JP5127179B2 - リチウム二次電池正極活物質の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池正極活物質の製造方法に関するものである。
リチウム金属、リチウム合金あるいはリチウムイオンを吸蔵、放出可能な物質を負極活物質とするリチウム二次電池は高い電圧と優れた可逆性を特徴としている。特に、正極活物質としてリチウムと遷移金属との複合酸化物を用い、負極活物質として炭素系材料を用いたリチウムイオン二次電池は、従来の鉛二次電池やニッケル−カドミウム二次電池などに比較し、軽量で放電容量も大きいことから、電子機器に広く使用されている。
現在、一般的に用いられているリチウムイオン二次電池の正極活物質として、主にLiCoO2、LiNiO、LiMnO、あるいはLiMnが用いられているが、特に、コバルトやニッケルは埋蔵量が少なく、しかも限られた地域でしか産出しないため、今後、より一層の需要増加が見込まれるリチウムイオン二次電池の正極活物質としては、価格の面からも原料の安定供給の面からも好ましくない。また、安全性の面からも、これらの活物質では反応性が高いために問題になることがある。またマンガン系は比較的安価な材料ではあるが、サイクル特性の安定性に問題がある。
これに対して、産出量が多く安価で安定な鉄を原料に用いたリン酸鉄リチウムあるいはリン酸鉄リチウムの鉄の一部を他元素で置換した材料が、リチウム二次電池の正極活物質として動作することが知られている。
しかし、これらのオリビン型リン酸Mリチウム(Mは遷移金属)系材料は電池充放電時のリチウムの挿入脱離反応が遅く、従来用いられてきたLiCoO2などのリチウム金属酸化物に比べて電気抵抗が非常に大きいため、充放電を行った場合に抵抗分極が増大し、十分な放電容量が得られないこと、充電では受入れ性が悪い問題がある。特に、大電流の充放電において顕著となる。
この様な問題を解決する方法として、オリビン型リン酸Mリチウム系材料の粒子を微細化し、反応面積を増やし、リチウムイオン拡散を容易にすること、および電気がリン酸鉄リチウム系材料粒子内部を流れる距離を短くすることが考えられている。
しかし、オリビン型リン酸Mリチウム系材料の微細粒子は電極作製時にカーボンブラック等の導電材と混合する際に二次凝集を起こしやすい。凝集粒内部ではリン酸鉄リチウム系材料粒子同士、および導電剤が点で接触しているために、十分な集電効果が得られずに電気抵抗が非常に大きくなる。よって凝集粒子中央部の活物質は電池の充放電を行っても電子伝導が起こらず、充放電容量が低下する。
そこで、リン酸鉄リチウム系材料の微細粒子上に導電性で酸化還元電位よりも貴な銀、炭素、白金、パラジウム等の微粒子のうち少なくとも一種を担持する方法(特許文献1)や、導電剤としてカーボンを使用し、カーボン源として、カーボンブラックまたは有機化合物等の懸濁液をリン酸鉄リチウム系材料の合成時に投入して、粒子表面に均一に分散する方法(特許文献2)や、オリビン型リン酸リチウムの粒子内部に炭素からなる導電パスが組み込まれた粒子を用いる方法(特許文献3)や、オリビン系化合物の合成原料、例えばリチウム化合物、二価の金属化合物およびリン酸化合物へ炭素質前駆体や水溶性有機物を添加し、焼成後に炭素コンポジットを作製する方法(特許文献4)などが提案されている。
特開2001−110414号公報 特開2005−116392号公報 特開2003−203628号公報 特開2003−292309号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、金属粒子の担持であるために還元剤の使用や、ボールミリングまたはビーズミリングが必要になり工程が煩雑になるばかりか、金属であるために化学的な変性も受けやすく安定性に問題がある。また粒子同士の接続なので、上記の集電性の問題は十分に解決されない。
また、特許文献2に記載の方法においても分散効果が不十分であり、十分な集電効果は期待できるものではない。
また、特許文献3に記載の方法は、炭素からなる導電パスを粒子内部に形成することで電池性能および導電性を向上させることが可能としているが、市場の要求を満足するものとなっていない。
