JP5129746B2 - スパイダーシルクタンパク質からなるナノおよびマイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

スパイダーシルクタンパク質からなるナノおよびマイクロカプセルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はスパイダーシルクタンパク質からナノおよびマイクロカプセルを製造する方法を対象とする。さらに、本発明はかかる方法により得られるナノおよびマイクロカプセル、ならびに同ナノおよびマイクロカプセルを含有する医薬組成物、化粧品組成物、および食品組成物も対象とする。
輸送小胞として、そして未来の装置のための建材の候補として、小規模構造は高い関心を集めている。役割の一つは、小さな規模で反応物質または粒子をカプセルに入れ、それを特定位置に置いた後でカプセルに入れられた物質の放出を誘発することである。そのような課題を解決する一つの解法は、ナノカプセルと呼ばれる化学的小胞を使用することである。ナノカプセルは、外部の誘因や刺激を受けると反応物質を自由に解放するよう設計されている。そのような追求にはいくつかの問題があるが、最も重要なのは、例えば化学的または生物学的に活性な反応物の周囲でいかにそのようなナノカプセルを一定のやり方で構築するかということである。
このような要求に応えるために、最近、「ハイブリッド」刺激応答性ナノカプセルが開発された。この構造(小胞であるがミセルでもある)は、pH感受性のコンホメーションを有する両親媒性物質であるポリブタジエン(PB)−b−ポリ(グルタミン酸)(PGA)ジブロック共重合体の自己集合から得られる。pH感受性は小胞を取り外すために使用される。架橋可能な疎水性ブロックと親水性ペプチドブロックとを有するそのようなPB−b−PGA共重合体は、アニオン重合と開環重合の組み合わせにより合成された(Checot et al.,2002)。この共重合体の多分散性は、よく定義された自己集合凝集体を得ることができる程に十分に小さい、例えば、PB40−b−PGA100共重合体は、水中にある場合には、ポリマーソームと呼ばれる閉じた二層の小胞を形成する(Won et al.,1999)。かかる小胞の性質の一つは、小胞がサイズを変更することにより外部のpH変化に応答することである。このpH変化時のこのような変位は可逆的であり、塩分に対しては適度な感受性しかない。その理由は、変位が単純な高分子電解質の膨潤結果に基づいているにではなく、PGAブロックのペプチドの性質に基づくためである(図1)。このような小胞は低分子化合物(例えばフルオロフォア等の溶媒分子(Checot et al.,2003)をカプセルに入れることができるだけでなく、より大きなナノ粒子を安定化させることもできる。この系の欠点は、pHの変化はカプセルに入れられたサンプルの生物活性を失わせ得るため、急激なpH変化に対して通常感受性が高い生物系と部分的に不適合であることである。
例示のための図1は、(a)NaCl濃度とpHの関数としてのペプトソームの流体力学半径RHの動的光散乱、(b)ペプトソームと、コイルのペプチド部分のα−ヘリックス二次構造移行によるpHの関数としてのペプトソームのサイズの変化の略図を示す。
別の確立されたカプセル化法は油/水分相間でのコロイド粒子の自己集合である。自己集合プロセスの駆動力は全表面エネルギーの最小化であり、従って種々の粒子および溶媒を使用することができる。そのような安定したエマルジョンはPickeringエマルジョンとして周知である。粒子を安定化または架橋すると、機械的に安定したケージが得られ、これが連続相に転送される。いわゆるコロイドソームの利点は、カプセル化したものを制御できることと、外殻の化学的および機械的安定性を容易に調節できることである。粒子が自己集合するとほぼ結晶の構造が生じ、従って粒子間には孔が生じる(Dins
more et al.,2000)。これらの孔は、膜を通過する拡散の制御を可能にする選択的フィルタのサイズである。全工程は生体適合性に行なうことができる。しかしながら、コロイド粒子自体は必ずしも生体適合性ではない。
PCT国際公開第WO02/47665号は、コロイドソームと呼ばれる制御された孔径、孔隙率および有利な機械的性質を有する自己集合する選択的透過性の弾性的微細構造を製造する方法について記載している。かかる方法は、(a)生体適合性材料から形成された粒子を第1の溶媒に提供する工程と、(b)第1の溶媒に第1の流体を加えることにより、第1の溶媒により囲まれた第1の流体の小滴により定義されたエマルジョンを形成する工程と、(c)小滴の表面を粒子でコーティングする工程と、(d)小滴の表面の粒子を安定化させて、少なくとも約20Paの降伏強さを有するコロイドソームを形成する工程と、からなる。PCT国際公開第WO02/47665号はかかるコロイドソームを製造するために生体適合性合成ポリマーを使用している。そのようなポリマーの例にはポリスチレン、ポリメチルメタクリル酸、ポリアルキレン、シリカ、およびそれらの組み合わせがある。コロイドを得るための原料である粒子は例えば焼結、化学的架橋およびその同種の方法により安定化される。しかしながら、かかるコロイドソームの調製方法は比較的困難であり、その人工的であって非天然の性質のためインビボで適用するには有害な性質を示しうる。コロイドを使用すると定義された孔を有するバッグが最小サイズに制限されるため、コロイド粒子の使用は外殻のサイズ範囲も制限する。
したがって、生体適合性が高く、インビボでの適用に適したナノおよびマイクロカプセルを提供することが本発明の課題である。
異なる種類かつ種々の量の有効な作用薬または栄養素等を収容できるナノおよびマイクロカプセルを得ることも本発明の別の課題である。
生分解性、すなわち、インビボ適用、例えば局所または全身適用したときに有効な作用薬等を制御放出できるナノおよびマイクロカプセルを提供することも本発明のさらなる課題である。
これらの課題は独立請求項により解決される。好ましい実施形態が従属請求項に記載される。
本発明では、驚くべきことに、種々のインビボ適用に使用することができるマイクロカプセルおよびナノカプセルを形成する基礎として、スパイダーシルクタンパク質が役立ち得ることが判明した。詳細には、架橋剤等の化学物質の添加によるか、マイクロカプセルおよびナノカプセルに梱包された作用薬に対して有害な効果を与え得る焼結によりカプセル形成原料である粒子を架橋または安定化する工程を使用する必要性をなくした、カプセルを製造する改良方法によりカプセルが形成され得ることが判明した。
