以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。なお、これによりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の紙幣入出金ユニットの構成図である。
図1中の101は、入金紙幣または出金紙幣を顧客が出し入れするための入金および出金のための接客口である。102は、入金および出金時に紙幣の真偽を鑑別する紙幣鑑別部である。104,105,106は、入金時の真券を一時的に保管する一時保留部である。109,110,111は、入金時に紙幣鑑別部102により真と鑑別された紙幣を収納し、出金時には顧客が指定した金種枚数の紙幣を払い出す手段をもった金種別収納庫である。
107は入金時の紙幣の鑑別結果が、該当する金種別収納庫が存在しない金種の真券であった場合に、その紙幣を収納する入金リジェクト紙幣収納部と、出金時に鑑別結果やその他の要因で出金できないと判断された紙幣を収納する出金リジェクト紙幣収納部を兼ねたリジェクト紙幣収納庫である。103は出金用紙幣が不足した場合に金種別収納庫109,110,111に紙幣を補充する手段および金種別収納庫109,110,111で満杯になった紙幣を回収する手段を兼ね備えた補充回収カセットである。補充回収カセット103は紙幣入出金ユニット本体に対して着脱可能である。
図示されぬ分離手段によって接客口101、補充回収カセット103、金種別収納庫109,110,111のいずれかから繰り出された紙幣は、搬送路と呼ばれる108−a〜108−oのいずれかの道順を通って接客口101、補充回収カセット103、金種別収納庫109,110,111、リジェクト収納庫107のいずれかへ搬送される。なお、図示しないCPUが図示しない記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取って順次実行することにより、本発明の制御を行うものとするが、その詳細は省略する。
次に、第1の実施例の動作説明をする。現金自動入出金装置の運用前にあらかじめ金種別収納庫109,110,111に収納するそれぞれの金種を設定し、紙幣収納しておく。例えば、金種別収納庫109を万円券用、金種別収納庫110を2千円券用、金種別収納庫111を千円券用に設定し紙幣収納しておく。
顧客が出金したい場合には、顧客は、図2に示すような顧客取引画面からキー入力を行い、例えば、万円券1枚、2千円券2枚、千円券3枚を出金指定(支払)すると、前述で設定されている金種別収納庫から顧客が希望した出金金額に相当する各金種毎の紙幣枚数が繰り出される。つまり、金種別収納庫109からは万円券が1枚、金種別収納庫110からは2千円券が2枚、金種別収納庫111からは千円券が3枚繰り出される。
搬送路108−jへ繰り出された紙幣は、搬送路108−hを通り、紙幣鑑別部102により紙幣走行状態や紙幣の汚れや折れを判別され、正常と判定された紙幣は108−g,108−f,108−d,108−aを通り、接客口101へ搬送される。一方、異常と判定された紙幣は108−g,108−k,108−l,108−oを通り、リジェクト収納庫107へ搬送される。リジェクト収納庫107へ運ばれた枚数の紙幣は再び該当する金種別収納庫から分離され、顧客が希望した各金種毎の紙幣枚数が接客口101へ搬送されると図示せぬ接客シャッタが開き、顧客は紙幣を受け取ることができる。搬送路108−b,108−cは出金時に紙幣の表裏を合わせるために設けられた搬送路であり、顧客が受け取る紙幣は表裏同一方向で揃えられる。
ところで、現金自動入出金装置の出金に関して言えば、一般的には万円券がもっとも流通量が多いことが知られている。したがって、金種別収納庫に各金種毎それぞれ同枚数の紙幣を準備すると顧客の出金により万円券がもっとも早く無くなってしまう。すなわち、各金種別収納庫について1金種のみの設定しかできない場合は、運用が進むに従い、各金種別収納庫内の紙幣残量に差ができ、流通量が多く先に無くなった紙幣については取り扱いができず、流通量が少ない紙幣だけが紙幣入出金ユニットに残ってしまうので、ますます現金自動入出金装置の運用効率が落ちてしまうことになる。
