JP5137423B2 - 発酵堆肥化処理法及び装置 - Google Patents
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Description
また、これらを発酵堆肥化するには、糞尿にオガ屑、籾殻、麦稈などの水分調整材を添加混合して、発酵に適した含水量60〜65%程度に調整することが必要である。これを発酵堆肥化処理するには、古くからエンドレス式発酵装置が使用されている。該装置は、平行する高さ0.6〜0.7M(メートル)、長さ100Mを有する長円形の立壁とその中心線上に両端にターンテーブルを具備した直線立壁とに跨る台車上に撹拌機と糞尿散布機を搭載して成る撹拌散布機をその直進走行した後、その各端のターンテーブルで夫々180°旋回し方向転換し、周回走行せしめるようにしたもので、上記の水分調整された糞尿を発酵堆肥化するには該長円立壁のピット底面に台車を回動走行させて、先ず該糞尿散布機により所望の厚さに糞尿を散布し、その後、撹拌機により発酵中の糞尿散布層を撹拌し、以下糞尿散布と撹拌を繰り返し、その堆積物が高さ0.5M程度となるまで行い、その後、堆肥として取り出すものである。
一方、最近、キシエンジニアリング株式会社は、発酵槽の高さが高くエンドレス式発酵槽より多量の水分調整された糞尿を一度に投入堆積できるばかりでなく、有機質廃物の発酵処理槽を容易且つ安価に構築でき、更には、その被処理物の投入堆積及び発酵処理済みの堆肥の取り出しをどの位置からも行えるようにしたオープン式発酵処理装置を特開2001-47013号公報で開示した。その後、本願出願人は、その改良装置を特開2001-079527号公報、同2001-198445号公報、同2002-079213号公報などに開示した。
このオープン式発酵処理装置の構成とこれを用いて有機質廃物の発酵堆化処理する方法は、特に、特開2001-47013号公報に詳細に記載されているように、その図1〜図5に記載のように、処理すべき有機質廃物に水分調整材を添加混合し、発酵に適した含水率に調整した後、これを、オープン式発酵槽内にその長尺開放側面を介して一端から他端まで順次投入堆積し、1M以上の高さに堆積したものを発酵させることと、正,逆回転撹拌機を適時往復走行して発酵中の堆積物を撹拌し、水分を蒸発させることを所要時間繰り返す発酵堆肥化処理を行い、発酵処理済みの堆肥を該長尺開放側面を介してショベル車により取り出すようにしたものである。
また、一方、エンドレス式発酵装置により、豚や鶏の糞尿を発酵堆肥化処理する都度、水分調整材を添加混合し、発酵に適する55〜65%程度の水分含有量に調整する必要があるため、年間を通じての水分調整材の使用量は莫大なものとなり、それだけ経費がかかり、堆肥の生産コストを増大する不都合をもたらす。
また、一方、従来のオープン式発酵装置により、豚や鶏の糞尿、肉牛、乳牛の糞尿、汚泥、スラッジ、生ゴミなどの高含水有機質廃物を発酵堆肥化処理を行う場合にも、その都度、オガ屑、籾殻、麦稈などの水分調整材を添加混合し、発酵に適した55〜65%程度の含水率に調整することが必要であり、年間を通じての使用量は莫大なものがある。水分調整材として、四季に影響されず、一年を通じて常に入手し得るオガ屑が好ましく使用されているが、例えば、100頭の乳牛の生糞7t/日を発酵に適した、例えば、約65%の含水率に調整するには、3t/日のオガ屑が必要であり、年間を通じての使用量と経費は莫大なものとなり、従って、堆肥の生産コストは極めて高いものとなる不都合を伴う。
本願の発明者は、かゝる従来の高含水有機質廃物の発酵堆肥化処理における上記の課題を解消するべく、鋭意、試験、研究を重ねて来た結果、オープン式発酵槽を利用し、水分調整材の使用量を減少でき、或いは全く使用せずに発酵堆肥化処理を行い、堆肥の生産コストを低下でき、安価な堆肥を生産することができる高含水有機質廃物の発酵堆肥化処理法及び発酵堆肥化処理装置を開発したので、これを茲に開示する。