大部分の現在使用されているカプセル化法(例えばWO02/47665を参照)は生物粒子または巨大分子に基づいているため、発明者らは自己集合するスパイダーシルクタンパク質に基づいて新しい安定なカプセル化プロセスを開発した。他のカプセル化法と異なり、本発明では、エマルジョン表面の疎水性/親水性の性質がコロイド粒子を集合させるためだけに使用されるのではなく、結合およびポリマーネットワーク形成(安定化)によりコロイドを固定するための駆動力としても使用される。このプロセスは、新しいクラスの生体適合性コロイドから形成されたナノおよびマイクロカプセルポリマーを生産する方法を示すだけでなく、タンパク質を使用したポリマーネットワーク形成への新規なアプ
ローチも示す。この方法から形成されたナノおよびマイクロカプセルの大きな利点は、タンパク質により与えられたマイクロカプセルの生体適合性および機能である。これは、pH変化、温度変化、またはプロテアーゼ活性等の手段による放出機構の制御を可能にする。
例えば、ナノまたはマイクロカプセルは破壊され、それらの成分が化学的、物理的(例えば剪断力により)、または生物学的(タンパク質の消化により)により生体内に放出され得る。
スパイダーシルクタンパク質の界面での自己集合は、水/油エマルジョンの水相にタンパク質を導入することにより達成された(図2参照)。表面エネルギーの最小化はタンパク質を界面へと駆動し、密度の高いポリマーネットワークへのモノマーの集合を引き起こした(図3)。
上記プロセスから形成されたスパイダーバッグ/バルーンは例えば水相の内容物で充填され、有機溶媒、アルコール、ならびに水に存在し得る(図3)。したがって、それらは非常に異なる環境中で予期しない安定性を示している。原則として、逆側のエマルジョン表面でのタンパク質の自己集合も可能であり、油相の内容がカプセル化される(以下も参照)。
特に、バッグ/バルーンはタンパク質、化学反応物質、ナノおよびマイクロメートルスケールの粒子等で満たされ得るが、これは粒子を蛍光(FITC)標識デキストラン粒子で充填することにより実施例で示されている(図4)。
膜の透過性および浸透圧ストレスに対するバッグの機械的安定性は膜厚を考えると、いずれも比較的高い。電子顕微鏡画像から明らかなことに、膜厚は10〜70nmである(図5)。
本アプローチでは、活性作用薬の生物学的カプセル化を生じさせるために、合成スパイダーシルクタンパク質、特にC16の合成配列が使用された(Huemmerichet al.,2004)。
一般に、スパイダーシルクは特異な物理的性質を示すタンパク質ポリマーであるが、種々のクモにより生産された種々のシルク組成についての情報は限られたものしかない(Scheibel 2004参照)。種々の種類のスパイダーシルクのうち、アメリカジョロウグモ(Nephila clavipes)およびショクヨウオニグモ(Araneus diadematus)の引き綱が最も熱心に研究されている。引き綱のシルクは一般に2つの主要タンパク質から構成され、更なるタンパク質がシルクの組立および最終的なシルク構造に重要な役割を果たしているかどうかは未だ不明である。ニワオニグモ(Araneus diadematus)の引き綱の2つの主要タンパク質成分はADF−3およびADF−4(raneus iadematus ibroin)である。
スパイダーシルク様タンパク質をコードする遺伝子は、合成DNAモジュールとPCR増幅された標準遺伝子配列との組み合わせに基づくクローニングストラテジーを使用して生成された(Huemmerich、2004)。ニワオニグモAraneus diadematus由来のシルクタンパク質であるADF−3およびADF−4は合成構成物の鋳型として選択された。シームレスなクローニングストラテジーにより、種々の合成DNAモジュールと標準遺伝子断片との制御された組み合わせが得られた。クローニングベクターは、合成遺伝子の代替物として機能するスペーサを有するクローニングカセットを
含むよう設計された(Huemmerich、2004)。
ADF−4の反復配列を模倣するために、単一の保存反復ユニットを設計し、Cと呼ばれる一つのコンセンサスモジュールを得、Cを多量体化して反復タンパク質C16を得、C16を実施例として所与のアプローチに使用した。
示されたスパイダーシルクバッグ/バルーンには、機能性食品から医薬品−化粧品の用途に至るまで、多くの用途が考えられる。例えば、食品工学におけるカプセル化はビタミン等の特定の成分を酸化環境から保護し得る。別の食品工学の応用では、魚油等の成分が味がしないよう隠される。医薬の用途では、タンパク質シェルの拡散バリアにより、カプセル化された物質の遅延(制御)放出プロセスが可能となる。タンパク質シェルのさらなる設計により、特定のプロテアーゼまたは他の起爆物質を用いて活性化させた後でのみその中身を解放する、定義された徐放容器が得られる。化粧品では、例えば皮膚のプロテアーゼによるタンパク質シェルの遅延分解後に、皮膚への水活成分の輸送が本発明のバッグ/バルーンにより促進することができる。さらに、皮膚へ晒した時に機械的剪断力を用いて中身を解放してもよい。
本発明は特に以下の態様および実施形態を対象とする。
第1態様によれば、本発明は、スパイダーシルクタンパク質からなるナノおよびマイクロカプセルを製造する方法であって、
a)スパイダーシルクタンパク質を提供する工程、
b)適切な溶媒で、前記タンパク質の溶液または懸濁液を形成する工程、
c)少なくとも2つの相のエマルジョンであって、第1相としての前記工程b)で形成された溶液または懸濁液と、前記第1層と実質的に非混和な少なくとも1つのさらなる相とを含むエマルジョンを生成する工程、
d)前記少なくとも2つの相の界面にスパイダーシルクタンパク質のポリマーネットワークを形成する工程、および
e)(d)で生成されたタンパク質ポリマーネットワークをエマルジョンから分離する工程、
からなる方法を対象とする。
上述したように、工程(d)のポリマーネットワークの形成にはさらなる成分(例えば架橋剤)を追加する必要がなく、焼結、架橋などの追加の工程の必要がないことが期せずして判明した。
用語「スパイダーシルクタンパク質」は、本明細書に使用する場合、天然配列のみならず、天然配列から由来するすべての人工すなわち合成配列も含む。
従って、スパイダーシルクシーケンスは、本明細書で「標準(オーセンティック)」と称される配列に由来し得る。ここで、用語「標準」とは、配列そのものに実質的な訂正を行わずに天然環境から基本の核酸配列が単離されることを意味する。起こることが許される唯一の修飾は、配列を宿主中で発現させるためにコードされたアミノ酸の配列を変化させずに標準核酸配列を修飾する場合である。好ましい配列はNR3(配列番号10、ADF−3に由来)およびNR4(配列番号11、ADF−4に由来)である。いずれの配列も、より効率的に翻訳するためには、大常勤では殆ど翻訳されないコドンAGA(Arg)をPCR突然変異誘発を使用してCGT(Arg)に変化させた。
