本発明は、各種施設や各種現場においてネット又はシート等の布状体の設けられたワイヤロープ等の紐状体をウインチを用いて移動することでネット又はシート等の布状体で屋内/屋外の空間部を自在に開放又は閉塞するのに利用する無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムに関する。
ウインチを利用したネット又はシート等の布状体の開閉システムとしては、例えば、工事現場での雨や風避け用のシート膜の開閉システム、屋外のプール等に設けられたUVカットシートの開閉システム、又は大空間部を有する屋内施設でのネットを用いた間仕切り/防球用システム等がある。
工事現場での雨用や風避け用のシート開閉システムの具体例としては、斜面施工箇所の前方に立設配置される複数の下部支柱と、斜面施工箇所の後方に立設配置される複数の上部支柱と、上部支柱と下部支柱との間に架設されて並行して延長する複数の支持索と、隣接する支持索間に斜面方向にスライド可能に張設される膜屋根とから構成されたシート開閉システム(特開平07−197666号公報)がある。
上記シート開閉システムは、下部支柱及び上部支柱によって支持される支持索に地面に対して並行に設けられたシート状の膜屋根を支持索に沿って無端状の横行用ウインチや開閉用ウインチの駆動で横行索や開閉索を一方へ又は逆方向に巻き取り移動することで膜屋根を開閉移動するシステムである。
また、屋内施設でのネットを用いた間仕切り用システムの具体例としては、ネットを連結するためのワイヤロープと、ワイヤロープを引出及び巻取り移動するための滑車の設けられた無端状ウインチと無端状ウインチにより移動したワイヤロープを引出及び巻取りするリールとから構成された間仕切り用のシステム(特開平09−117541号公報)がある。
上記間仕切り用システムは、無端状ウインチを一方向に回転駆動しリールよりワイヤロープを引出し移動するとともに引出されたワイヤロープを無端状ウインチの駆動ドラムに巻回しながら取り出し移動して、ワイヤロープに連結されたネットを引き出して空間部を間仕切りして使用し、またネットを収納する場合は、上記と逆に無端状ウインチを回転駆動しネットに連結されたワイヤロープを無端状ウインチの駆動ドラムに巻回しながら巻き取り移動するとともにリールに巻き取り移動して、ネットを収納移動し空間部を開放する。
また、ウインチとリールとを用いた他のシステムとしては例えば、斜材ケーブルの除雪システム(特開2005−200867号公報)がある。
上記除雪システムは、主塔の上端から下端まで延び、一定の張力が与えられた張力ワイヤロープと、主塔の上端より僅かに下方に配置されたワイヤ受け架台と、除雪しようとする斜材ケーブルに設置されるスクレーバ台車と、スクレーバ台車を引き上げるためのスクレーバ台車牽引ワイヤロープと、除雪しようとする斜材ケーブルの最上端の上方の箇所に配置され、スクレーバ台車牽引ワイヤロープを中継するための台車受け架台と、台車受け架台昇降させるための架台昇降ワイヤロープとを備えて構成され、張力ワイヤロープの下端側にはウインチで張力をかけワイヤ巻取り機で巻き取るように構成されたシステムである。
また、手動式のウインチの駆動軸にアシスト駆動手段を付加するシステムとしては、例えば、ウインチへの電動アシスト方法及び電動アシストウインチ(特開2005−170672号公報)がある。
上記ウインチへの電動アシスト方法は、回転ドラムを手動でハンドルを回転駆動しながら、回転軸を電動ユニットでアシスト駆動する方法である。
発明が解決しようとする課題
しかしながら、上記従来より知られている各システムにおいてワイヤロープをウインチでエンドレス状に移動する場合は、ウインチへの取り込み側とウインチよりの取り出し側とでワイヤロープにかかる自重やネットやシート等の荷重が相違するために、一方側のワイヤロープに延びや撓み、弛み、或いは捩じれが発生し易く、この撓み等をそのつど解消しなければ連続したウインチによるワイヤロープの移動ができない。
特に、手動式の無端状ウインチにおいては、上記ワイヤロープの一方側に発生する延びや撓み/弛みのために、駆動ドラムの手動による(ハンドルを用いて)回転駆動がスムーズにおこなえない。
また、従来の無端状ウインチの回転軸へのアシスト駆動するシステムは、回転軸にアシスト駆動を付加することで、手動によるハンドルの回転をアシストするが、回転ドラムに巻回されたワイヤロープの移動の際、ネットやシート等の荷重により移動する一方側のワイヤロープに撓み等が発生すると、ワイヤロープのスムーズな移動ができず回転軸へのアシスト駆動が空回りすることとなる。
また、各システムで使用されている無端状ウインチとリールを用いたワイヤロープの巻き取りシステムは、無端状ウインチで取り込み移動したワイヤロープをリールで巻き取る/又はリールより取り出したワイヤロープを無端状ウインチより取り出し移動するが、リールと無端状ウインチの駆動ドラムとの間で移動するワイヤロープと駆動ドラムより取り出されてネットやシート等とが設けられた間で移動するワイヤロープとでは、ワイヤロープにかかる自重や、ネットやシート等の荷重がそれぞれ相違している。このためワイヤロープを移動する区間により相違する延びや撓み等が発生することとなり、リールと無端状ウインチとの同期に支障をきたすこととなる。
特に、無端状ウインチの駆動ドラムの回転とリールの回転とが巧く連動しないと、リール部分でワイヤロープの撓み等みが発生しやすく、リール部分での乱巻きが発生する原因となり、頻繁なメンテナンスを必要とする。