更に本発明は、水分調整材を使用することなく発酵堆肥化できる発酵堆肥化処理法に存し、請求項2に記載の通り、請求項1に記載のオープン式発酵処理装置を用い且つ請求項1に記載の堆肥化処理法により生産された所望高さまで高くなった堆肥化処理された堆肥堆積物の一部を取り出した後、該撹拌機を往復動走行させることにより該堆肥堆積物全体を撹拌して高さを少なくとも1Mの低い高さを維持した堆肥堆積物を基層として用意し、この堆肥堆積物の基層上面に該散布機を往復動走行させることにより高含水有機廃物を散布すること、次いで、該撹拌機を往復動走行させることにより該堆肥堆積物と該高含水有機廃物とを撹拌混合することを繰り返し行うことを特徴とする。
更に本発明は、水分調整材を始めから全く使用せず、更に製造コストを低下できる発酵堆肥化処理法に存し、請求項1又は2に記載の発酵堆肥化処理法において、オープン式発酵槽内の該投入堆積用空間に堆積した基層に代え、先に生産した発酵可能な堆肥を投入し、少なくとも1Mの高さに堆積した堆積物を基層として用意し、この基層の上面に該散布機を往復動走行させることにより高含水有機廃物を散布することと、次いで、該撹拌機を往復動走行させることにより撹拌混合することを特徴とする。
更に本発明は、高含水有機質廃物を細かく粉砕し散布可能にした上記の請求項1〜3に記載の発酵堆肥化処理法に用いる発行堆肥化処理装置に存し、請求項4に記載の通り、コ字状のオープン式発酵槽の長さ方向の立壁の両端から幅方向に延びる左右のいずれか一方の立壁の内側のスペース空間上に撹拌機を待機位置として配置する一方、その他方の端の立壁の内側のスペース空間上に散布機を待機位置として配置し、待機位置にある両機間の長さ方向の立壁の長さに対応する長手のスペース空間を被処理物の投入堆積用空間としたオープン式発酵処理装置において、該散布機は、往復動走行自在の台車上に傾動自在の高含水有機廃物用容器を具備すると共に、該容器の開放面の1側にその容器の長さ方向に沿って設けた回転軸と、その外周面及び長さ方向に間隔を存して多数配設した高含水有機質廃物中の団塊を細砕する多数の爪とから成る細砕装置を具備したことを特徴とする。
また、堆積物の撹拌時には、オープン式発酵槽の一端に待機せしめた撹拌機のみを往復動走行させれば足り、高含水有機廃物の散布時には、オープン式発酵槽の他端に待機せしめた散布機のみを往復動走行させれば足り、従来の撹拌機と散布機を一体とした往復動走行装置を往復動走行せしめる無駄を省き、運転コストの低減をもたらす。
請求項2に係る発明によれば、請求項1で特定したオープン式発酵処理装置を用い且つ請求項1で特定した堆肥化処理法により生産された発酵中の堆肥堆積物の一部を取り出し、少なくとも1Mの高さを維持した堆肥堆積層を基層とし、以降は請求項1の発明と同様に、高含水有機質廃物の散布と堆肥堆積物の撹拌混合を繰り返すことにより、全く水分調整材を使用することなく、且つ請求項1の堆肥化処理法に引き続き堆肥化処理法を行い、更に安価な堆肥の連続生産が可能となる。
請求項3に係る発明によれば、オープン式発酵槽に先に生産した堆肥を投入堆積したものを少なくとも1Mの高さを有する基層とし、以降は高含水有機質廃物の散布と撹拌混合を繰り返すことにより、全く水分調整材を使用することなく、安価な堆肥の生産を行うことが可能となる。
請求項4に係る発明によれば、該オープン式発酵処理装置を上記特定の発酵堆肥化処理法に用いるときは、高含水有機質廃物中に団塊が混在していても、回転軸の外周面に多数配設した多数の爪から成る該細砕装置により細かく砕くことができるので、基層の上面全面に均一な散布を行うことができると共に、撹拌機により発酵中の堆積物中に高含水有機質廃物細砕堆積物の均一な混在をもたらし、均一な堆肥化を行うことができる。
本発明の高含水有機質廃物の発酵堆肥化処理法は、繊維質が少なく、有機質に富み、発酵時に発生するエネルギーが大きい鶏糞や豚糞、下水汚泥などの高含水有機質廃物にも適用できるが、特に、繊維質が多く、有機質が少なく、発酵時に発生するエネルギーが少ないため、特に、冬季においては、該気温度の低下による影響を受け易く、発酵不可能となる乳牛の糞尿、活性化処理済みの汚泥、各種食品生産加工業者や家庭などから廃棄される都市ゴミ、食品製造かすなどの高含水有機質廃物に適する。
以下の実施形態例は、乳牛の牛舎から出る乳牛の糞尿(含水率約88%)を発酵堆肥化処理する場合につき説明する。
