JP5971378B1 - リチウムイオン二次電池用正極材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
代表的な二次電池としては、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リチウムイオン電池等が知られている。種々の二次電池の中でも、リチウムイオンを用いたリチウムイオン二次電池は、高出力、高エネルギー密度等の利点を有している。
前記の含水不純物に起因する酸は、前記の磁性不純物の電解液への溶出を促進させるため、磁性不純物および含水不純物をどちらも含まないことが望ましい。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「第1の実施形態」
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料は、LiFexMn1−x−yMyPO4(0.05≦x≦1.0、0≦y≦0.14、但し、Mは、Mg、Ca、Co、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Geおよび希土類元素から選択される少なくとも1種)からなる中心粒子と、中心粒子の表面を被覆する炭素質被膜と、を有するリチウムイオン二次電池用正極材料であって、比磁化量が0.70emu/g以下、カール・フィッシャー滴定法(電量滴定法)により100℃以上かつ250℃以下の温度領域で検出される水分量が8000ppm以下である。
ここで、LiFexMn1−x−yMyPO4からなる中心粒子の一次粒子の平均一次粒子径を上記の範囲とした理由は、LiFexMn1−x−yMyPO4からなる中心粒子の一次粒子の平均一次粒子径が0.001μm未満では、中心粒子の一次粒子の表面を炭素質被膜で充分に被覆することが難しくなり、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池は、高速充放電における放電容量が低くなり、充分な充放電性能を実現することが困難となる。一方、LiFexMn1−x−yMyPO4からなる中心粒子の一次粒子の平均一次粒子径が5μmを超えると、LiFexMn1−x−yMyPO4からなる中心粒子の一次粒子の内部抵抗が大きくなり、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池は、高速充放電における放電容量が不充分となる。
LiFexMn1−x−yMyPO4からなる中心粒子の一次粒子の形状として、球状が好ましい理由としては、リチウムイオン二次電池用正極材料と、バインダー樹脂(結着剤)と、溶剤とを混合して、リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストを調製する際の溶剤量を低減させることができるとともに、このリチウムイオン二次電池用正極材料ペーストの集電体への塗工も容易となるからである。また、LiFexMn1−x−yMyPO4からなる中心粒子の一次粒子の形状が球状であれば、LiFexMn1−x−yMyPO4からなる中心粒子の一次粒子の表面積が最小となり、リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストに添加するバインダー樹脂(結着剤)の配合量を最小限にすることができ、得られる正極の内部抵抗を小さくすることができるからである。さらに、LiFexMn1−x−yMyPO4からなる中心粒子の一次粒子の形状が球状であれば、最密充填し易くなるため、単位体積あたりのリチウムイオン二次電池用正極材料の充填量が多くなり、その結果、電極密度を高くすることができ、高容量のリチウムイオン二次電池が得られるからである。
炭素質被膜の厚みを上記の範囲とした理由は、厚みが0.2nm未満であると、炭素質被膜の厚みが薄すぎるために所望の抵抗値を有する膜を形成することができなくなり、その結果、導電性が低下し、正極材料としての導電性を確保することができなくなるからである。一方、炭素質被膜の厚みが10nmを超えると、電池活性、例えば、正極材料の単位質量あたりの電池容量が低下するからである。
また、炭素質被膜の厚みを上記の範囲とした理由は、正極材料を最密充填し易くなるため、単位体積あたりのリチウムイオン二次電池用正極材料の充填量が多くなり、その結果、電極密度を高くすることができ、高容量のリチウムイオン二次電池が得られるからである。
ここで、リチウムイオン二次電池用正極材料の平均粒子径を上記の範囲とした理由は、リチウムイオン二次電池用正極材料の平均粒子径が0.01μm未満では、炭素質電極活物質複合粒子(リチウムイオン二次電池用正極材料)の比表面積が増えることで必要になる炭素の質量が増加し、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池は、充放電容量が低減する。一方、リチウムイオン二次電池用正極材料の平均粒子径が5μmを超えると、炭素質電極活物質複合粒子(リチウムイオン二次電池用正極材料)内でのリチウムイオンの移動または電子の移動に時間がかかり、よって内部抵抗が増加し、出力特性が悪化するので好ましくないからである。
ここで、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料に含まれる炭素量を上記の範囲に限定した理由は、炭素量が0.1質量%未満では、電池を形成した場合に高速充放電レートにおける放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが困難となるからである。一方、リチウムイオン二次電池用正極材料に含まれる炭素量が10質量%を超えると、炭素量が多すぎて、リチウムイオン二次電池用正極材料の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の電池容量が必要以上に低下するからである。
