JP6583459B2 - リチウムイオン二次電池用正極材料、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極材料、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極材料、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、充放電サイクルに伴う容量低下が著しいという課題がある。その要因の1つとしては、次のような現象が考えられる。正極活物質に付着した水分が二次電池内部に入り込んで、水分と電解液成分であるLiPFとが反応してフッ酸が生じる。このフッ酸は、オリビン系正極活物質を溶出させるため、リチウムイオン二次電池の容量が低下する。さらに、正極活物質から溶出した金属イオンが負極上に析出して、その析出物の表面に電解液の分解により固体電解質界面(Solid Electrolyte Interphase、SEI)を生成する。すると、電解液の分解に消費された電流の分、リチウムイオン二次電池の容量を消費する。特に、オリビン系正極活物質は、他の正極活物質に比べて比表面積が大きいため、多量の水分が付着する。そのため、この水分による充放電サイクルに伴う容量の低下が大きな課題であった。
この容量低下の解決策の1つとしては、例えば、水分を低減させたオリビン系正極活物質の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、オリビン系正極活物質は、比表面積が大きいため、保管時や正極製造時に大気中の水分を吸着し易い。したがって、特許文献1に記載されている製造方法では、水分による充放電サイクルに伴う容量の低下という課題を解決することができなかった。
特開2014−239036号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、正極活物質に作用するフッ酸量を低減し、金属溶出量を低減することができるリチウムイオン二次電池用正極材料、そのリチウムイオン二次電池用正極材料を含有するリチウムイオン二次電池用正極、および、そのリチウムイオン二次電池用正極を備えたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、正極活物質の表面が炭素質被膜で被覆されてなるリチウムイオン二次電池用正極材料において、前記正極活物質の比表面積が4m/g以上かつ30m/g以下であり、前記正極活物質は、一般式LiFeMn1−w−x−yMgPO(但し、AはCo、Ni、Zn、AlおよびGaからなる群から選択される少なくとも1種、0.00≦w≦0.02、0.05≦x≦0.35、0.00≦y≦0.10)で表される物質であり、熱重量測定において評価される室温から350℃までの重量減少率が0.8%以下であり、前記リチウムイオン二次電池用正極材料1gを、炭酸エチレンと、炭酸エチルメチルとを、体積比で1:1となるように混合した混合溶媒にLiPFを濃度1モル/dmとなるように溶解したLiPF溶液からなる電解液20mLに添加して55℃に加熱しながら1週間静置した場合に、前記電解液に溶出するFe、Mnの溶出量が前記電解液に対して80ppm以下であり、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種の含有量を200ppm以上かつ4000ppm以下とすることにより、電池内部でフッ酸が生じた場合でも、フッ酸と、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種との反応によりフッ酸が消費されるため、LFMPに作用するフッ酸量を低減し、金属溶出量を低減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極材料は、正極活物質の表面が炭素質被膜で被覆されてなるリチウムイオン二次電池用正極材料であって、前記正極活物質の比表面積が4m/g以上かつ30m/g以下であり、前記正極活物質は、一般式LiFeMn1−w−x−yMgPO(但し、AはCo、Ni、Zn、AlおよびGaからなる群から選択される少なくとも1種、0.00≦w≦0.02、0.05≦x≦0.35、0.00≦y≦0.10)で表される物質であり、熱重量測定において評価される室温から350℃までの重量減少率が0.8%以下であり、前記リチウムイオン二次電池用正極材料1gを、炭酸エチレンと、炭酸エチルメチルとを、体積比で1:1となるように混合した混合溶媒にLiPFを濃度1モル/dmとなるように溶解したLiPF溶液からなる電解液20mLに添加して55℃に加熱しながら1週間静置した場合に、前記電解液に溶出するFe、Mnの溶出量が前記電解液に対して80ppm以下であり、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種を200ppm以上かつ4000ppm以下含有する。
本発明のリチウムイオン二次電池用極は、電極集電体と、該電極集電体上に形成された正極合剤層と、を備えたリチウムイオン二次電池用正極であって、前記正極合剤層は、本発明のリチウムイオン二次電池用正極材料を含有する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明のリチウムイオン二次電池用正極を備える。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極材料によれば、正極活物質に作用するフッ酸量を低減し、金属溶出量を低減することができる。したがって、本発明のリチウムイオン二次電池用正極材料は、サイクル特性に優れる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極によれば、本発明のリチウムイオン二次電池用正極材料を含有しているため、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池用正極を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池によれば、本発明のリチウムイオン二次電池用正極を備えているため、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極材料、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[リチウムイオン二次電池用正極材料]
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料は、正極活物質の表面が炭素質被膜で被覆されてなるリチウムイオン二次電池用正極材料であって、正極活物質の比表面積が4m/g以上かつ30m/g以下であり、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種を200ppm以上かつ4000ppm以下含有する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料は、正極活物質の一次粒子の表面が炭素質被膜によって被覆されてなる。
正極活物質の一次粒子の平均一次粒子径は、20nm以上かつ550nm以下であることが好ましく、40nm以上かつ450nm以下であることがより好ましい。
ここで、正極活物質の平均一次粒子径を上記の範囲とした理由は、次の通りである。正極活物質の平均一次粒子径が20nm未満では、微細になり過ぎて結晶性を良好に保つことが難しくなる。一方、正極活物質の平均一次粒子径が450nmを超えると、正極活物質の微細化が不充分となり、その結果、非常に微細かつ結晶性の良好な正極活物質粒子が得られない。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料の比表面積は、4m/g以上かつ30m/g以下であり、5m/g以上かつ24m/g以下であることが好ましい。
