JP6594099B2 - 小型電動モータ弁 - Google Patents

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本発明は、小型電動モータ弁に関する。
従来、この種の小型電動モータ弁としては、下記特許文献1に記載の流量制御装置が提案されている。この流量制御装置においては、モータが、電源からの給電のもとに、一回転方向へ回転すると、当該モータは、第1係合部を介し第2係合部に回転力を伝達する。すると、第2係合部が、モータ及び第1係合部とともに上記一回転方向に回転する。
ここで、第2係合部の雄ねじ部がロッドの雌ねじ孔部内に螺合しているため、ロッドは、スプリングによる付勢力のもと、弁体を弁座部に近づけて閉弁方向に移動させ、流体の流量を減量制御する。
一方、モータが、電源からの給電のもとに、他回転方向に回転すると、当該モータは、第1係合部を介し第2係合部に回転力を伝達する。すると、第2係合部が、モータ及び第1係合部とともに上記他回転方向に回転する。このため、ロッドは、スプリングの付勢力に抗して、弁体を弁座部から離して開弁方向に移動させて、流体の流量を増量制御する。
国際公開WO2012−023342号公報
ところで、上述のように構成した流量制御装置においては、弁体を弁座部から離して開弁方向に移動させる過程、或いは弁体を弁座部に近づけて閉弁方向に移動させる過程、または、弁体の弁座部との間の距離をある値に維持する過程等において、モータが、何らかの原因に起因して電源による給電から遮断されると、当該モータの作動は、電源からの給電の遮断に基づき停止する。
このため、流量制御装置の弁体と弁座部との間の距離は、上述したモータの作動停止の際、即ち、電源からの給電遮断の際の値に維持される。換言すれば、当該流量制御装置による流体の流量が、電源からの給電遮断の際の値にそのまま維持される。
従って、例えば、当該流量制御装置が、薬液やガス等を使用する工場やプラント等内のシステムにおいて、当該薬液やガス等の流量を制御するために使用されている場合に、上述のように当該流量制御装置に対する電源の給電が遮断されると、当該流量制御装置による流体の流量制御量、即ち、薬液やガス等の流量制御量が、流量制御装置に対する電源の給電遮断の際の流量に維持されることとなる。
しかしながら、電源からの給電遮断に伴い工場やプラント等内のシステムの作動が停止しているにもかかわらず、当該流量制御装置が、薬液やガス等を、上述した電源の給電遮断の際の流量でもって上記システム内において流し続けてしまう。これでは、流し続けられる薬液やガス等が上記システム内において予期せぬ危険な状況を誘発するおそれがある。従って、このような予期せぬ危険な状態の発生を、電源からの給電遮断時に未然に防止し得る対策が要請される。
なお、以上のようなことは、流量制御装置が、例えば、開閉弁、常閉型弁や常開型弁でも同様に成立し得る。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、電源が遮断されたとき、安全な弁状態を機械的に確保し得るようにした小型電動モータ弁を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係る小型電動モータ弁は、請求項1の記載によれば、
一側収容部(40a)、中側収容部(Ba)及び他側収容部(Bb)を軸方向一側から軸方向他側にかけて同軸的に形成してなる筒状ハウジング(H)と、
当該筒状ハウジングの前記他側収容部(Bb)内に収容されて、電源からの給電に基づき、正転作動或いは逆転作動する電動モータ(M)と、
筒状ハウジングの上記中側収容部(Ba)内にて当該中側収容部と上記他側収容部(Bb)との間に設けられる一側境界壁部(21)を通して電動モータと同軸的に連結するように収容されて、電動モータの上記正転作動或いは上記逆転作動を一側軸方向直進作動或いは他側軸方向直進作動に変換する作動変換手段(C)と、
筒状ハウジングの上記一側収容部(40a)内に当該一側収容部と上記中側収容部(Ba)との間に設けられる他側境界壁部(110)を通して作動変換手段と同軸的に連結するように収容されて、当該作動変換手段による上記一側軸方向直進作動或いは上記他側軸方向直進作動への変換に伴い閉弁方向或いは開弁方向に作動する弁部(120、41)を有する弁機構(V)と、
上記中側収容部内にて作動変換手段を上記一側軸方向直進作動の方向に同軸的に付勢するように設けられるコイル状スプリング(140)とを備えるものである。
当該小型電動モータ弁において、
記他側収容部内にて電動モータの回転軸(60a)に当該電動モータの上記軸方向外側にて支持される一側端部(151)と、上記他側収容部内の静止部位に支持される他側端部(152)とを有して、上記他側端部から上記一側端部にかけて電動モータを上記正転作動の方向に付勢するように、電動モータの上記回転軸の軸周りに巻装されるゼンマイ状スプリング(150)を具備してなり、
作動変換手段は
上記中側及び他側の各収容部内に亘り収容されて電動モータの上記回転軸と同軸的に軸動可能に螺合する螺合体(80a、80b、90)と、
上記中側収容部の内周面にその軸方向中間部位にて同軸的に嵌装されるスプラインリング(100)とを備えており、
螺合体は、
スプラインリングの内周面に亘りその軸方向に沿い形成してなる複数のスプライン部(101)に軸動可能にかつ回転不能に噛合する複数の歯部(91a)を有するようにスプラインリングの内側にて同軸的に支持される板状頭部(91)と当該板状頭部の中央部から同軸的に延出されて上記他側境界壁部(110)の中央孔部を軸動可能に通り前記弁部に当該弁部の開閉可能なように連結される軸状脚部(92)との双方でもって縦断面T字状に構成してなるT字状部材(90)と、
上記板状頭部(91)の中央部から同軸的に延出されて電動モータの上記回転軸と軸動可能に螺合するロッド(80a、80b)とを備えており、
コイル状スプリングは、上記板状頭部を上記他側境界壁部(110)に向けて付勢するように上記板状頭部(91)と上記一側境界壁部(21)との間に介装されていることを特徴とする。
これによれば、ゼンマイ状スプリングが、他側収容部内にて電動モータの回転軸に当該電動モータの軸方向外側にて支持される一側端部と、他側収容部内の静止部位に支持される他側端部とを有して、他側端部から一側端部にかけて電動モータを正転作動の方向に付勢するように、電動モータの回転軸の軸周りに巻装されている。
しかして、電動モータが電源から給電されると、当該電動モータは、逆転作動し、作動変換手段が、電動モータの逆転作動を他側軸方向直進作動に変換し、弁機構が、作動変換手段による他側軸方向直進作動への変換に伴い、弁部を開弁方向に作動させる。これに伴い、小型電動弁が開弁していく。このような過程において、ゼンマイ状スプリングが、電動モータを正転作動の方向に付勢する正転方向付勢力を蓄えながら変形する。
このような状態において、電動モータに対する電源からの給電が遮断されると、弁部が開弁方向へ作動した状態及びゼンマイ状スプリングが正転方向付勢力を蓄えた状態にて、電動モータは停止する。
すると、ゼンマイ状スプリングが、その蓄えた正転方向付勢力でもって、電動モータの正転作動の初動を促す。このため、ゼンマイ状スプリングが、その蓄えた正転方向付勢力を減少するように変形させながらコイル状スプリングの付勢力と相俟って電動モータを正転作動させる。
ここで、作動変換手段は、上述した構成からなるスプラインリング、並びに上述した構成からなるT字状部材及びロッドを有する螺合体を備えている。従って、上述した電動モータの正転作動に伴い、作動変換手段が、電動モータの正転作動を、スプラインリング、T字状部材及びロッドでもって、一側軸方向直進作動に変換し、弁機構が、作動変換手段による一側軸方向直進作動への変換に伴い、弁部を閉弁方向に作動させて閉じていくことで、小型電動弁を閉弁していく。然る後、小型電動弁が全閉状態になると、このような小型電動弁の全閉状態はコイル状スプリングによりその付勢力でもって維持される。