ここで、LiFexMn1−x−yMyPO4を含む中心粒子の一次粒子の比表面積に対する炭素担持量を上記の範囲に限定した理由は、炭素担持量が0.01未満では、電池を形成した場合に高速充放電レートにおける放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが困難となるからである。一方、LiFexMn1−x−yMyPO4を含む中心粒子の一次粒子の比表面積に対する炭素担持量が0.5を超えると、炭素量が多すぎて、LiFexMn1−x−yMyPO4を含む中心粒子の一次粒子の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の電池容量が必要以上に低下するからである。
リチウムイオン二次電池用正極材料の比磁化量が0.70emu/g以下であれば、リチウムイオン二次電池用正極材料における遷移金属の酸化物からなる不純物量が減少し、このリチウムイオン二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池は、300サイクル後の放電容量維持率を70%以上に保持する。一方、リチウムイオン二次電池用正極材料の比磁化量が0.70emu/gを超えると、リチウムイオン二次電池用正極材料における遷移金属の酸化物からなる不純物量が増加し、このリチウムイオン二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池は、300サイクル後の放電容量維持率が70%未満となる。
本実施形態において、リチウムイオン二次電池用正極材料の比磁化量は、振動試料型磁力計(VSM、商品名:VSM−OP01、ハヤマ社製)を用い、専用測定フォルダーに試料を0.55g詰め込み、印加磁場5kOeにおける1g当たりの磁化量を比磁化量と定義して、算出する。測定温度は室温とし、加振周波数を80Hzとする。
ここで、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料の水分量を上記の範囲に限定した理由は、水分量が8000ppmを超えると、電池製造時の脱水工程で水分を取り除くことが難しくなるばかりでなく、電池内に持ち込まれた水分由来のガス発生やフッ酸の生成により、電池の安全性、耐久性が著しく低下するからである。
比表面積が7m2/g未満では、リチウムイオン二次電池用正極材料の粒子が粗大化しており、その粒子内におけるリチウムの拡散速度が遅くなり、このリチウムイオン二次電池用正極材料を用いたリチウムイオン二次電池は電池特性が劣化する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料の製造方法は、特に限定されないが、例えば、Li源、P源、Fe源、Mn源およびM源と、有機化合物とを、溶媒に投入し、撹拌して均一に分散させ、上述のリチウムイオン二次電池用正極材料の原料スラリーを調製する工程と、原料スラリーを、高温高圧下で反応させる工程と、原料スラリーを高温高圧下で反応させて正極活物質の前駆体を得る工程と、正極活物質の前駆体と有機化合物とリチウム化合物とリン酸化合物を溶媒中に溶解または分散させて混合物スラリーを得る工程と、混合物スラリーを乾燥し造粒体を得る工程と、この乾燥物を非酸化性雰囲気で焼成する工程と、を有する方法が挙げられる。
これらLi源、P源、Fe源、Mn源およびM源を、これらのモル比(Li源:P源:Fe源:Mn源:M源)、すなわち、Li:P:Fe:Mn:Mのモル比が1〜4:1:0〜1.5:0〜1.5:0〜0.2となるように水を主成分とする溶媒に投入し、撹拌・混合して原料スラリーを調製する。
これらLi源、P源、Fe源、Mn源およびM源は、均一に混合する点を考慮すると、Li源、P源、Fe源、Mn源およびM源をそれぞれ、一旦、水溶液の状態とした後、混合することが好ましい。
この原料スラリーAにおけるLi源、P源、Fe源、Mn源およびM源のモル濃度は、高純度であり、結晶性が高くかつ非常に微細なLiFexMn1−x−yMyPO4を含む中心粒子を得る必要があることから、1.1mol/L以上かつ2.2mol/L以下であることが好ましい。
なお、リン酸リチウム(Li3PO4)は、Li源およびP源としても用いることができる。
次いで、調製した原料スラリーを耐圧容器に入れ、所定の温度に加熱し、所定の時間反応させる(水熱反応)。
正極活物質の前駆体と、有機化合物との配合比は、この有機化合物の全質量を炭素量に換算したとき、電極活物質の前駆体100質量部に対して、0.15質量部以上かつ15質量部以下であることが好ましく、0.45質量部以上かつ4.5質量部以下であることがより好ましい。
有機化合物の炭素量換算の配合比が0.15質量部未満では、この有機化合物を熱処理することにより生じる炭素質被膜の電極活物質の表面における被覆率が80%を下回り、電池を形成した場合に高速充放電レートにおける放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが難しくなる。一方、有機化合物の炭素量換算の配合比が15質量部を超えると、相対的に電極活物質の配合比が低下し、電池を形成した場合に電池の容量が低くなるとともに、電極活物質に対する炭素質被膜の過剰な担持により、電極活物質の嵩密度が高くなる。したがって、電極密度が低下し、単位体積あたりのリチウムイオン二次電池の電池容量の低下が無視できなくなる。
PO4に対するLiのモル比が0.2未満では、過剰なPO4が加熱時にP2O5となった後、降温後に、大気中の水分を取り込みH3PO4として正極活物質中に残存するため、リチウムイオン二次電池のレート特性の劣化や耐久性の劣化を引き起こし易い。一方、PO4に対するLiのモル比が2.8を超えると、Li2CO3等の電池特性に悪影響を与えるリチウム塩としてリチウムが正極活物質に残存し易く、リチウムイオン二次電池の耐久性に劣化が生じ易い。
正極活物質の前駆体100質量部に対するPO4の添加量が0.2質量部未満では、正極活物質の前駆体に含まれる鉄・マンガンの酸化物からなる不純物と含水不純物との反応が不十分となり、磁性不純物と含水不純物が正極活物質中に残存してしまう。一方、正極活物質の前駆体100質量部に対するPO4の添加量が4質量部を超えると、鉄・マンガンの酸化物からなる不純物や含水不純物と反応できなかった残渣が多く、炭酸リチウムやH3PO4として残存し易いため、リチウム二次電池の耐久性に劣化が生じてしまう。また、リチウムイオン二次電池用正極材料の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の電池容量が必要以上に低下してしまう。