また、無端状ウインチ部分では、駆動ドラムに巻回して移動するワイヤロープの取り込み側と取り出し側とでワイヤロープにかかる荷重等が大きく相違すると、駆動ドラム部分での巻回移動がスムーズに行えない。
また、上記のようにリール部分でワイヤロープの撓み等、ワイヤロープにかかるテンションの相違により、ワイヤロープに負荷がかかり疲労性の磨耗等を早める原因になる。
特に、複数の無端状ウインチを制御盤等で制御して複数のワイヤロープを移動する場合は、上記のような撓み等が各ワイヤロープ間で相違するために、無端状ウインチの制御を変更等の頻繁なメンテナンスを必要とする。
このように、ワイヤロープの撓み等の解消については、メンテナンスに多くの時間とコストがかかる。
また、無端状ウインチとリールとを用いるシステムでは、その距離をできるだけ近接することで、無端状ウインチで巻回移動したワイヤロープをリールに巻き取りしたが、無端状ウインチとリールとの距離を近接して使用することは、設置スペース等において多くの制限が加わることとなる。
そこで、本発明は上記問題点を解決すべくスムーズにワイヤロープ等の紐状体を移動することができ、またリールを使用する場合においても確実に巻き取り移動/取り出し移動することができ、しかも、ワイヤロープの磨耗が少なくメンテナンスが容易で、安全性にとんだ無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
上記課題を解決するための無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムとして解決手段は、請求項1に記載のように、ワイヤロープ等の紐状体を駆動ドラムに巻回ドラムに巻回しながら取り込み移動するとともに駆動ドラム側より取り出し移動したワイヤロープ等の紐状体を多層巻きリールに巻き取り移動し、又は多層巻きリールよりワイヤロープ等の紐状体を取り出し移動するとともにワイヤロープ等の紐状体を駆動ドラムに巻回しながら取り出し移動した後、直接又は間接的にネット又はシート等の布状体を昇降移動又は平行移動して空間部を開放又は閉塞する無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムにおいて、ワイヤロープ等の紐状体の移動時にワイヤロープ等の紐状体に撓み、弛み又は捩れが発生すると、該ウインチ本体と別体として構成された解消体に設けられた押圧ローラの押圧と駆動ドラムの回転駆動とを連動し、ワイヤロープ等の紐状体を解消体の押圧ローラの弾性体で中央側(C)へ押圧することで狭めた後、回転駆動する駆動ドラムの縁部側に広げられて駆動ドラムに取り入れ移動により撓み、弛み又は捩れを解消しながら駆動ドラムに巻回移動するとともに、該ワイヤロープ等の紐状体を取り出し方向に距離を自在に調整して設定したローラ体を介して駆動ドラムに制御盤を介して連動した多層巻きリールに巻き取り移動し、又は多層巻きリールと駆動ドラムとを制御盤を介して連動してワイヤロープ等の紐状体の撓み、弛み又は捩れを解消しながら多層巻きリールよりワイヤロープ等の紐状体を取り出し移動するとともに、ワイヤロープ等の紐状体を回転駆動する駆動ドラムに巻回しながら駆動ドラムの回転駆動と、ウインチ本体と別体として構成された解消体に設けられた押圧ローラとを連動し押圧ローラを弾性体で中央側(C)へ押圧することで中央方向に狭めた後、駆動ドラムより取り出し移動して、直接又は間接的にネット又はシート等の布状体を昇降移動又は平行移動して空間部を開放又は閉塞することを特徴とする。
また、無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムとしての第2の解決手段は、請求項2に記載のように、ワイヤロープ等の紐状体を駆動ドラムに巻回しながら取り込み移動するとともに駆動ドラム側より取り出し移動したワイヤロープ等の紐状体を多層巻きリールに巻き取り移動し、又は多層巻きリールよりワイヤロープ等の紐状体を取り出し移動するとともにワイヤロープ等の紐状体を駆動ドラムに巻回しながら取り出し移動した後、直接又は間接的にネット又はシート等の布状体を昇降移動又は平行移動して空間部を開放又は閉塞する無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムにおいて、ワイヤロープ等の紐状体の移動時にワイヤロープ等の紐状体に撓み、弛み又は捩れが発生すると、押圧ローラの押圧と駆動ドラムの回転駆動とを連動し、ワイヤロープ等の紐状体を押圧ローラの押圧で狭めた後、駆動ドラムの縁部側に広げ駆動ドラムに取り入れ移動により撓み、弛み又は捩れを解消しながら駆動ドラムに巻回移動するとともに、該ワイヤロープ等の紐状体を取り出し方向に自在に設定したローラ体を介して駆動ドラムに連動した多層巻きリールに巻き取り移動し、又は多層巻きリールと駆動ドラムとを連動してワイヤロープ等の紐状体の撓み、弛み又は捩れを解消しながら多層巻きリールよりワイヤロープ等の紐状体を取り出し移動するとともにワイヤロープ等の紐状体を駆動ドラムに巻回しながら駆動ドラムの回転駆動と押圧ローラの押圧とを連動し、押圧ローラの押圧で狭めた後、馳駆動ドラムより取り出し移動して、直接又は間接的にネット又はシート等の布状体を昇降移動又は平行移動して空間部を開放又は閉塞することを特徴とする。
発明の作用・効果