換言すれば、上述のように電源からの供給が遮断された際には、ゼンマイ状スプリングが、電動モータの正転作動の初動を促しながらコイル状スプリングの付勢力と相俟って当該電動モータを正転作動させることで小型電動弁を閉弁していくとともに、コイル状スプリングが、その付勢力でもって、当該小型電動モータ弁を全閉状態に維持する。
これにより、例えば、小型電動モータ弁が、液体やガス等の流体を流動させる流体システムに適用されても、電源の給電遮断以降における上述の流体システムにおける流体の流動が停止され得る。その結果、電源の給電遮断以降において上述の流体システムにおける流体の流動が継続した場合に生ずる予期せぬ危険の発生が未然に防止され得る。
また、本発明に係る小型電動モータ弁は、請求項2の記載によれば、
一側収容部(40a)、中側収容部(Ba)及び他側収容部(Bb)を軸方向一側から軸方向他側にかけて同軸的に形成してなる筒状ハウジング(H)と、
当該筒状ハウジングの上記他側収容部(Bb)内に収容されて、電源からの給電に基づき、正転作動或いは逆転作動する電動モータ(M)と、
筒状ハウジングの上記中側収容部(Ba)内にて当該中側収容部と上記他側収容部との間に設けられる一側境界壁部(21)を通して電動モータと同軸的に連結するように収容されて、電動モータの上記正転作動或いは上記逆転作動を一側軸方向直進作動或いは他側軸方向直進作動に変換する作動変換手段(C)と、
筒状ハウジングの上記一側収容部(40a)内に当該一側収容部と上記中側収容部(Ba)との間に設けられる他側境界壁部(110)を通して作動変換手段と同軸的に連結するように収容されて、当該作動変換手段による上記一側軸方向直進作動或いは上記他側軸方向直進作動への変換に伴い閉弁方向或いは開弁方向に作動する弁部(120、41)を有する弁機構(V)と、
上記中側収容部内にて作動変換手段を上記他側軸方向直進作動の方向に同軸的に付勢するように設けられるコイル状スプリング(140)とを備えるものである
当該小型電動モータ弁において、
ゼンマイ状スプリングが、上記他側収容部内にて電動モータの回転軸(60a)に当該電動モータの上記軸方向外側にて支持される一側端部(151)と、上記他側収容部内の静止部位に支持される他側端部(152)とを有して、上記他側端部から上記一側端部にかけて電動モータを上記逆転作動の方向に付勢するように、電動モータの上記回転軸の軸周りに巻装されており、
作動変換手段は、
上記中側及び他側の各収容部内に亘り収容されて電動モータの上記回転軸と同軸的に軸動可能に螺合する螺合体(80a、80b、90)と、
上記中側収容部の内周面にその軸方向中間部位にて同軸的に嵌装されるスプラインリング(100)とを備えており、
螺合体は、スプラインリングの内周面に亘りその軸方向に沿い形成してなる複数のスプライン部(101)に軸動可能にかつ回転不能に噛合する複数の歯部(91a)を有するようにスプラインリングの内側にて同軸的に支持される板状頭部(91)と当該板状頭部の中央部から同軸的に延出されて上記他側境界壁部(110)の中央孔部を軸動可能に通り上記弁部に当該弁部の開閉可能なように連結される軸状脚部(92)との双方でもって縦断面T字状に構成してなるT字状部材(90)と、
上記板状頭部(91)の中央部から同軸的に延出されて電動モータの上記回転軸と軸動可能に螺合するロッド(80a、80b)とを備えており、
コイル状スプリングは、上記板状頭部を上記一側境界壁部(21)に向けて付勢するように上記板状頭部と上記一側境界壁部との間に介装されていることを特徴とする。
これによれば、ゼンマイ状スプリングが、他側収容部内にて電動モータの回転軸に当該電動モータの軸方向外側にて支持される一側端部(151)と、他側収容部内の静止部位に支持される他側端部(152)とを有して、他側端部から一側端部にかけて電動モータを逆転作動の方向に付勢するように、電動モータの回転軸の軸周りに巻装されている。
しかして、電動モータが電源から給電されると、当該電動モータは、正転作動し、作動変換手段が、電動モータの正転作動を一側軸方向直進作動に変換し、弁機構が、作動変換手段による一側軸方向直進作動への変換に伴い、弁部を閉弁方向に作動させる。これに伴い、小型電動弁が閉弁していく。このような過程において、ゼンマイ状スプリングが、電動モータを逆転作動の方向に付勢する逆転方向付勢力を蓄えながら変形する。
このような状態において、電動モータに対する電源からの給電が遮断されると、弁部が閉弁方向へ作動した状態及びゼンマイ状スプリングが逆転方向付勢力を蓄えた状態において、電動モータは停止する。
すると、ゼンマイ状スプリングが、その蓄えた逆転方向付勢力でもって、電動モータに逆転動への初動を促す。このため、ゼンマイ状スプリングが、その蓄えた逆転方向付勢力を減少するように変形させながらコイル状スプリングの付勢力と相俟って電動モータを逆転作動させる。
ここで、作動変換手段は、上述した構成からなるスプラインリング、並びに上述した構成からなるT字状部材及びロッドを有する螺合体を備えている。従って、上述した電動モータの逆転作動に伴い、作動変換手段が、電動モータの逆転作動を、スプラインリング、T字状部材及びロッドでもって、他側軸方向直進作動に変換し、弁機構が、作動変換手段による他側軸方向直進作動への変換に伴い、弁部を開弁方向に作動させて開いていくことで、小型電動弁を開弁していく。然る後、小型電動弁が全開状態になると、このような小型電動弁の全開状態はコイル状スプリングによりその付勢力でもって維持される。
換言すれば、上述のように電源からの供給が遮断された際には、ゼンマイ状スプリングが、電動モータの逆転動への初動を促しながらコイル状スプリングの付勢力と相俟って当該電動モータを逆転作動させることで小型電動弁を開弁していくとともに、コイル状スプリングが、その付勢力でもって、当該小型電動モータ弁を全開状態に維持する。
これにより、例えば、小型電動モータ弁が、液体やガス等の流体を流動させる流体システムに適用されても、電源の給電遮断以降における上述の流体システムにおける流体の流動が許容され得る。その結果、電源の給電遮断以降において上述の流体システムにおける流体の流動が小型電動モータ弁により遮断した場合に生ずる予期せぬ危険、例えば、当該小型電動モータ弁の上流系統における流体温度や流体圧力の異常な上昇が未然に防止され得る。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1または2に記載の小型電動モータ弁において
筒状ハウジングの上記一側収容部は、その一側壁部及び他側壁部にて、流体を流入させる流入路(Pi、40b)及び上記流体を流出させる流出路(Po、40c)を、上記弁部を介し互いに連通するように設けてなり、
機構は、上記流出路のうちの上記一側収容部(40a)内への内端開孔部からなる環状弁座部(41)と、T字状部材の軸状脚部から上記環状弁座部に着座可能なように延出する弁体(120)との双方でもって、上記弁部を構成し、
筒状ハウジングの上記一側収容部の内部を、筒状ハウジング部材の外部に連通する一側室部(43)と上記弁体を収容する他側室部(42)とに区画するように、上記一側収容部の内壁部と上記弁体の延出基端部との間に連結してなる環状ダイヤフラム(130)を具備しており、
上記他側室部は、上記流入路及び上記流出路の一方と連通するとともに、上記流入路及び上記流出路の他方に上記弁体を介し上記環状弁座部と連通するようになっていることを特徴としてもよい。
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項1〜3のいずれか1つに記載の小型電動モータ弁において、
上記ロッドは、単一のすべりねじからなり、
当該すべりねじは、その後側部にて、電動モータの上記回転軸に同軸的に連結されており、
上記板状頭部の上記中央部は、すべりねじの前側部と軸方向に相対軸動可能に螺合していることを特徴とする。
このように、すべりねじが、請求項1または2に記載の発明にいうロッドに代えて採用されることで、当該請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明と実質的に同様の作用効果を達成し得る。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
