランドの調製
原材料としてスギ小径木を用い、これをフレーキングミルにて切削して、図1に示される厚さ−長さ分布を有する木質ストランドを調製した。得られた木質ストランドを、加熱オーブン中に105℃で24時間放置して、含水率5%以下に調整した。
(1)木質ストランドの調製
原材料としてスギ小径木を用い、これをフレーキングミルにて切削して、図1に示される厚さ−長さ分布を有する木質ストランドを調製した。得られた木質ストランドを、加熱オーブン中に105℃で24時間放置して、含水率5%以下に調整した。
(2)薬剤処理工程(低分子フェノール系物質の含浸)
得られた木質ストランドを、外径20cm、長さ1mのステンレス製注薬缶内に投入し、注薬缶内を減圧排気して木質ストランド内の空気を除いた後、下記に示した組成の低分子フェノール系物質の10重量%水溶液を注薬缶内に充満させた。注薬缶内を加圧し、木質ストランド内部に低分子フェノール系物質の10重量%水溶液を注入することにより、処理剤溶液を固形分換算で約40kg/m3の含浸量で含浸させることができた。
上記減圧排気操作は650mHgの減圧下で10分間行い、加圧操作は、0から2kgf/cm2昇圧に1分かけ、2kgf/cm2で9分間保持し、2〜6kgf/cm2昇圧に1分かけ、6kgf/cm2で9分間保持し、6〜10kgf/cm2昇圧に1分かけ、10kgf/cm2で9分間保持することにより合計30分間かけて実施した。
得られた木質ストランドを、外径20cm、長さ1mのステンレス製注薬缶内に投入し、注薬缶内を減圧排気して木質ストランド内の空気を除いた後、下記に示した組成の低分子フェノール系物質の10重量%水溶液を注薬缶内に充満させた。注薬缶内を加圧し、木質ストランド内部に低分子フェノール系物質の10重量%水溶液を注入することにより、処理剤溶液を固形分換算で約40kg/m3の含浸量で含浸させることができた。
上記減圧排気操作は650mHgの減圧下で10分間行い、加圧操作は、0から2kgf/cm2昇圧に1分かけ、2kgf/cm2で9分間保持し、2〜6kgf/cm2昇圧に1分かけ、6kgf/cm2で9分間保持し、6〜10kgf/cm2昇圧に1分かけ、10kgf/cm2で9分間保持することにより合計30分間かけて実施した。
(処理剤組成)
未反応フェノール 5〜7.8モル%
モノメチロールフェノール 23〜25モル%
ジメチロールフェノール 32〜35モル%
トリメチロールフェノール 32〜37モル%
重合体(フェノール換算) 0〜1.5モル%
未反応フェノール 5〜7.8モル%
モノメチロールフェノール 23〜25モル%
ジメチロールフェノール 32〜35モル%
トリメチロールフェノール 32〜37モル%
重合体(フェノール換算) 0〜1.5モル%
得られた低分子フェノール系物質含浸木質ストランドを24時間風乾した後、蒸気式乾燥機により2日間乾燥を行うことにより、ワレの生じていない含水率約40%の低分子フェノール系物質含浸木質ストランドを得た。
蒸気式乾燥機による乾燥操作は、0〜12時間において乾球温度30℃(乾湿球温度差3℃)、12〜30時間において乾球温度45℃(乾湿球温度差7℃)、および30〜48時間において乾球温度60℃(乾湿球温度差10℃)になるように行った。
乾燥後の木質ストランドを熱風乾燥機により105℃で24時間処理した。
蒸気式乾燥機による乾燥操作は、0〜12時間において乾球温度30℃(乾湿球温度差3℃)、12〜30時間において乾球温度45℃(乾湿球温度差7℃)、および30〜48時間において乾球温度60℃(乾湿球温度差10℃)になるように行った。
乾燥後の木質ストランドを熱風乾燥機により105℃で24時間処理した。
(3)薬剤処理工程(硫酸アンモニウム系物質の含浸)
得られた低分子フェノール系物質含浸木質ストランドに硫酸アンモニウム系物質を、以下の方法により含浸させた。