そこで、第1の実施例では、流通量の少ない金種別収納庫の下方には最も流通量の多い万円券をあらかじめ入れておく。例えば、千円券用に設定された金種別収納庫111の下に万円券を入れておく。あるいは、2千円券用に設定された金種別収納庫110の下に万円券を入れておく。あるいは、千円券用に設定された金種別収納庫111の下と2千円券用に設定された金種別収納庫110の下の双方に万円券を入れておく。
なお、補充回収カセット103から各金種別収納庫109,110,111に紙幣を補充する際、補充回収カセット103には、金種毎に紙幣を分けた状態で収納しておき、各金種毎に補充動作を行えるようにするのが好ましい。これにより補充動作を短時間で行うことができる。
顧客による出金により金種別収納庫109の万円券が減ってきたら金種別収納庫110あるいは金種別収納庫111にある紙幣(金種別収納庫の上方にある千円券あるいは2千円券と下方にある万円券ともに)を補充回収カセット103へ回収する。そして、この後補充回収カセット103から万円券は金種別収納庫109へ、千円券あるいは2千円券は元の金種別収納庫へ補充することにより、万円券の取り扱いを中止することなく引き続き出金運用を継続させることができる。
上記第1の実施例では、流通量の多い金種として万円券を例にあげ説明したが、各金種の流通量は地域的な特徴や銀行による特徴などさまざまであり、本発明は万円券のみに固着されるわけでなく他の金種においても同様に適用できる。また、以上のように、金種別収納庫において、流通量の少ない金種の下に流通量の多い金種を収納しておくことで各金種の流通量に応じた紙幣容量の設定ができ、全紙幣収納容量を最大限に生かした現金自動入出金装置の最適運用が期待できる。
第2の実施例は、上記第1の実施例に加え、金種別収納庫の金種設定を係員からの指示により自由に設定できるようにしたものである。図3に、第2の実施例の制御ブロック図を示す。
現金自動入出金装置制御部1は、金種別収納庫の設定を行う係員操作部4と、係員操作部4を制御する操作表示制御部3を持つ。係員により設定された金種別収納庫設定情報は、紙幣入出金ユニット制御部2へ伝達され、金種別収納庫設定記憶手段6に保持される。金種別収納庫ニアエンド検知手段5によって金種別収納庫に収納されている紙幣容量は、常に監視され、顧客出金に伴い金種別収納庫内の紙幣容量が減り、あらかじめ定められた枚数以下になると、他の金種別収納庫の金種別収納庫カウンタ7を参照し、足りなくなった金種の紙幣が他の金種別収納庫にあるようであれば、紙幣入出金ユニット制御部2はその紙幣が必要な金種別収納庫へ該紙幣を搬送する指示を促す。
なお、前記現金自動入出金装置制御部1には、取引制限管理部12、カード・伝票処理ユニット13、コインユニット14、通帳処理ユニット15、硬貨入出金ユニット16等が接続される。また、前記紙幣入出金ユニット制御部2には、鑑別部17、センサ制御部18、マグネット制御部19、モータ制御部20が接続され、前記鑑別部17には損券判定レベル記憶手段21、前記センサ制御部18にはセンサ群22、前記モータ制御部20にはモータ群23が接続している。
以上のように、第2の実施例によると、金種別収納庫の上方と下方にはそれぞれ別の金種が収納可能であるとともに、これらの該金種別収納庫内に収納する金種の組み合わせを設定により変更可能にすることで地域的な特徴や銀行による特徴にもっとも適した金種別収納庫の設定ができるようになり、より細かい運用形態に対応することができる。
本第3の実施例の紙幣入出金ユニットは、上記第1の実施例において、図1を参照して説明した構成と同様であるため、説明を省略し、以下では図1を参照して説明する。補充回収カセット103は、自らが有する現金の有高を自己確定する機能を持つ。以下に、補充回収カセット103の現金有高自己確定方法を説明する。まず、係員により現金をセットされた補充回収カセット103を紙幣入出金ユニットに装着する。
