JP5148230B2 - X線検査装置 - Google Patents
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Description
第4発明に係るX線検査装置は、第3発明に係るX線検査装置であって、一のOPアンプは、第1アナログ信号および第2アナログ信号を、時間差をつけてA/D変換部に入力させ、A/D変換部は、OPアンプから時間差をつけて出てくる少なくとも2つの第1アナログ信号および第2アナログ信号を、順番にデジタル信号に変換する。
本発明の第1実施形態に係るX線異物検査装置の外観を図1に示す。このX線異物検査装置10は、食品等の商品の生産ラインにおいて異物検出検査を行う装置であって、連続的に搬送されてくる商品に対してX線を照射して、商品を透過したX線量を基に商品に異物が含まれているか否かの判断を行う。なお、検出対象異物は、金属に限られず、ゴムなども含まれる。
X線異物検査装置10は、図1、図2及び図5に示されるように、主に、シールドボックス11、コンベア12、X線照射器13、X線ラインセンサモジュール14、OPアンプ43A,43B、D/Aコンバータ42A,42B、A/Dコンバータ41A,41B、タッチパネル機能付きのLCDモニタ30及び制御コンピュータ20から構成されている。なお、本実施の形態において、図5から明らかなように、OPアンプ43A,43B、D/Aコンバータ42A,42B及びA/Dコンバータ41A,41Bはそれぞれ2つずつ設けられている。以下、説明の便宜上、符号43Aで示されるOPアンプを「第1OPアンプ」と称し、符号41Bで示されるOPアンプを「第2OPアンプ」と称し、符号42Aで示されるD/Aコンバータを「第1D/Aコンバータ」と称し、符号42Bで示されるD/Aコンバータを「第2D/Aコンバータ」と称し、符号41Aで示されるA/Dコンバータを「第1A/Dコンバータ」と称し、符号41Bで示されるA/Dコンバータを「第2A/Dコンバータ」と称する。
シールドボックス11は、図1に示されるように、両側面に開口11aが形成されている。開口11aは、商品Gを搬出入するための開口となる。なお、この開口11aは、シールドボックス11の外部へのX線漏洩を抑えるための遮蔽ノレン16により塞がれている。この遮蔽ノレン16は、鉛を含むゴムから成形されるもので、商品Gが搬出入されるときには商品Gにより押しのけられる。
コンベア12は、シールドボックス11内において商品Gを搬送するものであって、図5に示されるコンベアモータ12aにより駆動される。このコンベア12の搬送速度は、制御コンピュータ20によるコンベアモータ12aのインバータ制御によって緻密に制御される。
X線照射器13は、図2及び図4に示されるように、コンベア12の中央部の上方に配置されているX線源であり、下方のX線ラインセンサモジュール14に向けてX線(図2および図4の符号Xを参照)を照射する。
X線ラインセンサモジュール14は、図2に示されるようにコンベア12の下方に配置されており商品Gやコンベア12を透過してくるX線を検出するものであって、図2及び図3に示されるようにX線検出部81を有している。このX線検出部81には、コンベア12の搬送方向に直交する方向(以下「第1方向」という)に一直線に配置された多数のフォトダイオード14a(画素)が含まれている。このフォトダイオード14aは、基板に実装されている。また、このX線検出部81では、フォトダイオード14a上にシンチレータ14bが設けられている。なお、本実施の携帯ではシンチレータ14bとして蛍光紙が用いられる。シンチレータ14bは、上から入射してくるX線(透過X線)を光に変換し、その光を各フォトダイオード14aに入射させる。そして、フォトダイオード14aは、その光の強さを電気信号に変換し、アナログ検出信号としてOPアンプ43A,43Bに出力する。
LCDモニタ30は、フルドット表示の液晶ディスプレイであって、X線画像や異物有無の判断結果を表示する。また、LCDモニタ30は、タッチパネル機能も有しており、初期設定や異物検査に関するパラメータ入力などを促す画面の表示も行う。
OPアンプ43A,43Bには、図5に示されるようにX線ラインセンサモジュール14が接続されている。そして、これらのOPアンプ43A,43Bには、X線ラインセンサモジュール14から送信される同一のアナログ検出信号AS0が入力される。なお、アナログ検出信号AS0は、商品GがX線照射領域(図2のハッチング部分を参照)を通過するときに、X線ラインセンサモジュール14の各フォトダイオード14aから一定時間間隔で出力されている。そして、このOPアンプ43A,43Bでは、アナログ検出信号AS0の振幅がA/Dコンバータ41A,41Bに適した振幅に変換処理される(ゲイン調整)。