低分子フェノール系物質含浸木質ストランドを外径20cm、長さ1mのステンレス製注薬缶内に投入し、注薬缶内を減圧排気して低分子フェノール系物質含浸木質ストランド内の空気を除いたのち、下記に示す組成の硫酸アンモニウム系物質の30重量%水溶液を注薬缶内に充満させた。注薬缶内を加圧し、低分子フェノール系物質含浸木質ストランド内部に硫酸アンモニウム系物質溶液を注入することにより、硫酸アンモニウム系物質を固形分換算で約180kg/m3の含浸量で含浸させることができた。
上記減圧排気操作は650mHgの減圧下で10分間行い、加圧操作は、0から2kgf/cm2昇圧に1分かけ、2kgf/cm2で9分間保持し、2〜6kgf/cm2昇圧に1分かけ、6kgf/cm2で9分間保持し、6〜10kgf/cm2昇圧に1分かけ、10kgf/cm2で9分間保持することにより合計30分間かけて実施した。
得られた低分子フェノール系物質含浸木質ストランドに硫酸アンモニウム系物質を、以下の方法により含浸させた。
低分子フェノール系物質含浸木質ストランドを外径20cm、長さ1mのステンレス製注薬缶内に投入し、注薬缶内を減圧排気して低分子フェノール系物質含浸木質ストランド内の空気を除いたのち、下記に示す組成の硫酸アンモニウム系物質の30重量%水溶液を注薬缶内に充満させた。注薬缶内を加圧し、低分子フェノール系物質含浸木質ストランド内部に硫酸アンモニウム系物質溶液を注入することにより、硫酸アンモニウム系物質を固形分換算で約180kg/m3の含浸量で含浸させることができた。
上記減圧排気操作は650mHgの減圧下で10分間行い、加圧操作は、0から2kgf/cm2昇圧に1分かけ、2kgf/cm2で9分間保持し、2〜6kgf/cm2昇圧に1分かけ、6kgf/cm2で9分間保持し、6〜10kgf/cm2昇圧に1分かけ、10kgf/cm2で9分間保持することにより合計30分間かけて実施した。
(処理剤組成)
硫酸アンモニウム 55質量%
りん酸アンモニウム 31質量%
炭酸カリウム 7質量%
重炭酸ナトリウム 7重量%
硫酸アンモニウム 55質量%
りん酸アンモニウム 31質量%
炭酸カリウム 7質量%
重炭酸ナトリウム 7重量%
得られた低分子フェノール系物質と硫酸アンモニウム系物質とが含浸した被薬剤処理木質ストランドを24時間風乾した後、蒸気式乾燥機により2日間乾燥を行うことにより、ワレの生じていない含水率約40%の被薬剤処理木質ストランドを得た。
蒸気式乾燥機による乾燥操作は、0〜12時間において乾球温度30℃(乾湿球温度差3℃)、12〜30時間において乾球温度45℃(乾湿球温度差7℃)、および30〜48時間において乾球温度60℃(乾湿球温度差10℃)になるように行った。
乾燥後の木質ストランドを熱風乾燥機により105℃で24時間処理した。
蒸気式乾燥機による乾燥操作は、0〜12時間において乾球温度30℃(乾湿球温度差3℃)、12〜30時間において乾球温度45℃(乾湿球温度差7℃)、および30〜48時間において乾球温度60℃(乾湿球温度差10℃)になるように行った。
乾燥後の木質ストランドを熱風乾燥機により105℃で24時間処理した。
(4)結合剤付着工程
得られた被薬剤処理木質ストランドをドラムブレンダーに投入し、結合剤としてイソシアネート系接着剤を、乾燥木質ストランドに対して7重量%の割合となるようにブレンダー内に噴霧し、被薬剤処理木質ストランドの表面に付着させた。
得られた被薬剤処理木質ストランドをドラムブレンダーに投入し、結合剤としてイソシアネート系接着剤を、乾燥木質ストランドに対して7重量%の割合となるようにブレンダー内に噴霧し、被薬剤処理木質ストランドの表面に付着させた。
(5)積層マット形成工程