本発明に係る小型電動モータ弁の第1実施形態を示す縦断面図である。 図1の小型電動モータ弁の部分縦断面図である。 本発明の第2実施形態の要部を示す部分縦断面図である。
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る小型電動モータ弁の第1実施形態を示している。この小型電動モータ弁は、例えば、工場やプラント内において、薬液やガス等の流体を用いる流体システムに適用可能な常閉型ダイヤフラム弁として用いられるものである。
なお、図1において、図示上側及び図示下側が、当該小型電動モータ弁の後側および前側に対応し、図示左側及び図示右側が、それぞれ、当該小型電動モータ弁の右側及び左側に対応し、また、図示手前側及び図示奥側が、それぞれ、当該小型電動モータ弁の上側及び下側に対応する。
当該小型電動モータ弁は、図1にて示すごとく、直方体形状のハウジングHと、このハウジングH内に組み付けてなる電動モータM、作動変換機構C及び弁機構Vを備えている。
ハウジングHは、筒状ハウジング部材Haと、この筒状ハウジング部材Haにその軸方向前後両側から組み付けてなる前後両側ハウジング部材Hb、Hcとにより構成されている。なお、ハウジングHは、例えば、耐薬液性の高い樹脂でもって形成されている。また、小型電動モータ弁が耐薬液環境で使用されないものであれば、当該ハウジングHの形成材料は、耐薬液性の高い樹脂ではなく金属であってもよい。
筒状ハウジング部材Haは、横断面矩形状の外周面を有するように筒状に形成されて、ハウジングHの周壁を構成する。
当該筒状ハウジング部材Haは、各横断面円形状の前側段付き内孔部Ba及び後側段付き内孔部Bbを備えている。
前側段付き内孔部Baは、大径内孔部10a及び小径内孔部10bを有しており、大径内孔部10aは、筒状ハウジング部材Ha内にその前側開口端部からその前方を臨むように形成されている。小径内孔部10bは、大径内孔部10aよりも小さな径を有するように、大径内孔部10aと後側段付き内孔部Bbの小径内孔部20との間にて大径内孔部10aとは同軸的に形成されている。なお、本第1実施形態では、大径内孔部10aは、前側収容部ともいい、小径内孔部10bは、中側収容部ともいう。
後側段付き内孔部Bbは、小径内孔部20及び大径内孔部30を有している。小径内孔部20は、前側段付き内孔部Baの小径内孔部10bよりも小さな径を有しており、小径内孔部10bと大径内孔部30との間にてこれら小径内孔部10bと大径内孔部30と同軸的に形成されている。また、大径内孔部30は、大径内孔部10aと同一の径を有しており、当該大径内孔部30は、筒状ハウジング部材Ha内にその後側開口端部からその後方を臨むように形成されている。本第1実施形態では、後側段付き内孔部Bbは、後側収容部ともいう。
前側ハウジング部材Hbは、図1にて示すごとく、ハウジングHの前壁を構成するもので、当該前側ハウジング部材Hbは、その開口端部にて、筒状ハウジング部材Haの前側開口端部に係合されて、筒状ハウジング部材Haの大径内孔部10aを閉じる。
当該前側ハウジング部材Hbは、凹部40a、流入路40b及び流出路40cを備えている。凹部40aは、前側ハウジング部材Hbにその内端面側から凹状に形成されており、当該凹部40aは、その開口端部にて、前側ハウジング部材Hbの開口端部を構成する。
流入路40bは、図1にて示すごとく、前側ハウジング部材Hb内にて左右方向に形成されている。当該流入路40bは、その内端開孔部にて、凹部40a内にその周壁を介し連通しており、当該流入路40bは,その外端開孔部にて、流入ポートPi内に連通している。
また、流出路40cは、前側ハウジング部材Hb内にて前後方向に形成されており、当該流出路40cは、その内端開孔部にて、凹部40a内にその底壁を介し連通しており、当該流出路40cは、その外端開孔部にて、流出ポートPo内に連通している。
しかして、上記流体システムが、その一側配管から薬液或いはガス等の流体を流入ポートPi内に流入させると、当該流体は、前側ハウジング部材Hbの流入路40bを通り凹部40a内に流入した後、弁機構Vを介し流出路40cから流出ポートPo内に流出して、上記流体システム内にその他側配管から流出する。
後側ハウジング部材Hcは、図1にて示すごとく、ハウジングHの後壁を構成する。当該後側ハウジング部材Hcは、縦断面略U字状に形成されており、当該後側ハウジング部材Hcは、その開口端部にて、筒状ハウジング部材Haの後側開口端部に係合されて、筒状ハウジング部材Haの大径内孔部30を閉じる。
電動モータMは、ステップモータからなるもので、当該小型電動モータ弁Mは、図1にて示すごとく、ハウジング部材Haの後側段付き内孔部Bbの大径内孔部30内にて同軸的に収容されている。
当該電動モータMは、横断面矩形状の外壁を有するステータ50と、ロータ60とを有しており、ステータ50は、そのケーシング51にて、ハウジング部材Haの大径内孔部30内に同軸的に嵌装されている。また、ロータ60は、その回転軸60aにて、ステータ50内に同軸的にかつ回転自在に支持されている。ここで、回転軸60aは、その軸方向両側端部にて、前後両側ベアリングBrを介して、ステータ50のケーシング51の前後両側環状ボス部51a内に同軸的にかつ回転自在に支持されている。
当該電動モータMは、ステータ50の環状コイル52にて配線基板70から駆動信号(パルス信号)を入力されて励磁されることで、そのロータ60を正転方向或いは逆転方向へ回転させることが可能である。このロータ60の正転方向或いは逆転方向への回転方向が、電動モータMの正転作動或いは逆転作動に対応する。
配線基板70は、後側ハウジング部材Hcの内部に支持されており、当該配線基板70は、その入出力配線にて、ケーブル71を介し、後側ハウジング部材Hcの外部に延出している。なお、ケーブル71は、後側ハウジング部材Hcの後壁部に形成した貫通孔部を通り外方へ延出している。
本第1実施形態では、配線基板70は、その入出力配線のうち入力配線にて、商用電源(図示しない)から給電されて、配線パターンを介し出力配線から駆動信号を電動モータMのステータ50の環状コイル52に出力するようになっている。
ここで、配線基板70は、その出力配線の端子にて、ステータ50の環状コイル52の接続端子52a(図1参照)に接続されている。なお、環状コイル52の接続端子52aは、ステータ50のケーシング51に設けてなる筒部材53に挿通されている。また、筒部材53は、剛性電気絶縁材料でもって、筒状に形成されており、当該筒部材53は、その軸方向中間部位にて、ケーシング51の環状後側壁部51bの外周縁部に回転軸60aの軸方向に平行となるように嵌着されている。
作動変換機構Cは、電動モータMの回転作動を直進作動に変換するもので、当該作動変換機構Cは、図1にて示すごとく、前側ロッド80a、後側ロッド80b、T字状部材90及びスプラインリング100を備えている。
前側ロッド80aは、後側ロッド80bを介し電動モータMの回転軸60aに後述のごとく同軸的に連結されている。
後側ロッド80bは、小径ロッド部81及び大径ロッド部82を一体的に備えている。小径ロッド部81は、矩形柱状に形成されており、当該小径ロッド部81は、ステータ50のケーシング51の環状後側壁部51bの中空部を介し回転軸60aの横断面矩形状の長孔部61内に同軸的にかつ相対移動不能に嵌装されている。
これにより、小径ロッド部81は、回転軸60aと一体的に回転可能となっている。なお、回転軸60aの長孔部61は、回転軸60a内にその軸方向前側端部から同軸的に軸状に形成されている。
また、大径ロッド部82は、小径ロッド部81よりも大きい外径を有しており、当該大径ロッド部82は、ステータ50のケーシング51の環状前側壁部51bの中空部を通り後側段付き内孔部Bbの小径内孔部20内に延出する小径ロッド部81の軸方向前側端部から前方へ同軸的に延出されている。
ここで、当該大径ロッド部82は、その内部にて、雌ねじ孔部82aを有しており、当該雌ねじ孔部82aは、大径ロッド部82内にその軸方向前端部から同軸的に形成されている。