本発明の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの第1の解決手段は、先ず無端状ウインチの駆動ドラムの外周に形成された溝にエンドレス状に吊り張りしたワイヤロープ等の紐状体を巻回し、駆動ドラムの駆動軸を駆動源を介して回転駆動して、ワイヤロープ等の紐状体を駆動ドラムに巻回して一方側を取り込み移動するとともに他方側を駆動ドラムより取り出し移動することで、直接又は間接的にワイヤロープ等の紐状体に設けられたネット又はシート等の布状体を上昇移動して上部側に収納し、又は平行移動して側面側に収納して、所望の空間部を開放する。
その後、駆動ドラムの駆動軸を駆動源を介して上記と逆方向に回転して、駆動ドラムに巻回されたワイヤロープ等の紐状体を他方側より取り込み移動するとともに一方側より取り出し移動することで、直接又は間接的にワイヤロープ等の紐状体に設けられたネット又はシート等の布状体を下降移動して空間部に位置させ、又は平行移動して空間部に位置させ、所望の空間部を閉塞する。
この際、ワイヤロープ等の紐状体にはその自重、及びネット又はシート等の布状体の荷重がかかるために、駆動ドラムに取り込み移動するワイヤロープ等の紐状体と、駆動ドラムより取り出し移動するワイヤロープ等の紐状体とではその荷重等が相違するために、一方のワイヤロープ等の紐状体には撓み又は弛みが発生し、スムーズなワイヤロープ等の紐状体の移動ができないが、押圧ローラの押圧と駆動ドラムの回転駆動とを連動し、ワイヤロープ等の紐状体を押圧ローラの押圧で狭めた後、駆動ドラムの縁部側に広げ駆動ドラムに取り入れ移動し、巻回しながら駆動ドラムより取り出し移動しワイヤロープ等の紐状体の撓み又は弛みを解消して、スムーズなワイヤロープ等の紐状体の移動が可能となる。
また、連続したワイヤロープ等の紐状体の移動を行うと、ワイヤロープ等の紐状体には撓み又は弛み以外には、通常捩れが生じることもあり、この捩れにより、駆動ドラムに巻回してのワイヤロープ等の紐状体の移動時に磨耗が生じやすくメンテナンスを頻繁に行う必要があるが、押圧ローラの押圧と駆動ドラムの回転駆動とを連動し、ワイヤロープ等の紐状体を押圧ローラの押圧で狭めた後、駆動ドラムの縁部側に広げ駆動ドラムに取り入れ移動し、巻回しながら駆動ドラムより取り出し、捩れを解消しながらワイヤロープ等の紐状体の移動を行うことができるので、捩れを原因とするワイヤロープ等の紐状体の磨耗がなく、スムーズなワイヤロープ等の紐状体の移動が可能となり、頻繁なメンテナンスを必要としない。
また、無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムとしての第2の解決手段は、先ず無端状ウインチの駆動ドラムの外周に形成された溝にワイヤロープ等の紐状体を巻回し、駆動源で該駆動ドラムの駆動軸を回転駆動して、ワイヤロープ等の紐状体を駆動ドラム側に取り込み移動するとともに駆動ドラムよりワイヤロープ等の紐状体を取り出し移動する。
この際、直接又は間接的にワイヤロープ等の紐状体に設けられたネット又はシート等の布状体が取り付けられているために、ワイヤロープ等の紐状体にはその荷重がかかるが、押圧ローラの押圧と駆動ドラムの回転駆動との連動により撓み、弛み又は捩れを解消した状態で駆動ドラムに取り込み移動しているために、スムーズなワイヤロープ等の紐状体の取り入れ移動が可能となる。
その後、駆動ドラムの他方側より取り出されたワイヤロープ等の紐状体は、無端状ウインチの駆動ドラムと連動して駆動する多層巻きリールに巻き取られることとなる。これにより、余分なワイヤロープ等の紐状体を巻き取り適正な長さとして、また常に緊張した状態のワイヤロープ等の紐状体として、直接又は間接的にワイヤロープ等の紐状体に設けられたネット又はシート等の布状体を上昇移動して上部側に収納し、又は平行移動して側面側に収納して、所望の空間部を開放することができる。
次に、上記とは逆に多層巻きリールを回転駆動して該リールに巻き取られたワイヤロープ等の紐状体を取り出し移動し、取り出し移動したワイヤロープ等の紐状体をリールと連動して駆動する無端状ウインチの駆動ドラムに取り込み移動するとともに駆動ドラムよりワイヤロープ等の紐状体を取り出し移動する。
その後、取り出し移動したワイヤロープ等の紐状体に直接又は間接的に設けられたネット又はシート等の布状体を下降移動して空間部に位置させ、又は平行移動して空間部に位置させ、所望の空間部を閉塞することができる。
上記のような使用により、無端状ウインチのワイヤロープ等の紐状体の移動量に応じて多層巻きリールによる巻き取りすることができる。
また、無端状ウインチの駆動ドラムの駆動軸と、多層巻きウインチの多層巻きドラムの駆動軸とを連動しながら回転駆動することにより、無駄のない紐状体の移動を可能とする。
また、上記無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムとしての第1から第2の解決手段の各無端状ウインチには、押圧ローラの押圧と駆動ドラムの回転駆動とを連動し、ワイヤロープ等の紐状体を押圧ローラの押圧で狭めた後、駆動ドラムの縁部側に広げ駆動ドラムに取り入れ移動し、ネット又はシート等の布状体をワイヤロープ等の紐状体より取り外して収納する場合においても、ネット又はシート等の布状体をワイヤロープ等の紐状体より取り外し、ワイヤロープ等の紐状体の自重による撓み、弛み又は捩れを押圧ローラの押圧と駆動ドラムの回転駆動とを連動して解消しながらワイヤロープ等の紐状体を駆動ドラム側に取り込み移動するとともに駆動ドラムよりワイヤロープ等の紐状体を取り出し移動する、又は駆動ドラムで巻き取り移動するとともに多層巻きリールで巻き取りすることができる。