ここで、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料の比表面積を上記の範囲に限定した理由は、次の通りである。比表面積が4m/g未満では、炭素質電極活物質複合粒子内におけるリチウムイオンの移動または電子の移動に時間がかかり、結果として、リチウムイオン二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池の内部抵抗が増加し、出力特性が悪化するため好ましくない。一方、比表面積が30m/gを超えると、炭素質電極活物質複合粒子の比表面積が増加し、結果として、必要な炭素の質量が増加し、リチウムイオン二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池の充放電容量が低減するため好ましくない。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料は、カルシウム(Ca)およびバリウム(Ba)からなる群から選択される少なくとも1種を200ppm以上かつ4000ppm以下含有し、230ppm以上かつ3900ppm以下含有することが好ましく、260ppm以上かつ3800ppm以下含有することがより好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料は、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種を上記の範囲で含むことにより、電池内部でフッ酸が生じた場合でも、フッ酸とCaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種との反応によりフッ酸を消費することができ、金属溶出量の低減が可能となるため、リチウムイオン二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性が改善する。
CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種の含有量が200ppm未満では、フッ酸の消費量が十分ではないため、金属溶出量の低減が十分ではなく、リチウムイオン二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性を改善することができない。一方、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種の含有量が4000ppmを超えると、過剰なCaやBaが抵抗成分となるため、リチウムイオン二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池の容量の低下やサイクル特性の悪化を引き起こす。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料では、正極活物質および炭素質被膜の少なくとも一方にて、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種を含有する。フッ酸とCaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種とが効率よく反応する観点から、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種は、炭素質被膜により多く含まれていることが好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料において、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種の含有量は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)によって測定される。
炭素質被膜の厚みは、1nm以上かつ5nm以下であることが好ましい。
炭素質被膜の厚みを上記の範囲とした理由は、次の通りである。炭素質被膜の厚みが1nm未満であると、炭素質被膜の厚みが薄すぎるために所望の抵抗値を有する膜を形成することができなくなる。その結果、導電性が低下し、正極材料としての導電性を確保することができなくなる。一方、炭素質被膜の厚みが5nmを超えると、電池活性、例えば、正極材料の単位質量あたりの電池容量が低下する。
炭素質被膜の被覆率は、60%以上であることが好ましく、80%以上かつ95%以下であることがより好ましい。
炭素質被膜の被覆率が60%以上であれば、炭素質被膜の被覆効果が充分に得られる。
炭素質被膜によって被覆された正極活物質(以下、「炭素質電極活物質複合粒子」と言うこともある。)の一次粒子の平均一次粒子径は、30nm以上かつ500nm以下であることが好ましく、50nm以上かつ400nm以下であることがより好ましい。
ここで、炭素質電極活物質複合粒子の一次粒子の平均一次粒子径を上記の範囲とした理由は、次の通りである。平均一次粒子径が30nm未満では、炭素質電極活物質複合粒子の比表面積が増えることで必要になる炭素の質量が増加し、充放電容量が低減する。さらに、炭素被覆が困難となり、充分な被覆率の一次粒子を得ることができず、特に低温や高速充放電において良好な質量エネルギー密度が得られない。一方、炭素質電極活物質複合粒子の一次粒子の平均一次粒子径が500nmを超えると、炭素質電極活物質複合粒子内でのリチウムイオンの移動または電子の移動に時間がかかり、よって内部抵抗が増加し、出力特性が悪化するので好ましくない。
炭素質電極活物質複合粒子の一次粒子の形状は特に限定されないが、球状、特に真球状の粒子からなる正極材料を生成し易いことから、その形状も球状であることが好ましい。
ここで、球状が好ましい理由は、次の通りである。炭素質被膜で被覆されている、正極活物質の一次粒子と、結着剤と、溶媒とを混合して、リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストを調製する際の溶媒量を低減させることができる。さらに、このリチウムイオン二次電池用正極材料ペーストの電極集電体への塗工も容易となる。また、形状が球状であれば、正極活物質の一次粒子の表面積が最小となり、ひいては、添加する結着剤の混合量を最小限にすることができ、得られる正極の内部抵抗を小さくすることができる。
さらに、正極活物質の一次粒子の形状を球状、特に真球状とすることで最密充填し易くなる。これにより、単位体積あたりのリチウムイオン二次電池用正極材料の充填量が多くなり、その結果、電極密度を高くすることができ、リチウムイオン二次電池の高容量化を図ることができるので、好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料に含まれる炭素量は、0.5質量%以上かつ5質量%以下であることが好ましく、0.7質量%以上かつ4質量%以下であることがより好ましい。
ここで、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料に含まれる炭素量を上記の範囲に限定した理由は、次の通りである。炭素量が0.5質量%未満では、電池を形成した場合に高速充放電レートにおける放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが困難となる。一方、炭素量が5質量%を超えると、炭素量が多すぎて、正極活物質の一次粒子の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の電池容量が必要以上に低下する。
