JP5134425B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バックアッププレートの上面を自動的に清掃可能な基板処理装置に関する。
電子部品実装機は、吸着ノズルと、バックアッププレートと、バックアップピンと、を備えている。吸着ノズルは、電子部品を吸着、解放可能である。バックアップピンは、バックアッププレートの上面に立設されている。バックアップピンは、基板の下面の所定部位(例えば、電子部品が装着されていない部位)を支持している。この状態で、吸着ノズルにより、基板の上面に電子部品を装着する。しかしながら、基板に電子部品を装着する際、誤って吸着ノズルから電子部品が脱落する場合がある。脱落した電子部品は、基板の下方に配置されている、バックアッププレートの上面に堆積する。
ところで、バックアッププレートにおけるバックアップピンの配置は、基板の種類により決まっている。このため、段取り替え(生産する基板の種類の取り替え)の際、バックアップピンの再配置が行われる。
したがって、吸着ノズルから脱落した電子部品がバックアッププレートの上面に堆積したままだと、バックアップピンを再配置する際、バックアップピンをバックアッププレートの所定の部位に配置できないおそれがある。また、バックアップピンを、電子部品の上から、バックアッププレートの所定の部位に配置してしまうおそれがある。この場合、バックアップピンが、傾いた状態で立設されてしまう。このため、バックアップピンが、基板の下面の所定部位を支持しにくくなり、先付の電子部品を破損してしまう可能性が高い。なお、電子部品以外の小部品、塵埃など(以下、電子部品、小部品、塵埃などを、適宜「異物」と総称する。)がバックアッププレートの上面に堆積する場合も、同様にバックアップピンが基板の下面の所定部位を支持しにくくなり、先付の電子部品を破損してしまう可能性が高い。
この点に鑑み、特許文献1には、エアノズルと、二層構造のバックアッププレートと、を有する電子部品実装機が開示されている。バックアッププレートは、多孔板と底板とを備えている。多孔板は、板厚方向に貫通する孔を、多数備えている。底板は、多孔板の下方に、所定間隔だけ離間して、配置されている。
バックアップピンをバックアッププレートに立設する場合、バックアップピンの下端胴部は、多孔板の孔に挿入されることにより支持される。また、バックアップピンの下端面は、底板の上面に当接することにより支持される。
バックアッププレートの上面に落下する異物のうち、大きい異物は、多孔板の孔を通過することができない。このため、大きい異物は、多孔板の上面に堆積する。一方、小さい異物は、孔を通過することができる。このため、底板の上面に堆積する。
エアノズルは、多孔板の上面、および底板上面と多孔板下面との間の隙間に、水平方向からエアを噴射することができる。多孔板の上面、および底板上面と多孔板下面との間の隙間に堆積した異物は、エアノズルから噴射されるエアにより吹き飛ばされる。このようにして、特許文献1に開示された電子部品実装機の場合、バックアッププレートに堆積する異物を除去している。
特開2001−94298号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電子部品実装機によると、異物を除去しにくい。すなわち、同文献記載の電子部品実装機は、エアにより異物を除去している。このため、異物の形状、重量などによっては、バックアッププレートの上面に異物が残留するおそれがある。また、エアノズルから噴射されたエアの流速は、エアノズルから離れるに従って遅くなる。また、噴射されたエアは、エアノズルから離れるに従って拡散する。このため、エアノズルに近い部位の異物は除去しやすい一方、エアノズルから離間した部位の異物は除去しにくい。また、エアの拡散に伴って、異物が散らばってしまうおそれがある。このように、エアの噴射により異物を除去する方法は、確実性に欠ける。
また、エアの噴射により異物を除去する場合、当然のことながら、エアノズル、配管、バルブなどの設備を、別途、電子部品実装機に配置する必要がある。このため、電子部品実装機の構造が複雑になる。
本発明の基板処理装置は上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、異物除去の確実性が高く、異物除去に関する構造が簡単な基板処理装置を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の基板処理装置は、基板の下方に配置され、該基板の下面を支持する複数のバックアップピンが配置される複数のピン配置部位を有するバックアッププレートと、複数の該ピン配置部位に配置される前の複数の該バックアップピンが待機する複数のピン待機部を有するピン保持装置と、該バックアッププレートの上方において上下方向に対して交差する方向に移動可能であると共に、該ピン待機部で該バックアップピンを把持し該ピン配置部位で該バックアップピンを解放することにより、該バックアップピンを該ピン配置部位に配置する把持装置と、を備えてなる基板処理装置であって、さらに、前記把持装置が前記バックアップピンを前記ピン配置部位に配置する前に、該ピン配置部位を掃く清掃装置を備えてなることを特徴とする。
本発明の基板処理装置は、清掃装置を備えている。清掃装置は、異物に接触し、かつ異物を移動させることで、ピン配置部位から異物を除去している。このため、異物の形状、重量などにあまり影響を受けることなく、確実に異物を除去することができる。
また、エアにより異物を吹き飛ばす場合、エアノズルから離れるに従ってエアの流速が遅くなってしまう。このため、バックアッププレートの上面の、エアノズルから離れたピン配置部位においては、異物を除去しにくい。
この点、本発明の基板処理装置の清掃装置は、自身が移動することにより、異物を移動させている。このため、清掃装置が異物に加える押圧力が、バックアッププレート上面の全体に亘って、ばらつきにくい。したがって、バックアッププレート上面におけるピン配置部位の座標によらず、確実に異物を除去することができる。
また、エアにより異物を吹き飛ばす場合、エアノズルから離れるに従ってエアが拡散してしまう。このため、異物が散らばりやすい。
この点、本発明の基板処理装置の清掃装置は、自身が移動することにより、異物を移動させている。このため、清掃装置が異物に加える押圧力が、方向性を有している。したがって、異物が散らばりにくい。言い換えると、ピン配置部位から除去した異物を、集めやすい。