標準の非反復配列は、好ましくは天然スパイダーシルクタンパク質のアミノ末端の非反復領域(鞭毛タンパク質)およびカルボキシ末端の非反復領域(鞭毛および引き綱タンパク質)の少なくとも一方に由来するものである。そのようなタンパク質の例を以下に示す
さらなる実施形態によれば、標準非反復配列は、天然スパイダーシルクタンパク質のアミノ末端の非反復領域(鞭毛タンパク質)およびカルボキシ末端の非反復領域(鞭毛および引き綱タンパク質)の少なくとも一方に由来するものである。
鞭毛タンパク質の好ましい標準配列はFlagN−NR(配列番号31および32)およびFlagC−NR(配列番号33および34)のアミノ酸配列および核酸配列である。
本発明の組換えスパイダーシルクタンパク質は、一般に、クモの主要アンプル腺由来のクモ引き綱タンパク質および鞭毛腺由来のタンパク質のうちの少なくとも一方から得られ得る。
1実施形態によれば、本発明で一般に使用することができる組換え(合成/人工)スパイダーシルクタンパク質は、一般に、クモの主要アンプル腺由来のクモ引き綱タンパク質および鞭毛腺由来のタンパク質のうちの少なくとも一方から得られ得る。
一般に、円網性種のクモ(AraneidaeおよびAraneoids)の引き綱タンパク質または鞭毛タンパク質から引き綱および/または鞭毛配列を選択することが好ましい。
より好ましくは、引き綱タンパク質および/または鞭毛状のタンパク質は、以下の1または複数のクモに由来する:Arachnura higginsi、Araneus circuhssparsus、Araneus diadematus、Argiope picta、Banded Garden Spider(Argiope tnf
asciata)、Batik Golden Web Spider(Nephila antipodiana)、Beccari's Tent Spider(Cyrtop
hora beccarii)、Bird−dropping Spider(Celaenia excavata)、Black−and−White Spiny Spid
er(Gasteracantha kuhlu)、Black−and−yellow Garden Spider(Argiope aurantia)、Bolas Spider(Ordgarus furcatus)、Bolas Spiders −Magnificent Spider(Ordgarus magnificus)、Brown Sailor Spider(Neoscona nautica)、Brown−Legged Spider(Neoscona rufofemorata)、Capped Black−Headed Spider(Zygiella calyptrat
a)、Common Garden Spider(Parawixia dehaani)、Common Orb Weaver(Neoscona oxancensis)、
Crab−like Spiny Orb Weaver(Gasteracantha
cancriformis(ehpsoides))、Curved Spiny Sp
ider(Gasteracantha arcuata)、Cyrtophora moluccensis、Cyrtophora parnasia、Dolophones
conifera、Dolophones turrigera、Dona's Sp
iny Spider(Gasteracantha donae)、Double−Spotted Spiny Spider(Gasteracantha mammosa)、Double−Tailed Tent Spider(Cyrtophora ex
anthematica)、Aculepena ceropegia、Eriopho
ra pustulosa、Flat Anepsion(Anepsion depressium)、Four−spined Jewel Spider(Gasteraca
ntha quadrspinosa)、Garden Orb Web Spider(Erophora transmanna)、Giant Lichen Orbwea
ver(Araneus bicentenanus)、Golden Web Spider(Nephila maculata)、Hasselt's Spiny Spid
er(Gasteracantha hasseltn)、Tegenana atnca、Heurodes turnta、Island Cyclosa Spider(C
yclosa insulana)、Jewel or Spiny Spider(Astracantha minax)、Kidney Garden Spider(Araneus mitificus)、Laglaise's Garden Spider(
Eriovixia laglaisei)、Long−Bellied Cyclos
a Spider(Cyclosa bifida)、Malabar Spider(N
ephilengys malabarensis)、Multi−Coloured
St Andrew's Cross Spider(Argiope versicolor)、Ornamental Tree−Trunk Spider(Herennia
ornatissima)、Oval St Andrew's Cross Spider(Argiope aemula)、Red Tent Spider(Cyrtop
hora unicolor)、Russian Tent Spider(Cyrtophora hirta)、Saint Andrew's Cross Spider(A
rgiope keyserhngi)、Scarlet Acusilas(Acusilas coccineus)、Silver Argiope(Argiope argentata)、Spinybacked Orbweaver(Gasteracantha cancriformis)、Spotted Orbweaver(Neoscona domicihorum)、St Andrews Cross(Argiope aetheria)、St Andrew's Cross Spider(Argiop
e Keyserhngi)、Tree−Stump Spider(Poltys lllepidus)、Triangulai Spider(Arkys clavatus)、Triangular Spider(Arkys lancearus)、Two−
