JP5146533B2 - 診断支援装置 - Google Patents
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Description
第3発明に係る診断支援装置では、空調機の運用効率が所定の状態にある事を把握することができる。
図1は、本実施形態で用いる空調機10の診断支援システム1の構成を示す。診断支援システム1はオフィスビルやテナントビル等の建物に用いられるシステムである。診断支援システム1は、主として、空調機10と、診断支援装置40とからなる。
図2は、本実施形態に係る診断支援装置40の概略構成図である。診断支援装置40は、コントローラ20と、補助装置30とからなる。上述したように、コントローラ20は、空調制御用通信線91を介して、空調機10の室外機11と接続されている。また、補助装置30は、コントローラ20とLANで接続されている。補助装置30は、コントローラ20を介して空調機10の運転データを取得する。以下、図2を参照して、各部の構成を説明する。
コントローラ20は、主として、通信部21と、表示部22と、入力部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。
通信部21は、他の機器と通信を行うための通信用インターフェースである。
表示部22は、コントローラ20で受け付けた各室内機12の運転データを表示するためのディスプレイである。ディスプレイに表示される運転データには、各室内機12の運転/停止の状態、運転モード(冷房モード、暖房モード、送風モード等)、設定温度、および室内温度などが含まれる。また、表示部22は、複数の室内機12に対する制御命令を受け付けるための操作画面でもある。
入力部23は、主として上述のディスプレイを覆うタッチパネルおよび操作ボタンから構成されている。
記憶部24には、運転データ記憶領域24aが含まれる。運転データ記憶領域24aには、空調機10の運転データが記憶される。運転データ記憶領域24aに記憶される運転データには、空調機10の運転履歴に関するデータおよび運転状態に関するデータと、空調機10の電力消費量とが含まれる。ここで、空調機10の電力消費量には、後述する取得部25aによって取得された総電力消費量と、後述する電力消費量算出部25cによって算出された室外機11の電力消費量(室外機電力量Eo)および室内機12の電力消費量(室内機電力量EIk)とが含まれる。なお、運転データ記憶領域24aは、運転データを所定の時間(本実施形態では30分)のみ記憶しておくことが可能な記憶容量を有しており、新しい運転データが取得されるたびに、順次古い運転データが消去されてゆく。なお、記憶部24は、上記領域の他、後述の制御部25が読み出して実行可能な管理プログラムが格納される領域を有している。
制御部25は、主として、取得部25aと、空調能力算出部25bと、電力消費量算出部25cと、送信部25dとを有している。
取得部25aは、通信部21を介して、空調機10の運転データを所定間隔毎(本実施形態では5分毎)に取得する。
空調能力算出部25bは、取得部25aが取得した空調機10の運転データに基づいて、空調機10の空調能力を算出する。具体的には、空調能力算出部25bは、蒸発器または凝縮器のエンタルピ差に冷媒循環量Gを乗じることによって空調能力を算出する。より具体的には、冷房時の空調能力Qcは、蒸発器のエンタルピ差Δicに冷媒循環量Gを乗じることにより算出される(Qc=Δic×G)。また、暖房時の空調能力Qhは、凝縮器のエンタルピ差Δihに冷媒循環量Gを乗じることにより算出される(Qh=Δih×G)。
電力消費量算出部25cは、空調機10の電力消費量を算出する。詳細には、電力消費量算出部25cは、運転データ記憶領域24aに記憶されている総電力消費量に基づいて、各室外機11の電力消費量である室外機電力量Eoと、室内機12の電力消費量である室内機電力消費量EIkとをそれぞれ算出する。室外機電力量Eoは、電力量計50で計測された電力消費量を、診断支援システム1内に含まれる室外機11の能力比に応じて按分することで求められる。すなわち、診断支援システム1内に含まれる室外機11の数が1台である場合には、電力量計50で計測された電力消費量が室外機電力量Eoになる。室内機電力量EIkは、室内機12のファンの定格電力にその運転時間を乗じることにより求められる。電力消費量算出部25cによって算出された値は、上述の運転データ記憶領域24aに記憶される。
