JP3803137B2 - 紙幣回収処理装置 - Google Patents

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智 寛 越
田 宏 紀 桑
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紙幣回収処理装置に関するもので、特に銀行等の金融機関において使用され、無人機コーナに対する貨幣、特に紙幣の回収や補充、又は窓口でテラーによって使用される入出金機等に対する貨幣の補充、回収等に使用され、特に銀行等では出納用の処理機として使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、銀行等の金融機関において、出納室に設置されて使用される紙幣に関する機器として、無人コーナや窓口の入出金機から回収された紙幣を金種別に分類計数して収納する紙幣分類収納機能、補充が行われた後に紙幣を投出する紙幣投出機能、通常100枚単位で結束して帯封をされた紙幣を作る紙幣結束機能を備えた紙幣回収処理装置が使用されている。
【0003】
このような目的で使用される紙幣処理装置では、膨大な枚数の紙幣が取り扱われるため、金種別の紙幣収納庫が備えられているのが普通である。この場合、テープが貼られた紙幣、破れや穴のある紙幣、汚れがひどい紙幣などのいわゆる損券、および金種別の収納庫が満杯で入り切らなくなったいわゆるオーバーフロー紙幣は、金種にかかわりなく複数金種が混在する一つの収納庫に収納されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような紙幣回収処理装置では、紙幣を回収するためには、すべての紙幣を繰り出して計数し、結束部へ搬送して結束し、その後装置外に取り出す必要がある。この点、従来の装置では、収納庫に収納された1金種の紙幣の結束処理の終了毎に結束単位枚数に満たない端数紙幣は結束部に残り、オペレータがこの端数紙幣を抜き取ることにより当該金種の計数および取り出しを終了させ、次の金種の処理に進むようになっている。
【0005】
このため、オペレータは常時装置の側に待機している必要があり、省人効果が上がらないという不都合があった。
【0006】
また、収納庫内に収納しているバラ紙幣の収納枚数は通常金種毎に管理しているが、オペレータが手で装填したり、回収したりするモードでは、オペレータが入力した金額と現実に収納されている枚数に相違が生じてエラーが発生することがある。例えば、出金リジェクトが発生した場合には、装置に記憶されている収納枚数と実際の枚数に相違が生じてしまい、精算のために正確な枚数を把握するためには実際に手で計数をする必要が生ずる。
【0007】
このように、従来の回収処理装置では、収納紙幣の在高精算のためには、単なる結束処理およびバラ紙幣状態で装置からの取り出しを行う出金処理のみでは不十分であり、オペレータによる端数紙幣枚数確認も必要であるという問題もあった。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、処理中はオペレータの介入を必要としない紙幣回収処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる紙幣回収処理装置によれば、
正券と判定された取扱い金種の紙幣を金種別に収納するとともに1枚ずつ繰り出す正券紙幣収納繰出部を少なくとも有する紙幣収納繰出部と、
前記正券紙幣収納繰出部にそれぞれ対応して設けられ、外部からの保留紙幣取り出し可能に形成された一時保留部と、
前記紙幣収納繰出部から繰り出された紙幣の金種判定を行い、その枚数を計数する計数手段と、
前記計数手段で金種判定された特定金種の紙幣を所定の結束単位枚数集積し、この紙幣を結束して帯封する結束部と、
前記紙幣収納繰出部の各々に設けられ、紙幣繰出し動作開始前に当該紙幣収納繰出部内の紙幣残量が所定枚数よりも少なくなっていることを検知する残量少検知部と、
前記残量少検知部が残量少の不検知状態であるときには前記紙幣収納繰出部から前記結束単位枚数の紙幣を繰り出して前記結束部へ搬送して結束させ、再度前記残量少検知部が残量少の不検知状態であれば前記紙幣の繰出し、結束および残量少検知をくり返し、前記残量少検知部が残量少を検知した場合には、次の搬送時には紙幣収納繰出部内の残存紙幣をすべて一時保留部へ搬送させ、前記計数手段で計数した、前記一時保留部に保留されている枚数が所定枚数以上であれば、該一時保留部の紙幣を前記紙幣収納繰出手段に移動させ、前記結束単位枚数を前記結束部へ搬送して結束帯封するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記残量少検知部で検知する前記所定枚数は、前記結束単位枚数より十分に多い枚数であるとよい。