また、エアにより異物を吹き飛ばす場合と比較して、エアノズル、配管、バルブなどの設備を、別途、配置する必要がない。このため、本発明の基板処理装置は、異物除去に関する構造が簡単である。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記清掃装置は、前記把持装置に把持される被把持部と、該被把持部から下方に突設され該把持装置が移動するのに伴って前記ピン配置部位を掃く被把持型清掃部と、を有する被把持型清掃装置である構成とする方がよい。
本構成の基板処理装置によると、本来、バックアップピンを配置するために用いられる把持装置を転用して、ピン配置部位を清掃することができる。すなわち、既存の把持装置の把持機能、移動機能を利用して、バックアッププレートを清掃することができる。このため、既存の基板処理装置に被把持型清掃装置をアドインしやすい。
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記被把持型清掃部は、複数の前記ピン配置部位を一つずつ個別に掃くことが可能な小型清掃部である構成とする方がよい。バックアッププレートの清掃は、段取り替えの際、バックアップピンを配置する前に、実行される。ここで、バックアッププレートにおけるバックアップピンの配置パターンは、基板の種類により異なる。このため、段取り替え時においては、最低限、次に処理を施す種類の基板に対応するピン配置部位を清掃しておけば、バックアップピンにより基板を良好に支持することができる。
この点、本構成の基板処理装置によると、次に処理を施す種類の基板に対応するピン配置部位を、局所的に清掃することができる。このため、ピン配置部位から、確実に異物を除去することができる。
また、把持装置は、本来、軽量のバックアップピンを把持するために用いられる。このため、把持装置の把持力は、小さい場合が多い。この点、本構成の基板処理装置の被把持型清掃装置は、小型清掃部を備えている。このため、把持装置の把持力が小さい場合であっても、当該把持装置により、被把持型清掃装置を確実に把持することができる。
(4)好ましくは、上記(2)の構成において、前記被把持型清掃部は、複数の前記ピン配置部位を一度に掃くことが可能な大型清掃部である構成とする方がよい。本構成の基板処理装置によると、バックアッププレートにおけるバックアップピンの配置パターンによらず、複数のピン配置部位を一度に清掃することができる。このため、バックアップピンの配置パターンに応じて(つまりピン配置部位の配置パターンに応じて)、把持装置の清掃時の移動経路を逐一変更する必要がない。したがって、把持装置の制御が簡単になる。また、一度に大量の異物を除去することが可能である。このため、清掃に要する時間を短縮することができる。
(5)好ましくは、上記(2)ないし(4)のいずれかの構成において、前記被把持型清掃部は、ブラシまたはへらを有する構成とする方がよい。被把持型清掃部にブラシを配置する場合、ブラシは、湾曲しながらバックアッププレートの上面に弾接する。当該弾接力を調整することにより、異物に加える押圧力を調整することができる。また、被把持型清掃部にへらを配置する場合、異物に加える押圧力がばらつくのを、抑制することができる。
(6)好ましくは、上記(2)ないし(5)のいずれかの構成において、前記ピン保持装置は、前記被把持型清掃装置が待機する清掃装置待機部を有する構成とする方がよい。本構成の基板処理装置によると、本来、バックアップピンの待機用として用いられるピン保持装置に、清掃装置待機部が配置されている。すなわち、既存のピン保持装置を利用して、被把持型清掃装置を待機させることができる。このため、既存の基板処理装置に被把持型清掃装置をアドインしやすい。
また、把持装置は、本来バックアップピンを把持、移動させるために用いられる。このため、ピン保持装置は、当然に、把持装置の移動経路に含まれている。したがって、ピン保持装置に清掃装置待機部を配置すると、把持装置の移動経路をあまり変更させる必要がない。この点においても、既存の基板処理装置に被把持型清掃装置をアドインしやすい。
(7)好ましくは、上記(2)ないし(6)のいずれかの構成において、さらに、電子部品を吸着し前記基板に配置する吸着ノズルを着脱可能に有する部品装着ヘッドと、該部品装着ヘッドから取り外された該吸着ノズルが待機するノズル待機部を有するノズル保持装置と、を有しており、前記被把持型清掃部は、該ノズル待機部で待機する該吸着ノズルの上面を掃く構成とする方がよい。
本構成の基板処理装置によると、被把持型清掃部により、吸着ノズルの上面を清掃することができる。このため、より確実に吸着ノズルを部品装着ヘッドに取り付けることができる。
(8)好ましくは、上記(1)の構成において、さらに直列に連なる複数の基板搬送装置を有しており、前記バックアッププレートは、複数の該基板搬送装置に対応して、直列に連なるように、複数配置されており、前記基板は、複数の該基板搬送装置を上流側から下流側に向かって搬送され、前記清掃装置は、該基板と同様に複数の該基板搬送装置を上流側から下流側に向かって搬送される被搬送部と、該被搬送部から下方に突設され該被搬送部が搬送されるのに伴って複数の該バックアッププレートの複数の前記ピン配置部位を順次掃く被搬送型清掃部と、を有する被搬送型清掃装置である構成とする方がよい。
本構成の基板処理装置によると、複数の基板搬送装置が連なって形成される基板搬送ラインに、被搬送型清掃装置を流すことにより、複数のバックアッププレートを、上流側から下流側に向かって、順次清掃することができる。このため、個々のバックアッププレートに対応して、清掃装置を配置する必要がない。したがって、既存の基板処理装置をそのまま利用することができる。
(9)好ましくは、上記(1)ないし(8)のいずれかの構成において、前記バックアッププレートの上面には、前記清掃装置により掃かれる異物を落とし込む異物収容凹部が配置されている構成とする方がよい。
本構成の基板処理装置によると、ピン配置部位から掃き出した異物を、異物収容凹部に集めることができる。このため、異物が散らばるのを抑制することができる。また、異物をバックアッププレートから撤去する場合は、主に異物収容凹部を清掃するだけで済む。このため、異物の撤去が容易になる。
(10)好ましくは、上記(9)の構成において、前記バックアッププレートは、互いに分離可能な上層プレートと下層プレートとを有する積層構造を呈しており、前記異物収容凹部は、該上層プレートを板厚方向に貫通し、該下層プレートの上面により封止されている構成とする方がよい。