spined Spider(Poecilopachys australasia)、Nephila species、e g Nephila clavipes、Nephila senegalensis、Nephila madagascarensisおよびその他多数 (さらなるクモの種については以下も参照のこと)。最も好ましくは
、引き綱タンパク質はAraneus diadematus由来のものであり、鞭毛タンパク質はNephila Clavipes由来のものである。
本発明の文脈では、組換えスパイダーシルクタンパク質は1つの種に由来するタンパク質配列を含み得るだけでなく、例えば異なる複数のクモ種に由来する配列も含み得ることが明らかである。例えば、1または複数の合成反復スパイダーシルクタンパク質配列は、ある1つの種に由来するものであるが、1または複数の標準非反復スパイダーシルクタンパク質配列は別の種に由来するものであってよい。さらに、例えば、異なる種類は異なる種に由来する1種類よりも多くの反復配列を含む組換えスパイダーシルクタンパクを設計することも可能である。
1つの好ましい実施形態によれば、引き綱タンパク質は、野生型ADF−3、ADF−4、MaSp I、MaSp IIであり、鞭毛タンパク質はFLAGである。ADF−3/−4という用語はAraneus diadematusにより生産されたMaSpタンパク質(Araneus diadematus フィブロイン−3/−4)を指すものとして使用される。ADF−3および−4のいずれのタンパク質もMaSp IIタンパク質(主要アンプルspidroin II)のクラスに属する。
さらなる実施形態では、提供される核酸配列はADF−3(配列番号1)およびADF
−4(配列番号2)のうちの少なくとも一方、またはその変異型である。
2つの異なる種類のADF−3およびADF−4コード配列およびタンパク質、すなわち第1にADF−3およびADF−4の既に公表されている配列(本明細書では「野生型」配列と称する)および第2に配列番号1(ADF−3)および2(ADF−4)によりコードされた同配列の変異型、が本発明で想定されることに留意する。野生型については既に公表されており、受入番号U47855およびU47856(配列番号8および9)の下、利用可能である。
本発明に(単独でまたはさらなるタンパク質と組み合わせて)使用可能なさらなるスパイダーシルクタンパク質とそのデータベース受入番号は以下の通りである。
spidroin 2[Araneus bicentenarius]gi 2911272
主要アンプル腺引き綱シルクタンパク質−1[Araneus ventricosus]gi 27228957
主要アンプル腺引き綱シルクタンパク質−2[Araneus ventricosus]gi 27228959
アンプルspidroin 1[Nephila madagascariensis]gi 13562006
主要アンプルspidroin 1[Nephila senegalensis]gi
13562010
主要アンプルspidroin 1[Latrodectus geometricus]gi 13561998
主要アンプルspidroin 1[Argiope trifasciata]gi 13561984
主要アンプルspidroin 1[Argiope aurantia]gi13561976
引き綱シルクタンパク質spidroin 2[Nephila clavata]gi
16974791
主要アンプルspidroin 2[Nephila senegalensis]gi
13562012
主要アンプルspidroin 2[Nephila (ゴケグモ属、geomet、ri)cus] gi 13562002
別の好ましい実施形態によれば、鞭毛タンパク質は、配列番号6(Flag−N)および配列番号7(Flag−C)のうちの少なくとも一方、またはその変異型である。
しかしながら、既に公知の公表された鞭毛配列、特に以下のものを使用してもよい。
鞭毛シルクタンパク質 部分cds[Nephila clavipes]gi 2833646
鞭毛シルクタンパク質 部分cd[Nephila clavipes]gi 2833648
1つの好ましい実施形態では、組換えスパイダーシルクタンパク質は、1または複数のポリアラニン含有コンセンサス配列を含む1または複数の合成反復配列を含む。そのようなポリアラニン配列は6〜9個のアラニン残基を備え得る。例えば、6個のアラニン残基からなる数個のポリアラニンモチーフを有する配列番号1を参照されたい。
好ましくは、ポリアラニン含有コンセンサス配列はADF−3に由来し、ADF−3のアミノ酸配列(モジュールA)またはその変異型を有する。モジュールAは6個のアラニン残基を有するポリアラニンを含む。ADF−4に由来する更に好ましいポリアラニン含有コンセンサス配列は、8個のアラニン残基を含むモジュールC(配列番号5)である。
さらに好ましい実施形態によれば、本発明の組換えスパイダーシルクタンパク質では、合成反復配列がADF−3に由来し、配列番号4(モジュールQ)またはその変異型のアミノ酸配列の1または複数の反復を含む。
より一般的に言うと、合成反復配列は一般モチーフGGXまたはGPGXX(すなわちグリシンリッチな領域)をさらに含んでもよい。上述したように、そのような涼気はタンパク質に可撓性を与え、従って、上記モチーフを含む組換えスパイダーシルクタンパク質から形成された糸に可撓性を与えるだろう。
本発明に使用される合成反復配列の特定のモジュールは互いに結合し合うことも可能であることに留意する。すなわち、AとQ、QとC等を組み合わせたモジュール(反復ユニット)も本発明に包含される。スパイダーシルクタンパク質に導入されるモジュールの数は限定されないが、組換えタンパク質ごとに、5−50モジュール、好ましくは10−40モジュール、最も好ましくは15−35モジュールの合成反復配列のモジュール数を使用することが好ましい。
合成反復配列は好ましくは反復ユニットとして1または複数の(AQ)および/または(QAQ)を含む。さらにより好ましくは、合成反復配列は(AQ)12、(AQ)24、(QAQ)8、(QAQ)16である。
合成反復配列がADF−4に由来する場合は常に、上述したように、合成反復配列は好ましくは配列番号5(モジュールC)またはその変異型のアミノ酸配列の1または複数の反復を含み、合成反復配列全体はC16またはC32である。
本発明の完全型組換えスパイダーシルクタンパク質の好ましい実施形態は、(QAQ)8NR3、(QAQ)16NR3、(AQ)12NR3、(AQ)24NR3、C16NR4およ