また、正極活物質の一次粒子の比表面積に対する炭素担持量([炭素担持量]/[正極活物質の一次粒子の比表面積])は、0.4以上かつ2.0以下であることが好ましく、0.5以上かつ1.8以下であることがより好ましい。
ここで、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料における炭素担持量を上記の範囲に限定した理由は、次の通りである。炭素担持量が0.4未満では、リチウムイオン二次電池を形成した場合に高速充放電レートにおける放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが困難となる。一方、炭素担持量が2.0を超えると、炭素量が多すぎて、正極活物質の一次粒子の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の電池容量が必要以上に低下する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料は、熱重量測定(TG)において評価される室温から350℃までの重量減少率が0.8%以下であることが好ましく、0.75%以下であることがより好ましい。
ここで、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料の熱重量測定(TG)において評価される室温から350℃までの重量減少率を上記の範囲に限定した理由は、次の通りである。重量減少率が0.8%を超えると、リチウムイオン二次電池用正極材料の含水率が大きいため、リチウムイオン二次電池用正極材料を用いてリチウムイオン二次電池を作製した際のフッ酸の発生量が増加し、CaやBaによりフッ酸を消費することができず、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が悪化する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料の熱重量測定(TG)は、次のようにして行われる。
測定装置としては、示唆熱天秤装置を用いる。基準物質としては、Alを用いる。測定容器としては、白金パンを用いる。リチウムイオン二次電池用正極材料50mgを測定容器に収容する。示唆熱天秤装置により、測定容器内のリチウムイオン二次電池用正極材料を室温から350℃まで、昇温速度5℃/minで昇温させて、その際の重量減少率を評価する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料1gを電解液20mLに添加して55℃に加熱しながら1週間静置した場合に、電解液に溶出するFe、Mnの溶出量が電解液に対して80ppm以下であることが好ましく、75ppm以下であることがより好ましい。
ここで、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料1gを電解液20mLに添加して55℃に加熱しながら1週間静置した場合に、電解液に溶出するFe、Mnの溶出量を上記の範囲に限定した理由は、次の通りである。Fe、Mnの溶出量が電解液に対して80ppmを超えると、リチウムイオン二次電池用正極材料をリチウムイオン二次電池に用いてサイクルした際に、負極上に析出する金属イオンの量が多くなり、その析出物の表面に生成するSEIの量が増加するため、リチウムイオン二次電池の容量の消費が多くなる。
「正極活物質」
正極活物質は、リチウムイオン二次電池に用いることができる正極活物質であればよく、オリビン系正極活物質であることが好ましく、Li拡散に好適な結晶構造を有するLiFeMn1−w−x−yMgPO(但し、AはCo、Ni、Zn、AlおよびGaからなる群から選択される少なくとも1種、0.00≦w≦0.02、0.05≦x≦0.35、0.00≦y≦0.10)からなることがより好ましい。
LiFeMn1−w−x−yMgPOにおいて、wが、0.00≦w≦0.02を満たすこととした理由は、次の通りである。CoやZnは電圧1.0V〜4.3Vの範囲で電気化学的不活性な元素であり、電子伝導性およびLi拡散性、リチウムイオン(Li)の挿入脱離反応の活性化エネルギーの改善効果が高い。しかしながら、多量の固溶により充放電容量およびエネルギー密度の低減が顕著となるため、エネルギー密度を低減し過ぎない範囲で高レート特性や低温特性等の電池特性を充分に改善可能となる比較的少ない量が固溶可能となる。
xが、0.05≦x≦0.35を満たすこととした理由は、次の通りである。Feは、電圧3.5V付近で充放電容量を発現するために、CoやZnに比べ固溶に伴うエネルギー密度低下が緩やかであるので、エネルギー密度を低減し過ぎない範囲で低温特性を改善の見込める比較的多めの量を固溶可能とする。さらに、Feは、炭化触媒元素であり、Fe固溶により炭素質被膜の被覆性を良好にすることにより、高レート特性や低温特性等の電池特性を改善できるため、充分な炭化触媒作用を発現可能な固溶量を固溶範囲とする。
yが、0.00≦y≦0.10を満たすこととした理由は、次の通りである。Mgは電気化学的不活性な元素であり、電子伝導性およびLi拡散性、リチウムイオン(Li)の挿入脱離反応の活性化エネルギーの改善効果が高い。しかしながら、多量の固溶により充放電容量およびエネルギー密度の低減が顕著となるため、エネルギー密度を低減し過ぎない範囲で高レート特性や低温特性等の電池特性を充分に改善可能となる比較的少ない量が固溶可能となる。
LiFeMn1−w−x−yMgPOにおいて、Aは、電圧1.0V〜4.3Vの範囲で電気化学的不活性な元素である。電圧1.0V〜4.3Vの範囲で電気化学的不活性とは、具体的には、リチウムイオン二次電池を構成し電圧を1.0V〜4.3Vの範囲で変化させた場合でも、その元素の価数が2価のままで変化せず、充放電容量の発現に寄与しない元素が好ましい。
このようなAとしては、Co、Ni、Zn、AlおよびGaからなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。すなわち、Aは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて(混合して)用いてもよい。
本実施形態におけるLiFeMn1−w−x−yMgPOにおいて、Aが、Coであることが好ましく、CoとZnの混合物であることがより好ましい。AがCoの混合物である場合、上記のwは、0.00≦w≦0.02を満たすことが好ましく、0.003≦w≦0.015を満たすことがより好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料において、25℃で測定されるLiFeMn1−w−x−yMgPOの電流密度3CAにおける放電容量が130mAh/g以上であることが好ましく、135mAh/g以上であることがより好ましい。
ここで、放電容量を上記の範囲とした理由は、次の通りである。放電容量が130mAh/g未満では、電池の出力が不十分となり高出力用途電池に適さなくなるためである。
「炭素質被膜」
炭素質被膜は、原料となる有機化合物が炭化することにより得られる熱分解炭素質被膜である。炭素質被膜の原料となる炭素源は、炭素の純度が42.00%以上かつ60.00%以下の有機化合物由来であることが好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料における炭素質被膜の原料となる炭素源の「炭素の純度」の算出方法としては、複数種類の有機化合物を用いる場合、各有機化合物の配合量(質量%)と既知の炭素の純度(%)から、各有機化合物の配合量中の炭素量(質量%)を算出、合算し、その有機化合物の総配合量(質量%)と総炭素量(質量%)から、下記の式(1)に従って算出する方法が用いられる。
炭素の純度(%)=総炭素量(質量%)/総配合量(質量%)×100・・・(1)
