JPWO2011055750A1 - 回転アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

高トルク性を一定に保持しつつ高精度に回転制御でき、特に、各種バルブの回転制御用として好適な回転アクチュエータを提供する。軸方向に捩れ角を有する回転構造体2を駆動エネルギー源6を介して回動可能に設け、この回動構造体2を軸方向に拘束した状態で配設して構造体2の両端部に発生した応力を回転力に変換して出力軸体3に伝達した回転アクチュエータである。

Description

本発明は、例えば、生産設備等における装置の自動化などに利用され、空気圧、電気等の駆動エネルギー源により動作する回転アクチュエータに関する。
従来より、装置の自動化などに用いられるアクチュエータとして、例えば、ピストンシリンダー、モータなどのアクチュエータが知られている。このうち、カム、リンク、歯車などの機械部品を内部機構として有し、この内部機構により直線運動・回転運動などに変換して出力するアクチュエータがある。その中で、出力側が回転運動となるアクチュエータは、例えば、バルブに利用され、このアクチュエータの内部機構においては、一般的に、被駆動体に動力を伝達する出力部が軸体形状になっている。内部機構により変換された回転運動は、軸体が回転することで外部に伝達される。すなわち、この変換機構では、同一軸体である出力軸の両端部は、常に同一の回転方向になっている。
この種の機械部品を有する変換機構を備えたアクチュエータは、機械部品間の摩擦による熱損失を発生したり、部品間への異物の浸入や傷の発生などによる劣化が生じたり、或は、部品間の摩耗に伴うヒステリシスの発生による動作特性の劣化が発生しやすくなっている。これらを防止するために、潤滑油を添加したり、機械部品の材料の選定の最適化を図ったりする場合があるが、これらの場合にはコストが上昇するという問題が生じる。
一方で、空気圧等の動作エネルギーを利用して弾性体を動作させ、この弾性体により回転運動に変換させるようにしたものを使用することがある。この場合、機械部品をほとんど用いることがないため、上記の問題が起こりにくくなっている。
このような、弾性体を利用したアクチュエータとして、例えば、特許文献1のトルクアクチュエータが知られている。このトルクアクチュエータは、流体圧を軸方向の回転力に変換する弾性体を有し、この弾性体の膨径変形を利用して回転トルクを発生させるようにしたものである。一方、特許文献2は、弾性体を変形させることにより正転逆転の回転トルクを発生させるようにしたトルクアクチュエータである。同文献1、2のトルクアクチュエータは、いわゆる、ねじり回転動作になっており、同一軸体である出力軸の一端側を固定したときに他端側が回転するようになっている。
特許文献3の流体作動式回転駆動装置は、二つのヘッドピースとこのヘッドピース間に延在するホース本体とを有している。この回転駆動装置は、流体がホース本体の内部空間に作用するときに、互いのヘッドピースの軸方向の相対的運動を妨げつつ、この二つのヘッドピースの相対的回転運動を許容することで駆動力を得るようにしたものである。同文献3の回転駆動装置も、いわゆるねじり回転動作によるアクチュエータである。しかし、このアクチュエータは、同一軸体である出力軸の両端側が互いに逆の方向に回転するようになっている。
特公平5−78687号公報 特公平5−563号公報 特開2001−12414号公報
しかしながら、特許文献1〜3のアクチュエータにおいては、ねじれを発生させるために弾性体の内部に軸方向に傾きを有する線状材が設けられ、図25に示すように、エアの流入により弾性体のねじれる回転角が大きくなるときに弾性体のねじれ量に比例して回転軸が回転する構造になっている。このように、これらのアクチュエータは、弾性体のねじれ変形をそのまま出力軸に伝達する構造である。この場合、線状材の張力によって生じる回転トルクは、回転軸の回転角が大きくなるにつれて弾性体のねじれ抵抗が増加することで減少するため、回転軸の回転トルクを一定に保つことができない。
そのため、これらのアクチュエータは、その回転角が一定限度内の範囲になるように回転動作が限定される補助機構として用いられることが多く、一定の回転トルクや高精度の回転制御・比例制御が要求されるバルブ用のアクチュエータとして使用することは難しくなっている。
本発明は、上記した実情に鑑み、鋭意検討の結果開発に至ったものであり、その目的とするところは、高トルク性を一定に保持しつつ高精度に回転制御でき、特に、各種バルブの回転制御用として好適な回転アクチュエータを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、軸方向にねじれ角を有する回転構造体を駆動エネルギー源を介して回動可能に設け、この回動構造体を軸方向に拘束した状態で配設して構造体の両端部に発生した応力を回転力に変換して出力軸体に伝達した回転アクチュエータである。
請求項2に係る発明は、回転構造体と出力軸体との間に動力伝達機構を設け、この動力伝達機構は、回転構造体が発生した応力により一方向に回転するときに出力軸体に回転を伝達し、回転構造体が逆方向に回転して元の状態に戻るときに出力軸体への回転伝達を停止する機構である回転アクチュエータである。
請求項3に係る発明は、回転構造体は、円筒状の弾性体と、この弾性体の軸方向にねじれ角を有する複数の線材とを有し、弾性体の内側から圧力を加えたときに線材により軸方向のねじれ回転を生じる構造体である回転アクチュエータである。
請求項4に係る発明は、回転構造体の内側に密閉空間となる流体供給排出領域を設け、この流体供給排出領域内に駆動エネルギーとして適宜の流体の供給と排出とを繰り返し行って回転構造体の回転を出力軸体に伝達した回転アクチュエータである。
請求項5に係る発明は、流体供給排出領域に所定圧の流体をパルス状に印加する流体供給排出手段を駆動エネルギー源として接続した回転アクチュエータである。
請求項6に係る発明は、回転構造体は、軸方向にねじれ角を有し、電圧の印加時に長さの縮む形状記憶合金製の複数の金属線材を適宜数含んだ略円筒状の構造体である回転アクチュエータである。
請求項7に係る発明は、回転構造体に駆動エネルギー源として電圧印加手段を設け、この電圧印加手段により繰り返し電圧を印加して回転構造体の回転を出力軸体に繰り返し伝達した回転アクチュエータである。
請求項8に係る発明は、電圧印加手段は、電圧をパルス状に印加する機能を有する印加手段である回転アクチュエータである。
請求項9に係る発明は、動力伝達機構は、出力軸体の外周側に設けられる円筒部と、この円筒部の外周側に軸方向に移動可能に装着され、内外周側に伝達面を有する伝達部材と、この伝達部材の外周側に配設される筒状のケーシングとを同軸に有し、回転構造体の両端側を伝達部材で保持しつつ、駆動エネルギー源を一側部から供給したときに、伝達部材が、回転構造体の一側部でケーシングとかみ合いつつ円筒部とのかみ合いが外れ、他側部でケーシングとのかみ合いが外れつつ円筒部とかみ合って回転構造体の一側部をケーシングに保持しながら回転構造体にねじれ回転を加えて他側部を回転させ、この回転トルクを円筒部を介して出力軸体に伝達する機構である回転アクチュエータである。
請求項10に係る発明は、回転構造体の両端側外周面に熱収縮性チューブを熱収縮により固着し、この熱収縮性チューブを固着した回転構造体の両端部を、伝達部材を成す内側伝達部材と外側伝達部材との螺着により固定保持した回転アクチュエータである。
請求項11に係る発明は、内側伝達部材の外周面に少なくとも1つの竹の子部を形成し、この竹の子部を回転構造体両端部の内周面に食い込ませた回転アクチュエータである。
請求項12に係る発明は、出力軸体に回転弁や昇降動弁等のバルブを接続した回転アクチュエータである。