結合剤が付着した被薬剤処理木質ストランドを、配向装置を用いて、配向及び積層を行った。配向装置の配向金型は、厚さ1mmの鋼板を、間隔方向が木質ストランドの搬送方向と平行となるように、24mm間隔に並列に立設し、全体を縦500mm、横500mm、高さ50mmとなるように配置したものである。配向金型下面とストランドマット上面の間隔を約2〜4cmに保ちながら、配向金型の上から上記木質ストランドを投入して、コール板上に、厚さ100mmの配向された積層マットを得た。このとき、結合剤が付着した被薬剤処理木質ストランドの長手方向の水平角度のブレが24°以下となるようにした。
結合剤が付着した被薬剤処理木質ストランドを、配向装置を用いて、配向及び積層を行った。配向装置の配向金型は、厚さ1mmの鋼板を、間隔方向が木質ストランドの搬送方向と平行となるように、24mm間隔に並列に立設し、全体を縦500mm、横500mm、高さ50mmとなるように配置したものである。配向金型下面とストランドマット上面の間隔を約2〜4cmに保ちながら、配向金型の上から上記木質ストランドを投入して、コール板上に、厚さ100mmの配向された積層マットを得た。このとき、結合剤が付着した被薬剤処理木質ストランドの長手方向の水平角度のブレが24°以下となるようにした。
(6)熱圧成形工程
積層マットを載せたコール板を、プレス成形装置(ジンペルカンプ社製、100トンプレス成形装置、伝熱加熱タイプ)の下側加圧熱盤の上面の所定位置に配置し、上側加圧熱盤を積層木質ストランドマット上面に接触させ更に加圧して積層マットを圧縮した。なお、下側加圧熱盤の平面寸法は、縦600mm、横600mm、高さ400mmであった。
更に、上下の加圧熱盤の温度をそれぞれ200℃、加圧圧力を3.0MPaとして加熱、加圧を400秒保持し、熱圧成形した。
次いで、上側加圧熱盤を上方に移動して、木質系複合材料を得た。
積層マットを載せたコール板を、プレス成形装置(ジンペルカンプ社製、100トンプレス成形装置、伝熱加熱タイプ)の下側加圧熱盤の上面の所定位置に配置し、上側加圧熱盤を積層木質ストランドマット上面に接触させ更に加圧して積層マットを圧縮した。なお、下側加圧熱盤の平面寸法は、縦600mm、横600mm、高さ400mmであった。
更に、上下の加圧熱盤の温度をそれぞれ200℃、加圧圧力を3.0MPaとして加熱、加圧を400秒保持し、熱圧成形した。
次いで、上側加圧熱盤を上方に移動して、木質系複合材料を得た。
(実施例2)
硫酸アンモニウム系物質を木質ストランドに含浸させなかった以外は、実施例1と同様にして木質系複合材料を得た。
硫酸アンモニウム系物質を木質ストランドに含浸させなかった以外は、実施例1と同様にして木質系複合材料を得た。
(比較例1)
(1)木質チップ
森林組合から購入した、スギを原材料とする木質チップを材料として用いた。
(1)木質チップ
森林組合から購入した、スギを原材料とする木質チップを材料として用いた。
(2)薬剤処理工程(低分子フェノール系物質の含浸)
木質チップを、外径20cm、長さ1mのステンレス製注薬缶内に投入し、注薬缶内を減圧排気して木質ストランド内の空気を除いた後、下記に示した組成の低分子フェノール系物質の10重量%水溶液を注薬缶内に充満させた。注薬缶内を加圧し、木質チップ内部に低分子フェノール系物質の10重量%水溶液を注入することにより、処理剤溶液を固形分換算で約40kg/m3の含浸量で含浸させることができた。
上記減圧排気操作は650mHgの減圧下で10分間行い、加圧操作は、0から2kgf/cm2昇圧に1分かけ、2kgf/cm2で9分間保持し、2〜6kgf/cm2昇圧に1分かけ、6kgf/cm2で9分間保持し、6〜10kgf/cm2昇圧に1分かけ、10kgf/cm2で9分間保持することにより合計30分間かけて実施した。
木質チップを、外径20cm、長さ1mのステンレス製注薬缶内に投入し、注薬缶内を減圧排気して木質ストランド内の空気を除いた後、下記に示した組成の低分子フェノール系物質の10重量%水溶液を注薬缶内に充満させた。注薬缶内を加圧し、木質チップ内部に低分子フェノール系物質の10重量%水溶液を注入することにより、処理剤溶液を固形分換算で約40kg/m3の含浸量で含浸させることができた。
