JP5136907B2 - 電話装置の着信表示制御方法 - Google Patents

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本発明は、電話装置の着信表示制御方法に関する。
電話帳機能を有する電話機が知られている(特許文献1)。電話帳機能は、複数のエントリに区切られ、1つのエントリに1名の電話帳データが登録される。電話帳データとしては、人物の名称や電話番号などが登録される。電話機が外線呼び出しを検出すると、電話機は、電話帳データの中から発信者番号を検索する。検索により、発信者番号がいずれかのエントリに登録された電話番号に一致した場合、電話機は、検索にヒットした電話番号を含むエントリの情報を表示画面に表示する(例えば、特許文献2、4)。
電話帳の1エントリにはある人物(または組織)に関する情報が集約して登録されるのが一般的である。このとき、同一の電話番号が複数のエントリに登録される場合がある。例えば、電話帳データを登録する際に、1つのエントリに会社情報と社員情報の両方を登録する場合がある。また、社員情報として社員A、社員Bそれぞれの個人番号を2つのエントリのそれぞれ1st番号に登録し、会社情報として会社Dの代表番号を別のエントリの1st番号にし、発信時に参照することを考慮して、社員A、社員Bの2nd番号に会社の代表番号を登録する場合がある。この場合、社員A、社員B、および会社Dのエントリはそれぞれ同じ会社代表番号を含むこととなる。
このような登録がなされた場合において、例えば、会社代表番号として登録された番号から外線着信を受けたとする。電話機は電話帳から発信番号を検索する。そして、例えば50音の先頭から検索して社員Aがヒットしたとする。すると、着信表示として社員Aの情報が表示される。ユーザは社員Aからの電話と認識して通話を開始する。社員Aが検索にヒットしたところで検索が終了されてしまい、社員Bと会社Dの情報は表示されない。
特開2000−115348号公報 特開2004−187067号公報 特開2003−018284号公報 特開平10−042325号公報
しかしながら、実際には会社代表番号から発信しているのは社員Aとは限らず、社員Bや会社Dの他の人である場合がありうる。このように着信表示された発信元情報と実際の発信者とが異なる場合がしばしば生じる。社員Aだと認識した状態でユーザが通話を開始してしまい、後で通話相手が別人だと気づくようなことがあると、意思の疎通やマナー上問題があり不都合を生じる。このように従来の電話の着信表示では、実際に話してしばらくするか、相手の名前をいちいち尋ねなければ、通話相手を特定できないという問題が生じていた。
なお、特許文献3には、電話帳データに重複登録されているか否かを考慮しつつ発信元情報に基づいて呼び出し音を変更する通信端末が記載されている。呼び出し音が変わるのを聞くことにより、ユーザは発信者として複数人の可能性を認識できる。しかし、電話の着信操作をしてしまうと呼び出し音は消えるので、着信操作をして通話が開始された後では、もはや可能性のある複数の発信者の情報を得ることはできない。また、呼び出しがあれば、迅速に通話ボタンを押して対応することがせまられるところ、着信音が切り替わるのを悠長に待って複数の発信者の可能性を考えることには無理があり、現実的ではない。
本発明は、想定されるすべての発信相手の情報をユーザに報知できる電話装置の着信表示制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、1つのエントリに対して複数の電話番号登録が可能な電話帳データを有する電話装置の着信表示制御方法である。本発明の電話装置の着信表示制御方法は、発信元電話番号と一致する電話番号を登録済み電話帳データの中から全て検索し、複数のエントリがヒットした場合には、発信元電話番号と一致する電話番号を含むすべてのエントリの情報を着信表示として表示画面に表示する。
本発明によれば、発信元電話番号と一致する全てのエントリが電話帳データを着信表示として表示される。これにより、ユーザは発信者として複数人の可能性があることを正確に認識することができ、ユーザの利便性が格段に向上する。
発明の実施の形態1にかかる着信表示シーケンスを示すシーケンス図である。 発明の実施の形態1にかかる内線電話システムの構成図である。 登録済み電話帳データ例を示す表である。 発明の実施の形態2にかかる着信表示シーケンスを示すシーケンス図である。 発明の実施の形態2にかかる内線電話システムの構成図である。 発明の実施の形態3にかかる着信表示シーケンスを示すシーケンス図である。 発明の実施の形態3にかかる内線電話システムの構成図である。
実施の形態1.