乳牛の牛舎には、通常敷料として、オガ屑や麦稈を床面に敷いているので、乳牛の糞尿を掃除し牛舎から取り出すと、これら敷料が混じった生糞として回収される。通常、乳牛1頭当たりの1日の糞尿は60Kgであるが、この中に10Kgの敷料が混在しているので、回収した生糞は70Kgである。
今、牛舎に100頭の乳牛を飼育している場合を考慮すると、6000Kgの糞尿に1000Kgの敷料と混在した7000Kgの生糞が回収される。糞尿の88%は水分、敷料の30%は水分であるから、生糞の水分は約80%である。
この高含水有機質廃物7000Kg/日を毎日発酵堆肥化処理する方法の本発明の実施形態の1例を、発酵堆肥化条件の最も悪い、冬季の酷寒を考慮し、天日蒸発量0と仮定して以下説明する。
上記の投入堆積作業の間に、毎日投入堆積された各被処理物は発酵を開始するが、撹拌機2を往復動走行させて撹拌することにより、堆積物全体をならすと共に、外気(酸素)を導入供給し、好気的細菌の発酵作用、即ち、有機質分解作用を促進させ、これに伴う分解エネルギーにより通常60〜75℃、最高85℃の高温発酵をもたらし、また、発酵による水分の蒸発をもたらす。上記の堆積物Bの高さは1.7Mを有するので、冬季においても60〜75℃の高温発酵を維持でき、本発明の特徴とする下記する発酵堆肥化処理を可能とする。
このように、本発明の上記のオープン式発酵処理装置を用い発酵堆肥化処理法を行えば、従来のオープン式発酵処理装置を用い生糞7000Kgに3000Kgのオガ屑、即ち、生糞に対し約43%のオガ屑を混合した被処理物を高さ1.9M×幅8M×長さ55Mに投入堆積した堆積物を発酵堆肥化処理する場合に比し、水分調整材の使用量を著しく少なくでき、堆肥の生産コストを低減でき、経費の観点からみるときは、例えば、一年を通じて使用される水分調整材に要する経費を著しく低減できる。
一方、空になった上記のオープン式発酵槽に、再び上記の第1実施形態例と同じようにして、生糞に水分調整材を混合したものを投入堆積して基層Bを設けるようにしてもよいが、本発明の第2実施形態例として、上記の方法で生産した1.9Mの高さを有する堆肥堆積物の一部を元の1.7Mの高さとなるまで取り出し、図1及び図2に示す1.7Mの高さとした発酵中の堆肥の堆積物をそのまま基層Bとして利用し、この基層Bの上面に、以降は、先の第1実施例と同じ方法で、該オーブン式発酵槽の右端に待機配置している散布機を往復動走行させることによる生糞などの高含水有機質廃物の散布と、次いで、該オーブン式発酵槽の左端に待機配置されている撹拌機を往復動走行させることによる撹拌混合とを上記と同様にその堆積物の高さが1.9Mとなるまで40日繰り返す発酵堆肥化処理を行い、堆肥を生産するようにすることが好ましい。
この第2実施形態例によれば、始めから全く水分調整材を使用しなくてすむ高含水有機質廃物の堆肥化処理ができる。従って、これに伴い、上記の第1実施形態例の場合と異なり、高含水有機質廃物の水分調整作業を必要とせず、従って、作業能率の向上と共に、第1実施例に引き続き連続して堆肥化処理を行うことができ、堆肥の生産コストを更に低下でき、より安価な堆肥が得られる効果をもたらす。
かくして、発酵中の混合堆積物の高さが再び1.9Mとなったとき、再び一部の堆肥を取り出し、1.7Mの発酵中の基層とし、その上面に上記の生糞の散布、撹拌を繰り返し連続的に発酵堆肥化処理を行う。このように、散布と撹拌の都度新たな生糞が1.7M以上の高さの堆積物が供給されるので、分解エネルギーを生じると共に、外気に影響されることなく、常に60℃以上の高温発酵を維持した堆肥を得ることができるので、天日蒸発量0/m2の冬季などにおいても、堆肥の連続生産が可能となる。
上記の実施例において、被処理物の基層の高さを1.7Mと設定した理由は、多くの試験研究により、最も気温の低い冬季の場合の天日蒸発0リットル/m2を想定し、基層自身の有機質分解エネルギーにより60〜75℃の高温発酵を維持するには、その基槽の高さが1.7Mあれば最も安定した高温発酵を維持することができることを知見したことに基づく。
而して、1.7Mの高さがあれば、撹拌機により撹拌されたとき、冷気が基層又は混合堆積層に入って発酵温度は一旦急激に下がるが、直ちに高温発酵に回復するので、差支えがないことが確認された。
