JP5142947B2 - 発酵物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、牛乳カードと乳清(ホエー)を利用した発酵物及びその製造方法に関する。
牛乳からチーズを製造する場合、チーズの基材となる牛乳カードを調製する際にホエー(乳清)が大量に生成し、その処理と有効利用が大きな課題となっている。
また、日本では、味噌や醤油等の調味料が広く利用されてきた。しかし、食生活の多様化から、これまでにない新たな調味料が求められている。
例えば、特許文献1には、粉乳若しくは粉末チーズを原料に用いて、牛乳風味調味料やチーズ風味調味料を製造する方法が記載されている。また、特許文献2には、出汁取り後の残渣を用いた旨味調味料及びその製造方法が記載されている。
しかし、これらはホエーを利用するものでなく、利用する微生物も麹菌等に限られている。
特開平3−108464号公報 特開2007−325566号公報
本発明は、牛乳カード及び乳清を利用した発酵物を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決することを主な目的として鋭意検討を重ねた結果、牛乳カードを原料に用いて、麹を作製し、発酵を行うこと、更に製造過程において、乳清を添加して調製を行うことにより、これまでにない風味を有する発酵物が得られることを見出し、更に鋭意検討を重ねて、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記製造方法、及び製造方法によって得られる発酵物に関する。
1.牛乳カードと穀類の混合物に麹菌を接種して製麹する工程、
得られた麹に食塩を添加してもろみを調製する工程、
もろみに酵母を添加して発酵させる工程
を有する発酵物の製造方法であって、
上記工程のいずれかにおいて、乳清を添加することを特徴とする方法。
2.得られた麹に食塩を添加してもろみを調製する工程において、
乳清を添加することを特徴とする項1に記載の製造方法。
好ましくは、得られた麹に食塩を添加してもろみを調製する工程において乳清を添加することとなる工程が、得られた麹に食塩を含む乳清を添加してもろみを調製する工程である項1に記載の製造方法。
3.もろみを調製する工程又はもろみに酵母を添加して発酵させる工程において、
乳酸菌を添加することを特徴とする項1又は2に記載の製造方法。
4.項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって得られる発酵物。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
1.牛乳カードと穀類の混合及び製麹工程
牛乳カードは、牛乳の凝集物(カード)を意味する。牛乳カードは、一般には、牛乳にレンネット、好ましくは更に塩化カルシウムを作用させて生成された凝集物を分離することにより得ることができる。塩化カルシウムを更に作用させることで、牛乳の凝集効率が向上する。
なお、レンネットは、牛乳タンパク質を凝集させることのできる酵素(レンニン)を含んでいる混合物を意味する。
牛乳カードと混合する穀類としては、麦類、米類、雑穀類等が挙げられる。
麦類としては、大麦、小麦、裸麦、ライ麦等が挙げられる。米類としては、玄米、ウルチ米、精白米等が挙げられる。雑穀類としては、こうりゃん、粟、稗、とうもろこし、そば、アマランサス等が挙げられる。
それらは加熱等の前処理を行ったものでもよい。また1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
牛乳カードと穀類は、常法に従って均一に混合される。牛乳カードは適当な大きさに切断してから混合することが好ましく、穀類も粉砕又は粉末化したものを用いることが好ましい。
牛乳カードと穀類との混合割合は、目的とする風味等によって適宜設定することができ、特に限定されないが、通常、牛乳カード1gに対し、穀類0.5〜3.0g程度、特に0.5〜1.0g程度である。
得られた混合物に、麹菌を摂取して、製麹、即ち、麹の調製を行う。
麹菌は、食品衛生上許容される公知のものから適宜選択して用いることができるが、好ましくは、アスペルギルス オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス ソーヤ(Aspergillus sojae)、 モナスカス ルーバ(Monascus ruber)、 モナスカス パープレウス(Monascus purpureus)、 モナスカス プリオサス(Monascus pliosus)などを用いることができる。