このように、本発明の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムは、従来より無端状ウインチが使用されているあらゆる技術分野において、従来の問題点を解消して最適に利用することができる。
また、無端状ウインチ装置全体の構成を簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
また、ワイヤロープ等の紐状体の撓み又は弛み等を解消した状態で駆動ドラムへ取り込み移動することができるので、無端状ウインチによる連続したワイヤロープ等の紐状体の移動が可能でそのメンテナンスが少なくてすむ。
また、従来のリール部分で多発したワイヤロープ等の紐状体の撓み又は弛み等が発生することなく事前に解消することができるので、ワイヤロープ等の紐状体の移動時におけるトラブルを極力減少でき、メンテナンスの回数の削減を可能とする。
また、無端状ウインチと、多層巻きリールとの駆動軸を連動することにより、多層巻きリールでの乱巻きが防止でき、また、無端状ウインチと多層巻きリールとの設置位置を自在に調整することができ、あらゆる目的の装置に利用することが可能となる。
また、無端状ウインチの押圧ローラの押圧と駆動ドラムの回転駆動とを連動してワイヤロープ等の紐状体にかかる荷重に対応しているために、多層巻きリールはワイヤロープ等の紐状体の巻き取り及び取り出し移動がスムーズに行え、その構造を簡易に構成でき、コストの低減を図ることができる。
以下、本発明の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの一実施例について下記のような各図面を用いて説明する。
図1から図13は無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの一実施例である無端状ウインチと多層巻きリールを設置した場合を示し、図1は、本発明の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの一実施例を示す概略説明正面図であり、図2はネット又はシート等の布状体を複数の無端状ウインチと多層巻きリールで移動する場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの一実施例を示す概略説明図であり、図3は図2のネット又はシート等の布状体の収納状態を示す概略説明図であり、図4は無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの一実施例を示すフローチャートであり、図5は上部側に無端状ウインチと多層巻きリールを設置した場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図であり、図6は上部側に無端状ウインチを設置し下部側に多層巻きリールを設置した場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図であり、図7、図8は、複数のワイヤロープ等の紐状体を1本に束ねて巻き取りする場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図であり、図9は1本の駆動軸に複数の駆動ドラムを設けて複数のワイヤロープ等の紐状体を移動する場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図であり、図10、図11は水平方向に吊り張りしたネット又はシート等の布状体を開閉移動する場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図であり、図12はテント等の屋根としてネット又はシート等の布状体を並行に移動する場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図であり、図13は無端状ウインチに設けられた撓み又は弛み等の解消手段の他実施例を示す概略説明正面図である。
図14から図17は無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの他実施例である無端状ウインチにアシスト駆動を付加した場合を示し、図14は無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの他実施例に使用する無端状ウインチを示す概略正面図であり、図15はネット又はシート等の布状体を無端状ウインチで移動する場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの他実施例を示す概略説明図であり、図16は無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの他実施例を示すフローチャートであり、図17は図14の無端状ウインチに多層巻きリールを設置した場合を示す概略説明図であり、図18は図14の無端状ウインチの駆動軸に複数の駆動ドラムを設けた場合を示す概略説明図である。
本発明において、ワイヤロープ等の紐状体2とは、ワイヤロープ、通常の強化ロープ、外周にビニールの設けられた線状体等一般に使用されている全てを含み、以下総称として紐状体2として記載する。