また、特許文献4に記載の方法は、電池活物質としては高度な粒度制御が必要になるので、原料への添加により著しく制御が困難になる問題がある。
この他、オリビン型リン酸Mリチウム系材料の粒子表面はバルクと比較して、結晶性が低いためにアモルファス状になっていると考えられている。このために空気中での放置により二価の金属が酸化され、より抵抗の大きな三価のリン酸塩に変化する。これにより、初充電時に大きな分極を発生するので、放置条件が厳しいことや、活性化が煩雑になることや、抵抗成分が残留する問題もある。
このような背景の下、本発明は上記課題を解決するため鑑みなされたものであり、その目的は、安価なリン酸鉄リチウム系材料を正極に用いたリチウム二次電池の大電流での放電特性あるいは充電特性の改善、および安定供給を目指すものである。
本発明は、オリビン型リン酸Mリチウム(Mは鉄、コバルト、マンガン、ニッケルのうち少なくとも一種以上を含む元素)と、還元性を有する水溶性炭水化物または還元性を有する水溶性炭水化物と還元性を有さない水溶性炭水化物とを混合した混合水溶性炭水化物とを不活性雰囲気中で加熱処理して、該水溶性炭水化物または混合水溶性炭化物を炭化したことを特徴とするものである。
また、正極活物質中に、更にカーボン系導電剤を混在したことを特徴とするものである。
本発明は、オリビン型リン酸Mリチウム(Mは鉄、コバルト、マンガン、ニッケルのうち少なくとも一種以上を含む元素)の正極活物質として、オリビン型リン酸Mリチウム粒子表面または粒子間に、還元性を有する水溶性炭水化物、または還元性を有する水溶性炭水化物と還元性を有さない水溶性炭水化物とを混合した混合水溶性炭化物を焼成し導電カーボン層を形成することで、活物質粒子を被覆するために金属成分の溶出を抑制することが可能であり、集電効果が向上し、充放電容量が大きく、特に高率放電が良好な長期安定なオリビン型リン酸Mリチウム電池を提供することが可能である。
オリビン型リン酸Mリチウム(Mは鉄、コバルト、マンガン、ニッケルのうち少なくとも一種以上を含む元素)は、導電性が非常に低いことから、結晶粒子の粒径・結晶化度を精細に制御する必要がある。
そこで、本発明はオリビン型リン酸Mリチウム粒子表面または粒子間に、還元性を有する水溶性炭水化物または還元性を有する水溶性炭水化物と還元性を有さない水溶性炭水化物とを混合した混合水溶性炭水化物から得られた導電カーボンを形成するものである。
本発明によれば、リン酸Mリチウム粒子に還元性を有する水溶性炭水化物または還元性を有する水溶性炭水化物と還元性を有さない水溶性炭水化物とを混合した混合水溶性炭水化物から得られた粉末を不活性雰囲気中で加熱処理することでリン酸Mリチウム粉末と炭素源を合成時に混合したものより、結晶粒子の粒径・結晶化度が良く制御された粒子を得ることが可能である。また、加熱処理した粉末にカーボン系導電剤を付与することにより、さらに特性の向上したリン酸Mリチウム粉末を得ることが可能である。この様にすることで、粒子を制御して合成した表面積の大きな微細オリビン型リン酸Mリチウム粒子表面の酸化を抑制しつつ、導電性を持つ炭素を析出させることが可能である。
本発明において還元性を有する水溶性炭水化物または還元性を有する水溶性炭水化物と還元性を有さない水溶性炭水化物に限定したのは、粒子表面に水で溶いた炭水化物を万遍なく行き渡らせるためであり、この状態とすることで粒子に有機物が被覆した状態とすることが可能である。
結晶粒子の酸化は還元性を有する炭水化物によって抑制することが可能であり、還元性を有する炭水化物としては、ブドウ糖や果糖、ショ糖加水分解物、セルロース加水分解物の他、アルデヒド基やケトン基等の還元性官能基を有するものであれば良い。また、本発明で用いる炭素源としては、例えば、水溶性炭化水素が挙がられ、ショ糖、オリゴ糖やデキストリン等の糖類、糊化したデンプンやグリコーゲン等を用いることができる。これらの炭水化物は安価である点、またバイオマスであるので環境配慮の面からも使用が望ましい。
以下に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
