以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.紙幣整理装置の構成]
図1に外観を示すように、第1の実施の形態による紙幣整理装置1は、全体として直方体状に構成されており、筐体2の内部に種々の部品が配置されている。この紙幣整理装置1は、例えば金融機関の店舗内において、主に一般の顧客が出入りできず職員のみが立入可能な区画に設置されている。
以下では、使用者(すなわち金融機関の職員等、操作者とも呼ぶ)が対峙する正面へ向かう方向を前方向と定義し、その反対を後方向と定義して、さらに当該使用者から見た場合の左右方向及び上下方向をそれぞれ定義して説明する。
筐体2の前面には、図1に示したように、上側から下側に向けて、紙幣取込部11、前面扉12及び束放出口13が順次配置されている。また筐体2の上面には、前側から後側へ向けて、リジェクトポケット14、オープンポケット15及び16、並びに表示操作部5が配置され、さらにそれらの右側に操作ボタン6が配置されている。さらに筐体2の右側面には、前後方向の中央寄りの後側において、やや上側に一時集積扉17が設けられ、該一時集積扉17の下側に収納扉18が設けられている。
また筐体2の内部には、図2に模式的な構成図を示すように、制御部3、搬送部21、鑑別部22、表裏反転部23、指定紙幣集積部24、移送部25、施封部26及び指定外紙幣収納部30が設けられている。
制御部3は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を有しており、またフラッシュメモリ等の記憶部(図示せず)と接続されている。この制御部3は、CPUによりROMやフラッシュメモリから所定のプログラムを読み出し、RAMをワークエリアとして使用しながら実行することにより、全体を統括的に制御する他、紙幣の計数処理や施封処理等の各種処理を行う。
表示部としての表示操作部5は、情報を表示する表示機能と、使用者の操作指示を受け付ける操作受付機能とを有しており、例えば液晶パネルのような表示パネルとタッチセンサとが一体化されたタッチパネルとなっている。この表示操作部5は、制御部3の制御に基づき、種々の情報を表示すると共に、使用者の操作指示を受け付けて該制御部3に通知する。操作ボタン6は、表示操作部5と同様の操作受付機能を有しており、使用者の操作指示を受け付けて該制御部3に通知する。
紙幣取込部11は、紙面を概ね上下方向に向けて集積された紙幣を載置させるステージや、当該紙幣の上側を押さえる押付部、及び載置された紙幣を1枚ずつに分離しながら取り込む分離取込部等を有している。この紙幣取込部11は、使用者により紙幣が載置された状態で、表示操作部5において所定の開始操作がなされると、載置された紙幣を下側から1枚ずつ分離して内部へ取り込み、後方の搬送部21に引き渡す。
搬送部21は、搬送ベルト、ローラ及び紙幣ガイド等(何れも図示せず)の組み合わせにより各部の間を結ぶ搬送路を形成すると共に、紙幣の搬送方向を切り替える切替器を有しており、制御部3の制御に基づき、この搬送路に沿って紙幣を各部へ搬送する。
搬送部21は、紙幣取込部11から紙幣を受け取ると、これを鑑別部22へ搬送する。鑑別部22は、その内部で紙幣を搬送しながら当該紙幣の新旧、金種、真偽、表裏及び損傷の程度等を鑑別し、その鑑別結果を制御部3へ通知する。
制御部3は、鑑別部22から得られた鑑別結果を基に当該紙幣の券種(すなわち新旧、金種、真偽及び損傷の程度等の相違による紙幣の種類)を特定する。また制御部3は、当該紙幣が、使用者により予め指定された券種である指定券種に該当するか否かについても判定する。そのうえで制御部3は、当該紙幣の券種に基づいて搬送先を決定すると共に、当該紙幣の枚数を券種ごとに計数する。具体的に制御部3は、券種を特定できなかった紙幣や搬送異常を検出したことにより異常と判別した紙幣(以下これをリジェクト紙幣と呼ぶ)の搬送先をリジェクトポケット14に設定する。また制御部3は、券種を特定できた紙幣のうち、予め使用者に指定された指定券種のもの(以下この紙幣を指定紙幣と呼ぶ)の搬送先を指定紙幣集積部24とする。さらに制御部3は、券種を特定できた紙幣のうち、指定券種以外のもの(以下これを指定外券種と呼び、その紙幣を指定外紙幣と呼ぶ)の搬送先を指定外紙幣収納部30とする。
制御部3は、鑑別部22においてリジェクト紙幣と鑑別され、搬送先をリジェクトポケット14に設定した紙幣を、搬送部21により該リジェクトポケット14へ搬送させる。リジェクトポケット14(図1)は、筐体2における紙幣取込部11の上方に一部を露出させるように配置されており、紙幣を集積させるための集積空間を形成する集積部や該集積空間へ紙幣を放出する放出部、及び該集積空間を開閉する蓋体等を有している。このリジェクトポケット14は、搬送部21により搬送されてきたリジェクト紙幣を集積空間内へ放出して集積し、後に使用者に取り出させる。
因みにオープンポケット15及び16は、リジェクトポケット14と概ね同様に構成されており、搬送部21により搬送されてきた紙幣を集積空間内に集積し、使用者に取り出させる。
また制御部3は、鑑別部22において指定券種と鑑別され、搬送先を一時集積部24Aに設定した紙幣を、搬送部21により表裏反転部23へ搬送する。表裏反転部23は、鑑別部22における判別結果が「表」又は「裏」のいずれか一方であった指定紙幣の表裏を反転させることにより、全ての指定紙幣の表裏を揃えながら、搬送部21により指定紙幣集積部24へ搬送させる。
指定紙幣集積部24は、例えば5個の一時集積部24Aを有している。各一時集積部24Aは、それぞれ紙幣を所定枚数(例えば100枚)まで集積し得るようになっている。また各一時集積部24Aは、使用者によりそれぞれ集積対象とする紙幣の券種が指定される。このため指定紙幣集積部24は、制御部3の制御に基づき、指定紙幣を、それぞれ指定された一時集積部24Aに振り分けながら集積させていく。このとき制御部3は、各一時集積部24Aに集積している指定紙幣の枚数をそれぞれ計数している。因みに紙幣整理装置1では、使用者により筐体2の前面扉12(図1)が開放された場合、各一時集積部24Aに集積されている指定紙幣を外部へ取り出させることができる。
移送部25は、集積された束状の指定紙幣を把持する把持部と、この把持部を上下方向へ移動させる移動部とを有している。この移送部25は、何れかの一時集積部24Aにおいて集積された指定紙幣が所定の枚数(例えば100枚)になると、制御部3の制御に基づき、当該指定紙幣を一時集積部24Aから施封部26へ移送する。
施封部26は、集積された束状の指定紙幣の周囲を周回するように紙等のテープを巻き付けて切断及び溶着することにより施封して施封束(紙幣束とも呼ばれる)とし、この施封束を束放出口13から筐体2の前方へ放出する。因みに筐体2の前方には、使用者により所定のトレイ(図示せず)が予め設置されている。このため束放出口13から放出された施封束は、このトレイ内に収納される。
一方、制御部3は、鑑別部22において指定外券種と鑑別された紙幣、すなわち指定外紙幣を、搬送部21により指定外紙幣収納部30へ搬送する。指定外紙幣収納部30には、上側の指定外紙幣一時集積庫31、下側の指定外紙幣収納庫32、両者を仕切る仕切板33、及び該仕切板33を駆動する駆動部34が設けられている。
指定外紙幣一時集積庫31は、内部に指定外紙幣を集積する一時集積空間31S、搬送部21から搬送されてきた指定外紙幣を当該一時集積空間31S内へ放出する放出部31R等を有している。また一時集積空間31Sの右側面は、前側の回動軸(図示せず)を介して筐体2に取り付けられた一時集積扉17(図1)となっており、使用者により自在に開閉し得るようになっている。因みに一時集積空間31Sに集積可能な最大の枚数(例えば200枚)は、過去に1回の取引において発生した指定該紙幣の最大枚数を基に定められている。
