JP2009002650A - 異常診断システム - Google Patents

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Abstract

【課題】診断対象となる空気調和装置に関する知識が少ない場合であっても異常診断を精度良く行うことができる異常診断システムを提供する。
【解決手段】異常診断システムは、空気調和装置の異常診断を行う異常診断システムであって、第1導出部と、第2導出部と、異常診断部とを備える。第1導出部は、診断時における空気調和装置の状態に関する状態値に基づき導出値を導出する。第2導出部は、空気調和装置の正常動作時における状態値に基づき正常値を導出する。異常診断部は、導出値および正常値に対して統計処理による検定を行い、導出値と正常値とに有意差ありとみなされる場合に空気調和装置が異常状態にあると診断する。
【選択図】図2

Description

本発明は、異常診断システム、特に空気調和装置の異常診断システムに関する。
ビルなどの物件に設置される複数の空気調和装置を対象として、異常診断を行うシステムが提供されている。異常診断は、空気調和装置の状態が正常動作状態であるか異常状態であるかを検知し、その結果として異常状態であると検知された場合には異常箇所を特定するものである。ここで異常状態とは、空気調和装置に何らかの異常が生じている状態であり、近い将来に故障が生じるおそれがある状態または故障が生じている状態を指す。すなわち、異常診断により、空気調和装置の故障予知(故障を前もって知ることができる)や故障診断(故障が生じた際にその原因などを迅速に突き止めることができる)を行えることが期待されている。
異常診断は、空気調和装置の状態をセンサなどにより検出し、所定の診断手段に基づいてセンサの検出値を元にして行う。所定の診断手段としては、例えば、空気調和装置の予備試験や空気調和装置の過去の故障事例に基づいて構築される知識ベースのエキスパートシステムが用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。また、空気調和装置の冷媒サイクルの振る舞いなどのシミュレーションにより得られる情報に基づいて診断ロジックが構築されるモデルベースの診断手段も用いられている。
薦田憲久、外2名、「情報系教科書シリーズ(第21巻)エキスパートシステムの設計と開発」、昭晃堂、1997年、p.10−13
しかし、従来の異常診断では、空気調和装置の故障予知や故障診断を精度良く行うために膨大な工程数を要するため、精度を向上させることが難しい。
例えば、知識ベースのエキスパートシステムに基づいた診断手段を用いる場合、対象となる空気調和装置に関する知識が少ないと、診断の精度が低くなる。また、診断することのできる異常状態は、対象となる空気調和装置で今までに生じたことのある既知の異常状態に限られる。以上より、異常診断の精度を向上させるには、知識情報を増やす必要があるが、異常状態に対して十分に備えるために知識情報を増やすことが非常に困難であるため、異常診断を行うことが実質的に難しくなる。
また、モデルベースの診断手段を用いる場合、空気調和装置のシミュレーションを行うために多くのパラメータを使ってモデル構築を行ったとしても、忠実に現実の空気調和装置のシミュレーションを行うことは、やはり難しい。これに加えて、異常状態の空気調和装置のモデルをそれぞれに対して構築することはさらに困難である。モデル構築を行っていない異常状態に対しては、異常診断を行うことができないため、モデルベースの診断手段を用いた場合に診断できる異常状態が少なくなる。さらに、過去に蓄積されたデータに基づいてモデル構築を行うため、十分な蓄積データがないとモデル構築ができない。
本発明の課題は、空気調和装置を対象とした異常診断システムであって、対象となる空気調和装置に関する知識が少ない場合であっても異常診断を精度良く行うことができる異常診断システムを提供することにある。
第1発明に係る異常診断システムは、空気調和装置の異常診断を行う異常診断システムであって、第1導出部と、第2導出部と、異常診断部とを備える。第1導出部は、診断時における空気調和装置の状態に関する状態値に基づき導出値を導出する。第2導出部は、空気調和装置の正常動作時における状態値に基づき正常値を導出する。異常診断部は、導出値および正常値に対して統計処理による検定を行い、導出値と正常値とに有意差ありとみなされる場合に空気調和装置が異常状態にあると診断する。
第2発明に係る異常診断システムは、第1発明に係る異常診断システムであって、導出値は、診断時における状態値の集合である。正常値は、空気調和装置の正常動作時における状態値の集合である。
第3発明に係る異常診断システムは、第1発明に係る異常診断システムであって、正常値は、空気調和装置の正常動作時における状態値の集合である。異常診断部は、正常値に対して導出値が外れ値であるか否かの検定を行い、有意差ありとみなされる場合に空気調和装置が異常状態にあると診断する。
第4発明に記載の異常診断システムは、空気調和装置の異常診断を行う異常診断システムであって、検出部、導出部、正常値導出部、及び異常診断部を備える。検出部は、複数備えられ、空気調和装置の状態を状態値として検出する。導出部は、状態値に基づいて導出値を導出する。正常値導出部は、空気調和装置の正常動作状態における状態値に基づいて、正常動作状態における導出値である正常値を導出する。異常診断部は、導出値を正常値と比較し、既定の変化が生じているか否かにより空気調和装置の異常診断を行う。
状態値とは、空気調和装置の状態に関する値であり、例えば、空気調和装置の状態を検知するセンサが示す値、空気調和装置に対する制御内容を設定する値、などが挙げられる。