これらの菌は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上混合して用いることもできる。
麹菌に由来するタンパク質分解酵素により、牛乳の主要タンパク質であるカゼイン等が分解され、独特の風味やコクの形成に寄与すると考えられる。
製麹工程における温度は、通常25〜32℃程度、特に28 〜30℃程度である。温度が高くなり過ぎると麹菌の生育が阻害され、温度が低くなりすぎると生育速度が遅くなり製麹に時間がかかる。
製麹の期間も、適宜設定することができるが、通常36〜96時間程度、特に48〜72時間程度である。
2.もろみの調製工程
得られた麹に、食塩を加えて、もろみを調製する。食塩の配合割合は、麹100gに対して、通常50〜75g程度、特に50〜60g程度である。
食塩は、水又は溶液に溶解して配合することができる。例えば、水又はホエーに溶解して配合することができる。
食塩水の場合、その食塩濃度は適宜設定し得るが、通常、16%(w/w)〜飽和程度である。
また、食塩をホエーに溶解させたホエー食塩水の場合、その食塩濃度も適宜設定し得るが、通常、18%(w/w)〜飽和程度である。
3.発酵工程
調製したもろみを、所定の温度環境下におき、更に酵母を加えて、発酵を行う。
酵母は、食品衛生上許容される公知のものから適宜選択して用いることができるが、通常、ザイゴサッカロミセス ルキシ(Zygosaccharomyces rouxii)や、カンジダ バーサティリス(Candida versatilis)を用いる。
発酵における温度及び発酵期間は、得られる製品の品質等を考慮して適宜設定することができる。また、発酵期間中に温度を適宜変更することもできる。
例えば、30℃である程度発酵させてから10℃程度で一定期間発酵させて、熟成してもよい。また発酵を早く完了させるために、高温で発酵を行ってもよい。
更に、酵母添加までは、通常10〜20℃くらいで発酵を行い、酵母添加後は28〜30℃程度で発酵を行ってもよい。
通常、発酵温度は10 〜30℃程度の範囲で設定される。また、発酵期間は、通常、3ヶ月〜6ヶ月程度である。
4.乳清の添加
本発明においては、上記工程のいずれかにおいて、乳清(ホエー)を添加する。乳清を添加することにより、味、におい等を調製することができ、また栄養価や機能性等について高い付加価値を付与することができる。
乳清は、上記牛乳カードを製造する際に上清として得られる液体を利用してもよい。
乳清の添加は、他の成分の添加と合わせて行うことができる。例えば、食塩と乳清を混合し、ホエー食塩水として添加することができる。またホエー食塩水に各種酵素や他の成分を加えて添加することもできる。
特に、乳清はもろみの調製工程及び/又はもろみの発酵工程において添加することが好ましい。
添加は1回で行ってもよく、複数回に分けて行ってもよい。
乳清の添加量は、所望の味や栄養価を備えさせること等を目的として適宜設定し得るが、通常麹15gに対し20〜100ml程度、特に35〜45ml程度である。
5.他の処理
更に、上記工程のいずれかにおいて、乳酸菌を添加してもよい。例えば、上記もろみを調製する工程及び/又は上記発酵工程において乳酸菌を添加することができる。
乳酸菌は、食品衛生上許容される公知のものから適宜選択して用いることができるが、耐塩性乳酸菌が好ましく用いられ、例えば、テトラジェノコッカス ハロフィラス(Tetragenococcus halophilus)等が用いられる。
乳酸菌を添加すると、乳酸含量が高い発酵物を得ることが可能になる。また、pHを低下させ、雑菌の繁殖をより効果的に抑えることができる。
更に、牛乳特有糖質であるラクトースからの乳酸発酵などが行われ、これも独特の風味とコクの形成に寄与すると考えられる。
更に、上記工程のいずれかにおいては、プロテアーゼ及び/又はβガラクトシダーゼを添加することができる。両者を添加する場合、プロテアーゼの添加とβ−ガラクトシダーゼの添加は同一の工程であってもよく、別々の工程であってもよい。
例えば、製麹工程において牛乳カード又はその混合物にプロテアーゼを添加し、調製したもろみの発酵工程においてβ−ガラクトシダーゼを添加してもよい。また、もろみを調製する工程において、プロテアーゼとβ−ガラクトシダーゼの両者を添加してもよい。