尚、その発酵に適した水分含有量は、約65%に限定されないことは勿論であり、55〜70%の範囲であればよい。
従って、冬季よりは気温の高い春、夏、秋の場合には、基層の堆積高さは1.7M以下でもよく、1Mまで低くしてもよいが、1.2〜1.5Mが安定した発酵堆肥処理ができ好ましい。尚、季節や気温により天日蒸発は1〜5リットル/m2と異なるので、これに伴い、発酵期間や最終的に目標とする堆肥の分解率や含水率を適当に選択する。
該オープン式発酵槽の規模の大小に拘らず、その左右端の撹拌機と散布機を待機位置として各別に配設して成るオープン式発酵処理装置を用い、両端に配設した撹拌機と散布帰途の少なくとも高さ1Mの高さに投入堆積したものを基層としたので、四季を通して高温発酵を確保し、安定良好に且つ安価に堆肥化処理を行うことができる。
また、従来から一般に行われているように、オープン式発酵槽の底面には、図示しないが、その長さ方向に間隔を存して無数の小孔を穿設した通気用支管の多数本を幅方向に延びる凹溝内に配設し、オープン式発酵槽の外部の主管に接続せしめた通気装置を配設し、適時、発酵槽内の発酵中の堆積物内にその下面のこれら通気用支管から圧縮空気を吹き込み酸素を供給するようにしてもよい。
上記の堆肥基層は、未だ完熟したものではないため、発酵エネルギーを有し、その上面に高含水有機質廃物が散布され、撹拌により堆肥中に混在されるため、その混合堆肥堆積層の高温発酵が行われ、水分調整材を要しない経済的な堆肥が得られる。
即ち、図7及び図8において、撹拌機2はロータリー式撹拌機を示し、そのロータリー式回転軸5は該撹拌機2の台車6の下面に平行に幅方向に架設され、可逆モータ7により伝導装置8を介し、夫々正,逆回転自在に駆動される。
該台車6は、H形鋼材で形成された長矩形状の囲枠6aと図7示において、該囲枠6aの左側の枠部材により支持され、レール4上に載置される前後の車輪2a,2aと該囲枠6aの右側の枠部材から下垂するH形鋼材で形成された前後の脚6b,6bに支持され、床面a上に載置された前後の車輪2a,2aとから成り、左右の車輪2a,2aは該囲枠6a上に設置された左右の可逆モータ9,9により伝導装置10,10を介し、夫々往復動走行自在に駆動される。該撹拌機2の走行速度は、20〜50cm/分、そのロータリー式回転軸5の回転速度は25〜40回転/分で一般に運転される。
該回転軸5には、その長さ方向に且つ周面に多数本のパドル11,11,…を螺旋状に配設した。各パドル11は、適当に広幅で板状又は角型の長杆から成り、その長さは、床面aに摺接する程に長手であり、その先端には、堆積物を掬い上げる板状、爪状などの掬い上げ部材11aを有し、且つ相隣るパドル11,11の掬い上げ部材11a,11aの対向端側は、互いに重なるような位置に存し、かくして、床面a上の堆積物をその幅全長に亘り隙間なく掬い上げることができるようにした。図面で、12はケーブル、13はケーブルリール、14はコントロールボックスを示す。尚、コントロールボックス14の内部には、タイマー、変流器、撹拌機起動用インバータ、メーターリレー、シーケンサー、ノイズフィルターなどの各種電気・電子機器から成る種々の自動制御装置が内蔵され、電源ランプ、起動ボタン、自動運転用ボタン、非常停止ボタンなどの所望の操作用ボタン(図示しない)を外部から操作できるような構成が配備されている。
該撹拌機2を待機位置から長さ55Mを往復動させるため、その台車6の囲枠6aのレール側の枠部材より該長手の立壁1aの上方を横断し外方へ突設した支持基板15から下垂せしめて前側の反転リミットスイッチ15aと後側の全停止リミットスイッチ15bを配設する一方、図3に明示するように、予め、該立壁1aの外壁面に、その撹拌機2の待機位置側に該後側の全停止リミットスイッチ15bと当接する位置に支点側接触子16bと該撹拌機2が55Mを往動走行した時点で、該反転リミットスイッチ15aが当接する位置に終点側接触子16aとを突出配設しておき、該コントロールボックス14に設けてあるスタートボタンを押すことにより、該撹拌機2を往動走行せしめ、長さ55mを走行した時点で、該前側反転リミットスイッチ15aが該立壁1aの外面に突設している終点側の接触子16aに当接し、これにより、該撹拌機2は逆方向に、復動走行を開始し、55M走行し、該後側の全停止リミットスイッチ15bが該支点側の接触子16bと当接することにより、該撹拌機2は停止し、かくして、1回の往復動走行が行われるように構成されている。