次に、図示されぬ分離機構により搬送路108−eへ繰り出された補充回収カセット内の紙幣は、搬送路108−f,108−gを通り、紙幣鑑別部102により紙幣走行状態や紙幣の汚れや折れを判別され、正常と判定された紙幣は108−h,108−j,108−l,108−mを通り、補充回収カセット103へ搬送される。
一方、紙幣鑑別部102で異常と判定された紙幣は108−h,108−j,108−l,108−nを通り、補充回収カセットリジェクト部へ搬送される。このようにして補充回収カセット103にセットされた紙幣を紙幣入出金ユニット内で還流させ、紙幣鑑別部102を通した後再び補充回収カセット103に戻すことで補充回収カセット103内の紙幣の有高確定ができる。
次に、上記のような紙幣還流ができる補充回収カセット103を使用し2千円券の出金を行う方法を説明する。現金自動入出金装置の運用前にあらかじめ金種別収納庫109,110,111に収納するそれぞれの金種を設定し、紙幣収納しておく。例えば、金種別収納庫109,110,111に収納するそれぞれの金種を設定し、紙幣収納しておく。例えば、金種別収納庫109,110を流通量の多い万円券用、金種別収納庫111を千円券用として設定しておく。また、2千円券を補充回収カセット103にあらかじめセットし、補充回収カセット103内の紙幣有高確定動作を実施しておき、さらに、2千円券が出金可能な位置まで還流させておく。
顧客が2千円券を出金する場合、補充回収カセット103から搬送路108−eへ繰り出された2千円券は搬送路108−f,108−gを通り、紙幣鑑別部102により紙幣走行状態や紙幣の汚れや折れを判別され、正常と判定された2千円券は108−h,108−jを通り、一時保留部104,105,106のいずれかに指定された枚数だけ集積される。一方、紙幣鑑別部102で異常と判定された紙幣は、108−h,108−j,108−l,108−nを通り、補充リジェクト部へ搬送される。
次に、一時保留部に集積された2千円券は再分離され、搬送路108−jへ繰り出された後、搬送路108−hを通り、紙幣鑑別部102により紙幣走行状態や紙幣の汚れや折れを判別され、正常と判定された紙幣は108−g,108−f,108−d,108−aを通り、接客口101へ搬送される。一方、異常と判定された紙幣は、108−g,108−k,108−lを通り、リジェクト収納庫107へ搬送される。リジェクト収納庫107へ運ばれた枚数の2千円券は再び補充回収カセット103から分離され、顧客が希望した各金種毎の紙幣枚数が接客口101へ搬送されると図示せぬ接客シャッタが開き、顧客は紙幣を受け取ることができる。搬送路108−b,108−cは出金時に紙幣の表裏を合わせるために設けられた搬送路であり、顧客が受け取る紙幣は、表裏同一方向で揃えられる。
以上のように、従来は、金種別収納庫への紙幣補充あるいは金種別収納庫からの紙幣回収をする場合にのみ使用していた補充回収カセットを、紙幣還流可能な金種別収納庫のひとつとして使用することで補充回収カセットから2千円券を直接出金することが可能となる。本実施例では、2千円券を例に挙げて説明したが、補充回収カセット103から直接出金させる場合は2千円券のみに限られるわけでなく、他の金種の場合においても同様な効果を期待することができる。
第4の実施例は、上記第3の実施例に加え、補充回収カセット103から出金する紙幣の金種設定を係員からの指示により自由に変更できるようにしたものである。図4に、第4の実施例の制御ブロック図を示す。現金自動入出金装置制御部1は、補充回収カセット103の出金金種設定を行う係員操作部4と、係員操作部4を制御する操作表示制御部3を持つ。係員により、設定された補充回収カセット出金金種設定情報は、紙幣入出金ユニット制御部2へ伝達され、補充回収カセット出金金種設定記憶手段8に保持される。
