JP4147868B2 - エネルギー診断システムおよびエネルギー診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調機電力導出装置、エネルギー診断システムおよびエネルギー診断装置、特に、空調機の消費電力推定値を導出する空調機電力導出装置と空調機が設置される建造物内の消費電力の推定値を算出するエネルギー診断システムおよびエネルギー診断装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギーに対する意識の高まりと共に、ビルなどの建造物のエネルギー使用状況を診断するビジネスに注目が集まっている。この診断においては、ビルなどの建造物内のエネルギーコストを削減するために、建造物内の設備機器の消費電力を測定し、運転に無駄がないかどうかの診断がなされる。また、測定された設備機器の消費電力などを利用して、設備機器の更新提案などを行っている。
【0003】
このエネルギー診断においては、設備機器の中でも、空調機の消費電力を測定することが重要である。空調機の消費電力は、ビルなどの建造物内で消費される電力の大半を占める。そのため、空調機の消費電力を測定し、空調機の無駄な電力の使用を診断することが、建造物内のエネルギーコストの削減につながる。そこで、従来のエネルギー診断においては、空調機に電力計あるいはカレントトランス(CT)などの特別の装置を取り付けて、消費電力を測定している。
【0004】
しかし、この従来のエネルギー診断において、空調機の消費電力を測定することのできる期間は、その特別の装置を取り付けている期間に限られる。そのため、空調機の消費電力の季節変動などといったデータを取得し、エネルギー診断に役立てることは難しいのが現状である。このため、空調機に特別な装置を設置すること無しに、簡易に空調機の消費電力を測定することが求められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、エネルギー診断に用いるための空調機の消費電力を簡易に推定する空調機電力導出装置と、空調機の消費電力推定値に基づいて、建造物内の消費エネルギーの診断を行うエネルギー診断システムおよびエネルギー診断装置とを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかるエネルギー診断システムは、空調機電力導出装置と、建造物内電力算出装置とを備えている。空調機電力導出装置は、建造物内に設置される空調機の有する電力消費部品の消費電力値を、冷媒の温度、電力消費部品の動作時間及び単位時間あたりの消費電力の少なくとも一つから推定し、推定された電力消費部品の消費電力推定値を合算して、空調機の消費電力推定値を導出する。建造物内電力算出装置は、空調機電力導出装置により導出された空調機の消費電力推定値に、建造物内の消費電力に対する空調機の消費電力の割合の統計データ、季節又は建造物の種類に応じて設定された所定の係数を乗じることにより、建造物内の消費電力の推定値を算出する。
【0007】
ここで、電力消費部品とは、例えば、空調機の圧縮機、室内ファンモータ、室外ファンモータあるいは圧縮機のための補助ヒーターなどである。空調機電力導出装置は、電力消費部品の動作に関する情報を取得し、消費電力を推定する。例えば、圧縮機の消費電力は、同じ冷媒回路に接続される蒸発器での冷媒の蒸発温度と凝縮器での冷媒の凝縮温度とから推定できることが知られている。そのため、圧縮機に対しては、蒸発器での冷媒の蒸発温度と凝縮器での冷媒の凝縮温度と取得し、消費電力の推定を行う。さらに、空調機電力導出装置は、推定されたそれぞれの電力消費部品の消費電力推定値を合計することにより、あるいは、電力消費部品の消費電力推定値に所定の係数を乗ずることにより、空調機の消費電力推定値を導出する。
【0008】
建造物内電力算出装置は、建造物内の空調機による消費電力の推定値の合計に所定の係数を乗ずることにより、建造物内の消費電力の推定値を算出する。ここで、所定の係数とは、例えば、建造物内の消費電力に対する空調機の消費電力の割合といった統計データなどに基づいて設定される係数である。また、この係数が季節や建造物の種類に応じて設定されるものであれば、建造物内の消費電力は、さらに正確に推定される。ここで、建造物の種類とは、例えば、オフィス、病院、学校あるいは工場といった種類のことである。