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料によれば、電池内部に生じるフッ酸をトラップする効果がある、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種を200ppm以上かつ4000ppm以下含有するため、電池内部でフッ酸が生じた場合でも、フッ酸と、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種との反応によりフッ酸が消費され、LFMPに作用するフッ酸量を低減し、金属溶出量を低減することができる。したがって、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料は、サイクル特性に優れる。
[リチウムイオン二次電池用正極材料の製造方法]
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料の製造方法は、特に限定されない。例えば、LiFeMn1−w−x−yMgPO活物質の製造方法としては、Li源、Fe源、Mn源、Mg源、P源およびA源を、水を主成分とする溶媒と混合して得られた原料スラリーαを、125℃以上かつ300℃以下の範囲の温度に加熱することで、加圧下にて、LiFeMn1−w−x−yMgPO粒子を合成する工程と、炭素源を含む水溶媒中にLiFeMn1−w−x−yMgPO粒子を分散させてなる原料スラリーβを乾燥して、造粒した後、450℃以上かつ850℃以下の範囲の温度に加熱することで、LiFeMn1−w−x−yMgPO粒子(一次粒子)の表面を炭素質被膜によって被覆する工程と、炭素質被膜によって被覆されたLiFeMn1−w−x−yMgPO粒子に、Ca源およびBa源からなる群から選択される少なくとも1種を添加する工程と、を有する方法が挙げられる。
LiFeMn1−w−x−yMgPO粒子の合成方法は特に限定されないが、例えば、Li源、Fe源、Mn源、Mg源、P源およびA(Co、Ni、Zn、AlおよびGaからなる群から選択される少なくとも1種)源を、水を主成分とする溶媒に投入し、撹拌してLiFeMn1−w−x−yMgPOの前駆体を含む原料スラリーαを調製する。
これらLi源、Fe源、Mn源、Mg源、P源およびA源を、これらのモル比(Li源:Fe源:Mn源:Mg源:P源:A源)、すなわち、Li:Fe:Mn:Mg:P:Aのモル比が2.5〜3.5:0.05〜1.0:0〜0.95:0〜0.10:0〜0.02:0.95〜1.08となるように水を主成分とする溶媒に投入し、撹拌・混合して原料スラリーαを調製する。
これらLi源、Fe源、Mn源、Mg源、P源およびA源は、均一に混合する点を考慮すると、Li源、Fe源、Mn源、Mg源、P源およびA源をそれぞれ、一旦、水溶液の状態とした後、混合することが好ましい。
この原料スラリーαにおけるLi源、Fe源、Mn源、Mg源、P源およびA源のモル濃度は、高純度であり、結晶性が高くかつ非常に微細なLiFeMn1−w−x−y−zMgPO粒子を得る必要があることから、0.8mol/L以上かつ3.0mol/L以下であることが好ましい。
Li源としては、例えば、水酸化リチウム(LiOH)等の水酸化物、炭酸リチウム(LiCO)、塩化リチウム(LiCl)、硝酸リチウム(LiNO)、リン酸リチウム(LiPO)、リン酸水素二リチウム(LiHPO)、リン酸二水素リチウム(LiHPO)等のリチウム無機酸塩、酢酸リチウム(LiCHCOO)、蓚酸リチウム((COOLi))等のリチウム有機酸塩、および、これらの水和物が挙げられる。Li源としては、これらの群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
なお、リン酸リチウム(LiPO)は、Li源およびP源としても用いることができる。
Fe源としては、例えば、塩化鉄(II)(FeCl)、硫酸鉄(II)(FeSO)、酢酸鉄(II)(Fe(CHCOO))等の鉄化合物またはその水和物や、硝酸鉄(III)(Fe(NO)、塩化鉄(III)(FeCl)、クエン酸鉄(III)(FeC)等の3価の鉄化合物や、リン酸鉄リチウム等が用いられる。
Mn源としては、Mn塩が好ましく、例えば、塩化マンガン(II)(MnCl)、硫酸マンガン(II)(MnSO)、硝酸マンガン(II)(Mn(NO)、酢酸マンガン(II)(Mn(CHCOO))、および、これらの水和物が挙げられる。Mn源としては、これらの群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Mg源としては、Mg塩が好ましく、例えば、塩化マグネシウム(II)(MgCl)、硫酸マグネシウム(II)(MgSO)、硝酸マグネシウム(II)(Mg(NO)、酢酸マグネシウム(II)(Mg(CHCOO))、および、これらの水和物が挙げられる。Mg源としては、これらの群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
P源としては、例えば、オルトリン酸(HPO)、メタリン酸(HPO)等のリン酸、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)、リン酸アンモニウム((NHPO)、リン酸リチウム(LiPO)、リン酸水素二リチウム(LiHPO)、リン酸二水素リチウム(LiHPO)等のリン酸塩、および、これらの水和物の中から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Co源としては、Co塩が好ましく、例えば、塩化コバルト(II)(CoCl)、硫酸コバルト(II)(CoSO)、硝酸コバルト(II)(Co(NO)、酢酸コバルト(II)(Co(CHCOO))、および、これらの水和物が挙げられる。Co源としては、これらの群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Ni源としては、Ni塩が好ましく、例えば、塩化ニッケル(II)(NiCl)、硫酸ニッケル(II)(NiSO)、硝酸ニッケル(II)(Ni(NO)、酢酸ニッケル(II)(Ni(CHCOO))および、これらの水和物が挙げられる。Ni源としては、これらの群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Zn源としては、Zn塩が好ましく、例えば、塩化亜鉛(II)(ZnCl)、硫酸亜鉛(II)(ZnSO)、硝酸亜鉛(II)(Zn(NO)、酢酸亜鉛(II)(Zn(CHCOO))、および、これらの水和物が挙げられる。Zn源としては、これらの群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Al源としては、例えば、塩化物、硫酸化物、硝酸化物、酢酸化物、水酸化物等のアルミニウム化合物が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Ga源としては、例えば、塩化物、硫酸化物、硝酸化物、酢酸化物、水酸化物等のガリウム化合物が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
水を主成分とする溶媒とは、水単独、あるいは、水を主成分とし、必要に応じてアルコール等の水性溶媒を含む水系溶媒、のいずれかである。
水性溶媒としては、Li源、Fe源、Mn源、Mg源、P源およびA源を溶解させることのできる溶媒であれば、特に制限されない。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール:IPA)、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングルコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングルコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングルコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類等が挙げられる。これらの水性溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