請求項1に係る発明によると、回転構造体のねじれ回転により発生する応力を回転力に変換して出力軸体に伝達しているので、出力軸体の回転トルクを略一定に確保できる。しかも、出力軸体が一度に回転するときの回転角を小さくすることで高精度の分解能を発揮できる。さらに、回転構造体の小さい回転角による回転を出力軸体に連続的に伝達できるため円滑な回転制御が可能になり、各種バルブの回転制御用として利用することができる。これらの場合、拘束状態を交互に切り換えて回転方向を変化させることができる。また、例えば、電動アクチュエータの場合のように、ステッピングモータや専用の制御回路などを必要としないため、構造が複雑化することがなく全体のコンパクト化を図ることもできる。
請求項2に係る発明によると、駆動エネルギー源から駆動エネルギーを供給又は供給停止したときに駆動エネルギーの供給ごとに出力軸体を回転させることができる。このため、この回転構造体に繰り返し駆動エネルギーを供給することで、出力軸体を連続的に回転させることができる。これにより、出力軸体を安定したトルク特性により回転制御できる。更に、この動力伝達機構を出力軸体の相反する回転側に設けるようにすれば、出力軸を異なる回転方向に回転制御できる。
請求項3又は4に係る発明によると、回転構造体の内側に所定圧の流体を繰り返し供給又は排出することで出力軸体を少しずつ連続的に回転させることができ、この出力軸体を、一定のトルク性を確保しながら所定角度まで回転制御させることができる。しかも、流体としてエアを用いた場合には、弾性体の内側への供給と排出とを迅速かつスムーズにできるため、出力軸体をより滑らかに回転制御できる。
請求項5に係る発明によると、流体供給排出領域に所定圧のパルスエアを繰り返し印加することで出力軸体を極僅かずつ回転させ、略一定の回転トルクを発揮させながら出力軸体を回転制御することで安定したトルク特性を発揮できる。
請求項6又は7に係る発明によると、回転構造体に電圧を繰り返し印加又は印加停止するだけで出力軸体を少しずつ連続的に回転させることができ、この出力軸体を一定のトルク性を確保しながら所定角度まで回転制御することができる。しかも、電圧印加手段を小型化して設備全体のコンパクト化を図ることもできる。
請求項8に係る発明によると、電圧印加手段により電圧をパルス状に繰り返し印加することで出力軸体を極僅かずつ回転させ、略一定の回転トルクを発揮させながら出力軸体を回転制御することで安定したトルク特性を発揮できる。
請求項9に係る発明によると、動力伝達機構における伝達部材と、ケーシング・円筒部とのかみ合いの組み合わせにより、回転構造体に発生した応力を確実に出力軸に伝達又は伝達を回避することができ、出力軸体の誤動作を防ぎつつ高精度の回転制御を実施することができる。この場合、円筒部にスプール的動作を発揮させながら、ねじれ回転の方向を適宜切り換える機能を有している。
請求項10に係る発明によると、回転構造体を伝達部材に対して強固に固着することができ、回転構造体が緩んだり脱落したり急激に消耗することを防いで、優れた封止性能を発揮して回転アクチュエータとして高精度の分解能を維持できる。
請求項11に係る発明によると、回転構造体を抜け方向の抵抗を増加させて抜けや緩みを確実に防止しながら動作させることができる。
請求項12に係る発明によると、複雑な機構を必要とすることなく単純な構成により設けることができ、コンパクト性を発揮しながら各種バルブに接続してこのバルブを高精度に回転制御することができる。
本発明における回転アクチュエータの第1実施形態を示す縦断面図である。 図1の回転アクチュエータにエアを供給した状態を示す縦断面図である。 図2の回転アクチュエータに更にエアを供給した状態を示す縦断面図である。 図3の回転アクチュエータに更にエアを供給した状態を示す縦断面図である。 図4の回転アクチュエータからエアの排出を開始した状態を示す縦断面図である。 図5の回転アクチュエータからエアの排出を完了した状態を示す縦断面図である。 回転アクチュエータと流体供給排出手段とを示した回路図である。 エアの供給・排出と出力軸体の回転方向との関係を示す説明図である。 エアの供給圧力と出力軸体の回転角度との関係の一例を示す説明図である。 エアの供給圧力と出力軸体の回転角度との関係の他例を示す説明図である。 図1の回転アクチュエータの回転構造体にかかる力を示したベクトル図である。 本発明における回転アクチュエータの第2実施形態を示す縦断面図である。 図12の回転アクチュエータにエアを供給した状態を示す縦断面図である。 図13の回転アクチュエータにエアを供給した状態を示す縦断面図である。 図14の回転アクチュエータにエアを供給した状態を示す縦断面図である。 図15の回転アクチュエータからエアの排出を開始した状態を示す縦断面図である。 図16の回転アクチュエータからエアの排出を完了した状態を示す縦断面図である。 第2実施形態における回転アクチュエータの分解斜視図である。 本発明における回転アクチュエータの第3実施形態を示す縦断面図である。 図19の回転アクチュエータの一方側のスイッチ部材に電圧を印加した状態を示す縦断面図である。 図19の回転アクチュエータの他方側のスイッチ部材に電圧を印加した状態を示す縦断面図である。 図19の回転アクチュエータの回転構造体にかかる力を示したベクトル図である。 本発明における回転アクチュエータの第4実施形態を示す縦断面図である。 図23の一部拡大断面図である。 エアの供給圧力と出力軸体の回転角度との関係の比較例を示す説明図である。
以下に、本発明における回転アクチュエータを図面に基づいて詳細に説明する。図1ないし図6においては、本発明の回転アクチュエータの第1実施形態を示したものであり、回転アクチュエータとして流体圧式回転アクチュエータとした例を示している。図7は、図1の回転アクチュエータに流体供給排出手段を接続した回路図を示している。この実施形態では、流体圧としてエアを使用している。
図1において、回転アクチュエータ本体(以下、アクチュエータ本体という)1は、回転構造体2と、出力軸体3と、動力伝達機構4とを有している。回転構造体2は、軸方向に図11に示すねじれ角θを有し、内側に密封空間となる流体供給排出領域5を有している。流体供給排出領域5には図7に示した流体供給排出手段6が駆動エネルギー源として接続され、回転構造体2は、この駆動エネルギー源6を介して回動可能に設けられている。
回転構造体2は、円筒状の弾性体7と、この弾性体7の内部に配設される複数の線材8とを有している。弾性体7は、例えば、クロロピレンゴム等のゴム材料からなり、内側にパルスエア等のエアを供給・排出したときに円周方向に膨張・収縮変形する。線材8は、例えば、アラミド繊維等の強化繊維からなり、弾性体7内に螺旋状にねじれ角θを有するように埋め込まれている。回転構造体2は、弾性体7に内圧が加わらない状態では、弾性体7の復元力により円筒状の形状、又は、図1に示すような中央部付近が収縮した形状に維持されている。
この弾性体7の内側から圧力を加えたときには、弾性体7は、図3、図4に示すように中央部付近を中心として膨張しながら、線材8の張力により軸方向のねじれ回転が生じる。更に、この状態から弾性体7への圧力を除去すると、図1の状態まで弾性体7が収縮し、線材8の作用により弾性体7が元の状態まで戻るようになっている。
このように、回転構造体2は、流体供給排出領域5に駆動エネルギーである流体が供給・排出されたときに膨張・収縮して軸方向にねじれるように変形する。これにより、回転構造体2が回転し、この回転を出力軸体3に繰り返し伝達することが可能になっている。回転構造体2により生じるトルクは、弾性体7の内径、軸方向の長さ、弾性体7の内部に加わる圧力に影響されるため、それぞれの値を適宜設定する必要がある。
図11において、線材8のねじれ角θは、弾性体7の膨張・収縮変形時の回転動作角度αを考慮した上で適宜設定される。空気圧を印加(エアを供給)するときに、上部側が開放され下部側が拘束されている場合には、回転構造体2には、弾性体7が膨張することにより線材8が外側に引張られて回転軸心Lを中心とした回転トルクTが発生し、回転構造体2の上部側が回転する。その際、回転構造体2は、1つの線材8の上端側の点Pが点P´まで移動するように回転動作角度αにより上部側が回転する。このときの線材8の下端側の固定点をQ、線材に対して力の加わる中心点をRとすると、線分PQ=線分P´RQとなり、線材8の長さは一定になる。一方、空気圧の印加を除去(エアを排出)した際には、回転構造体2には弾性体7の弾性力によりねじれ回転の戻り力(いわゆる、バイアス力)が働き、このバイアス力により開放側である回転構造体2の上部側が回転して元の形状まで戻る。又、固定点をPとした場合には、回転トルクTは、上記と反対(逆)方向に作用することになる。