送信部25dは、運転データ記憶領域24aに記憶された運転データを、通信部21を介して、所定時間ごと(例えば、5分ごと)に補助装置30に送信する。
図2に示すように、補助装置30は、主として、通信部31と、表示部32と、入力部33と、記憶部34と、制御部35とを有する。
通信部31は、コントローラ20と通信を行うための通信用インターフェースである。
表示部32は、コントローラ20を介して取得された空調機10の運転データを表示するためのディスプレイである。ディスプレイに表示される運転データには、コントローラ20の表示部22で表示された運転データと同様、各室内機12の運転/停止の状態、運転モード(冷房モード、暖房モード、送風モード等)、設定温度、および室内温度などが表示される。さらに、表示部32には、後述する画面生成部35jによって生成される画面が表示される。画面生成部35jによって生成される画面については、画面生成部35jの説明と併せて詳細に説明する。
入力部33は、主として、キーボードおよび操作ボタンから構成されている。
記憶部34は、主として、運転データ記憶領域34aと、判定条件記憶領域34bと、措置情報記憶領域34cとを有する。
運転データ記憶領域34aには、上述の送信部25dによって送信された運転データ(空調機10の運転履歴に関するデータおよび運転状態に関するデータと、室外機電力量Eoおよび室内機電力量EIk)が記憶される。さらに、運転データ記憶領域34aには、後述するCOP算出部35b、平均空調負荷率算出部35c、平均電力消費量算出部35d、および頻度計測部35eによって得られた値も記憶される。運転データ記憶領域34aに記憶された値を、以下、室内機の状態値として説明する。
判定条件記憶領域34bには、空調機10の運用効率を判定するために用いられる複数の条件(判定条件)が記憶されている。図4に、判定条件の例を示す。各判定条件には、当該条件に該当する場合と該当しない場合とに応じて、次条件または措置情報に関する番号が関連付けられている。次条件とは、次に判定されるべき条件である。措置情報に関する番号は、後述する措置情報記憶領域34cに記憶された情報に対応する番号である。判定条件は、運用効率判定部35gによって判定される運用効率に応じて用いられる。
措置情報記憶領域34cには、運用効率を改善する措置に関する情報(措置情報)が記憶されている。具体的には、措置情報として、運用効率の程度(各状態値の状態)に応じた複数の措置が記憶されている。
制御部35は、主として、取得部35aと、COP算出部35bと、平均空調負荷率算出部35cと、平均電力消費量算出部35dと、頻度計測部35eと、負荷判定部35fと、運用効率判定部35gと、措置情報提供部35hと、運転時間判定部35iと、画面生成部35jとを有する。
取得部35aは、上述のコントローラ20から送られた運転データを取得する。
COP算出部35bは、空調機10のCOP(成績係数)を算出する。空調機10のCOPには、機器COPとシステムCOPとが含まれる。機器COPは、室外機11の単体の性能を表す。具体的には、上述の空調能力算出部25bによって算出された室外機11の空調能力Qを室外機11の電力消費量Eoで除算した値とする(機器COP=Q/Eo)。システムCOPは、空調能力Qを室外機電力量Eoおよび室内機電力量EIkの合計値で除算した値とする(システムCOP=Q/(Eo+ΣEIk))。システムCOPは、冷媒系統毎に算出される。また、所定期間におけるシステムCOPは、式:システムCOP=(ΣQc/ΣH)/Eaにより求められる。ここで、ΣHは、空調機10の運転時間[時間]を表す。本実施形態では、1日を所定期間とする。COP算出部35bによって算出されたCOPは、運転データ記憶領域34aに記憶される。
平均空調負荷率算出部35cは、運転データ記憶領域34aに記憶されている運転データに基づいて、所定期間における空調機10の空調負荷率の日平均値を算出する。具体的には、式:空調負荷率[%]=(ΣQc/ΣH)/Qrにより求められる。ここで、Qrは、定格能力[kW]を表す。平均空調負荷率算出部35cによって算出された日平均の空調負荷率は、運転データ記憶領域34aに記憶される。
平均電力消費量算出部35dは、運転データ記憶領域34aに記憶されている運転データに基づいて、所定期間における空調機10の積算電力消費量の日平均値を算出する。具体的には、式:電力消費量Ea[kWh/h]=Σ(Eo+ΣEIk)/ΣHにより求められる。平均電力消費量算出部35dによって算出された日平均の積算電力消費量は、運転データ記憶領域34aに記憶される。