【0009】
このエネルギー診断システムにより、消費電力を測定するための特別な装置を設置すること無しに、簡易に建造物内の消費電力を算出することが可能となる。また、建造物内の電力消費の動向を長期にわたり測定することも可能となり、より詳細なエネルギー診断を行うことも可能となる。
【0010】
請求項2にかかるエネルギー診断装置は、空調機電力導出手段と、建造物内電力算出手段とを備えている。空調機電力導出手段は、建造物内に設置される空調機の有する特定の電力消費部品の消費電力値を、冷媒の温度、前記電力消費部品の動作時間及び単位時間あたりの消費電力の少なくとも一つから推定し、推定された電力消費部品の消費電力推定値を合算して、空調機の消費電力推定値を導出する。建造物内電力算出手段は、空調機電力導出手段により導出された空調機の消費電力推定値に、建造物内の消費電力に対する空調機の消費電力の割合の統計データ、季節又は建造物の種類に応じて設定された所定の係数を乗じることにより、建造物内の消費電力の推定値を算出する。
【0011】
ここで、電力消費部品とは、例えば、空調機の圧縮機、室内ファンモータ、室外ファンモータあるいは圧縮機のための補助ヒーターなどである。空調機電力導出手段は、電力消費部品の動作に関する情報を取得し、消費電力を推定する。例えば、圧縮機の消費電力は、同じ冷媒回路に接続される蒸発器での冷媒の蒸発温度と凝縮器での冷媒の凝縮温度とから推定できることが知られている。そのため、圧縮機に対しては、蒸発器での冷媒の蒸発温度と凝縮器での冷媒の凝縮温度と取得し、消費電力の推定を行う。さらに、空調機電力導出手段は、推定されたそれぞれの電力消費部品の消費電力推定値を合計することにより、あるいは、電力消費部品の消費電力推定値に所定の係数を乗ずることにより、空調機の消費電力推定値を導出する。建造物内電力算出手段は、空調機電力導出手段により導出された空調機の消費電力推定値に基づいて、建造物内の空調機による消費電力の推定値を算出する。さらに、建造物内電力算出手段は、建造物内の空調機による消費電力の推定値に所定の係数を乗ずることにより、建造物内の消費電力の推定値を算出する。ここで、所定の係数とは、例えば、建造物内の消費電力に対する空調機の消費電力の割合といった統計データなどに基づいて設定される係数である。また、この係数が季節や建造物の種類に応じて設定されるものであれば、建造物内の消費電力は、さらに正確に推定される。ここで、建造物の種類とは、例えば、オフィス、病院、学校あるいは工場といった種類のことである。
【0012】
このエネルギー診断装置により、消費電力を測定するための特別な装置を設置すること無しに、簡易に建造物内の消費電力を算出することが可能となる。また、建造物内の電力消費の動向を長期にわたり測定することも可能となり、より詳細なエネルギー診断を行うことも可能となる。
【0013】
請求項3にかかるエネルギー診断装置は、請求項2に記載のエネルギー診断装置であって、電力消費部品は、空調機の圧縮機を含む。
【0014】
空調機電力導出手段は、圧縮機の動作にかかわる情報を取得し、圧縮機の消費電力を推定する。例えば、圧縮機の消費電力は、同じ冷媒回路に接続される蒸発器での冷媒の蒸発温度と凝縮器での冷媒の凝縮温度とから推定できることが知られている。そのため、圧縮機に対しては、蒸発器での冷媒の蒸発温度と凝縮器での冷媒の凝縮温度と取得し、消費電力の推定を行う。さらに、空調機電力導出手段は、部品電力推定手段により推定された圧縮機の消費電力推定値に基づいて、空調機の消費電力推定値を導出する。
【0015】
圧縮機による消費電力は、空調機の消費電力の大半を占める。そのため、このエネルギー診断装置を用いて、圧縮機の消費電力を正確に推定することにより、空調機の消費電力をより正確に導出することが可能となる。さらに、空調機の消費電力をより正確に導出することが可能となれば、建造物内の消費電力をより正確に算出することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
〈システムの概要〉
本発明の第1実施形態にかかる空調機管理システムを図1に示す。この空調機管理システムは、建造物60内に設置される空調設備30を運用管理するシステムであり、ローカルコントローラ10と呼ばれる制御装置により、空調設備30の状態監視、発停制御、動作設定などを行う。また、ローカルコントローラ10が空調設備30から収集した情報や空調設備30の動作設定の情報などは、通信網50を介して管理サーバ20に通知される。管理サーバ20は、通知された情報をもとに、空調設備30の異常の監視などを行う。