線材8は、回転構造体2の両端部に応力を発生することができれば、螺旋状以外の構造に配列されていたり、或は、弾性体7の外周側に巻装されたり、網状に設けられていてもよい。一方、弾性体7は樹脂等であってもよく、回転構造体2は一体物により形成されていてもよい。
上記したように、回転構造体2は、軸方向に一端側が拘束された状態で配設され、この回転構造体2の両端部に発生した応力が回転力に変換されて出力軸体3に伝達される。
出力軸体3は、略筒状に形成され、回転構造体2の内周側にこの回転構造体2と同軸に配設されて、回転構造体2に対して回転可能になっている。本実施形態では、出力軸体3は、拡径状の円筒部9と一体に形成され、出力軸体3と円筒部9とが一体回転するようになっている。出力軸体3(円筒部9)には、その両端面10、11側に流体供給排出口12、13、略中央付近に流体供給排出口14とが形成され、これらは連通孔15により連通している。両端面の流体供給排出口12、13は、後述するシール部材16よりも端面の内径側に形成されている。
動力伝達機構4は、回転構造体2と出力軸体3との間に設けられ、上記円筒部9と、伝達部材20と、筒状のケーシング21とを同軸に有している。このうち、円筒部9の外周の両側付近には出力軸体3の端部側から中央側に向けて拡径するテーパ面22、23が周面形成され、また、シール用Oリング24が装着されている。更に、円筒部9の両端面側には、上記したシール部材であるOリング16、16が装着されている。
伝達部材20は、円筒部9の上下部側に配設され、Oリング24を介して円筒部9に対して軸方向に移動可能になっている。各伝達部材20、20は、内側伝達部材25と外側伝達部材26とからなっている。内側伝達部材25の内周側には内周伝達面27、外側伝達部材26の外周側には外周伝達面28が形成されている。内周伝達面27は、上記した円筒部のテーパ面22、23にかみ合い可能なテーパに形成されている。外周伝達面28は、ケーシング21の端部側から中央側に向けて縮径するテーパ面29、30にかみ合い可能なテーパに形成されている。内周伝達面27(テーパ面22、23)、外周伝達面28(テーパ面29、30)の図示しないテーパ角度は、伝達部材20が作動可能な適宜の角度に設けられる。
内側伝達部材25の外周側と外側伝達部材26の内周側には、互いに螺合可能なおねじ31とめねじ32とが形成されている。内側伝達部材25と外側伝達部材26とは、その間に回転構造体2の両端部位がシール状態に挟まれた状態で螺着される。この回転構造体2は、Oリング24を介して出力軸体3の外周側に装着される。そのため、この回転構造体2の内側の出力軸体3との間には、密封空間である流体供給排出領域5が形成される。
ケーシング21は、伝達部材20の外周側に配設されてこの伝達部材20と円筒部9とを内部に収納している。ケーシング21の開口側の内周には、外周伝達面28とかみ合い可能な前記テーパ面29、30が形成されている。ケーシング21の両端開口部位には、この開口部位を被蓋可能な第1キャップ部材33と第2キャップ部材34とがそれぞれ固着されている。
第1キャップ部材33、第2キャップ部材34には、それぞれガイド穴35が形成されている。ガイド穴35は、出力軸体3を回転かつ軸方向に摺動可能な穴径に設けられている。ガイド穴35の内周面にはOリング36が装着され、このOリング36により出力軸体3の外周面がシールされる。第1キャップ部材33、第2キャップ部材34における円筒部9の装着位置には、円筒部9が移動可能な空隙部37と、この空隙部37に続けて円筒部9の端面10、11が当接可能な当接面38が形成されている。更に、第1キャップ部材33、第2キャップ部材34には、空隙部37にエアを供給・排出可能な第1空気口39、第2空気口40がそれぞれ外部と連通して形成されている。本実施形態では、前述した回転構造体2は、第1空気口39からエアが供給されたときに時計回転(右回転)方向にねじれ回転を生じ、第2空気口40からエアが供給されたときに反時計回転(左回転)方向にねじれ回転を生じるように設けられている。
図示しないが、第1キャップ部材33、第2キャップ部材34、及び、ケーシングに、フランジ部を設けるようにしてもよい。この場合、第1キャップ部材33、第2キャップ部材34をフランジ部を介してボルト等によりケーシングに取付けできる。
前記構成により、動力伝達機構4は、流体供給排出手段6から空気口39、40を介して一側部からアクチュエータ本体1内に駆動エネルギー源であるエアが供給されたときに、出力軸体の円筒部9の一側のエア供給室に露出している半径方向端面部位がエア圧力の作用により軸方向に移動する。このとき、一側部ではテーパ面22と内周伝達面27とのかみ合いが外れ、他側部ではテーパ面23と内周伝達面27とがかみ合いつつ、伝達部材20、20が軸方向に移動して、回転構造体2の一側部では伝達部材20の外周伝達面28とケーシング21のテーパ面29とがかみ合い、他側部では、外周伝達面28とケーシング21のテーパ面30とのかみ合いが外れる。これにより、回転構造体2の一側部がケーシング21の回転方向に保持され、この状態で第1空気口39よりエアが供給されたときに、回転構造体2に反時計方向にねじれ回転が生じる。このねじれ回転により、他側部が回転したときの回転トルクが円筒部9を介して出力軸体3に伝達される機構である。
この動力伝達機構4により、出力軸体3は、回転構造体2の膨張時にこの回転構造体2のねじれ回転に伴って回転し、回転構造体2の収縮時に回転を停止する。すなわち、動力伝達機構4は、回転構造体2が発生した応力により一方向に回転するときには出力軸体3に回転を伝達し、回転構造体2が逆方向に回転して元の状態に戻るときに出力軸体3の回転伝達を停止する機構となっている。更に、流体供給排出領域5に続けてエアが繰り返し供給・排出されたときには、その供給・排出ごとに出力軸体3が回転又は回転停止しながら、バルブ55の図示しない出力軸を所定角度まで回転する。
本実施形態においては、伝達部材20、20は、動力伝達機構4の上下側に一対設けられる。この伝達機構20、20は、上部側の第1空気口39、下部側の第2空気口40よりエアが供給・排出されたときに、回転構造体2の異なる側部をケーシング21に保持することが可能になる。したがって、エアの供給・排出を、第1空気口39、第2空気口40で交互に切り換えることによって、出力軸体3の回転方向を正転・逆転させることができる。
また、上下の伝達部材20、20の間にはスペーサ部材41が介在されている。スペーサ部材41は、上下の端面41a、41aが内側伝達部材25、25に対してスラスト回転可能な状態で円筒部9(出力軸体3)の外周側に嵌着されている。このスペーサ部材41により、上下の伝達部材20、20の近接方向への移動が規制され、流体供給排出領域5にエアが供給されたときに回転構造体2が軸方向に過度に縮むことが防がれる。そのため、回転構造体2のねじれ回転によるトルクが確保される。スペーサ部材41の略中央付近には、出力軸体3の流体供給排出口14と対応する位置に連通穴42が設けられている。この連通穴42を介して流体供給排出領域5にエアを供給・排出可能になっている。
図7において、流体供給排出手段6は、第1流体流路45と第2流体流路46とを有している。この第1流体流路45、第2流体流路46は、それぞれ第1空気口39、第2空気口40に接続されている。流体供給排出手段6は、流体供給排出領域5に所定圧力の流体を駆動エネルギー源としてパルス状に印加し、回転構造体2を膨張・収縮変形させる手段になっている。流体供給排出手段6は、コンプレッサー47、電磁切換弁48、パルス発生器49、フィルター50、レギュレーター51を有している。