【0012】
この紙幣回収処理装置によれば、残量少検知手段で紙幣収納部内の紙幣残量の概略を検知した上で結束動作を行わせているので、結束動作終了後には残留紙幣量は必ず結束単位枚数以下となるとともに、結束部には結束単位枚数のみが送られることになり、結束部から端数紙幣の取り出しは不要となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を説明する。
図1は本発明にかかる紙幣回収処理装置の実施の一形態における全体の概略構成図であって、同図によれば、この紙幣回収処理装置はそれぞれ接離可能な別筐体とされた入出金ユニット100、結束収納ユニット200、札束出金ユニット300より成っている。
【0014】
以下これら各ユニットにつき構成および動作を詳細に説明する。
(入出金ユニット100)
入金繰出し部101はバラ紙幣を一括して装填する事により取込ローラ等によって1枚ずつ搬送路aに取込むものであり、搬送路aは入金識別部103に結合されている。
【0015】
入金識別部103は搬送路a又は後述する搬送路xから送られてくる紙幣について、真偽、正損、金種、表裏、厚み異常券等を識別して各々識別信号を出力する。
【0016】
この入金識別部103を通った紙幣は表裏取揃部104において偽券、異常券以外の正常券の全金種について必要な反転を行って表裏を取揃えられる。表裏の取揃えは、入金識別部103における表裏検出信号に基づき、そのままの姿勢で紙幣を搬送する搬送路(図示せず)と、反転させる搬送路(図示せず)とを切換えることによって行なう。
【0017】
リジェクト部105は偽券、異常券を搬送路cから排出する部分であって、排出された紙幣を係員がここから取り出すことができる。なお、異常券のうちで金種が判別できるものは、後述する損券収納庫に収納されるため、このリジェクト部には送られない。
【0018】
出金リジェクトボックス106は後述する出金識別部213で識別された異常紙幣を回収する部分であり、回収された紙幣はここから別途係員が取り出すことができる。なお、出金時の異常紙幣は必ずしもこの出金リジェクトボックスに送るようにする必要はなく、後述するように全く異なった処理を行うこともできる。
【0019】
カセット紙幣受渡し口113は、銀行の窓口入出金機や自動預金機、支払機等に収納されているカセットを回収して、その中に収納されている紙幣を取り出すために、これらカセットを装着して送られる紙幣を搬送路xに受入れて識別部103に送るための受け渡し口である。
【0020】
収納紙幣受渡し口114は表裏取揃部104で表裏取揃えられた紙幣又は後述の固定収納庫204〜206、損券収納庫208から取出された紙幣を搬送路f,g,h,i,r,tを介して結束収納ユニット200に送り出すためのものである。
【0021】
入金繰出し部101又はカセット紙幣受渡し口113から送られたバラ紙幣は入金識別部103において識別された金種情報に基づいて、搬送路jを通して万円専用の一時保留部201に、同様に、搬送路kを通して五千円専用の一時保留部202に搬送路を通して千円専用の一時保留部203にそれぞれ保留される。なお、損券については損券収納庫208へ収納させるべくその一時保留部207に一時保留される。なお、本実施の形態において、損券収納庫に収納されるのは、少なくとも金種が判別できたものに限られる。
【0022】
これらの一時保留部201,202,203,207の位置に対応して筺体にはこれらの一時保留部201,202,203,207から集積された紙幣を取り出すための扉が設けられている。
【0023】
各金種の固定収納庫204,205,206はそれぞれ対応する一時保留部201,202,203で各々保留されている紙幣を別途入力される収納命令により重積収納し、又、払出し時には固定収納庫204,205,206の底部に各々設けられている出金繰出部209〜211により一枚ずつ取り出し、それぞれ搬送路f,g,hへ送ることができる。同様に、損券収納部208からはその底部に設けられた出金繰出部212により損券を一枚ずつ取り出し、搬送路iに送ることができる。
【0024】