D/Aコンバータ42A,42Bには、CPU21(後述)によって生成されたデジタル信号が入力される。なお、このデジタル信号は、CPU21において、アナログ検出信号AS0のオフセットを、A/Dコンバータ41A,41Bに適したオフセットにシフトさせるように生成される。そして、これらのD/Aコンバータ42A,42Bは、そのデジタル信号を一定の規則に従ってアナログ調整信号に変換する。
第1A/Dコンバータ41Aは第1OPアンプ43Aから出力されたアナログ出力信号AS1を、CPU21が読み取り可能なデジタル信号DS1に変換し、第2A/Dコンバータ41Bは第2OPアンプ43Bから出力されたアナログ出力信号AS2を、CPU21が読み取り可能なデジタル信号DS1に変換する。そして、これらのA/Dコンバータ41A,41Bから出力されるデジタル信号DS1,DS2は、制御コンピュータ20に送られ、CPU21の異物有無判断処理において利用される。
制御コンピュータ20は、図5に示されるようにCPU21を搭載するとともに、このCPU21が制御する主記憶部としてROM22及びRAM23を、副記憶部としてHDD(ハードディスクドライブ)25を搭載している。
(1)X線画像作成
制御コンピュータ20は、第1A/Dコンバータ41Aから出力されるデジタル信号DS1を基に商品Gの一部のX線画像を作成し、また、第2A/Dコンバータ41Bから出力されるデジタル信号DS2を基に商品Gの他部のX線画像を作成する。
制御コンピュータ20は、第2OPアンプ43Bにおいて無視されたラインセンサ出力値の低い領域のアナログ検出信号に対応するデジタル信号に暗部マスク処理を行い、異物有無判断の対象から除外する。
制御コンピュータ20は、得られた2種のX線画像それぞれから物品Gへの異物混入の有無を判断する。3つの判断方式は、トレース検出方式、2値化検出方式、及びマスク2値化検出方式である。これらの判断方式で判断した結果、1つでも不良と判断するものがあれば、その商品Gは不良品と判断される。なお、これらの判断方式のうち、マスク2値化方式は、X線画像のマスクされていない領域に対して判断を行う。マスクは、商品Gの容器部分などに対して設定される。
(1)
本実施の形態に係るX線異物検査装置10では、X線ラインセンサモジュール14から出力される同一のアナログ検出信号AS0が第1OPアンプ43A及び第2OPアンプ43Bに入力され、第1OPアンプ43Aにおいてラインセンサ出力値の低い領域のアナログ検出信号が最適となるように振幅調整処理やオフセット調整処理が施され、第2OPアンプ43Bにおいてラインセンサ出力値の高い領域のアナログ検出信号が最適となるように振幅調整処理やオフセット調整処理が施される。このため、このX線異物検査装置10では、商品Gの各部において厚みや密度の違いによってX線透過率に大きな差が出るような場合においてX線透過率の大きい部分での異物検出感度とX線透過率の小さい部分での異物検出感度とを著しく低下させることなく良好に保つことができる。
本実施の形態に係るX線異物検査装置10では、OPアンプ43A,43B、D/Aコンバータ42A,42B及びA/Dコンバータ41A,41Bがそれぞれ2つずつ設けられる。このため、このX線異物検査装置10では、商品Gの支配的明度が異なる2以上の領域それぞれについて同時にアナログ信号を処理することができる。したがって、このX線異物検査装置10では、処理速度を低下させることなくX線透過率の大きい部分での異物検出感度とX線透過率の小さい部分での異物検出感度とを良好に保つことができる。
(A)
先の実施形態に係るX線異物検査装置10ではOPアンプ43A,43B、D/Aコンバータ42A,42B及びA/Dコンバータ41A,41Bがそれぞれ2つずつ設けられたが、A/Dコンバータ、OPアンプ及びD/Aコンバータはそれぞれ3つ以上設けられてもよい。
先の実施形態に係るX線異物検査装置10では第1OPアンプ43Aにおいてラインセンサ出力値の低い領域のアナログ検出信号が最適となるように振幅調整処理やオフセット調整処理が施され、第2OPアンプ43Bにおいてラインセンサ出力値の高い領域のアナログ検出信号が最適となるように振幅調整処理やオフセット調整処理が施されたが、各OPアンプ43A,43Bにおいて任意の2つの領域のアナログ検出信号が振幅調整処理やオフセット調整処理されてもかまわない。
先の実施形態に係るX線異物検査装置10は商品数量検査装置等として応用することもできる。かかる場合、検査対象を異物から内容物に変更すればよい。
