以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、半導体製造装置等において液体の流量を調整する流量調整装置として具体化している。
図1は、流量調整装置10を示す部分断面図である。
この流量調整装置10(流体制御装置)は、バルブ本体20と、第1シリンダ30と、第2シリンダ50と、モータ110と、ハウジング120とを備えている。
バルブ本体20には、流体(液体)の流入する流入ポート25と、液体の流出する流出ポート26とが設けられている。バルブ本体20は、耐薬品性を有するフッ素樹脂、例えばPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)で形成されている。バルブ本体20の内部には、流入ポート25に接続された流路21と、流出ポート26に接続された流路23と、これら流路21,23を接続する弁室22とが設けられている。弁室22は、円柱状の空間として形成されており、バルブ本体20の一面(上面)に開口している。そして、流入ポート25から所定圧力の液体が流入される。
バルブ本体20において弁室22の開口する一面(上面)には、第1シリンダ30が固定されている。第1シリンダ30は、汎用性の樹脂、例えばPP(Poly Propylene)で形成されている。第1シリンダ30の内部には、円柱状の第1収容部31が形成されている。第1収容部31は、第1シリンダ30を貫通しており、上記弁室22の中心軸線と第1シリンダ30の中心軸線とは一致している。第1収容部31は弁室22と連通している。
第1シリンダ30においてバルブ本体20と反対側の一面(上面)には、第2シリンダ50が固定されている。第2シリンダ50は、汎用性の樹脂、例えばPP(Poly Propylene)で形成されている。第2シリンダ50の内部には、円柱状の第2収容部54と円柱状の第3収容部55とが形成されている。第2収容部54と第3収容部55とは、互いに連通しており、それらの中心軸線は上記第1収容部31の中心軸線と一致している。第2収容部54は第2シリンダ50の一面(下面)に開口しており、第3収容部55は第2シリンダ50の反対側の一面(上面)に開口している。第2収容部54は、上記第1シリンダ30の第1収容部31と連通している。第2収容部54の径は、第1収容部31の径よりも大きくされている。このため、第1収容部31と第2収容部54との間には段差が形成されている。
第2収容部54と第3収容部55との間には、それらの内壁が内側へ張り出すことにより、円環状の張出部51が設けられている。すなわち、この張出部51が、第2収容部54と第3収容部55との境界になっている。
第2シリンダ50において第3収容部55の開口する一面(上面)には、取付け部113を介してステッピングモータ110(モータ)が固定されている。モータ110は、駆動回路112を備えており、駆動回路112にはコントローラ(図示略)からの信号線132が接続されている。そして、コントローラから駆動回路112へ駆動制御信号(パルス信号)が入力され、モータ110の駆動軸111の回転位置がステップ数に相当する駆動制御信号により制御される。また、第2シリンダ50の外周には、フォトセンサ74が設けられており、フォトセンサ74にはコントローラからの信号線131が接続されている。第1シリンダ30においてバルブ本体20と反対側の一面(上面)には、ハウジング120が固定されている。このハウジング120によって、第2シリンダ50,モータ110,フォトセンサ74が覆われている。
図2は、図1の部分拡大図である。
同図に示すように、第1収容部31と第2収容部54とに渡って、円柱状のロッド60が収容されている。ロッド60は、耐薬品性を有するフッ素樹脂、例えばPVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride)で形成されている。ロッド60において上記バルブ本体20
側の端部には、円柱状の弁体41が連結されている。弁体41の外周縁には、ダイアフラム42が設けられている。ダイアフラム42の外周縁には、円環状の支持部43が設けられている。そして、支持部43が、バルブ本体20と第1シリンダ30とに挟まれて固定されている。ダイアフラム42によって、弁室22と第1収容部31とが区画されており、弁室22内の液体が第1収容部31へ流入することが防止されている。
弁体41は、他の部分よりも径の大きい拡径部41aを備えている。バルブ本体20において流路21と弁室22との接続部には、環状の弁座部24が設けられている。そして、弁座部24に対向するように弁体41の拡径部41aが配置されている。弁座部24の壁面と拡径部41aの壁面とは平行になっており、これら壁面間の距離は均一になっている。
