JP5127113B2 - 貯留硬貨類繰出分離搬送装置 - Google Patents

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本発明は、傾斜円盤を用いて硬貨類を繰り出すとともにこの硬貨類を1枚ずつ分離して搬送する貯留硬貨類繰出分離搬送装置に関する。
従来の貯留硬貨類繰出分離搬送装置の例として硬貨を扱う貯留硬貨繰出分離搬送装置は、上部が背部方向に向かう傾斜姿勢の傾斜円盤およびこの傾斜円盤の前面との間で硬貨を貯留するホッパ枠で構成される貯留ホッパ部を備えているとともに、この貯留ホッパ部の傾斜円盤から繰り出される硬貨を1枚ずつ受け入れて搬送する硬貨通路を備えている。
傾斜円盤には、傾斜円盤の回転中心軸から所定半径域までに内円面域が形成され、この内円面域外周から傾斜円盤外周までにリング状の外輪面域が形成されている。内円面域の面は外輪面域の面より所定厚み寸法(処理する最小厚硬貨の厚み寸法よりやや小の厚み寸法)分だけ前面側へ突出されていて、この内円面域と外輪面域との境界面には硬貨が厚み方向に1枚載る境界周縁部が形成されている。
傾斜円盤の外輪面域の所定半径域には、円周方向に沿って所定ピッチで貫通孔が形成されている。各貫通孔には各硬貨掻上げ突起が配置され、各硬貨掻上げ突起は傾斜円盤の裏面に固定された各板ばねで外輪面域の前面側へ突出する方向に付勢されている。
そして、傾斜円盤の回転により、硬貨掻上げ突起で傾斜円盤の下部域の硬貨を境界周縁部との間で保持しながら回転円板の上部域に掻き上げ、硬貨通路の始端に繰り出す。この硬貨の掻上げ時に、硬貨掻上げ突起が硬貨詰まりによる無理な負荷を生じると、硬貨掻上げ突起は板ばねのばね力に抗して外輪面域から退避する。
また、硬貨通路の始端は、傾斜円盤の上部域であって硬貨掻上げ突起と境界周縁部とによって硬貨を保持して移動する領域に形成されている。この硬貨通路は、外輪面域の前面に近接対向して境界周縁部から硬貨を受け取るとともに硬貨掻上げ突起との間で硬貨を保持して傾斜円盤の周縁外方へ案内する硬貨ガイド部材を備えている。さらに、この硬貨ガイド部材より上部域で外輪面域の前面に対向されるとともに硬貨通路の前面域に沿って対向される搬送ベルトが張設され、この搬送ベルトにより硬貨を1枚ずつ区分け状態で搬送する。
そして、傾斜円盤の回転により境界周縁部と硬貨掻上げ突起とで保持されて上昇してきた硬貨を硬貨ガイド部材で受け取ってこの硬貨ガイド部材と硬貨掻上げ突起との保持に変化することにより、回転する搬送ベルトにより硬貨を1枚ずつ区分け状態で硬貨通路に沿って搬送する。
また、硬貨通路の始端前段の近傍位置には、硬貨を傾斜円盤の外輪面域と搬送ベルトとの間へ確実に1枚ずつ送り込めるようにするために、傾斜円盤の外輪面域の前面に臨んで硬貨の通過を厚み方向に1枚に規制する硬貨1枚規制部が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−187288号公報(第4−7頁、図1−4)
しかしながら、硬貨1枚規制部へ至る2枚重なり硬貨が、硬貨1枚規制部で1層にならずに詰まることがある。また、硬貨通路の始端において、硬貨が傾斜円盤の外輪面域と搬送ベルトとの間へ進入するときにも、硬貨の進入が停滞し、傾斜円盤の外輪面域と搬送ベルトとの間で詰まることがある。
このように、従来は、硬貨1枚規制部や硬貨通路の始端において硬貨詰まりが生じやすいという第1の問題がある。
また、そうした硬貨詰まりは、傾斜円盤とホッパ枠とで構成される貯留ホッパ部に収容する硬貨収容量にも影響があり、仮に、傾斜円盤の下部域の1/2程度まで硬貨を収容したとすると、硬貨が多層状態のまま硬貨1枚規制部へ送り込まれ、1層状態にできずに硬貨詰まりが多発しやすくなり、硬貨詰まりを少なくするには傾斜円盤の下部域の1/3程度にしか硬貨は収容できない。そのため、従来において、貯留ホッパ部の硬貨収容量を増やそうとすれば、傾斜円盤の径を大きくしなければならず、貯留ホッパ部が大形となる。