【0017】
また、この空調機管理システムは、建造物60内で消費される電力を推定し、エネルギー使用状態の診断を行うことができる。本実施形態においては、このエネルギー診断について説明する。
【0018】
〈システムの構成〉
本発明の空調機管理システムは、建造物60内に設置される空調設備30と、ローカルコントローラ10と、通信網50を介してローカルコントローラ10と接続される管理サーバ20とを備えている。
【0019】
建造物60内には、空調設備30のほか、電気設備40、照明設備41および防災・防犯設備42などといった設備機器が設置されている。
【0020】
空調設備30は、空調機31,32,・・・を備えている。空調設備30の構成については後で説明を加える。
【0021】
ローカルコントローラ10は、CPU12を搭載すると共に、このCPU12が制御する記憶部11としてRAMやROMなどを備えるコンピュータである。記憶部11は、部品電力推定プログラム11aと、空調機電力導出プログラム11bとを備えている。
【0022】
通信網50は、例えば、公衆回線や専用回線などである。
【0023】
管理サーバ20は、CPU22を搭載すると共に、このCPU22が制御する記憶部21としてRAM、ROMあるいはハードディスクなどを備えるコンピュータである。記憶部21は、建造物内電力算出プログラム21aを備えている。
【0024】
〈空調設備30の構成〉
空調設備30が備える空調機31,32,・・・は、マルチ型と呼ばれる空調機である。このマルチ型の空調機31は、1つの室外機31aに対して複数の室内機31b,31c,・・・が冷媒配管や伝送線を介して接続される。空調機32についても同様に、1つの室外機に対して複数の室内機が接続される。以下、空調機31,32,・・・について、空調機31を例にとって説明する。
【0025】
空調機31は、室外機31aと、室外機31aに冷媒配管や伝送線を介して接続される複数の室内機31b,31c,・・・とを備えている。
【0026】
室外機31aは、圧縮機33a、圧縮機のための補助ヒーターであるヒーター33b、四方弁33c、室外熱交換器33d、アキュムレータ33e、室外ファン33f、室外ファンモータ33gおよびセンサー33hなどを備えている。
【0027】
室内機31b,31c,・・・はそれぞれ同じ構成をしている。室内機31b,31c,・・・は、室内熱交換器34a、膨張弁34b、室内ファン34c、室内ファンモータ34dおよびセンサー34eなどを備えている。(室内機31c,・・・の室内熱交換器34a、膨張弁34b、室内ファン34c、室内ファンモータ34dおよびセンサー34eについては図示せず。)
空調機31は、圧縮機33a、四方弁33c、室外熱交換器33d、膨張弁34b、室内熱交換器34a、アキュムレータ33eおよびこれらを接続する冷媒配管により構成される冷媒回路において、冷媒の凝縮・蒸発により空気調和を行う。
【0028】
〈システムの作用〉
本発明の空調機管理システムの有するエネルギー診断機能について説明する。
【0029】
(1)ローカルコントローラ10の作用
ローカルコントローラ10は、空調設備30の備える空調機31,32,・・・の消費電力を導出する。以下、空調機31の消費電力の導出について説明する。
【0030】
(1−1)部品電力推定プログラム11aの作用
まず、部品電力推定プログラム11aは、空調機31の電力消費部品の消費電力を推定するために、室外機31aのセンサー33hあるいは室内機31b,31c,・・・のセンサー34eから情報を取得する。ここで、電力消費部品とは、電力を消費して動作する部品のことであり、例えば、室外機31aの有する圧縮機33a、圧縮機33aのための補助ヒーターであるヒーター33b、室外ファンモータ33gあるいは室内機31b,31c,・・・の備える室内ファンモータ34dなどである。
【0031】
圧縮器33aの消費電力を推定する場合、部品電力推定プログラム11aは、室外機31aのセンサー33hから室外熱交換器33dでの冷媒の温度を取得する。さらに、室内機31b,31c,・・・のセンサー34eから室内熱交換器34aでの冷媒の温度を取得する。一般に、空調機の圧縮機の消費電力は、その冷媒回路に接続される室内熱交換器および室外熱交換器における冷媒の蒸発温度および凝縮温度から推定できることが知られている。この事実を用いて、部品電力推定プログラム11aは、センサー33hおよびセンサー34eから取得した冷媒の温度に基づいて、圧縮機33aの消費電力を推定する。