異物収容凹部に落下した異物は、上層プレートと下層プレートとを分離すると、下層プレートの上面に堆積することになる。このため、本構成の基板処理装置によると、異物収容凹部の清掃が容易になる。
(11)好ましくは、上記(1)ないし(10)のいずれかの構成において、さらに、前記バックアップピンの下面を掃くピン用清掃装置を有する構成とする方がよい。
本構成によると、バックアッププレートのピン配置部位のみならず、バックアップピンの下面も清掃することができる。このため、バックアッププレートとバックアップピンとの間に異物が入り込むのを、より確実に抑制することができる。
本発明によると、異物除去の確実性が高く、構造が簡単な基板処理装置を提供することができる。
以下、本発明の基板処理装置を電子部品実装機として具現化した実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
[電子部品実装機の構成]
まず、本実施形態の電子部品実装機の構成について説明する。以下に示す図においては、左右方向をX方向、前後方向をY方向、上下方向をZ方向と定義する。なお、X方向は、基板搬送方向に対応する。図1に、本実施形態の電子部品実装機の透過斜視図を示す。図2に、同電子部品実装機のモジュールの透過上面模式図を示す。図3に、同モジュールのフロントコンベア付近の拡大斜視図を示す。図4に、同モジュールのバックアッププレートの斜視図を示す。図5に、同モジュールのピン保持装置の斜視図を示す。なお、図3においては、説明の便宜上、ガイドレール401、ベルトコンベア401aを透過して示す。また、図5においては、モジュール後方からピン保持装置を見ている(図5中の方位参照)。
図1に示すように、本実施形態の電子部品実装機1は、多数のモジュール2(二つだけ図示するが、X方向(基板搬送方向)に多数並んでいる。)から構成されている。多数のモジュール2は、X方向に連なっている。図2〜図5に示すように、モジュール2は、部品供給装置3と、基板搬送装置4と、部品装着装置5と、フレーム6と、ノズル保持装置70と、パーツカメラ71と、不良部品廃棄箱72と、被把持型清掃装置73と、ピン用清掃装置74と、を備えている。なお、電子部品実装機1は、本発明の基板処理装置に含まれる。
部品供給装置3は、フレーム6の前方に配置されている。部品供給装置3は、複数のカセット式フィーダ30を備えている。カセット式フィーダ30は、供給リール300と、部品取出部301と、を備えている。供給リール300は、細長いテープが巻回されることにより形成されており、円板状を呈している。供給リール300のテープには、長手方向に所定間隔ごとに離間して、複数の電子部品が封入されている。電子部品は、部品取出部301から、後述する吸着ノズル502により、取り出される。
パーツカメラ71は、フレーム6の内部に配置されている。また、パーツカメラ71は、部品供給装置3の後方に配置されている。パーツカメラ71により、後述する吸着ノズルが電子部品を吸着した際の吸着姿勢などを検査する。
ノズル保持装置70は、パーツカメラ71の左方に配置されている。図3に示すように、ノズル保持装置70には、多数のノズル待機部700が凹設されている。ノズル待機部700には、後述する吸着ノズル(図略)がストックされている。
不良部品廃棄箱72は、パーツカメラ71の右方に配置されている。不良部品廃棄箱72には、パーツカメラ71による検査の結果、基板9(図1中、点線で示す。)に装着するのは不可能と判断された電子部品が、廃棄される。
ピン用清掃装置74は、不良部品廃棄箱72の内壁に配置されている。図3に示すように、ピン用清掃装置74は、ブラシ74Uと、基部74Dと、を備えている。基部74Dは、不良部品廃棄箱72の内壁に固定されている、ブラシ74Uは、基部74Dに植設されている。ブラシ74Uは、基部74Dから上方に突出している。
基板搬送装置4は、フレーム6の内部に配置されている。基板搬送装置4は、フロントコンベア40と、リアコンベア41と、バックアッププレート42と、ピン保持装置43と、バックアップピン44と、を備えている。
フロントコンベア40は、前後一対のガイドレール400、401を備えている。一対のガイドレール400、401は、各々X方向に延在する細板状を呈している。一対のガイドレール400、401は、互いに略平行に配置されている。
図3に示すように、ガイドレール400の上端は、後方に突出している。また、ガイドレール400の後面には、ベルトコンベア400aが配置されている。ベルトコンベア400aは、X方向に延在している。これに対して、ガイドレール401の上端は、前方に突出している。ガイドレール401の前面には、ベルトコンベア401aが配置されている。ベルトコンベア401aは、X方向に延在している。基板9は、これら一対のベルトコンベア400a、401a間に架設されている。基板9は、一対のベルトコンベア400a、401aにより、X方向に搬送される。リアコンベア41の構成、動きは、上記フロントコンベア40の構成、動きと、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
バックアッププレート42は、フロントコンベア40の一対のガイドレール400、401間、およびリアコンベア41の一対のガイドレール間に、配置されている。バックアッププレート42は、図4に示すように、鋼鉄製であって矩形板状を呈している。バックアッププレート42の上面には、異物収容溝420が凹設されている。異物収容溝420は、本発明の異物収容凹部に含まれる。異物収容溝420は、X方向およびY方向に沿って、格子状に配置されている。異物収容溝420の溝路方向に対して垂直方向の断面は、矩形状を呈している。リアコンベア41に配置されるバックアッププレート42の構成は、上記フロントコンベア40に配置されるバックアッププレート42の構成と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
ピン保持装置43は、フロントコンベア40の後方のガイドレール401の後面、およびリアコンベア41の後方のガイドレールの後面に、配置されている。ピン保持装置43は、図5に示すように、X方向に延在する角柱状を呈している。ピン保持装置43は、ピン待機部430と、清掃装置待機部431と、を備えている。ピン待機部430は、ピン保持装置43の上面に凹設されている。ピン待機部430は、X方向に合計五つ一列に並んでいる。清掃装置待機部431は、ピン保持装置43の上下面を貫通している。清掃装置待機部431は、五つのピン待機部430の左側に配置されている。リアコンベア41に配置されるピン保持装置43の構成は、上記フロントコンベア40に配置されるピン保持装置43の構成と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