一方、指定外紙幣収納庫32は、コイルばねでなるスプリング32G及び板状の載置板32Bを有しており、該載置板32Bの上側に紙幣を収納するための収納空間32Sが形成されている。スプリング32Gは、下端が指定外紙幣収納庫32の内側面における底部に固定され、上端が載置板32Bの下面に取り付けられている。このスプリング32Gは、載置板32B上に紙幣が載置された場合、当該紙幣の重量に応じて圧縮され、該載置板32Bを上下方向へ移動させる。このときスプリング32Gは、載置板32B上に載置された紙幣、すなわち収納空間32S内に収納された指定外紙幣における最上面の位置を概ね一定に保つよう、ばね定数等が適切に選定されている。
また指定外紙幣収納庫32の内部には、収納空間32Sに紙幣が収納されていない空の状態であることを検出するエンプティセンサが設けられている。このエンプティセンサは、指定外紙幣収納庫32が空の状態であるか否かを検知し、得られた検知結果を制御部3に通知する。
さらに収納空間32Sの右側面は、前側を回動軸とした収納扉18(図1)となっている。収納扉18には、所定の鍵により施錠及び解錠が可能な錠18Lが設けられている。このため指定外紙幣収納庫32は、収納扉18が閉塞され且つ錠18Lが施錠された状態であれば、収納扉18を閉塞した状態を維持し、使用者により該収納扉18が開放されて指定外紙幣が取り出されることを制限する。また指定外紙幣収納庫32は、錠18Lが解錠された状態であれば、使用者に収納扉18を開閉させることができる。
仕切板33は、板状に構成されており、指定外紙幣収納部30の前内側面における指定外紙幣一時集積庫31及び指定外紙幣収納庫32の境界部分に対し、駆動部34を介して取り付けられている。駆動部34は、制御部3の制御に基づいて仕切板33を前後方向に沿って移動(スライド)させることにより、図2に示したように後側に位置して指定外紙幣一時集積庫31及び指定外紙幣収納庫32を仕切る仕切状態(実線で示す)と、この仕切状態よりも前側に位置して両者を連通させた連通状態(破線で示す)とに遷移させることができる。
このため仕切板33は、後側に位置する仕切状態の場合、その上面を指定外紙幣一時集積庫31における一時集積空間31Sの底面とし、搬送部21により搬送されてきた紙幣を載置させ、集積させることができる。換言すれば、仕切板33は、この仕切状態において、上側の一時集積空間31Sと下側の収納空間32Sとを仕切っている。
また仕切板33は、仕切状態から前方へ移動して連通状態に遷移した場合、一時集積空間31S及び該収納空間32Sを連通させる。このとき仕切板33は、一時集積空間31S内に集積されている紙幣があれば、当該紙幣を下方へ落下させ、収納空間32S内に収納させることができる。
このように仕切板33及び駆動部34は、仕切板33を前後方向へ移動させることにより、指定外紙幣を指定外紙幣一時集積庫31から指定外紙幣収納庫32へ移動させることができる。説明の都合上、以下では、仕切板33及び駆動部34をまとめて指定外紙幣移動部とも呼ぶ。
[1−2.紙幣整理処理]
次に、紙幣整理装置1における紙幣整理処理や取引の概念、及び指定外紙幣管理処理について説明する。
[1−2−1.紙幣整理処理における取引の切替]
紙幣整理装置1では、取引という単位で紙幣整理処理を行っている。例えば、紙幣整理装置1が設置されている金融機関において、複数の店舗から売上金として多数の紙幣を回収してきた場合、店舗毎に紙幣の枚数や金額等を集計する必要がある。そこで紙幣整理装置1では、1の店舗から回収してきたひとまとまりの紙幣に対して紙幣整理処理を行うことを1つの取引として、各取引の紙幣を区別しながら、複数の取引を順次行うようになっている。換言すれば、紙幣整理装置1では、使用者により、予め取引ごとに区分された紙幣を対象として紙幣整理処理が行われ、この取引ごとに紙幣が管理される。
例えば紙幣整理装置1の制御部3は、ある取引において、使用者から表示操作部5を介して紙幣整理処理の開始指示を受け付けると、紙幣整理処理を開始する。このとき制御部3は、例えば図3に示すような券種指定画面D1を表示操作部5に表示する。
券種指定画面D1には、旧券や現行券を指定する新旧指定欄C1A、正券や損券を指定する区部指定欄C1B及び金種を指定する金種指定欄C1C、並びに5箇所の一時集積部24A(図2)それぞれに指定されている券種の内容を表示する券種指定欄E1等が設けられている。この券種指定欄E1には、指定されている券種の内容を破棄するクリアボタンや、指定されている券種の内容を登録しておき、後から読み出すための短縮登録ボタン等も設けられている。
制御部3は、この券種指定画面D1を介して、使用者に対し、指定紙幣集積部24(図2)の一時集積部24Aごとに、新旧、正損及び金種をそれぞれ指定させる。すなわち、ここで指定された5種類の券種が指定券種となり、それ以外の券種が指定外券種となる。
その後、紙幣整理装置1は、紙幣取込部11に載置された紙幣を1枚ずつ取り込んで鑑別部22において鑑別し、得られた鑑別結果に応じて、制御部3により券種を特定した上で、搬送先を指定紙幣集積部24、指定外紙幣収納部30又はリジェクトポケット14に決定し、搬送部21によりそれぞれ搬送する。
これにより紙幣整理装置1は、指定紙幣を指定紙幣集積部24へ搬送して券種ごとに一時集積部24Aに集積し、所定枚数ごとに施封部26において施封する。また紙幣整理装置1は、指定外紙幣を指定外紙幣収納部30へ搬送して指定外紙幣一時集積庫31に集積させると共に、リジェクト紙幣をリジェクトポケット14へ搬送して集積させる。
やがて紙幣整理装置1では、紙幣取込部11に載置された全ての紙幣を取り込み終え、1つの取引を終了すると、使用者により取引を切り替えるための取引切替作業が行われる。この取引切替作業では、束放出口13から放出された施封束が全て回収され、一時集積部24Aに集積されている券種毎の指定紙幣が全て回収され、さらにリジェクトポケット14に集積されていたリジェクト紙幣も全て回収される。
[1−2−2.指定外紙幣管理処理]
ところで紙幣整理装置1は、紙幣整理処理と並行して、指定外紙幣収納部30の指定外紙幣を管理する指定外紙幣管理処理を行うようになっている。具体的に制御部3は、最初の取引において紙幣整理処理を開始すると、これと並行して図4に示す指定外紙幣管理処理手順RT1を開始し、ステップSP1に移る。
ステップSP1において制御部3は、鑑別部22において1枚の紙幣に対して鑑別処理が行われる度に、指定外紙幣が発生したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは指定外紙幣収納部30に新たな紙幣を収納させる必要が無いことを表している。このとき制御部3は、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2において制御部3は、取引を終了したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは現在の取引を継続する必要があることを表している。このとき制御部3は、再度ステップSP1に戻って一連の処理を繰り返す。
一方、ステップSP2において肯定結果が得られると、このことは取引が終了したために、指定外紙幣一時集積庫31に集積されている指定外紙幣を指定外紙幣収納庫32へ移動させる必要があることを表している。このとき制御部3は、次のステップSP3に移る。
ステップSP3において制御部3は、指定外紙幣収納部30の駆動部34により仕切板33を仕切状態から一時的に前方へ移動させて連通状態に遷移させ、次に後方へ移動させて元の仕切状態に戻す。これにより指定外紙幣収納部30は、指定外紙幣一時集積庫31に集積されていた指定外紙幣を指定外紙幣収納庫32へ落下(すなわち移動)させて収納させると共に、該指定外紙幣一時集積庫31を空の状態とする。その後、制御部3は、再度ステップSP1に戻り、次の取引においても一連の処理を繰り返す。