上記減圧排気操作は650mHgの減圧下で10分間行い、加圧操作は、0から2kgf/cm2昇圧に1分かけ、2kgf/cm2で9分間保持し、2〜6kgf/cm2昇圧に1分かけ、6kgf/cm2で9分間保持し、6〜10kgf/cm2昇圧に1分かけ、10kgf/cm2で9分間保持することにより合計30分間かけて実施した。
(処理剤組成)
未反応フェノール 5〜7.8モル%
モノメチロールフェノール 23〜25モル%
ジメチロールフェノール 32〜35モル%
トリメチロールフェノール 32〜37モル%
重合体(フェノール換算) 0〜1.5モル%
未反応フェノール 5〜7.8モル%
モノメチロールフェノール 23〜25モル%
ジメチロールフェノール 32〜35モル%
トリメチロールフェノール 32〜37モル%
重合体(フェノール換算) 0〜1.5モル%
得られた低分子フェノール系物質含浸木質チップを24時間風乾した後、蒸気式乾燥機により2日間乾燥を行うことにより、ワレの生じていない含水率約40%の低分子フェノール系物質含浸木質チップを得た。
蒸気式乾燥機による乾燥操作は、0〜12時間において乾球温度30℃(乾湿球温度差3℃)、12〜30時間において乾球温度45℃(乾湿球温度差7℃)、および30〜48時間において乾球温度60℃(乾湿球温度差10℃)になるように行った。
乾燥後の木質チップを熱風乾燥機により105℃で24時間処理した。
蒸気式乾燥機による乾燥操作は、0〜12時間において乾球温度30℃(乾湿球温度差3℃)、12〜30時間において乾球温度45℃(乾湿球温度差7℃)、および30〜48時間において乾球温度60℃(乾湿球温度差10℃)になるように行った。
乾燥後の木質チップを熱風乾燥機により105℃で24時間処理した。
(3)薬剤処理工程(硫酸アンモニウム系物質の含浸)
得られた低分子フェノール系物質含浸木質チップに硫酸アンモニウム系物質を、以下の方法により含浸させた。
低分子フェノール系物質含浸木質チップを外径20cm、長さ1mのステンレス製注薬缶内に投入し、注薬缶内を減圧排気して低分子フェノール系物質含浸木質チップ内の空気を除いたのち、下記に示す組成の硫酸アンモニウム系物質の30重量%水溶液を注薬缶内に充満させた。注薬缶内を加圧し、低分子フェノール系物質含浸木質チップ内部に硫酸アンモニウム系物質溶液を注入することにより、硫酸アンモニウム系物質を固形分換算で約180kg/m3の含浸量で含浸させることができた。
上記減圧排気操作は650mHgの減圧下で10分間行い、加圧操作は、0から2kgf/cm2昇圧に1分かけ、2kgf/cm2で9分間保持し、2〜6kgf/cm2昇圧に1分かけ、6kgf/cm2で9分間保持し、6〜10kgf/cm2昇圧に1分かけ、10kgf/cm2で9分間保持することにより合計30分間かけて実施した。
得られた低分子フェノール系物質含浸木質チップに硫酸アンモニウム系物質を、以下の方法により含浸させた。
低分子フェノール系物質含浸木質チップを外径20cm、長さ1mのステンレス製注薬缶内に投入し、注薬缶内を減圧排気して低分子フェノール系物質含浸木質チップ内の空気を除いたのち、下記に示す組成の硫酸アンモニウム系物質の30重量%水溶液を注薬缶内に充満させた。注薬缶内を加圧し、低分子フェノール系物質含浸木質チップ内部に硫酸アンモニウム系物質溶液を注入することにより、硫酸アンモニウム系物質を固形分換算で約180kg/m3の含浸量で含浸させることができた。
上記減圧排気操作は650mHgの減圧下で10分間行い、加圧操作は、0から2kgf/cm2昇圧に1分かけ、2kgf/cm2で9分間保持し、2〜6kgf/cm2昇圧に1分かけ、6kgf/cm2で9分間保持し、6〜10kgf/cm2昇圧に1分かけ、10kgf/cm2で9分間保持することにより合計30分間かけて実施した。