コンプレッサー47は、圧縮エアの供給源であり、フィルター50とレギュレーター51とを介して電磁切換弁48に接続される。フィルター50は、コンプレッサー47からの圧縮エアの塵埃やゴミ等を除去するために設けられる。レギュレーター51は、コンプレッサー47からの圧縮エアを電磁切換弁48に供給するために設けられる。
電磁切換弁48は、コンプレッサー47からのエアをアクチュエータ本体1の第1空気口39、第2空気口40に送るために設けられ、例えば、5方口電磁切換弁からなる。コンプレッサー47からのエアは、電磁切換弁48内の図示しない第1空気用制御ソレノイド、第2空気用制御ソレノイドにより流路が切換えられてアクチュエータ本体1に適宜送られる。
パルス発生器49は、内部に図示しないパルス幅調整機構を有している。パルス幅調整機構は、所定幅のパルス信号を発生可能になっている。パルス発生器49は、第1空気口用パルス出力部52、第2空気口用パルス出力部53を有している。パルス発生器49は、第1空気口用パルス出力部52、第2空気口用パルス出力部53を介して、第1空気口用制御ソレノイド、第2空気口用制御ソレノイドに可変パルス電源を供給してこれらを制御可能になっている。この制御により、電磁切換弁48の流路からアクチュエータ本体1にパルスエアが供給される。パルス発生器49は、任意の間隔でパルス信号を発生することが可能である。これにより、電磁切換弁48からのパルスエアの間隔を制御し、後述するように出力軸体3の回転角度を任意に制御できる。
流体供給排出手段6において、コンプレッサー47からの圧縮エアは、フィルター50、レギュレーター51を介して電磁切換弁48に送られる。このとき、電磁切換弁48の流路がパルス発生器により切換えられる。そして、アクチュエータ本体1に所定圧力のパルスエアが所定間隔で繰り返し供給・排出される。これにより、回転構造体2が膨張・収縮動作される。前述したコンプレッサー47、電磁切換弁48、パルス発生器49、フィルター50、レギュレーター51は、通常用いられるものが利用可能である。
また、図1、図7に示すように、出力軸体3には、任意のバルブ55を接続することが可能である。バルブ55としては、例えば、ボールバルブやバタフライバルブ等の回転弁、ゲートバルブやグローブバルブ等の昇降動弁等がある。バルブ55内の図示しないバルブ弁体は、流体供給排出手段6のパルスエアの供給・排出の調節で開閉制御され、或は任意の中間開度に比例制御される。
続いて、上述した回転アクチュエータの動作を図1〜図6を用いて詳しく説明する。
図1においては、パルスエアの供給開始前のアクチュエータ本体1の状態を示している。エア供給前においては、円筒部9のシール部材16が第1キャップ部材33、第2キャップ部材34の各当接面38、38に密接シールする。出力軸体3は、回転停止状態に維持され、流体供給排出領域5からエアが排出されて回転構造体2が収縮した状態になっている。上下の伝達部材20、20の内周伝達面27、外周伝達面28は、円筒部9のテーパ面22、23とケーシング21のテーパ面29、30とに対してかみ合いが外れた状態になっている。そのため、伝達部材20、20は、円筒部9、ケーシング21に対してフリーの状態になっている。
電磁切換弁48を切換えて、流体供給排出手段6から第1空気口39を介して所定圧力のパルスエアが供給されると、このエアは、第1キャップ部材33の空隙部37に達し、円筒部9には図における下方向に押圧する力が加わる。この力により、下側のシール部材16が端面11との間に押し潰されながら円筒部9(出力軸体3)が下方に往動する。このとき、円筒部9が下方側の伝達部材20を下方側に押圧する。この押圧により、回転構造体2を介して一体化している上方側の伝達部材20も下方側に移動する。そして、円筒部9の摺動により、回転構造体2の一側部、図2における上部側では伝達部材20の外周伝達面28とケーシング21のテーパ面29とがかみ合いつつ、内周伝達面27と円筒部9のテーパ面22とのかみ合いが外れる。回転構造体2の他側部、図2における下部側では外周伝達面28とケーシング21のテーパ面30とのかみ合いが外れつつ、内周伝達面27と円筒部9のテーパ面23とがかみ合った状態になる。
この状態から更に第1空気口39よりエアが供給されると、図3に示すように、出力軸体3の流体供給排出口12よりエアが流れ込む。このエアは、連通孔15を介して中央の流体供給排出口14から、スペーサ部材41の連通穴42を介して回転軸体内側の流体供給排出領域5に供給される。このとき、下側のシール部材16により端面11と当接面38とがシールされているため、第2空気口40からエアが漏れることが防がれる。流体供給排出領域5にエアが供給されると、回転構造体2が膨張変形して線材8により軸方向において右回転のねじれ回転を発生する。このとき、スペーサ部材41により、回転構造体2がねじれに伴って縮むことが防止されている。
その際、上記のように、伝達部材20の一側部で外周伝達面28とケーシングのテーパ面29、他側部で内周伝達面27と円筒部のテーパ面23とがかみ合った状態にある。そのため、回転構造体2は、一側部ではケーシング21に対して回転不能に保持され、他側部では出力軸体3と一体に回転可能になる。このことから、回転構造体2に加わったねじれ回転は他側部の伝達部材20を介して出力軸体3に伝達され、出力軸体3が回転構造体2のねじれ回転に伴って、上方側から見て右方向に回転動作する。
図4においては、回転構造体2が最大に膨張した状態を示している。流体供給排出手段6からのパルスエアは、図の状態になるまで連続的に供給される。続いて、この状態から流体供給排出領域5のエアが流体供給排出口14、連通孔15、流体供給排出口12を介して第1空気口39より排出される。
図5に示すように、流体供給排出領域5からエアが排出されると、回転構造体2が弾性体7の復元力によって収縮伸張変形して左方向のねじれ回転を発生する。このとき、空隙部37のエアも排出されて、出力軸体3が図において上方に復動するとともにテーパ面23でのスラスト方向の推力がなくなるため、下方側の伝達部材20への出力軸体3の押圧が解除される。そして、伝達部材20の外周伝達面28とケーシング21のテーパ面29とのかみ合い、伝達部材20の内周伝達面27と円筒部9のテーパ面23とのかみ合いが外れる。
このような動力伝達機構4の解除により、図5から図6のエア抜けの完了状態までには、出力軸体3の回転が防がれて回転停止状態が維持される。そのため、出力軸体3に接続されたバルブ55のバルブ弁体の開度が維持される。続いて、空隙部37からエアが排出されることで、出力軸体3は図6に示すようにシール部材16が当接面38に密接シールするまで復動する。
このアクチュエータ本体1の動作は、パルスエアを1回供給・排出したときの出力軸体3の回転である。このパルスエアを所定間隔で繰り返し供給・排出することで、その供給ごとに出力軸体3を回転させ、又、排出ごとに出力軸体3を回転停止した状態を維持できる。これにより、出力軸体3をインチング回転により所定角度まで回転動作させ、バルブ55の弁開度を制御することが可能になる。更に、図9や図10に示すように、流体供給排出手段6からのパルスエアの供給・排出時間のパルス印加幅を制御すれば、1回の印加幅に相当する時間の分だけ出力軸体3を回転させて1パルス幅で回転する回転角を調節できる。このため、図10において、パルスエアの供給・排出時間を短く設定して出力軸体3を細かく回転制御でき、バルブ55を微小角度に調整して高精度に制御することが可能になる。このパルスエアの制御は、パルス発生器49のパルス幅調整機構を調整することで可能となり、このパルスエアの制御によりバルブ55を比例制御することも容易となる。
一方、出力軸体3を上記と逆回転方向に回転させる場合には、電磁切換弁48を切換えて、流体供給排出手段6から第2空気口40を介して所定圧力のパルスエアを供給する。この場合、図示しないが、円筒部9には上方向に押圧する力が加わるためにこの円筒部9は上方に往動する。この往動により、回転構造体2の下部側で伝達部材20の外周伝達面28とケーシング21のテーパ面30とがかみ合いつつ内周伝達面27と円筒部9のテーパ面23とのかみ合いが外れる。上部側では、外周伝達面28とケーシング21のテーパ面29とのかみ合いが外れつつ、内周伝達面27と円筒部9のテーパ面22とがかみ合った状態になる。