また、出金繰出部209〜212にはニアエンド検知器DT1,DT3,DT5,DT7およびエンプティ検知器DT2,DT4,DT6,DT8がそれぞれ設けられている。ここでニアエンド検知器は検知しようとする紙幣残量に対応して出金繰出部の底面から所定高さ位置に設置された発光素子と受光素子の組み合わせであって、収納繰出部内の残り紙幣の積層状態により所定の紙幣残量に達したかどうかを検知するものである。この所定残量としては後述する結束単位枚数が確実に搬送できるよう、それよりも十分に多い、例えば流通券で120枚程度に設定される。また、エンプティ検知器は出金繰出部の底面を角度を有して通過するように設置された発光素子と受光素子からなり、紙幣が1枚でも存在しているときには光が遮られることによりオフとなっているが紙幣が完全に無くなるとオンとなることによりエンプティを検知するものである。
【0025】
出金識別部213は搬送路f,g,h,iを各々通ってきた紙幣について、前述した入金識別部103と同等の識別または金種識別および斜行、若しくは厚み異常等の搬送異常の検出を行なうものである。
【0026】
出金一時保留部150はバラ紙幣の払出時に各金種別の収納繰出部209,210,211から金種別に一枚ずつ取り出して出金識別部213により払出すべき金種であることが確認された場合搬送路r,t,y,zを通して取出された紙幣を一時保留する。尚、払出すべきでない、つまり異金種であることが識別部により検出された場合には搬送路j,k,lのいずれかを通して正規の金種の収納部に戻すようになっており、払出終了後、再び固定収納庫204,205,206に収納されるようになっている。
【0027】
バラ紙幣用の出金口151は払出しに必要な金種・数量の紙幣が取出されて出金一時保留部150に保留された後に、一括して外部に払出す口であり、係員が抜き取ったかどうかをセンサ(図示せず)により検出し、抜き取りが検知されると払出し処理が終了となる。又、多量にバラ紙幣を払出す必要がある場合には所定枚数づつ区分して払出し、抜き取り後、続いて次の払出しを行なうようにしても良い。
【0028】
なお、出金一時保留部150又は出金口151にある紙幣について払出しを取消した場合には、それらを出金リジェクトボックス106へ搬送路mを介して回収することもできる。
【0029】
尚、上述の一時保留部201,202,203,204、固定収納庫204,205,206、損券収納庫208はこのような構成に限定される必要はなく、横方向に各収納繰出部を設けて金種別に上下積重ねた状態にしたようなものであってもよい。
(結束収納ユニット200)
これはバラ紙幣を結束して帯封処理をして収納する部分であり、後述するような2つの整体機構107a,107bよりなる整体部107、結束部108、束搬送部109、束収納庫250を備えている。
【0030】
図2に示す内部構造図を参照すると、まず、整体部107は搬送路sを介して送られてくる紙幣を位置決めしながら結束単位である所定枚数(例えば100枚)整えて重積させる部分であり、この実施例においては図2に示すように2つの整体機構107a,107bを有している。すなわち、収納紙幣受渡し口114から搬入された紙幣はその金種を揃えるように搬送路123または124を通って回転羽根車121または122の羽根間に挿入され、回転に伴って突当板126,127に沿って重積され、整体が行われる。搬送路123と124は振分けゲート125によって、金種毎に切換えられるようになっている。例えば、図2の左側の羽根車122、搬送路124、突当板127よりなる整体部107aは一万円札用、図2の右側の羽根車121、搬送路123、突当板126よりなる整体部107bは千円札用とすることができる。
【0031】
なお、ここでは結束処理を効率的に行うために2金種用の整体部を有しているが、整体部は1つでも良い。
【0032】
紙幣が垂直に重積される位置に対応してユニットの操作側前面に扉128,129がそれぞれ設けられており、これらの扉には電磁ソレノイド等によるロック機構130,131が設けられている。したがって必要なときには扉128,129を開けることにより整体部107からの紙幣の回収が容易となっている。
【0033】
2つの整体機構107a,107bで各々所定枚数重積された紙幣束は所定の順序でモータ133により駆動される移動機構134により上下移動をするアーム132により結束部108に運ばれ、回転機構により紙テープ等を紙幣束の中央部に少なくとも1重巻に巻回させるようにして帯封を行うようにしている。尚、この紙テープには結束時、銀行名、日付、枚数、金種、正損区分等必要事項が印刷、又は印字、押印されるようになっている。