因みに紙幣整理装置1では、これと共に上述した取引切替作業が行われる。すなわち紙幣整理装置1では、束放出口13から放出された施封束が全て回収され、一時集積部24Aに集積されている券種毎の指定紙幣が全て回収され、さらにリジェクトポケット14に集積されていたリジェクト紙幣も全て回収される。ただし指定外紙幣収納庫32には、過去の取引における指定外紙幣が収納されたままとなる。
一方、ステップSP1において肯定結果が得られると、このことは発生した指定外紙幣を指定外紙幣収納部30へ搬送する必要があり、該指定外紙幣収納部30に新たな指定外紙幣を収納し得るか否かを確認する必要があることを表している。このとき制御部3は、次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において制御部3は、取引後収納枚数を算出する。制御部3は、指定外紙幣一時集積庫31に集積されている指定外紙幣の枚数、及び指定外紙幣収納庫32に収納されている指定外紙幣の枚数の何れについても、紙幣整理処理での集計により把握している。そこで制御部3は、指定外紙幣一時集積庫31に集積されている指定外紙幣の枚数と、指定外紙幣収納庫32に収納されている指定外紙幣の枚数とを加算することにより、取引後収納枚数を算出し、次のステップSP5に移る。
この取引後収納枚数は、現在の取引が終了した際に、指定外紙幣一時集積庫31に集積されている指定外紙幣を、仕切板33の移動によって指定外紙幣収納庫32へ落下させた場合(ステップSP3)、該指定外紙幣収納庫32に収納されることになる指定外紙幣の合計枚数を表している。
ステップSP5において制御部3は、ステップSP4において算出した取引後収納枚数が、指定外紙幣収納庫32に収納可能な指定外紙幣の最大枚数である最大収納枚数(例えば2000枚)以上であるか否かを判定する。因みに最大収納枚数の値は、制御部3に接続された記憶部に予め記憶されている。
ここで否定結果が得られると、このことは次に指定外紙幣が発生して指定外紙幣一時集積庫31に集積された場合、現在の取引が終了した時点で指定外紙幣収納庫32へ落下されたとしても、当該指定外紙幣を該指定外紙幣収納庫32に全て収納し得ることを表している。このとき制御部3は、ステップSP1に戻ることにより、紙幣整理処理を継続させる。
一方、ステップSP5において肯定結果が得られると、このことは次に指定外紙幣が発生して指定外紙幣一時集積庫31に集積された場合、現在の取引が終了した時点で指定外紙幣収納庫32へ落下された際に、当該指定外紙幣を該指定外紙幣収納庫32に全て収納し得ないことを表している。このとき制御部3は、次のステップSP6に移る。
ステップSP6において制御部3は、紙幣整理処理を一時停止させることにより、紙幣取込部11から新たな紙幣を取り込む処理や当該紙幣を鑑別部22において鑑別させる処理を一時停止させ、次のステップSP7に移る。
ステップSP7において制御部3は、図5に示す回収誘導画面D2を表示操作部5に表示させ、次のステップSP8に移る。この回収誘導画面D2は、現在の取引が終了した時点で指定外紙幣収納庫32に収納される指定外紙幣の枚数が最大収納枚数に達したことを通知すると共に、収納扉18を開放して該指定外紙幣収納庫32に集積されている指定外紙幣を回収するよう誘導する説明が表示されている。
ステップSP8において制御部3は、指定外紙幣収納庫32から指定外紙幣を回収する作業が完了したか否かを判定する。具体的に制御部3は、指定外紙幣収納庫32のエンプティセンサから得られる検知結果を基に、該指定外紙幣収納庫32の内部が空の状態となったか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、制御部3はこのステップSP8を繰り返すことにより、指定外紙幣収納庫32から全ての指定外紙幣が回収されるのを待ち受ける。
一方、ステップSP8において肯定結果が得られると、このことは指定外紙幣収納庫32の内部が空の状態となったことを表している。すなわちこのことは、紙幣整理処理において新たに指定外紙幣が発生し指定外紙幣一時集積庫31に集積したとしても、取引の終了後に該指定外紙幣一時集積庫31内の指定外紙幣を落下させた際に、指定外紙幣収納庫32に全て収納し得ることを表している。このとき制御部3は、次のステップSP9に移る。
ステップSP9において制御部3は、ステップSP6において一時停止していた紙幣整理処理を再開させた後、再びステップSP1に戻って一連の処理を繰り返す。
[1−3.効果等]
以上の構成において、第1の実施の形態による紙幣整理装置1(図2)は、指定外紙幣収納部30を設け、鑑別部22において指定外紙幣と鑑別された場合、該指定外紙幣を指定外紙幣収納部30へ搬送して収納し、各取引が終了した際に該指定外紙幣を収納したままとし、回収させないようにした(図4)。
これにより紙幣整理装置1は、使用者に対し、取引が終了する度に指定外紙幣を回収させる必要が無いため、回収した指定外紙幣を他の紙幣と混在させて紙幣整理処理を再実行することや、該指定外紙幣を紛失することのような問題の発生を未然に防止できる。
また指定外紙幣収納部30(図2)は、現在の取引における指定外紙幣を指定外紙幣一時集積庫31に集積し、過去の取引における指定外紙幣を指定外紙幣収納庫32に収納するようにした。このため紙幣整理装置1は、現在の取引における指定外紙幣を過去の他の取引における指定外紙幣と完全に分離できる。これにより紙幣整理装置1では、例えば紙幣整理処理の途中で使用者が券種の誤指定に気付き、当該取引の全ての紙幣を回収して紙幣整理処理をやり直す場合に、指定外紙幣を他の取引の紙幣と混在させずに回収させることができる。
これに加えて指定外紙幣収納部30(図1及び図2)は、指定外紙幣一時集積庫31の一時集積空間31Sを開閉する一時集積扉17を設け、且つ該一時集積扉17に錠を設けず自由に開閉できるようにした。これにより紙幣整理装置1は、現在の取引における指定外紙幣を回収する必要が生じた際に、容易に取り出させることができる。
その一方で指定外紙幣収納部30(図1及び図2)は、指定外紙幣収納庫32の収納空間32Sを開閉する収納扉18を設け、且つ該収納扉18に錠18Lを設けて、所定の鍵により該錠18Lを解錠した場合にのみ、該収納扉18を開閉できるようにした。これにより紙幣整理装置1は、現在の取引における指定外紙幣を指定外紙幣一時集積庫31から回収する必要が生じた際に、指定外紙幣収納庫32に収納されている過去の取引における指定外紙幣が誤って取り出されることを抑止でき、現在の取引の各紙幣と混在させることを未然に防止できる。また紙幣整理装置1は、収納扉18を開放させるために錠18Lを解錠させる必要があるため、使用者に対し、不用意に収納扉18を開放させて過去の取引における指定外紙幣を他の紙幣と混在させることを未然に防止できる。
これを他の観点から見れば、指定外紙幣収納部30(図1及び図2)は、開閉可能な扉が2個隣接配置されているところ、一時集積扉17に錠を設けず常時開閉可能とする一方、収納扉18に錠18Lを設けて必要な場合にのみ所定の鍵を用いて開閉させるようにした。これにより紙幣整理装置1では、他の取引の紙幣との混在を極力排除すべき指定外紙幣を指定外紙幣収納庫32から取り出す際に、使用者に対し、所定の鍵を用いて錠18Lを解錠させた上で収納扉18を開放させることで、注意が必要な状態であることを効果的に意識させることができる。
さらに指定外紙幣収納部30(図2)は、1つの取引が終了する度に、駆動部34により仕切板33を一時的に前方向へ移動させて指定外紙幣一時集積庫31に集積されている指定外紙幣を落下させ、指定外紙幣収納庫32に収納させるようにした。これにより紙幣整理装置1は、使用者に手作業で指定外紙幣一時集積庫31の指定外紙幣を指定外紙幣収納庫32へ移動させる場合に生じ得る、該指定外紙幣を移動し忘れて次の取引における指定外紙幣を直前の取引における指定外紙幣と混在させてしまう、といった問題の発生を未然に防止できる。