バックアップピン44は、被把持部440と、基部441と、を備えている。被把持部440は長軸丸棒状を呈している。被把持部440は、上方大径部440Uと下方大径部440Dとを備えている。上方大径部440Uと下方大径部440Dとの間には、頸部440Mが区画されている。頸部440Mは、上方大径部440Uおよび下方大径部440Dよりも、小径である。基部441は、短軸円柱状を呈している。基部441は、被把持部440の下端に連なっている。不使用時においては、バックアップピン44は、ピン保持装置43のピン待機部430に収容されている。
被把持型清掃装置73は、被把持部730と、小型清掃部731と、を備えている。被把持部730は長軸丸棒状を呈している。被把持部730は、上方大径部730Uと下方大径部730Dとを備えている。上方大径部730Uと下方大径部730Dとの間には、頸部730Mが区画されている。頸部730Mは、上方大径部730Uおよび下方大径部730Dよりも、小径である。小型清掃部731は、ブラシ731Dと、基部731Mと、フランジ部731Uと、を備えている。基部731Mは、短軸円柱状を呈している。基部731Mは、被把持部730の下端に連なっている。フランジ部731Uは、基部731Mの上縁から径方向外側に張り出している。ブラシ731Dは、基部731Mに植設されている。ブラシ731Dは、基部731Mから下方に突出している。ブラシ731Dの軸直方向断面は、略円形状を呈している。不使用時においては、被把持型清掃装置73は、ピン保持装置43の清掃装置待機部431に収容されている。具体的には、基部731Mは、清掃装置待機部431の径方向内側に収容されている。この状態で、フランジ部731Uは、清掃装置待機部431の上縁付近に引っかかっている。また、ブラシ731Dは、清掃装置待機部431の下方に突出している。
部品装着装置5は、フレーム6の内部において、基板搬送装置4の上方に配置されている。部品装着装置5は、X方向移動部50と、Y方向移動部51と、一対のY方向ガイドレール52、53と、を備えている。図2に示すように、一対のY方向ガイドレール52、53は、Y方向に延在している。一対のY方向ガイドレール52、53は、略平行に配置されている。
Y方向移動部51は、モータ(図略)の駆動力により、一対のY方向ガイドレール52、53に沿って、基板搬送装置4の上方空間を、Y方向に移動可能である。Y方向移動部51は、一対のX方向ガイドレール(図略)を備えている。一対のX方向ガイドレールは、X方向に延在している。一対のX方向ガイドレールは、略平行に配置されている。
X方向移動部50は、モータ(図略)の駆動力により、Y方向移動部51の有する一対のX方向ガイドレールに沿って、X方向に移動可能である。上述したように、Y方向移動部51自身は、Y方向に移動可能である。このため、X方向移動部50は、X方向およびY方向に移動可能である。
図6に、本実施形態の電子部品実装機のモジュールのX方向移動部の斜視図を示す。図6にに示すように、X方向移動部50は、X方向スライダ500と、部品装着ヘッド501と、を備えている。X方向スライダ500は、一対のX方向ガイドレールに係合している。部品装着ヘッド501は、X方向スライダ500に配置されている。部品装着ヘッド501は、吸着ノズル502と、把持装置503と、を備えている。
吸着ノズル502は、電子部品を吸着、解放可能である。吸着ノズル502は、部品装着ヘッド501に対して、下方に移動可能である。吸着ノズル502は、電子部品の種類に応じて、交換される。このため、吸着ノズル502は、部品装着ヘッド501に対して着脱可能である。不使用時においては、吸着ノズル502は、ノズル保持装置70にストックされている。
把持装置503は、部品装着ヘッド501に対して、下方に移動可能である。把持装置503は、一対の把持爪503aを備えている。一対の把持爪503aは、把持装置503の下端に配置されている。また、一対の把持爪503aは、X方向に開閉可能である。また、一対の把持爪503aは、バックアップピン44、被把持型清掃装置73を、把持、解放可能である。図7に、把持装置の拡大斜視図を示す。図7に示すように、被把持型清掃装置73を把持する場合、把持装置503の一対の把持爪503aは、被把持部730の頸部730Mを、X方向から挟み込む。同様に、バックアップピン44を把持する場合、把持装置503の一対の把持爪503aは、被把持部440の頸部440Mを、X方向から挟み込む。
[電子部品実装機の段取り替え時の動き]
次に、本実施形態の電子部品実装機1の段取り替え時の動きについて説明する。なお、以下においては、フロントコンベア40側の段取り替え時の動きについて説明するが、リアコンベア41側の段取り替え時の動きも同様である。
段取り替えは、バックアップピン回収工程と、ピン配置部位清掃工程と、バックアップピン再配置工程と、を有している。図8に、本実施形態の電子部品実装機のモジュールのブロック図を示す。図8に示すように、駆動回路81を介して、コンピュータ80によりX方向移動部用モータ82を駆動する。すなわち、X方向移動部50をX方向に移動させる。同様に、駆動回路83を介して、コンピュータ80によりY方向移動部用モータ84を駆動する。すなわち、Y方向移動部51をY方向に移動させる。同様に、駆動回路85を介して、コンピュータ80により把持装置昇降用モータ86を駆動する。すなわち把持装置503をZ方向に移動させる。段取り替えは、コンピュータ80の指示を受けたY方向移動部51、X方向移動部50、把持装置503により、コンピュータ80のROMに格納されたプログラム(基板9の種類に対応している)に従って、自動的に実行される。
バックアップピン回収工程においては、Y方向移動部51、X方向移動部50を駆動し、部品装着ヘッド501つまり把持装置503をバックアッププレート42の上面のピン配置部位の上方まで移動させる。それから、部品装着ヘッド501から把持装置503を下降させ、バックアップピン44を回収する。その後、把持装置503を上昇させ、Y方向移動部51、X方向移動部50を駆動し、把持装置503をピン保持装置43のピン待機部430の上方まで移動させる。最後に、把持装置503を下降させ、バックアップピン44をピン待機部430に挿入する。上記一連の作業を、バックアップピン44の配置数だけ繰り返す。
