JP5134436B2 - リソグラフィ用ペリクル - Google Patents
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Description
この場合、ゴミは露光原版の表面上には直接付着せず、ペリクル膜上に付着するため、リソグラフィ時に焦点を露光原版のパターン上に合わせておけば、ペリクル膜上のゴミは転写に無関係となる。
ペリクル貼り付けに伴う露光原版への悪影響は、ペリクル自体の変形や歪みが影響を与えることが分かっている。
(1)矩形のペリクルフレームの2長辺の両端近傍に設けられている少なくとも2つのジグ穴がいずれも、各長辺のいずれかの端部から10mm以内に設置されていることを特徴とする、リソグラフィ用ペリクル、
(2)前記ペリクルフレームの長辺の長さが140mm以上300mm以下である、(1)に記載のリソグラフィ用ペリクル、
(3)前記ペリクルフレームの長辺の長さが140mm以上230mm以下である、(1)又は(2)に記載のリソグラフィ用ペリクル、
(4)前記ペリクルフレームの2長辺の両端近傍に設けられている複数のジグ穴の向かい合う1対のジグ穴がフレーム長辺方向に長穴になっている、(1)〜(3)いずれか1つに記載のリソグラフィ用ペリクル、
(5)前記ペリクルフレームが、黒色アルマイト被膜を有するアルミニウム合金製ペリクルフレームである、(1)〜(4)いずれか1つに記載のリソグラフィ用ペリクル、
(6)前記ペリクルフレームが、ポリマーの電着塗装膜を有するアルミニウム合金製ペリクルフレームである、(1)〜(4)いずれか1つに記載のリソグラフィ用ペリクル、
(7)前記ペリクルフレームの高さが5mm以下である、(1)〜(6)いずれか1つに記載のリソグラフィ用ペリクル。
すなわち、本発明のリソグラフィ用ペリクルは、矩形のペリクルフレームの一端面にペリクル膜接着剤を介してペリクル膜を張設し、他端面に露光原版接着剤を設けたリソグラフィ用ペリクルであって、前記ペリクルフレームの2つの長辺の両端近傍にそれぞれ設けられている、各長辺あたり少なくとも2つのジグ穴が、各長辺のいずれかの端部から10mm以内に設置されていることを特徴とする。上記のジグ穴は、ペリクルの製造及びその後に露光原版に貼り付けたり剥離したりするハンドリングに有効に使用することができる。ジグ穴は、各長辺のいずれかの端部から等距離にあることが好ましく、2〜10mmの位置に設けられていることが好ましい。
なお、ジグ穴が長辺の端部から10mm以内に設置されているとは、円形ジグ穴の中心、又は、長穴ジグ穴の長辺方向の中央部が10mm以下に設置されていることを意味し、ジグ穴全体が10mm以内に設置されていなくてもよい。
さらに、向かい合う1対のジグ穴が長辺方向に長穴の構造であることが好ましい。向かい合う2対のジグ穴の1対は円形のジグ穴であり他の1対が長穴の構造を有することがより好ましい。
円形及び長穴のいずれのジグ穴も貫通穴ではない。円形のジグ穴は円柱の先に円錐の接続された窪みであることが好ましい。
本発明のペリクルにおいて、前記ペリクルフレームは長辺の長さが140mm以上300mm以下であることが好ましく、140mm以上230mm以下であることがより好ましい。また、ペリクルフレームの高さは5mm以下であることが特に好ましい。本発明において、これらのペリクルに対し、ジグ穴を適用することにより、従来と比較して飛躍的に歪み、変形の少ないペリクルを提供することができた。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