このように、従来は、貯留ホッパ部への硬貨収納量を増やそうとすれば、貯留ホッパ部が大形化してしまうという第2の問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、硬貨類詰まりを防止でき、貯留ホッパ部を大形化せずに硬貨収納量を増加できる貯留硬貨類繰出分離搬送装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置は、上部が背部方向に向かう傾斜姿勢で回転軸線を中心に回転可能な傾斜円盤、およびこの傾斜円盤の前面との間で硬貨類を貯留するホッパ枠を有する貯留ホッパ部と、前記傾斜円盤の円周方向に沿って所定ピッチで配置されるとともに前記傾斜円盤の前面側へ突出され、前記傾斜円盤の回転時に硬貨類1枚を保持して前記傾斜円盤の上部域に掻き上げるとともに前記傾斜円盤の周縁外方へ繰り出す複数の硬貨類掻上げ繰出突起部と、前記傾斜円盤の上部域において前記傾斜円盤の周縁外方へ硬貨類を繰り出す硬貨類繰出口を構成し、前記硬貨類掻上げ繰出突起部で繰り出す硬貨類を前記傾斜円盤の周縁外方へ案内する硬貨類ガイド部材と、前記硬貨類繰出口の後段に設けられた硬貨類通路と、前記硬貨類繰出口から前記硬貨類通路に繰り出された硬貨類を1枚ずつ区分け状態で搬送する硬貨類搬送体と、前記傾斜円盤の周縁外方位置において前記硬貨類繰出口に臨んで設けられ、前記傾斜円盤の回転軸線と平行な回転軸線を中心に回転可能とする回転面部と、この回転面部における回転軸線からの所定半径域に少なくとも1個設けられ、前記回転面部から前面側へ所定量突出し、前記硬貨類繰出口から繰り出される硬貨類に当接し、この硬貨類を1枚ずつ分離状態で搬送して前記硬貨類搬送体に受け渡す受渡突起を有する受渡円板とを具備しているものである。
請求項2記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置は、請求項1記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置において、前記傾斜円盤の前面において前記傾斜円盤の回転軸線からの第1の所定半径域に形成され、硬貨類の周縁が厚み方向に1枚載る硬貨類周縁保持部と、前記傾斜円盤の前面において前記硬貨類周縁保持部より半径方向外方に形成され、前記硬貨類周縁保持部からの半径方向寸法が処理する最大硬貨類径より少し大きい寸法とされて硬貨類の背面を保持する硬貨類面保持部とを具備し、前記硬貨類掻上げ繰出突起部は、前記硬貨類面保持部における前記傾斜円盤の回転軸線からの距離が第1の所定半径域より大きい所定半径域に配置され、前記硬貨類ガイド部材は、前記傾斜円盤の上部域において前記硬貨類面保持部の前面に近接対向して前記硬貨類周縁保持部から硬貨類を受け取り可能に配置され、前記硬貨類掻上げ繰出突起部との間で前記硬貨類周縁保持部から受け取った硬貨類を保持して前記傾斜円盤の周縁外方へ案内するものである。
求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置は、請求項または記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置において、前記硬貨類掻上げ繰出突起部は、硬貨類掻上げ突起と硬貨類崩し突起とを有し、前記硬貨類掻上げ突起は、前記傾斜円盤の回転軸線からの距離が第1の所定半径域より大きい第2の所定半径域に形成され、前記硬貨類崩し突起は、前記硬貨類面保持部における第2の所定半径域より半径方向外方の第3の所定半径域に、円周方向に所定ピッチで配置されるとともに前記傾斜円盤の前面側へ突出して設けられ、これら複数の硬貨類崩し突起は、前記複数の硬貨類掻上げ突起に各々対応して前記硬貨類掻上げ突起より前記傾斜円盤の回転軸線を中心に回転方向後方へ所定角度ずれた位置に配置されるものである。
請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置は、請求項2記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置において、前記硬貨類周縁保持部は、前記円周方向の複数の硬貨類掻上げ繰出突起部に対応して円周方向に所定ピッチで形成され、これら各硬貨類周縁保持部の円周方向長さは前記傾斜円盤の回転時に対応する前記硬貨類掻上げ繰出突起部との間で1枚の硬貨類を保持する長さとされ、これら複数の硬貨類周縁保持部間には、硬貨類を下方へ滑落させる滑落部が形成されているものである。