ロッド60(移動部材)は、第1収容部31に収容された第1ロッド部61と、第2収容部54に収容された第2ロッド部62とを備えている。第2ロッド部62の径は、第1ロッド部61の径よりも大きくなっている。すなわち、第1ロッド部61,第2ロッド部62は、それぞれ第1収容部31,第2収容部54に応じた寸法となっている。ロッド60の中心軸線と上記弁体41の中心軸線とは一致している。
第1ロッド部61の外周面には、円環状の溝部65が設けられている。溝部65には、円環状のシール部材77が嵌合されており、シール部材77によって第1シリンダ30の内周面と第1ロッド部61の外周面との間がシールされている。第1ロッド部61は、第1収容部31の内周面により案内されて、その軸線方向に摺動する。このとき、第2ロッド部62は、第2収容部54内でその軸線方向に移動する。
第2収容部54の内壁の一部には、第2収容部54の軸線方向に延びる溝52が設けられている。この溝52は、張出部51付近から第1シリンダ30側の端部まで延びている。ロッド60の第2ロッド部62の外周縁には、外径方向へ延びるピン72が設けられている。このピン72の先端が溝52に挿入されており、第2ロッド部62は、その軸線方向に移動可能であるとともに、その軸線を中心とする回転が規制されている。
第2シリンダ50において溝52と対向する部分には、第2シリンダ50を径方向に貫通するセンサ挿入口53が設けられている。そして、上記フォトセンサ74の先端に設けられた検出部74aが、センサ挿入口53から第2シリンダ50の内部に挿入されている。ロッド60の第2ロッド部62の外周縁には、外径方向へ延びるピン73が設けられている。このピン73の先端が、検出部74aの発光部と受光部との間に挿入されており、発光部から照射された光がピン73によって遮られることにより、弁体41の全開位置が検出される。なお、図1,2は、弁体41を最大限閉じる側へ移動させた状態を示している。
第2ロッド部62のモータ110側の端面には、円筒状の溝63が設けられている。溝63の中心軸線と、第2ロッド部62(第1ロッド部61)の中心軸線とは一致している。この溝63の内部に、溝63の径と略等しい径を有するスプリング71(弾性部材)が挿入されている。スプリング71の一端は溝63の底部に接しており、他端は張出部51に接している。スプリング71は、ロッド60と張出部51とに弾性力を作用させており、ロッド60が張出部51から離れる方向、すなわち弁体41が弁座部24に近付く方向へロッド60を移動させる。
第2ロッド部62において、第1ロッド部61よりも外径側に張り出した部分は、第1シリンダ30の上面と対向している。このため、ロッド60が張出部51から離れる方向へ移動させられると、第2ロッド部62が第1シリンダ30(第2規制部)に当たって、ロッド60の弁座部24側への移動が規制される。このとき、弁体41が弁座部24に最も近付いた状態となり、流路21の開度が最も小さくされた状態、すなわち流出ポート26から流出する液体の流量が最も少なくされた状態となる。
ここで、第2ロッド部62と第1シリンダ30との間には、ロッド60の弁座部24側への移動を規制する位置(第2規制位置)を調節するシム75が設けられている。図3(a)は第2シリンダ50の側面図であり、図3(b)はシム75の平面図である。
図3(a)に示すように、第2シリンダ50には、外部からシム75(スペーサ)を挿入することを可能とする挿入口56が設けられている。挿入口56は、第2シリンダ50の内外を貫通しており、第1シリンダ30と第2シリンダ50とが面する部分に設けられている。図3(b)に示すように、シム75は、「U」字状に形成されており、第1シリンダ30と第2ロッド部62との間に挿入される二股部75aと、円弧状の円弧部75bとを備えている。そして、円弧部75bがロッド60の第1ロッド部61に当たるまで、挿入口56からシム75が挿入される。このため、流量調整装置10を組み立てた後に挿入口56からシム75を挿入することができる。
そして、第2ロッド部62と第1シリンダ30との間に挿入するシム75の厚みを調節することにより、ロッド60の弁座部24側への移動が規制される位置を調節する。シム75としては、0.2mmや、0.1mmの厚みのものを、単数又は複数組み合わせて用いる。本実施形態では、第2ロッド部62がシム75を介して第1シリンダ30に押し付けられた状態において、弁体41の軸線方向における弁座部24と弁体41との距離(隙間)が0.2mmとなるように調節している。なお、弁座部24と弁体41との距離は、流量調整装置10の用途に応じて適宜調整すればよい。