【0032】
次に、圧縮機33aのための補助ヒーターであるヒーター33bの消費電力を推定する場合、部品電力推定プログラム11aは、ヒーター33bが動作した時間と、ヒーター33bが単位時間あたりに消費する電力とに基づいて、ヒーター33bの消費電力を推定する。また、ヒーター33bが複数の強弱のレベルを切り替えて動作する場合、センサー33hがその動作状況を取得し、そのレベルで動作した時間と、そのレベルの動作により単位時間あたりに消費する電力とに基づいて、ヒーター33bの消費電力を推定することもできる。
【0033】
また、室外ファンモータ33gの消費電力を推定する場合、部品電力推定プログラム11aは、室外ファンモータ33gが動作した時間と、室外ファンモータ33gが単位時間あたりに消費する電力とに基づいて、室外ファンモータ33gの消費電力を推定する。室外ファンモータ33gが複数の強弱のレベルを切り替えて動作する場合、センサー33hがその動作状況を取得し、そのレベルで動作した時間と、そのレベルの動作により単位時間あたりに消費する電力とに基づいて、室外ファンモータ33gの消費電力を推定することもできる。
【0034】
さらに、室内ファンモータ34dについても、室外ファンモータ33gと同様に消費電力を推定することができる。なお、この場合、室内ファンモータ34dの動作状況を取得するのは、センサー34eである。
【0035】
(1−2)空調機電力導出プログラム11bの作用
空調機電力導出プログラム11bは、部品電力推定プログラム11aにより求められた空調機31の電力消費部品の消費電力推定値を合計し、空調機31による消費電力の推定値を導出する。また、部品電力推定プログラム11aによって一部の電力消費部品の消費電力しか推定することができない場合、部品電力推定プログラム11aが推定した電力消費部品の消費電力推定値の合計に所定の係数を乗ずることにより、空調機31による消費電力の推定値を導出することもできる。
【0036】
さらに、空調機電力導出プログラム11bは、同様にして、その他の空調機32,・・・による消費電力推定値を導出する。
【0037】
(2)管理サーバ20の作用
管理サーバ20は、通信網50を介して、ローカルコントローラ10から建造物60内の空調機31,32,・・・による消費電力の推定値を取得する。建造物内電力算出プログラム21aは、取得した消費電力の推定値に基づいて、建造物60内の消費電力の推定値を算出する。例えば、建造物60内の空調設備30による消費電力の推定値に所定の係数を乗ずることにより、建造物60内の消費電力の推定値を算出する。ここで、所定の係数とは、例えば、建造物60内の消費電力に対する空調設備30の消費電力の割合の統計データなどに基づいて設定される係数である。また、この係数が季節や建造物60の種類に応じて設定されるものであれば、建造物60内の消費電力は、さらに正確に推定される。ここで、建造物60の種類とは、例えば、オフィス、病院、学校あるいは工場といった種類のことである。
【0038】
〈システムの効果〉
この空調機管理システムにより、空調機31,32,・・・に消費電力を測定するための特別な装置を設置すること無しに、簡易に空調機31,32,・・・の消費電力を推定することが可能となる。これにより、空調機31,32,・・・の電力消費の動向を長期にわたり測定することも可能となる。また、例えば、空調機31,32,・・・の消費電力に異常が見られる場合、空調機31,32,・・・の更新により得られる省エネルギー効果のデータなどの提示により、空調機31,32,・・・の更新の提案を行うことができる。
【0039】
さらに、この空調機管理システムにより、消費電力を測定するための特別な装置を設置すること無しに、簡易に建造物60内の消費電力を算出することが可能となる。また、建造物内の電力消費の動向を長期にわたり測定することも可能となり、より詳細なエネルギー診断を行うことも可能となる。
【0040】