本発明において、無端状ウインチ3とは、駆動ドラム4の設けられたウインチ本体5と、駆動ドラム4を回転駆動する駆動源(電動モータ、手動ハンドル等…図示せず)とから構成され、駆動ドラム4の外周縁部には一周又は複数(連続状態)周形成されな略V字状の溝に紐状体2を1周又は1周以上巻回し一方側より取り込み移動し他方側より取り出し移動するウインチである。
本発明の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの第1の実施例は、床面に設けられ、紐状体2を一方より取り込むとともに他方より取り出し移動するエンドレス(無端)状の複数の無端状ウインチ3と、無端状ウインチ3の近傍で各無端状ウインチ3より取り出し移動した他方側の紐状体2を多層状態に巻き取り移動する多層巻きリール6(駆動軸6Aで回転駆動する構成)と、上部側に設けられた滑車7を介して前記紐状体2の一方側と連結されたネット又はシート等の布状体8(以下、布状体8と記載する)とから構成されている。
前記無端状ウインチ3には、ウインチ本体5と一体的に設けられ、駆動ドラム4に取り入れ移動する紐状体2の撓み、弛み、又は捩じれを解消する解消手段としての解消体9が設けられている。解消体9は取り入れられる紐状体2を押圧ローラ10を弾性体で中央側Cへ押圧することで、解消体9へ取り入れられた紐状体2は、先ず中央方向に狭められ後、駆動ドラム4の縁部側に広げられて駆動ドラム4に巻回され紐状体2の撓み等が解消された状態で移動することとなる。
即ち、押圧ローラ10の押圧と駆動ドラム4の回転駆動との連動で紐状体2は引っ張られた状態となり撓み、弛みが解消される。
上記各無端状ウインチ3の駆動ドラム4の回転駆動、及び駆動ドラム4と多層巻きリール6との連動はそれぞれ制御盤(図示せず)を介して制御されている。
本発明の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムは、上記のように構成されており、次に、該システムを利用し所望大きさのの空間部をネット又はシート等の布状体で開放及び閉塞する場合について説明する(図4参照)。
先ず、上部側の形状(例えば円弧状、斜めの状態、水平状態等)に応じて布状体2の移動する時間を予め制御しておく。
次に、吊り上げる布状体8の高さに応じて順次段階的に駆動すべく制御された各無端状ウインチ3及び各多層巻きリール6を、それぞれ連動して駆動(取り出し方向)することで、各多層巻きリール6より紐状体2をそれぞれ順次段階的に取り出し移動し、該各取り出された紐状体2は順次無端状ウインチ3の各駆動ドラム4に巻回した状態で取り入れ移動するとともに取り出し移動し、滑車7を介して床面側に達するまで移動する。その後、紐状体2を布状体8に設けられた取付具(図示せず)に挿通し布状体8の下端側で重りに紐状体2を締結する。
そして、上記制御した状態で各無端状ウインチ3及び各多層巻きリール6をそれぞれ連動して駆動(巻き取り方向)することで、順次無端状ウインチ3の各駆動ドラム4に巻回した状態で取り入れ移動するとともに取り出し移動し取り出し移動した紐状体2を各多層巻きリール6に巻き取り移動することで、布状体8を広げた状態で所望の空間部に位置させて空間部を間仕切り、又は防球用として利用する(図2参照)。
この際、無端状ウインチ3と多層巻きリール6との設置位置等に応じて無端状ウインチ3への紐状体2の取り入れ方向と取り出し方向をローラ体11を用いて自在に設定することができる(図1参照)。
また、各駆動ドラム4より取り出し移動する紐状体2又は各駆動ドラム4に取り入れ移動する紐状体2には、紐状体2の床面までの長さの相違によりそれぞれ相違する自重と、それぞれ相違する布状体8の荷重とがかかるためにそれぞれの紐状体2には異なった撓み、又は弛みが発生する場合があると、それぞれのウインチ本体5に設けられた解消体9により、解消体9へ取り入れられた紐状体2を中央方向に狭められ後に駆動ドラム4の縁部側に広げることで、駆動ドラム4部分では紐状体2の撓み、又は弛みが解消された状態で移動するために駆動ドラム4と多層巻きリール6との連動が容易に行え、結果スムーズな紐状体2の移動が可能となる。
次に、上記とは逆に吊り上げる布状体8の高さに応じて順次段階的に駆動を制御し各無端状ウインチ3及び多層巻きリール6をそれぞれ連動して駆動(巻き取り方向)し、各紐状体2を順次ウインチ3の駆動ドラム4に取り入れるとともに取り出し移動し取り出し移動した紐状体2を多層巻きリール6で順次巻き取ることで、布状体8は下方側より持ち上げることとなり順次折り畳んで上部側の滑車7に沿って収納状態として持ち上げる。これにより、布状体8が空間部より取り除かれ空間部を開放することができる(図3参照)。
この際も、上記空間部を間仕切りする場合と同様に無端状ウインチ3の駆動ドラム4へ取り入れる紐状体2の撓み又は弛みを解消体9で解消するために、スムーズな紐状体2の移動を可能とすることができる。
また、布状体8を取り外して収納する場合は、上記とは逆に順次段階的に駆動を制御し各無端状ウインチ3及び多層巻きリール6をそれぞれ連動して駆動(取り出し方向)し、各多層巻きリール6より紐状体2をそれぞれ順次段階的に取り出し移動して該各取り出された紐状体2は順次無端状ウインチ3の各駆動ドラム4へ取り入れ移動するととも他方側より床面側まで取り出し移動した後、各紐状体2を布状体8より取り外して布状体8を収納するとともに各紐状体2を各無端状ウインチ3及び多層巻きリール6をそれぞれ連動して駆動(巻き取り方向)して上方側に移動する。