前側ロッド80aは、その後側部位に形成してなる雄ねじ部83にて、後側ロッド80bの大径ロッド部82の雌ねじ孔部82a内に軸方向に移動可能に(軸動可能)に同軸的に螺合されている。ここで、当該雄ねじ部83は、前側ロッド80aの後側部位の外周部に沿い同軸的に形成されている。
しかして、当該前側ロッド80aは、後述のように回転不能となっているT字状部材90により回転不能に維持された状態にて、雄ねじ部83の雌ねじ孔部82aとの螺合のもと、後側ロッド80bの回転に伴い、軸方向に直進するようになっている。
具体的には、当該前側ロッド80aは、電動モータMのロータ60の正転方向への回転に伴い、雄ねじ部83の雌ねじ孔部82aとの螺合度合いを減少させることで、前方へ軸動する。このことは、前側ロッド80aが、前側軸方向直進作動することを意味する。
また、当該前側ロッド80aは、電動モータMのロータ60の逆転方向への回転に伴い、雄ねじ部83の雌ねじ孔部82aとの螺合度合いを増大させることで、後方へ軸動する。このことは、当該前側ロッド80aが、後側軸方向直進作動することを意味する。
T字状部材90は、図1にて示すごとく、板状頭部91と、軸状脚部92とでもって、T字状に形成されている。板状頭部91は、ハウジングHの前側段付き内孔部Baの小径内孔部10b内にて、スプラインリング100を介し、同軸的に、かつ、隔壁部110に着座可能に嵌装されている(図1参照)。
ここで、スプラインリング100は、その外周部にて、前側段付き内孔部10の小径内孔部10b内に同軸的に回転不能に嵌装されており、当該スプラインリング100の内周部には、その周方向に沿い、複数のスプライン部101(図2参照)が形成されている。
また、隔壁部110は、前側段付き内孔部Baの大径内孔部10b内にOリング111を介し同軸的に嵌装されて、前側ハウジング部材Hbの凹部40aをその開口面側から閉じている。
しかして、板状頭部91は、その外周部に沿い、複数の歯部91aを形成してなり、当該板状頭部91は、その複数の歯部91aにて、スプラインリング100の複数のスプライン部101にその内周側から噛合している。これにより、板状頭部91は、その複数の歯部91aにて、前側ロッド80aの正転方向(或いは逆転方向)への回転に伴い、スプラインリング100の複数のスプライン部101に沿い前方(或いは後方)へ変位する。
また、板状頭部91の中央穴部91bには、前側ロッド80aの前側ロッド部が同軸的に嵌着されている。これにより、板状頭部91は、前側ロッド80aと一体となって軸方向にのみ直進可能となっている。なお、中央穴部91bは、板状頭部91の径方向中央部にその後側から同軸的に形成されている。
軸状脚部92は、板状頭部91から隔壁部110の中央開口部を通りOリング112を介し摺動可能に前方へ延出されている。これにより、当該軸状脚部92は、後述のごとく、弁体120と同軸的に連結可能となっている。
弁機構Vは、図1にて示すごとく、作動変換機構Cを介して電動モータMに同軸的に連結されており、当該弁機構Vは、後述のごとく、電動モータMの正転作動或いは逆転作動に対する作動変換機構Cによる前側軸方向直進作動或いは後側軸方向直進作動への変換に応じて、小型電動モータ弁を閉弁或いは開弁する。
当該弁機構Vは、図1にて示すごとく、前側ハウジング部材Hbの凹部40a内にて、作動変換機構CのT字状部材90の軸状脚部92、隔壁部110及び前側ハウジング部材Hbに後述のごとく組み付けられている。
当該弁機構Vは、軸状弁体120、環状ダイヤフラム130及び環状弁座部41(図1参照)でもって構成されている。軸状弁体120は、小径部121及び大径部122を有しており、小径部121は、その基部121aにて、T字状部材90の軸状脚部92に形成してなる軸状穴部92a内に同軸的に嵌着されている。これにより、当該小径部121は、凹部40a内にて、基部121aから同軸的に前方へ延出している。なお、軸状穴部92aは、軸状脚部92にその前端面から同軸的に凹状に形成されている。
大径部122は、小径部121よりも大きな径を有しており、当該大径部122は、弁座41に同軸的に対向するように、小径部121の延出端部からその前方へ延出している。また、当該大径部122は、その環状前端部122a(環状着座部122a)にて、環状弁座部41に着座可能となっている。また、当該大径部122は、環状着座部122aの中央側から前側へ同軸的に末すぼまり状に突出する縦断面逆円錐台状の突出部122bにて、環状弁座部41の中空部を通り流出ポートPo内に延出するようになっている。
本実施形態では、環状弁座部41は、前側ハウジング部材Hbの流出ポートPoの内端開孔部でもって形成されている。
しかして、弁機構Vにおいては、軸状弁体120が、凹部40a内にて、大径部122の環状着座部122aでもって、環状弁座部41に着座することで、小型電動モータ弁を閉弁する。また、軸状弁体120が、凹部40a内にて、大径部122の環状着座部122aでもって、環状弁座部41から分離することで、小型電動モータ弁を開弁する。なお、本第1実施形態において、弁機構Vは、軸状弁体120及び環状着座部41でもって、小型電動モータ弁としての弁部を構成する。
環状ダイヤフラム130は、その内周縁部にて、軸状弁体120の小径部121の後側外周部と一体的に形成されており、当該ダイヤフラム130の外周縁部は、筒状ハウジング部材Haの前側開口部内にて、隔壁部110の環状外周側前端部と前側ハウジング部材Hbの環状後端部との間に挟持されている。これにより、ダイヤフラム130は、前側ハウジング部材Hbの凹部40aの内部を、前後両側室部42、43に区画する。
ここで、前側室部42は、その周壁部にて、流入ポートPi内にその内端開孔部から連通しており、当該前側室部42の底壁部は、流出ポートPo内にその内端開孔部から連通している。また、後側室部43は、ダイヤフラム130の環状中央部、隔壁部110の環状内周側前端部、T字状部材90の軸状脚部92の凹断面末すぼまり状前端部及び軸状弁体120の小径部121の後側外周部の間に形成されており、当該後側室部43は、隔壁部110及び筒状ハウジング部材Haの前側周壁部を通して、ハウジングHの外側に開放されている。
当該小型電動モータ弁は、図1にて示すごとく、コイル状スプリング140及びゼンマイ状スプリング150を備えている。
本実施形態において、コイル状スプリング140及びゼンマイ状スプリング150の双方の機能的関係に言及すれば、コイル状スプリング140は、当該小型電動モータ弁を全閉状態に維持するような付勢力を発揮する役割を果たすのに対し、ゼンマイ状スプリング150は、電動モータMの回転の初動を促す役割を果たす。
コイル状スプリング140は、図1にて示すごとく、筒状ハウジング部材Haの前側段付き内孔部Baの小径内孔部10b内において、T字状部材90の板状頭部91と後側段付き内孔部Bbの小径内孔部20の周壁部21との間に前側ロッド80aと同軸的に介装されている。これにより、当該コイル状スプリング140は、T字状部材90の板状頭部91を、弁機構Cの軸状弁体120が環状弁座部41に着座する方向に、同軸的に付勢する。
ゼンマイ状スプリング150は、板バネ材料を渦巻状に巻いて形成されており、当該ゼンマイ状スプリング150は、図1にて示すごとく、後側段付き内孔部Bbの大径内孔部30内にて、ステータ50のケーシング51の後側壁部51bの後面に沿うように収容されている。本第1実施形態では、ゼンマイ状スプリング150としては、非接触型ゼンマイ状スプリングが採用されている。なお、ゼンマイ状スプリング150は、回転軸60aと同軸的にケーシング51の後側壁部51bに装着してなる香箱150a内に収容されている。
本第1実施形態において、ゼンマイ状スプリング150は、電動モータMの回転軸60aをその正転方向へ付勢し得るように、回転軸60aの軸方向後端部を中心として当該軸方向後端部に巻回されている。ここで、当該ゼンマイ状スプリング150は、その径方向内端部151にて、電動モータMの回転軸60aの軸方向後端部に装着されており、当該ゼンマイ状スプリング150の径方向外端部152は、香箱150aの開口部から延出して筒部材53に装着されている。なお、香箱150aは、ゼンマイ状スプリング150の軸方向のずれを防止する役割を果たす。また、回転軸60aは、香箱150aに対し回転自在に挿通されている。