図1に、実施の形態1にかかる着信表示方法のシーケンス図を示す。図2に、実施の形態1にかかる内線電話システムの構成図を示す。本実施の形態1では、いわゆる内線電話システムを例にして説明する。すなわち内線電話システム100は、外線網1につながった主装置10と、主装置10のもとで管理される複数のボタン電話機20と、を備える。そして、主装置10は電話帳12を内蔵している。
図3に電話帳12の例を示す。社員A、社員B、社員Cおよび会社Dのデータが電話帳12に登録されている。そして、社員Aと社員Bとが同じ会社Dの社員であり、社員A、社員B、会社Dの三つの電話帳データに同一の電話番号「0312345678」が登録されているものとする。
実施の形態1の動作を説明する。相手先が発呼すると、この発呼により網1を介して主装置10が外線着信する(ステップS0)。ここでは、発信元が「0312345678」であるとする。主装置10は網1からの外線を着信すると、発信元電話番号と一致する電話番号を電話帳データの中から全検索する(ステップS1)。本例では、「0312345678」は社員Aの2nd、社員Bの3rd、会社Dの1stにある。主装置10は電話帳検索部11が行う全検索によりこれら社員A、社員B、会社Dのエントリをすべて抽出する。発信元電話番号と一致する電話番号が登録されているエントリが複数(社員A、社員B、会社D)存在するので、抽出した全てのエントリを記憶しておく(ステップS2)。
次に主装置10は、呼び出されている電話機20を特定して電話機20に呼び出しをかけるとともに、着信表示指令部13から電話機20に着信表示の指示を行う。ここでは、抽出され記憶されているエントリが複数あるところ、抽出した全てのエントリの電話帳データを着信表示するように電話機20に指示する(ステップS3)。すると、電話機20の表示部21に全てのエントリの情報が表示される(ステップS4)。そして、ユーザは着信表示を見て発信者を認識したうえで、通話ボタンを操作して通話を開始する(ステップS5)。
本実施の形態にかかる着信表示方法によれば、複数のエントリに登録された電話番号から着信を受けた場合に、発信元の電話番号が登録されている全てのエントリについての電話帳データの情報を一括して表示部21に着信表示することができる。これにより、ユーザは着信応答する前に想定される全ての発信相手に合わせて応対内容を考えることができる。その結果、適切な応対がより素早くできるようになることにより作業効率が向上する。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2の基本的構成は第1実施形態と同様であるが、一定時間ごとに表示部21の着信表示を切り替え更新することにより、発信元の電話番号を含む全てのエントリの電話帳データを着信表示する点に特徴を有する。
図4に、実施の形態2にかかる着信表示方法のシーケンス図を示す。図5に、実施の形態2にかかる内線電話システム200の構成図を示す。主装置30はタイマ14を有する。そして、タイマ14による時間計測を用いて自動で着信表示を更新する。また、社員A、社員B、社員C、および会社Dとして電話帳12に登録されている電話番号は図3の通りとする。
実施の形態2の動作を図4を参照して説明する。主装置30は網1からの外線を着信すると(ステップS10)、発信元電話番号と一致する電話番号を電話帳データの中から全検索する(ステップS11)。次に主装置30は、発信元電話番号と一致する電話番号が登録されている電話帳データが複数(社員A、社員B、会社D)存在するので、検索にヒットした全ての電話帳データを抽出して記憶しておく(ステップS12)。
次に主装置30は、最初に抽出された社員Aの電話帳データの情報を着信表示するように電話機20に指示する(ステップS13)。すると、電話機20の表示部21に社員Aの情報が表示される。
次に主装置30は、表示タイマ14をセットする(ステップS14)。ここで、ユーザが電話機20を着信操作すると通話モードに移行する(ステップS15)が、通話モードに移行しても表示制御は継続する。主装置30の着信表示指令部13は表示タイマ14がタイムアウトしたら、着信表示を次に抽出された社員Bの電話帳データの情報に基づいた表示に切り替えるよう電話機20に指示する(ステップS16)。すると、電話機20の表示部21に社員Bの情報が表示される。
表示切り替え指示(ステップS16)と同時に、主装置30は再び表示タイマ14をセットする(ステップS17)。表示タイマ14がタイムアウトしたら、さらに次に抽出された会社Dの電話帳データの情報に基づいた表示に切り替えるよう電話機20に指示する(ステップS18)。すると、電話機20の表示部21に会社Dの情報が表示される。
表示切り替え指示(ステップS18)と同時に、再び表示タイマ14をセットする(ステップS19)。主装置30は表示タイマ14がタイムアウトしたら、表示の切り替えを指示する。ここで、抽出したエントリはすでに全て表示したので、最初にもどって社員Aの電話帳データの情報を用いた表示に切り替え、全ての表示を循環表示させるよう電話機20に指示する(ステップS20)。すると、電話機20の表示部21に社員Aの情報が表示される。
第2実施形態によれば、複数のエントリに登録された電話番号から着信を受けた場合に、一定時間ごとに着信表示を切り替え更新する。すなわち、発信元の電話番号を含む全エントリについての電話帳データの情報を、順次切り替えて着信表示することができる。例えば、表示部11が小さく、一度に多くの情報を表示できなくても順番に全部表示することができる。また、通話が開始してしまった場合でも自動的に表示を切り替えていくので、ユーザは通話開始後であっても表示画面の切り替わりを見ることで可能性のある発信者についての情報を得ることができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3の基本的構成は第1実施形態と同様であるが、発信元の電話番号が登録されている全エントリについての電話帳データの情報を切り替えボタン22の押下により切り替えて着信表示する点に特徴を有する。