請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置は、請求項1ないしいずれか記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置において、前記硬貨類繰出口を構成する硬貨類ガイド部材には、厚み方向に多層状態で送られる硬貨類を1層にして残りを滑落させる厚み方向規制ガイド部が形成され、前記貯留ホッパ部は、前記硬貨類ガイド部材の厚み方向規制ガイド部から滑落する硬貨類を受収するものである。
請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置は、請求項1ないし5いずれか記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置において、前記硬貨類繰出口と前記硬貨類通路の入口との間には硬貨類送込用方向変換通路が設けられ、前記受渡円板は、前記硬貨類繰出口と前記硬貨類送込用方向変換通路と前記硬貨類通路の入口近傍との間に設けられ、前記傾斜円盤から繰り出される硬貨類を前記受渡突起により1枚ずつ分離状態で前記硬貨類送込用方向変換通路を経由して前記硬貨類通路の硬貨類搬送体へ送り込むものである。
請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置は、請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置において、前記硬貨類送込用方向変換通路は、前記傾斜円盤における左右方向の一方側へ向けて前記硬貨類繰出口から繰り出される硬貨類を方向変換して左右方向の他方側へ送り出す略U字形に形成され、前記硬貨類通路の始端域は、前記硬貨類送込用方向変換通路に続けて左右方向の他方側に向かう左右方向通路域を有し、この左右方向通路域に異物を分離する異物分離部が形成され、前記貯留ホッパ部は、前記異物分離部で分離される異物を受収可能とし、少なくとも下部域が異物を放出するために開放可能とするものである。
請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置は、請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置において、機体を具備し、前記貯留ホッパ部は機体幅方向中央域に設けられるとともに、前記硬貨類通路は機体幅方向に沿って設けられ、この硬貨類通路は、前記硬貨類送込用方向変換通路に接続されて前記貯留ホッパ部より上方域を機体幅方向の一方側から他方側へ硬貨を搬送する第1通路域、硬貨の搬送方向を第1通路域末端から上方へ向かうとともに機体幅方向の一方側へ向けて折り返す折返し通路域、この折返し通路域末端から機体幅方向の一方側へ向けて硬貨を搬送する第2通路域を備え、前記第1通路域には硬貨類識別部が設けられ、前記第2通路域には種類別硬貨類分岐部が設けられたものである。
請求項1記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置によれば、傾斜円盤の周縁外方位置において硬貨類繰出口に臨んで受渡突起を設けることにより、この受渡突起が硬貨類繰出口から繰り出される硬貨類に当接し、この硬貨類を1枚ずつ分離状態で搬送して硬貨類搬送体に受け渡し、この硬貨類搬送体により硬貨類を確実に1枚ずつ区分け状態で搬送できるので、硬貨類詰まりの発生を防止でき、貯留ホッパ部を大形化せずに硬貨収納量を増加できるとともに硬貨類通路での硬貨類の処理を確実にできる。さらに、傾斜円盤の周縁外方位置において硬貨類繰出口に臨んで受渡円板を設け、この受渡円板には傾斜円盤の硬貨類面保持部と略面一で傾斜円盤の回転軸線と平行な回転軸線を中心に回転可能とする回転面部を設け、この回転面部における回転軸線からの所定半径域には回転面部から前面側へ所定量突出するとともに回転面部側への押圧時に回転面部内へ埋没可能とする少なくとも1個の受渡突起を設けることにより、この受渡突起が硬貨類繰出口から繰り出される硬貨類に当接してこの硬貨類を1枚ずつ分離状態で硬貨類通路へ向けて搬送できる。