このように構成されたゼンマイ状スプリング150は、電動モータMに対する駆動信号の出力の遮断状態にあるとき、電動モータMの回転軸60aの正転方向(電動モータMの正転作動方向)に巻き戻すように弾性変形して、巻き戻し状態となっている。
このように構成されたゼンマイ状スプリング150は、電動モータMに対する駆動信号の出力に伴い、回転軸60aの逆転(電動モータMの逆転作動)に基づき正転方向へ巻き戻す荷重を蓄えながら弾性変形して、巻き増し状態となっている
然る後、電動モータMに対する駆動信号の出力が遮断されると、当該ゼンマイ状スプリング150は、その弾性変形に起因して生ずる巻き戻す方向への付勢力(回転軸60aの正転方向への付勢力)でもって、回転軸60aを正転方向へ回転しながら、蓄えた荷重を元の状態に戻す。
以上のように構成した本第1実施形態において、当該小型電動モータ弁が上記商用電源から遮断されているとき、電動モータMは停止状態にある。換言すれば、当該小型電動モータ弁においては、電動モータMが上記商用電源による給電から遮断されて、停止状態にある。このため、ゼンマイ状スプリング150が、上述のごとく、電動モータMの回転軸60aの回転に合せて弾性変形可能な状態になっている。このとき、小型電動モータ弁は閉弁状態にある。
これに伴い、作動変換機構Cにおいては、T字状部材90が、その板状頭部91にて、コイル状スプリング140による付勢力のもとに、ハウジングHの段付き前側内孔部Baの小径内孔部10b内にて、隔壁部110に着座している。
このとき、作動変換機構Cにおいては、板状頭部91が、その複数の歯部91aにて、スプラインリング100の複数のスプライン部101の前側部位に噛合するとともに、軸状脚部92が前側変位端まで変位した状態にある。
このため、弁機構Vにおいては、ダイヤフラム130が、後側室部43の隔壁部110及びハウジング部材Haを介する外部への開放のもと、T字状部材90の軸状脚部92の前側変位端への変位に応じて、前側室部42側へ湾曲した状態にある。
従って、軸状弁体120が、その大径部122の環状着座部122aにて、環状弁座部41に着座した状態にある。換言すれば、当該小型電動モータ弁が、その弁部を閉弁して、凹部40aを介する流入路40b及び流出路40cとの間の連通を遮断している。
このような状態において、配線基板70が、上記商用電源からの給電のもと、駆動信号を電動モータMの環状コイル52に出力すると、当該電動モータMは、環状コイル52にて上記駆動信号により励磁される。これに伴い、電動モータMが作動状態におかれる。
然る後、配線基板70が、電動モータMを逆転作動させる逆転作動制御信号を電動モータMの環状コイル52に出力すると、当該電動モータMが、当該逆転作動制御信号に基き逆転作動する。このとき、ゼンマイ状スプリング150が、電動モータMの回転軸60aの逆転方向への回転に伴い、正転方向へ巻き戻す荷重を蓄えながら弾性変形する。
これに伴い、作動変換機構Cにおいては、後側ロッド80bが、電動モータMの回転軸60aと一体となって逆転方向に回転する。
このとき、作動変換機構CのT字状部材90は、板状頭部91の複数の歯部91aにて、スプラインリング100の複数のスプライン部101との噛合のもと、軸方向にのみ直進可能であって、周方向には回転不能に維持されている。また、前側ロッド80aは、その雄ねじ部83にて、後側ロッド80bの雌ねじ孔部82aに相対移動可能に螺合している。
このため、上述のように後側ロッド80bが回転軸60aとともに逆転方向に回転すると、前側ロッド80aが、その雄ねじ部83にて、後側ロッド80bの雌ねじ孔部82aに沿い後側軸方向直進作動し、T字状部材90の板状頭部91が、コイル状スプリング150の付勢力に抗して、前側ロッド80aにより同軸的に後側へ引っ張られて変位する。
すると、弁機構Cにおいては、軸状弁体120が、T字状部材90の軸状脚部92によりコイル状スプリング140の付勢力に抗して後側へ引っ張られて軸方向に移動し、ダイヤフラム130が、後側室部43側へ、当該後側室部43内の空気をハウジングHの外部へ押し出しながら湾曲する。これに伴い、軸状弁体120が環状弁座部41から分離して、小型電動モータ弁の弁部を開く。このことは、小型電動モータ弁が開弁することを意味する。
従って、上記流体システムにおいて流動する薬液或いはガス等の流体は、小型電動モータ弁のハウジングHの流入ポートPiから流入路40bを通り凹部40a内に流入して上記弁部の開弁のもと、環状弁座部42から流出路40cを通り流出ポートPoから上記流体システム内に流出する。
このような段階にて、例えば、配線基板70から電動モータMの環状コイル52への駆動信号が、停電等の原因により遮断されると、電動モータMの環状コイル52に対する励磁が停止する。換言すれば、上述した小型電動モータ弁の開弁状態及びゼンマイ状スプリング150の巻き戻し荷重を蓄えた状態のままで、電動モータMが停止状態になる。
すると、このような段階では、ゼンマイ状スプリング150が正転方向への付勢力を蓄えているため、当該ゼンマイ状スプリング150は、その正転方向への付勢力に基づき、電動モータMの回転軸60aを正転方向に回転する。換言すれば、当該ゼンマイ状スプリング150は、その回転軸60aの正転方向への付勢力に基づき、電動モータMの回転軸60aの正転方向への回転の初動を促す。従って、当該ゼンマイ状スプリング150は、上述のごとく、蓄えた荷重を元の状態に戻しつつ変形しながら、コイル状スプリング140の付勢力と相俟って、電動モータMを正転させる。
しかして、上述のように電動モータMの回転軸60aが正転方向に回転すると、作動変換機構Cにおいては、後側ロッド80bが、電動モータMの回転軸60aと一体となって正転方向に回転する。
これに伴い、前側ロッド80aが、その雄ねじ部83にて、後側ロッド80bの雌ねじ孔部82aに沿い前側軸方向直進作動し、T字状部材90の板状頭部91が、コイル状スプリング150の付勢力のもとに、前側ロッド80aにより同軸的に前側へ押されて変位する。
すると、弁機構Cにおいては、軸状弁体120が、T字状部材90の軸状脚部92によりコイル状スプリング140の付勢力に応じて前側へ押されて軸方向に移動し、ダイヤフラム130が、前側室部42側へ、当該後側室部43内に空気をハウジングHの外部から導入しながら湾曲する。
これに伴い、軸状弁体120がその環状着座部122aにて、環状弁座部41に着座して、小型電動モータ弁の弁部を閉じる。このことは、小型電動モータ弁が閉弁したことを意味する。このとき、電動モータの弁部の閉弁状態(全閉状態)は、コイル状スプリング140によりその付勢力でもって、維持される。
以上のように、小型電動モータ弁が、その弁部により、閉弁することで、流出ポートPoの流入ポートPiとの連通を遮断する。従って、上述の流体システムによる小型電動モータ弁を介する流体の流動が停止される。
このように、上述のように商用電源からの電圧の供給が遮断された際には、小型電動モータ弁が、ゼンマイ状スプリング150の巻き戻し作動及びコイル状スプリング140の付勢力でもって、閉弁状態に維持されるため、上記商用電源の給電遮断以降における上述の流体システムにおける流体の流動が停止され得る。その結果、上記商用電源の給電遮断以降において上述の流体システムにおける流体の流動が継続した場合に生ずる予期せぬ危険の発生が未然に防止され得る。
また、上述したように、本第1実施形態においては、コイル状スプリング140は、当該小型電動モータ弁を全閉状態に維持するような付勢力を発揮する役割を果たし、一方、ゼンマイ状スプリング150は、電動モータMの正転の初動を促す役割を果たす。
従って、コイル状スプリング140及びゼンマイ状スプリング150が上述のように互いに機能的に異なる役割分担をすることで、ゼンマイ状スプリング150は、その回転軸60aの正転方向への付勢力に基づき、電動モータMの回転軸60aの正転方向への回転の初動を促す役割を果たすとともに、蓄えた荷重を元の状態に戻しつつ、コイル状スプリング140の付勢力と相俟って、電動モータMを正転させる。これにより、当該電動モータ弁が閉弁状態となる。