【0034】
次に束搬送部109は第1の搬送部110と第2の搬送部111、第3の搬送部214から成っており、結束部108で結束された紙幣束(以後結束紙幣と称す)を下方へ移動する第1の搬送部110で下方に移して後述の束収納庫250へ収納させ、又、駆動部135により水平方向に移動する第2の搬送部111によって、後述の束放出庫301へ金種別に区分して収納するようになっている。又、第3の搬送部214は機外へ放出できるように図示されていない放出口へ個々の束を搬送する。なお、結束紙幣受渡し口112は結束紙幣を後述する札束出金ユニット300側へ送るためのものである。
(札束出金ユニット300)
これは結束紙幣を収納し、払出す部分であり、図3にその詳細を示す。
【0035】
束放出庫301はそれぞれ万円、五千、千円用に区分された3つの収納部を前後方向に有しており、結束収納ユニット200から結束紙幣受渡し口112を経て送られてきた結束紙幣を金種に応じて前後方向に移動するベルト搬送部302により、金種別に区分して収納するものである。各金種別の束放出庫301の中には結束紙幣をその上で支持する支持板305と載置された結束紙幣の量に応じてこの支持板305を上下移動する昇降機構306が設けられている。又、取り出し部材307が金種別の収納部に対応して設けられ、結束紙幣の払出し時にはこれらの進退運動により収納されている結束紙幣を一束ずつ取り出して取り出し口308より払出リフト303に載置する。この払出リフト303は昇降機構309により支持されており、駆動することにより結束紙幣は上方へ送られ、装置上面に設けられた結束紙幣払出口304から払出される。
【0036】
なお、束放出庫の側壁部には結束紙幣が存在していないことを検出する空検知センサ310、および結束紙幣が束放出庫301の中に満杯状態で収納されていることを検出する満杯検出センサ311、および結束紙幣の残量が少ないことを示すニアエンドセンサ312がそれぞれ設けられている。これらのセンサは光センサが通常であり、検出方法は限定されないが例えば昇降機構306の一部が光をさえぎることにより位置検出を行う形式のものが使用される。
【0037】
図4は本発明にかかる紙幣入出金処理機のシステム全体の制御系統を示すブロック図であって共通の制御部1には記憶部2、操作部3、表示部4、印字部5、インタフェース部6が接続されており、このインタフェース部6には各ユニットのインタフェース部21および31が接続され、各ユニットが制御部1の指令を受けて作動するようになっている。尚、これらのインタフェース部は各ユニットを接続した時に電気的に相互に接続されるようになっている。又、この制御部1は各ユニットで処理される紙幣についての金種別計数データ等を各インタフェースを介して記憶部2に集計記憶させ、表示部4、印字部5に必要に応じて係員別、カセット別、夜間金庫カセット別、にデータ集計の上出力させ、更には補充・回収データも出力させるようになっている。
【0038】
図5は記憶部中の記憶内容の一部をテーブル形式で示したものであり、これは後述するRAM24の一部として実現される。この記憶部中には、各金種について一時保留されている枚数、固定収納庫に収納されている枚数がそれぞれ記録されているが、損券収納庫に関しては、金種を問わないため、各金種の紙幣が混在しているが、一時保留されている枚数、損券収納庫に収納されている枚数は金種別に記憶される。そして、これらの枚数は識別部103、213での識別結果とセンサでの検出結果に基づいて随時更新される。なお、本発明においては、後述するように、一時保留部の枚数管理が重要となる。ただし、直接外部より紙幣の挿入、引出しがされるような運用の場合には管理ができないこととなる。
【0039】
図4に戻ると、入出金ユニット100においてはインタフェース21に接続されたCPU22、ROM23、RAM24によって、操作部25、搬送部26、表示部27、ゲート切換部28、識別部103,213、表裏反転部104、収納繰出部201〜212、ニアエンド検知部214、エンプティ検知部215、紙幣検出部29で確認しながら制御するようにしており、また、結束収納ユニット200および札束出金ユニット300ではインタフェース31に接続されたCPU32、ROM33、RAM34によって、搬送部35、ゲート切換部36、整体部107、結束部108、束収納繰出部250,301、束搬送部109,302,303を束検出部311で確認しながら制御するようにしている。また、札束出金ユニット中の整体部扉のロック機構130および131もCPU32により制御され、整体部内部の紙幣取り出しの必要が生じたときはロックが解除される。