また、この空調機管理システムでは、複数の空調機31,32,・・・の消費電力の推定値から建造物60内の消費電力を推定する。ここで、それぞれの空調機31,32,・・・についての消費電力の推定値と実際の消費電力との間に誤差が存在しても、空調設備30の実際の消費電力値に対する消費電力推定値の誤差の割合は、それぞれの空調機31,32,・・・の実際の消費電力値に対する消費電力推定値の誤差の割合の最悪値を越えることは無い。このため、簡易なエネルギー診断のシステムでありながら、全体としては十分に正確なエネルギー診断を行うことが可能となる。
【0041】
[第2実施形態]
〈システムの概要〉
本発明の第2実施形態にかかる空調機管理システムを図2に示す。この空調機管理システムは、建造物60内に設置される空調設備30を運用管理するシステムであり、ローカルコントローラ70と呼ばれる制御装置により、空調設備30の状態監視、発停制御、動作設定などを行う。また、ローカルコントローラ70が空調設備30から収集した情報や空調設備30の動作設定の情報などは、通信網50を介して管理サーバ80に通知される。管理サーバ80は、通知された情報をもとに、空調設備30の異常の監視などを行う。
【0042】
また、この空調機管理システムは、建造物60内で消費される電力を推定し、エネルギー使用状態の診断を行うことができる。本実施形態においては、このエネルギー診断について説明する。
【0043】
〈システムの構成〉
本発明の空調機管理システムは、建造物60内に設置される空調設備30と、ローカルコントローラ70と、通信網50を介してローカルコントローラ70と接続される管理サーバ80とを備えている。以下、図1で説明した第1実施形態にかかる空調機管理システムとの相違点である、ローカルコントローラ70と管理サーバ80との構成について説明する。
【0044】
ローカルコントローラ70は、CPU72を搭載すると共に、このCPU72が制御する記憶部71としてRAMやROMなどを備えるコンピュータである。記憶部71は、情報取得プログラム71aを備えている。
【0045】
管理サーバ80は、CPU82を搭載すると共に、このCPU82が制御する記憶部81としてRAM、ROMあるいはハードディスクなどを備えるコンピュータである。記憶部21は、部品電力推定プログラム81aと、空調機電力導出プログラム81bと、建造物内電力算出プログラム81cとを備えている。
【0046】
〈システムの作用〉
本発明の空調機管理システムの有するエネルギー診断機能について説明する。
【0047】
ローカルコントローラ70の情報取得プログラム71aは、空調機31の備える室外機のセンサー33hや室内機のセンサー34eから空調機31の情報を取得する。また、その他の空調機32,・・・についても同様に情報を取得する。これら情報取得プログラム71aにより取得された情報は、通信網50を介して管理サーバ80に通知される。管理サーバ80では、部品電力推定プログラム81aが通知された情報に基づいて、空調機31,32,・・・の電力消費部品の消費電力を推定する。さらに、空調機電力導出プログラム81bは、部品電力推定プログラム81aが推定した電力消費部品の消費電力推定値に基づいて、空調機31,32,・・・の消費電力を推定する。さらに、建造物内電力算出プログラム81cは、空調機電力導出プログラム81bが導出した空調機31,32,・・・の消費電力推定値に基づいて、建造物60内の消費電力を算出する。部品電力推定プログラム81a、空調機電力導出プログラム81bおよび建造物内電力算出プログラム81cのそれぞれの作用については、第1実施形態の部品電力推定プログラム11a、空調機電力導出プログラム11bおよび建造物内電力算出プログラム21aのそれぞれの作用と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0048】
〈システムの効果〉
この空調機管理システムでは、管理サーバ80がエネルギー診断に必要なプログラムを全て有している。これにより、より正確なエネルギー診断を実現するために診断プログラムの変更、調整を容易に行うことができる。
【0049】
また、空調機管理システムにより、空調機31,32,・・・に消費電力を測定するための特別な装置を設置すること無しに、簡易に空調機31,32,・・・の消費電力を推定することが可能となる。これにより、空調機31,32,・・・の電力消費の動向を長期にわたり測定することも可能となる。また、例えば、空調機31,32,・・・の消費電力に異常が見られる場合、空調機31,32,・・・の更新により得られる省エネルギー効果のデータなどの提示により、空調機31,32,・・・の更新の提案を行うことができる。
