JP5130872B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
より具体的に説明すれば、特に、高温高湿環境下で感光体の駆動がある程度長期間にわたって停止された状態で放置されると、帯電装置の近傍に滞留したガス状の窒素酸化物が感光体表面に付着し易くなり、感光体の帯電装置に対向する表面領域が、窒素酸化物を主成分とする帯電生成物の付着により汚染された状態となる。
このように感光体表面の前記汚染領域でトナーが付着し難くその付着量が低下するのは、前記汚染領域では感光体表面の電気抵抗が低下するため、及び/又は前記汚染領域では露光が阻害されて光量が低減されるためであると考えられる。
前記像坦持体の駆動トルクの変動量を検出するトルク変動検出手段と、
前記像坦持体の駆動開始時に、該像坦持体の駆動を継続したままで、当該像坦持体の駆動トルクの変動量が予め設定された所定値以下になるまで画像形成動作を禁止する駆動開始時制御を行う制御手段と、
前回の画像形成終了時点からの放置時間を計測する計時手段と、当該画像形成装置の周囲環境の温度を計測する温度計測手段と、当該画像形成装置の周囲環境の湿度を計測する湿度計測手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記放置時間と前記温度および前記湿度とが、それぞれ所定条件を満たす場合にのみ前記駆動開始時制御を行う、ことを特徴としたものである。
また、本願の第2の発明に係る画像形成装置は、トナー画像を表面に坦持する像坦持体と、該像坦持体を駆動する駆動手段と、前記像坦持体の駆動に伴って該像坦持体表面を清掃する清掃手段と、を備えた画像形成装置であって、
前記像坦持体の駆動トルクの変動量を検出するトルク変動検出手段と、
前記像坦持体の駆動開始時に、該像坦持体の駆動を継続したままで、当該像坦持体の駆動トルクの変動量が予め設定された所定値以下になるまで画像形成動作を禁止する駆動開始時制御を行う制御手段と、
前記像坦持体の駆動トルクの変動量と当該変動量が前記所定値以下になるまでの所要時間との関係を表すデータと、を更に備え、
前記制御手段は、前記像坦持体の駆動開始時に、前記データに基づいて当該像坦持体の駆動トルクの変動量に対応した前記所要時間だけ前記駆動開始時制御を行う、ことを特徴としたものである。
すなわち、像坦持体表面の異物付着量と像坦持体の駆動トルクの変動との関係を利用することにより、従来のようにトナー消費量の増大を伴うことなく、像坦持体表面への異物の付着に起因する画像欠陥の発生を有効に防止できるのである。
この場合において、特に第1の発明にあっては、計時手段で計測した前回の画像形成終了時点からの放置時間と、温度計測手段で計測した画像形成装置の周囲環境の温度と、湿度計測手段で計測した当該画像形成装置の周囲環境の湿度とが、それぞれ所定条件を満たす場合にのみ前述の駆動開始時制御を行うようにしたので、異物が像坦持体表面に付着し易い場合にのみ前記駆動開始制御が行われ、像担持体表面への異物の付着が生じに難い他の場合について、駆動開始時における制御手段の負荷が不必要に大きくなることを回避できる。
また、特に第2の発明にあっては、像坦持体の駆動トルクの変動量と当該変動量が予め設定された所定値以下になるまでの所要時間との関係を表すデータを用い、像坦持体の駆動開始時には、前記データに基づいて当該像坦持体の駆動トルクの変動量に対応した前記所要時間だけ前記駆動開始時制御を行うようにしたので、駆動開始時制御が簡略化でき、駆動開始時における制御手段の負荷の低減に寄与することができる。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す構成図、また、図2は前記画像形成装置の中間転写ユニット及び作像ユニットを拡大して示す構成図である。
これらの図に示すように、前記画像形成装置は、中間転写ベルト12上に各色の画像を形成し、記録媒体(用紙)Pに一括して転写しフルカラー画像を出力する、所謂タンデム方式のフルカラー電子写真方式の画像形成装置である。
このように、IDCセンサ30によって検出されたトナー像の濃度によって、帯電電圧,現像バイアス,露光量などの作像条件を制御し、画像調整が行われるが、この画像調整のための一連の動作が画像安定化動作である。