他の観点から見れば、指定外紙幣収納部30は、上側に配置された指定外紙幣一時集積庫31において、仕切板33の上面に指定外紙幣を集積させておき、当該仕切板33の移動により当該指定外紙幣をまとめて下側の指定外紙幣収納庫32へ落下させるようにした。このため紙幣整理装置1では、例えば指定外紙幣一時集積庫31内の指定外紙幣を紙幣取込部11と同様の機構により1枚ずつ分離して搬送し、指定外紙幣収納庫32内へ放出して収納させる場合と比較して、指定外紙幣の移動に要する時間を格段に短縮でき、また必要な機構を大幅に簡素化できる。
さらに紙幣整理装置1は、指定外紙幣管理処理手順RT1(図4)において、取引後収納枚数が最大収納枚数以上となる場合、取引中に紙幣整理処理を一時停止し、回収誘導画面D2(図5)を表示して指定外紙幣収納庫32内の紙幣を使用者に回収させるようにした。このため紙幣整理装置1は、取引の終了後に指定外紙幣一時集積庫31内の指定外紙幣を指定外紙幣収納庫32へ落下させる際に、指定外紙幣が該指定外紙幣収納庫32に入りきらないことや、仕切板33が該指定外紙幣に当接して元の状態に戻らなくなることを未然に防止できる。
これを他の観点から見れば、紙幣整理装置1は、複数の取引(すなわち紙幣整理処理)を連続して行う際に、指定外紙幣収納庫32内に指定外紙幣を収納しきれなくなる度に、当該指定外紙幣を回収させるようにした。これにより紙幣整理装置1では、使用者に対し、指定外紙幣を取引毎に回収させる必要が無く、指定外紙幣を他の紙幣と混在させる恐れがある機会を大幅に削減できるので、より安全に運用させることができる。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による紙幣整理装置1は、鑑別部22の鑑別結果に基づき、指定外紙幣を指定外紙幣収納部30へ搬送し、現在の取引における指定外紙幣を指定外紙幣一時集積庫31に集積し、過去の取引における指定外紙幣を指定外紙幣収納庫32に収納する。また指定外紙幣収納部30は、指定外紙幣一時集積庫31の一時集積扉17を自由に開閉させる一方、指定外紙幣収納庫32の収納扉18に錠18Lを設け、指定外紙幣の取出を解錠時のみに制限した。これにより紙幣整理装置1は、使用者に対し、指定外紙幣を回収させる手間を格段に削減でき、且つ指定外紙幣収納庫32内の指定外紙幣を他の紙幣と混在させる可能性を大幅に低減させることができる。
[2.第2の実施の形態]
[2−1.紙幣整理装置の構成]
第2の実施の形態による紙幣整理装置201(図1)は、図2と対応する図6に示すように、制御部3及び指定外紙幣収納部30に代わる制御部203及び指定外紙幣収納部230を有する点、及び指定外紙幣搬送部221を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
制御部203は、制御部3と同様、図示しないCPU、ROM及びRAM等を有しており、またフラッシュメモリ等の記憶部(図示せず)と接続されている。この制御部203は、制御部3と一部異なる処理を行うようになっている(詳しくは後述する)。
指定外紙幣収納部230は、第1の実施の形態による指定外紙幣収納部30と比較して、指定外紙幣一時集積庫31、仕切板33及び駆動部34が同様に構成される一方、指定外紙幣収納庫32と異なる構成の指定外紙幣収納庫232を有している。
指定外紙幣収納庫232は、載置板32Bに代わる載置板232Bを有しており、該載置板232Bよりも上側の空間を、紙幣を収納するための収納空間232Sとしている。この載置板232Bは、載置板駆動部232Mにより駆動され、制御部203の制御に従って上下方向へ移動することができる。
また指定外紙幣収納庫232の内部には、収納空間232Sに紙幣が収納されていない空の状態であることを検出するエンプティセンサや、載置板232B上に載置された紙幣の最上面が所定の高さ以上であるか否かを検知する最上面センサ等、複数のセンサが設けられている。これらのセンサは、それぞれ検知結果を制御部203に通知する。
制御部203は、各センサから得られる検知結果を基に、載置板駆動部232Mにより載置板232Bの位置(すなわち高さ)を制御し、その結果として載置板232B上に収納された指定外紙幣における最上面の高さを変化させ、収納空間232Sの大きさを調整する。これにより指定外紙幣収納庫232では、収納された指定外紙幣における最上面の高さを略一定に保ち、指定外紙幣一時集積庫31から新たに落下される指定外紙幣の姿勢を大きく乱すことなく、安定的に積み重ねることができる。また指定外紙幣収納庫232では、載置板駆動部232Mにより載置板232Bを上方向へ移動させた場合、該載置板232B上に載置されている指定外紙幣の最上面を仕切板33の下面に当接させることもできる。
ところで指定外紙幣収納庫232では、載置板232Bを最も下側へ移動させた際に、収納空間232Sが最大となり、最も多い枚数(すなわち最大収納枚数、例えば2000枚)の指定外紙幣を収納できる。また紙幣整理装置201では、1回の取引において発生する指定外紙幣の枚数を集計することにより、当該枚数の分布や、想定される最大発生枚数(例えば200枚)が判明している。
そこで制御部203は、最大収納枚数と、当該最大収納枚数から最大発生枚数を減算した枚数(以下これを回収閾値と呼ぶ)とを、予め記憶している。この回収閾値は、指定外紙幣収納庫232に収納している指定外紙幣の枚数が当該回収枚数に到達した場合、次回の取引において最大収納枚数を超える可能性があるため、この時点で当該指定外紙幣収納庫232から当該指定外紙幣を回収することが望ましい値を表している。説明の都合上、以下では、回収閾値を指定外紙幣枚数条件とも呼び、また収納枚数(指定外紙幣収納庫232に収納されている指定外紙幣の枚数)が該回収閾値以上となることを、「指定外紙幣枚数条件を満たす」とも表記する。
さらに指定外紙幣収納庫232の前側における上端近傍には、複数のローラを有する分離部232Rが設けられている。分離部232Rの前側には、指定外紙幣搬送部221が接続されている。さらに仕切板33の下側には、繰出ローラ232Eが設けられている。指定外紙幣収納庫232は、指定外紙幣を繰り出す場合、載置板駆動部232Mにより載置板232Bを上方へ移動及び付勢し、該載置板232B上の指定外紙幣を繰出ローラ232Eに押し付けた状態において、該繰出ローラ232E及び分離部232Rの各ローラを適宜回転させる。これにより指定外紙幣繰出部としての分離部232Rは、指定外紙幣を最上面側から1枚ずつに分離して前方へ繰り出し、前側の指定外紙幣搬送部221に順次引き渡すことができる。
指定外紙幣搬送部221は、後端が指定外紙幣収納庫232の分離部232Rに接続される一方、前端が鑑別部22に接続されている。この指定外紙幣搬送部221は、指定外紙幣収納庫232の分離部232Rから受け取った指定外紙幣を概ね前方向へ搬送し、鑑別部22に引き渡す。これにより鑑別部22は、指定外紙幣を鑑別(すなわち再鑑別)することができる。
[2−2.指定外紙幣管理処理]
次に、第2の実施の形態における指定外紙幣管理処理について説明する。制御部203は、紙幣整理処理を開始すると、図7に示す指定外紙幣管理処理手順RT2を開始し、ステップSP11に移る。
ステップSP11において制御部203は、取引を終了したか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、制御部203はこのステップSP11を繰り返すことにより、取引の終了を待ち受ける。一方、ステップSP11において肯定結果が得られると、このことは取引が終了したために、指定外紙幣一時集積庫31に集積されている指定外紙幣を指定外紙幣収納庫232へ移動させる必要があることを表している。このとき制御部203は、次のステップSP12に移る。