プロテアーゼは、耐塩性プロテアーゼであることが好ましい。プロテアーゼの種類としては、サーモライシン、パパイン等が挙げられる。プロテアーゼの添加量は、所望の味や特性等を付与することを目的として適宜設定することができる。
また、βーガラクトシダーゼは、耐塩性β−ガラクトシダーゼであることが好ましい。β−ガラクトシダーゼの種類としては、麹菌由来のものや枯草菌由来のもの等が挙げられる。β−ガラクトシダーゼの添加量も所望の味や特性等を付与することを目的として適宜設定することができる。
また、本発明の発酵物の製造方法においては、必要に応じ、他の成分を添加することもできる。他の成分としては、例えば、香辛料等の調味料が挙げられる。
また、撹拌、遠心分離等の操作を必要に応じて行うこともできる。
更に、発酵及び醸造における公知の技術を所望に応じて付加し得るものである。
6.発酵物
上記により得られた発酵物は、そのまま各種用途に使用することもできる。また遠心分離や圧搾等により、固形成分と上清の分離を行い、固形成分又は上清のいずれかを用いることもできる。
また抽出操作や脱塩操作により、発酵物から有用成分やアミノ酸組成物等を回収して用いることもできる。
本発明の発酵物の用途は特に限定されないが、例えば、調味料、食品素材、薬味用等として利用することができる。
本発明は、牛乳カードと乳清を利用した、これまでにない発酵物及びその製造方法を提供するものである。
本発明の発酵物は、独特の風味及び味を有し、新たな食品素材や調味料として利用可能である。
更に、本発明は、牛乳を原料として、そのタンパク質だけでなく乳清も利用した調味料であって、タンパク質の分解産物等も含むものであり、栄養価に優れた、新たな機能性調味料を提供し得るものである。
以下、本発明をより具体的に説明するために、実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
尚、特記しない限り、各例中の%は、w/v%を意味する。
1.サンプルの調製
(1)レンネットによる牛乳カードの作製法
牛乳は、成分無調整の生乳100%の低温殺菌牛乳(タカナシ乳業株式会社、無脂乳固形分8.4%以上、乳脂肪分3.6%以上、66 ℃で30分間殺菌)を使用した。
初めに、牛乳をウォーターバス中で、32 ℃になるまで温めた。そして、32℃に温まった牛乳2400 ml (2443.68 g)に、10 %塩化カルシウム溶液6 ml、蒸留水540ml、0.15%レンネット液(Rennet, from Calf Stomach(ウシ胃由来、75〜80%NaCl含有)、和光純薬)60mlをこの順で加えた。
得られた混合物を、全体的によく撹拌し、32℃で30分間静置させた。そして、牛乳が凝集してきたかを確認し、32 ℃から42 ℃まで約35分間かけて、徐々に牛乳を温めた。この時、約3.5分に1℃上げるペースで、ゆっくりと温度を上げた。42℃まで、温度が達したら、凝集物(以下、牛乳カードともいう)と液体(以下、ホエーともいう)を分けた。
牛乳カードは、ガーゼで絞りとった。絞った牛乳カードは、冷蔵庫で一晩置き、ある程度の水分をとばしてから、重量を測定した。ホエーは、体積、重量を測定した後、凍結保存した。
(2)製麹、もろみの調製及び発酵
250 ml容ポリ容器に、大豆の大きさに切った牛乳カード10g、煎り強力粉5gと麹菌としてアスペルギルス オリザエ(Aspergillus oryzae) 0.006 gを加え、雑菌が混入しない程度にふたをした状態で、28 ℃で48時間静置して、麹を得た。この間、24時間又は48時間目に手入れ(撹拌)を行った。
得られた麹に、20%ホエー食塩水(w/w: ホエー 1000 g、NaCl 250g) を30 ml(37.9 g)又は42 ml(53.1 g)、或いは 20%食塩水(w/w: H2O 1000 g、NaCl 250 g)を30 ml(37.5 g)又は42 ml(52.5 g)加えて、もろみを調製した。
得られたもろみを用いて、20 ℃で醸造を開始した。醸造開始後、容器のふたはきちんと閉めた。また、醸造を開始後、2日に1回撹拌を行った。
醸造を開始して10日目に、濁度0.86のテトラジェノコッカス ハロフィラス(Tetragenococcus halophilus)(乳酸菌))を0.12 ml添加し、更に、醸造を開始して25日目に、濁度1.19のザイゴサッカロミセス ルキシ(Zygosaccharomyces rouxii)(酵母)を0.084 ml添加して、発酵を行った。酵母添加後は、28 ℃で醸造を行い、一週間に1回撹拌を行なってサンプルを調製した。