前記中間転写ベルト12とその周囲に配設された種々の構成要素とで、中間転写ユニット10が構成されている。
原稿読取装置26或いは図示しないパソコン等から出力された赤(R)、青(B)、緑(G)の3原色に色分解された画像信号は、対応する作像ユニット1Y、1M、1C、1Kに出力される。
図4に示すように、本実施形態に係る帯電装置4Y(4M,4C,4K)は、非接触放電方式の所謂スコロトロンタイプのもので、感光体3Y(3M,3C,3K)の表面に対向する側が開口したケース体41(所謂、シールドケース)の内部に、例えばワイヤ状のコロナ電極42が収容されている。また、前記シールドケース41の開口部には、メッシュ状のグリッド電極43が配置されている。このグリッド電極43は、コロナ電極42と感光体3Y(3M,3C,3K)表面との間に位置することになる。
尚、帯電装置4Y(4M,4C,4K)としては、スコロトロンタイプでも前記グリッド電極43を備えていないもの、或いは、ブラシやローラを用いた接触式のものを使用しても良い。
図5は、前記画像形成部(作像ユニット)1Y,1M,1C,1Kに備えられる感光体3Y,3M,3C,3Kの駆動機構の基本構成を示す説明図である。この図5では、例えばイエロー(Y)用のものを例にとって示しているが、他の3色用のものについても全く同様である。
感光体3Y(3M,3C,3K)駆動用の前記駆動モータ36Y(36M,36C,36K)は、直流(DC)モータで構成され、その駆動用集積回路50(ドライバIC)には、電流検出用端子51が備えられている。この電流検出用端子51は、ドライバIC50に通常備えられているものと同様のものであり、該電流検出用端子51を介して、ドライバIC50が前記制御部CU(図3参照)のアナログ入力端子52に接続されている。
直流(DC)モータでは、一般に、該モータに流れる電流Ia[アンペア:A]とモータの駆動トルクT[N・m]との間に、次式(1)の関係がある。
・T=Kt・Ia …(1)
ここに、Ktはトルク定数[N・m/A]である。
尚、所謂トルクセンサを駆動軸48に直接に取り付けて感光体3Y(3M,3C,3K)の駆動トルクを検出することも可能である。しかし、トルクセンサは、かなり高価で、しかも大掛かりな装置であるので、実際には適用することは難しい。従って、トルクセンサを用いた例については、その説明および図示は省略する。
この変形例は、感光体駆動軸48の駆動トルクの変動を、軸48自体の捩れに伴う捩れ方向における軸48の変位として検出するものであり、感光体駆動軸55には、軸方向における2箇所について、一対の遮光円板57が互いに平行に取り付けられている。この一対の遮光円板57の間には、所謂スプリングジョイント56が介装されている。
前記スプリングジョイント56は、加えられた捩りトルクの大きさに応じて捩れを生じるものであれば良く、かかる特性が得られるように適度な弾性を有するものであれば、様々の材料を用いることができる。
図8(a)に示されるように、感光体3Y,3M,3C,3Kの表面に帯電生成物が付着していない場合には、駆動トルクは、駆動開始時に一瞬大きく上昇するが、一定値に収束した後は殆ど変動することなく、略一定のトルクで駆動される。
この場合、画像濃度差とは、出力された画像の背景の濃度と、白く濃度が低下した部分の濃度との差を、透過濃度計(Macbeth社製:TR927型)を用いて測定したものである。この出力画像の透過濃度差ΔTDと感光体の駆動トルク変動量dNとの関係を図9に示す。
そこで、本実施形態では、画像形成動作を禁止する閾値を、最終的に出力される画像の透過濃度差ΔTDが0.05となるときの感光体駆動トルクの変動量dNと規定し、感光体駆動トルクの変動量がこの値以下になれば、画像形成動作を許可するようにしている。
図10は、画像形成装置の制御の全体を説明するためのフローチャートである。全体制御としては、制御部CUが制御する略全ての入出力デバイスの処理である出力処理ルーチン(ステップ#1)及び入力処理ルーチン(ステップ#2)、並びに、これらの処理の判定を行うエンジン制御ルーチン(ステップ#3)とから構成されている。このルーチンは、制御部CU内部に備えられたタイマにより、定期的にコールされる(呼び出される)。