図9に、本実施形態の電子部品実装機のモジュールのフロントコンベア付近の、ピン配置部位清掃工程前段における拡大斜視図を示す。図10に、同モジュールのフロントコンベア付近の、ピン配置部位清掃工程中段における拡大斜視図を示す。図11に、同モジュールのフロントコンベア付近の、ピン配置部位清掃工程後段における拡大斜視図を示す。なお、図9〜図11においては、説明の便宜上、ガイドレール401、ベルトコンベア401aを透過して示す。
ピン配置部位清掃工程においては、図9に示すように、まず、Y方向移動部51、X方向移動部50を駆動し、把持装置503をピン保持装置43の清掃装置待機部431の上方まで移動させる。ここで、前工程であるバックアップピン回収工程終了時において、把持装置503はピン保持装置43のピン待機部430まで移動済みである。このため、本工程における把持装置503の移動量は微量である。それから、部品装着ヘッド501から把持装置503を下降させ、被把持型清掃装置73を把持装置503に装着する。具体的には、図7に示すように、把持装置503の一対の把持爪503aにより、被把持型清掃装置73の頸部730Mを、X方向から挟み込む。
その後、把持装置503を上昇させ、Y方向移動部51、X方向移動部50を駆動し、図10に示すように、把持装置503をバックアッププレート42の上面のピン配置部位421の上方まで移動させる。続いて、把持装置503を下降させ、図11に示すように、被把持型清掃装置73のブラシ731Dをピン配置部位421に当接させる。それから、この状態のまま、Y方向移動部51およびX方向移動部50のうち少なくとも一方を、所定量、所定回数だけ駆動し、ブラシ731Dによりピン配置部位421付近を清掃する。この際、ピン配置部位421に異物がある場合、当該異物は、ブラシ731Dの動作により、異物収容溝420に落とし込まれる。
ピン配置部位421の清掃が終了したら、把持装置503を上昇させ、別のピン配置部位421の清掃を実行する。すなわち、Y方向移動部51、X方向移動部50を駆動し、再び、把持装置503をバックアッププレート42の上面の別のピン配置部位421の上方まで移動させる(図10参照)。そして、把持装置503を下降させ、被把持型清掃装置73によりピン配置部位421を清掃する(図11参照)。この作業を、ピン配置部位421の数だけ繰り返す。
全てのピン配置部位421の清掃が完了したら、Y方向移動部51、X方向移動部50を駆動し、把持装置503をピン保持装置43の清掃装置待機部431の上方まで移動させる。最後に、把持装置503を下降させ、被把持型清掃装置73を清掃装置待機部431に挿入する。
図12に、本実施形態の電子部品実装機のモジュールのフロントコンベア付近の、バックアップピン再配置工程における拡大斜視図を示す。なお、図12においては、説明の便宜上、ガイドレール401、ベルトコンベア401aを透過して示す。
バックアップピン再配置工程においては、まず、Y方向移動部51、X方向移動部50を駆動し、把持装置503をピン保持装置43のピン待機部430の上方まで移動させる。ここで、前工程であるピン配置部位清掃工程終了時において、把持装置503はピン保持装置43の清掃装置待機部431まで移動済みである。このため、本工程における把持装置503の移動量は微量である。それから、部品装着ヘッド501から把持装置503を下降させ、バックアップピン44を把持装置503に装着する。
その後、把持装置503を上昇させ、Y方向移動部51、X方向移動部50を駆動し、図12に示すように、把持装置503をピン用清掃装置74のブラシ74Uの上方まで移動させる。続いて、把持装置503を下降させ、バックアップピン44の下面をブラシ74Uに当接させる。それから、この状態のまま、Y方向移動部51およびX方向移動部50のうち少なくとも一方を、所定量、所定回数だけ駆動し、ブラシ74Uによりバックアップピン44の下面を清掃する。その後、把持装置503を上昇させ、Y方向移動部51、X方向移動部50を駆動し、把持装置503をバックアッププレート42の上面のピン配置部位421の上方まで移動させる。最後に、把持装置503を下降させ、バックアップピン44をピン配置部位421に再配置する。ここで、バックアップピン44の下端付近には、永久磁石が埋設されている。このため、バックアップピン44は、磁力により、鋼鉄製のバックアッププレート42の上面に吸着する。上記一連の作業を、バックアップピン44の配置数だけ繰り返す。このようにして、電子部品実装機1の段取り替えが完了する。
[電子部品実装機のノズル清掃時の動き]
次に、本実施形態の電子部品実装機1のノズル清掃時の動きについて説明する。前述したように、吸着ノズル502は、電子部品の種類に応じて、交換可能である。使用していない吸着ノズル502は、ノズル保持装置70にストックされている。ノズル保持装置70にストックされた吸着ノズル502は、上記ピン配置部位清掃工程(図9〜図11参照)と同様の方法で、被把持型清掃装置73により清掃する。すなわち、把持装置503に把持された被把持型清掃装置73のブラシ731Dをノズル保持装置70の吸着ノズル502に当接させ、Y方向移動部51およびX方向移動部50のうち少なくとも一方を、所定量、所定回数だけ駆動することにより、吸着ノズル502を清掃する。吸着ノズル502の清掃は、所定のタイミング(例えば吸着ノズル502交換時)で行われる。
[作用効果]
次に、本実施形態の電子部品実装機1の作用効果について説明する。本実施形態の電子部品実装機1は、被把持型清掃装置73を備えている。被把持型清掃装置73は、異物に接触し、かつ異物を移動させることで、ピン配置部位421から異物を除去している。このため、異物の形状、重量などにあまり影響を受けることなく、確実に異物を除去することができる。
また、エアにより異物を吹き飛ばす場合、エアノズルから離れるに従ってエアの流速が遅くなってしまう。このため、バックアッププレート42の上面の、エアノズルから離れたピン配置部位421においては、異物を除去しにくい。
この点、本発明の電子部品実装機1の被把持型清掃装置73は、自身が移動することにより、異物を移動させている。このため、被把持型清掃装置73が異物に加える押圧力が、バックアッププレート42上面の全体に亘って、ばらつきにくい。したがって、バックアッププレート42上面におけるピン配置部位421の座標によらず、確実に異物を除去することができる。