【0050】
さらに、この空調機管理システムにより、消費電力を測定するための特別な装置を設置すること無しに、簡易に建造物60内の消費電力を算出することが可能となる。また、建造物内の電力消費の動向を長期にわたり測定することも可能となり、より詳細なエネルギー診断を行うことも可能となる。
【0051】
また、この空調機管理システムでは、複数の空調機31,32,・・・の消費電力の推定値から建造物60内の消費電力を推定する。ここで、それぞれの空調機31,32,・・・についての消費電力の推定値と実際の消費電力との間に誤差が存在しても、空調設備30の実際の消費電力値に対する消費電力推定値の誤差の割合は、それぞれの空調機31,32,・・・の実際の消費電力値に対する消費電力推定値の誤差の割合の最悪値を越えることは無い。このため、簡易なエネルギー診断のシステムでありながら、全体としては十分に正確なエネルギー診断を行うことが可能となる。
【0052】
[その他の実施形態]
(1)ローカルコントローラ10の変形例
第1実施形態においては、ローカルコントローラ10から管理サーバ20に通知される情報は、空調機電力導出プログラム11bが導出したそれぞれの空調機31,32,・・・の消費電力推定値であると説明した。ここで、空調機電力導出プログラム11bによりそれぞれの空調機31,32,・・・の消費電力推定値の合計を計算し、その合計値のみを管理サーバ20に通知するシステムとすることもできる。
【0053】
この場合、ローカルコントローラ10から管理サーバ20に通知される情報の情報量を削減することができ、通信網50への負荷を減らすことができる。なお、この場合であっても、管理サーバ20において、受信した情報をもとに建造物60内の消費電力を算出することができる。
【0054】
(2)ローカルコントローラ10および70の変形例
第1実施形態および第2実施形態においては、空調設備30の消費電力推定値から建造物60内の消費電力の推定値を算出する。ここで、電気設備40、照明設備41あるいは防災・防犯設備42などからローカルコントローラ10あるいはローカルコントローラ70が動作情報を取得するシステムも考えられる。この場合、建造物内電力算出プログラム21aおよび81cは、電気設備40、照明設備41あるいは防災・防犯設備42などによる消費電力を推定することができる。
【0055】
これにより、建造物60内で消費される電力をより正確に算出することが可能となり、より詳細なエネルギー診断を行うことが可能となる。
【0056】
(3)空調設備30の変形例
第1実施形態および第2実施形態において、空調設備30の備える空調機31,32,・・・は、マルチ型の空調機として説明した。しかし、これらの実施形態の効果は、空調機の種類にかかわらない。そのため、空調機31,32,・・・は、例えば、一台の室外機に対して一台の室内機が接続されるものでも良い。また、空調機31,32,・・・は、それぞれ異なった種類の空調機であっても良い。
【0057】
(4)管理サーバ20および80の変形例
管理サーバ20および80が、建造物60内の消費電力データを電力会社などから取得できる場合、第1実施形態および第2実施形態にかかる空調機管理システムを用いて、次のようなエネルギー診断を行うことができる。
【0058】
例えば、電力会社などから取得した建造物60内の消費電力データに対する、空調設備30の消費電力の推定値の割合などから、空調設備30の無駄な使用などを診断することができる。
【0059】
また、上記(2)で述べたように、例えば、空調設備30と電気設備40との消費電力が推定できるような場合、防災・防犯設備42の消費電力の時間変動は少ないと考えることができれば、電力会社から取得される消費電力データの時間変動は、照明設備41の消費電力の時間変動によるものとすることができる。このようにして、建造物60内の電力の消費状況を詳しく診断することが可能となる。
【0060】
(5)空調機管理システムの変形例
第1実施形態および第2実施形態では、空調機管理システムがエネルギー診断の機能を備える場合について説明した。しかし、ローカルコントローラ10および70は、必ずしも空調機の発停制御あるいは動作設定などを行う機能を有する必要はなく、エネルギーの診断を実行するのに必要な機能のみを備える場合も考えられる。