補充回収カセット出金金種設定記憶手段8に保持された金種が、顧客が出金指示した金種と一致した場合には紙幣入出金ユニット制御部2は補充回収カセット103から該当紙幣金種を繰り出すよう指示を促す。なお、前記現金自動入出金装置制御部1には、取引制限管理部12、カード・伝票処理ユニット13、コインユニット14、通帳処理ユニット15、硬貨入出金ユニット16等が接続される。また、前記紙幣入出金ユニット制御部2には、鑑別部17、センサ制御部18、マグネット制御部19、モータ制御部20が接続され、前記鑑別部17には損券判定レベル記憶手段21、前記センサ制御部18にはセンサ群22、前記モータ制御部20にはモータ群23が接続している。
以上のように、補充回収カセットから出金する金種設定を変更可能にすることで、紙幣還流可能な補充回収カセットを用いての任意の金種の出金ができるようになり、より細かい運用形態に対応した現金自動入出金装置の最適運用が期待できる。
第5の実施例では、千円券、2千円券、5千円券、万円券の4金種の紙幣を入金する方法について述べる。第5の実施例の構成は、上記第3の実施例の構成と同じである。
まず、最初に金種別収納庫109,110,111に収納するそれぞれの金種を設定しておく。例えば、金種別収納庫109は流通量の多い万円券用、金種別収納庫110は2千円券用、金種別収納庫111は千円券用として設定しておく。また、5千円券は流通量がもっとも少なく一般的な運用では、入金された5千円券は出金のための再利用紙幣として扱わないことが多いのでリジェクト収納庫107に搬送し集積する。その他の金種(千円券、2千円券、万円券)は、出金のための再利用紙幣として扱うため、入金時には先に設定されたそれぞれの金種別収納庫109,110,111に収納され、出金時にそれぞれの金種別収納庫109,110,111から分離され接客口101まで搬送される。
さて、顧客が入金をする場合には、接客口101に挿入された紙幣は搬送路108−aに繰り出され108−b,108−d,108−f,108−gを通り、紙幣鑑別部102により紙幣走行状態や紙幣の汚れを判別され、正常と判定された紙幣は108−h,108−jを通り万円券は金種別収納庫109の一時保留部104、2千円券は金種別収納庫110の一時保留部105、千円券は金種別収納庫111の一時保留部106へ集積される。一方、紙幣鑑別部102で異常と判定された紙幣は、108−h,108−iを通り、接客口101へ戻され、顧客に返却される。
ここで、図5に示すような顧客取引画面から顧客による返却指示があると、一時保留部104,105,106に集積されている紙幣は入金された道筋と逆の順路をたどって全て接客口101に戻される。また、一時保留部に紙幣が集積されている状態で顧客による入金金額確認指示があると、一時保留部に集積された紙幣は金種別収納庫109,110,111へそれぞれの金種毎に収納される。
入金紙幣に5千円券が混ざっている場合、紙幣鑑別部102により紙幣走行状態や紙幣の汚れや折れを判別され、正常と判定された5千円券は108−h,108−jを通り流通量が少ない金種の金種別収納庫上部の一時保留部へ集積する。例えば、2千円券用の金種別収納庫110の一時保留部105へ集積する。一方、紙幣鑑別部102で異常と判定された5千円券は108−h,108−iを通り、接客口101へ戻され、顧客に返却される。ここで、図5に示すような顧客取引画面から顧客による返却指示があると一時保留部105に集積されている5千円券は2千円券とともに入金された道筋と逆の順路をたどって全て接客口101に戻される。一時保留部105に2千円券と5千円券が混在している状態で顧客による入金金額確認指示があった場合には、金種別収納庫110の設定が2千円券用であるためそのまま収納するわけにはいかない。そこで、混在している2千円券と5千円券すべての紙幣を分離し、5千円券はリジェクト収納庫107に搬送し集積、収納し、2千円券は一旦接客口101に戻した後、2千円券用である金種別収納庫110へ搬送し集積、収納することで入金処理動作が終了する。