(処理剤組成)
硫酸アンモニウム 55質量%
りん酸アンモニウム 31質量%
炭酸カリウム 7質量%
重炭酸ナトリウム 7重量%
硫酸アンモニウム 55質量%
りん酸アンモニウム 31質量%
炭酸カリウム 7質量%
重炭酸ナトリウム 7重量%
得られた低分子フェノール系物質と硫酸アンモニウム系物質とが含浸した被薬剤処理木質ストランドを24時間風乾した後、蒸気式乾燥機により2日間乾燥を行うことにより、ワレの生じていない含水率約40%の被薬剤処理木質チップを得た。
蒸気式乾燥機による乾燥操作は、0〜12時間において乾球温度30℃(乾湿球温度差3℃)、12〜30時間において乾球温度45℃(乾湿球温度差7℃)、および30〜48時間において乾球温度60℃(乾湿球温度差10℃)になるように行った。
乾燥後の木質ストランドを熱風乾燥機により105℃で24時間処理した。
蒸気式乾燥機による乾燥操作は、0〜12時間において乾球温度30℃(乾湿球温度差3℃)、12〜30時間において乾球温度45℃(乾湿球温度差7℃)、および30〜48時間において乾球温度60℃(乾湿球温度差10℃)になるように行った。
乾燥後の木質ストランドを熱風乾燥機により105℃で24時間処理した。
(4)結合剤付着工程
得られた被薬剤処理木質チップを、ダイナゲージスクリーン式分級機(ウノサワ社製)を用いて、厚さ1〜5.5mmの材片を採取した。次に、上記分級された被薬剤処理木質チップをドラムブレンダーに投入し、結合剤としてイソシアネート系接着剤を、被薬剤処理木質チップに対して7重量%の割合となるようにブレンダー内に噴霧し、被薬剤処理木質チップ表面に塗布した。
得られた被薬剤処理木質チップを、ダイナゲージスクリーン式分級機(ウノサワ社製)を用いて、厚さ1〜5.5mmの材片を採取した。次に、上記分級された被薬剤処理木質チップをドラムブレンダーに投入し、結合剤としてイソシアネート系接着剤を、被薬剤処理木質チップに対して7重量%の割合となるようにブレンダー内に噴霧し、被薬剤処理木質チップ表面に塗布した。
(5)積層マット形成工程
結合剤が付着した被薬剤処理木質チップを、配向装置を用いて、配向及び積層を行った。配向装置の配向金型は、厚さ1mmの鋼板を、間隔方向が木質チップの搬送方向と平行となるように、24mm間隔に並列に立設し、全体を縦500mm、横500mm、高さ160mmとなるように配置したものである。この上から木質チップを投入して、コール板上に、厚さ160mmの配向された積層マットを得た。
結合剤が付着した被薬剤処理木質チップを、配向装置を用いて、配向及び積層を行った。配向装置の配向金型は、厚さ1mmの鋼板を、間隔方向が木質チップの搬送方向と平行となるように、24mm間隔に並列に立設し、全体を縦500mm、横500mm、高さ160mmとなるように配置したものである。この上から木質チップを投入して、コール板上に、厚さ160mmの配向された積層マットを得た。
(6)熱圧成形工程
積層マットを載せたコール板を、プレス成形装置(ジンペルカンプ社製、100トンプレス成形装置、蒸気加熱タイプ)の下側加圧熱盤の上面の所定位置に配置し、上側加圧熱盤を積層木質マット上面に接触させ更に加圧して積層木質マットを圧縮した。下側加圧熱盤の平面寸法は、縦600mm、横600mm、高さ400mmである。
更に、加熱水蒸気を、上下の加圧熱盤の温度をそれぞれ180℃、加圧圧力を3.0MPaとして加熱、加圧しながら、0.9MPa×180℃の水蒸気を供給して温度を維持し、加圧圧力を1分間継続して保持し、熱圧成形した。
次いで、加圧熱盤を冷却後、上側加圧熱盤を上方に移動して、木質系複合材料を得た。