空気調和装置の状態は、正常動作状態と異常状態とにおいて異なることが知られている。異常状態とは、空気調和装置に何らかの異常が生じている状態であり、近い将来に故障が生じるおそれがある状態または故障が生じている状態を指す。また、空気調和装置の状態を表す値と空気調和装置に生じる異常状態の原因との間にも関係がある。
ここでは、空気調和装置の状態に関する状態値から導出される導出値と、空気調和装置が正常動作状態であるときにおける状態値から導出される正常値とを比較した際に既定の変化が生じているか否か判定することにより、空気調和装置の異常診断を行う。すなわち、空気調和装置が正常動作状態から変化が生じた場合に空気調和装置が異常状態にあると判断する。これにより、正常動作状態の状態値から正常値を導出することで異常検知を行うことができるため、従来の異常診断システムに比べて診断に必要な知識量を少なく抑えることができる。つまり、正常動作状態からの変化に基づいて異常診断を行うため、未知の異常状態に対しても異常状態であると診断することができる。よって、診断の対象となる空気調和装置に関する知識が少ない場合であっても異常診断を精度良く行うことができる。
なお、導出値として、状態値そのものである場合を含む。
第5発明に記載の異常診断システムは、第4発明に記載の異常診断システムであって、異常診断部は導出値が正常値に対して外れ値であるか否か検定を行い、有意差ありとみなされる場合に空気調和装置が異常状態にあると診断する。
統計処理における検定により判断する場合は、一義的な閾値により判断する場合に比べて、より適切な判断を行うことができる。
ここでは、空気調和装置の正常動作状態において状態値から導出される正常値(正常動作状態の状態値の集合を表す値などを含む)に対して、導出値(状態値の集合を表す値などを含む)が外れ値であるか否か判断を行う際に検定を行い、有意差ありとみなされる場合に異常状態であると判断する。よって、検定の結果が有意差ありとなった場合には、導出値が正常値に対して既定の変化が生じていると判断し、空気調和装置に異常が生じていると判断する。これにより、異常診断の手法として導出値が正常値から変化しているとの判断を単なる閾値により判断する場合に比べて、より適切に異常診断を行うことが可能となる。
第6発明に記載の異常診断システムは、第4発明または第5発明に記載の異常診断システムであって、異常診断部が空気調和装置の異常診断を行う際に、空気調和装置の異常箇所の推定をさらに行う。
空気調和装置が異常状態であると判断された際に、既定の変化がみられた導出値に関係する検出部に関連する箇所に異常があると推定される。
ここでは、空気調和装置が異常状態であると判断された際に、空気調和装置に異常が生じている箇所についての推定を行う。これにより、異常の検出と共に異常箇所を特定することができるため、空気調和装置の異常を修復するための対応を迅速に行うことができる。
第7発明に記載の異常診断システムは、第4発明から第6発明のいずれかに記載の異常診断システムであって、導出値は、第1所定期間における状態値の集合の平均値及び分散を少なくとも含む。
ここでは、導出値として、特定の期間である第1所定期間に状態値が取った集合の平均値と分散とが含まれている。第1所定期間は、空気調和装置に異常が生じているか否かを診断したい期間である。第1所定期間は、前記状態値の取得間隔を考慮して指定されており、その長さは例えば過去1時間、過去1日、過去1週間などである。状態値の集合が正規分布となる場合には、状態値の集合の性質を平均値と分散とにより表すことが可能である。よって、導出値に対応する正常値とを比較し、既定の変化が生じているか否かによって空気調和装置の異常診断を行うことができる。よって、空気調和装置の異常診断の精度をより高めることができる。
第8発明に記載の異常診断システムは、第4発明から第7発明のいずれかに記載の異常診断システムであって、複数の状態値に互いに相関を有する第1状態値と第2状態値とが含まれる。導出値は、第2所定期間における第1状態値の集合と第2状態値の集合との相関に関する係数を少なくとも含む。
ここでは、導出値として、互いに相関する第1状態値と第2状態値との間で、特定の期間である第2所定期間における相関に関する係数が含まれている。係数としては、例えば第1状態値の集合と第2状態値の集合との相関係数などが挙げられる。第2所定期間は、空気調和装置に異常が生じているか否かを診断したい期間である。第2所定期間は、前記状態値の取得間隔を考慮して指定されており、その長さは例えば数時間から1日程度の期間である。
なお、第2所定期間を周期的に指定する場合の間隔は、第1状態値の集合と第2状態値の集合との相関が変化しているか確認を行う間隔に相当する。第2所定期間の間隔は、第2所定期間自身の長さや第1状態値と第2状態値との相関の変動頻度を考慮して指定される。たとえば、第1状態値と第2状態値との相関が短期間に大きく変化しやすい場合には、第2所定期間の間隔をほぼ第2所定期間の長さと同様、例えば1日程度となるように第2所定期間を指定する。他方、第1状態値と第2状態値との相関が変化しにくい場合や変化の程度が小さい場合には、診断間隔が比較的長期間、例えば1ヶ月、3ヶ月、半年等となるように第2所定期間を指定する。
相関に関する係数である導出値と、この導出値に対応する正常値とを比較し、既定の変化が生じているか否かによって空気調和装置の異常診断を行うことができる。よって、空気調和装置の異常診断の精度をより高めることができる。
第9発明に記載の異常診断システムは、第4発明から第8発明に記載の異常診断システムであって、複数の状態値には、第3状態値と第4状態値とが含まれる。導出値は、第3所定期間における第3状態値の集合と、第3所定期間と異なる第4所定期間における第4状態値の集合との相関に関する係数を少なくとも含む。