図12に示されるように、まずステート0では、本制御の起動条件として、印字命令(ステップ#21),電源(ステップ#22),スリープ(休止)復帰(ステップ#23),画像安定化処理の実施要求(ステップ#24)が調べられ、何れかの起動条件が成立した場合に、トルク検出タイマのタイマ値がセットされる(ステップ#25)。起動条件が全て成立しない場合には、ステート0の制御は終了する。
タイマ割り込みが許可されるとトルク検出タイマによる計時が開始される(ステップ#26)。次いで、印字禁止フラグがセットされ(ステップ#27)、ステートが1に進められる(st=1:ステップ#28)。
次に、検出トルク値nを変数Nmin(その時点での最小値)と比較して両者の大小を判定する(ステップ#47)。検出トルク値nが変数Nminよりも小さい場合(ステップ#47でYESの場合)には、変数Nminに新たに値nを代入する(Nmin=n:ステップ#48)。検出トルク値nが変数Nmin以上の場合(ステップ#47でNOの場合)には、変数Nminはそのままの値を維持する。
その後、ステップ#53で、トルク変動判定処理要求をセット(白抜け対策制御のステート1の起動要求フラグをセット)した上で、一連の変数やカウンタがリセットされて(ステップ#54)、トルク検出タイマ割り込みサブルーチンを終えるようになっている。
また、以上のフローチャートを用いて説明した制御は、本発明に係る白抜け対策制御の一例を示すもので、これに限定されるものではない。制御部CUに備えられマイクロコンピュータの処理性能,画像処理装置の各部や電気回路の構成などに応じて、好適な処理方法が適用されるべきものである。
上述の第1実施例では、印字命令アクティブ時、電源投入時,スリープ復帰時,画像安定化実施時には、常に白抜け対策制御が起動されるように構成されていたが(図12:ステップ#21〜#24参照)、この第2実施例は、ガス状に発生した帯電生成物が感光体3Y,3M,3C,3Kの表面に付着し易い場合にのみ、白抜け対策制御を行うものである。
そこで、この第2実施例では、帯電生成物が感光体3Y,3M,3C,3Kの表面に付着し易い高温高湿環境下で、一定時間以上にわたって感光体3Y,3M,3C,3Kの回転駆動が停止されていた場合にのみ、白抜け対策制御を行うようにした。
換言すれば、ステップ#61〜#64の起動条件の何れかが成立し、それに加えて、ステップ#65,#66,#67の条件の全てが満たされない限り、ステート1に移行することはできない。つまり、前回停止時の環境温度が25℃以上で、同湿度が65%以上で、且つ、感光体が15分以上停止されていた場合にのみ、ステート1の制御が実行されるようになっている。
最終的に出力される画像に白抜け画像が発生した場合には、通常、その後どの程度感光体を駆動すればその白抜けが解消されるかは経験的に知られている。第3実施例は、このことを利用して、白抜け対策制御を起動した直後の最初の感光体の回転一周期の間の駆動トルク変動量と印字許可可能となるまでの時間の関係を求めてテーブルを作成しておき、このテーブルに基づいて、白抜け対策制御を起動した直後の最初の感光体の回転一周期の間の駆動トルク変動量から印字禁止期間を求め、その期間が経過すると印字を許可する制御を行うものである。
ステート2に移行すると、図19に示されるように、まず、トルク変動判定処理要求の有無が判定され(ステップ#91)、これがYESの場合には、要求フラグがクリアされ(ステップ#92)、次に、トルク変動値と待機時間のテーブルからタイマ値を検索し、このタイマ値をステートタイマにセットする(ステップ#93)。そして、トルク検出用の割り込みタイマが停止され(ステップ#94)、ステート3に移行する(st=3:ステップ#95)
白抜け対策制御を起動した場合、その直後の最初の感光体の回転一周期の間の駆動トルク変動量を求め、そのトルク変動量に対応する待機時間を図21のテーブルから検索することにより、簡単に印字禁止期間を求めることができる。
画像形成装置の駆動デバイスとして慣用されている所謂ブラシレスモータは、通常、モータ回転速度を検出してフィードバックすることで、回転速度をある一定の範囲内に保つように構成されている。かかる構成を備えたモータで、トルク負荷が急変した場合、フィードバックが働く前であれば、僅かに回転速度が変化する。第4実施例は、この現象を利用して、感光体表面への帯電生成物の付着による感光体の駆動トルクの変動を検出するものである。