また、本実施形態の電子部品実装機1の被把持型清掃装置73は、自身が移動することにより、異物を移動させている。このため、被把持型清掃装置73が異物に加える押圧力が、方向性を有している。したがって、異物が散らばりにくい。言い換えると、ピン配置部位421から除去した異物を、集めやすい。
また、エアにより異物を吹き飛ばす場合と比較して、エアノズル、配管、バルブなどの設備を、別途、配置する必要がない。このため、本実施形態の電子部品実装機1は、異物除去に関する構造が簡単である。
また、本実施形態の電子部品実装機1の被把持型清掃装置73は、本来、バックアップピン44を配置するために用いられる把持装置503に装着され、使用される。すなわち、既存の把持装置503の把持機能、移動機能を利用して、バックアッププレート42を清掃することができる。このため、既存の電子部品実装機1に被把持型清掃装置73をアドインしやすい。
また、本実施形態の電子部品実装機1の被把持型清掃装置73は、小型清掃部731を備えている。このため、ピン配置部位421を、局所的に清掃することができる。したがって、ピン配置部位421から、確実に異物を除去することができる。
また、把持装置503は、本来、軽量のバックアップピン44を把持するために用いられる。このため、把持装置503の把持力は、小さい場合が多い。この点、本実施形態の電子部品実装機1の被把持型清掃装置73は、小型清掃部731を備えている。このため、把持装置503の把持力が小さい場合であっても、当該把持装置503により、被把持型清掃装置73を確実に把持することができる。
また、本実施形態の電子部品実装機1の被把持型清掃装置73の小型清掃部731は、ブラシ731Dを備えている。ブラシ731Dは、湾曲しながらバックアッププレート42の上面に弾接する。当該弾接力を調整することにより、異物に加える押圧力を調整することができる。
また、エアにより異物を吹き飛ばす場合、異物が浮き上がりやすい。この点、小型清掃部731のブラシ731Dによると、上方から押さえつけながら、異物を掃くことができる。このため、異物が浮き上がりにくい。したがって、清掃により異物が散らばりにくい。
また、本実施形態の電子部品実装機1によると、ピン保持装置43は清掃装置待機部431を有している。すなわち、本来、バックアップピン44の待機用として用いられるピン保持装置43に、被把持型清掃装置73が待機する清掃装置待機部431が配置されている。すなわち、既存のピン保持装置43を利用して、被把持型清掃装置73を待機させることができる。このため、既存の電子部品実装機1に被把持型清掃装置73をアドインしやすい。
また、把持装置503は、本来バックアップピン44を把持、移動させるために用いられる。このため、ピン保持装置43は、当然に、把持装置503の移動経路に含まれている。したがって、ピン保持装置43に清掃装置待機部431を配置すると、把持装置503の移動経路をあまり変更させる必要がない。この点においても、既存の電子部品実装機1に被把持型清掃装置73をアドインしやすい。また、バックアップピン回収工程からピン配置部位清掃工程への切り替え時、ピン配置部位清掃工程からバックアップピン再配置工程への切り替え時の把持装置503の移動距離を、小さくすることができる。このため、段取り替えに要する時間を短縮することができる。
また、被把持型清掃装置73は、バックアッププレート42のピン配置部位421のみならず、ノズル保持装置70にストックされた吸着ノズル502の上面も清掃することができる。このため、より確実に吸着ノズル502を部品装着ヘッド501に取り付けることができる。
また、本実施形態の電子部品実装機1によると、バックアッププレート42の上面に、異物収容溝420が配置されている。このため、被把持型清掃装置73がピン配置部位421から掃き出した異物を、異物収容溝420に集めることができる。したがって、異物が散らばるのを抑制することができる。また、異物をバックアッププレート42から撤去する場合は、主に異物収容溝420を清掃すればよい。このため、異物の撤去が容易になる。
また、本実施形態の電子部品実装機1によると、モジュール2はピン用清掃装置74を備えている。このため、バックアッププレート42のピン配置部位421のみならず、バックアップピン44の下面も清掃することができる。したがって、バックアッププレート42とバックアップピン44との間に異物が入り込むのを、より確実に抑制することができる。
また、複数のモジュール2に共用の清掃装置を配置する場合、清掃装置の不具合が複数のモジュール2の清掃状況に影響を及ぼすことになる。この点、本実施形態の電子部品実装機1によると、複数のモジュール2は、各々、被把持型清掃装置73を備えている。このため、より確実に異物を除去することができる。
<第二実施形態>
本実施形態の電子部品実装機と第一実施形態の電子部品実装機との相違点は、バックアッププレートの構成のみである。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
図13に、本実施形態の電子部品実装機のモジュールのバックアッププレートの斜視図を示す。なお、図4と対応する部位については、同じ符号で示す。図14に、同バックアッププレートの分解斜視図を示す。図13、図14に示すように、バックアッププレート42は、上層プレート42Uと、下層プレート42Dと、を備えている。
上層プレート42Uは、鋼鉄製であって、矩形板状を呈している。上層プレート42Uには、軸直方向断面が略円形の、異物収容孔420Uが穿設されている。異物収容孔420Uは、本発明の異物収容凹部に含まれる。異物収容孔420Uは、上層プレート42Uに、規則的に多数配置されている。
下層プレート42Dは、アルミニウム合金製であって、矩形板状を呈している。下層プレート42Dは、上層プレート42Uの下方に配置されている。下層プレート42Dの上面には、合計六つの永久磁石420Dが埋設されている。六つの永久磁石420Dは、上層プレート42Uの下面に、磁力により吸着している。すなわち、当該磁力により、上層プレート42Uと下層プレート42Dとは、接合されている。上層プレート42Uの異物収容孔420Uの下方開口は、下層プレート42Dの上面により塞がれている。このため、被把持型清掃装置により掃かれたバックアッププレート42の上面の異物は、異物収容孔420U内部に蓄積する。