この際も、解消体9により紐状体2の撓み又は弛みが解消された状態で移動するために、スムーズな移動が可能となる。
このように、解消体9があるために無端状ウインチ3の駆動ドラム4と多層巻きリール6とのスムーズな連動が可能となり、複数の無端状ウインチ3を用いてあらゆる高さの相違する布状体8であっても、また複数枚の布状体8であっても容易に昇降移動することができる。
上記実施例では、無端状ウインチ3と多層巻きリール6とをそれぞれ下方の床面に設置したが、床面側にスペースがない場合や設置状況に応じて、無端状ウインチ3と多層巻きリール6との設置スペースを少なくすべく上部側にそれぞれ設置することも可能である(図5参照)。
また、無端状ウインチ3のみ上部側に取り付け、多層巻きリール6を床面側に取り付けることも可能で、いろいろなバリエーションにとんだ設置が可能となる(図6参照)。
また、上記実施例では、各紐状体2毎に無端状ウインチ3と多層巻きリール6とを設けてそれぞれの紐状体2を巻き取り移動したが、本発明において、紐状体2毎に無端状ウインチ3と多層巻きリール6とを設けることは必須の構成ではなく、例えば、複数本の紐状体2を1本に連結して1台の無端状ウインチ3と多層巻きリール6とで巻き取り移動することも可能である(図7、図8参照)。
この場合に、1本の駆動軸に複数の駆動ドラム4を設け、それぞれ別体の各多層巻きリール6に巻き取るように構成する事も可能である。(図9参照)
また、上記実施例では、布状体8を昇降移動するシステムとして使用したが、例えば布状体8を水平移動することで空間部を開閉することも可能である。
この場合は、空間部の対向する側の一方側に無端状ウインチ3と多層巻きリール6とを設け、他方側に巻きリール12を設置し、紐状体2を多層巻きリール6より取り出し移動又は巻き取り移動し、無端状ウインチ3の駆動ドラム4を回転駆動して前記取り出し移動した紐状体2を取り込み移動するとともに他方より取り出し移動して巻きリール12で巻き取り、又は紐状体2を巻きリール12より取り出し、無端状ウインチ3の駆動ドラム4を回転駆動して取り出し移動した紐状体2を取り込み移動するととも他方より取り出し移動し、多層巻きリール6に巻き取りすることで、紐状体2に直接的又は間接的に取り付けられた布状体8を水平方向に開閉移動することができる(図10参照)。
または、空間部の対向する側の一方側に無端状ウインチ3を設け、他方側に滑車12Aを設置し、紐状体2を無端状ウインチ3と滑車12A間とにエンドレス状に吊り張り移動して紐状体2に直接的又は間接的に取り付けられた布状体8を水平方向に開閉移動することができる(図11参照)。
また、上記実施例では、布状体8を昇降移動して空間部を間仕切りしたが、本発明において布状体8の昇降移動に限定されるものでなく、例えば、空間部の上部側で並行方向(屋根として)に開閉移動すべく構成することも可能である。この場合は、対向する両側面側にそれぞれ並行に2個の滑車7と2個の無端状ウインチ3とを設け、無端状ウインチ3の近傍に多層巻きリール6を設けることで、無端状ウインチ3の駆動ドラム4は回転駆動(取り出し方向)し、多層巻きリール6より紐状体2を取り出し移動し、取り出し移動した紐状体2を駆動ドラム4へ取り入れ移動するとともに駆動ドラム4より取り出し移動することで、2本の紐状体2間に設けられたた布状体8を水平方向に移動して空間部を覆うようにする。
そして、無端状ウインチ3の駆動ドラム4は回転駆動(巻き取り方向)し、紐状体2を駆動ドラム4へ取り入れ移動するとともに駆動ドラム4より取り出し移動するとともに取り出し移動した紐状体2を多層巻きリール6に巻き取り移動することで、布状体8を水平方向移動して一方側に折り畳んだ状態で収納することも可能である。この場合も解消体9で紐状体2にかかる布状体8の荷重による撓み、又は弛みを解消することができるので、スムーズな紐状体2の移動を可能とする(図10又は図11参照)。
また、上記実施例において、解消体9の設置位置も上記実施例に限定されるものでなく、例えば、解消体9をウインチ本体5と別体として構成することで、駆動ドラム4と適切な位置に解消体9を設置することが可能である。
また、上記実施例では、解消体9を押圧ローラ10で構成したが、例えば、紐状体2を挿通する筒体で構成することで、紐状体2の撓み、又は弛みを解消することも可能であり、また、2個の回転ローラで紐状体2を挟持するように構成することも可能であり、また、駆動ドラム4の外周に沿って移動可能なローラーチェーンからなる押圧体で構成することで、直接駆動ドラム4部分で紐状体2の撓み又は弛みを解消することも可能である。
このように、本発明は紐状体2にかかる荷重等による撓み又は弛みを解消することができるので、連続して使用してもスムーズな紐状体2の移動及び巻き取り移動が行えるという利点がある。
また、無端状ウインチ3の駆動ドラム4の回転と多層巻きリール6の回転とが巧く連動するために、多層巻きリール6部分での乱巻きや撓んだ状態態での巻き取りが発生することがないので、頻繁なメンテナンスを必要としなくメンテナンスにかかるコストの削減をはかることができる。
また、解消体9は紐状体2の撓み又は弛みの解消のみでなく、紐状体2の捩じれも解消することができるので、駆動ドラム4への紐状体2の取り込み、及び取り出しがスムーズに行え、紐状体2の磨耗等の原因を減少することができる。