請求項2記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置によれば、請求項1記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置の効果に加えて、傾斜円盤の回転により、傾斜円盤の硬貨類面保持部に背面が保持される硬貨類を硬貨類周縁保持部と硬貨類掻上げ繰出突起部との間で1枚保持して傾斜円盤の上部域に掻き上げ、この硬貨類を硬貨類周縁保持部から硬貨類ガイド部材が受け取り、この硬貨類ガイド部材と硬貨類掻上げ繰出突起部との間で硬貨類を1枚保持して硬貨類繰出口から傾斜円盤の周縁外方へ繰り出し、この硬貨類繰出口から繰り出される硬貨類に受渡突起が当接してこの硬貨類を1枚ずつ分離状態で硬貨類通路へ向けて搬送できる。特に硬貨類径が大のものから小のものまで混在していても硬貨類は1枚ずつ分離状態で硬貨類通路へ向けて搬送され、硬貨類詰まりの発生が防止される。
求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置によれば、請求項または記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置の効果に加えて、傾斜円盤から外方へ硬貨類を繰り出す硬貨類繰出口に至る域、あるいは硬貨類繰出口の近傍域などにおいて、硬貨類周縁保持部と硬貨類掻上げ突起との間で硬貨類のブリッジが生じても、硬貨類崩し突起により硬貨類のブリッジを崩すことができ、硬貨類詰まりを防止できる。
請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置によれば、請求項2記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置の効果に加えて、硬貨類掻上げ繰出突起部と硬貨類周縁保持部とで硬貨類を保持して掻き上げる際、ブリッジ状になった2枚の一方が滑落部を通じて早い時点で確実に落下させ、硬貨類掻上げ繰出突起部と硬貨類周縁保持部との間に1枚の硬貨類のみを保持して硬貨類繰出口へ送ることができ、硬貨類繰出口近傍において硬貨類掻上げ繰出突起部と硬貨類周縁保持部との間に硬貨類が詰まるのを防止できる。
請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置によれば、請求項1ないしいずれか記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置の効果に加えて、硬貨類繰出口を構成する硬貨類ガイド部材の厚み方向規制ガイド部により、厚み方向に多層状態で送られる硬貨類を1層にして受渡円板へ送るとともに残りの硬貨類を滑落させるので、受渡円板で硬貨類を1枚ずつ分離状態で硬貨類通路へ搬送でき、硬貨類繰出口付近において硬貨類詰まりが発生するのを防止できる。また、厚み方向規制ガイド部から滑落した硬貨類を貯留ホッパ部に受収するので、滑落した硬貨類も繰り出すことができる。
請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置によれば、請求項1ないし5いずれか記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置の効果に加えて、硬貨類繰出口と硬貨類通路の入口との間に硬貨類送込用方向変換通路を設けたので、貯留ホッパ部と硬貨類通路が装置の幅方向に併置されることがなく、貯留ホッパ部の上部に硬貨類通路の一部を設けることができ、小形化できる。
請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置によれば、請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置の効果に加えて、硬貨類通路部の始端域の左右方向搬送域に異物分離部を設け、この異物分離部で分離した異物を貯留ホッパ部に受収するので、異物が硬貨類通路の後段へ送られることがなく、異物が硬貨類通路の後段へ送られて詰まりを生じるのを防止できる。また、貯留ホッパ部に受収された異物は、貯留ホッパ部の開放によって放出できる。そのため、異物が詰まることなく返却できる。