よって、電動モータ弁を全開状態から全閉状態にするにあたっては、上述のごとく、コイル状スプリング140及びゼンマイ状スプリング150が上述のように互いに機能的に異なる役割分担するので、ゼンマイ状スプリング150の荷重を大きく設計する必要がない。
また、電動モータMはゼンマイ状スプリング150の付勢力にゼンマイ状スプリング150の荷重を大きく設計する必要が勝る回転トルクを有する必要があるが、上述のごとく、ゼンマイ状スプリング150の荷重を小さく設計することで、電動モータMの回転トルクは小さくてすむ。従って、ゼンマイ状スプリング150の設計が簡単化し得るとともに、電動モータ弁の小型化に役立つ。
なお、商用電源からの給電が維持されている状態で、電動モータMを正転作動させる正転作動制御信号を電動モータMの環状コイル52に出力すると、当該電動モータMが、その正転作動制御信号のもと、正転作動する。このとき、上述した小型電動モータ弁の開弁状態及びゼンマイ状スプリング150の巻き戻し荷重が蓄えられた状態から、電動モータMが逆転作動する。
従って、電動モータMは、ゼンマイ状スプリング150の正転方向への付勢力を低下させながら、上述のごとく、逆転作動することとなる。その後の作動は、上述のように商用電源からの給電が遮断された場合と同様である。
また、このような電動モータの正転方向への過程において、上述のように商用電源からの給電が遮断されると、この遮断の際のゼンマイ状スプリング150の正転方向への付勢力でもって、ゼンマイ状スプリング150が,電動モータMの正転作動を継続する。その他の作動及び作用効果は、小型電動モータ弁の開弁状態にて上記商用電源からの給電が遮断された場合と同様である。
なお、本第1実施形態では、作動変換機構Cが前側ロッド80a及び後側ロッド80bという互いに別体である2本のロッドでもって、互いに相対移動可能に螺合することで、電動モータMの回転を弁体120に伝達するようにしているので、弁体120から電動モータMにかかる負担が、前側ロッド80a及び後側ロッド80bの螺合でもって緩和される。このため、電動モータMの負担が軽減され得る。
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた小型電動モータ弁が、当該第1実施形態とは異なり、上記流体システムにおいて、常開型ダイヤフラム弁として用いられる。
これに伴い、上記第1実施形態にて述べたコイル状スプリング140が、上記第1実施形態とは異なり、ハウジングHの前側段付き内孔部Baの小径内孔部10b内において、T字状部材90の板状頭部91と隔壁部110との間に同軸的に介装されている。
また、上記第1実施形態にて述べたゼンマイ状スプリング150が、上記第1実施形態とは異なり、電動モータMの回転軸60aをその逆転方向へ付勢すべく、回転軸60aの軸方向後端部を中心として当該軸方向後端部に巻装されている。ここで、本第2実施形態のゼンマイ状スプリング150は、その径方向内端部151にて、電動モータMの回転軸60aの軸方向後端部に装着されており、当該ゼンマイ状スプリング150の径方向外端部152は、筒部材53に装着されている。
このように構成された本第2実施形態のゼンマイ状スプリング150は、電動モータMに対する駆動信号の出力に伴い、回転軸60aの正転(電動モータMの正転作動)に基づき逆転方向へ巻き戻す荷重を蓄えながら弾性変形する。
然る後、電動モータMに対する駆動信号の出力が遮断されると、当該ゼンマイ状スプリング150は、その弾性変形に起因して生ずる巻き戻す方向への付勢力(回転軸60aの逆転方向への付勢力)でもって、回転軸60aを逆転方向へ回転しながら、蓄えた荷重を元の状態に戻す。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
以上のように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、当該小型電動モータ弁においては、電動モータMが上記商用電源による給電から遮断されて、停止状態にあるとき、ゼンマイ状スプリング150が、上述のごとく、電動モータMの回転軸60aの回転に合せて弾性変形可能な状態となっている。このとき、小型電動モータ弁は開弁状態にある。
これに伴い、作動変換機構Cにおいては、T字状部材90が、その板状頭部91にて、コイル状スプリング140による付勢力のもとに、ハウジングHの後側段付き前側内孔部Baの小径内孔部10b内にて、後側段付き内孔部Bbの小径内孔部20の周壁部21に着座している。
このとき、作動変換機構Cにおいては、板状頭部91が、その複数の歯部91aにて、スプラインリング100の複数のスプライン部101の後側部位に噛合するとともに、軸状脚部92が後側変位端まで変位した状態にある。
このため、弁機構Vにおいては、ダイヤフラム130が、後側室部43の隔壁部110及びハウジング部材Haを介する外部への開放のもと、T字状部材90の軸状脚部92の後側変位端への変位に応じて、後側室部43側へ湾曲した状態にある。従って、軸状弁体120が、その大径部122の環状着座部122aにて、環状弁座部41から分離した状態にある。換言すれば、当該小型電動モータ弁が、その弁部を開弁して、凹部40aを介する流入路40b及び流出路40cとの間の連通を許容している。
従って、上記流体システムにおいて流動する薬液或いはガス等の流体は、小型電動モータ弁のハウジングHの流入ポートPiから流入路40bを通り凹部40a内に流入して上記弁部の開弁のもと、環状弁座部42から流出路40cを通り流出ポートPoから上記流体システム内に流出する。
このような状態にて、上記商用電源からの給電のもと、電動モータMが、配線基板70からの駆動信号に基づき、上記第1実施形態と同様に作動状態となり、配線基板70が、電動モータMを正転作動させる正転作動制御信号を電動モータMの環状コイル52に出力すると、当該電動モータMが、その正転作動制御信号に基づき、正転作動する。このとき、ゼンマイ状スプリング150が、電動モータMの回転軸60aの正転方向への回転に伴い、逆転方向へ巻き戻す荷重を蓄えながら弾性変形する。
これに伴い、作動変換機構Cにおいては、後側ロッド80bが、電動モータMの回転軸60aと一体となって正転方向に回転する。
このため、上述のように後側ロッド80bが回転軸60aとともに正転方向に回転すると、前側ロッド80aが、その雄ねじ部83にて、後側ロッド80bの雌ねじ孔部82aに沿い前側軸方向直進作動し、T字状部材90の板状頭部91が、コイル状スプリング150の付勢力に抗して、前側ロッド80aにより同軸的に前側へ押されて変位する。
すると、弁機構Cにおいては、軸状弁体120が、T字状部材90の軸状脚部92によりコイル状スプリング140の付勢力に抗して前側へ押されて軸方向に移動し、ダイヤフラム130が、前側室部42側へ、当該後側室部43内の空気をハウジングHの外部から導入しながら湾曲する。これに伴い、軸状弁体120が環状弁座部41に着座して、小型電動モータ弁の弁部を閉じる。このことは、小型電動モータ弁が閉弁することを意味する。
従って、上記流体システムにおいて流動する薬液或いはガス等の流体は、小型電動モータ弁の閉弁のもと、上記流体システムにおける小型電動モータ弁を介する流動が遮断される。
このような段階にて、上記第1実施形態にて述べたように配線基板70から電動モータMの環状コイル52への駆動信号(環状コイル52を励磁する信号)が、停電等により遮断されると、上述した小型電動モータ弁の閉弁状態及びゼンマイ状スプリング150の巻き戻し荷重を蓄えた状態のままで、電動モータMが停止状態になる。
すると、このような段階では、ゼンマイ状スプリング150が逆転方向への付勢力を蓄えているため、当該ゼンマイ状スプリング150は、その逆転方向への付勢力に基づき、電動モータMの回転軸60aを逆転方向に回転する。