先の実施形態に係るX線異物検査装置10では制御コンピュータ20は、得られた2種のX線画像それぞれから物品Gへの異物混入の有無を判断したが、制御コンピュータ20は、得られた2種のX線画像を合成(加算処理)した後に、その合成画像に基づいて商品Gへの異物混入の有無を判断してもよい。なお、図6を利用して合算後のX線画像を想定すると、第1OPアンプ43Aの増幅処理によって強調された部分(図6(A)の傾斜部分)に、第2OPアンプ43Bの減幅処理によって強調された部分(図6(B)の傾斜部分)を継ぎ足すようなかたちになる。
先の実施形態に係るX線異物検査装置10ではOPアンプ43A,43Bにおいて振幅調整処理及びオフセット調整処理が行われたが、振幅調整処理及びオフセット調整処理は商品Gの形態等によっていずれか一方が行われるように設定されてもかまわない。
先の実施形態に係るX線異物検査装置10ではOPアンプ43A,43Bにおける振幅調整値やオフセット調整値については商品Gの形態等が考慮されて予め設定されていたが、OPアンプ43A,43Bにおける振幅調整値やオフセット調整値は商品Gを予め流してみて映像を見ながら手動で決めてもよいし、商品Gを予め流してみた時に得られるX線の透過度やX線ラインセンサ出力値等のヒストグラムから決めてもよい。また、振幅調整値についてはオフセット調整値を決定した後にそのオフセット調整値に適した値に決定してもよい。
本発明の第2実施形態に係るX線異物検査装置は、X線ラインセンサモジュール、OPアンプ、D/Aコンバータ及びA/Dコンバータを除く他の構成については、第1実施形態のX線異物検査装置10と概ね同じである。なお、第2実施形態に係るX線異物検査装置には、図7に示されるようにOPアンプ、D/Aコンバータ及びA/Dコンバータがそれぞれ1つずつしか設けられていない。
第1実施形態のX線異物検査装置10と同様の構成になっているシールドボックス11、コンベア12及びX線照射器13等については説明を省略し、以下では、X線ラインセンサモジュール14a、OPアンプ43、D/Aコンバータ42、A/Dコンバータ41及び制御コンピュータ20aについて説明する。
X線ラインセンサモジュール14aは、ライン電荷蓄積時間の設定を除いて第1実施形態に係るX線ラインセンサ14と同一である。このX線ラインセンサモジュール14aでは、図8に示されるように第1実施形態に係るX線ラインセンサモジュールのライン電荷蓄積時間が2分割されている。つまり、このX線ラインセンサモジュール14aからは、第1実施形態に係るX線ラインセンサモジュール14から1つのアナログ検出信号AS0が出力される間に2つのアナログ検出信号AS10,AS10'が出力されることになる。
第2実施形態に係るOPアンプ43は、X線ラインセンサモジュール14aから出力されるアナログ検出信号AS10,AS10'に対してラインセンサ出力値の低い領域のアナログ検出信号が最適となるような振幅調整処理やオフセット調整処理と、ラインセンサ出力値の高い領域のアナログ検出信号が最適となるような振幅調整処理やオフセット調整処理とを交互に施す点で第1実施形態に係るOPアンプ43A,43Bと相違する。
D/Aコンバータ42には、CPU21によって生成されたデジタル信号が入力される。なお、このデジタル信号は、CPU21において、アナログ検出信号AS10,AS10'のオフセットを、A/Dコンバータ41に適したオフセットにシフトさせるように生成される。そして、これらのD/Aコンバータ42は、そのデジタル信号を一定の規則に従ってアナログ調整信号に変換する。
A/Dコンバータ41は、OPアンプ43から出力されたアナログ出力信号AS11,AS12を、CPUが読み取り可能なデジタル信号DS11,DS12に変換する。そして、このA/Dコンバータ41から出力されるデジタル信号DS11,DS12は、制御コンピュータ20aに送られ、CPU21の異物有無判断処理において利用される。
第2実施形態に係る制御コンピュータ20aは、第1実施形態に係る制御コンピュータ20と同様の構成を有するが、画像形成処理を実行する点で第1実施形態に係る制御コンピュータ20と相違する。この制御コンピュータ20aは、A/Dコンバータ41から出力されるデジタル信号DS1,DS2を交互に振り分けて2つのX線画像データを形成する。この2つのX線画像データは、第1実施形態に係る制御コンピュータ20においても行われた異物検出判断処理に用いられる。