各タンク21は、該半円筒状の容器の中心軸線上に配置した回転軸21aの両端を該容器の両端壁の外面に突出させ、その軸の両端を夫々軸受け21b,21bにより回転自在に支持せしめた。その各タンク21の該両端の軸受け21b,21bは、該長矩形支持囲枠27aの前後の形鋼から成る部材27a,27a間に差し渡された形鋼から成る支持枠部材27b,27b,27bに支持されている。
更に詳細には、各タンク21はカップリング29を介し、減速機30に接続され、該減速機30は、チェーンスプロケット伝導装置31を介しタンク回転駆動軸32に接続し、更に、該タンク回転駆動軸32の中間に各タンク21の左右端に対応する位置に夫々配設した各一対のタンク回転用スプロケット33,33及び33,33は、図15,図16に明示のように、各タンク21の円弧状底面に突出させた円弧状リブ21c,21cへの側面に沿い配設した各一対のタンク回転用チェーン34,34との噛み合い連結するようにした。32aは、軸受けを示す。
かくして、左右のタンク回転用可逆モータ28,28により、これら連結伝導機構を介して、夫々のタンク21,21が、図14(a)に示す原料、即ち、高含水有機質廃物の積み込み時の開口面が真上に向いた状態から、回転傾動し、図14(b)に示す同原料の散布終了時の該開口面が斜め下向きに傾斜した状態に、図示の例では、120°の範囲で回転傾動するようにした。34aは該チェーン34の張りを調節するテンション装置を示す。
かくして、各該タンク21内の原料がタンク21の下向きに回転傾動して落下する過程で、その高速回転する長手の回転体35aの多数の破砕爪35b,35b,…により、原料中に含まれる団塊は細砕され、均一な散布層bを形成することができるようにした。
尚、該散布機3の全ての運転は、コントロールボックス40内の自動制御装置により所定のプログラムに従って自動制御が行われる。41は、ケーブルリールを示す。
該散布機3の左右のタンク21,21は、同時に正,逆いずれの方向にも回転傾動されるようにし、120度回転し、散布し終わった55M走行したところで、センサー(図示しない)により、自動的に復動走行して出発時の元の位置に戻り停止し、次の原料の受け入れ状態となるように、プログラム制御されている。
同図において、HLSはタンク21側に設けた水平接触子HCに対向する位置で、該支持囲枠27側に設けた水平位置リミットスイッチ、ICは該水平接触子HCから120°の回転角度位置に、該タンク21の該円弧状底面から突出させて設けた傾斜接触子、ITLSは該支持囲枠27側に設けた傾斜ターンリミットスイッチを示す。
左右のタンク21,21は、該コントロールボックス41のスタートボタンを押すことにより、該コントロールボックス41内のシーケンサーを介し同期して作動され、その各タンク21は、図14(a)の実線示から図14(b)の鎖線示まで120°回転したところで、該傾斜接触子ICは該傾斜ターンリミットスイッチITLSに当接し、該タンク21を反転回動し、該水平接触子HSLが水平となり、該水平位置リミットスイッチHLSと接触したところで、該タンク21は停止するように作動する。
尚、上記実施例の場合には、該コントロールボックス41内の自動制御装置により該タンク21の始動に同期して該細砕装置35の回転体35aの回転が始まり、該タンク21が55M走行し終わった時点で、120°の回転傾動による原料の散布が終わるようにし、そのタンク21の反転回動が開始された時点で、該細砕装置35の回転体35aの回動は休止するようにプログラム制御されている。