多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン、グリセリン等が挙げられる。
リン酸リチウム源としては、例えば、リン酸リチウム(Li3PO4)、リン酸水素二リチウム(Li2HPO4)等のリチウム無機酸塩、および、これらの水和物の中から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
次いで、噴霧熱分解法を用いて、上記の原料スラリーを高温雰囲気中、例えば、110℃以上かつ200℃以下の大気中に噴霧し、乾燥して造粒体を生成する。
この噴霧熱分解法では、速やかに乾燥して略球状の造粒体を生成するためには、噴霧の際の液滴の粒子径は、0.01μm以上かつ100μm以下であることが好ましい。
次いで、この造粒体を、不活性雰囲気下または還元性雰囲気下、熱処理する。熱処理温度は、500℃以上かつ900℃以下であることが好ましく、600℃以上かつ800℃以下あることがより好ましい。
不活性雰囲気としては、窒素(N2)、アルゴン(Ar)等の不活性ガスからなる雰囲気が好ましい。造粒体の酸化をより抑えたい場合には、水素(H2)等の還元性ガスを含む還元性雰囲気が好ましい。
ただし、熱処理時間が長くなり過ぎると、異常な粒成長が生じたり、リチウムが一部欠損した正極活物質が生成したりすることにより、電極活物質自体の性能が低下する。その結果、この電極活物質を用いた電池特性が低下する原因となる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極は、集電体と、その集電体上に形成された電極合剤層(電極)と、を備え、電極合剤層が、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を含有するものである。
すなわち、本実施形態のリチウムイオン二次電池用電極は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を用いて、集電体の一主面に電極合剤層が形成されてなるものである。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用電極は、主に、リチウムイオン二次電池用正極として用いられる。
まず、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料と、結着剤と、溶媒とを混合してなる、リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストを調製する。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料には、必要に応じて、導電助剤を添加してもよい。
結着剤、すなわち、バインダー樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)樹脂、フッ素ゴム等が好適に用いられる。
ここで、リチウムイオン二次電池用正極材料と結着剤との配合比を上記の範囲とした理由は、結着剤の配合比が1質量部未満では、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を含むリチウムイオン二次電池用正極材料ペーストを用いて電極合剤層を形成した場合に、電極合剤層と集電体の結着性が十分ではなく、電極合剤層の圧延形成時等において電極合剤層の割れや脱落が生じる場合があり好ましくないからである。また、電池の充放電過程において電極合剤層が集電体から剥離し、電池容量や充放電レートが低下する場合があるため好ましくないからである。一方、結着剤の配合比が30質量部を超えると、リチウムイオン二次電池用正極材料の内部抵抗が増大し、高速充放電レートにおける電池容量が低下する場合があるため好ましくないからである。
導電助剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ等の繊維状炭素の群から選択される少なくとも1種が用いられる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極材料を含むリチウムイオン二次電池用正極材料ペーストでは、集電体等の被塗布物に対して塗布し易くするために、溶媒を適宜添加する。
溶媒としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール:IPA)、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングルコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングルコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングルコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記の範囲で溶媒が含有されることにより、電極形成性に優れ、かつ電池特性に優れた、リチウムイオン二次電池用正極材料ペーストを得ることができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、正極として本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極と、負極と、セパレータと、電解液と、とを備えてなる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池では、負極、電解液、セパレータ等は特に限定されない。
負極としては、例えば、金属Li、炭素材料、Li合金、Li4Ti5O12等の負極材料が用いられる。
電解液は、例えば、炭酸エチレン(エチレンカーボネート、EC)と、炭酸エチルメチル(エチルメチルカーボネート、EMC)とを、体積比で1:1となるように混合し、得られた混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を、例えば、濃度1モル/dm3となるように溶解することで作製することができる。
セパレータとしては、例えば、多孔質プロピレンを用いることができる。