びC32NR4、すなわち上述の配列を含むか上述の配列から成るタンパク質である。
(A、QおよびC系を用いた)合成反復配列の上記形態が、上記に開示したすべての他の反復ユニットにも当てはまることに留意する。例えば、すべてのポリアラニン含有配列はAおよび/またはCを取り入れ、すべてのグリシンリッチ配列はQとして使用されてもよい。
鞭毛配列由来の合成反復配列の新たなモジュールは、モジュールK(配列番号35および36)、sp(配列番号37および38)、X(配列番号39および40)およびY(配列番号41および42)である。
さらに、合成反復配列は好ましくは、Y8、Y16、X8、X16、K8、K16を含むか、ま
たはそれらから成る。さらに、ADF−3およびADF−4に由来するこれらの配列とFlagとを一つの組換え配列に組み合わせることも可能である。
しかしながら、本発明では、ADF−4配列およびC16、16NR4、C32および/またはC32NR4を含むそれらの誘導体から成る群の配列から選択されるか同配列を含む工程a)のスパイダーシルクタンパク質を使用することが強く好まれる。
本発明では、スパイダーシルクタンパク質が、カプセルを製造する前又は後に、一つのアミノ酸置換または直接化学的修飾を含むようさらに遺伝子組み換えされてもよい。この組み換え技術を使用して、バッグへ特異的結合親和性を導入したり、プロテアーゼ特異的アミノ酸配列を導入したりすることができる。これにより、シルク膜のタンパク質消化により、カプセルに入れられた物質が制御放出され得る。
例えばシステインを導入することにより、バッグの活況または異なる官能基の共有結合が達成される。例えば、スパイダーシルクタンパク質中の1または複数のアミノ酸をコードする核酸配列をコードするリジンまたはシステインにより置換するか、リジンおよび/またはシステインをコードする拡散を含む核酸配列を上記配列に加えることにより、これが達成され得る。
さらに、カプセルと特定の細胞または組織に向けるために、ナノまたはマイクロカプセルの形成前か形成後に、スパイダーシルクタンパク質に作用薬をつなげてもよい。これは、例えば特異的RGD配列の導入または共有結合により達成することができる、このように、RGDペプチドをナノまたはマイクロカプセルの形成前か形成後に、スパイダーシルクタンパク質に架橋することができる。環状RGD分子の実施例が図10に示される。
さらに、カプセルを特定の目標に向けるために、細胞または組織特異的抗体および細胞または組織特異的受容体を、スパイダーシルクタンパク質につなげてもよい。
さらなる実施形態によれば、工程b)の溶媒および/または少なくとも1つのさらなる相の溶媒は、親水性溶媒、好ましくは水およびアルコール(例えばエタノールおよびグリセリン)、または親油性溶媒、好ましくは天然油(例えば植物油または動物油)、合成油(例えばミグリオールおよびシリコーン油)、芳香族炭化水素(例えばトルエン、ベンゼン)などの有機溶媒から選択される。
溶媒が実質的に同一である限り、一つの相が1つよりも多くの溶媒を含んでも良い(すなわち混合物)。「実質的に同一」とは、複数の溶媒が同様な溶解度特性を有するため、ただ一つの共通の相しか形成しないことを意味する。従って、「実質的に同一の」溶媒とは、溶媒が混合された場合に別々の相を観察することができない溶媒を含む。例えば、2またはそれより多くの親油性溶媒を1つの相に組み合わせることが可能であり、例えば、植物油(例えばオリーブ油およびヒマシ油)と、ミグリオールおよびヘキサデカンのうちの少なくとも一方とを組み合わせ得る。あるいは、代替案として、親水性相は例えば水、グリセリン等の2つ以上の親水性成分を含んでもよい。
上述したように、必要とされるのは、本発明のナノおよびマイクロカプセルを製造するエマルジョン系が実質的に互いに非混和な少なくとも2つの相を有することである。
本発明の方法の工程c)では、例えばW/O、O/W、O/W/OまたはW/O/W型のすべての既知のエマルジョンタイプを使用することが可能である。これらのエマルジョンの種類は当該技術分野において周知であり、さらに詳しい情報については例えば「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.,ペンシルベニア州イーストン、最新版または別の利用可能な情報を参照されたい。
本発明のエマルジョンを形成するための好ましい方法は、ミニエマルジョンを生産することである。ミニエマルジョンは、油、水、界面活性剤、および疎水性物質を含む系を剪断するように切ることで50〜500 nmの間のサイズを備えた大いに安定した油小滴の分散物である。そのようなミニエマルジョン中の重合は、注意深く調製された時、最初の小滴とほぼ同じサイズを有する粒子を生じさせる。このことは、ミニエマルジョンを適切に調製すると小滴の合体またはオストワルド熟成が抑制されることを意味する。ミニエマルジョンの調製は超音波ホモジナイザーおよび高圧ホモジナイザー等の高剪断装置により行われる。K.Landfesterおよびその協同研究者の種々の刊行物が参照される。
W/O型のエマルジョンの場合、W(親水)相はエマルジョン小滴を形成しており、こ
の場合、W相にスパイダーシルクタンパク質が含まれている。O相は親油性であり、連続相を形成する。
O/W型のエマルジョンの場合、O(親油性)相がエマルジョン小滴を形成しており、この場合、O相にスパイダーシルクタンパク質が含まれている。W相は親水性であり、連続相を形成する。
上記のエマルジョンに使用される界面活性は、医薬および関連する化学の分野で利用可能な知識に基づいて当業者が利用する化合物から選択可能である。本エマルジョンを得る際に使用される界面活性剤の選択例は、グリセリン、ソルビトールおよび他の多官能アルコールの脂肪酸エステル、好ましくはモノステアリン酸グリセリン、モノラウリル酸ソルビタン;モノオレイン酸ソルビタン;ポリオオキシアミン;ポリオキシエチレンエーテルポリオキシエチレンエステル;エトキシ化トリグリセリド;エトキシ化フェノールおよびエトキシ化ジフェノール;脂肪酸の金属塩;高級アルコール硫酸エステル塩の金属塩、すなわちラウリル硫酸ナトリウム;およびスルホコハク酸の金属塩〉;ポリソルベート、より好ましくはポリソルベート20、40、60および80;ポロキサマー、ポリオキシエチレンエチレングリコール;および上記物質の混合物である。
しかしながら、界面活性物質の使用は本発明の本質的特徴でないことに留意する。当業者には界面活性剤を必要としないエマルジョン系が理解される。