ここでは、導出値として、時間差を有して互いに相関する第3状態値と第4状態値との間で、それぞれ特定の期間である第3所定期間における第3状態値の集合と第4所定期間における第4状態値の集合後の間における相関に関する係数が含まれている。係数としては、例えば2つの集合の相関係数などが挙げられる。また、第3所定期間及び第4所定期間は、空気調和装置に異常が生じているか否かを診断したい期間である。第1所定期間は、前記状態値の取得間隔を考慮して指定されており、それぞれの長さは例えば過去1日、過去1ヶ月、或いは過去半年などである。また、第3所定期間と第4所定期間は、それぞれ期間の開始時期及び終了時期が第3状態値と第4状態値との相関を有する所定の時間差だけずれた期間である。ずれの長さとしては、例えば10秒、1分、15分、30分である。ここでさらに、導出値として第3所定期間と第4所定期間との時間差が含まれても良い。よって、相関に関する係数である導出値と、この導出値に対応する正常値とを比較し、既定の変化が生じているか否かによって空気調和装置の異常診断を行うことができる。よって、空気調和装置の異常診断の精度をより高めることができる。
第10発明に記載の異常診断システムは、第4発明から第9発明のいずれかに記載の異常診断システムであって、正常値導出部が空気調和装置の初期動作時における状態値に基づいて正常値を導出する。
空気調和装置が設置場所に備え付けられ、一定期間運転した結果、空気調和装置が安定した状態になると、空気調和装置は、正常な動作をしていると考えられる。
ここでは、空気調和装置の設置後に安定した状態である初期動作時における状態値に基づいて正常値導出部が導出した導出値を正常値としている。初期動作時として扱われる期間は、空気調和装置の動作が安定してから所定の期間であり、その長さは例えば1ヶ月である。異常診断部は、空気調和装置の初期動作時から所定の変化が生じている場合に、空気調和装置が異常状態にあると判断する。これにより、正常動作の状態を容易に決定することが可能となる。
第11発明に記載の異常診断システムは、第4発明から第10発明のいずれかに記載の異常診断システムであって、正常値導出部が空気調和装置の正常状態における状態値を用いて最新正常値を導出する。また、異常診断部が導出値と最新正常値とをさらに比較して空気調和装置の異常診断を行う。
空気調和装置が経年変化などによって導出値が正常値から徐々に変化し、その変化の程度が大きくない場合に、正常に動作するため特に問題が生じない場合がある。このとき、空気調和装置が異常状態にあると判断しなくても良い場合が多い。しかし、異常診断部は、経年変化などに起因して導出値が変化した場合に、空気調和装置が異常状態にあると判断をするおそれがある。
ここでは、経年変化などにより変化しているが正常状態である空気調和装置の状態値から正常値導出部が状態値最新正常値を導出する。また、異常診断部は、導出値と正常値とを比較することに加えて、導出値と最新正常値とをさらに比較することによって、異常診断を行う。これにより、経年変化などを考慮しつつ、正常値からの乖離が大きい場合に異常状態にあると診断できる異常診断を行うことが可能となる。
第12発明に記載の異常診断システムは、第4発明から第11発明のいずれかに記載の異常診断システムであって、空気調和装置が複数接続される。正常値導出部は、複数の空気調和装置のそれぞれに対して正常値を導出する。
同一機種や同一ロットの空気調和装置であっても、設置場所や使用方法などによって正常状態が異なる。
ここでは、複数の空気調和装置のそれぞれに対して、異常診断の基準となる正常値を導出する。これにより、複数の空気調和装置のそれぞれに対して適切に異常診断を行うことが可能となり、異常診断の精度をより高めることができる。
本発明に係る異常診断システムでは、正常動作状態からの変化に基づいて異常診断を行うため、未知の異常状態に対しても異常状態であると診断することができるため、診断の対象となる空気調和装置に関する知識が少ない場合であっても異常診断を精度良く行うことができる。
本発明の別の態様によれば、単なる閾値により判断する場合に比べて、より適切に異常診断を行うことが可能となる。
本発明の別の態様によれば、異常の検出と共に異常箇所を特定することができるため、空気調和装置の異常を修復するための対応を迅速に行うことができる。
本発明の別の態様によれば、空気調和装置の異常診断の精度をより高めることができる。
本発明の別の態様によれば、正常動作の状態を容易に決定することが可能となる。
本発明の別の態様によれば、経年変化などを考慮しつつ、正常値からの乖離が大きい場合に異常状態にあると診断できる異常診断を行うことが可能となる。
本発明の別の態様によれば、複数の空気調和装置のそれぞれに対して適切に異常診断を行うことが可能となり、異常診断の精度をより高めることができる。
本発明の異常診断システムに係る空気調和装置の管理システム1を図1に示す。管理システム1は、物件2の内部を空気調和する空気調和装置3を制御装置4で制御すると共に、空気調和装置3を遠隔監視センタ5に設置される管理装置6で遠隔管理するシステムである。
<全体の構成>
管理システム1は、主として空気調和装置3、制御装置4、及び管理装置6から構成される。
空気調和装置3は、ビルや工場などの物件2に複数配置され、室内の空気調和を行う。また、空気調和装置3は、作動状態や環境状態を検知するセンサ11が複数設けられている。センサ11は、例えば外気温、空気調和装置3の図示しない室外機のインバータ圧縮機の周波数、室外熱交換器の温度、冷媒の吸入管温度、冷媒の高圧側及び低圧側の圧力、また図示しない室内機が設置される室内気温、などを検出する。