そして、流体供給排出領域5内にエアが供給されると、回転構造体2には軸方向に対して左回転のねじれ回転が発生することで出力軸体3が左回転する。また、流体供給排出領域5からエアが排出された場合には、出力軸体3の回転停止の状態が維持される。このように、第2空気口40からパルスエアを供給・排出した場合には、第1空気口39からパルスエアを供給・排出した場合と逆回転の出力軸体3の動作が前記と同様におこなわれる。
従って、電磁切換弁48により第1空気口39と第2空気口40への供給・排出を切換えることで出力軸体3を左右の回転方向に回転制御でき、バルブ55を所定開度に調節できる。
図8においては、エアの供給・排出と出力軸体3の回転方向との関係を示している。前述したように、第1空気口39よりエアを供給・排出したときには、出力軸体3が時計回り方向(C.W方向)に回転する。第2空気口40よりエアを供給・排出したときには、出力軸体3が反時計回り方向(C.C.W方向)に回転する。この第1空気口39、第2空気口40からの供給・排出と出力軸体3の回転方向とは逆の関係であってもよく、実施に応じて任意に変更可能である。
本発明の回転アクチュエータは、前述したように、軸方向にねじれ角θを有する回転構造体2を駆動エネルギー源6を介して回動可能に設け、回動構造体2を軸方向に拘束した状態で配設してこの回転構造体2の両端部に発生した応力を回転力に変換して出力軸体3に伝達しているので、回転構造体2のねじれ抵抗を最小限に抑えつつ出力軸体3に回転を伝達することができる。
しかも、動力伝達機構4により、回転構造体2が応力により一方向に回転したときにこの回転を出力軸体3に伝達し、回転構造体2が逆方向に回転して元の状態に戻るときにこの回転を出力軸体3に伝達しない構造であるので、回転構造体2を繰り返し回転動作させてこの回転を出力軸体3に伝達して回転させることができる。これにより、図9や図10に示すように、出力軸体3の回転トルクを常に略一定に保つことができる。そして、一定の回転トルクや高精度の回転制御が要求される各種のバルブ55に利用可能である。
図12ないし図18においては、本発明の回転アクチュエータの第2実施形態を示している。なお、この実施形態以降において、それ以前の実施形態と同一部分は同一符号によって表し、その説明を省略する。
この実施形態におけるアクチュエータ本体60は、図18の分解斜視図に示すように、出力軸体61と円筒部62とが別体に設けられている。円筒部62は、出力軸体61に対して回転可能に設けられている。円筒部62は、出力軸体61の上下側に別体に設けられ、各円筒部62、62と出力軸体61との間にワンウェイクラッチ63、63が装着されている。この構造により、円筒部62は、出力軸体61に対して軸方向に摺動可能であり、かつ、出力軸体61に対して個別に相対回転可能になっている。
更に、円筒部62、62の間にはスペーサ部材64が介在されている。スペーサ部材64は、上下の端面64a、64aが円筒部62(ワンウェイクラッチ63)にスラスト回転可能な状態で出力軸体61に遊嵌されている。このスペーサ部材64により、上下の円筒部62、62が近接方向に移動することが規制される。スペーサ部材64の略中央付近には、流体供給排出用の連通穴65が設けられている。この連通穴65を介してエアを供給・排出することが可能になっている。
出力軸体61の端面側には流体供給排出口66、66が形成されている。流体供給排出口66は、連通孔67により出力軸体の内周側に連通している。これにより、図13〜図15に示すように、エアが流体供給排出口66より供給・排出されたときに、このエアはワンウェイクラッチ63の内周側を通り、スペーサ部材64の連通穴65を介してスペーサ部材64に形成された連通穴42から流体供給排出領域5に供給・排出可能になっている。
アクチュエータ本体60では、流体供給排出領域5にエアが供給(図13〜図15)・排出(図16、図17)されたときに、伝達部材20から円筒部62によりワンウェイクラッチ63を介して出力軸体61に回転伝達が可能である。このため、伝達部材20に対して円筒部62が回転することがない。回転構造体2がねじれ回転するときには、この回転構造体2のねじれる側ではワンウェイクラッチ63が出力軸体61を伝達部材20に対して相対回転不能に保持する。そのため、確実にねじれ回転を伝達部材20から出力軸体3に伝達できる。一方、回転構造体2を回転不能に固定する側では、ワンウェイクラッチ63と出力軸体3とが相対回転可能な関係になるようにワンウェイクラッチ63が取付けられている。このため、回転構造体2がねじれ回転を生じたときに、出力軸体3がスムーズに回転するようになっている。
なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態において、流体としてエアを用いた例を説明したが、この流体はエアに限られることはない。このエアは、例えば、油や水等の他の種類の流体であってもよい。
図19ないし図22においては、本発明の回転アクチュエータの第3実施形態を示している。この実施形態のアクチュエータ本体71は、図22の回転構造体72を有している。回転構造体72は、形状記憶合金製の複数の金属線材73を適宜数含んでいる。金属線材73は、軸方向にねじれ角θを有した状態で略円筒状に配列され、電圧の印加時に長さ方向に縮む特性を有している。
図19において、回転構造体72の内周側には出力軸体82が設けられている。回転構造体72と出力軸体82との間のスペーサ部材41の内側には、コイルスプリング74が設けられている。コイルスプリング74は、上下端側が伝達部材20における内側伝達部材25、25にそれぞれ固定されている。これにより、上下の内側伝達部材25、25が相対回転したときにコイルスプリング74がねじられて、このコイルスプリング74により伝達部材20に元の状態に戻ろうとする力が働く。更に、コイルスプリング74は、上下の伝達部材20、20を所定の間隔に維持する機能も有している。
回転構造体72に電圧を加えた場合には、金属線材73が縮むことでねじれ角θにより回転構造体72に軸方向のねじれ回転が生じる。このときの回転構造体72の動作を詳述する。図22において、電圧を印加するときに、回転構造体72の上部側が開放され、下部側が拘束されている場合に、回転構造体72には回転軸心Lを中心として回転トルクTが発生し、回転構造体72の上部側が回転する。この場合、1つの金属線材73における上端側の点Pは、点P´まで移動するように回転する。この金属線材の下端側の固定点をQとすると、金属線材73が伸縮することで、線分P>線分P´Qの関係になる。
一方、電圧印加を停止すると、金属線材73が初期の長さに復帰しながら回転構造体72にはコイルスプリング74のねじれ回転の戻り力(バイアス力)が働く。このバイアス力により開放側である回転構造体72上部側が回転して元の状態まで戻る。
図19において、アクチュエータ本体71には駆動エネルギー源として、電圧印加手段75が回転構造体72に設けられている。電圧印加手段75は、電源76、開閉器77、回路部78、電圧印加部79、スイッチ部材80を有している。図19ないし図21に示すように、電源76、開閉器77は、回路部78により接続される。回路部78には、電圧印加部79とスイッチ部材80とが並列に接続される。
開閉器77は、オン操作したときに電圧印加部79を介して金属線材73に電圧を印加できるようにオンオフ可能に設けられる。この開閉器77は、オン操作時にスイッチ部材80、80に設けられたスイッチ部81、81のうち、何れか一方側のスイッチ部81を動作可能に切換できる構造である。電圧印加部79は、回転構造体72の上下部位に接続され、金属線材73に電圧を印加可能になっている。スイッチ部材80は、例えば、内部にソレノイド構造を有し、開閉器77のオン操作によりこのソレノイド部分が吸着励磁することによりスイッチ部81がプル動作する。