因みにこの場合、紙幣整理装置201では、当該取引が終了したことに伴い、使用者により取引切替作業が行われる。この取引切替作業では、第1の実施の形態と同様に、束放出口13から放出された施封束が全て回収され、一時集積部24Aに集積されている券種毎の指定紙幣が全て回収され、さらにリジェクトポケット14に集積されていたリジェクト紙幣も全て回収される。
ステップSP12において制御部203は、指定外紙幣収納部230の駆動部34により仕切板33を仕切状態から一時的に前方向へ移動させて連通状態に遷移させ、再び元の仕切状態に戻し、次のステップSP13に移る。これにより指定外紙幣収納部230は、指定外紙幣一時集積庫31に集積されていた指定外紙幣を指定外紙幣収納庫232へ落下させ移動させると共に、該指定外紙幣一時集積部31を空の状態とする。
ところで制御部203は、現在の取引において鑑別部22により指定外紙幣と鑑別された紙幣の枚数、すなわち指定外紙幣一時集積庫31に集積されていた指定外紙幣の枚数を集計している。また制御部203は、指定外紙幣収納庫232に収納されている指定外紙幣の枚数(以下これを収納枚数と呼ぶ)も記憶している。そこで制御部203は、仕切板33の移動に合わせて、指定外紙幣一時集積庫31に集積されていた指定外紙幣の枚数を、指定外紙幣収納庫232における直前の収納枚数に加算することにより、該収納枚数の値を更新する。
ステップSP13において制御部203は、ステップSP12において更新した収納枚数が回収閾値を超えたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは次回の取引が終了する際に指定外紙幣一時集積庫31に集積されている指定外紙幣を指定外紙幣収納庫232へ落下させたとしても、全て収納し得る可能性が高いことを表している。このとき制御部203は、指定外紙幣収納庫232内に収納されている指定外紙幣をそのままとし、再度ステップSP11に戻って一連の処理を繰り返す。
一方、ステップSP13において肯定結果が得られると、このことは次回の取引が終了する際に指定外紙幣一時集積庫31に集積されている指定外紙幣を指定外紙幣収納庫232へ落下させると、その全てを収納しきれずにあふれる可能性があることを表している。すなわちこのことは、現時点で指定外紙幣収納庫232内の指定外紙幣を回収する必要があることを意味している。このとき制御部203は、次のステップSP14に移る。
ステップSP14において制御部203は、図8に示す回収方法選択画面D3を表示操作部5に表示させる。この回収方法選択画面D3は、メッセージM3により、次回の取引が終了した時点で指定外紙幣収納庫232に収納される指定外紙幣の枚数が最大収納枚数を超える可能性があることを通知すると共に、該指定外紙幣収納庫232から指定外紙幣を回収する必要があることを説明している。これと共に回収方法選択画面D3は、メッセージM3により、自動回収処理及び手動回収作業の何れかを選択可能であることを説明すると共に、「自動回収処理」と表示されたボタンB3A又は「手動回収作業」と表示されたボタンB3Bを表示しており、使用者にその何れかを選択操作させる。制御部203は、使用者によりボタンB3A又はB3Bの何れかを選択する操作を受け付けると、次のステップSP15へ移る。
ステップSP15において制御部203は、使用者により自動回収処理が選択されたか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは指定外紙幣収納庫232に収納されている指定外紙幣を回収する自動回収処理を開始すべきことを表している。このとき制御部203は、次のステップSP16に移る。
ステップSP16において制御部203は、取引の開始時に設定された指定紙幣の券種設定を表す情報を記憶部内における所定箇所に複製することにより退避させ、次のステップSP17に移る。
ステップSP17において制御部203は、券種指定画面D1(図3)を表示操作部5に表示することにより、自動回収処理において指定紙幣集積部24の各一時集積部24Aにそれぞれ集積させる紙幣の券種を設定させ、次のステップSP18に移る。以下では、このとき設定された券種及びその紙幣を回収指定券種及び回収指定紙幣と呼ぶ。この場合、使用者は、指定外紙幣収納庫232に収納されている指定外紙幣に含まれている券種を回収指定券種としてそれぞれ指定する。
ステップSP18において制御部203は、自動回収処理を開始し、次のステップSP19に移る。この自動回収処理では、紙幣整理処理と概ね同様の処理を行うものの、紙幣取込部11に代えて指定外紙幣収納庫232から紙幣(すなわち指定外紙幣)を順次繰り出し、また鑑別部22において回収指定券種と鑑別された紙幣の搬送先を指定紙幣集積部24に設定するようになっている。
すなわち紙幣整理装置201は、指定外紙幣として指定外紙幣収納庫232に収納されていた紙幣を鑑別部22において鑑別し、回収指定紙幣として券種毎に振り分けながら、指定紙幣集積部24の一時集積部24Aへ搬送して集積させる。また紙幣整理装置201は、一時集積部24Aに所定枚数(例えば100枚)の回収指定紙幣が集積されると、この回収指定紙幣を施封部26へ移送して施封し、束放出口13から施封束として放出させる。
ステップSP19において制御部203は、自動回収処理を完了したか否か、具体的には指定外紙幣収納庫232のエンプティセンサから得られた検知結果を基に、収納されていた指定外紙幣を全て繰り出し終えたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは指定外紙幣収納庫232に指定外紙幣が残っており、自動回収処理が継続していることを表している。このとき制御部203は、このステップSP19を繰り返すことにより、自動回収処理の完了を待つ。
一方、ステップSP19において肯定結果が得られると、このことは自動回収処理を完了したため、次の取引処理を開始するための準備が必要であることを表している。このとき制御部203は、次のステップSP20に移る。因みに制御部203は、このとき自動回収処理を完了したことを表す所定の画面を表示操作部5に表示する。これに応じて紙幣整理装置201では、使用者により、通常の取引処理が終了した場合と同様に、作成された施封束、指定紙幣集積部24に残っている回収指定紙幣、及びリジェクトポケット14に集積されているリジェクト紙幣が全て取り出される。
ステップSP20において制御部203は、記憶部に退避させていた指定紙幣の券種設定を読み出して再度設定することにより、自動回収処理を開始する直前の状態に復元した後、再度ステップSP11に戻って一連の処理を繰り返す。
一方、ステップSP15において否定結果が得られると、このことは使用者により手動回収作業が選択されたことを表している。このとき制御部203は、次のステップSP21に移る。ステップSP21において制御部203は、所定の手動回収案内画面(図示せず)を表示操作部5に表示し、次のステップSP22に移る。
この手動回収案内画面は、回収誘導画面D2(図5)と類似した構成となっており、使用者に対し、収納扉18の錠18Lを解錠して該収納扉18を開放し、指定外紙幣収納庫232から指定外紙幣を取り出し、再び収納扉18を閉塞して錠18Lを施錠するように案内している。また手動回収案内画面は、通常の取引処理が終了した場合と同様に、作成された施封束、指定紙幣集積部24に残っている回収指定紙幣、及びリジェクトポケット14に集積されているリジェクト紙幣を全て取り出すようにも案内している。