次いで、この原料スラリーαを耐圧容器に入れ、125℃以上かつ300℃以下、好ましくは130℃以上かつ220℃以下の範囲の温度に加熱し、1時間以上かつ72時間以下、水熱処理を行い、LiFeMn1−w−x−yMgPO粒子を得る。
この125℃以上かつ300℃以下の範囲の温度に到達したときの耐圧容器内の圧力は、例えば、0.1MPa以上かつ2MPa以下となる。
この場合、水熱処理時の温度および時間を調整することにより、LiFeMn1−w−x−yMgPO粒子の粒子径を所望の大きさに制御することが可能である。
次いで、炭素源を含む水溶媒中に、LiFeMn1−w−x−yMgPO粒子を分散させて、原料スラリーβを調製する。
次いで、この原料スラリーβを、乾燥して、造粒した後、450℃以上かつ850℃以下の範囲の温度にて、1時間以上かつ36時間以下加熱し、LiFeMn1−w−x−yMgPO粒子(一次粒子)の表面を炭素質被膜によって被覆し、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を得る。
「炭素源」
炭素源としては、正極活物質の表面に炭素質被膜を形成することができる有機化合物であれば特に限定されない。
有機化合物としては、水への溶解性もしくは水への分散性を有する化合物が好ましい。
例えば、サリチル酸、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール、ヘキサヒドロキシベンゼン、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、フェニルアラニン、水分散型フェノール樹脂等、スクロース、グルコース、ラクトース等の糖類、リンゴ酸、クエン酸などのカルボン酸、アリルアルコール、プロパルギルアルコール等の不飽和一価アルコール、アスコルビン酸、ポリビニルアルコール等が挙げられ、1種類または2種類以上を混合して炭素の純度を42.00%以上として使用することができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料の製造方法において、炭素源の添加量(添加率)は、正極活物質と炭素源の合計質量を100質量%とした場合に、0.5質量%以上かつ15質量%以下であることが好ましく、1質量%以上かつ10質量%以下がより好ましい。
炭素源の添加量が0.5質量%未満であると、リチウムイオン二次電池用正極材料における混合安定性が低下するため好ましくない。一方、炭素源の添加量が15質量%を超えると、相対的に正極活物質の含有量が少なくなり、電池特性が低下するため好ましくない。
また、炭素源として、複数種類の有機化合物を用いる場合、その有機化合物の炭素の純度が42.00%以上かつ60.00%以下となるように、上述のように、各有機化合物の配合量を調整する。
次いで、炭素質被膜によって被覆されたLiFeMn1−w−x−yMgPO粒子に、Ca源およびBa源からなる群から選択される少なくとも1種を添加する。
Ca源としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムが挙げられる。Ba源としては、例えば、炭酸バリウム、水酸化バリウムが挙げられる。
Ca源およびBa源からなる群から選択される少なくとも1種の添加量は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料におけるCaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種を200ppm以上かつ4000ppm以下となる量とする。
炭素質被膜によって被覆されたLiFeMn1−w−x−yMgPO粒子に対する、Ca源およびBa源からなる群から選択される少なくとも1種の添加方法としては、LiFeMn1−w−x−yMgPO粒子とCa源およびBa源からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の粉末とをエアーブレンダーで混合する手法が用いられる。
[リチウムイオン二次電池用正極]
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極は、電極集電体と、その電極集電体上に形成された正極合剤層(正極)と、を備え、正極合剤層が、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を含有するものである。
すなわち、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を用いて、電極集電体の一主面に正極合剤層が形成されてなるものである。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を用いて、電極集電体の一主面に正極を形成できる方法であれば特に限定されない。本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料と、結着剤と、導電助剤と、溶媒とを混合してなる、リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストを調製する。
「結着剤」
結着剤としては、水系で使用できれば特に限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、酢酸ビニル共重合体や、スチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、アクリロニトリル・ブタジエン系ラテックス、フッ素系ラテックス、シリコン系ラテックス等の群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストにおける結着剤の含有率は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料と結着剤と導電助剤の合計質量を100質量%とした場合に、1質量%以上かつ10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上かつ6質量%以下であることがより好ましい。
「導電助剤」
導電助剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ等の繊維状炭素の群から選択される少なくとも1種が用いられる。
リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストにおける導電助剤の含有率は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料と結着剤と導電助剤の合計質量を100質量%とした場合に、1質量%以上かつ15質量%以下であることが好ましく、3質量%以上かつ10質量%以下であることがより好ましい。
「溶媒」
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を含むリチウムイオン二次電池用正極材料ペーストでは、集電体等の被塗布物に対して塗布し易くするために、溶媒を適宜添加してもよい。
主な溶媒は水であるが、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料の特性を失わない範囲内で、アルコール類やグリコール類、エーテル類等の水系溶媒が含有されていてもよい。
リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストにおける溶媒の含有率は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料と結着剤と導電助剤の合計質量を100質量部とした場合に、60質量部以上かつ400質量部以下であることが好ましく、80質量部以上かつ300質量部以下であることがより好ましい。
上記の範囲で溶媒が含有されることにより、電極形成性に優れ、かつ電池特性に優れた、リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストを得ることができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料と、結着剤と、導電助剤と、溶媒とを混合する方法としては、これらの成分を均一に混合できる方法であれば特に限定されない。例えば、ボールミル、サンドミル、プラネタリー(遊星式)ミキサー、ペイントシェーカー、ホモジナイザー等の混錬機を用いた方法が挙げられる。
次いで、リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストを、電極集電体の一主面に塗布して塗膜とし、この塗膜を乾燥し、次いで、加圧圧着することにより、電極集電体の一主面に正極合剤層が形成されたリチウムイオン二次電池用正極を得ることができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極によれば、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を含有しているため、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池用正極を提供することができる。
[リチウムイオン二次電池]
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極と、負極と、セパレータと、電解液とを備えてなる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池では、負極、電解液、セパレータ等は特に限定されない。
負極としては、例えば、金属Li、炭素材料、Li合金、LiTi12等の負極材料を用いることができる。
また、電解液とセパレータの代わりに、固体電解質を用いてもよい。
電解液は、例えば、エチレンカーボネート(EC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)とを、体積比で1:1となるように混合し、得られた混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を、例えば、濃度1モル/dmとなるように溶解することで作製することができる。
セパレータとしては、例えば、多孔質プロピレンを用いることができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池では、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極を用いたため、高容量かつ高エネルギー密度である。
本実施形態のリチウムイオン二次電池によれば、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極を備えているため、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜実施例12および比較例1〜比較例6の電極材料を以下のようにして作製した。
[実施例1]
Li源、P源としてLiPOを、Fe源としてFeSO水溶液を、Mn源としてMnSO水溶液を、Mg源としてMgSO水溶液を、Co源としてCoSO水溶液を用い、これらをモル比でLi:Fe:Mn:Mg:Co:P=3:0.245:0.70:0.05:0.005:1となるように混合して、1000Lの原料スラリーを調製した。
次いで、この原料スラリーを耐圧容器に入れた。
その後、この原料スラリーを、195℃にて2.5時間、加熱反応を行った。
反応後、耐熱容器内の雰囲気が室温になるまで冷却して、ケーキ状態の反応生成物の沈殿物を得た。
この沈殿物を蒸留水で複数回、充分に水洗し、ケーキ状の正極活物質を得た。
次いで、この正極活物質5kg(固形分換算)に、炭素質被膜の原料となる有機化合物として、予め固形分20質量%に調整したポリビニルアルコール水溶液123.9g、スクロース粉末19.8gおよびフェノール樹脂溶液45.2gと、媒体粒子としての直径1mmのジルコニアボールとを用いて、ビーズミルにて2時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
次いで、このスラリーを160℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、平均粒子径が7μmの有機物で被覆された、正極活物質の造粒体を得た。
得られた造粒体100体積%に対して5体積%となるように、長手方向の長さの平均が10mmである黒鉛焼結体を熱伝導補助物質として造粒体に添加し混合して焼成用原料を得た。
この焼成用原料2.5kgを容積が10Lの黒鉛鞘に敷き詰め、720℃の非酸化性ガス雰囲気下にて1.5時間焼成した後、40℃にて30分間保持し、焼成物を得た。
この焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた。
その後、焼成物に、炭酸カルシウム粉末をカルシウム量が300ppmとなるように添加して、実施例1の正極材料を得た。
「リチウムイオン二次電池の作製」
溶媒であるN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)に、上記のリチウムイオン二次電池用正極材料と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)とを、ペースト中の質量比で、正極材料:AB:PVdF=90:5:5となるように加えて、これらを混合し、リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストを調製した。
次いで、このリチウムイオン二次電池用正極材料ペーストを、厚さ30μmのアルミニウム箔(電極集電体)の表面に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥し、アルミニウム箔の表面に正極合剤層を形成した。その後、正極合剤層を、所定の密度となるように、所定の圧力にて加圧し、実施例1のリチウムイオン二次電池用正極を作製した。
次いで、このリチウムイオン二次電池用正極を、成形機を用いて直径16mmの円板状に打ち抜き、真空乾燥後、乾燥アルゴン雰囲気下、ステンレススチール(SUS)製の2016コイン型セルを用いて、実施例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
負極としては金属リチウムを、セパレータとしては多孔質ポリプロピレン膜を、電解液としては1MのLiPF溶液を用いた。LiPF溶液としては、炭酸エチレンと、炭酸エチルメチルとを、体積比で1:1となるように混合したものを用いた。
[実施例2]
水熱合成の温度を175℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例2のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例3]
水熱合成の温度を155℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例3のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例4]