換言すれば、当該ゼンマイ状スプリング150は、その回転軸60aの逆転方向への付勢力に基づき、電動モータMの回転軸60aの逆転方向への回転の初動を促す。従って、当該ゼンマイ状スプリング150は、上述のごとく、蓄えた荷重を元の状態に戻りつつ変形しながら、コイル状スプリング140の付勢力と相俟って、電動モータMを逆転させる。
しかして、上述のように電動モータMの回転軸60aが逆転方向に回転すると、作動変換機構Cにおいては、後側ロッド80bが、電動モータMの回転軸60aと一体となって逆転方向に回転する。
これに伴い、前側ロッド80aが、その雄ねじ部83にて、後側ロッド80bの雌ねじ孔部82aに沿い後側軸方向直進作動し、T字状部材90の板状頭部91が、コイル状スプリング150の付勢力のもとに、前側ロッド80aにより同軸的に後側へ押されて変位する。
すると、弁機構Cにおいては、軸状弁体120が、T字状部材90の軸状脚部92によりコイル状スプリング140の付勢力に応じて後側へ引っ張られて軸方向に移動し、ダイヤフラム130が、後側室部43側へ、当該後側室部43内の空気をハウジングHの外部へ押し出しながら湾曲する。
これに伴い、軸状弁体120が、その環状着座部122aにて、環状弁座部41から分離して、小型電動モータ弁の弁部を開く。このことは、小型電動モータ弁が開弁することを意味する。このとき、電動モータの弁部の開弁状態(全開状態)は、コイル状スプリング140によりその付勢力でもって、維持される。
以上のように、小型電動モータ弁が、その弁部により、開弁することで、流出ポートPoの流入ポートPiとの連通を許容する。従って、上述の流体システムによる小型電動モータ弁を介する流体の流動が小型電動モータ弁の弁部の開弁状態にてなされる。
このように、上述のように商用電源からの電圧の供給が遮断された際には、小型電動モータ弁が、ゼンマイ状スプリング150の巻き戻し作動及びコイル状スプリング140の付勢力でもって、開弁状態に維持されるため、上記商用電源の給電遮断以降における上述の流体システムにおける流体の流動が許容され得る。
その結果、上記商用電源の給電遮断以降において上述の流体システムにおける流体の流動が小型電動モータ弁により遮断した場合に生ずる予期せぬ危険、例えば、当該小型電動モータ弁の上流系統における流体温度や流体圧力の異常な上昇が未然に防止され得る。
また、上述のように、本第2実施形態においては、コイル状スプリング140は、当該小型電動モータ弁を全開状態に維持するような付勢力を発揮する役割を果たし、一方、ゼンマイ状スプリング150は、電動モータMの逆転の初動を促す役割を果たす。
従って、コイル状スプリング140及びゼンマイ状スプリング150が上述のように互いに機能的に異なる役割分担をすることで、ゼンマイ状スプリング150は、その回転軸60aの逆転方向への付勢力に基づき、電動モータMの回転軸60aの逆転方向への回転の初動を促す役割を果たすとともに、蓄えた荷重を元の状態に戻しつつ、コイル状スプリング140の付勢力と相俟って、電動モータMを逆転させる。これにより、当該電動モータ弁が開弁状態となる。
よって、電動モータ弁を全閉状態から全開状態にするにあたっては、上述のごとく、コイル状スプリング140及びゼンマイ状スプリング150が上述のように互いに機能的に異なる役割分担するので、ゼンマイ状スプリング150の荷重を大きく設計する必要がない。
また、電動モータMはゼンマイ状スプリング150の付勢力にゼンマイ状スプリング150の荷重を大きく設計する必要が勝る回転トルクを有する必要があるが、上述のごとく、ゼンマイ状スプリング150の荷重を小さく設計することで、電動モータMの回転トルクは小さくてすむ。従って、ゼンマイ状スプリング150の設計が簡単化し得るとともに、電動モータ弁の小型化に役立つ。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、上記第1或いは第2の実施形態にて述べた前側ロッド80a及び後側ロッド80bを、例えば、単一のすべりねじでもって構成するようにしてもよい。具体的には、前側ロッド80aの雌ねじ孔部82a及び後側ロッド80bの雄ねじ部83をすべりねじの構成となるように変形すればよい。
(2)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にいうゼンマイ状スプリング150の構成をそのままにして、前側ロッド80aの雄ねじ部及び後側ロッド80bの雌ねじ孔部のねじ形状を、上記第1実施形態とは逆のねじ形状に変形すれば、上記第2実施形態にて述べたようにコイル状スプリング140をT字状部材90の板状頭部91と隔壁部110との間に同軸的に介装することで、小型電動モータ弁を上記第2実施形態にて述べた常開型ダイヤフラム弁とすることができる。
(3)本発明の実施にあたり、上記第2実施形態にいうゼンマイ状スプリング150の構成をそのままにして、前側ロッド80aの雄ねじ部及び後側ロッド80bの雌ねじ孔部のねじ形状を、上記第2実施形態とは逆のねじ形状に変形すれば、上記第1実施形態にて述べたようにコイル状スプリング140をT字状部材90の板状頭部91と後側段付き内孔部Bbの小径内孔部20の周壁部21との間に同軸的に介装することで、小型電動モータ弁を上記第1実施形態にて述べた常閉型ダイヤフラム弁とすることができる。
(4)本発明の実施にあたり、ダイヤフラム130は、廃止してもよい。
(5)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べたゼンマイ状スプリング150は、非接触型ゼンマイ状スプリングに限らず、接触型ゼンマイ状スプリングその他の各種のゼンマイ状スプリングであってもよい。
(6)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた小型電動モータ弁は、常開型或いは常閉型のダイヤフラム弁に限ることなく、流量制御型ダイヤフラム弁であってもよい。この場合には、軸状弁体120が、環状着座部122a及び突出部122bに代えて、環状弁座部41に向けて末すぼまり状に延出する円錐部を有するように変形する。
(7)本発明の実施にあたり、電動モータMは、上記実施形態にて述べたステップモータに限ることなく、小型の直流モータやインダクションモータ等の各種の小型モータであってもよい。
(8)本発明の実施にあたり、ゼンマイ状スプリング150の径方向外端部152は、筒部材53に限ることなく、ハウジングHの内面部、ステータ50の後側壁部51bの一部等の静止部材に装着するようにしてもよい。
(9)本発明の実施にあたり、作動変換機構Cにおいて、前側ロッド80aが、その雄ねじ部83に代えて、雌ねじ孔部を同軸的に形成してなる大径ロッド部を形成するとともに、後側ロッド80bが、大径ロッド部82に代えて、雄ねじ部を形成するように変形して、後側ロッド80bの上記雄ねじ部を、前側ロッド80aの上記大径ロッド部の雌ねじ孔部内に軸方向に軸動可能に螺合するようにしてもよい。
(10)本発明の実施にあたり、作動変換機構Cにおいて、例えば、スプラインリング100に代えて、二股部を採用するとともに、T字状部材90の板状頭部91が、その複数の歯部91aに代えて、単一の突起部を有するように変形してもよい。
具体的には、上記二股部を、前側段付き内孔部Baの小径内孔部10aの内周面部から板状頭部91の中心に向けて二股状に突出させるとともに、板状頭部91の外周面部から径方向に向け突出させることで、上記単一の突起部を、上記二股部を構成する各腕部の間に、周方向へは回転不能に軸方向へは移動可能に係合させるようにしてもよい。
一般的には、スプラインリング100と板状頭部91の複数の歯部91aとの組み合わせ、或いは、上記二股部と単一の突起部との組み合わせに限ることなく、前側ロッド80aの後側ロッド80bとの間の軸動可能な螺合構成と、T字状部材90の前側段付き内孔部Baの小径内孔部10aの内周面部との間における軸動可能で回転不能な構成との双方の構成を有すれば、どのような構成であってもよい。
ここで、このような構成としては、例えば、T字状部材90及び前側ロッド80aからなる構成を螺合体としたとき、当該螺合体の後側ロッド80bとの間の軸動可能な螺合構成及び当該螺合体の小径内孔部10aの内周面部との間の軸動可能で回転不能な構成が挙げられる。