本実施形態の電子部品実装機は、構成が共通する部分については、第一実施形態の電子部品実装機と同様の作用効果を有する。また、本実施形態の電子部品実装機によると、異物収容孔420Uに落下した異物は、上層プレート42Uと下層プレート42Dとを分離した場合、下層プレート42Dの上面に堆積することになる。このため、異物収容孔420U、延いてはバックアッププレート42の清掃が容易になる。
<第三実施形態>
本実施形態の電子部品実装機と第一実施形態の電子部品実装機との相違点は、被把持型清掃装置が大型清掃部を備えている点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
図15に、本実施形態の電子部品実装機のモジュールのフロントコンベア付近の、ピン配置部位を清掃する前の拡大斜視図を示す。すなわち、被把持型清掃装置73をX方向、Y方向に移動させた後であって、バックアッププレート42の上面に降ろす前の状態を示す。なお、図10と対応する部位については、同じ符号で示す。
図15に示すように、被把持型清掃装置73は、被把持部730と、大型清掃部735と、を備えている。大型清掃部735は、ブラシ735Dと、基部735Uと、を備えている。基部735Uは、X方向に長い短冊状を呈している。基部735Uは、被把持部730の下端に連なっている。ブラシ735Dは、基部735Uに植設されている。ブラシ735Dは、基部735Uから下方に突出している。ブラシ735Dは、基部735Uと同様に、X方向に延在している。ブラシ735Dは、バックアッププレート42の上面前縁付近に下降する。そして、ブラシ735Dは、部品装着ヘッド501ごと、バックアッププレート42のY方向略全長分だけ、後方に移動する。
本実施形態の電子部品実装機は、構成が共通する部分については、第一実施形態の電子部品実装機と同様の作用効果を有する。また、本実施形態の電子部品実装機によると、バックアッププレート42におけるバックアップピンの配置パターンによらず、複数のピン配置部位を一度に清掃することができる。このため、バックアップピンの配置パターンに応じて(つまりピン配置部位の配置パターンに応じて)、把持装置503の清掃時の移動経路を逐一変更する必要がない。したがって、把持装置503の制御が簡単になる。また、一度に大量の異物を除去することが可能である。このため、清掃に要する時間を短縮することができる。
<第四実施形態>
本実施形態の電子部品実装機と第一実施形態の電子部品実装機との相違点は、被把持型清掃装置の代わりに被搬送型清掃装置が配置されている点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
図16に、本実施形態の電子部品実装機のモジュールのフロントコンベア付近の、ピン配置部位を清掃した後の拡大斜視図を示す。なお、図11と対応する部位については、同じ符号で示す。図17に、裏から見た被搬送型清掃装置の斜視図を示す。
図16、図17に示すように、被搬送型清掃装置75は、モジュール2のフロントコンベア40の一対のベルトコンベア400a、401a間に、搭載されている。すなわち、被搬送型清掃装置75は、X方向に連なる多数のモジュール2のフロントコンベア40により、上流側(左側)から下流側(右側)に搬送される。被搬送型清掃装置75は、被搬送部750と、被搬送型清掃部751と、を備えている。被搬送部750は、矩形板状を呈している。被搬送部750は、一対のベルトコンベア400a、401a間に、架設されている。被搬送型清掃部751は、ブラシであり、被搬送部750の下面右縁に植設されている。被搬送型清掃部751は、被搬送部750から下方に突出している。また、被搬送型清掃部751の下端は、バックアッププレート42の上面に当接している。被搬送型清掃部751がバックアッププレート42に当接した状態で、被搬送型清掃装置75は、多数のモジュール2のフロントコンベア40により、搬送される。
本実施形態の電子部品実装機は、構成が共通する部分については、第一実施形態の電子部品実装機と同様の作用効果を有する。また、本実施形態の電子部品実装機によると、多数のモジュール2のバックアッププレート42を、上流側から下流側に向かって、順次清掃することができる。このため、個々のモジュール2に、清掃装置を配置する必要がない。したがって、既存のモジュール2を、そのまま利用することができる。
<その他>
以上、本発明の基板処理装置の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
例えば、上記実施形態においては、ピン用清掃装置74にブラシ74Uを、小型清掃部731にブラシ731Dを、大型清掃部735にブラシ735Dを、被搬送型清掃装置75の被搬送型清掃部751としてブラシを、それぞれ配置した。しかしながら、これらのブラシの代わりにへらを配置してもよい。こうすると、異物に加える押圧力がばらつくのを、抑制することができる。
また、上記実施形態においては、バックアップピン44の清掃を、バックアップピン再配置工程で実行したが、例えばバックアップピン回収工程で実行してもよい。また、バックアップピン44の清掃は、段取り替え毎に逐一実行しなくてもよい。例えば、数回の段取り替えに対して一回実行してもよい。また、異物収容溝420、異物収容孔420Uの配置数、配置間隔、形状などは特に限定しない。異物を収容できればよい。また、清掃時における把持装置503の移動量、移動方向、移動回数は特に限定しない。例えば円を描くように移動させてもよい。
また、上記実施形態においては、任意のピン配置部位421の清掃が終了した場合、直ちに把持装置503を別のピン配置部位421まで移動させ、当該ピン配置部位421の清掃を実行した。
しかしながら、任意のピン配置部位421の清掃が終了した場合、把持装置503をピン保持装置43まで復動させ、把持装置503の把持対象物を被把持型清掃装置73からバックアップピン44に持ち替え、当該バックアップピン44を清掃済みのピン配置部位421に立設してもよい。そして、この作業をバックアップピン44の配置数だけ繰り返してもよい。すなわち、ピン配置部位421単位で、清掃→バックアップピン44配置という作業を繰り返してもよい。
また、上記実施形態においては、本発明の基板処理装置を電子部品実装機1として具現化したが、例えばスクリーン印刷機など、基板を取り扱う他の装置として具現化してもよい。