なお、管理システム1による管理の対象は、物件2に設けられる空気調和装置3に限られず、給湯装置や照明など他の設備機器を含んでいても良い。
制御装置4は、複数の空気調和装置3と通信線により接続されており、それぞれの空気調和装置3に対する制御の設定値を設定して集中制御を行う。設定値としては、空気調和装置3を制御するための設定の元となる値(室内の目標設定温度など)や、空気調和装置3を実際に制御するための値(空気調和装置3が備える電動弁の開度など)などが挙げられる。制御装置4は、空気調和装置3が配置される物件2の管理室などに配置される。また、制御装置4は、通信網7を介して管理装置6に接続されており、それぞれの空気調和装置3の運転データを管理装置6へと送信する。この運転データには、それぞれの空気調和装置3が有するセンサ11で検出された状態検出値や、空気調和装置3に対する制御の設定値、空気調和装置3で実行された制御内容、空気調和装置3の消費電力などが含まれる。これらの運転データは、所定時間毎、例えば1分ごとに検出され、制御装置4に蓄積される。そして、制御装置4は、蓄積された運転データを例えば1時間毎に纏めて管理装置6へと送信する。
管理装置6は、複数の物件2に設置されている制御装置4に接続された複数の空気調和装置3の管理を行う装置であり、空気調和装置3が配置された物件2から離れた遠隔監視センタ5内に配置される。
管理装置6が行う管理の内容としては、異常診断、省エネ自動制御、報告書自動作成等がある。
異常診断は、制御装置4から送られる空気調和装置3の運転データから、物件2に設置されるそれぞれの空気調和装置3が正常動作状態か異常状態かを判断し、異常状態であると判断された場合には、物件2の管理者等に通知すると共にサービスセンタ8の端末31に連絡して、サービスセンタ8に所属するサービスマンに空気調和装置3の保守(点検、修理など)を行わせるために物件2へと出動させる、という管理内容である。なお、異常状態とは、空気調和装置3に何らかの異常が生じている状態であり、近い将来に故障が生じるおそれがある状態または故障が生じている状態を指す。すなわち、連絡及び通知は、空気調和装置3に故障が検知される場合及び故障予知がなされる場合に行われる。
省エネ自動制御は、所定期間で一定量の消費電力が削減されるように所定期間に省エネルギー制御を自動的に行うという管理内容である。
報告書自動作成とは省エネルギー制御の運用効果などをまとめた報告書を自動的に作成し定期的に物件2の所有者や管理者等に送るという管理内容である。
以下では、管理装置6の機能のうち、上記した異常診断に関する説明を主に行う。
<管理装置の構成>
図2に管理装置6が有する構成部分のうちの異常診断に係る部分を示す。
異常診断を行う管理装置6は、制御装置4から送られる運転データに基づいて、物件2に設けられているそれぞれの空気調和装置3の動作状態が異常状態か否か判断する。上記したように、運転データには、空気調和装置3に設けられている複数のセンサ11の状態検出値、空気調和装置3に対する制御の設定値、空気調和装置3で実行された制御内容、空気調和装置3の消費電力などが含まれている。この運転データのうち、空気調和装置3の状態を表す状態検出値が所定の変化を示した場合や、状態検出値や制御の設定値などの関係が所定の変化を示した場合において、空気調和装置3に異常が生じていると判断する(以下、状態検出値と設定値とを纏めて状態値と表現する。)。
状態検出値の所定の変化とは、空気調和装置3の正常動作状態における状態検出値である正常値を基準として、現在の状態検出値が正常値に対して外れ値である場合を指す。例えば、一定期間前から現在までの状態検出値または状態検出値から導出される導出値の集合を正常値の集合と比較して、平均値及び分散に有意差があるか否かにより、現在の空気調和装置3の動作状態が異常状態であるか否か判断を行うことができる。
また、空気調和装置3の異なる2箇所に設けられたセンサ11の状態検出値には、正常動作状態に相関関係を有する組み合わせが存在する。この相関関係が崩れた場合に、空気調和装置3の動作状態に異常が生じていると判断することができる。例えば、一定期間前から現在までにおいて、2箇所のセンサ11の状態検出値または状態検出値から導出される導出値の集合同士の相関係数を正常動作状態の相関係数である正常値と比較して、正常な状態の相関関数から外れた値か否かにより、現在の空気調和装置3の動作状態が異常状態であるか否か判断を行うことができる。同様に、空気調和装置3に対する制御における設定値とセンサ11の状態値との関係にも、相関関係を有する組み合わせが存在する。やはり、この相関関係が崩れた場合に、空気調和装置3の動作状態に異常が生じていると判断することができる。
管理装置6は、通信部21、処理部22、記憶部23を主に備える。
(通信部)
通信部21は、通信網7を介して制御装置4から送られてくる空気調和装置3の運転データを受信する。また、通信部21は、物件2の空気調和装置3に対する省エネ自動制御の手順や自動作成された報告書の内容などを制御装置4へ送信する。さらに、通信部21は、通信網7を介して、空気調和装置3が異常状態であるために、故障が発生しているまたは故障が生じるおそれがあると判断された際に、空気調和装置3の保守を行うサービスマンを物件2へ派遣するようサービスセンタ8の端末31へ派遣情報を送信すると共に、制御装置4へ異常が発生している/生じるおそれがあるとの情報を送信する。なお、空気調和装置3の異常状態における情報送信は、通信網7を介する手段に限られず、例えばFAXなどによって情報伝達を行っても良い。
(処理部)