【0040】
なお、入出金ユニット100において紙幣検出部29は複数の紙幣収納繰出部のニアエンド検知部214およびエンプティ検知部215を除いた紙幣検出センサの集合体として表わしたものである。また、ニアエンドとして検知する位置は、前述したように流通券で100枚より若干多い枚数、例えば120枚に相当する高さ位置として設定されている。
【0041】
図6および図7は以上説明した実施の形態における特徴的な処理を示すフローチャートである。
【0042】
図6は結束処理の概要を示すフローチャートである。
【0043】
結束指示待ちの状態で(ステップS101)結束指示が与えられると、まず万円券がその収納庫204内でエンプティ状態になっているかどうかがセンサDT2の出力に基づいて確認される(ステップS102)。、エンプティでなければ万円券の結束処理のサブルーチンが実行される(ステップS110)。
【0044】
万円券がエンプティであるとき、および万円券の結束処理で万円券用収納庫がエンプティ状態になったときには、千円券がその収納庫205内でエンプティになっているかどうかセンサDT4の出力に基づいて確認され(ステップS121)、エンプティでなければ千円券の結束処理サブルーチンが実行される(ステップS130)。
【0045】
千円券もエンプティであるとき、および千円券の結束処理サブルーチン実行後は、五千円券がその収納庫206内でエンプティ状態になっているかどうかがセンサDT6の出力に基づいて確認され(ステップS141)、エンプティでなければ五千円券の結束処理が行われる(ステップS150)。
【0046】
五千円券もエンプティであるとき、および五千円券の結束処理サブルーチン実行後は、各一時保留部201,202,203,207に紙幣が残っているかどうかを確認し(ステップS161)、いずれかに残留紙幣がある場合には、一時保留部の扉を開放し(ステップS162)、紙幣が抜き取られたことを確認して(ステップS163)、処理を終了する。
【0047】
図7は図6の結束処理サブルーチンS110、S130、S150の処理内容を示すフローチャートであり、ここでは万円券の場合を代表して述べるが、他の金種でも全く同じ処理が行われる。
【0048】
まず、ニアエンド検知器DT1の出力をニアエンド検知部214により認識した結果、収納庫がニアエンド状態になっているときは(ステップS11)、紙幣を繰り出し(ステップS12)、一時保留部に繰り出した紙幣を搬送する(ステップS13)。この搬送枚数は出金識別部213により計数され、一時保留部の現在枚数に加算される(ステップS14)。この一時保留部の枚数はXを100の位、Yを10の位、Xを1の位としてXYZとして表現される。
【0049】
Xが0、すなわち100枚未満であることが確認されれば(ステップS15)終了する。
【0050】
一方、収納庫がニアエンドになっておらず、結束を行うのに十分な紙幣量があるときには(ステップS11)、紙幣の繰り出しが行われ(ステップS21)、結束部へ100枚搬送して(ステップS22)、結束が行われる(ステップS23)。
【0051】
なお、紙幣の繰出し中にニアエンドが検知されることがあるが、一旦繰出しが行われた以上、少くとも繰出し動作前はニアエンドとなっておらず、結束に十分な紙幣があったことは明らかであるのでそのまま所定枚数の搬送は続けられ、結束後ステップ11に戻る。
【0052】
また、収納庫がニアエンドとなっている場合で一時保留部の枚数のXが1以上、すなわち100枚以上あるときには(ステップS15)、セパレータ(図示せず)を移動させて一時保留部から収納庫へ紙幣を移動させ(ステップS31)、収納庫から紙幣を繰り出して(ステップS32)、結束部へ100枚搬送して(ステップS22)、結束が行われる(ステップS23)。この結束処理は残枚数が100枚以下となるまで繰り返される。
【0053】
このようなサブルーチンの処理が終了した時点では、一時保留部には必ず100枚未満の紙幣が残存していることになる。したがって、結束部に端数紙幣が残存することはなく、また必要に応じて一時保留部から端数紙幣を取り出すことが可能となる。