本実施例で、入金時に5千円券を流通量の少ない金種別収納庫上部の一時保留部へ流通量の少ない金種といっしょに集積したのは、その後の収納処理動作においても5千円券と混在した金種を再分離する際、できるだけ少ない枚数であるほうが処理時間が短くて済むからである。
以上のように、入金時の5千円券を、流通量の少ない金種別収納庫上部の一時保留部へ流通量の少ない金種といっしょに集積し、その後の収納動作において5千円券と流通量の少ない金種を分け5千円券はリジェクト収納庫へ、その他の金種はそれぞれの金種別収納庫に収納することで入金4金種対応が可能となる。また、5千円券と混在していた金種は出金のための再利用紙幣として活用することができ、運転資金の効率化が期待できる。
本実施例では、流通量の少ない金種の例として2千円券を例に挙げて説明したが、これらの金種のみに限られるわけでなく、他の金種の場合においても同様な効果を期待することができる。
第6の実施例では、上記第5の実施例と同様に、千円券、2千円券、5千円券、万円券の4金種の紙幣を入金する方法について述べる。第6の実施例の構成は、上記第3の実施例の構成と同じである。
まず、最初に金種別収納庫109,110,111に収納するそれぞれの金種を設定しておく。例えば、金種別収納庫109は、流通量の多い万円券用、金種別収納庫110は2千円券用、金種別収納庫111は千円券用として設定しておく。また、5千円券は、流通量がもっとも少なく一般的な運用では入金された5千円券は、出金のための再利用紙幣として扱わないことが多いのでリジェクト収納庫107に搬送し集積する。
その他の金種(千円券、2千円券、万円券)は出金のための再利用紙幣として扱うため、入金時には先に設定されたそれぞれの金種別収納庫109,110,111に収納され、出金時にはそれぞれの金種別収納庫109,110,111から分離され接客口101まで搬送される。
さて、顧客が入金をする場合には、接客口101に挿入された紙幣は、搬送路108−aに繰り出され、108−b,108−d,108−f,108−gを通り、紙幣鑑別部102により紙幣走行状態や紙幣の汚れや折れを判別され、正常と判定された紙幣は108−h,108−jを通り万円券は金種別収納庫109の一時保留部104、2千円券は金種別収納庫110の一時保留部105、千円券は金種別収納庫111の一時保留部106へ集積される。
一方、紙幣鑑別部102で異常と判定された紙幣は、108−h,108−iを通り、接客口101へ戻され顧客に返却される。ここで、図5に示すように、顧客取引画面から顧客による返却指示があると一時保留部104,105,106に集積されている紙幣は、入金された道筋と逆の順路をたどって全て接客口101に戻される。また、一時保留部に紙幣が集積されている状態で顧客による入金金額確認指示があると、一時保留部に集積された紙幣は金種別収納庫109,110,111へそれぞれの金種毎に収納される。
入金紙幣に5千円券が混ざっている場合、紙幣鑑別部102により紙幣走行状態や紙幣の汚れや折れを判別され、正常と判定された5千円券は108−h,108−jを通り、流通量が少ない金種の金種別収納庫上部の一時保留部へ集積する。例えば、2千円券用の金種別収納庫110の一時保留部105へ集積する。一方、紙幣鑑別部102で異常と判定された5千円券は108−h,108−iを通り、接客口101へ戻され顧客に返却される。
ここで、図5に示すような顧客取引画面から顧客による返却指示があると一時保留部105に集積されている5千円券は2千円券とともに入金された道筋と逆の順路をたどって全て接客口101に戻される。一時保留部105に2千円券と5千円券が混在している状態で顧客による入金金額確認指示があった場合には、金種別収納庫110の設定が2千円券用であるため、そのまま収納するわけにはいかない。そこで、混在している2千円券と5千円券すべての紙幣を分離し、搬送路108−j,108−h,108−g,108−k,108−l,108−oへと搬送しリジェクト収納庫107へ収納する。