処理部22は、通信部21で受信された空気調和装置3の運転データを記憶部3に記憶させると共に、運転データに基づいて空気調和装置3の異常診断を行う。また、処理部22は、省エネ自動制御の手順作成や報告書の自動作成等を行う。
処理部22は、導出手段26、正常値導出手段27、及び異常診断手段28を有する。
導出手段26は、所定の期間における空気調和装置3の運転データに含まれる状態値(センサ11の状態検出値及び空気調和装置3に対する制御の設定値)に基づいて、導出値を導出する。また、導出手段26は、導出された導出値を記憶部23に記憶させる。
導出値として、例えば過去1日における状態値の集合の平均値及び分散など、また、過去1日において2箇所のセンサ11で検出される状態検出値の集合の相関係数など、を導出する。また、状態値そのものを導出値として取り扱っても良い。なお、所定の期間は、例に挙げた期間のように過去1日に限られず、例えば過去10分間、過去1時間、過去半日、過去1週間など、導出値の導出に適した期間であれば良い。
正常値導出手段27は、正常動作状態における空気調和装置3の運転データに含まれる状態値に基づいて、導出手段と同様にして、導出値に対応する正常値を導出する。正常値導出手段27は、導出された正常値を、導出値と同様に記憶部23に記憶させる。
なお、正常値導出手段27は、空気調和装置3が物件2に設置された後に安定した状態である初期動作時を正常動作状態として扱う。この初期動作時の期間、例えば動作が安定してから1日の間における正常値を導出する。
異常診断手段28は、正常値と導出値とを比較することにより、導出値が導出された期間における空気調和装置3の動作状態が異常状態であるか否かを判断する。
診断方法としては、例えば以下の3種類が挙げられる。
診断1:所定期間における状態値の集合が、正常動作状態における状態値の集合に対して外れ値であるか否かについて、所定の有意水準でF検定及びt検定を行うことにより、所定期間における空気調和装置3の動作状態が正常動作状態から変化している(異常状態にある)か否かを判断する。この場合、導出手段26及び正常値導出手段27は、導出値及び正常値として、状態値の集合の特徴を表す値、例えば平均値、分散、集合の自由度などを導出する。
例えば、図3に示された分布A(平均5、分散1)が、あるセンサ11の正常動作状態における状態検出値の集合の分布であるとする。このときに、所定期間におけるセンサ11の状態検出値の集合が例えば分布B(平均6.5、分散2)であった場合に、分布Aと分布Bとに有意差があるか否かを有意水準5%でF検定及びt検定を行うことにより、所定期間における空気調和装置3の動作状態が正常動作状態から変化しているか否かを判断することができる。また、有意水準の値を変更することにより、異常検知の検知度合いを適切に変化させることが可能となる。例えば、有意水準を大きくすることにより、異常検知が頻繁になされるようにできる。
診断2:2種類の状態値、例えば複数のセンサ11のうちの第1センサ11a及び第2センサ11bのそれぞれの状態検出値の集合が互いに相関を有する場合(図4参照)、正常動作状態におけるそれぞれの状態検出値の集合に対して外れ値であるか否かの検定を行うことにより、所定期間における空気調和装置3の動作状態が正常動作状態から変化しているか否かを判断する。この場合、導出手段26及び正常値導出手段27は、導出値及び正常値として、第1センサ11a及び第2センサ11bのそれぞれの状態検出値の相関に関する係数、例えばそれぞれの状態検出値間の相関係数、集合の自由度などを導出する。なお、センサ11の状態検出値同士の相関に限らず、設定値とセンサ11の状態検出値との相関であっても良い。
例えば、強い負相関を示している図4のセンサbとセンサdの相関係数(正常値)の正常動作状態と、所定期間における相関係数(導出値)との間に有意差があるか否かを外れ値検定することにより、所定期間における空気調和装置3の動作状態が正常動作状態から変化しているか否かを判断することができる。他の状態値間の相関係数に関しても、上記と同様に外れ値検定を行うことにより、所定期間における空気調和装置3の動作状態が正常動作状態から変化しているか否かを判断することができる。
診断3:現在における状態値が、正常動作状態における状態値の集合に対して外れ値であるか否かの検定を行うことにより、今現在の空気調和装置3の動作状態が正常動作状態から変化しているか否かを判断することができる。この場合、正常値導出手段27は、正常値として状態値の集合の特徴を表す値、例えば平均値と分散などを予め導出する。また、導出手段26は、導出値として現在における状態値をそのまま用いる。その他、正常値及び導出値として2種類の状態値に関係する相関係数を用いることもできる。
例えば、図3に示された分布A(平均5、分散1)が、あるセンサ11の正常動作状態における状態検出値の集合の分布であるとする。このときに、導出値(センサ11の状態検出値)が3(図3の矢印aに相当)であった場合に、導出値が分布Aに対して外れ値であるか否かを所定の有意水準で検定することにより、今現在における空気調和装置3の動作状態が正常動作状態から変化しているか否かを判断することができる。
以上の診断方法のうち、診断1及び診断2は、所定の期間(本実施形態では1ヶ月)経過毎に導出値の導出を行うため、所定期間以上の経過毎に異常診断を行うことができる。他方、診断3は、導出値として現在の状態値を用いるため、状態値の取得毎に診断を行うことができる。
以上の診断方法により異常診断を行い、空気調和装置3が異常状態であると判断した場合、異常診断手段28は、異常があると判断された状態値に関連する異常箇所を推定する。異常箇所の推定は、記憶部12に記憶されている状態値と異常箇所との関係に基づいて行う。