アクチュエータ本体71は、上述した構成により、電圧印加手段75により電圧を印加して回転構造体72を回転させ、この電圧の印加を繰り返すことで、回転構造体72の回転を出力軸体82に繰り返し伝達可能になっている。
この場合、電圧印加手段75は、回転構造体72と各スイッチ部材80、80とに電圧をパルス状に印加する機能を有している。このパルス状電圧により、回転構造体72と各スイッチ部材80、80とは、動作と動作停止とを所定間隔で繰り返すことが可能である。
次いで、アクチュエータ本体71の動作を述べる。図19においては、開閉器77がオフの状態を示している。この場合には、金属線材73には電圧が印加されないため、回転構造体72が回転することがない。また、上下のスイッチ部材80、80に対しても電圧が印加されないため、このスイッチ部80、80が動作することがない。伝達部材20、20における内周伝達面27、外周伝達面28は、テーパ面22、23、29、30からかみ合いが外れている。このため、伝達部材20、20は、円筒部9、ケーシング21に対してフリーの状態になり、出力軸体82は停止状態になっている。
図20に示すように、開閉器77をオンにして一方側、図において上方側のスイッチ部材80に電圧を印加すると、金属線材73に電圧が印加されて回転構造体72が右回転しようとする。このとき、上方側のスイッチ部材80のスイッチ部81がプル動作し、上方側の伝達部材20を下方側に押圧する。更に、コイルスプリング74を介してこの押圧力が下方側の伝達部材20まで伝わる。そのため、下方側の伝達部材20も下方側に移動する。
そして、回転構造体72の一側部、図において上部側では、伝達部材20の外周伝達面28とケーシング21のテーパ面29とがかみ合いつつ内周伝達面27と円筒部9のテーパ面22とのかみ合いが外れる。回転構造体72の他側部、図において下部側では、外周伝達面28とケーシング21のテーパ面30とのかみ合いが外れつつ内周伝達面27と円筒部9のテーパ面23とがかみ合った状態になる。
この状態で回転構造体72が右回転しようとすると、この回転構造体72の一側部がケーシング21に回動不能に保持され、他側部が出力軸体82と一体に回転可能になる。回転構造体72に右回転のねじれ回転が生じると、このねじれ回転が他側部の伝達部材20を介して出力軸体82に伝達され、この出力軸体82が回転構造体72のねじれ回転に伴って回転動作する。
回転構造体72のねじれ回転により出力軸体82が所定角度まで回転した後には、図19に示すように開閉器77がオフとなり、電圧印加手段75による電圧印加が停止する。これにより、スイッチ部81が元の状態まで戻り、上方側の伝達部材20へ押圧が解除される。続いて、外周伝達面28とテーパ面29とのかみ合いと、内周伝達面27とテーパ面23とのかみ合いが外れる。そして、回転構造体72には上述したコイルスプリング74によるバイアス力が働くため、この回転構造体72が左方向にねじれ回転を生じて元の状態まで戻る。
その際、出力軸体82は、回転構造体72と共に回転することがないため、右回転した状態が維持され、出力軸体72に接続されたバルブ55の弁開度も維持される。以上の動作は、電圧印加手段75によりパルス状電圧を1回印加した場合を述べたものである。引き続きパルス状電圧を繰り返し印加(開閉器77を繰り返しオンオフ)し、回転構造体72とスイッチ部材80との動作と動作停止とを繰り返しておこなうことで、出力軸体82をインチング動作で連続的に回転制御できる。
更に、上述したパルスエアの場合と同様に、パルス状電圧のパルス幅を所定間隔に制御することもできる。この場合、1回のパルス状電圧による出力軸体82の回転角をより細かく調整できる。
出力軸体82を逆回転させる場合には、図21において、開閉器77を他方側のスイッチ部材20の電圧印加側にオンさせる。この場合、金属線材73に電圧が印加されて回転構造体72が左回転しようとすると共に、下方側のスイッチ部材80のスイッチ部81がプル動作して下方側の伝達部材20を上方側に押圧する。この押圧力は、コイルスプリング74により上方側の伝達部材20に伝わり、この伝達部材20も上方側に移動する。
このとき、回転構造体72の下部側では、伝達部材20の外周伝達面28とケーシング21のテーパ面30とがかみ合いつつ内周伝達面27と円筒部9のテーパ面23とのかみ合いが外れる。回転構造体72の上部側では、外周伝達面28とケーシング21のテーパ面29とのかみ合いが外れつつ内周伝達面27と円筒部9のテーパ面22とがかみ合った状態になる。
この状態で回転構造体72が左回転しようとすると、この回転構造体72の他側部がケーシング21に回転不能に保持され、一側部が出力軸体82と一体に回転可能となる。回転構造体72に左回転のねじれ回転が生じると、このねじれ回転が一側部の伝達部材20を介して出力軸体82に伝達され、この出力軸体82が回転構造体72のねじれ回転に伴って回転動作する。
続いて、電圧印加手段75からの電圧の印加が停止すると、スイッチ部81が元の状態まで戻ることで下方側の伝達部材20への押圧が解除される。そして、伝達部材20の外周伝達面28、内周伝達面27と、テーパ面30、22とのかみ合いが外れ、回転構造体72がコイルスプリング74のバイアス力で右方向にねじれ回転を生じて元の状態まで戻る。このとき、出力軸体82は、左回転したままの状態が維持される。この状態から続けて他方側のスイッチ部材80を繰り返し動作させるパルス状電圧を印加すると、上述した右回転の場合と同様に、出力軸体82を連続的にインチング動作で回転制御できる。
図23においては、本発明における回転アクチュエータの第4実施形態を示している。
この実施形態におけるアクチュエータ本体90では、回転構造体91の両端側外周面91a、91aに熱収縮性チューブ92が設けられている。熱収縮性チューブ92としては、例えば、オレフィン系熱収縮チューブや熱収縮性シリコーンゴムチューブが用いられる。このように適度な収縮性、引張り強さ、伸び、引裂き強さを有し、かつ、広い使用温度範囲でも収縮性を発揮できる材料が好ましい。更に、このような特性を具備していれば、熱収縮性チューブ92の代わりに各種の材料を使用することもできる。
熱収縮性チューブ92は、回転構造体91の両端側外周面91a、91aに装着され、この状態で図示しないドライヤ等の適宜の加熱手段で加熱される。これにより、熱収縮性チューブ92が熱収縮し、回転構造体91を半径方向に圧縮密着し、かつ固着される。熱収縮性チューブ92を配設すると回転構造体91の両端側がその他の部分よりも肉厚の状態になる。回転構造体91の外径側は、この熱収縮性チューブ92により保護される。
熱収縮性チューブ92が固着された回転構造体91の両端部105、105は、伝達部材93を成す内側伝達部材94と外側伝達部材95との間に収縮クランプ状態で固定保持される。内側伝達部材94と外側伝達部材95とは、それぞれに形成されたおねじ96とめねじ97との螺着により一体化する。回転構造体91と熱収縮性チューブ92とは、内側伝達部材94により拡径保持されている。熱収縮性チューブ92の外径側は、外側伝達部材95により保護されている。
図24に示すように、内側伝達部材94の外周面94aには、少なくとも1つの竹の子部98が形成されている。竹の子部98は、リング状の突起形状を成し、回転構造体91への挿入方向に対して次第に外径が拡径する断面略直角三角形状に設けられる。竹の子部98の図示しない頂角は、鋭角状に形成されている。この鋭角形状の頂角により、竹の子部98は、回転構造体91両端部105、105の内周面91b、91bに食い込むようになっている。竹の子部98は、3つ程度形成されているとよい。
更に、竹の子部98付近と熱収縮性チューブ92との間には、図示しない接着剤が塗布されていてもよい。接着剤を塗布する場合、この接着剤としては、例えば、SBR(スチレンゴム)系、CR(クロロプレンゴム)系などの合成ゴム系接着剤が好ましい。