積層マットを載せたコール板を、プレス成形装置(ジンペルカンプ社製、100トンプレス成形装置、蒸気加熱タイプ)の下側加圧熱盤の上面の所定位置に配置し、上側加圧熱盤を積層木質マット上面に接触させ更に加圧して積層木質マットを圧縮した。下側加圧熱盤の平面寸法は、縦600mm、横600mm、高さ400mmである。
更に、加熱水蒸気を、上下の加圧熱盤の温度をそれぞれ180℃、加圧圧力を3.0MPaとして加熱、加圧しながら、0.9MPa×180℃の水蒸気を供給して温度を維持し、加圧圧力を1分間継続して保持し、熱圧成形した。
次いで、加圧熱盤を冷却後、上側加圧熱盤を上方に移動して、木質系複合材料を得た。
(比較例2)
原材料としてスギ小径木を用い、これをナイフリングフレーカーにて切削して、図2に示される厚さ−長さ分布を有する木質ストランドを調製した。
得られた木質ストランドを用いた以外は、実施例1と同様にして木質系複合材料を得た。
原材料としてスギ小径木を用い、これをナイフリングフレーカーにて切削して、図2に示される厚さ−長さ分布を有する木質ストランドを調製した。
得られた木質ストランドを用いた以外は、実施例1と同様にして木質系複合材料を得た。
(評価)
実施例及び比較例で製造した木質系複合材料について以下の評価を行った。なお、各評価はJIS A 5908に準じて行った。試験は各々3又は4検体について行い、その平均値を算出した。
結果を表1、2に示した。
実施例及び比較例で製造した木質系複合材料について以下の評価を行った。なお、各評価はJIS A 5908に準じて行った。試験は各々3又は4検体について行い、その平均値を算出した。
結果を表1、2に示した。
(1)密度の測定
寸法50mm×350mmの試験片の長さ、幅、厚さ及び重量を測定し、密度を算出した。
寸法50mm×350mmの試験片の長さ、幅、厚さ及び重量を測定し、密度を算出した。
(2)曲げ強さの測定
寸法50mm×350mmの試験片の中央1点荷重にて、スパン270mm、荷重速度10mm/minで荷重を加えたときの最大荷重、比例域における荷重−ひずみを測定し、曲げ強さ、曲げ弾性係数を算出した。
寸法50mm×350mmの試験片の中央1点荷重にて、スパン270mm、荷重速度10mm/minで荷重を加えたときの最大荷重、比例域における荷重−ひずみを測定し、曲げ強さ、曲げ弾性係数を算出した。
(3)吸水厚さ膨張率の測定
寸法50mm×50mmの試験片の中央部の厚さをノギスにて測定し、これを20±1℃の水中に24時間浸した後の厚さを測定し、膨張した厚さの割合を算出した。
寸法50mm×50mmの試験片の中央部の厚さをノギスにて測定し、これを20±1℃の水中に24時間浸した後の厚さを測定し、膨張した厚さの割合を算出した。
(4)はく離強さの測定
寸法50×50mmの試験片の両面にアルミニウムブロックを接着させ、試験片の表面に垂直に引張荷重を加え、はく離破壊時の最大荷重を測定し、はく離強さを算出した。
寸法50×50mmの試験片の両面にアルミニウムブロックを接着させ、試験片の表面に垂直に引張荷重を加え、はく離破壊時の最大荷重を測定し、はく離強さを算出した。
(5)含水率の測定
寸法50×50mmとした試験片の質量を測定し、これを103±2℃の乾燥機に入れて恒量となったときの質量を測定し、その減量を恒量となったときの質量で除したときの割合を求めた。
寸法50×50mmとした試験片の質量を測定し、これを103±2℃の乾燥機に入れて恒量となったときの質量を測定し、その減量を恒量となったときの質量で除したときの割合を求めた。
(6)コーンカロリーメーター試験
建築基準法の防火材料の試験方法(コーンカロリーメーター試験)に準じて、発熱性試験を行った。
建築基準法の防火材料の試験方法(コーンカロリーメーター試験)に準じて、発熱性試験を行った。
本発明によれば、吸水による膨張率が低減され良好な寸法安定性を有し、かつ、軽量でも高強度の木質系複合材料を得ることができる木質系複合材料の製造方法、及び、該木質系複合材料の製造方法により製造された木質系複合材料を提供することができる。