異常箇所の推定を行った後に、異常診断手段28は、通信部21により物件2の管理者等に通知すると共に、異常箇所の推定結果をサービスセンタ8の端末31へと連絡し、サービスセンタ8に所属するサービスマンに空気調和装置3の保守(点検、修理など)を行わせる。
(記憶部)
記憶部23は、運転データに含まれる状態値や、上述した処理部22において導出された導出値及び正常値を記憶する。また、記憶部23は、別途算出されている複数のセンサ11の相関関係を記憶している。その他、記憶部23は、管理システム1に必要な管理情報などを記憶する。
<異常診断手順>
以下では、管理装置6による空気調和装置3の異常診断の手順について、図5及び図6に示される処理部22の行うフローに従って説明する。なお、以下で示される時間間隔、有意水準などは例示であり、これらの記載に限定されるものではない。
(正常値の導出)
まず、ステップS1では、物件2に空気調和装置3を設置した後に一定期間運転が行われ、安定状態になったか否かを判断する。このとき、経過期間により判断を行う、または状態値の変化により判断を行う。安定状態になったと判断されると、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、正常動作状態である初期動作時の期間中、運転データに含まれる複数の状態値を処理部22が記憶部23に記憶させる。ここで、運転データは、制御装置4において1分ごとに取得され、制御装置4から管理装置6へ1時間に1回纏めて送信されるものである。
続いて、ステップS3では、運転データに含まれる状態値に基づいて異常診断手段28が導出値を導出して記憶部23に記憶させる。なお、導出値が状態値そのものである場合を含む。
続いてステップS4において、初期動作時の期間である1日が経過しているか否かを判断する。初期動作時の期間が経過していない場合には、再度ステップS2に復帰する。他方、初期動作時の期間が経過した場合には、ステップS5に移行する。
初期動作時の期間を経過すると、ステップS5において、記憶部23に記憶される状態値から正常値を正常値導出手段27が導出する。さらに、正常値導出手段27は、導出された正常値を記憶部23に記憶させる。例えば、センサ11の各状態検出値の集合や制御の設定値の平均値、分散、数量(自由度に関係する)を正常値として導出する。また、正常値導出手段27は、記憶部23に記憶されているセンサ11同士の相関関係に基づいて、相関関係を有するセンサ11同士の相関係数を正常値として導出する。
(異常診断)
正常値が導出された後は、状態値に基づいて、導出手段26が導出値を導出し、異常診断手段28が導出値に基づいて、空気調和装置3の異常診断を行う。ここで、運転データが1時間毎に送られるので、以下のフローは1時間毎に実行される。
まず、ステップS11では、1時間毎に受信する運転データに含まれる状態値を処理部22が記憶部23に記憶させる。
続いて、ステップS12では、運転データに含まれる状態値に基づいて異常診断手段28が導出値を導出して、記憶部23に記憶させる。導出値としては、例えば状態値の平均値、2種類の状態値の相関係数、などである。なお、導出値が状態値そのものである場合を含む。
さらに、ステップS13では、導出値が正常動作状態における導出値の集合に対して外れ値であるか否かの検定を異常診断手段28が行う。
検定は、以下のように行われる。まず、導出値の集合が正規分布になるように異常診断手段28が適切な変換を行う。その後に、有意水準5%でスミルノフ・グラブス検定(S・G検定)を用いて、導出値が正常動作状態の導出値(或いは変換後の値)の集合(ステップS5において、この集合の正常値として平均値、分散、自由度が導出されている)に対して外れ値であるか否か異常診断手段28が検定する。導出値が正常動作状態の導出値の集合に対して外れ値ではないと判断された場合には、ステップS14へ移行する。一方、導出値が正常動作状態の導出値の集合に対して外れ値であると判断された場合には、現在の空気調和装置3が異常状態にあると判断して、ステップS21へ移行してより詳細な異常診断を行う。
続いて、ステップS14では、ステップS12で導出された導出値(相関係数)が、正常動作状態での相関係数(ステップS5で正常値として導出されている)に対して外れ値であるか否かの検定を異常診断手段28が行う。検定としては、ステップS12と同様に、相関係数が正規分布になるように適切な変換をした後に、有意水準5%でS・G検定を用いて正常値に対して外れ値であるか否かの検定を行う。導出値が正常値に対して外れ値であると判断された場合には、ステップS15へ移行する。
ステップS15では、1ヶ月毎の検定を行うか否か判断するため、1ヶ月が経過したか否かを導出手段26が判断する。まだ1ヶ月が経過していない場合には、ステップS11に復帰する。1ヶ月が経過している場合には、ステップS16へと移行する。
ステップS16からステップS18では、最新の導出値の集合が正常動作状態における導出値の集合に対して外れ値であるか否かの検定を異常診断手段28が行う。
この検定を行うために、ステップS16において、異常診断手段28は、ステップS12で導出した導出値とステップS5で導出された正常値とを用いて、まず有意水準5%でF検定を行う。F検定により、導出値で表される集合と正常値で表される集合とが有意差なしと判定された場合、有意水準5%で2つの集合が等分散であるとみなされ、分散が変化していないと判定される。この場合には、ステップS17に移行する。一方、F検定により、導出値で表される集合と正常値で表される集合とが有意差ありと判定された場合、有意水準5%で2つの集合が非等分散であるとみなされ、分散が変化したと判定される。この場合には、ステップS18へと移行する。