また、乳酸菌を添加しない以外は、同様にもろみを調製し、同様に発酵を行ったサンプルも調製した。
採取したサンプルは、遠心分離(10000 rpm, 10 min)後、上清を凍結保存した。
下記2のpH測定及び3の還元糖量の測定で用いたサンプルは、以下のとおりである。
乳清を添加しない場合のサンプルは、上記1において、
20%食塩水を30ml用い、乳酸菌を添加して調製したもの(塩,1.5倍,乳+)、
20%食塩水を30ml用い、乳酸菌を添加せずに調製したもの(塩,1.5倍,乳-)、
20%食塩水を42ml用い、乳酸菌を添加して調製したもの(塩,2.0倍,乳+)、又は
20%食塩水を42ml用い、乳酸菌を添加せずに調製したもの(塩,2.0倍,乳-)
の4種類である。
また、乳清を添加した場合のサンプルは、上記1において、
20%ホエー食塩水を30ml用い、乳酸菌を添加して調製したもの(ホ,1.5倍,乳+)、
20%ホエー食塩水を30ml用い、乳酸菌を添加せずに調製したもの(ホ,1.5倍,乳-)、
20%ホエー食塩水を42ml用い、乳酸菌を添加して調製したもの(ホ,2.0倍,乳+)、又は、
20%ホエー食塩水を42ml用い、乳酸菌を添加せずに調製したもの(ホ,2.0倍,乳-)
の4種類である。
2. pH測定
(1)分析方法
作製した各サンプルの醸造日数によるpH変化を測定した。
測定は、サンプルの遠心分離(10000 rpm, 10 min)後の上清のpHを、ツーバンドpH試験紙3.5〜6.8を用いて測定することにより行った。
分析は1本のポリ容器中の醸造物につき1回の測定を行い、同じ組成のもろみ3本分の結果を平均したものを、1つの系の結果とした。
(2)分析結果
測定した各サンプルの醸造日数によるpH変化を図1及び図2に示した。
図1は、乳清を添加しない場合、即ち、食塩水を用いて調製したサンプルの結果を示す。また、図2は、乳清を添加した場合、即ち、ホエー食塩水を用いた調製したサンプルの結果を示す。
図1及び図2に示されるように、91日間の醸造において、どれも同じようなpH変化をした。そして、91日間の醸造後、全てのサンプルが、pH4.3〜4.4に収束した。
3.還元糖量の測定
(1)分析方法
Somogyi-Nelson法を用いて、グルコースを標準として定量を行った。測定は2連で行なった。サンプル液を0.2 mlずつ試験管に分取して、Somogyi液0.2 mlを加えて撹拌をし、蓋をした。そして、10分間沸騰水中に保った後、水冷した。その後、Nelson液0.2 mlを加えて撹拌後、水5 mlを加えて撹拌して、本溶液の540 nmにおける吸光度を測定した。
標準溶液としたグルコースの検量線はy=0.287x+0.0128(式中、yは吸光度を示す。xはグルコース濃度(mM)を示す)であった。
分析は、1本のポリ容器中の醸造物につき2回の測定を行い、同じ組成のもろみ3本分の結果を平均したものを、1つの系の結果とした。
(2)分析結果
醸造103日目のサンプルの還元糖量の測定結果を表1及び表2に示す。
表1は、乳清を添加しない例、即ち、食塩水を用いて調製したサンプルの結果を示す。また、表2は、乳清を添加した例、即ち、ホエー食塩水を用いた調製したサンプルの結果を示す。
尚、ホエーそのものの還元糖量は、110.1 mMであった。
Figure 0005142947
Figure 0005142947
表1及び表2に示されるように、乳清を添加したものは、還元糖量が多いことがわかった。
4.官能検査1
上記1において、20%食塩水を30ml用い、乳酸菌を添加して調製したもの(塩,1.5倍,乳+)又は20%ホエー食塩水を30ml用い、乳酸菌を添加して調製したもの(ホ,1.5倍,乳+)の醸造112日目のサンプルについて、官能検査を行った。
検査は、10名のパネラーが、各サンプルについて、におい及び味を評価することにより行った。結果は、回答者の人数をポイントとして示した。
(1)におい
・20%食塩水を用いて調製したサンプル(塩,1.5倍,乳+)
チーズ臭を感じる 7ポイント
チーズ臭を特には感じない 3ポイント
・20%ホエー食塩水を用いて調製したサンプル(ホ,1.5倍,乳+)
チーズ臭を感じる 9ポイント
チーズ臭を特には感じない 1ポイント
(2)「深みのある濃い味わい」としての「こく味」