本実施の形態に係るX線異物検査装置では、OPアンプ43が、X線ラインセンサモジュール14aから出力されるアナログ検出信号AS10,AS10'に対してラインセンサ出力値の低い領域のアナログ検出信号が最適となるような振幅調整処理やオフセット調整処理と、ラインセンサ出力値の高い領域のアナログ検出信号が最適となるような振幅調整処理やオフセット調整処理とを交互に施す。このため、このX線異物検査装置10では、商品Gの各部において厚みや密度の違いによってX線透過率に大きな差が出るような場合においてX線透過率の大きい部分での異物検出感度とX線透過率の小さい部分での異物検出感度とを著しく低下させることなく良好に保つことができる。
第2実施形態ではX線ラインセンサモジュール14aのライン電荷蓄積時間が、第1実施形態に係るX線ラインセンサモジュール10のライン電荷蓄積時間が2分割されたものになっていた。しかし、ライン第1電荷蓄積時間及びライン第2電荷蓄積時間は任意に決定することができ、例えば、ライン第1電荷蓄積時間及びライン第2電荷蓄積時間が第1実施形態に係るX線異物検査装置10で設定されているライン電荷蓄積時間と同じ長さに設定されてもよい。
12 コンベア
13 X線照射器
14,14a X線ラインセンサモジュール
14a フォトダイオード
14b シンチレータ
20,20a 制御コンピュータ
41,41A,41B A/Dコンバータ
42,42A,42B D/Aコンバータ
43,43A,43B OPアンプ
AS0,AS10,AS10' アナログ検出信号
AS1,AS2,AS11,AS12 アナログ出力信号
GS1,GS2,DS11,DS12 デジタル信号
Claims (4)
- X線を照射するX線照射部と、
被検査対象物を搬送するコンベアの搬送方向に直交する方向に一直線に配置される多数のフォトダイオードを含み、前記被検査対象物の各部分を通過してきたX線を受光して、それらの透過X線の強さに応じたアナログ信号を出力するX線ラインセンサモジュールと、
前記X線ラインセンサモジュールから送信された前記アナログ信号を入力する第1のOPアンプと、
前記X線ラインセンサモジュールから送信された前記アナログ信号であって、前記第1のOPアンプに入力された前記アナログ信号と同一の前記アナログ信号を入力する第2のOPアンプと、
前記第1のOPアンプによって第1の調整量でゲインおよび/またはオフセット処理された第1アナログ信号と、前記第2のOPアンプによって、前記第1の調整量とは異なる第2の調整量でゲインおよび/またはオフセット処理された第2アナログ信号とを入力し、前記第1アナログ信号および前記第2アナログ信号をそれぞれ第1デジタル信号および第2デジタル信号に変換するA/D変換部と、
前記第1デジタル信号および前記第2デジタル信号からX線画像を生成して被検査対象物の良否判定を行う判定処理部と、
を備えたX線検査装置。 - 前記A/D変換部は、少なくとも、第1A/Dコンバータと第2A/Dコンバータとを有しており、
前記第1のOPアンプは、前記第1の調整量でゲインおよび/またはオフセット処理した前記第1アナログ信号を前記第1A/Dコンバータに送り、
前記第2のOPアンプは、前記第2の調整量でゲインおよび/またはオフセット処理した前記第2アナログ信号を前記第2A/Dコンバータに送る、
請求項1に記載のX線検査装置。 - X線を照射するX線照射部と、
被検査対象物を搬送するコンベアの搬送方向に直交する方向に一直線に配置される多数のフォトダイオードを含み、前記被検査対象物の各部分を通過してきたX線を受光して、それらの透過X線の強さに応じたアナログ信号を少なくとも2つ出力するX線ラインセンサモジュールと、
前記X線ラインセンサモジュールから時間差をつけて送信された2つの前記アナログ信号のうち、早いタイミングで送信された第1アナログ信号と、前記第1アナログ信号の後に送信された第2アナログ信号とをそれぞれ異なるゲインおよび/またはオフセット調整量で処理する一のOPアンプと、
前記一のOPアンプによって処理された前記第1アナログ信号および前記第2アナログ信号を、それぞれ第1デジタル信号および第2デジタル信号へと変換するA/D変換部と、
前記第1デジタル信号および前記第2デジタル信号からX線画像を生成して被検査対象物の良否判定を行う判定処理部と、
を備えたX線検査装置。 - 前記一のOPアンプは、前記第1アナログ信号および前記第2アナログ信号を、時間差をつけて前記A/D変換部に入力させ、
前記A/D変換部は、前記OPアンプから時間差をつけて出てくる少なくとも2つの前記第1アナログ信号および前記第2アナログ信号を、順番に前記デジタル信号に変換する、
請求項3に記載のX線検査装置。
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