以上のように、入金時の5千円券を、流通量の少ない金種別収納庫上部の一時保留部へ流通量の少ない金種といっしょに集積し、その後の収納動作において5千円券とともに流通量の少ない金種毎リジェクト収納庫へ搬送収納してしまっても、もともと流通量の少ない金種であるから現金自動入出金装置の残り出金可能枚数に対して影響はなく、入金4金種対応が可能となる。また、この方法は、第5の実施例に比べて収納動作の処理時間が短くなる利点がある。本実施例では、流通量の少ない金種の例として2千円券を例に挙げて説明したが、この金種のみに限られるわけでなく、他の金種の場合においても同様な効果を期待することができる。
第7の実施例は、上記第5の実施例や第6の実施例に加え、入金時に5千円券を一時的に集積しておくのは一時保留部104,105,106のうちどこにするかの設定を係員からの指示により自由に変更できるようにしたものである。
また、5千円券とともに一時保留部へ集積された流通量の少ない金種をその後の収納動作において、全てリジェクト収納庫に搬送収納するのか、再分離して5千円券と混在していた流通量の少ない金種をわけ流通量の少ない金種は出金のための再利用紙幣とするかの再分離金種振り分け有無の設定を係員からの指示により自由に変更できるようにしたものである。
図6に、第7の実施例の制御ブロック図を示す。現金自動入出金装置制御部1は、入金の際の5千円券の一時保留部設定と再分離金種振り分け有無設定を行う係員操作部4と、係員操作部4を制御する操作表示制御部3を持つ。係員により設定された入金の際の5千円券一時保留部設定情報と再分離金種振り分け有無情報は紙幣入出金ユニット制御部2へ伝達され、それぞれ一時保留部設定情報記憶手段10、再分離金種振り分け有無記憶手段11に保持される。
5千円券の入金がなされた場合には、これらの記憶手段10,11の情報に基づき紙幣入出金ユニット2は第5の実施例あるいは第6の実施例の処理動作を行う。以上のように、入金時の5千円券を一時的に集積しておくのは一時保留部104,105,106のうちどこにするかの設定、および5千円券とともに一時保留部へ集積された流通量の少ない金種をその後の収納動作において全てリジェクト収納庫に搬送収納するのか、再分離して5千円券と混在していた流通量の少ない金種を分け流通量の少ない金種は出金のための再利用紙幣とするのかの設定を係員からの指示により自由に変更できるようにしたので、より細かい運用形態に対応した現金自動入出金装置の最適運用が期待できる。
第8の実施例では、上記第5の実施例と同様に、千円券、2千円券、5千円券、万円券の4金種の紙幣を入金する方法について述べる。第8の実施例の構成は、上記第3の実施例の構成と同じである。
まず最初に、金種別収納庫109,110,111に収納するそれぞれの金種を設定しておく。例えば、金種別収納庫109は流通量の多い万円券用、金種別収納庫110は2千円券用、金種別収納庫111は千円券用として設定しておく。また、5千円券は流通量がもっとも少なく一般的な運用では、入金された5千円券は出金のための再利用紙幣として扱わないことが多いのでリジェクト収納庫107に搬送し集積する。その他の金種(千円券、2千円券、万円券)は出金のための再利用紙幣として扱うため、入金時には先に設定されたそれぞれの金種別収納庫109,110,111に収納され、出金時にはそれぞれの金種別収納庫109,110,111から分離され接客口101まで搬送される。
さて、顧客が入金する場合には、接客口101に挿入された紙幣は搬送路108−aに繰り出され、108−b,108−d,108−f,108−gを通り、紙幣鑑別部102により紙幣走行状態や紙幣の汚れや折れを判別され、正常と判定された紙幣は108−h,108−jを通り、万円券は金種別収納庫109の一時保留部104、2千円券は金種別収納庫110の一時保留部105、千円券は金種別収納庫111の一時保留部106へ集積される。一方、紙幣鑑別部102で異常と判定された紙幣は108−h,108−iを通り、接客口101へ戻され顧客に返却される。