請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置によれば、請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置の効果に加えて、硬貨類通路が、機体幅方向の第1通路域および第2通路域、これら第1通路域と第2通路域とを接続する折返し通路域を備えるので、硬貨類通路の全体通路長が長いにもかかわらず機体幅方向長さが短くなり、機体を小形にできるとともに、機体の前面から硬貨類通路の全体の保守ができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図27に第1の実施の形態を示す。
図1、図2および図14に示すように、硬貨入出金機は、機体11を有し、この機体11内には、操作者が硬貨を投入可能とすべく操作者が向き合う機体11の前面側(図1の手前側、図2および図14の左側の前面11a)における幅方向中央域(左右方向中央域)に硬貨類としての硬貨(図中には符号Cで示し、以下省略する)を受け入れて上部域の硬貨類繰出口としての硬貨繰出口12から1枚ずつ繰り出す貯留ホッパ部13が配置され、この貯留ホッパ部13の硬貨繰出口12から繰り出される硬貨を貯留ホッパ部13の真上域に方向変換して搬送する硬貨類送込用方向変換通路としての硬貨送込用方向変換通路14が配置され、貯留ホッパ部13の上方に硬貨送込用方向変換通路14を通じて1枚ずつ送り込まれる硬貨を搬送しながら識別および分岐する硬貨類通路としての硬貨識別分類通路15が機体11の幅方向に沿って配置され、機体11の右側に硬貨識別分類通路15から分岐される入金リジェクト硬貨を収納する入金リジェクト硬貨収納部16が配置され、硬貨識別分類通路15の背部側にこの硬貨識別分類通路15で金種別に分岐される硬貨を上部から受け入れて収納するとともに出金時や回収時に下部から硬貨を1枚ずつ投出する金種別硬貨重積投出部17が機体11の幅方向に沿って配置され、機体11の左側に硬貨識別分類通路15の末端まで搬送された硬貨を一時保留する硬貨一括一時保留部18が配置され、この硬貨一括一時保留部18の一時保留硬貨を下方の第1の放出側と貯留ホッパ部13側である第2の放出側とに切り換えて放出する放出手段19が配置され、硬貨一括一時保留部18の下方に放出手段19で硬貨一括一時保留部18から放出される一時保留硬貨を一括収納する硬貨一括収納部20が配置され、機体11の前面側下部で幅方向中央域に金種別硬貨重積投出部17から投出される投出硬貨および貯留ホッパ部13から放出される入金返却硬貨を収集する硬貨収集具21が着脱可能に配置される硬貨収集具配置部22が設けられている。そして、貯留ホッパ部13、硬貨送込用方向変換通路14および硬貨識別分類通路15などで貯留硬貨類繰出分離搬送装置としての貯留硬貨繰出分離搬送装置が構成されている。
そして、貯留ホッパ部13、硬貨送込用方向変換通路14、硬貨識別分類通路15は、上部が背部方向に向かう傾斜姿勢に配置されたベース23の前面側に配置されている。したがって、これら貯留ホッパ部13、硬貨送込用方向変換通路14、硬貨識別分類通路15、入金リジェクト硬貨収納部16、硬貨一括一時保留部18、硬貨一括収納部20、硬貨収集具配置部22が、機体11の前面側に配置されている。
次に、図1および図2に示すように、貯留ホッパ部13は、上部が背部方向に向かう傾斜姿勢で回転軸線25である回転軸26を中心に回転可能な傾斜円盤27、およびこの傾斜円盤27の前面との間で硬貨を貯留するホッパ枠28を備え、傾斜円盤27の周面上部域には傾斜円盤27の正転により硬貨を繰り出す硬貨繰出口12が形成されている。傾斜円盤27は、ベース23に形成された円形の開口部23aに配置されるとともにベース23の前面側と面一に配置され、傾斜円盤用モータM1(図16参照)の駆動で繰出回転方向である正転方向(図1反時計回り方向)と逆転方向(図1時計回り方向)とに回転駆動する。ホッパ枠28は、ベース23の前面側に取り付けられている。