ペリクル膜の種類については特に制限はなく、例えば従来エキシマレーザー用に使用されている、非晶質フッ素ポリマー等が用いられる。非晶質フッ素ポリマーの例としては、サイトップ(旭硝子(株)製商品名)、テフロン(登録商標)AF(デュポン社製商品名)等が挙げられる。これらのポリマーは、そのペリクル膜作製時に必要に応じて溶媒に溶解して使用してもよく、例えばフッ素系溶媒などで適宜溶解し得る。
ジグ穴の深さ方向の形状は、特定されず、貫通さえしなければ、円柱の先にテーパーを有する凹みであってもよい。
ジグ穴の直径は、適宜選択できるが、好ましくは1〜2mmであり、長穴とする場合には、1〜2mm横長とすることが好ましい。
ペリクルフレーム表面の黒色アルマイト被膜の形成方法としては、一般的にNaOHなどのアルカリ処理浴で数十秒処理した後、希硫酸水溶液中で陽極酸化を行い、次いで黒色染色、封孔処理することで、表面に黒色の酸化被膜を設けることができる。
電着塗装については、熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂のいずれも使用できる。また、それぞれに対してアニオン電着塗装、カチオン電着塗装のいずれをも使用することができる。本発明では耐紫外線性能も求められるため、熱硬化型樹脂のアニオン電着塗装が、コーティングの安定性、外観、強度の点から好ましい。
これらの目的に使用する塗装装置や電着塗装用塗料はいくつかの日本の会社から市販品として購入し使用できる。例えば、(株)シミズからエレコートの商品名で市販されている電着塗料が例示できる。「エレコートフロスティW−2」や「エレコートフロスティSTサティーナ」はつや消し(艶消し)タイプの熱硬化型アニオンタイプの電着塗料であり、本発明に好ましく使用することができる。
ペリクルフレームとして、フレーム外寸150mm×122mm×3.5mm、フレーム厚さ2mmの黒色アルマイトを施したフレームを用意した。フレーム長辺にハンドリング用ジグ穴の中心をフレーム長辺センター振り分けで135mmピッチ、膜接着剤塗布端面から1.75mmとなる位置に、ペリクルフレーム外側から、穴径1.6mmφ、深さ1.2mmのジグ穴を設けた(長辺両端部から7.5mm)。また向かい合う1対のジグ穴の横方向両側を0.8mmずつ拡大し、3.2mm×1.6mmの長穴とした。このフレームの平坦度を(株)ミツトヨ製の3次元測定器BH506で測定したところ、6μmであった。135ピッチのジグ穴に対応する製造ジグに前記フレームをセットし、従来のペリクル製造工程にしたがってマスク接着剤を塗布して60分静置後、高周波誘導加熱装置で加熱を行った。膜接着剤を塗布乾燥後、ペリクル膜を貼り合わせて、ペリクルを完成させた。完成後のペリクルからマスク接着剤を剥離して(株)ミツトヨ製の3次元測定器BH506を使用して平坦度を測定したところ、9μmであった。
なお、上記の「平坦度」とは、ペリクルフレーム仮想平面からの凹凸のMax、Min差を加えたものにより定義される大きさである。
ペリクルフレームとして、フレーム外寸149mm×115mm×3.5mm、フレーム厚さ2mmの電着ポリマーコートを施したフレームを用意した。フレーム長辺に実施例1と同様にハンドリング用ジグ穴を設けた。このフレームの平坦度を(株)ミツトヨ製の3次元測定器BH506で測定したところ、8μmであった。135ピッチのジグ穴に対応する製造ジグに前記フレームをセットし、従来のペリクル製造工程にしたがってマスク接着剤を塗布して60分静置後、高周波誘導加熱装置で加熱を行った。膜接着剤を塗布乾燥後、ペリクル膜を貼り合わせてペリクルを完成させた。完成後のペリクルからマスク接着剤を剥離して、(株)ミツトヨ製の3次元測定器BH506を使用して平坦度を測定したところ、9μmであった。