ステップSP22において制御部203は、ステップSP19と同様、手動回収作業を完了したか否か、具体的には指定外紙幣収納庫232のエンプティセンサから得られた検知結果を基に、収納されていた指定外紙幣が全て取り出されたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは指定外紙幣収納庫232に指定外紙幣が残っており、使用者による手動回収作業が継続していることを表している。このとき制御部203は、このステップSP12を繰り返すことにより、手動回収作業の完了を待つ。
一方、ステップSP22において肯定結果が得られると、このことは使用者による手動回収作業が完了したため、次の取引処理を開始し得ることを表している。このとき制御部203は、再度ステップSP11に戻って一連の処理を繰り返す。
[2−3.効果等]
以上の構成において、第2の実施の形態による紙幣整理装置201(図6)は、指定外紙幣収納部230を設け、鑑別部22において指定外紙幣と鑑別された場合、該指定外紙幣を指定外紙幣収納部230へ搬送して収納する。その後、紙幣整理装置201は、取引が終了した時点で指定外紙幣収納庫232の収納枚数が回収閾値以上であり、且つ使用者に選択された場合に、自動回収処理を行う。
ところで第1の実施の形態による紙幣整理装置1では、仮に、指定外紙幣収納庫32から取り出した指定外紙幣について、紙幣整理処理を利用して券種毎に分類し、所定枚数毎に施封する場合、使用者に種々の作業を行わせる必要があった。
具体的に使用者は、指定外紙幣収納庫32から取り出した指定外紙幣を紙幣取込部11に運んでセットし、券種に関する設定を変更した上で、紙幣整理処理を再度行う必要があった。特に指定外紙幣収納庫32に最大収納枚数(例えば2000枚)又はこれに近い枚数の紙幣が収納されていた場合、使用者は、これらを複数回に分けて紙幣取込部11へ運び、セットする必要があった。さらに使用者は、指定外紙幣の紙幣整理処理が終了した場合、中断していた取引の再開又は次の取引の開始に際して、券種を再度設定する必要があった。
これに対し、第2の実施の形態による紙幣整理装置201は、指定外紙幣収納庫232に分離部232Rを設けると共に指定外紙幣搬送部221を設け、自動回収処理において、指定外紙幣収納庫232内の指定外紙幣を1枚ずつに分離して鑑別部22へ搬送するようにした。これにより紙幣整理装置201では、指定外紙幣を使用者に直接取り扱わせること無く、指定紙幣集積部24へ順次搬送して券種毎に一時集積部24Aに集積でき、さらに所定枚数毎に施封して施封束とすることができる。
この結果、紙幣整理装置201では、使用者の手を煩わせることなく、指定外紙幣収納庫232内において複数の券種が混在した状態から、券種毎に分類し、且つ枚数が多い券種については所定枚数毎に施封した状態とすることができる。これにより使用者は、自動回収処理の完了後に、束放出口13から放出された施封束、指定紙幣集積部24の各一時集積部24Aに残っている回収指定紙幣、及びリジェクトポケット14に集積されているリジェクト紙幣をそれぞれ回収するだけで、適切に分類された指定外紙幣を容易に得ることができる。
また、第1の実施の形態による紙幣整理装置1では、取引の途中で指定外紙幣収納庫32が最大収納枚数となり、収納されている指定外紙幣を使用者に取り出させる可能性があった。このとき使用者は、例えば、各部に集積されている取引中の各紙幣を全て取り出し、券種等に応じて振り分けられた状態を混在させることなく維持したまま保管し、当該指定外紙幣の紙幣整理処理を終了した後に、取引中であった各紙幣をそれぞれ元の箇所に戻す必要があった。また使用者は、指定外紙幣収納庫32から取り出した指定外紙幣を手作業で紙幣取込部11にセットし、さらに各一時集積部24Aに集積する券種の指定を変更して紙幣整理処理を行い、該紙幣整理処理の終了後に、券種の指定を元に戻す必要があった。
この点において、第2の実施の形態による紙幣整理装置201では、制御部203の制御に基づき、取引処理が終了して使用者により取引切替作業が行われるタイミングで、指定外紙幣収納庫232の収納枚数を回収閾値と比較し、使用者の選択に従って自動回収処理を行うようにした(図7)。これにより紙幣整理装置201では、直前の取引において束放出口13から放出された施封束、各一時集積部24Aに集積されていた券種毎の指定紙幣、及びリジェクトポケット14に集積されていたリジェクト紙幣が全て回収されているため、使用者にこれらを取り出す作業を改めて行わせる必要が無く、直ちに自動回収処理を開始できる。
さらに制御部203は、直前の取引処理における指定券種の設定内容を記憶部に退避させてから、自動回収処理を行い、該自動回収処理の完了後に、退避していた指定券種の設定内容を復元させるようにした(図7)。これにより紙幣整理装置201は、自動回収処理の完了後に、使用者に対して券種を再度指定させること無く、次の取引を直ちに開始することができる。
そのうえ制御部203は、指定外紙幣収納庫232の収納枚数が回収閾値以上となった場合、自動回収処理又は手動回収作業の何れかを使用者に選択させるようにした(図7及び図8)。このため紙幣整理装置201は、例えば指定外紙幣を券種毎に分ける必要が無い場合等に、使用者に指定外紙幣収納庫232から指定外紙幣を取り出させるだけで、極めて短い時間で回収させることができる。
その他の点においても、第2の実施の形態による紙幣整理装置201は、第1の実施の形態による紙幣整理装置1と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第2の実施の形態による紙幣整理装置201は、指定外紙幣を指定外紙幣収納部230へ搬送して収納し、取引が終了した時点で指定外紙幣収納庫232の収納枚数が回収閾値以上であり、且つ使用者に選択された場合に、自動回収処理を行う。紙幣整理装置201は、自動回収処理において、振り分ける券種を使用者に指定させた上で、指定外紙幣を指定外紙幣収納庫232から鑑別部22へ順次搬送して鑑別し、券種毎に一時集積部24Aに集積して所定枚数毎に施封束とする。これにより紙幣整理装置201は、使用者の手を煩わせることなく、券種毎に分類され、且つ所定枚数毎に施封束となった指定外紙幣を容易に回収させることができる。
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、指定外紙幣収納庫32を開閉させる収納扉18(図1)に、所定の鍵により施錠又は解錠が可能な錠18Lを設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば制御部3の制御に基づいて施錠又は解錠が可能な電子錠を収納扉18に設け、指定外紙幣収納庫32内の指定外紙幣を回収させる場合にのみ解錠するようにしても良い。或いは、例えば収納扉18の錠18Lを省略する一方、筐体2における仕切板33(図2)よりも下側部分を覆い且つ開閉可能な外扉を設け、当該外扉に所定の錠を設けても良い。この場合、外扉の錠を解錠して開放した場合にのみ、収納扉18を開放することが可能となる。要は、収納扉18を開放させるために使用者に対して何らかの作業を行わせることにより、過去の取引で発生した指定外紙幣を指定外紙幣収納庫32から誤って取り出し他の紙幣と混同させる可能性を低減できれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、指定外紙幣収納部30内を上下に2分割して指定外紙幣一時集積庫31及び指定外紙幣収納庫32を設ける場合について述べた(図2)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば指定外紙幣収納部30内に1個の指定外紙幣収納庫32のみを設けても良く、或いは指定外紙幣収納部30を3個以上に分割しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、指定外紙幣収納部30(図2)内に仕切板33を設け、駆動部34により該仕切板33を一時的に前方向へ移動させて仕切状態から連通状態に遷移させ、指定外紙幣一時集積庫31内の指定外紙幣を落下させ指定外紙幣収納庫32内へ移動させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば仕切板33の前端近傍を回動中心として回動させる等、所定の駆動部により仕切板33を仕切状態から他の状態へ遷移させることにより、指定外紙幣一時集積庫31内の指定外紙幣を落下させても良い。