本発明の好ましい実施形態では、工程b)で使用される溶媒は1または複数の薬剤、化粧剤、栄養素、または食品添加物をさらに含む。すなわち、スパイダーシルクタンパク質をも含む層には追加の成分が通常存在する。この場合、1または複数の成分/因子は相の界面に形成されたポリマーネットワークへとカプセル化される。
代わりに、上記作用薬を、スパイダーシルクタンパク質を含まない連続相に加えることも可能である。この場合、本発明のナノおよびマイクロカプセルはかかる作用薬によりコーティングされるだろう。
さらに別の例として、作用薬は本発明のナノおよびマイクロカプセルが得られた後で同ナノおよびマイクロカプセルに導入されてもよい。
これは、膜を特定の溶媒で膨潤させ、カプセルに入れられた物質(有効剤)をその内部で核酸させることにより成され得る。膨潤は温度、圧力によっても成され、あるいは溶剤だけでなく他の化学的手段(化学剤、pH等)によっても成され得る。
カプセルに入れられた物質を膜に組み込むこともまた可能である。この手法により、カプセル化物質を、膜の中に包むよりも修正または改良された放出特性を与え得る。
発明のナノおよびマイクロカプセルに追加的に組み込まれる作用薬の種類は如何様にも限定されない。
例えば薬剤には、鎮痛剤;催眠剤および鎮静剤;うつ病および精神分裂病等の精神障害の治療薬;抗癲癇薬および抗痙攣薬;パーキンソン病ならびにハンチントン舞踏症、老化およびアルツハイマー病の治療薬;CNS外傷または脳卒中の治療薬;依存症および薬物乱用の治療薬;寄生虫感染および微生物により引き起こされる疾病の化学療法剤;免疫抑制物質および抗癌剤;ホルモンおよびホルモン拮抗薬;非金属有毒物質の拮抗薬;癌治療用の細胞静止薬;医学の分野で使用される診断物質;免疫活性および免疫反応剤;抗生物質;鎮痙薬;抗ヒスタミン剤、制嘔吐剤;弛緩剤;刺激薬;大脳拡張薬;向精神薬;血管拡張薬および収縮薬;抗高血圧薬;偏頭痛治療薬;睡眠薬;高血糖および低血糖薬;抗喘息薬;抗ウィルス剤;およびまたそれらの混合物が含まれる。
栄養素および食品添加物は、ビタミン(アスコルビン酸、酢酸トコフェロール等)、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム等)、微量元素(セレン)、天然資源のエキス、天然油(魚油)等から選択され得る。
化粧剤は、例えば酢酸トコフェロール、天然または合成の油、パンテノール、植物エキス、UV吸収剤、殺菌剤、抗炎症剤、撥水剤から選択され得る。
上記の作用薬は溶媒中で溶解された形、懸濁された形、または固形の形で存在してよい。固形の形式の場合、本発明のスパイダーシルクタンパク質によってコーティングされた固形のコアが与えられる。
好ましい実施形態では、工程e)のポリマーネットワークの分離は遠心または工程c)で形成されたエマルジョンを破壊して一相の溶液を形成することにより成される。しかしながら、エマルジョン系から本発明のナノおよびマイクロカプセルを分離するために、他の方法を用いてもよい。
工程b)−e)で使用される温度は5−40℃、好ましくは10−30、より好ましくは室温である。工程b)−e)で使用されるpHは好ましくは3−9、好ましくは5−8、より好ましくは7である。
エマルジョン小滴およびそれから得られるナノおよびマイクロパーティクルのサイズは好ましくは10nm〜40μm、好ましくは500nm〜10μmの間、最も好ましくは5μmである。得られたナノおよびマイクロカプセルの壁厚は好ましくは5〜100nm、より好ましくは10〜70nmである(例えば図5参照)。
第2態様では、本発明は上記に開示した方法により得られるナノおよびマイクロカプセルを提供する。
本発明の第3態様は、上述のナノおよびマイクロカプセルと、1または複数の医薬として許容される担体とを含有する医薬組成物を対象とする。従って好ましくは、本発明の活性成分はそのような医薬組成物において許容される担体と混合した状態で弛緩が治療または少なくとも緩和されるような用量で使用される。そのような組成物は、活性成分および担体に加えて、充填剤、塩類、緩衝剤、安定剤、可溶化剤、および当該技術分野で周知の他の物質を含有し得る。
「医薬として許容される」という用語は、活性成分の生物活性の有効性に干渉しない非毒性の物質として定義される。
医薬組成物は活性成分の活性を増強するか、または治療を補足する追加の成分を含有してもよい。そのような追加の成分および/または因子は相乗効果を達成するか、副作用または望ましくない作用を最小限にするための医薬組成物の一部であり得る。
本発明の化合物を製剤化、調製、および適用、投薬するための方法は「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.,ペンシルベニア州イーストン、最新版(前述)に公表されている。適当な適用には口内適用、皮膚適用、または経粘膜適用や、非経口適用、例えば筋内注射、皮下注射、髄内注射、ならびにくも膜下注射、直接脳内痛者、静脈内注射、服腔内注射、または鼻内注射が含まれる。
第4態様では、本発明は上記に開示したナノおよびマイクロカプセルを含有する化粧品または食品を提供する。
本明細書で言及した刊行物、特許出願、特許、および他の文献はすべてその全体が参照により組み込まれる。矛盾がある場合には、定義を含めて本明細書が優先される。さらに
、材料、方法および実施例は例示であって、限定的なものではない。
実施例
タンパク質製剤
スパイダーバルーンを形成するタンパク質溶液を、まず、組換えスパイダー引き綱シルクタンパク質(C16、Huemmerich et al.,2004参照)を6M グアニジンチオシアネートに10mg/mlの濃度で溶解することにより調製した。タンパク質溶液を4℃まで冷却し、14kDaの分子量カットオフ値のCarl Roth社の透析チューブを用いて10mM Trisバッファ(pH8.0)に対し一晩タンパク質溶液を透析することにより、グアニジンチオシアネートの濃度を1mMよりも低くなるよう減小させた。透析溶液を溶液温度を4℃に保ちつつ100,000×gの力で30分間遠心することにより、分散していないタンパク質を除去した。276nm波長で0.859のタンパク質吸光係数を使用してUV吸収を用いて最終的なタンパク質濃度を決定した。
マイクロカプセルの形成
5μlの透析したタンパク質懸濁液を300μlのトルエンに90秒間乳化することにより、スパイダーシルクのマイクロカプセルを形成した(図2A)。乳化中、シルクタンパク質は吸着し、エマルジョン小滴の表面で自身の構造のコンホメーションを変化させ、これによってエマルジョン小滴をカプセルに入れるポリマーネットワークが生じた(図2B)。1〜6mg/mlの濃度のタンパク質懸濁液を用いて20秒という短い乳化時間でスパイダーシルクマイクロカプセルを形成した。形成されたマイクロカプセルのサイズはエマルジョン小滴のサイズに依存していた。