まず、公知の方法である水熱法によりリン酸鉄リチウムを合成した。リン酸鉄リチウムは、リン酸リチウム4.63g、及び2価の鉄化合物として2価の塩化鉄4水和物7.95gを耐圧容器(オートクレーブ)中に蒸留水200mlと共に入れ、耐熱容器内の空気をアルゴンガスで置換した後に密閉した。この耐圧容器を180℃のオイルバス中で、48時間反応させた。その後、室温まで放冷し内容物を取り出して100℃で乾燥させて粉末試料を6.47g得た。
なお、得られた粉末試料はX線回折パターンにより、リン酸鉄リチウムであることが確認され、また、走査型電子顕微鏡(SEM)観察から、20〜200nmの粒径を有していることが確認できた。
(粉末Aの作製)
そして、前記方法によって得られたリン酸鉄リチウム6.47gと、ショ糖を主成分とし転化糖(還元性官能基のアルデヒド基を有するブドウ糖と果糖の混合物)を含んだ市販の砂糖1.54gとを混合した。本実施例で用いた砂糖は、還元性を持つ水溶性炭水化物であり、リン酸鉄リチウムに対して10%に相当する炭素を持つ。次に、混合物に蒸留水を10ml投入して、良く混練後、100℃で2時間乾燥した。その後、窒素雰囲気下600℃で2時間の焼成をし、室温まで放冷後に黒色塊状の反応物を得た。この過程で表面に被覆した還元性炭水化物の作用により、混合した粒子の二価から三価への酸化を抑制することが可能となっている。同時に、混合した粒子を焼成することで導電性の炭素に変化していると考えられる。反応物を直径10mmのジルコニアボールを用いてボールミルによる粉砕を実施し、平均粒径2μmの粉末を得た(粉末A)。
なお、リン酸鉄リチウムと砂糖を混合物し反応させて作製した粉末Aを走査電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、表面積が大きく微細な粉末であり、生成した炭素は多孔質であった。また、生成した炭素はリン酸鉄リチウム粒子の周囲に密着し、粒子同士は炭素によって結着していることが確認された。このことから、得られた粉末Aの結晶粒径は大きいものであり、塗工用スラリーが作製し易くなり、またリン酸鉄リチウム粒子からの鉄の溶出を抑制することが可能となっている。
なお、粉末Aは誘導結合プラズマ(ICP)によるFe定量分析結果から算出し、6%の炭素含量であった。
(粉末Bの作製)
実施例1と同様の方法によって得られたリン酸鉄リチウム6.47gと、還元性を持つ水溶性炭水化物として0.08gのブドウ糖と、1.39gのショ糖を混合した以外は粉末Aの作製と同様の方法で平均粒径2μmの粉末を得た(粉末B)。
なお、粉末はICPによるFe定量分析結果から算出し、5.8%の炭素含量であった。
(粉末Cの作製)
実施例1と同様の方法によって得られたリン酸鉄リチウム6.47gと、還元性を持つ水溶性炭水化物として0.08gのブドウ糖を混合した。還元性を持たない水溶性炭水化物として馬鈴薯デンプン1.39g含む100℃の糊化デンプン水溶液を10ml投入した以外は粉末Aの作製と同様の方法で平均粒径2μmの粉末を得た(粉末C)。
なお、粉末はICPによるFe定量分析結果から算出し、5.5%の炭素含量であった。
(比較例)
(粉末Dの作製)
まず、リン酸第一鉄含水塩(Fe(PO・8HO)10gと前記のリン酸リチウム(LiPO)2.4gをミキサーで十分乾式混合した。次いで、蒸留水10mlにポリエチレングリコール3g溶解した溶液に攪拌下に1時間浸漬し、減圧下に乾燥して溶媒を除去した。この混合物を粒径8mmのアルミナビーズで乾式ビーズミル装置を用いて粉砕処理し、反応前駆体を得た。そして、この反応前駆体10gをハンドプレスにより44MPaでプレス成形した。次いで、このプレス成形品を窒素雰囲気下に600℃で5時間焼成し、冷却後、粉砕、分級して炭素質物質を被覆したリン酸鉄リチウムを得た(粉末D)。
なお、粉末はICPによるFe定量分析結果から算出し、5.6%の炭素含量であった。
また、この複合体のリン酸鉄リチウム部分の粒径は0.2〜2μm程度であり、水熱法で得られたリン酸鉄リチウムの粒径と比較して大きいことが判明した。また、製造条件を変化させて小粒径物を得ようと試みたが、安定して小粒径のリン酸鉄リチウムを得ることは困難であった。