Claims (10)
- 木質ストランドに、加熱により硬化、樹脂化される低分子フェノール系物質を含浸させて被薬剤処理ストランドを得る薬剤処理工程と、
前記被薬剤処理ストランドに結合剤を付着させる結合剤付着工程と、
前記結合剤を付着させた被薬剤処理ストランドを長さ方向に略揃えて配向させて積層して積層マットを形成する積層マット形成工程と、
前記積層マットを熱圧成形する熱圧成形工程と、を有する木質系複合材料の製造方法であって、
前記薬剤処理工程に供する木質ストランドは、厚さが0.1〜1.0mm、繊維方向長さが20mm以上、平均長さ/厚さが100〜500、平均長さ/幅が5〜30であり、かつ、繊維方向長さが平均長さ±20%の範囲内にある木質ストランドが全木質ストランドの70%以上を占めるものであり、
前記積層マット形成工程において、前記結合剤を付着させた被薬剤処理ストランドを、長手方向に対し平均24°以下の角度で配向させる
ことを特徴とする木質系複合材料の製造方法。 - 薬剤処理工程に供する木質ストランドの原材料の密度が0.5g/cm3以下であることを特徴とする請求項1記載の木質系複合材料の製造方法。
- 薬剤処理工程において、更に硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩及び塩酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の無機塩系薬剤を木質ストランドに含浸させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の木質系複合材料の製造方法。
- 薬剤処理工程において、更に防腐性金属塩を木質ストランドに含浸させることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の木質系複合材料の製造方法。
- 熱圧成形は、蒸気により加熱しつつ加圧する方法により行うことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の木質系複合材料の製造方法。
- 請求項1、2、3、4、5又は6記載の木質系複合材料の製造方法により製造されたものであることを特徴とする木質系複合材料。
- 密度が0.75g/cm3以下であり、かつ、曲げ強さが20MPa以上であることを特徴とする請求項7記載の木質系複合材料。
- コーンカロリーメーターによる発熱性試験において難燃レベル以上であることを特徴とする請求項7又は8記載の木質系複合材料。
- コーンカロリーメーターによる発熱性試験において準不燃レベル以上であることを特徴とする請求項7又は8記載の木質系複合材料。
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JP2012096758A JP2013223954A (ja) | 2012-04-20 | 2012-04-20 | 木質系複合材料の製造方法及び木質系複合材料 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN103770168A (zh) * | 2014-01-21 | 2014-05-07 | 湖南桃花江实业有限公司 | 一种防腐重组复合竹材及其制造方法 |
CN114589774A (zh) * | 2022-02-28 | 2022-06-07 | 浙江农林大学 | 一种相变储能刨花板的制备方法 |
-
2012
- 2012-04-20 JP JP2012096758A patent/JP2013223954A/ja active Pending
Cited By (3)
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