或いは、例えば指定外紙幣一時集積庫31に紙幣を1枚ずつに分離する分離部を設け、指定外紙幣収納庫32に紙幣を放出して集積させる放出部を設け、両者の間を所定の搬送部により接続し、これらを用いて紙幣を1枚ずつ搬送して移動させても良い。この場合、指定外紙幣一時集積庫31及び指定外紙幣収納庫32を互いに離れた位置に配置しても良い。若しくは、例えば駆動部34を省略して使用者の手作業により仕切板33を前後方向へ移動させるようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、指定外紙幣収納庫32にエンプティセンサを設け、指定外紙幣管理処理手順RT1(図4)のステップSP8において、該エンプティセンサの検知結果を基に、指定外紙幣の回収が完了したか否かを判定する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば回収誘導画面D2(図5)に回収完了ボタンを設け、使用者に回収作業を完了した段階で該回収完了ボタンを押下させ、これに応じて次の処理に進むようにしても良い。第2の実施の形態における指定外紙幣管理処理手順RT2(図7)のステップSP22についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、指定外紙幣収納庫32にスプリング32Gを設け、載置板32B上に載置された指定外紙幣における最上面の位置を概ね一定に保つ場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第2の実施の形態と同様に、指定外紙幣収納庫32内に種々のセンサを設けると共に載置板32Bを載置板駆動部により駆動しても良い。或いは、載置板32B及びスプリング32Gを省略し、指定外紙幣収納庫32の内側面における底部上に指定外紙幣を積み上げるようにして収納しても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、分離部232Rにより、載置板232B上の指定外紙幣を最上面側から1枚ずつに分離して前方へ繰り出し、指定外紙幣搬送部221に引き渡す場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば分離部232Rにより載置板232B上の指定外紙幣を最下面側から1枚ずつに分離して繰り出しても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、指定外紙幣収納部30(図1)を紙幣取込部11等の後側に配置し、一時集積扉17及び収納扉18を右側面に設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば紙幣取込部11等の上側や横側等、種々の位置に指定外紙幣収納部30を配置し、これに合わせて搬送部21の搬送経路を構成しても良い。この場合、一時集積扉17及び収納扉18は、例えば前側面や上側面等、種々の側面に設けても良い。さらにこの場合、一時集積扉17及び収納扉18を互いに異なる側面に設けることにより、使用者が扉を混同する可能性を低減させても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、指定外紙幣収納部30(図1)を筐体2内に固定する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば筐体2に対して所定の着脱機構を介して指定外紙幣収納部30を取り付け、該指定外紙幣収納部30を筐体2に対して着脱可能としても良い。この場合、さらに錠を着脱機構に設け、所定の鍵を用いてこの錠を解錠した場合にのみ指定外紙幣収納部30を着脱し得るようにしても良い。さらには、指定外紙幣一時集積庫31及び指定外紙幣収納庫32を個別に着脱し得るように構成しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、取引の終了時にステップSP3を実行し、駆動部34により仕切板33を一時的に連通状態に遷移させてから元の仕切状態に戻す場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば取引の終了時に、指定外紙幣一時集積庫31に集積されている指定外紙幣の枚数が1枚以上であった場合にのみ、ステップSP3を実行するようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、指定外紙幣管理処理手順RT1(図4)において、取引中に取引後収納枚数が最大収納枚数以上となった時点で、紙幣整理処理を一時停止し、指定外紙幣を使用者に回収させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば指定外紙幣一時集積庫31に集積されている指定外紙幣の枚数である集積枚数が所定の閾値を超えた場合等、種々の条件を満たす場合に、紙幣整理処理を一時停止して指定外紙幣を使用者に回収させても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、指定外紙幣管理処理手順RT2(図7)において、最大収納枚数から最大発生枚数を減算した回収閾値を基準とし、1つの取引の終了後に指定外紙幣収納庫232における収納枚数が当該回収閾値を超えた場合に、自動回収処理を行い、又は手動回収作業を行わせる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば使用者に予め指定された値を回収閾値とし、収納枚数が当該回収閾値を超えた場合に、自動回収処理を行い、又は手動回収作業を行わせるようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、指定外紙幣管理処理手順RT1(図4)のステップSP3において、1つの取引が終了した際にステップSP1に戻って一連の処理を繰り返す場合、すなわち複数の取引に渡って指定外紙幣管理処理手順RT1を継続する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば1つの取引を終了する際にステップSP3の処理を実行した後に指定外紙幣管理処理手順RT1を終了し、取引処理を開始する度に新たな指定外紙幣管理処理手順RT1を開始するようにしても良い。この場合、例えば指定外紙幣管理処理手順RT1の終了時に、指定外紙幣収納庫32に収納している指定外紙幣の枚数を制御部3の記憶部(図示せず)に記憶させておき、新たな指定外紙幣管理処理手順RT1を開始する際にこの枚数を読み出すようにしても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、指定外紙幣管理処理手順RT2(図7)において、1つの取引が終了したタイミングで指定外紙幣収納庫232の収納枚数を回収閾値と比較する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第1の実施の形態における指定外紙幣管理処理手順RT1(図4)と同様に、指定外紙幣が発生する度に、取引後収納枚数を最大収納枚数と比較しても良い。この場合、1つの取引の途中で自動回収処理(図7、ステップSP18)を行うことになる。