図2に戻り、第2ロッド部62において、上記溝63で囲まれた部分は、内部に雌ねじの切られた雌ねじ部64となっている。雌ねじ部64は、円筒状に形成されており、第2ロッド部62の軸線方向に延びている。雌ねじ部64と上記スプリング71(溝63)とは、同軸状に設けられているため、ロッド60の軸線方向におけるこれらの配置スペースを小さくすることができる。
第3収容部55内に、モータ110の駆動軸111が挿入されている。駆動軸111には、第1係合部90が設けられている。第3収容部55と第2収容部54とに渡って、第1係合部90と係合する第2係合部80が収容されている。第1係合部90及び第2係合部80は、モータ110の駆動力を伝達可能な材料、例えばステンレスにより形成されている。
図4は、第1係合部90及び第2係合部80を示す分解斜視図である。
同図に示すように、第2係合部80は、雄ねじの切られた雄ねじ部82と、雄ねじ部82よりも径の大きい頭部81とを備えている。第2係合部80は、全体としてマイナスねじに類似した形状を有しており、その軸線方向に雄ねじ部82が延びている。頭部81には、径方向に延びる溝部83(凹部)が設けられている。溝部83の幅及び深さは一定となっており、溝部83の深さは頭部81の厚みと略等しくなっている。溝部83の2つの内側面80aは、互いに平行をなすとともに、頭部81の中心軸線からの距離が等しくなっている。頭部81の中心軸線と、雄ねじ部82の中心軸線とは一致している。
モータ110の駆動軸111には、第2係合部80の溝部83に挿入される第1係合部90(挿入部)が設けられている。第1係合部90は、直方体状に形成されており、その長手方向の中央部が駆動軸111に固定されている。第1係合部90は、互いに平行な外側面90aを備えている。駆動軸111の軸線方向における外側面90aの厚みは、第2係合部80の頭部81の厚みよりも薄くなっている。
第1係合部90の長手方向の長さは、第2係合部80における頭部81の直径と略等しくなっている。第1係合部90の幅は、第2係合部80の溝部83の幅よりも若干狭くなっている。そして、モータ110の駆動軸111の中心軸線と第2係合部80の中心軸線とを一致させた状態において、その中心軸線方向に沿って第1係合部90が溝部83に挿入される。これにより、第1係合部90の外側面90aと溝部83の内側面80aとが、隙間のある状態で嵌合する。
図2に戻り、第1係合部90と第2係合部80とは、駆動軸111の軸線方向に相対移動可能であるとともに、互いに回転力を伝達可能となっている。第2係合部80の雄ねじ部82は、第2ロッド部62(ロッド60)の雌ねじ部64と噛み合っている。ロッド60は、スプリング71によって弁座部24の方向へ押されている。そして、第2係合部80は、雄ねじ部82及び雌ねじ部64を介してロッド60と連結されている。このため、第2係合部80は、ロッド60により弁座部24の方向へ引っ張られている。第2係合部80が弁座部24の方向へ移動させられると、第2係合部80の頭部81が上記張出部51(第1規制部)に当たって、第2係合部80の弁座部24側への移動が規制される。
第2係合部80と張出部51との間には、第2係合部80の軸線方向に作用する力を受け止めるスラストワッシャ76が設けられている。このため、第2係合部80が雄ねじ部82を中心として回転すると、頭部81とスラストワッシャ76とが滑らかに摺動する。また、第2係合部80を弁座部24の方向へ引っ張る力が、張出部51及びスラストワッシャ76によって受け止められる。この第2係合部80の移動が規制される位置が、第1規制位置に相当する。
弁体41,ロッド60,第2係合部80,駆動軸111の各中心軸線は全て一致している。第2係合部80の雄ねじ部82とロッド60の雌ねじ部64とは、相対回転することにより駆動軸111の軸線方向に相対的にねじ送りされる。すなわち、第2係合部80が第1係合部90を介して駆動軸111により回転させられることにより、第2係合部80の頭部81とロッド60の第2ロッド部62との距離が変更される。図2は、モータ110の駆動軸111の回転位置(ステップ数)が基準位置(基準ステップ数)である状態を示している。この状態では、ロッド60の第2ロッド部62がシム75に当たるとともに、第2係合部80の頭部81がスラストワッシャ76に当たっている。そして、第1係合部90の底部と第2係合部80の溝部83の底部との間には、隙間(空間)が形成されている。