ここで、図5に示すような顧客取引画面から顧客による返却指示があると一時保留部104,105,106に集積されている紙幣は入金された道筋と逆の順路をたどって全て接客口101に戻される。また、一時保留部に紙幣が集積されている状態で顧客による入金金額確認指示があると一時保留部に集積された紙幣は金種別収納庫109,110,111へそれぞれの金種毎に収納される。
入金紙幣に5千円券が混ざっている場合、紙幣鑑別部102により紙幣走行状態や紙幣の汚れや折れを判別され、正常と判定された5千円券は108−h,108−jを通り、流通量が少ない金種の金種別収納庫上部の一時保留部へ集積する。例えば、2千円券用の金種別収納庫110の一時保留部へ集積する。一方、紙幣鑑別部102で異常と判定された5千円券は108−h,108−iを通り、接客口101へ戻され顧客に返却される。
ここで、図5に示すような顧客取引画面から顧客による返却指示があると一時保留部105に集積されている5千円券は2千円券とともに入金された道筋と逆の順路をたどって全て接客口101に戻される。一時保留部105に2千円券と5千円券が混在している状態で顧客による入金金額確認指示があった場合には、金種別収納庫110の設定が2千円券用であるためそのまま収納するわけにはいかない。そこで、混在している2千円券と5千円券すべての紙幣を分離し、5千円券はリジェクト収納庫107に搬送し集積し、2千円券は補充回収カセット103に搬送し集積することで入金処理動作が終了する。
本実施例で、入金時に5千円券を流通量の少ない金種別収納庫上部の一時保留部へ流通量の少ない金種といっしょに集積したのは、その後の収納処理動作において5千円券と混在した金種を再分離する際できるだけ少ない枚数であるほうが処理時間が短くて済むからである。
以上のように、入金時の5千円券を、流通量の少ない金種別収納庫上部の一時保留部へ流通量の少ない金種といっしょに集積し、その後の収納動作において5千円券と流通量の少ない金種を分け5千円券はリジェクト収納庫へ、その他の金種は補充回収カセットに収納することで入金4金種対応が可能となる。また、5千円券と混在していた金種は出金のための再利用紙幣として活用することができ、運転資金の効率化が期待できる。
本実施例では、流通量の少ない金種の例として2千円券を例に挙げて説明したが、これらの金種のみに限られるわけでなく、他の金種の場合においても同様な効果を期待することができる。
第9の実施例の構成は、上記第3の実施例の構成と同じである。第9の実施例では、上記第5の実施例と同様に、千円券、2千円券、5千円券、万円券の4金種の紙幣入金が可能な構成であり、特に、5千円券が入金紙幣に混ざっていないときについて述べる。まず、最初に、金種別収納庫109,110,111に収納するそれぞれの金種を設定しておく。例えば、金種別収納庫109は万円券用、金種別収納庫110は2千円券用、金種別収納庫111は千円券用として設定しておく。
上記第5の実施例や上記第8の実施例では、入金時に一時保留部104,105,106のいずれかに5千円券と混在させて集積する金種があり、紙幣収納時の処理で再分離をしてそれらの金種を分ける動作が必要であったが、5千円券が入金紙幣に混ざっていないときにはこの動作は必要なく、万円券用に設定された金種別収納庫109の一時保留部104には万円券のみ、2千円券用に設定された金種別収納庫110の一時保留部105には2千円券のみ、千円券用に設定された金種別収納庫111の一時保留部105には2千円券のみ、千円券用に設定された金種別収納庫111の一時保留部106には千円券のみしか集積しない。次に、一時保留部104,105,106に集積されたそれぞれの金種を金種別収納庫に収納することで入金処理動作が終了する。
以上のように、4金種入金対応可能な現金自動入出金機において、入金時にいずれの金種別収納庫の一時保留部にも5千円券が集積されていない場合、すなわち、5千円券が一枚も入金されなかった場合には、再分離の必要がなく、即金種別収納庫への収納動作に移行できるため、入金動作時間が非常に短縮される。