第一実施形態の電子部品実装機の透過斜視図である。 同電子部品実装機のモジュールの透過上面模式図である。 同モジュールのフロントコンベア付近の拡大斜視図である。 同モジュールのバックアッププレートの斜視図である。 同モジュールのピン保持装置の斜視図である。 同モジュールのX方向移動部の斜視図である。 把持装置の拡大斜視図である。 同モジュールのブロック図である。 同モジュールのフロントコンベア付近の、ピン配置部位清掃工程前段における拡大斜視図である。 同モジュールのフロントコンベア付近の、ピン配置部位清掃工程中段における拡大斜視図である。 同モジュールのフロントコンベア付近の、ピン配置部位清掃工程後段における拡大斜視図である。 同モジュールのフロントコンベア付近の、バックアップピン再配置工程における拡大斜視図である。 第二実施形態の電子部品実装機のモジュールのバックアッププレートの斜視図である。 同バックアッププレートの分解斜視図である。 第三実施形態の電子部品実装機のモジュールのフロントコンベア付近の、ピン配置部位を清掃する前の拡大斜視図である。 第四実施形態の電子部品実装機のモジュールのフロントコンベア付近の、ピン配置部位を清掃した後の拡大斜視図である。 裏から見た被搬送型清掃装置の斜視図である。
符号の説明
1:電子部品実装機(基板処理装置)、2:モジュール、3:部品供給装置、4:基板搬送装置、5:部品装着装置、6:フレーム、9:基板。
30:カセット式フィーダ、40:フロントコンベア、41:リアコンベア、42:バックアッププレート、42D:下層プレート、42U:上層プレート、43:ピン保持装置、44:バックアップピン、50:X方向移動部、51:Y方向移動部、52:Y方向ガイドレール、53:Y方向ガイドレール、70:ノズル保持装置、71:パーツカメラ、72:不良部品廃棄箱、73:被把持型清掃装置、74:ピン用清掃装置、74D:基部、74U:ブラシ、75:被搬送型清掃装置、80:コンピュータ、81:駆動回路、82:X方向移動部用モータ、83:駆動回路、84:Y方向移動部用モータ、85:駆動回路、86:把持装置昇降用モータ。
300:供給リール、301:部品取出部、400:ガイドレール、400a:ベルトコンベア、401:ガイドレール、401a:ベルトコンベア、420:異物収容溝(異物収容凹部)、420D:永久磁石、420U:異物収容孔(異物収容凹部)、421:ピン配置部位、430:ピン待機部、431:清掃装置待機部、440:被把持部、440D:下方大径部、440M:頸部、440U:上方大径部、441:基部、500:X方向スライダ、501:部品装着ヘッド、502:吸着ノズル、503:把持装置、503a:把持爪、700:ノズル待機部、730:被把持部、730D:下方大径部、730M:頸部、730U:上方大径部、731:小型清掃部、731D:ブラシ、731M:基部、731U:フランジ部、735:大型清掃部、735D:ブラシ、735U:基部、750:被搬送部、751:被搬送型清掃部。

Claims (10)

  1. 基板の下方に配置され、該基板の下面を支持する複数のバックアップピンが配置される複数のピン配置部位を有するバックアッププレートと、
    複数の該ピン配置部位に配置される前の複数の該バックアップピンが待機する複数のピン待機部を有するピン保持装置と、
    該バックアッププレートの上方において上下方向に対して交差する方向に移動可能であると共に、該ピン待機部で該バックアップピンを把持し該ピン配置部位で該バックアップピンを解放することにより、該バックアップピンを該ピン配置部位に配置する把持装置と、
    を備えてなる基板処理装置であって、
    前記把持装置は、電子部品を吸着、解放可能な吸着ノズルから独立して配置され、
    さらに、該把持装置が前記バックアップピンを前記ピン配置部位に配置する前に、該把持装置に把持された状態で該ピン配置部位を掃く清掃装置を備えてなることを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記清掃装置は、前記把持装置に把持される被把持部と、該被把持部から下方に突設され該把持装置が移動するのに伴って前記ピン配置部位を掃く被把持型清掃部と、を有する被把持型清掃装置である請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記被把持型清掃部は、複数の前記ピン配置部位を一つずつ個別に掃くことが可能な小型清掃部である請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記被把持型清掃部は、複数の前記ピン配置部位を一度に掃くことが可能な大型清掃部である請求項2に記載の基板処理装置。
  5. 前記被把持型清掃部は、ブラシまたはへらを有する請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の基板処理装置。
  6. 前記ピン保持装置は、前記被把持型清掃装置が待機する清掃装置待機部を有する請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の基板処理装置。
  7. さらに、前記電子部品を吸着し前記基板に配置する前記吸着ノズルを着脱可能に有する部品装着ヘッドと、該部品装着ヘッドから取り外された該吸着ノズルが待機するノズル待機部を有するノズル保持装置と、を有しており、
    前記被把持型清掃部は、該ノズル待機部で待機する該吸着ノズルの上面を掃く請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の基板処理装置。
  8. 前記バックアッププレートの上面には、前記清掃装置により掃かれる異物を落とし込む異物収容凹部が配置されている請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の基板処理装置。
  9. 前記バックアッププレートは、互いに分離可能な上層プレートと下層プレートとを有する積層構造を呈しており、
    前記異物収容凹部は、該上層プレートを板厚方向に貫通し、該下層プレートの上面により封止されている請求項8に記載の基板処理装置。
  10. さらに、前記バックアップピンの下面を掃くピン用清掃装置を有する請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の基板処理装置。
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