さらに、紐状体2の撓み又は弛みを解消することができるので、無端状ウインチ3と多層巻きリール6との距離を自在に調整することができ、あらゆる状況の空間部においても自在に対応することができる。
また、布状体8の荷重により、又は連続使用により紐状体2に延びが生じても、多層巻きリール6部分で紐状体2の巻き取り量を調整することで、常に紐状体2を適切に調整でき、布状体8の吊り張りを一定状態に維持することができる。
また、多層巻きリール6の回転による紐状体2の取り出しスピードでそのままスムーズに紐状体2を移動することができる。
さらに、上記実施例において無端状ウインチ3と多層巻きリール6とによる紐状体2の取り出し量は、公知の停止手段でその取り出しの長さを調整することも可能である。
次に、本発明の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの第2の実施例を説明する。
無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの第2の実施例は、床面又は天井側に設けられたエンドレス(無端)状の無端状ウインチ3と、該無端状ウインチ3の駆動ドラム4に巻回して一方より取り込むとともに他方より取り出し移動することでエンドレス状に吊張りした紐状体2と、紐状体2を上部側で対向して、又は斜め方向に吊張りするための滑車7と、紐状体2で直接又は間接的に移動するための布状体8とから構成されている。
前記無端状ウインチ3には、ウインチ本体5と一体的に設けられ、駆動ドラム4に取り入れ移動する紐状体2の撓み又は弛みを解消する解消手段としての解消体9と、駆動ドラム4の駆動軸4Aの回転駆動をアシスト駆動するためのアシスト駆動部16とが設けられている。
解消体9は、取り入れられる紐状体2を押圧ローラ10がレール21に沿って移動することで中央側Cへ押圧し取り入れられた紐状体2は中央方向に狭められ後、駆動ドラム4の縁部側に広げられることとなり駆動ドラム4部分では紐状体2の撓み又は弛みが解消された状態で移動するとともに、駆動ドラム4より取り出される紐状体2には押圧ローラ10がレール21に沿って逆方向に移動することで押圧が解除されて、スムーズに取り出し移動することとなる。
アシスト駆動部16は、モータによる駆動源15と、駆動軸4Aに設けられたプーリー17と、駆動源15の回転軸に設けられたプーリー18と、プーリー17、18間に架け渡されたベルト19とから構成され、電磁クラッチ等を介して強い負荷が駆動軸4Aの回転にかかる場合に連結されて駆動ドラム4の回転をアシスト駆動する(図14参照)。
本発明の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムは、上記のように構成されており、次に、該システムを利用し所望の大きさの空間部をネット又はシート等の布状体で開放及び閉塞する場合について説明する(図16参照)。
先ず、無端状ウインチ3の駆動軸4Aを手動(ハンドル)で駆動してエンドレス状に吊張りされた紐状体2を一方向に移動すると、該紐状体2に並行状態で吊張りした第2紐状体2Aに連結具(図示せず)を介して移動自在に設けられた布状体8を平行移動する(図15参照)。
この際、紐状体2の自重及び布状体8の荷重により、強い力を付加しないと無端状ウインチ3の駆動軸4Aを手動で回転駆動することができない、特に、布状体8の荷重等が一定値(荷重等>a…駆動軸4Aを手動で回転できる駆動力を一定値と設定(大人、女性、子供によって自在に変更可能))以上の場合は、手動では回転駆動できない。この場合に、公知の方法で自動的に、又は電磁クラッチを作動してアシスト駆動部16を作動し、駆動軸4Aを回転駆動することで手動でのハンドル回転を補助する。従って、駆動軸4Aの回転がスムーズに行え、布状体8を第2紐状体2Aに沿って移動することができる。
また、上記布状体8の荷重のために、駆動ドラム4に取り入れ移動する紐状体2には撓み又は弛みが発生する場合があるが、ウインチ本体5に設けられた解消体9により、解消体9へ取り入れられた紐状体2を中央方向に狭められ後に駆動ドラム4の縁部側に広げることで、駆動ドラム4部分では紐状体2の撓み又は弛みが解消された状態で移動することができるので、従来のように単に駆動軸4Aをアシスト駆動する場合に比し、スムーズなアシスト移動を行うことができる。
次に、布状体8の荷重等が一定値以下の場合(荷重等<a)は、自動的に、又は電磁クラッチを作動してアシスト駆動部16を解除して、手動のみで回転駆動する。このように、紐状体2にかかる布状体8の荷重等により自在にアシスト駆動を付加することができる。しかも、解消体9により紐状体2に発生する撓み又は弛みを解消し、従来にないスムーズな紐状体2の移動がすることができる。
その後、無端状ウインチ3の駆動軸4Aをさらに回転駆動することで、所望の空間部を布状体8で閉塞することができる。また、上記と逆方向に無端状ウインチ3の駆動軸4Aを回転駆動することで、所望の空間部の布状体8を移動して開放することができる。この際も、上記同様に、荷重等が一定値(荷重等>a)以上の場合は、アシスト駆動を付加し、布状体8の荷重等が一定値以下の場合(荷重等<a)は、アシスト駆動を解除する。