【0054】
以上の実施の形態では、取り扱う金種は3種類で、損券用と合わせて4個の収納庫を備えるようにしているが、これに限る必要はなく、4金種以上を取扱い可能にするため、収納庫の数を増加させることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、残量検知手段で紙幣収納部内の紙幣残量が結束に対して余裕のある枚数残っていることを検知し、あるいは紙幣収納部繰出部たが残量少となったときは残存紙幣をすべて一時保留部へ搬送させて一時保留部の保留枚数が所定枚数以上であるときは再度紙幣収納繰出部に移動させた上で結束動作を行わせているので、結束動作終了後には残留紙幣量は必ず結束単位枚数以下となり、効率的な資金活用を行うことができる。
【0056】
また、結束部には結束単位枚数のみが送られることになり、結束部から端数紙幣の取り出しが必要になることはなく、オペレータの介在が不要となる。
い。
【0057】
さらに、紙幣収納繰出部に収納されている紙幣を最大限結束して取り出すことができるため、回収効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる紙幣回収処理装置の実施の一形態における全体の概略構成図。
【図2】結束収納ユニットの内部構造を示す図。
【図3】札束出金ユニットの内部構造を示す図。
【図4】本発明にかかる紙幣入出金処理機のシステム全体の制御系統を示すブロック図。
【図5】損券収納庫中の各金種の枚数の管理を行うメモリテーブルを示す図。
【図6】本実施の形態における処理の概要を示すフローチャート。
【図7】図6における各金種の結束処理サブルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 制御部
2 記憶部
22,32 CPU
100 入出金ユニット
101 入金繰出し部
103 入金識別部
104 表裏取揃部
105 リジェクト部
106 出金リジェクトボックス
107、107a、107b 整体部
108 結束部
109,110,111,302 束搬送部
121,122 羽根車
128,129 扉
130,131ロック機構
150 出金一時保留部
151 出金口
200 結束収納ユニット
201〜203,207 一時保留部
204〜206 固定収納庫
208 損券用収納庫
209〜212 出金繰出部
213 出金識別部
250 束収納庫
300 札束出金ユニット
301 束放出庫
304 束出金口
311 満杯検知センサ
DT1,DT3,DT5,DT7 ニアエンド検知器
DT2,DT4,DT6,DT8 エンプティ検知器

Claims (2)

  1. 正券と判定された取扱い金種の紙幣を金種別に収納するとともに1枚ずつ繰り出す正券紙幣収納繰出部を少なくとも有する紙幣収納繰出部と、
    前記正券紙幣収納繰出部にそれぞれ対応して設けられ、外部からの保留紙幣取り出し可能に形成された一時保留部と、
    前記紙幣収納繰出部から繰り出された紙幣の金種判定を行い、その枚数を計数する計数手段と、
    前記計数手段で金種判定された特定金種の紙幣を所定の結束単位枚数集積し、この紙幣を結束して帯封する結束部と、
    前記紙幣収納繰出部の各々に設けられ、紙幣繰出し動作開始前に当該紙幣収納繰出部内の紙幣残量が所定枚数よりも少なくなっていることを検知する残量少検知部と、
    前記残量少検知部が残量少の不検知状態であるときには前記紙幣収納繰出部から前記結束単位枚数の紙幣を繰り出して前記結束部へ搬送して結束させ、再度前記残量少検知部が残量少の不検知状態であれば前記紙幣の繰出し、結束および残量少検知をくり返し、前記残量少検知部が残量少を検知した場合には、次の搬送時には紙幣収納繰出部内の残存紙幣をすべて一時保留部へ搬送させ、前記計数手段で計数した、前記一時保留部に保留されている枚数が所定枚数以上であれば、該一時保留部の紙幣を前記紙幣収納繰出手段に移動させ、前記結束単位枚数を前記結束部へ搬送して結束帯封するように制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする紙幣回収処理装置。
  2. 前記残量少検知部で検知する前記所定枚数は、前記結束単位枚数より十分に多い枚数であることを特徴とする請求項1に記載の紙幣回収処理装置。
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