この第4実施例の駆動速度検出機構では、感光体駆動軸61の入力ギヤ49側を延長し、その延長された端部に、駆動軸61の回転角度を検出するロータリ・エンコーダ62が取り付けられている。該ロータリ・エンコーダ62の検出信号を出力する出力端子は、前記制御部CU(図3参照)のアナログ入力端子52に接続されている。
尚、感光体3Y,3M,3C,3Kの回転速度を検出する方法としては、種々の方法が適用可能である。例えば、実施例1に示したように(図7参照)、多数のスリットを設けた円板を駆動軸に取り付け(或いは感光体に直接に取り付け)、光がスリットを透過するタイミングを光センサで検出することにより、感光体もしくはその駆動軸の回転速度を検出するようにしてもよい。
図24(a)に示されるように、感光体3Y,3M,3C,3Kの表面に帯電生成物が付着していない場合には、駆動開始後に上昇した駆動速度は、一定値まで上昇した後は殆ど変動することなく、略一定の値を維持し、この速度で感光体が駆動される。
このように、本発明は、以上の実施形態やその変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や修正を加え得るものであることは言うまでもない。
7Y,7M,7C,7K クリーナ(清掃手段)
32 温度センサ
33 湿度センサ
36Y,36M,36C,36K 駆動モータ
48,55,61 感光体駆動軸
50 ドライバIC
51 電流検出用端子
52 アナログ入力端子
56 スプリングジョイント
57 遮光円板
62 ロータリ・エンコーダ
CU 制御部
Claims (4)
- トナー画像を表面に坦持する像坦持体と、該像坦持体を駆動する駆動手段と、前記像坦持体の駆動に伴って該像坦持体表面を清掃する清掃手段と、を備えた画像形成装置であって、
前記像坦持体の駆動トルクの変動量を検出するトルク変動検出手段と、
前記像坦持体の駆動開始時に、該像坦持体の駆動を継続したままで、当該像坦持体の駆動トルクの変動量が予め設定された所定値以下になるまで画像形成動作を禁止する駆動開始時制御を行う制御手段と、
前回の画像形成終了時点からの放置時間を計測する計時手段と、当該画像形成装置の周囲環境の温度を計測する温度計測手段と、当該画像形成装置の周囲環境の湿度を計測する湿度計測手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記放置時間と前記温度および前記湿度とが、それぞれ所定条件を満たす場合にのみ前記駆動開始時制御を行う、
ことを特徴とする画像形成装置。 - トナー画像を表面に坦持する像坦持体と、該像坦持体を駆動する駆動手段と、前記像坦持体の駆動に伴って該像坦持体表面を清掃する清掃手段と、を備えた画像形成装置であって、
前記像坦持体の駆動トルクの変動量を検出するトルク変動検出手段と、
前記像坦持体の駆動開始時に、該像坦持体の駆動を継続したままで、当該像坦持体の駆動トルクの変動量が予め設定された所定値以下になるまで画像形成動作を禁止する駆動開始時制御を行う制御手段と、
前記像坦持体の駆動トルクの変動量と当該変動量が前記所定値以下になるまでの所要時間との関係を表すデータと、を更に備え、
前記制御手段は、前記像坦持体の駆動開始時に、前記データに基づいて当該像坦持体の駆動トルクの変動量に対応した前記所要時間だけ前記駆動開始時制御を行う、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記所定値は、最終的に出力される画像の透過濃度差が0.05に相当するトルク変動量である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記トルク変動検出手段は、前記像坦持体の駆動速度の変動量に基づいて駆動トルクの変動量を検出する、ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の画像形成装置。
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