【0061】
(6)空調機電力導出プログラム11bおよび81bの変形例
部品電力推定プログラム11aおよび81aにより推定された圧縮機33aの消費電力推定値のみから空調機電力導出プログラム11bおよび81bが空調機31,32,・・・の消費電力推定値を導出することも可能である。この場合、例えば、空調機電力導出プログラム11bおよび81bは、部品電力推定プログラム11aおよび81aが推定した圧縮機33aの消費電力推定値に所定の係数を乗ずることにより空調機31,32,・・・の消費電力推定値を導出する。
【0062】
一般に、空調機の圧縮機による消費電力は、空調機の消費電力の大半を占める。そのため、圧縮機33aの消費電力を推定することにより、空調機の消費電力を十分に正確に導出することが可能となる。
【0063】
【発明の効果】
請求項1にかかる発明では、空調機に消費電力を測定するための特別な装置を設置すること無しに、簡易に空調機の消費電力を推定することが可能となる。また、空調機の電力消費の動向を長期にわたり測定することも可能となり、より詳細なエネルギー診断を行うことも可能となる。更に、消費電力を測定するための特別な装置を設置すること無しに、簡易に建造物内の消費電力を算出することが可能となる。また、建造物内の電力消費の動向を長期にわたり測定することも可能となり、より詳細なエネルギー診断を行うことも可能となる。
【0064】
請求項2にかかる発明では、消費電力を測定するための特別な装置を設置すること無しに、簡易に建造物内の消費電力を算出することが可能となる。また、建造物内の電力消費の動向を長期にわたり測定することも可能となり、より詳細なエネルギー診断を行うことも可能となる。
【0065】
請求項3にかかる発明では、圧縮機の消費電力を正確に推定することにより、空調機の消費電力をより正確に導出することが可能となる。さらに、空調機の消費電力をより正確に導出することが可能となれば、建造物内の消費電力をより正確に算出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかる空調機管理システムの構成図。
【図2】 本発明の第2実施形態にかかる空調機管理システムの構成図。
【符号の説明】
10 ローカルコントローラ
11a 部品電力推定プログラム
11b 空調機電力導出プログラム
20 管理サーバ
31,32,・・・ 空調機
60 建造物
80 管理サーバ
Claims (3)
- 建造物(60)内に設置される空調機(31,32,・・・)の有する電力消費部品の消費電力値を、冷媒の温度、前記電力消費部品の動作時間及び単位時間あたりの消費電力の少なくとも一つから推定し、推定された前記電力消費部品の前記消費電力値を合算して、前記空調機(31,32,・・・)の消費電力推定値を導出する空調機電力導出装置(10)と、
前記空調機電力導出装置(10)により導出された前記空調機(31,32,・・・)の消費電力推定値に、前記建造物(60)内の消費電力に対する前記空調機(31,32,・・・)の消費電力の割合の統計データ、季節又は前記建造物(60)の種類に応じて設定された所定の係数を乗じることにより、前記建造物(60)内の消費電力の推定値を算出する建造物内電力算出装置(20)と、
を備えるエネルギー診断システム(80)。 - 建造物(60)内に設置される空調機(31,32,・・・)の有する特定の電力消費部品の消費電力を、冷媒の温度、前記電力消費部品の動作時間及び単位時間あたりの消費電力の少なくとも一つから推定し、推定された前記電力消費部品の前記消費電力値を合算して、前記空調機(31,32,・・・)の消費電力推定値を導出する空調機電力導出手段と、
前記空調機電力導出手段により導出された前記空調機(31,32,・・・)の消費電力推定値に、前記建造物(60)内の消費電力に対する前記空調機(31,32,・・・)の消費電力の割合の統計データ、季節又は前記建造物(60)の種類に応じて設定された所定の係数を乗じることにより、前記建造物(60)内の消費電力の推定値を算出する建造物内電力算出手段と、
を備えるエネルギー診断装置(80)。 - 前記電力消費部品は、空調機の圧縮機を含む、
請求項2に記載のエネルギー診断装置(80)。
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