次に、図5を参照して、流量調整装置10において、弁体41により流路21の開度を大きくする動作について説明する。ステッピングモータ110の駆動軸111の駆動は、上記コントローラによって制御される。
駆動軸111を図の矢印方向へ回転させることにより、第1係合部90から第2係合部80へ回転力が伝達される。スプリング71の弾性力により第2係合部80は弁座部24の方向へ引っ張られており、その移動がスラストワッシャ76及び張出部51によって規制されている。また、ロッド60が駆動軸111の回転方向に回転することは、第2シリンダ50の溝52に挿入されたピン72により規制されている。
したがって、第2係合部80の雄ねじ部82を回転させることにより、雌ねじ部64が駆動軸111に近付く方向へねじ送りされ、第2係合部80の頭部81とロッド60の第2ロッド部62とが近付くこととなる。これにより、ロッド60が図の矢印方向へ移動させられ、それに伴って弁体41が弁座部24から離れる方向へ移動する。このため、弁座部24と弁体41との距離、すなわち流路21の開度が調節され、流路23へ流出する液体の流量が調整される。
ここで、第1係合部90と第2係合部80とは駆動軸111の軸線方向に相対移動可能となっているため、ロッド60を軸線方向にねじ送りする際に、その力の反作用が駆動軸111に対して軸線方向に作用することを抑制することができる。また、駆動軸111の回転位置は、モータ110のステップ数に基づいて精密に制御されるため、流路21の開度を精密に制御することができる。
また、ロッド60が更に移動させられて、フォトセンサ74の検出部74aによりピン73が検出された場合には、弁体41が全開位置に到達したと判断して、駆動軸111の回転を停止させる。このとき、ロッド60の第2ロッド部62と張出部51との間には、隙間が形成されている。すなわち、第2ロッド部62が張出部51に当たるまでは、ロッド60を図の矢印方向へ移動させることが可能であるが、検出部74aにより弁体41の全開位置が検出された場合には、それ以上ロッド60を移動させることを禁止する。このため、ロッド60が張出部51に当たることを防止することができ、モータ110に過大な負荷が掛かることを抑制することができる。
図6を参照して、流量調整装置10において、弁体41により流路21の開度を小さくする動作について説明する。ステッピングモータ110の駆動軸111の駆動は、上記コントローラによって制御される。
駆動軸111を図の矢印方向(図5の逆方向)へ回転させることにより、第1係合部90から第2係合部80へ回転力が伝達される。この場合には、第2係合部80の雄ねじ部82を回転させることにより、雌ねじ部64が弁座部24に近付く方向へねじ送りされ、第2係合部80の頭部81とロッド60の第2ロッド部62とが離れることとなる。これにより、ロッド60が図の矢印方向(図5の逆方向)へ移動させられ、それに伴って弁体41が弁座部24に近付く方向へ移動する。このため、弁座部24と弁体41との距離、すなわち流路21の開度が調節され、流路23へ流出する液体の流量が調整される。
そして、ロッド60の第2ロッド部62がシム75に当たり、シム75及び第1シリンダ30によりロッド60の移動が規制されると、弁体41は弁座部24に最も近付いた状態となる。この状態から更に駆動軸111を回転させると、第2係合部80の頭部81とロッド60の第2ロッド部62とが離れる方向へ相対的にねじ送りされる。ここで、第1係合部90と第2係合部80とは駆動軸111の軸線方向に相対移動可能となっており、ロッド60の弁座部24方向への移動は規制されている。このため、駆動軸111及び第2係合部80の回転により、頭部81がスラストワッシャ76及び張出部51から離れる方向、すなわち図の矢印方向へ第2係合部80が移動させられる。
したがって、ロッド60の移動が規制され、弁体41が弁座部24に最も近付いた状態となっても、第2係合部80及び駆動軸111の回転が規制されない。このため、モータ110に過大な負荷が掛かることを抑制することができ、モータ110が脱調することを抑制することができる。ここで、第1係合部90の底部と溝部83の底部との間には空間が設けられているため、ロッド60の移動が規制された状態で駆動軸111が回転させられたとしても、第2係合部80をモータ110の方向へ十分に逃がすことができる。
なお、図1に示すように、流量調整装置10からハウジング120及びモータ110を取り外すことにより、第2係合部80を露出させることができる。このため、第2係合部80を手動で容易に回転させることができ、弁体41の位置を手動で調節することが可能となる。このため、流量調整装置10のメンテナンス性を向上させることができる。