また、電解液とセパレータの代わりに、固体電解質を用いてもよい。
「リチウムイオン二次電池用正極材料の合成」
水2Lに、リン酸リチウム(Li3PO4)と、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、LiH2PO41.64gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボーノレ500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
次いで、このスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して、平均粒子径が6μmの有機物で被覆されたLiFePO4で構成された造粒体を得た。
得られた造粒体を、700℃の非酸化性ガス雰囲気下にて1時間焼成した後、40℃にて30分間保持し、実施例1のリチウムイオン二次電池用正極材料(正極材料A1)を得た。
溶媒であるN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)に、正極材料A1と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)とを、ペースト中の質量比で、正極材料(A1):AB:PVdF=90:5:5となるように加えて、これらを混合し、正極材料ペーストを調製した。
次いで、この正極材料ペーストを、厚さ30μmのアルミニウム箔(集電体)の表面に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥し、アルミニウム箔の表面に正極合剤層を形成した。その後、正極合剤層を、所定の密度となるように、所定の圧力にて加圧し、実施例1の正極を作製した。
次いで、この正極を、成形機を用いて直径16mmの円板状に打ち抜き、真空乾燥後、乾燥アルゴン雰囲気下、ステンレススチール(SUS)製の2016コイン型セルを用いて、実施例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
負極としては金属リチウムを、セパレータとしては多孔質ポリプロピレン膜を、電解液としては1MのLiPF6溶液を用いた。LiPF6溶液としては、炭酸エチレンと、炭酸エチルメチルとを、体積比で1:1となるように混合したものを用いた。
(1)比磁化量
正極材料の比磁化量は、振動試料型磁力計(VSM、商品名:VSM−OP01、ハヤマ社製)を用い、専用測定フォルダーに試料を0.55g詰め込み、印加磁場5kOeにおける1g当たりの磁化量を比磁化量と定義して、算出した。測定温度は室温とし、加振周波数を80Hzとした。
結果を表1に示す。
正極材料を、真空雰囲気において100℃にて24時間乾燥し、正極材料の表面に吸着した水分を十分に取り除いた。
次いで、この乾燥した正極材料を用いてカール・フィッシャー水分計(商品名:CA−200/VA−200、三菱化学アナリテック社製)を用いて、リチウムイオン二次電池用正極材料の100℃から250℃までに検出される水分量を測定した。
結果を表1に示す。
(1)電池特性
負極をカーボンとした電池について、環境温度60℃にて、2C電流値で充電電圧が4.5Vとなるまで定電流充電を行った後、定電圧充電に切替えて電流値が0.01Cとなった時点で放電を終了した。その後、放電電流2Cでの放電を行い、電池電圧が3Vとなった時点で放電を終了した。その際の放電容量を測定して初期容量とした。
その後、前述の条件で充放電を繰り返し、300サイクル目の放電容量を測定して、初期容量に対する放電容量維持率を算出した。
以上の結果を表1に示す。
水2Lに、リン酸リチウム(Li3PO4)と、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、LiOH・H2O1.46gとH3PO4水溶液(H3PO4として75質量%)4.13gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボール500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(A2)を得た。
実施例1と同様にして、正極材料(A2)を評価した。結果を表1に示す。
また、正極材料(A2)を用いた以外は実施例1と同様にして、参考例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして、参考例1のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2Lに、リン酸リチウム(Li3PO4)と、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、LiCH3COO・2H2O8.58gと(NH3)H2PO46.9gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボール500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(A3)を得た。
実施例1と同様にして、正極材料(A3)を評価した。結果を表1に示す。
また、正極材料(A3)を用いた以外は実施例1と同様にして、参考例2のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして、参考例2のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2Lに、リン酸リチウム(Li3PO4)と、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、LiOH・H2O0.38gと(NH3)H2PO40.55gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボール500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(A4)を得た。
実施例1と同様にして、正極材料(A4)を評価した。結果を表1に示す。