(粉末Eの作製)
水とエタノールを体積比で1:1に混合した溶液中に、水熱法で得られたリン酸鉄リチウム粉末を入れ十分に攪拌し、攪拌を続けながら硝酸銀を、含まれる銀イオンの重量がリン酸鉄リチウムの重量の5%となるよう秤量して加えた。更に攪拌を続けながらアセトアルデヒドを、硝酸銀1g当たり20ml加えてリン酸鉄リチウム粉末上に銀を析出させた。これをろ過、乾燥することにより粉末を得た(粉末E)。
(粉末Fの作製)
硝酸リチウム(LiNO)と、硝酸鉄(Fe(NO)と、リン酸(HPO)をモル比で1:1:1となるように混合して、リン酸鉄リチウムに換算して0.1Mになるように水に溶解した。この溶液1000ccにアセチレンブラックを20g投入して十分に攪拌後、この溶液を超音波霧化器で霧状にした後、空気をキャリアガスとして300℃の熱処理炉内に導入して熱分解を行ない、前駆体を得た。次いで、この前駆体を窒素ガス雰囲気中にて450℃で1時間、熱処理して粉末を得た(粉末F)。
(粉末Gの作製)
実施例1と同様の方法によって得られたリン酸鉄リチウム6.47gと、アセチレンブラック20gとを混合し粉末を得た(粉末G)。アセチレンブラックは、リン酸鉄リチウムに対して6%に相当する炭素を持つ。
(正極の作製)
まず、実施例1で作製した粉末A(無添加のリン酸鉄リチウム)に、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、重量比95:5の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて十分混練し、正極スラリーを得た。正極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体に塗布し、120℃で30分間乾燥した。その後、ロールプレスで圧延加工し、2cmの円盤状に打抜いて、正極とした。
(負極の作製)
次に、負極材料である人造黒鉛(平均粒径5μm、d002=0.337nm、Lc=58nm)及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)を重量比95:5の割合で混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて十分混練し、負極ペーストを得た。そして、前記負極ペーストを厚さ20μmの銅箔集電体上に塗布し、25℃の常温中で自然乾燥後、さらに減圧下130℃で12時間乾燥した。その後、ロールプレスで圧延加工し、2cmの円盤状に打抜いて、負極とした。
(電解液の作製)
そして、エチレンカーボネートおよびジエチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した混合溶媒に、LiPFを1Mの濃度で溶解し、電解液を作製した。電解液中の水分量は15ppm未満とした。
(リチウム二次電池の作製)
これら、正極、負極、電解液およびセパレータを用いて、公知の方法により直径25mm、厚さ1.6mmのコイン型リチウム二次電池を作製した(本発明1)。
なお、負極缶、正極缶、負極集電体および正極集電体はステンレス鋼板から成り、絶縁パッキングはポリフェニレンスルフィドから成る。セパレータとしては、ポリフェニレンスルフィド製の不織布を使用し、これに電解液を含浸させた。
また、コイン型リチウム二次電池作製時の雰囲気は露点が−50℃以下とした。
次に、上記で得た種々の粉末(粉末A〜G)にカーボン系導電剤としてアセチレンブラックを全炭素量として10%になるように混合した以外は上記記載の方法と同様に正極を作製し、次いで、負極、電解液を作製し種々のコイン型リチウム二次電池を作製した(粉末A〜Cを用いたもの本発明2〜4、粉末D〜Gを用いたもの比較例1〜4)。
(各正極のFe溶出量の測定)
リン酸鉄リチウムを正極に用いた電池は、高温でのフロート充電または放置によって電解液中に鉄が溶出し、これが負極に析出することによる容量低下が問題になることが知られている。そこで、電池に使用した電解液100ccに各正極をリン酸鉄リチウムが5gになるように耐熱性プラスチック容器の中に入れ、80℃で10日間放置後に電解液中に溶出した鉄濃度を原子吸光分析法によって測定した。