一旦形成されると、エマルジョン小滴を包囲するタンパク質は2つの相からなるエマルジョンから一つの相からなる溶液へと移動された。タンパク質シェルを移動させるのには2つの異なる方法が有効である。第1の方法では300μlの水をトルエンに加え、水溶性副層を形成した。水滴を包囲するタンパク質外殻を100×gの力で4分間、トルエン層から水溶性の副層へと遠心した(図2C)。第2の方法ではトルエンと水を安定化させるために300μlのエタノールを2つの相からなるエマルジョンに添加することにより1つの相からなる溶液を形成した(図2D)。マイクロカプセルを1つの相からなる溶液へ移動させるいずれかの方法を用いた後、光学顕微鏡を用いて生じた構造を調べた(図3)。
その構造が主としてランダムコイルである可溶性C16と異なり、組み立てられたタンパク質はβ−シートリッチなコンホメーションを有する。組み立てた時のこのC16のコンホメーションの変化は赤外顕微鏡を用いて観察した。最初に、D2Oに溶解させたC16は、
ランダムコイル構造をしたタンパク質にとって特徴的なことに、1645cm-1で光を吸収した(図6)。マイクロカプセルの形成後、吸収スペクトルに2つの肩が現れたが、これはC16の二次構造の変化を示している。スペクトル解析によれば、1621cm-1、1642cm-1、1661cm-1および1683cm-1の4つのガウスピークの寄与が明らかである。
遠心されたマイクロカプセル様外からの完全性は、乳化前にタンパク質溶液にFITC標識した500kDaデキストラン(Sigma−Aldrich)を加えることにより確認された。乳化および遠心後、形成されたマイクロカプセル様構造は蛍光を発し続けたが、これはマイクロカプセル様構造のタンパク質外殻が遠心中に破れなかったことを示している(図4)。マイクロカプセル膜は、高分子量デキストランのような大きな分子を捕捉することができるが、フルオレセインのような小分子は通過させる。遠心されたマイクロカプセルの外部に低分子量FITC標識デキストランが加えられた場合、デキストランの一部は膜を通過してカプセルに入れる(図7A)。デキストランは低分子量デキストラ
ン分子と高分子量デキストラン分子の両方を含む非定形の多分散性を有するため、低分子量デキストランの部分的進入が生じる(図7B)。その結果、膜は特定の分子量カットオフより低いデキストランを許可し、そのカットオフよりも大きいデキストランを排除する。マイクロカプセル内部の蛍光強度の量の測定により、およびゲル浸透クロマトグラフィにより測定されるようなデキストランの蛍光分子量分布(図7B)の使用により、膜の分子量カットオフは決定された。13の異なるサンプル中の52個の異なるマイクロカプセルの浸透性を測定した。これらのマイクロカプセルの分子量カットオフは0.3kDaから6.0kDaに及び、平均分子量カットオフは2.2kDa(rg〜18Å)であった
(図7C)。
酵素により誘起されるFITC標識デキストラン等の内容物の放出を、酵素プロテイナーゼKを使用して実証した(図8)。プロテイナーゼKの添加直後の蛍光の喪失により示されるように、マイクロカプセル膜の完全性は破壊され、デキストランが放出される。デキストランの放出後、完全な消化が13±1分に起こるまで酵素はマイクロカプセルを消化し続ける。
マイクロカプセルの酵素による消化は、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)およびTris(2,2’−ビピリジニル)ジクロロルテニウム(II)(Rubpy)を用いた光開始酸化によってC16を化学的に架橋することにより防止し得る。C16を化学的に架橋するためには、10mM APSと100mM Rubpyが遠心溶液に加えられ、混合物をタングステン電球からの光に5分間露出させることにより光開始される。この架橋によってC16マイクロカプセルはプロテイナーゼKによる処理に対して安定になる。架橋後、架橋されたマイクロカプセルに100μM プロテイナーゼKを添加すると、37℃で一時間インキュベートした後でもカプセルの完全性に影響を及ぼさない。この挙動は、同じ条件でカプセルに入れられたデキストランをほぼ即時に放出する非架橋マイクロカプセルとは著しく異なる。
形成されたマイクロカプセルは、高度に弾性であることが観察される。マイクロカプセルの弾性力はAFMでの圧縮により測定される。圧縮測定のために、35μmのガラス急を10pN/nmのばね定数を有するAFM片持ち梁に取り付け、1〜4μmの範囲のサイズのマイクロカプセルについて力 対 変形 曲線を得た(図9)。変形が小さいところでは、加えた力fと生じた変形εとの間の関係が
Figure 0005129746
により表される。
ここでhは膜厚、Eはヤング係数、σはポアソン比、および前因子は次数1の定数である。使用されるシルクモノマーの最初の濃度から計算された最大のカプセル壁厚を使用し、かつポアソン比を0.5と仮定して、E=0.7−3.6GPaの間のヤング係数を有するようにマイクロカプセルを決定した。このカプセルは優れた化学的安定性をも示す。2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および8M尿素等のタンパク質変性剤の添加はカプセルの完全性に影響を及ぼさない。数週間このような条件下にあってマイクロカプセルは安定していることが観察された。
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NaCl濃度とpHの関数としてのペプトソームの流体力学半径RHの動的光散乱を示す。 ペプトソームと、コイルのペプチド部分のα−ヘリックス二次構造移行によるpHの関数としてのペプトソームのサイズの変化の略図。 スパイダーバッグ/バルーン形成プロセスの略図。(A)水溶性タンパク質懸濁液がトルエン中に乳化されている(B)タンパク質が水−トルエンの界面に吸着し、変性してポリマーネットワークを形成する(挿入図)(C)一旦吸着されると、タンパク質ネットワークは遠心により水中に移動される。最終的なバッグ/バルーン構造は内側に水、外側に水を有する。(D)代わりに、一旦吸着されると、タンパク質ネットワークはエタノールの添加により一つの相からなる溶液へ移動され得る。 トルエン/エタノール(50:50)のスパイダーバッグ/バルーンの画像。 水中に移動した後。 連続する水相へ移動した後のFITC標識デキストラン(分子量500kDa)で満たされたスパイダーバッグ/バルーンの画像(A)明視野像。 連続する水相へ移動した後のFITC標識デキストラン(分子量500kDa)で満たされたスパイダーバッグ/バルーンの画像(B)蛍光像。 