また、正極材料(A4)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして、実施例2のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2Lに、リン酸リチウム(Li3PO4)と、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、Li3PO41.53gとH3PO4水溶液(H3PO4として75質量%)0.34gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボール500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(A5)を得た。
実施例1と同様にして、実施例3のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2Lに、2molのリン酸リチウム(Li3PO4)と、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、LiH2PO40.49gと(NH3)H2PO41.27gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボール500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(A6)を得た。
実施例1と同様にして、実施例4のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2L(リットル)に、2molのリン酸リチウム(Li3PO4)と、0.6molの硫酸鉄(II)(FeSO4)と、1.4molの硫酸マンガン(II)(MnSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、LiH2PO41.15gとH3PO4水溶液(H3PO4として75質量%)0.62gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボール500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(A7)を得た。
実施例1と同様にして、正極材料(A7)を評価した。結果を表1に示す。
また、正極材料(A7)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして、実施例5のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2L(リットル)に、2molのリン酸リチウム(Li3PO4)と、0.58molの硫酸鉄(II)(FeSO4)と、1.4molの硫酸マンガン(II)(MnSO4)と、0.02molの硫酸コバルト(CoSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、Li2CO30.58gとH3PO4水溶液(H3PO4として75質量%)2.06gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボール500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(A8)を得た。
実施例1と同様にして、正極材料(A8)を評価した。結果を表1に示す。
また、正極材料(A8)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして、実施例6のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2L(リットル)に、2molのリン酸リチウム(Li3PO4)と、0.58molの硫酸鉄(II)(FeSO4)と、1.4molの硫酸マンガン(II)(MnSO4)と、0.02molの硫酸亜鉛(ZnSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、LiOH・H2O0.66gとLiCH3COO・2H2O0.97gとH3PO4水溶液(H3PO4として75質量%)2.06gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボール500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(A9)を得た。
実施例1と同様にして、正極材料(A9)を評価した。結果を表1に示す。
また、正極材料(A9)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして、実施例7のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2L(リットル)に、2molのリン酸リチウム(Li3PO4)と、0.56molの硫酸鉄(II)(FeSO4)と、1.4molの硫酸マンガン(II)(MnSO4)と、0.02molの硫酸コバルト(CoSO4)と、0.02molの硫酸亜鉛(ZnSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、LiOH・H2O0.66gとLiCH3COO・2H2O1.61gとH3PO4水溶液(H3PO4として75質量%)2.06gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボール500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(A10)を得た。
実施例1と同様にして、正極材料(A10)を評価した。結果を表1に示す。
また、正極材料(A10)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例8のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして、実施例8のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2L(リットル)に、2molのリン酸リチウム(Li3PO4)と、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)とを、全体量が4L(リットル)になるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボーノレ500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(C1)を得た。