表1は種々の正極のFe溶出量を示したものである。
表1に示すように、本発明1〜4は比較例1〜4に比し、リン酸鉄リチウム粒子表面への炭素被覆効果が高く、電解液への鉄溶出を抑制する効果が非常に高いことが分かる。従って、電解液への鉄の溶出を抑制できることから長期間安定な電池が得られることを示唆される。なお、本発明1と2から明らかな通り、追加混合した導電剤の有無は鉄の溶出には影響しないことが分かる。
(リチウム二次電池の電池試験)
種々作製したコイン型リチウム二次電池(本発明1〜4、比較例1〜4)を用いて充放電サイクル試験を10サイクル行った。この時の試験条件は、充電を充電電流0.1CA、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電を放電電流0.1CA、放電終止電圧2.0Vの定電流放電とした。なお、試験は25℃の環境下で行った。この時の、種々の放電容量を表2に示す。
また、11サイクル目には充電を充電電流5.0CA、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電を放電電流5.0CA、放電終止電圧2.0Vの定電流放電とした高率放電試験を行った。この時の、種々の放電容量を表2に併せて示す。また、表2には高率放電特性を見るため5.0CAと0.1CAの比を併せて示した。高率放電特性に優れる電池ほど5.0CAと0.1CAの比が高いことを示している。
なお、0.1CAおよび5.0CA夫々の容量は充填したリン酸鉄リチウムの1g当たりの容量とした。
表2に示すように、本発明1〜4は良好な放電性能が得られていることが分わかる。特に、5CAの放電容量において比較例1〜4に比し本発明1〜4が優れていることが分かる。また、リン酸鉄リチウム粉末に導電剤を混合した本発明2〜4は、リン酸鉄リチウム粒子からの集電効率が向上し、炭素による導電マトリックスが隅々にまで張り巡らされ、さらに放電特性が向上していることが分かる。
それに対し、比較例1は炭素質前駆体として還元作用のないポリエチレングリコールを使用したことと、水溶液への浸漬時間が1時間と長いことによりリン酸鉄リチウム粒子表面のアモルファス層の二価の鉄が三価まで酸化されて、表面抵抗が増加したことにより、放電特性が劣ったものと推定される。比較例2と3は活物質粒子との接触が点接触であること、比較例4は単純な物理混合であることにより、十分な集電効果が得られず、放電特性が悪いと推定される。
以上の結果より、オリビン型リン酸Mリチウムの正極活物質として、オリビン型リン酸Mリチウム粒子表面または粒子間に、還元性を有する水溶性炭水化物、または還元性を有する水溶性炭水化物と還元性を有さない水溶性炭水化物とを混合した混合水溶性炭化物を焼成し導電カーボン層を形成することで、電解液への鉄の溶出を抑制できることから長期間安定な電池が得られる。また、これを用いたリチウム電池は集電効率が向上し、特に高率放電が良好な長期安定なリチウム電池を提供する。
なお、本実施例ではリン酸鉄リチウムの例を示したが、鉄の代わりにコバルト、マンガン、ニッケル、またはこれらの混合物を用いた場合においても同様の結果が得られた。

Claims (2)

  1. オリビン型リン酸Mリチウム(Mは鉄、コバルト、マンガン、ニッケルのうち少なくとも一種以上を含む元素)と、還元性を有する水溶性炭水化物または還元性を有する水溶性炭水化物と還元性を有さない水溶性炭水化物とを混合した混合水溶性炭水化物とを不活性雰囲気中で加熱処理して、該水溶性炭水化物または混合水溶性炭化物を炭化したことを特徴とするリチウム二次電池正極活物質の製造方法。
  2. 正極活物質中に、更にカーボン系導電剤を混在したことを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池正極活物質の製造方法。
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