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。
・第1係合部90と第2係合部80とは、駆動軸111の軸線方向に相対移動可能となっている。このため、ロッド60の移動が規制された場合には、第2係合部80が回転させられることにより、第2係合部80の頭部81がロッド60の第2ロッド部62から離れる方向、すなわち第2係合部80の頭部81が張出部51から離れる方向へねじ送りされる。したがって、ロッド60の移動が規制された状態から更にモータ110が駆動されたとしても、モータ110に過大な負荷が掛かることを抑制することができる。その結果、モータ110が脱調することを抑制することができ、弁体41の位置調節精度が低下することを抑制することができる。また、モータ110の損傷等を抑制することができる。
さらに、第1係合部90と第2係合部80とは互いに回転力を伝達する一方、第1係合部90と第2係合部80とは駆動軸111の軸線方向に相対移動可能となっている。このため、ロッド60を軸線方向にねじ送りする力の反作用や、第2係合部80の頭部81を張出部51から離れる方向にねじ送りする力の反作用が、モータ110の駆動軸111に対して軸線方向に働くことを抑制することができる。その結果、モータ110の回転負荷が増大することを抑制することができ、モータ110の耐久性が低下することやモータ110の大型化を抑制することができる。
・ロッド60が第2規制位置よりも弁座部24側へ移動することを規制する第1シリンダ30の上面部において、シム75により第2規制位置が調節される。このため、弁体41を弁座部24に最も近づけた状態について、弁座部24と弁体41との間隔、すなわち液体の流通状態を精密に制御することができる。さらに、第1シリンダ30の上面部によりロッド60の移動が規制された状態において、弁座部24と弁体41との間に隙間が設けられているため、弁体41が弁座部24に当たることを避けることができる。その結果、弁体41が弁座部24に強く押し付けられることや、弁体41及び弁座部24からパーティクルが発生すること、弁体41や弁座部24が変形や損傷することを効果的に抑制することができる。
・ロッド60の軸線方向への移動が、第1シリンダ30及び第2シリンダ50により案内される。そして、第1シリンダ30の外部から、挿入口56を通じてシム75を挿入することができる。このため、流量調整装置10を組み立てた後に、シム75により弁座部24と弁体41との間隔を精密に調整することができる。したがって、バルブ本体20や第1シリンダ30、ロッド60等に高い寸法精度を要求する必要がなく、コストを抑制しつつ液体の制御精度を維持することができる。
・駆動軸111の軸線方向において、第1係合部90が備える直方体状の挿入部を、第2係合部80が備える溝部83に挿入することができる。そして、第1係合部90の互いに平行な外側面90aと溝部83の内側面80aとが、隙間のある状態で嵌合している。したがって、簡易な構成により、第1係合部90及び第2係合部80の機能を実現することができる。
上記実施形態に限定されず、例えば次のように実施することもできる。
・上記実施形態では、第1係合部90に挿入部を設けるとともに、第2係合部80に溝部83(凹部)を設けるようにしたが、第1係合部90に溝部(凹部)を設けるとともに、第2係合部80に挿入部を設けるようにしてもよい。
・また、第1係合部90と第2係合部80とは、モータ110の駆動軸111の軸線方向に相対移動可能であるとともに、互いに回転力を伝達可能なものであれば、それらの形状を任意に変更することができる。
・上記実施形態では、第2係合部80に雄ねじ部82を設けるとともに、ロッド60に雌ねじ部64を設けるようにしたが、第2係合部80に雌ねじ部を設けるとともに、ロッド60に雄ねじ部を設けるようにしてもよい。
・弁体41を弁座部24に最も近付けた状態において、弁体41が弁座部24に接触する構成を採用することもできる。こうした構成であっても、第2係合部80をモータ110の方向へ逃がすことにより、弁体41が弁座部24に強く押し付けられることや、モータ110に過大な負荷が掛かることを抑制することができる。
・スプリング71に限らず、ゴム材料等の弾性部材、磁石による反発力を利用する構成等を採用してもよい。
・ステッピングモータ110以外のモータ、例えばサーボモータやDCモータを採用することもできる。
・流量調整装置10に限らず、流体の圧力を調整する圧力調整装置として具体化することもできる。また、流体として、液体に限らず、気体を用いることもできる。