ステップS17では、ステップS16で行われたF検定において、有意水準5%で等分散であるとみなされた2つの集合に対して有意水準5%でt検定を行う。t検定により、導出値で表される集合と正常値で表される集合とが有意差なしと判定された場合、この2つの集合は有意水準5%で等分散等平均値であるとみなされ、変化が生じていないと判断される。この場合には、ステップS11へ復帰する。t検定により、導出値で表される集合と正常値で表される集合とが有意差ありと判定された場合、この2つの集合は有意水準5%で等分散非等平均値であるとみなされ、平均値のみ変化があったと判断される。このため、空気調和装置3が異常状態にあるおそれがあるとして、ステップS21へ移行してより詳細な異常診断を行う。
ステップS18では、ステップS16で行われたF検定において、有意水準5%で非等分散であるとみなされた2つの集合に対してWelchのt検定を行う。有意水準5%で行われるWelchのt検定により、導出値で表される集合と正常値で表される集合とが有意差なしと判定された場合、この2つの集合は非等分散等平均値であるとみなされ、分散のみに変化が生じていると判断される。この場合には、空気調和装置3が異常状態にあるおそれがあるとして、ステップS21へ移行してより詳細な異常診断を行う。有意水準5%で行われるWelchのt検定により、導出値で表される集合と正常値で表される集合とが有意差ありと判定された場合、この2つの集合は非等分散非等平均値であるとみなされ、分散にも平均値にも変化があったと判断される。このため、空気調和装置3が異常状態にあるおそれがあるとして、ステップS21へ移行してより詳細な異常診断を行う。
ステップS21では、記憶部23に記憶されている状態値に基づいて、さらなる詳細な異常診断を行うと共に、空気調和装置3に異常が生じている箇所の推定を、異常診断手段28が行う。ここでは、例えば再度ステップS13、S14、S16〜18で行われた検定を行ったり、さらに3種類の状態値間の相関関係の確認を行ったりする。これらの異常診断に基づいて、空気調和装置3の異常状態の詳細及び異常箇所を推定する。異常箇所の推定には、正常値からの変化が確認された導出値に関係する状態値に関係する箇所が異常であると推定する。異常状態の詳細を推定することには、近い将来に空気調和装置3に故障が生じるおそれがある状態であるか、または故障が生じている状態であるかを推定することを含む。この後にステップS22へ移行する。
ステップS22では、処理部22が通信部21を介して、空気調和装置3が異常状態にある旨の内容と共に異常箇所の推定結果をサービスセンタ8の端末31へ連絡する。また、端末31への連絡は、異常箇所の推定結果に基づいた保守部品の指定などを行い、サービスセンタ8のサービスマンに保守部品を持たせて保守に向かわせる指令を含む。これに併せて、処理部22が通信部21を介して物件2の管理者などに空気調和装置3が異常状態にある旨の通知を行う。
<特徴>
本実施形態に係る管理システム1は、物件2に設置される複数の空気調和装置3の管理を行うと共に、それぞれの空気調和装置3が正常動作状態にあるか否かを判断できる。
異常診断を行うために、管理システム1に含まれる管理装置6は、空気調和装置3を物件2に設置した後一定期間の運転が行われて安定状態になった初期動作時を正常動作状態として扱い、この期間における状態値(検出された空気調和装置3のセンサ11の状態検出値及び空気調和装置3に対する制御の設定値)から正常値を導出する。初期動作時を正常動作状態として扱うのは、初期動作時において空気調和装置3が異常状態になるおそれが少ないことと、それぞれの空気調和装置3の使用する設置箇所での運転条件(環境、作動負荷など)に基づいた運転状態になるためにセンサ11から運転条件を含んだ状態検出値が得られるためである。この正常値と、他の期間の状態値から導出される導出値とを比較することにより、空気調和装置3が異常状態にあるか否かを診断する。
異常診断における正常値と導出値との比較手段としては、統計処理における検定を用いる。検定を用いることにより、有意水準を変更することで導出値の変化に対して検出精度と検知率との制御を行うことが可能となる。よって、導出値が正常値から変化しているとの判断を適切に行うことができるため、空気調和装置3の異常診断を適切に行うことが可能となる。
正常値及び導出値は、それぞれ1時間分の運転データに含まれる状態値の集合の平均値及び分散、または相関係数などである。また、導出値として状態検出値そのものを用いても良い。
異常診断を行った結果、空気調和装置3が異常状態にあると判断された場合には、正常値からの変化が確認された導出値に関係する状態値に関連する箇所に異常があると推定される。さらに、異常箇所を推定した後に、異常状態の空気調和装置3に必要な保守部品を選定し、サービスセンタ8の端末31へ保守指令を含む連絡をする。それと共に、物件2の管理者などに空気調和装置3が異常状態にある旨の通知を行う。これにより、空気調和装置3にまだ故障が生じていない場合には生じる前に保守を行うことができ、また空気調和装置3が故障した場合には選定された保守部品により修理を行うことができるため、いずれにせよ空気調和装置3の異常状態を速やかに解消させることができる。
<他の実施例>
(1)
本実施形態に係る管理システム1では、異常診断の際にF検定及びt検定を行う間隔を1ヶ月とするため、ステップS15で1ヶ月経過したか否かを判定している。しかし、F検定及びt検定を行う間隔を例えば3ヶ月、または半年としても良い。この場合に、もしも空気調和装置3の状態が正常動作状態からずれていれば、正常値からの変化をより明瞭に認識することができる。逆に、F検定及びt検定を行う間隔を例えば1日や1週間としても良い。この場合には、F検定及びt検定を行う間隔が短期になるため、空気調和装置3の状態の変化を速やかに認識することができる。