該散布機3を待機位置から長さ55Mを往復動させるため、次のような機構を具備している。即ち、その台車20の囲枠20aのレール側の枠部材20cより該長手の立壁1aの上方を横断し外方へ突出した前側の支持基板42と後側の支持基板42から夫々下垂せしめて前側の反転リミットスイッチ42aと後側の全停止リミットスイッチ42bを配設する一方、図3に示すように、予め、該立壁1aの外壁面に、その待機位置側に、該後側の全停止リミットスイッチ42bと当接する位置に始点側接触子43aと該散布機3が55Mを往動走行した時点で、該反転リミットスイッチ42aが当接する位置に終点側接触子43bとを突出配設しておき、該コントロールボックス41に設けてあるスタートボタンを押すことにより、該散布機3を往動走行せしめ、長さ55Mを走行した時点で、該前側の反転リミットスイッチ42aが該立壁1aの外面に突設している終点側の接触子43bに当接し、これにより、該散布機3は逆方向に復動走行を開始し、55M走行し、該全停止リミットスイッチ42bが該始点側接触子43aに当接することにより、該散布機3は停止し、かくして、1回の往復動走行が行われるように構成されている。
1 オープン式発酵槽
2 撹拌機
4 レール
B 堆積物、基層
B′ 混合堆積物
b 散布層分の高さ
C 取り出し跡の空所
20 台車
21 タンク
35 細砕装置
Claims (4)
- コ字状のオープン式発酵槽の長さ方向の立壁の両端から幅方向に延びる左右のいずれか一方の立壁の内側のスペース空間上に撹拌機を待機位置として配置する一方、その他方の端の立壁の内側のスペース空間上に散布機を待機位置として配置し、待機位置にある両機間の長さ方向の立壁の長さに対応する長手のスペース空間を被処理物の投入堆積用空間としたオープン式発酵処理装置を用い、高含水有機質廃物に水分調整材を混入し発酵に適した含水量に調整した被処理物をオープン式発酵槽内の該投入堆積用空間に長尺開放側面を介し投入し、少なくとも1Mの高さに堆積した堆積物を基層として用意し、この基層の上面に前記待機位置の散布機を往復動走行させて高含水有機質廃物を散布すること、次いで、前記待機位置の撹拌機を往復動走行させて該基層から成る堆積物と該散布された高含水有機質廃物とを撹拌混合して混合堆積物を形成すること、以後は該散布機を再び往復動走行させて発酵中の混合堆積物の上面に高含水有機質廃物を散布すること、次いで、該撹拌機を再び往復動走行させて該混合堆積物と該散布された高含水有機質廃物を撹拌混合することを繰り返し行うことを特徴とする発酵堆肥化処理法。
- 請求項1に記載のオープン式発酵処理装置を用い且つ請求項1に記載の堆肥化処理法により生産された所望高さまで高くなった堆肥化処理された堆肥堆積物の一部を取り出した後、該撹拌機を往復動走行させることにより該堆肥堆積物全体を撹拌して高さを少なくとも1Mの低い高さを維持した堆肥堆積物を基層として用意し、この堆肥堆積物の基層上面に該散布機を往復動走行させることにより高含水有機廃物を散布すること、次いで、該撹拌機を往復動走行させることにより該堆肥堆積物と該高含水有機廃物とを撹拌混合することを繰り返し行うことを特徴とする発酵堆肥化処理法。
- 請求項1又は2に記載の発酵堆肥化処理法において、オープン式発酵槽内の該投入堆積用空間に堆積した基層に代え、先に生産した発酵可能な堆肥を投入し、少なくとも1Mの高さに堆積した堆積物を基層として用意し、この基層の上面に該散布機を往復動走行させることにより高含水有機廃物を散布することと、次いで、該撹拌機を往復動走行させることにより撹拌混合することを特徴とする発酵堆肥化処理法。
- コ字状のオープン式発酵槽の長さ方向の立壁の両端から幅方向に延びる左右のいずれか一方の立壁の内側のスペース空間上に撹拌機を待機位置として配置する一方、その他方の端の立壁の内側のスペース空間上に散布機を待機位置として配置し、待機位置にある両機間の長さ方向の立壁の長さに対応する長手のスペース空間を被処理物の投入堆積用空間としたオープン式発酵処理装置において、該散布機は、往復動走行自在の台車上に傾動自在の高含水有機廃物用容器を具備すると共に、該容器の開放面の1側にその容器の長さ方向に沿って設けた回転軸と、その外周面及び長さ方向に間隔を存して多数配設した高含水有機質廃物中の団塊を細砕する多数の爪とから成る細砕装置を具備したことを特徴とし、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発酵堆肥化処理法に用いるオープン式発酵処理装置。
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