具体的には、使用者に対し、当該取引において束放出口13から放出された施封束、各一時集積部24Aに集積されていた券種毎の指定紙幣、及びリジェクトポケット14に集積されていたリジェクト紙幣を全て回収させると共にそれぞれを区別した状態で保管させ、自動回収処理の終了後に、保管しておいた各紙幣を元の場所に戻させれば良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、1つの取引が終了した際に使用者により行われる取引切替作業において、束放出口13から放出された施封束を全て回収させ、一時集積部24Aに集積されている券種毎の指定紙幣を全て回収させ、リジェクトポケット14に集積されていたリジェクト紙幣を全て回収させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば取引切替作業において、一時集積部24Aに集積されている券種毎の指定紙幣を残したままとし、束放出口13から放出された施封束及びリジェクトポケット14に集積されていたリジェクト紙幣のみを回収させても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、1つの取引が終了し、ステップSP11において肯定結果が得られた上で、使用者により取引切替作業が行われ、一時集積部24Aに集積されている券種毎の指定紙幣が全て回収されたことを前提として、ステップSP17において回収券種を設定させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばステップSP17において、取引切替作業が未完了であり一時集積部24Aに紙幣が残っている可能性があることを前提に、各一時集積部24Aに集積されている紙幣の枚数をそれぞれ計数しておき、これらに応じた処理を行うようにしても良い。具体的には、例えば紙幣が集積されておらず空の状態(すなわち枚数が0枚)である一時集積部24Aのみを対象として、使用者に回収券種を設定させても良い。ここで、仮に各一時集積部24Aに何れも1枚以上の紙幣が集積されていた場合、例えば所定の回収依頼画面を表示操作部5に表示し、使用者に少なくとも1箇所以上の一時集積部24Aにおいて紙幣を回収させて空の状態としてから、回収券種を設定させても良い。或いは、例えば何れかの一時集積部24Aに1枚以上の紙幣が残っている場合に、まず回収依頼画面を表示操作部5に表示し、使用者に全ての一時集積部24Aから紙幣を回収させ空の状態としてから、その後に全ての一時集積部24Aを対象として回収券種を設定させても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、指定外紙幣管理処理手順RT2(図7)において、1つの取引の終了後に指定外紙幣収納庫232における収納枚数が回収閾値を超えた場合に、回収方法選択画面D3を表示して使用者に自動回収処理又は手動回収作業を選択させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば紙幣整理処理の実行中に、図9に示す収納枚数表示画面D4を表示しても良い。この収納枚数表示画面D4には、指定外紙幣収納庫232に収納されている指定外紙幣の枚数を券種毎に分けて表示する枚数表示欄L4、自動回収処理を開始するためのボタンB4A、及び手動回収作業を行うためのボタンB4Bが表示されている。この場合、使用者は、収納枚数表示画面D4に表示された収納枚数を参照し、自ら必要と判断したタイミングでボタンB4A又はB4Bを押下操作することにより、紙幣整理装置201に自動回収処理を開始させ、又は手動回収作業を開始することができる。第1の実施の形態においても、紙幣整理処理の実行中に、収納枚数表示画面D4からボタンB4Aが省略された画面を表示操作部5に表示しても良い。
さらに上述した第2の実施の形態においては、指定外紙幣管理処理手順RT2(図7)において、券種指定画面D1(図3)を表示して使用者に指定外紙幣の券種を指定させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば一度指定された券種を予め登録しておき、これを後から読み出すことで券種を容易に設定できるようにしてもよい。この場合、券種は一時集積部24A毎に登録しても良く、或いは全ての一時集積部24Aに対する券種の組み合わせを登録しても良い。さらにこの場合、自動回収処理における券種の指定内容を予め登録しておくことで、ステップSP17の処理を省略しても良い。第1及び第2の実施の形態における紙幣整理処理での紙幣の指定についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、紙幣整理処理において指定外紙幣を全て指定外紙幣収納部30へ搬送する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば比較的少ない数の取引のみを行う場合に、使用者の指示に従い、指定外紙幣をオープンポケット15又は16へ搬送して集積させるようにしても良い。これにより、使用者に対して指定外紙幣を容易に回収させることができる。或いは、使用者の指示に従い、指定外紙幣のうち一部の券種のみをオープンポケット15又は16へ振り分けて搬送し、残りの指定外紙幣を指定外紙幣収納部30へ搬送しても良い。これにより、指定外紙幣からさらに特定の券種のみを区別して回収したい場合に、直ちに且つ容易に回収させることができる。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、紙幣整理装置1に移送部25及び施封部26等を設け、一時集積部24Aに集積された指定紙幣を所定枚数毎に施封する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば施封部26等を省略し、一時集積部24Aに券種毎の指定紙幣をそれぞれ集積させるようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、施封部26により生成した施封束を束放出口13から筐体2の前方へ放出し、該筐体2の前方に設置された所定のトレイ(図示せず)内に収納させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば筐体2の内部における施封部26の前側に、施封束を集積するための集積空間を形成し、束放出口13に代えて開閉可能な束取出口を設け、使用者に該束取出口を一時的に開放させて該施封束を取り出させるようにしても良い。或いは、例えば施封部26の前側に前後方向へスライド可能な引き出しを設け、施封部26から放出される施封束をこの引き出しの内部に収納させても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、指定外紙幣管理処理手順RT1を実行するためのプログラムを制御部3のROMや記憶部(図示せず)のフラッシュメモリ等に予め記憶させておく場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばこれらのプログラムを図示しない通信手段を介して外部のサーバ等からダウンロードし、或いはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部記憶媒体から転送する等して取得し、実行するようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した第1の実施の形態においては、搬送部としての搬送部21と、鑑別部としての鑑別部22と、制御部としての制御部3と、第1集積部としての指定紙幣集積部24の一時集積部24Aと、第2集積部としての指定外紙幣収納部30と、制限部としての収納扉18とによって紙幣整理装置を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる搬送部と、鑑別部と、制御部と、第1集積部と、第2集積部と、制限部とによって紙幣整理装置を構成しても良い。