頻度計測部35eは、上述した所定期間において、空調機10が所定の平均空調負荷率であった頻度(例えば、空調負荷率が0%であった日数が3日)、および所定のシステムCOPであった頻度(例えば、システムCOPが0であった日数が3日)をそれぞれ計測する。頻度計測部35eによって計測された頻度は、運転データ記憶領域34aに記憶される。
負荷判定部35fは、システムCOPが低い状態が、空調負荷の高い場合(高負荷)および空調負荷の低い場合(低負荷)のいずれの場合に多く発生しているかを判定する。システムCOPが低い状態(低COPの状態)とは、システムCOPが、定格COPの60%以下である状態をいう。負荷判定部35fは、運転データ記憶領域34aに記憶された日平均の空調負荷率に基づいて上記判定を行う。
運用効率判定部35gは、運転データ記憶領域34aに記憶されている運転データと、判定条件記憶領域34bに記憶された判定条件とに基づいて、空調機10の運用効率を判定する。運用効率判定部35gによる運用効率の判定方法は、下記<(4)処理の流れ>の欄で詳細に説明する。
措置情報提供部35hは、上述の措置情報記憶領域34cに記憶された複数の措置情報の中から、運用効率判定部35gによる判定結果に適した一の措置情報を選択する。その後、措置情報提供部35hは、後述する画面生成部35jに、選択した措置情報を提供する。
運転時間判定部35iは、運転データ記憶領域34aに記憶されている運転データに基づいて、各室内機12の運転時間を判定する。
画面生成部35jは、所定期間における空調機10の運転状況を示すための画面(第1画面)を生成する(図6A〜図7参照)。画面には、複数の室内機12に関する運転データが冷媒系統毎に表示される。具体的には、複数の室内機12の状態値(頻度、空調負荷率、積算電力消費量、およびシステムCOP)を示す柱状グラフが表示される。詳細には、図6Aに示す画面は、上述した平均空調負荷率算出部35cによって算出された値と、頻度計測部35eによって計測された空調機10が所定の平均空調負荷率であった頻度とに基づいて判定された空調機10の運転状況を示す画面である。図6Bに示す画面は、上述した平均空調負荷率算出部35cによって算出された値と、平均電力消費量算出部35dによって算出された積算電力消費量の日平均の値とに基づいて判定された空調機10の運転状況を示す画面である。さらに、図6Cに示す画面は、上述したCOP算出部35bによって算出された値と、頻度計測部35eによって計測された空調機10が所定のCOPであった頻度とに基づいて判定された空調機10の運転状況を示す画面である。さらに、図6Dに示す画面は、上述したCOP算出部35bによって算出された値と、平均電力消費量算出部35dによって算出された積算電力消費量の日平均の値とに基づいて判定された空調機10の運転状況を示す画面である。
以下に、図6A〜図6Dを参照して、空調機10の運転状況を示す画面について説明する。当該画面は、画面生成部35jによって生成される。上述したように、図6Aから図6Dは、補助装置30の表示部32に表示される画面である。図6Aの画面は、横軸を空調機10の空調負荷率[%]とし、縦軸を空調機10が所定の空調負荷率で運転された頻度を示す空調負荷率の柱状グラフである。図6Bの画面は、横軸を空調機10の空調負荷率[%]とし、縦軸を空調機10の積算電力消費量[kWh]とし、空調負荷率毎の積算電力消費量を示す柱状グラフである。図6Cの画面は、横軸を空調機10のシステムCOP[−]とし、縦軸を空調機10が所定のシステムCOPであった頻度を示すシステムCOPの柱状グラフである。図6Dの画面は、横軸を空調機10のシステムCOP[−]とし、縦軸を空調機10の積算電力消費量[kWh]とし、システムCOP毎の積算電力消費量を示す柱状グラフである。
次に、空調機10(一の冷媒系統に含まれる複数の室内機12)の運転状況と、空調機10の運用効率を改善するための情報とが表示部32に表示されるまでの処理の流れを、図8および図9を用いて説明する。
〔画面生成処理〕
ステップS101で、補助装置30は、コントローラ20を介して、空調機10の運転データを取得する。詳細には、取得部35aがコントローラ20の運転データ記憶領域24aに記憶されている運転データを取得する。その後、ステップS102で、空調機10の状態値が特定される。状態値とは、具体的に、空調機10の空調負荷率、電力消費量、システムCOPおよび頻度等である。これらの値は、上述したように、COP算出部35b、平均空調負荷率算出部35c、平均電力消費量算出部35d、および頻度計測部35eによって求められる。次に、ステップS103に進み、運用効率判定処理が行われる。運用効率判定処理については、追って説明する。