水熱合成の温度を135℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例4のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例5]
焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた後、炭酸カルシウム粉末をカルシウム量が1000ppmとなるように添加したこと以外は、実施例2と同様にして、実施例5の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例5のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例6]
焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた後、炭酸カルシウム粉末をカルシウム量が2000ppmとなるように添加したこと以外は、実施例2と同様にして、実施例6の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例6のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例7]
焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた後、炭酸カルシウム粉末をカルシウム量が3500ppmとなるように添加したこと以外は、実施例2と同様にして、実施例7の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例7のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例8]
活物質5kg(固形分換算)に、炭素質被膜の原料となる有機化合物として、予め固形分20質量%に調整したポリビニルアルコール水溶液247.8g、スクロース粉末38.6gおよびフェノール樹脂溶液90.4gを加えたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例8の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例8のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例9]
活物質5kg(固形分換算)に、炭素質被膜の原料となる有機化合物として、予め固形分20質量%に調整したポリビニルアルコール水溶液371.7g、スクロース粉末59.4gおよびフェノール樹脂溶液135.6gを加えたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例9の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例8のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例10]
焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた後、炭酸カルシウム粉末の代わりに炭酸バリウムをバリウム量が300ppmとなるように添加したこと以外は、実施例2と同様にして、実施例10の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例10のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例11]
Li源、P源としてLiPOを、Fe源としてFeSO水溶液を用い、これらをモル比でLi:Fe:P=3:1:1となるように混合して、1000Lの原料スラリーを調製した。
次いで、この原料スラリーを耐圧容器に入れた。
その後、この原料スラリーを、205℃にて2.5時間、加熱反応を行った。
反応後、耐熱容器内の雰囲気が室温になるまで冷却して、ケーキ状態の反応生成物の沈殿物を得た。
この沈殿物を蒸留水で複数回、充分に水洗し、ケーキ状の正極活物質を得た。
次いで、この正極活物質5kg(固形分換算)に、炭素質被膜の原料となる有機化合物として、予め固形分20質量%に調整したポリビニルアルコール水溶液92.9g、スクロース粉末19.8gおよびフェノール樹脂溶液33.9gと、媒体粒子としての直径1mmのジルコニアボールとを用いて、ビーズミルにて2時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
次いで、このスラリーを160℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、平均粒子径が7μmの有機物で被覆された、正極活物質の造粒体を得た。
得られた造粒体100体積%に対して5体積%となるように、長手方向の長さの平均が10mmである黒鉛焼結体を熱伝導補助物質として造粒体に添加し混合して焼成用原料を得た。
この焼成用原料2.5kgを容積が10Lの黒鉛鞘に敷き詰め、820℃の非酸化性ガス雰囲気下にて1.5時間焼成した後、40℃にて30分間保持し、焼成物を得た。
この焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた。
その後、焼成物に、炭酸カルシウム粉末をカルシウム量が300ppmとなるように添加して、実施例11の正極材料を得た。
また、実施例1と同様にして、実施例11のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例12]
焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた後、炭酸カルシウム粉末をカルシウム量が1000ppmとなるように添加したこと以外は、実施例11と同様にして、実施例12の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例12のリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例1]
焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた後、炭酸カルシウム粉末をカルシウム量が20ppmとなるように添加したこと以外は、実施例2と同様にして、比較例1の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、比較例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例2]
焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた後、炭酸カルシウム粉末の代わりに炭酸バリウムをバリウム量が100ppmとなるように添加したこと以外は、実施例2と同様にして、比較例2の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、比較例2のリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例3]
焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた後、炭酸カルシウム粉末の代わりに炭酸バリウムをバリウム量が5000ppmとなるように添加したこと以外は、実施例2と同様にして、比較例3の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、比較例3のリチウムイオン二次電池を作製した。
「比較例4」