・20%食塩水を用いて調製したサンプル(塩,1.5倍,乳+)
こく味を感じる 2ポイント
こく味を特には感じない 8ポイント
・20%ホエー食塩水を用いて調製したサンプル(ホ,1.5倍,乳+)
こく味を感じる 5ポイント
こく味を特には感じない 5ポイント
5.官能検査2
醸造112目のサンプルについて、うま味、塩辛さ、甘味、苦味及び酸味に関する官能検査を行った。サンプルは、下記A〜Eを用いた。
サンプルA:豆乳カード+大豆ホエー食塩水
サンプルB:牛乳カード+食塩水
サンプルC:豆乳カード+食塩水
サンプルD:大豆+食塩水
サンプルE:牛乳カード+ホエー食塩水
サンプルBは、上記1において、20%食塩水を30ml用い、乳酸菌を添加して調製したものとした。
サンプルEは、上記1において、20%ホエー食塩水を30ml用い、乳酸菌を添加して調製したものとした。
サンプルAは、サンプルEの調製において、牛乳カードに代えて豆乳カードを用い、20%ホエー食塩水に代えて20%大豆ホエー食塩水を用いる以外は同様に調製したものとした。
また、サンプルCは、サンプルEの調製において、牛乳カードに代えて豆乳カードを用いる以外は同様に調製したものとした。
ここで、豆乳カードは、上記1において、低温殺菌牛乳に代えて大豆から調製した豆乳を使用し、レンネット液に代えてにがりを用いる以外は同様にして得られた凝集物を意味する。また、大豆ホエー食塩水は、上記1において、低温殺菌牛乳に代えて大豆から調製した豆乳を用い、ウシ胃由来レンネットに代えてにがりを用いる以外は同様にして得られた液体を意味する。
サンプルDは、サンプルEの調製において、牛乳カードに代えてオートクレーヴした大豆を用いる以外は、同様に調製したものとした。
各サンプルを2 mlずつ、1.5 ml容チューブに1 mlずつ入れてサンプリングして、遠心分離(12000 rpm,10min.)を行った。さらに、上清を、遠心分離(14000 rpm,10min.)して、その上清を、1.5 ml容チューブに取り、沸騰水中で10 min保った。この溶液を官能検査に用いた。
A〜Eの番号がつけられた小さな白い容器の中央に、各サンプルを200 μlずつ載せた。
14人のパネラーが、醸造サンプルのにおい及び味について評価した。
パネラーは、官能検査の目的については、話されたが、それぞれのサンプルが何かは知らされなかった。
パネラーは、サンプルを人差し指につけ、舌の中央に平らに置いて評価した。
各サンプルについて、どの程度、うま味、塩辛さ、甘味、苦味、酸味を感じたかという質問を行い、得られたパネラーの回答に応じた人数を、図3〜7に示した。
図3に、サンプルBの官能検査の結果を示す。
図4に、サンプルEの官能検査の結果を示す。
図5に、サンプルDの官能検査の結果を示す。
図6に、サンプルCの官能検査の結果を示す。
図7に、サンプルAの官能検査の結果を示す。
官能検査1及び2に示される結果から、牛乳カードとホエーを用いて調製した本発明の発酵物は、独特の風味とコクを有していることがわかった。
食塩水を用いて調製したサンプルの醸造日数によるpH変化を示す図面である。 ホエー食塩水を用いて調製したサンプルの醸造日数によるpH変化を示す図面である。 牛乳カード及び食塩水を用いて調製したサンプルの官能検査の結果を示す図面である。 牛乳カード及びホエー食塩水を用いて調製したサンプルの官能検査の結果を示す図面である。 大豆及び食塩水を用いて調製したサンプルの官能検査の結果を示す図面である。 豆乳カード及び食塩水を用いて調製したサンプルの官能検査の結果を示す図面である。 豆乳カード及び大豆ホエー食塩水を用いて調製したサンプルの官能検査の結果を示す図面である。

Claims (2)

  1. 牛乳カードと穀類の混合物に麹菌を接種して製麹する工程、
    得られた麹に食塩を添加してもろみを調製する工程、
    もろみに酵母を添加して発酵させる工程
    を有する発酵物の製造方法であって、
    得られた麹に食塩を添加してもろみを調製する工程において、乳清を添加することを特徴とする方法。
  2. もろみを調製する工程又はもろみに酵母を添加して発酵させる工程において、
    乳酸菌を添加することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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