このように、解消体9で紐状体2に発生する撓み又は弛みを解消するとともに、布状体8の荷重等に応じてアシスト駆動を自在に付加又は解除することで、紐状体2の移動時のトラブルをできるだけ少なくすることができ、且つアシスト駆動が適切に行うことができるので、野外においても、屋内においてもその利用範囲を格段に広げることができる他、メンテナンスを極力少なくすることが可能となる。
また、上記実施例では紐状体2をエンドレス状に吊張りしたが、第1の実施例のように紐状体2を直線状に吊張りする場合は、無端状ウインチ3の近傍に多層巻きリール6を設置し、無端状ウインチ3の駆動ドラム4で紐状体2を巻き取り及び取り出し移動し、多層巻きリール6で巻き取り及び取り出し移動する際に、駆動ドラム4にアシスト駆動を付加することで駆動ドラム4の回転駆動と多層巻きリール6との回転駆動との同期をよりスムーズに行うことで、トラブルなく紐状体2を移動することが可能である(図17参照)。
また、上記実施例では1本の紐状体2を移動したが、1台の無端状ウインチ3で複数の紐状体2を同時に移動すべく複数の駆動ドラム4を駆動軸4Aに設けることも可能である。この場合も、上記と同様に解消体9とアシスト駆動部16とを設けることで、上記と同様の理由により複数の紐状体2をスムーズに移動することができる。さらに、多層巻きリール6を紐状体2の数に応じて取り付けることで、複数の紐状体2の巻き取り移動等を行うことができる(図18参照)。
このように、解消体9があるために無端状ウインチ3の駆動ドラム4によりスムーズな紐状体2を移動することができ、複数の無端状ウインチ3を用いてあらゆる高さの相違する布状体8であっても、また複数枚の布状体8であっても容易に昇降移動することができる。
また、アシスト駆動の付加する一定値を自在に設定することができるので、年齢や性別、体力状況等に応じてあらゆる条件で自在に使用することができる。
しかも、無端状ウインチ3と多層巻きリール6との組み合わせた場合であっても、紐状体2を一定の速度で巻き取り及び取り出し移動することができるので、無端状ウインチ3と多層巻きリール6との設置距離を自在に対応することができ、あらゆるスペースで設置することができる。
また、複数の無端状ウインチ3を制御して駆動する場合においても従来のような頻繁な調整を必要とすることなく、制御することができるので、その設置台数も自在に設定することができ、あらゆる紐状体2の吊り張りも可能であり、あらゆる方向に布状体8を開閉移動することも可能である。
本発明の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの一実施例を示す概略説明正面図
ネット又はシート等の布状体を複数の無端状ウインチと多層巻きリールで移動する場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの一実施例を示す概略説明図
図2のネット又はシート等の布状体の収納状態を示す概略説明図
無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの一実施例を示すフローチャート
上部側に無端状ウインチと多層巻きリールを設置した場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図
上部側に無端状ウインチを設置し下部側に多層巻きリールを設置した場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図
複数のワイヤロープ等の紐状体を1本に束ねて巻き取りする場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図
複数のワイヤロープ等の紐状体を1本に束ねて巻き取りする場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図
1本の駆動軸に複数の駆動ドラムを設けて複数のワイヤロープ等の紐状体を移動する場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図
水平方向に吊り張りしたネット又はシート等の布状体を開閉移動する場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図
水平方向に吊り張りしたネット又はシート等の布状体を開閉移動する場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図
テント等の屋根としてネット又はシート等の布状体を並行に移動する場合の無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムを示す概略説明図
無端状ウインチに設けられた撓み/弛み等の解消手段の他実施例を示す概略説明正面図
無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの他実施例に使用した無端状ウインチを示す概略正面図
ネット又はシート等の布状体を無端状ウインチで移動する無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの他実施例を示す概略説明図
無端状ウインチを用いたネット又はシート等の布状体の開閉システムの他実施例を示すフローチャート
図14の無端状ウインチと多層巻きリールとを示す概略説明図
図14の無端状ウインチの駆動軸に複数の駆動ドラムを設けた場合を示す概略説明図
符号の説明
2…紐状体、3…ウインチ、4…駆動ドラム、6…多層巻きリール、9…解消体