外側伝達部材95の内周側の熱収縮性チューブ92との当接部位には、内側方向に適宜角度で曲折する曲折部99が形成されている。曲折部99と対向する内側伝達部材94の外周部分には空間部100が形成されている。熱収縮性チューブ92と回転構造体91の両端部105、105とは、端部側が曲折部99により空間部100側に曲折された状態で、内側伝達部材94と外側伝達部材95との間に固定保持されている。このとき、竹の子部98に圧着固定されている。
上下の伝達部材93、93の間には、前述の実施形態と同様にスペーサ部材101が設けられている。スペーサ部材101の上下の端面101a、101aは、メタルタッチの状態で内側伝達部材94に接触している。そのため、スペーサ部材101は、伝達部材93に対して滑らかに回転摺動可能になっている。内側伝達部材94の外周には、環状当接部102が形成されている。環状当接部102は、外側伝達部材95の対応位置に形成されたタッチ面103にメタルタッチの状態で当接している。
回転構造体91は、スペーサ部材101と内側伝達部材94とのメタルタッチ、内側伝達部材94と外側伝達部材95とのメタルタッチにより、軸方向の寸法精度が高められた状態で装着されている。そのため、収縮後の回転構造体91の軸方向の寸法が一定に制御された状態で回転力を伝達可能になる。
上記のように、アクチュエータ本体90は、熱収縮性チューブ92を熱収縮で固着した回転構造体91の両端部105、105を内側伝達部材94と外側伝達部材95との間に固定保持しているので、この肉厚部分により伝達部材93に対して接触面圧を高め、その収縮力によって固定が強化された状態で回転構造体91及び熱収縮性チューブ92を固着できる。そのため、ねじれ力により回転構造体91が伝達部材93に対して緩んだり、回転構造体91と伝達部材93との固着部分の急激な消耗を防ぐことができる。熱収縮性チューブ92は、熱収縮により回転構造体91に被覆固着されているので、その収縮力に作用によって被覆面を気密状態にできる。
従って、回転構造体91内への流体の加圧に対する封止性能を高めてエア漏れを防止できる。流体の加圧・減圧の繰返しに対しても、回転構造体91が伝達部材93から脱落することを防ぎ、その固着部分の疲労破断や亀裂・破損も防止できる。回転構造体91は、スペーサ部材101と内側伝達部材94、内側伝達部材94と外側伝達部材95とのメタルタッチを介して固定されているので、軸方向の長さが変化することがなく高精度の分解能を維持できる。回転構造体91の螺着により熱収縮性チューブ92を固定しているので分解や組立が容易である。この回転構造体91の組付け構造により、アクチュエータを低コストに抑えつつ全体をコンパクトに形成可能である。
更に、内側伝達部材94に形成した竹の子部98の頂角部分に回転構造体91を食い込ませながら、熱収縮性チューブ92により回転構造体91を外周側から半径方向に圧縮保持して装着しているため、回転構造体91に作用する引張り方向の力に対して大きな引き抜き抵抗力を発生できる。このため、回転構造体91の抜けや緩みを防止できる。外側伝達部材95の曲折部99で回転構造体91及び熱収縮性チューブ92が曲折されるため、竹の子部98による引き抜き力に加えて抵抗力がより強く発揮される。
しかも、竹の子部98と熱収縮性チューブ92との間に接着剤を塗布した場合、この接着剤により熱収縮性チューブ92を回転構造体91に更に強固に固着できる。しかも、これらの間の隙間が塞がれることで流体漏れのおそれもない。
本発明の回転アクチュエータは、軸方向にねじれ角を有する回転構造体を駆動エネルギー源を介して回動可能に設け、この構造体の両端部に発生した応力を回転力に変換して出力軸体に伝達できる構造であれば、上述した以外の各種の構造に設けることもできる。この場合、回転構造体を、弾性体と線材、或は、形状記憶合金製の金属線材を含んだ構造以外の構造に設けることもできる。更に、回転アクチュエータは、バルブ以外の機器や装置などにも利用することができ、特に、高分解能による高精度の回転制御が必要な箇所に設けることでその回転制御機能を最大限に利用できる。
また、伝達部材を動力伝達機構の片側のみに設けることにより、出力軸体の一方向のみの回転制御を実施することも可能であり、この場合には、動力伝達機構を簡略化できることでコンパクト化できる。
1 アクチュエータ本体
2、72 回転構造体
3 出力軸体
4 動力伝達機構
5 流体供給排出領域
6 流体供給排出手段(駆動エネルギー源)
7 弾性体
8 線材
9 円筒部
20 伝達部材
21 ケーシング
55 バルブ
73 金属線材
75 電圧印加手段(駆動エネルギー源)
82 出力軸体
92 熱収縮性チューブ
98 竹の子部
θ ねじれ角
【0003】
のように、これらのアクチュエータは、弾性体のねじれ変形をそのまま出力軸に伝達する構造である。この場合、線状材の張力によって生じる回転トルクは、回転軸の回転角が大きくなるにつれて弾性体のねじれ抵抗が増加することで減少するため、回転軸の回転トルクを一定に保つことができない。
[0008]
そのため、これらのアクチュエータは、その回転角が一定限度内の範囲になるように回転動作が限定される補助機構として用いられることが多く、一定の回転トルクや高精度の回転制御・比例制御が要求されるバルブ用のアクチュエータとして使用することは難しくなっている。
[0009]
本発明は、上記した実情に鑑み、鋭意検討の結果開発に至ったものであり、その目的とするところは、高トルク性を一定に保持しつつ高精度に回転制御でき、特に、各種バルブの回転制御用として好適な回転アクチュエータを提供することにある。
課題を解決するための手段
[0010]
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、軸方向にねじれ角を有する回転構造体を駆動エネルギー源を介して回動可能に設け、この回動構造体を軸方向に拘束した状態で配設して構造体の両端部に発生した応力を回転力に変換して出力軸体に伝達すると共に、前記回転構造体と前記出力軸体との間に、前記回転構造体が逆方向に回転して元の状態に戻るときに前記出力軸体への回転伝達を停止する動力伝達機構を設け、この動力伝達機構は、前記回転構造体が発生した応力により一方向に回転するときに前記出力軸体に回転を伝達し、前記動力伝達機構は、前記出力軸体の外周側に設けられる円筒部と、この円筒部の外周側に軸方向に移動可能に装着され、内外周側に伝達面を有する伝達部材と、この伝達部材の外周側に配設される筒状のケーシングとを同軸に有し、前記回転構造体の両端側を前記伝達部材で保持しつつ、前記駆動エネルギー源を一側部から供給したときに、前記伝達部材が、前記回転構造体の一側部で前記ケーシングとかみ合いつつ前記円筒部とのかみ合いが外れ、他側部で前記ケーシングとのかみ合いが外れつつ前記円筒部とかみ合って前記回転構造体の一側部を前記ケーシングに保持しながら回転構造体にねじれ回転を加えて他側部を回転させ、この回転トルクを前記円筒部を介して前記出力軸体に伝達する機構である回転アクチュエータである。
[0011]
請求項2に係る発明は、回転構造体の両端側外周面に熱収縮性チューブを熱収縮により固着し、この熱収縮性チューブを固着した前記回転構造体の両端部を、前記伝達部材を成す内側伝達部材と外側伝達部材との螺着により固定保持した回転アクチュエータである。
[0012]
請求項3に係る発明は、内側伝達部材の外周面に少なくとも1つの竹の子部を形成し、この竹の子部を前記回転構造体両端部の内周面に食い込ませた回転アクチュエータである。
[0013]
請求項4に係る発明は、回転構造体は、円筒状の弾性体と、この弾性体の軸方向にねじれ角を有する複数の線材とを有し、前記弾性体の内側から圧力を加えたときに前記線材により軸方向のねじれ回転を生じる構造体である回転アクチュエータである。
【0004】
[0014]
請求項5に係る発明は、回転構造体の内側に密閉空間となる流体供給排出領域を設け、この流体供給排出領域内に駆動エネルギーとして適宜の流体の供給と排出とを繰り返し行って前記回転構造体の回転を前記出力軸体に伝達した回転アクチュエータである。
[0015]