水熱合成の温度を120℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、比較例5のリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例5]
焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた後、炭酸カルシウム粉末をカルシウム量が100ppmとなるように添加したこと以外は、実施例10と同様にして、比較例5の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、比較例5のリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例6]
焼成物を網目の直径が75μmの篩に通し、黒鉛焼結体を取り除いた後、炭酸カルシウム粉末をカルシウム量が5000ppmとなるように添加したこと以外は、実施例10と同様にして、比較例6の正極材料を作製した。
また、実施例1と同様にして、比較例6のリチウムイオン二次電池を作製した。
「評価」
(1)正極材料の添加元素含有量
正極材料の添加元素含有量(カルシウム含有量、バリウム含有量)を、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(商品名:SPS3500DD、日立ハイテク社製)で測定した。結果を表1および表2に示す。
(2)正極材料の比表面積
比表面積計(商品名:BELSORP−mini、日本ベル社製)を用いて、正極材料の比表面積を、窒素(N)吸着によるBET法により測定した。また、この測定結果に基づいて、正極材料の比表面積当たりの炭素含有量を算出した。結果を表1および表2に示す。
(3)正極材料の重量減少率
正極材料の熱重量測定において、室温から350℃までの重量減少率を評価した。この評価には、示唆熱天秤装置(商品名:Thermo plus EVO2、リガク社製)を用いた。結果を表1および表2に示す。
(4)正極材料のFe、Mn溶出量
正極材料について、電解質中でのFe、Mn溶出量を次のように評価した。アルゴン雰囲気中、露点−80℃以下のグローブボックス内で正極材料を3日間以上保管した後、正極材料1gを電解液20mLに添加して55℃に加熱しながら1週間静置した。その後、正極材料と電解液を分離し、分離した電解液を50倍に希釈してFe元素、Mn元素についてICP測定を行った。この評価には、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(商品名:SPS3500DD、日立ハイテク社製)を用いた。結果を表1および表2に示す。
(5)リチウムイオン二次電池の評価(容量維持率)
リチウムイオン二次電池の容量維持率を評価した。
実施例1〜実施例10および比較例1〜比較例4において、環境温度25℃にて、正極の電圧がLiの平衡電圧に対して4.3Vになるまで電流値1CAにて定電流充電を行い、4.3Vに到達した後、電流値が0.1CAになるまで定電圧充電を行った。その後、1分間休止した後、環境温度25℃、正極の電圧がLiの平衡電圧に対して2.5Vになるまで1CAの定電流放電を行った。この試験を500サイクル繰り返し、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量を容量維持率とした。結果を表1および表2に示す。
実施例11〜実施例12および比較例5〜比較例6において、環境温度25℃にて、正極の電圧がLiの平衡電圧に対して4.2Vになるまで電流値1CAにて定電流充電を行い、2Vに到達した後、電流値が0.1CAになるまで定電圧充電を行った。その後、1分間休止した後、環境温度25℃、正極の電圧がLiの平衡電圧に対して2.5Vになるまで1CAの定電流放電を行った。この試験を500サイクル繰り返し、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量を容量維持率とした。結果を表1および表2に示す。
Figure 0006583459
Figure 0006583459
表1の結果から、実施例1〜実施例12のリチウムイオン二次電池用電極材料を用いたリチウムイオン二次電池は、容量維持率が80.8%〜90.4%であることが確認できた。
一方、表2の結果から、比較例1〜比較例6のリチウムイオン二次電池は、容量維持率が69.7%〜79.6%と低いことが確認できた。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極材料は、正極活物質の表面が炭素質被膜で被覆されてなるリチウムイオン二次電池用正極材料であって、正極活物質の比表面積が4m/g以上かつ30m/g以下であり、CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種を200ppm以上かつ4000ppm以下含有するため、このリチウムイオン二次電池用正極材料を用いて作製したリチウムイオン二次電池用正極を備えたリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れるから、より高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性および高速充放電特性が期待される次世代の二次電池に対しても適用することが可能であり、次世代の二次電池の場合、その効果は非常に大きなものである。

Claims (5)

  1. 正極活物質の表面が炭素質被膜で被覆されてなるリチウムイオン二次電池用正極材料であって、
    前記正極活物質の比表面積が4m/g以上かつ30m/g以下であり、
    前記正極活物質は、一般式LiFeMn1−w−x−yMgPO(但し、AはCo、Ni、Zn、AlおよびGaからなる群から選択される少なくとも1種、0.00≦w≦0.02、0.05≦x≦0.35、0.00≦y≦0.10)で表される物質であり、
    熱重量測定において評価される室温から350℃までの重量減少率が0.8%以下であり、前記リチウムイオン二次電池用正極材料1gを、炭酸エチレンと、炭酸エチルメチルとを、体積比で1:1となるように混合した混合溶媒にLiPFを濃度1モル/dmとなるように溶解したLiPF溶液からなる電解液20mLに添加して55℃に加熱しながら1週間静置した場合に、前記電解液に溶出するFe、Mnの溶出量が前記電解液に対して80ppm以下であり、
    CaおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種を200ppm以上かつ4000ppm以下含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極材料。
  2. 前記正極活物質は、オリビン系正極活物質であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極材料。
  3. 比表面積当たりの炭素含有量が0.4mg/m以上かつ2.0mg/m以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用正極材料。
  4. 電極集電体と、該電極集電体上に形成された正極合剤層と、を備えたリチウムイオン二次電池用正極であって、
    前記正極合剤層は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用正極材料を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用正極を備えたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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