図6に、実施の形態3にかかる着信表示方法のシーケンス図を示す。図7に、実施の形態3にかかる内線電話システム300の構成図を示す。電話機40は表示切り替えボタン22を有する。ここで、社員A、社員B、社員Cおよび会社Dとして電話帳12に登録されている電話番号は図3の通りとする。
実施の形態3の動作を図6を参照して説明する。主装置50は網1からの外線を着信したら(ステップS30)、発信元電話番号と一致する電話番号を電話帳データの中から全検索する(ステップS31)。発信元電話番号と一致する電話番号が登録されている電話帳データが複数(社員A、社員B、会社D)存在するので、検索にヒットした全ての電話帳データを記憶しておく(ステップS32)。
主装置50の着信表示指令部13は最初に抽出された社員Aの電話帳データの情報を表示するように電話機40に指示する(ステップS33)。すると、電話機40の表示部21に社員Aの情報が着信表示される。
次に、ユーザは着信表示を見て社員Aからの発信として認識するが、他の発信者である可能性を考慮して、ユーザは切り替えボタン22の押下操作を行う(ステップS34)。ボタンの押下による切り替え操作指令を確認した主装置50は、着信表示を次に抽出された社員Bの電話帳データの情報に基づいた表示に切り替えるよう電話機40に指示する(ステップS35)。すると、電話機40の表示部21に社員Bの情報が着信表示される。
ここで、ユーザが着信応答操作をすると、通話モードに移行するが(ステップS36)、通話モードに移行しても着信表示は継続する。ユーザが電話機40で通話を開始したところ、通話相手が社員Aでも、社員Bでもない場合がある。この場合、ユーザはさらに切り替えボタン22の押下操作を行う(ステップS37)。切り替えボタン22の押下を確認した主装置50は、着信表示を次に抽出された会社Dの電話帳データの情報に基づいた表示に切り替えるよう電話機40に指示する(ステップS38)。すると、電話機40の表示部21に会社Dの情報で着信表示される。これによりユーザは、改めて発信元が会社Dの代表番号であることを正確に認識することができる。
なお、さらにユーザが切り替えボタン22の押下を行った場合(ステップS39)、切り替えボタン22の押下を確認した主装置50は、最初にもどって社員Aの電話帳データ表示に切り替え、全ての表示を循環表示させるよう電話機40に指示する(ステップS40)。電話機40の表示部21に社員Aの情報で着信表示される。
実施の形態3によれば、複数のエントリに登録された電話番号から着信を受けた場合に、ユーザは、切り替えボタン22の押下により着信表示を切り替えることができる。したがって、着信応答操作をする前に素早くボタン操作することで、可能性のある発信者を認識することができる。または、通話中であっても、必要に応じて切り替えボタン22を操作することにより通話相手の情報を得ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
電話装置は内線電話システムのボタン電話に限らず、携帯電話、固定電話などでも良いことはもちろんである。この場合、上記では主装置と電話機が別体であったが、電話装置の中に電話帳、表示切り替え機、電話帳検索部、着信表示指令部、タイマが一体的に内蔵されることになる。
切り替え操作指令は、切り替えボタンによる指令ではなく、ジョグダイヤルやタッチパネルなど、各種の操作手段による指令に置換しても良いことはもちろんである。
複数のエントリに登録された電話番号から着信を受けた場合に、着信表示画面に、発信元電話番号が複数のエントリに登録されている旨の表示をしてもよい。
ステップS13〜ステップS20やステップS33〜ステップS40の表示順としては、検索のヒット順とする場合を例示したが、表示順は特に限定されるものではなく適宜設定され、50音順などの任意の順番としてもよい。また、1度に表示する電話帳データは1件ではなく、複数のエントリの電話帳データを表示することとしてもよい。
1 網
10、30、50 主装置
11 電話帳検索部
12 電話帳
13 着信表示指示部
20、40 ボタン電話機
21 表示部
22 切り替えボタン
100、200、300 内線電話システム

Claims (3)

  1. 1つのエントリに対して複数の電話番号登録が可能な電話帳データを有する電話装置の着信表示制御方法であって、
    呼び出しを受けた際に、発信元電話番号と一致する電話番号を登録済み電話帳データの中から全て検索し、
    複数ヒットした場合には、発信元電話番号と一致する電話番号を含む全てのエントリの情報を、1または複数ずつ順番に表示し、
    通話が開始された場合、前記エントリの情報を自動循環表示する、
    着信表示制御方法。
  2. 呼び出しを受けている際の前記着信表示は、一定時間ごとに自動で表示するエントリを切り替え更新する、
    請求項に記載の着信表示制御方法。
  3. 前記着信表示は、前記エントリの情報の表示が一巡りした場合には、元に戻って循環表示する、
    請求項又は請求項に記載の着信表示制御方法。
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