請求項6に係る発明は、流体供給排出領域に所定圧の流体をパルス状に印加する流体供給排出手段を駆動エネルギー源として接続した回転アクチュエータである。
[0016]
請求項7に係る発明は、回転構造体は、軸方向にねじれ角を有し、電圧の印加時に長さの縮む形状記憶合金製の複数の金属線材を適宜数含んだ略円筒状の構造体である回転アクチュエータである。
[0017]
請求項8に係る発明は、回転構造体に駆動エネルギー源として電圧印加手段を設け、この電圧印加手段により繰り返し電圧を印加して前記回転構造体の回転を前記出力軸体に繰り返し伝達した回転アクチュエータである。
[0018]
請求項9に係る発明は、電圧印加手段は、電圧をパルス状に印加する機能を有する印加手段である回転アクチュエータである。
[0019]
[0020]
【0005】
[0021]
請求項12に係る発明は、出力軸体に回転弁や昇降動弁等のバルブを接続した回転アクチュエータである。
発明の効果
[0022]
請求項1に係る発明によると、回転構造体のねじれ回転により発生する応力を回転力に変換して出力軸体に伝達しているので、出力軸体の回転トルクを略一定に確保できる。しかも、出力軸体が一度に回転するときの回転角を小さくすることで高精度の分解能を発揮できる。さらに、回転構造体の小さい回転角による回転を出力軸体に連続的に伝達できるため円滑な回転制御が可能になり、各種バルブの回転制御用として利用することができる。これらの場合、拘束状態を交互に切り換えて回転方向を変化させることができる。また、例えば、電動アクチュエータの場合のように、ステッピングモータや専用の制御回路などを必要としないため、構造が複雑化することがなく全体のコンパクト化を図ることもできる。更に、駆動エネルギー源から駆動エネルギーを供給又は供給停止したときに駆動エネルギーの供給ごとに出力軸体を回転させることができる。このため、この回転構造体に繰り返し駆動エネルギーを供給することで、出力軸体を連続的に回転させることができる。これにより、出力軸体を安定したトルク特性により回転制御できる。更に、この動力伝達機構を出力軸体の相反する回転側に設けるようにすれば、出力軸を異なる回転方向に回転制御できる。具体的には、動力伝達機構における伝達部材と、ケーシング・円筒部とのかみ合いの組み合わせにより、回転構造体に発生した応力を確実に出力軸に伝達又は伝達を回避することができ、出力軸体の誤動作を防ぎつつ高精度の回転制御を実施することができる。この場合、円筒部にスプール的動作を発揮させながら、ねじれ回転の方向を適宜切り換える機能を有している。
[0023]
請求項2に係る発明によると、回転構造体を伝達部材に対して強固に固着することができ、回転構造体が緩んだり脱落したり急激に消耗することを防いで、優れた封止性能を発揮して回転アクチュエータとして高精度の分解能を維持できる。
[0024]
請求項3に係る発明によると、回転構造体を抜け方向の抵抗を増加させて抜けや緩みを確実に防止しながら動作させることができる。
【0006】
[0025]
請求項4又は5に係る発明によると、回転構造体の内側に所定圧の流体を繰り返し供給又は排出することで出力軸体を少しずつ連続的に回転させることができ、この出力軸体を、一定のトルク性を確保しながら所定角度まで回転制御させることができる。しかも、流体としてエアを用いた場合には、弾性体の内側への供給と排出とを迅速かつスムーズにできるため、出力軸体をより滑らかに回転制御できる。
[0026]
請求項6に係る発明によると、流体供給排出領域に所定圧のパルスエアを繰り返し印加することで出力軸体を極僅かずつ回転させ、略一定の回転トルクを発揮させながら出力軸体を回転制御することで安定したトルク特性を発揮できる。
[0027]
請求項7又は8に係る発明によると、回転構造体に電圧を繰り返し印加又は印加停止するだけで出力軸体を少しずつ連続的に回転させることができ、この出力軸体を一定のトルク性を確保しながら所定角度まで回転制御することができる。しかも、電圧印加手段を小型化して設備全体のコンパクト化を図ることもできる。
[0028]
請求項9に係る発明によると、電圧印加手段により電圧をパルス状に繰り返し印加することで出力軸体を極僅かずつ回転させ、略一定の回転トルクを発揮させながら出力軸体を回転制御することで安定したトルク特性を発揮できる。
[0029]
[0030]
[0031]
請求項12に係る発明によると、複雑な機構を必要とすることなく単純な構成により設けることができ、コンパクト性を発揮しながら各種バルブに接続してこのバルブを高精度に回転制御することができる。

Claims (12)

  1. 軸方向にねじれ角を有する回転構造体を駆動エネルギー源を介して回動可能に設け、この回動構造体を軸方向に拘束した状態で配設して構造体の両端部に発生した応力を回転力に変換して出力軸体に伝達したことを特徴とする回転アクチュエータ。
  2. 前記回転構造体と出力軸体との間に動力伝達機構を設け、この動力伝達機構は、前記回転構造体が発生した応力により一方向に回転するときに前記出力軸体に回転を伝達し、前記回転構造体が逆方向に回転して元の状態に戻るときに前記出力軸体への回転伝達を停止する機構である請求項1に記載の回転アクチュエータ。
  3. 前記回転構造体は、円筒状の弾性体と、この弾性体の軸方向にねじれ角を有する複数の線材とを有し、前記弾性体の内側から圧力を加えたときに前記線材により軸方向のねじれ回転を生じる構造体である請求項1又は2に記載の回転アクチュエータ。
  4. 前記回転構造体の内側に密閉空間となる流体供給排出領域を設け、この流体供給排出領域内に駆動エネルギーとして適宜の流体の供給と排出とを繰り返し行って前記回転構造体の回転を前記出力軸体に伝達した請求項2又は3に記載の回転アクチュエータ。
  5. 前記流体供給排出領域に所定圧の流体をパルス状に印加する流体供給排出手段を駆動エネルギー源として接続した請求項4に記載の回転アクチュエータ。
  6. 前記回転構造体は、軸方向にねじれ角を有し、電圧の印加時に長さの縮む形状記憶合金製の複数の金属線材を適宜数含んだ略円筒状の構造体である請求項1又は2に記載の回転アクチュエータ。
  7. 前記回転構造体に駆動エネルギー源として電圧印加手段を設け、この電圧印加手段により繰り返し電圧を印加して前記回転構造体の回転を前記出力軸体に繰り返し伝達した請求項2又は6に記載の回転アクチュエータ。
  8. 前記電圧印加手段は、電圧をパルス状に印加する機能を有する印加手段である請求項7に記載の回転アクチュエータ。
  9. 前記動力伝達機構は、前記出力軸体の外周側に設けられる円筒部と、この円筒部の外周側に軸方向に移動可能に装着され、内外周側に伝達面を有する伝達部材と、この伝達部材の外周側に配設される筒状のケーシングとを同軸に有し、前記回転構造体の両端側を前記伝達部材で保持しつつ、前記駆動エネルギ−源を一側部から供給したときに、前記伝達部材が、前記回転構造体の一側部で前記ケーシングとかみ合いつつ前記円筒部とのかみ合いが外れ、他側部で前記ケーシングとのかみ合いが外れつつ前記円筒部とかみ合って前記回転構造体の一側部を前記ケーシングに保持しながら回転構造体にねじれ回転を加えて他側部を回転させ、この回転トルクを前記円筒部を介して前記出力軸体に伝達する機構である請求項2乃至8の何れか1項に記載の回転アクチュエータ。
  10. 前記回転構造体の両端側外周面に熱収縮性チューブを熱収縮により固着し、この熱収縮性チューブを固着した前記回転構造体の両端部を、前記伝達部材を成す内側伝達部材と外側伝達部材との螺着により固定保持した請求項9に記載の回転アクチュエータ。
  11. 前記内側伝達部材の外周面に少なくとも1つの竹の子部を形成し、この竹の子部を前記回転構造体両端部の内周面に食い込ませた請求項10に記載の回転アクチュエータ。
  12. 前記出力軸体に回転弁や昇降動弁等のバルブを接続した請求項1乃至11の何れか1項に記載の回転アクチュエータ。
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