ペリクルフレームとして、フレーム外寸149mm×113mm×4.5mm、フレーム厚さ2mmの黒色アルマイトを施したフレームを用意した。フレーム長辺に実施例1と同様にハンドリング用ジグ穴を設けた。このフレームの平坦度を(株)ミツトヨ製の3次元測定器BH506で測定したところ、6μmであった。135ピッチのジグ穴に対応する製造ジグに前記フレームをセットし、従来のペリクル製造工程にしたがってマスク接着剤を塗布して60分静置後、高周波誘導加熱装置で加熱を行った。膜接着剤を塗布乾燥後、ペリクル膜を貼り合せてペリクルを完成させた。完成後のペリクルからマスク接着剤を剥離して、(株)ミツトヨ製の3次元測定器BH506を使用して平坦度を測定したところ、6μmであった。
ペリクルフレームとして、フレーム外寸150mm×122mm×3.5mm、フレーム厚さ2mmの黒色アルマイトを施したフレームを用意した。フレーム長辺にハンドリング用ジグ穴の中心をフレーム長辺センター振り分けで135ピッチ、膜接着剤塗布端面から1.75mmとなる位置に穴径1.6φ、深さ1.2のジグ穴を設けた。このフレームの平坦度を(株)ミツトヨ製の3次元測定器BH506で測定したところ、6μmであった。135ピッチのジグ穴に対応する製造ジグに前記フレームをセットし、従来のペリクル製造工程にしたがってマスク接着剤を塗布して60分静置後、高周波誘導加熱装置で加熱を行った。膜接着剤を塗布乾燥後、ペリクル膜を貼り合せてペリクルを完成させた。完成後のペリクルからマスク接着剤を剥離して、(株)ミツトヨ製の3次元測定器BH506を使用して平坦度を測定したところ、25μmであった。
ペリクルフレームとして、フレーム外寸150mm×122mm×3.5mm、フレーム厚さ2mmの黒色アルマイトを施したフレームを用意した。フレーム長辺にハンドリング用ジグ穴の中心をフレーム長辺センター振り分けで104ピッチ、膜接着剤塗布端面から1.75となる位置に穴径1.6φ、深さ1.2のジグ穴を設けた。このフレームの平坦度を(株)ミツトヨ製の3次元測定器BH506で測定したところ、7μmであった。135ピッチのジグ穴に対応する製造ジグに前記フレームをセットし、従来のペリクル製造工程にしたがってマスク接着剤を塗布して60分静置後、高周波誘導加熱装置で加熱を行った。膜接着剤を塗布乾燥後、ペリクル膜を貼り合せてペリクルを完成させた。完成後のペリクルからマスク接着剤を剥離して、(株)ミツトヨ製の3次元測定器BH506を使用して平坦度を測定したところ、55μmであった。
2:接着層
3:ペリクルフレーム
4:粘着層
5:露光原版
6:気圧調整用穴(通気口)
7:除塵用フィルター
10:ペリクル
11:ジグ穴(円形)(本発明)
11A:ジグ穴(長穴)(本発明)
12:ジグ穴(従来技術)
13:製造ジグ
14:ピン(固定式)
15:ピン(バネ機構付き)
Claims (5)
- 長辺の長さが140mm以上300mm以下である矩形のペリクルフレームの2長辺の両端近傍に設けられている2つのジグ穴がいずれも、各長辺のいずれかの端部から等距離にあり、かつ、各長辺のいずれかの端部から2〜10mmの範囲内に設置され、なおかつ、前記2つのジグ穴の向かい合う1対のジグ穴が円形のジグ穴であり、他の一対のジグ穴がフレーム長辺方向に長穴になっていることを特徴とする、リソグラフィ用ペリクル。
- 前記ペリクルフレームの長辺の長さが140mm以上230mm以下である、請求項1に記載のリソグラフィ用ペリクル。
- 前記ペリクルフレームが、黒色アルマイト被膜を有するアルミニウム合金製ペリクルフレームである、請求項1又は2に記載のリソグラフィ用ペリクル。
- 前記ペリクルフレームが、ポリマーの電着塗装膜を有するアルミニウム合金製ペリクルフレームである、請求項1又は2に記載のリソグラフィ用ペリクル。
- 前記ペリクルフレームの高さが5mm以下である、請求項1〜4いずれか1つに記載のリソグラフィ用ペリクル。
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