次に、図9を用いて、運用効率判定部35gによって空調機10の運用効率が判定される処理を説明する。
<特徴>
(1)本実施形態に係る空調機の診断支援装置40は、表示部32に表示される画面(図6Aから図7参照)では、それぞれの結果が柱状グラフで示される。これにより、各値の量を視覚的に認識することができ、空調機の運用効率の診断が容易になる。
<変形例>
(1)上記実施形態に係る診断支援装置40は、コントローラ20と補助装置30とから構成されていたが、診断支援装置40は、コントローラ20および補助装置30に備えられた機能を有する一つの装置であってもよい。または、コントローラ20および補助装置30の両方の機能がいずれか一方もしくは両方に含まれていてもよい。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
11 室外機
12 室内機
20 コントローラ
30 補助装置
40 診断支援装置
Claims (11)
- 空調機の運用効率の診断を支援する診断支援装置(40)であって、
前記空調機の運転データを取得する取得部(25a,35a)と、
前記取得部によって取得された前記運転データを用いて、前記空調機の空調負荷率、COP、電力消費量、および頻度のいずれかを含む状態値を特定する特定部(25b,25c,35b−35e)と、
前記COPおよび前記電力消費量の状態値に基づいて前記運用効率を判定する判定部(35g)と、
前記特定部によって特定された前記状態値に基づいて、前記状態値を改善させる措置に関する情報および前記空調機の運転状況を示す第2画面を生成する画面生成部(35j)と、
前記COPが低い状態が、前記空調機の高負荷および低負荷のいずれの場合に生じているかを判定する負荷判定部(35f)と、
前記判定部によって前記運用効率が悪いと判定された場合に、前記負荷判定部によって判定された結果に応じて、前記情報を前記画面生成部に提供する措置情報提供部(35h)と、
を備える、
診断支援装置。 - 前記判定部が前記運用効率を判定するための条件を記憶する判定条件記憶領域(34b)と、
前記判定部によって判定される運用効率に応じた複数の前記情報を記憶する措置情報記憶領域(34c)と
をさらに備える、
請求項1に記載の診断支援装置。 - 前記措置情報提供部は、前記措置情報記憶領域に記憶された前記複数の情報から一の情報を選択して前記画面生成部に提供し、
前記画面生成部は、前記空調機の運転状況と前記措置情報提供部から提供された前記一の情報とを含む前記第2画面を生成する、
請求項2に記載の診断支援装置。 - 前記状態値に基づいて、前記空調機の運転時間を判定する運転時間判定部(35i)をさらに備え、
前記措置情報提供部は、さらに、運転時間判定部によって判定された結果に応じて、前記一の情報を選択して提供する、
請求項2または3に記載の診断支援装置。 - 前記複数の情報は、前記空調機の空調能力の抑制、目標温度の変更、または間欠運転を提案する情報である、
請求項2から4のいずれかに記載の診断支援装置。 - 前記措置情報提供部によって選択された前記一の情報に対応して、前記空調機を制御するための制御指令を生成する制御指令生成部(35k)をさらに備える、
請求項3から5のいずれかに記載の診断支援装置。 - 前記画面生成部は、一の状態値と、いくつかの状態値との関係で判定された前記運転状況を示すための前記第2画面を生成する、
請求項1に記載の診断支援装置。 - 前記画面生成部が生成する前記第2画面は、第3画面および第4画面を含み、
前記第3画面は、前記一の状態値である第1の状態値と、前記第1の状態値とは異なる状態値である第2の状態値との関係で判定された運転状況を示す画面であり、
前記第4画面は、前記第1の状態値と、前記第1の状態値および前記第2の状態値とは異なる状態値である第3の状態値との関係で判定された運転状況を示す画面である、
請求項7に記載の診断支援装置。 - 前記運転状況は、前記第3画面および前記第4画面に柱状グラフで表示される、
請求項8に記載の診断支援装置。 - 前記第1の状態値は、空調負荷率であり、前記第2の状態値は、頻度であり、前記第3の状態値は、電力消費量である、
請求項8または9に記載の診断支援装置。 - 前記第1の状態値は、COPであり、前記第2の状態値は、頻度であり、前記第3の状態値は、電力消費量である、
請求項8または9に記載の診断支援装置。
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