SEMによりイメージングされた乾燥スパイダーバッグ/バルーンを示す。膜厚は70nm未満であることが分かった。 マイクロカプセル形成前(一点鎖線)および形成後(実線)のD2OでのIRスペクトル。スペクトルのシフトはマイクロカプセル形成中のタンパク質の変化を示している。詳細には、このシフトはβシートの形成を示す。マイクロカプセルIRスペクトルの解析(ディコンボリューション)およびガウスフィットにより4つのピークが明らかとなる。解析ピークは、1621cm-1、1642cm-1、1661cm-1、および1683cm-1であり、それぞれがβ−シート、ランダムコイル構造およびβ−ターンの2つのピークに割り当てられる。 マイクロカプセルの浸透性測定。(A)マイクロカプセルの外部に0.3%の4kDa FITCデキストランを添加した、水中のマイクロカプセルのサンプル共焦画像のサンプル。デキストランの一部が膜に浸透する。 マイクロカプセルの浸透性測定。(B)GPC蛍光により測定されるデキストランの分子量分布。 マイクロカプセルの浸透性測定。(C)51個のマイクロカプセルの分子量カットオフヒストグラムの測定値。平均分子量カットオフは2.2kDaである。 16マイクロカプセルのプロテイナーゼK消化。上列;位相差画像。下列:蛍光画像。蛍光の喪失で示されるように、プロテイナーゼKの添加直後にデキストランが放出される。マイクロカプセルの完全な消化の13±1分後に生じる。 AFMにより測定された加えた力 対 マイクロカプセル変形。挿入図のグラフは、小変形(ε<1%)中の線形の力の様式である。 本発明で使用される環状RGD分子の合成の最終工程。

Claims (18)

  1. ノまたはマイクロカプセルを製造する方法であって、
    a)人工スパイダーシルクタンパク質を提供する工程、
    b)適切な溶媒で、前記タンパク質の溶液または懸濁液を形成する工程、
    c)少なくとも2つの相からなるエマルジョンであって、第1相としての前記工程b)で形成された溶液または懸濁液と、前記第1層と実質的に非混和な少なくとも1つのさらなる相とを含むエマルジョンを生成する工程、
    d)前記少なくとも2つの相の界面に前記人工スパイダーシルクタンパク質のポリマーネットワークを形成する工程、および
    e)(d)で生成されたタンパク質ポリマーネットワークをエマルジョンから分離する工程、
    からなる方法。
  2. 工程a)で提供されるスパイダーシルクタンパク質はC16、C16NR4、C32、C32NR4を含むADF−4およびその誘導体から選択され、Cは配列番号5のアミノ酸配列であり、NR4は配列番号11のアミノ酸配列である請求項1に記載の方法。
  3. 工程a)で提供されるスパイダーシルクタンパク質は反復ユニットとして(AQ)および(QAQ)のうちの1つ以上を含み、Aは配列番号3のアミノ酸配列であり、Qは配列番号4のアミノ酸配列である請求項1に記載の方法。
  4. 工程a)で提供されるスパイダーシルクタンパク質は(AQ) 12 、(AQ) 24 、(QAQ) 8 、(QAQ) 16 からなる群から選択され、Aは配列番号3のアミノ酸配列であり、Qは配列番号4のアミノ酸配列である請求項3に記載の方法。
  5. 工程a)で提供されるスパイダーシルクタンパク質は(AQ) 12 NR3、(AQ) 24 NR3、(QAQ) 8 NR3、(QAQ) 16 NR3、Y 8 、Y 16 、X 8 、X 16 、K 8 、K 16 からなる群から選択され、Aは配列番号3のアミノ酸配列であり、Qは配列番号4のアミノ酸配列であり、NR3は配列番号10のアミノ酸配列であり、Yは配列番号41のアミノ酸配列であり、Xは配列番号39のアミノ酸配列であり、Kは配列番号35のアミノ酸配列で
    ある請求項1に記載の方法。
  6. 工程b)の溶媒と、少なくとも1つのさらなる相の溶媒とのうちの少なくとも一つが、親水性溶媒または親油性溶媒から選択される請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程c)で形成されるエマルジョンがW/O型、O/W型、O/W/O型またはW/O/W型である請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程b)で使用される溶媒が、1または複数の薬剤、化粧剤、栄養素または食品添加物をさらに含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記薬剤は溶解されるか、懸濁されるか、または固形の形で溶媒中に存在する請求項8に記載の方法。
  10. 工程b)−e)に使用される温度は5−40℃であり、工程b)−e)に使用されるpHは3−9である請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. エマルジョン滴および同滴から得られたナノまたはマイクロ粒子のサイズは10nmから40μmまでである請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記得られたナノまたはマイクロカプセルの壁厚が5〜100nmである請求項1〜11のいずれかに記載の方法
  13. 工程a)で提供されるスパイダーシルクタンパク質は、組織特異的タンパク質分解を可能にするプロテアーゼ特異的認識配列を導入するよう遺伝子組換えされている請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記ナノまたはマイクロカプセルを特異的な細胞または組織に向けるために、前記ナノまたはマイクロカプセルの形成前か形成後に前記スパイダーシルクタンパク質に作用薬を結合させる請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記作用薬は、スパイダーシルクタンパク質に架橋されたRGDペプチド、細胞または組織特異的抗体、およびスパイダーシルクタンパク質に結合される細胞または組織特異的受容体から選択される請求項14に記載の方法。
  16. 請求項11または12に記載の方法によって得られるナノまたはマイクロカプセル。
  17. 請求項16に記載のナノまたはマイクロカプセルと、医薬として許容される担体とを含有する医薬組成物。
  18. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法によって得られるナノまたはマイクロカプセルを含有する化粧品または食品。
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