実施例1と同様にして、正極材料(C1)を評価した。結果を表1に示す。
また、正極材料(C1)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして、比較例1のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2L(リットル)に、リン酸リチウム(Li3PO4)と、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)とを、全体量が4L(リットル)になるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、LiH2PO40.246gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボーノレ500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(C2)を得た。
実施例1と同様にして、正極材料(C2)を評価した。結果を表1に示す。
また、正極材料(C2)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして、比較例2のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
LiH2PO4の添加量を7.38gとしたこと以外は、比較例2と同様にして、正極材料(C3)を得た。
実施例1と同様にして、正極材料(C3)を評価した。結果を表1に示す。
また、正極材料(C3)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして、[比較例3]のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2L(リットル)に、2molのリン酸リチウム(Li3PO4)と、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、LiH2PO41.64gとLiOH0.94gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボール500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(C4)を得た。
実施例1と同様にして、比較例4のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2Lに、2molのリン酸リチウム(Li3PO4)と、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
次いで、この混合物を容量8Lの耐圧密閉容器に収容し、180℃にて1時間、水熱合成し、沈殿物を生成した。
次いで、この沈殿物を水洗し、ケーキ状の正極活物質の前駆体を得た。
次いで、この正極活物質の前駆体150g(固形分換算)に、有機化合物としてのポリエチレングリコール5.5gと、LiH2PO40.11gと(NH3)H2PO41.08gと、媒体粒子としての直径5mmのジルコニアボール500gとを混合し、ボールミルにて12時間、分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
以下、実施例1と同様にして、正極材料(C5)を得た。
実施例1と同様にして、比較例5のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
水2L(リットル)に、2molのリン酸リチウム(Li3PO4)と、0.6molの硫酸鉄(II)(FeSO4)と、1.4molの硫酸マンガン(II)(MnSO4)とを、全体量が4Lになるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調製した。
以下、比較例1と同様にして、正極材料(C6)を得た。
実施例1と同様にして、正極材料(C6)を評価した。結果を表1に示す。
また、正極材料(C6)を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例6のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして、比較例6のリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
Claims (1)
- LiFexMn1−x−yMyPO4(0.05≦x≦1.0、0≦y≦0.14、但し、Mは、Mg、Ca、Co、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Geおよび希土類元素から選択される少なくとも1種)で表わされる中心粒子を含むリチウムイオン二次電池用正極材料の製造方法であって、
リチウム塩、Feを含む金属塩、Mnを含む金属塩、前記Mを含む化合物およびリン酸化合物からなる群から選択される、少なくとも前記リチウム塩、前記Feを含む金属塩および前記リン酸化合物を分散媒中に分散させてなる分散液を、耐圧容器内で加熱し、正極活物質の前駆体である合成物を得る工程と、
前記合成物に、有機化合物と、PO4とLiとが含まれる副原料を添加して混合物を調製する工程と、
前記混合物を焼成する工程と、を有し、
前記混合物を調製する工程において、前記副原料は、PO4に対するLiのモル比が0.2以上かつ2.8以下であり、かつ、前記正極活物質の前駆体100質量部に対するPO4の添加量は0.3質量部以上かつ1質量部以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極材料の製造方法。
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