(11)本発明の実施にあたり、作動変換機構Cの後側ロッド80bを、上記実施形態とは異なり、電動モータMの回転軸60aと同軸的に一体構造となるように構成してもよい。この場合には、作動変換機構Cは、後側ロッド80bを除いた前側ロッド80a、T字状部材90及びスプラインリング100でもって構成されているものと把握してもよい。
(12)本発明の実施にあたり、筒状ハウジング部材Haの前側段付き内孔部Baは、上記実施形態とは異なり、前側収容部である大径内孔部10a及び中側収容部である小径内孔部10bの各内径を同一となるように形成した前側内孔部としてもよい。
C…作動変換機構、H…筒状ハウジング、M…電動モータ、V…弁機構、
Bb…後側段付き内孔部、Pi…流入力ポート、Po…流出ポート、10a…大径内孔部、
10b…小径内孔部、21…周壁部、40b…流入通路、40c…流出通路、
41…環状弁座部、42…前側室部、43…後側室部、60a…回転軸、
80a…前側ロッド、80b…後側ロッド、90…T字状部材、
100…スプラインリング、101…スプライン部、110…隔壁部、120…軸状弁体、
130…ダイヤフラム、140…コイル状スプリング、150…ゼンマイ状スプリング。

Claims (4)

  1. 一側収容部、中側収容部及び他側収容部を軸方向一側から軸方向他側にかけて同軸的に形成してなる筒状ハウジングと、
    当該筒状ハウジングの前記他側収容部内に収容されて、電源からの給電に基づき、正転作動或いは逆転作動する電動モータと、
    前記筒状ハウジングの前記中側収容部内にて当該中側収容部と前記他側収容部との間に設けられる一側境界壁部を通して前記電動モータと同軸的に連結するように収容されて、前記電動モータの前記正転作動或いは前記逆転作動を一側軸方向直進作動或いは他側軸方向直進作動に変換する作動変換手段と、
    前記筒状ハウジングの前記一側収容部内に当該一側収容部と前記中側収容部との間に設けられる他側境界壁部を通して前記作動変換手段と同軸的に連結するように収容されて、当該作動変換手段による前記一側軸方向直進作動或いは前記他側軸方向直進作動への変換に伴い閉弁方向或いは開弁方向に作動する弁部を有する弁機構と、
    前記中側収容部内にて前記作動変換手段を前記一側軸方向直進作動の方向に同軸的に付勢するように設けられるコイル状スプリングとを備える小型電動モータ弁において、
    記他側収容部内にて前記電動モータの回転軸に当該電動モータの前記軸方向外側にて支持される一側端部と、前記他側収容部内の静止部位に支持される他側端部とを有して、前記他側端部から前記一側端部にかけて前記電動モータを前記正転作動の方向に付勢するように、前記電動モータの前記回転軸の軸周りに巻装されるゼンマイ状スプリングを具備してなり、
    前記作動変換手段は、
    前記中側及び他側の各収容部内に亘り収容されて前記電動モータの回転軸と同軸的に軸動可能に螺合する螺合体と、
    前記中側収容部の内周面にその軸方向中間部位にて同軸的に嵌装されるスプラインリングとを備えており、
    前記螺合体は、
    前記スプラインリングの内周面に亘りその軸方向に沿い形成してなる複数のスプライン部に軸動可能にかつ回転不能に噛合する複数の歯部を有するように前記スプラインリングの内側にて同軸的に支持される板状頭部と当該板状頭部の中央部から同軸的に延出されて前記他側境界壁部の中央孔部を軸動可能に通り前記弁部に当該弁部の開閉可能なように連結される軸状脚部との双方でもって縦断面T字状に構成してなるT字状部材と、
    前記板状頭部の中央部から同軸的に延出されて前記電動モータの前記回転軸と軸動可能に螺合するロッドとを備えており、
    前記コイル状スプリングは、前記板状頭部を前記他側境界壁部に向けて付勢するように前記板状頭部と前記一側境界壁部との間に介装されていることを特徴とする電動モータ弁。
  2. 一側収容部、中側収容部及び他側収容部を軸方向一側から軸方向他側にかけて同軸的に形成してなる筒状ハウジングと、
    当該筒状ハウジングの前記他側収容部内に収容されて、電源からの給電に基づき、正転作動或いは逆転作動する電動モータと、
    前記筒状ハウジングの前記中側収容部内にて当該中側収容部と前記他側収容部との間に設けられる一側境界壁部を通して前記電動モータと同軸的に連結するように収容されて、前記電動モータの前記正転作動或いは前記逆転作動を一側軸方向直進作動或いは他側軸方向直進作動に変換する作動変換手段と、
    前記筒状ハウジングの前記一側収容部内に当該一側収容部と前記中側収容部との間に設けられる他側境界壁部を通して前記作動変換手段と同軸的に連結するように収容されて、当該作動変換手段による前記一側軸方向直進作動或いは前記他側軸方向直進作動への変換に伴い閉弁方向或いは開弁方向に作動する弁部を有する弁機構と、
    前記中側収容部内にて前記作動変換手段を前記他側軸方向直進作動の方向に同軸的に付勢するように設けられるコイル状スプリングとを備える小型電動モータ弁において、
    前記他側収容部内にて前記電動モータの回転軸に当該電動モータの前記軸方向外側にて支持される一側端部と、前記他側収容部内の静止部位に支持される他側端部とを有して、前記他側端部から前記一側端部にかけて前記電動モータを前記逆転作動の方向に付勢するように、前記電動モータの前記回転軸の軸周りに巻装されるゼンマイ状スプリングを具備してなり、
    前記作動変換手段は、
    前記中側及び他側の各収容部内に亘り収容されて前記電動モータの回転軸と同軸的に軸動可能に螺合する螺合体と、
    前記中側収容部の内周面にその軸方向中間部位にて同軸的に嵌装されるスプラインリングとを備えており、
    前記螺合体は、前記スプラインリングの内周面に亘りその軸方向に沿い形成してなる複数のスプライン部に軸動可能にかつ回転不能に噛合する複数の歯部を有するように前記スプラインリングの内側にて同軸的に支持される板状頭部と当該板状頭部の中央部から同軸的に延出されて前記他側境界壁部の中央孔部を軸動可能に通り前記弁部に当該弁部の開閉可能なように連結される軸状脚部との双方でもって縦断面T字状に構成してなるT字状部材と、
    前記板状頭部の中央部から同軸的に延出されて前記電動モータの前記回転軸と軸動可能に螺合するロッドとを備えており、
    前記コイル状スプリングは、前記板状頭部を前記一側境界壁部に向けて付勢するように前記板状頭部と前記一側境界壁部との間に介装されていることを特徴とする電動モータ弁。
  3. 前記筒状ハウジングの前記一側収容部は、その一側壁部及び他側壁部にて、流体を流入させる流入路及び前記流体を流出させる流出路を、前記弁部を介し互いに連通するように設けてなり、
    前記弁機構は、前記流出路のうちの前記一側収容部内への内端開孔部からなる環状弁座部と、前記T字状部材の前記軸状脚部から前記環状弁座部に着座可能なように延出する弁体との双方でもって、前記弁部を構成し
    前記筒状ハウジングの前記一側収容部の内部を、前記筒状ハウジング部材の外部に連通する一側室部と前記弁体を収容する他側室部とに区画するように、前記一側収容部の内壁部と前記弁体の延出基端部との間に連結してなる環状ダイヤフラムを具備しており、
    前記他側室部は、前記流入路及び前記流出路の一方と連通するとともに、前記流入路及び前記流出路の他方に前記弁体を介し前記環状弁座部と連通するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動モータ弁。
  4. 前記ロッドは、単一のすべりねじからなり、
    当該すべりねじは、その後側部にて、前記電動モータの前記回転軸に同軸的に連結されており、
    前記板状頭部の前記中央部は、前記すべりねじの前側部と軸方向に相対軸動可能に螺合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電動モータ弁。
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