(2)
本実施形態に係る管理システム1では、初期動作時を正常動作状態として扱っており、この期間(空気調和装置の作動後1ヶ月)におけるセンサ11の状態検出値から正常値を導出する。しかし、空気調和装置3の正常動作状態は、初期動作時に限られない。また、空気調和装置が経年変化などによって導出値が正常値から徐々に変化し、その変化の程度が大きくない場合に、正常に動作するため特に問題が生じない場合がある。このとき、空気調和装置が異常状態にあると判断しなくても良い場合がある。よって、正常値導出手段27が最新正常値をさらに導出し、異常診断手段28が導出値と正常値との検定に加えて、導出値と最新正常値との検定を行うことにより、異常診断を行う。これにより、経年変化などを考慮しつつ、正常値からの乖離が大きい場合に異常状態にあると診断できる異常診断を行うことが可能となる。
この場合には、図7に示すように、異常診断のフローチャートにおいて、ステップS17のt検定終了後に、導出値が正常値に対して等分散等平均値であると判定された後に、ステップS19として、ステップS12で導出された導出値を最新正常値として導出して記憶部23に記憶させる。そして、ステップS13,S14,S16〜18において、導出された最新正常値と、正常値とを用いて、導出値が外れ値であるか否かの検定を行うようにすれば良い。また、ステップS21において、記憶部23に記憶された最新正常値の経年変化の傾向や、最新正常値の正常値からの乖離状況などに基づいて、空気調和装置3に異常状態が将来いつ生じるかを推定することが可能である。
これにより、空気調和装置3の経年変化による導出値の変化の影響を考慮した異常診断を行うことが可能となるため、異常診断の精度がさらに向上させることができる。
(3)
本実施形態に係る管理システム1では、異常診断手段28において、ステップS13において相関関係を有する状態値の相関係数を導出値として導出し、ステップS14で対応する正常値に対して外れ値であるか否かを有意水準5%でS・G検定する。これにより、空気調和装置3の異常診断を適切に行うことが可能となる。ここで、2種類の状態値が時間差をもって相関関係を有している場合について同様に相関係数を導出値として導出し、正常値との検定を行っても良い。さらに、状態値の時間差を導出値として導出して同様に検定を行っても良い。
具体的には、第1センサ11aの状態検出値が変化した場合に、時間差(例えば30分後)に第2センサ11bの状態検出値が変化する場合であって、第2センサ11bの状態検出値が30分前の第1センサ11aの状態検出値と相関する関係を指す。このような関係がある場合に、異常診断手段28が第2センサ11bの過去1時間における状態検出値と第1センサ11aの1時間半前から30分前までにおける状態検出値との相関係数を導出値として導出し、正常値との検定を行うことで空気調和装置3の異常診断を行う。
空気調和装置3が異常状態になった場合に、第1センサ11a及び第2センサ11bのそれぞれにおける状態検出値の時間差が変化したために、元々の時間差では相関がなくなったようにみえる場合がある。このような場合には、記憶部23に記憶されている過去の状態検出値の傾向(トレンド)を図8のようなトレンドグラフとして理解し、相関の遅延がどの程度生じているか参照した上で、相関係数を再度導出し、相関がある時間差を特定する。
以上では、時間差を有する相関関係をも利用して空気調和装置3の異常診断を行うことができる。これにより、空気調和装置3の異常診断の精度をさらに高めたり、異常箇所の特定の精度をさらに高めたりすることが可能となる。
空気調和装置の管理システムの全体構成図。 空気調和装置の管理システムに含まれる管理装置の構成図。 状態検出値の集合の分布の一例。 空気調和装置に設けられるセンサ間の相関関係の一例。 正常値の導出に関するフローチャート。 異常診断に関するフローチャート。 他の実施例(2)における異常診断に関するフローチャート。 他の実施例(3)における第1センサ及び第2センサにおける状態検出値のトレンドグラフの一例。
符号の説明
1 管理システム
3 空気調和装置
6 管理装置
11 センサ
21 通信部
22 処理部
23 記憶部
26 導出手段
27 正常値導出手段
28 異常診断手段
31 端末

Claims (3)

  1. 空気調和装置(3)の異常診断を行う異常診断システム(1)であって、
    診断時における前記空気調和装置(3)の状態に関する状態値に基づき導出値を導出する第1導出部(26)と、
    前記空気調和装置(3)の正常動作時における前記状態値に基づき正常値を導出する第2導出部(27)と、
    前記導出値および前記正常値に対して統計処理による検定を行い、前記導出値と前記正常値とに有意差ありとみなされる場合に前記空気調和装置(3)が異常状態にあると診断する異常診断部(28)と、
    を備える、
    異常診断システム(1)。
  2. 前記導出値は、診断時における前記状態値の集合であり、
    前記正常値は、前記空気調和装置(3)の正常動作時における前記状態値の集合である、
    請求項1に記載の異常診断システム(1)。
  3. 前記正常値は、前記空気調和装置(3)の正常動作時における前記状態値の集合であり、
    前記異常診断部(28)は、前記正常値に対して前記導出値が外れ値であるか否かの検定を行い、有意差ありとみなされる場合に前記空気調和装置(3)が異常状態にあると診断する、
    請求項1に記載の異常診断システム(1)。
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