ホッパ枠28の少なくとも下部域には放出口29が形成され、この放出口29を閉塞する可動ホッパ枠部30が軸部31を支点として前面側に開閉可能に設けられている。この可動ホッパ枠部30は、可動ホッパ枠部開閉手段としての可動ホッパ枠部用モータM8(図16参照)の駆動によって開閉駆動する。
傾斜円盤27の前面には、中央域に円形の高位部32が形成され、この高位部32の外周域に高位部32より処理する硬貨のうちの最小硬貨厚みより少し小さい寸法だけ低い低位部33が形成されている。傾斜円盤27の回転軸線25からの第1の所定半径域r1であって、高位部32と低位部33との段差部には、硬貨の周縁が厚み方向に1枚載る硬貨類周縁保持部としての硬貨周縁保持部34が形成されている(図4(b)参照)。この硬貨周縁保持部34より半径方向外方であって、低位部33には、硬貨周縁保持部34からの半径方向寸法が処理する硬貨のうちの最大硬貨径より少し大きい寸法とされて硬貨の背面を保持する硬貨類面保持部としての硬貨面保持部35が形成されている。
硬貨面保持部35における回転軸線25からの第2の所定半径域r2には、傾斜円盤27の前面側へ突出する複数の硬貨類掻上げ突起としての硬貨掻上げ突起36が円周方向に所定ピッチで固定配置されている。各硬貨掻上げ突起36は、傾斜円盤27の正転時に、処理する最大硬貨径から最小硬貨径までのいずれの硬貨であっても硬貨周縁保持部34との間で硬貨1枚を保持して傾斜円盤27の上部域に掻き上げることができる。硬貨掻上げ突起36は、図3に示すように、傾斜円盤27の正転時に、回転方向に対向して硬貨に接触する金属製のピン37と後続するガイド部38とを有し、この金属製のピン37により硬貨掻上げ突起36の摩耗を低減できる。この正転方向に対するピン37に対して反対方向側のガイド部38は、硬貨面保持部35からピン37の先端に向けて傾斜状で樹脂製のガイド部位38a、このガイド部位38aと同じく樹脂製でガイド部位38aとピン37とを接続する接続部位38b,38bで構成され、傾斜円盤27を逆転させる処理時に、このガイド部38により硬貨がピン37に引っ掛かるのを防止して硬貨詰まりが発生するのを防止できる。
硬貨面保持部35における第2の所定半径域r2より半径方向外方の第3の所定半径域r3には、傾斜円盤27の前面側へ突出する複数の硬貨類崩し突起としての硬貨崩し突起39が円周方向に所定ピッチで固定配置されている。これら複数の硬貨崩し突起39は、複数の硬貨掻上げ突起36に各々対応して硬貨掻上げ突起36より回転軸線25を中心に正転方向に対して後方へ所定角度ずれた位置に配置されている。なお、硬貨崩し突起39は、硬貨掻上げ突起36と同様にピン37とガイド部38とから構成されている。
そして、これら硬貨掻上げ突起36と硬貨崩し突起39とにより硬貨を掻き上げて繰り出す硬貨類掻上げ繰出突起部としての硬貨掻上げ繰出突起部47が構成されている。
硬貨周縁保持部34は、円周方向の複数の硬貨掻上げ突起36に対応して円周方向に所定ピッチで形成され、これら各硬貨周縁保持部34の円周方向長さは傾斜円盤27の正転時に対応する硬貨掻上げ突起36との間で1枚の硬貨を保持する長さとされている。図1および図4(a)に示すように、これら複数の硬貨周縁保持部34間には、高位部32と低位部33との段差部を傾斜面として、硬貨を下方へ滑落させる滑落部40が形成されている。
傾斜円盤27の上部域において、傾斜円盤27の周縁外方つまり傾斜円盤27の正転方向に対応した左方向へ硬貨を繰り出す硬貨繰出口12を構成する上下の硬貨類ガイド部材としての硬貨ガイド部材41,42が配置されている。上側である一方の硬貨ガイド部材41は、ホッパ枠28より突出する傾斜円盤27の上部域から硬貨繰出口12にかけて、傾斜円盤27の前面より突出して配置されている。
下側である他方の硬貨ガイド部材42は、硬貨面保持部35の前面に近接対向して硬貨周縁保持部34から続けて硬貨を受け取り可能とし、硬貨掻上げ突起36との間で硬貨周縁保持部34から受け取った硬貨を保持して傾斜円盤27の周縁外方へ案内する。この硬貨ガイド部材42の硬貨面保持部35に対向する面には、回転移動する硬貨掻上げ突起36および硬貨崩し突起39が通過する溝部43が形成されている。
硬貨ガイド部材42には、硬貨繰出口12に対して厚み方向に多層状態で送られる硬貨を硬貨面保持部35に接する硬貨1層に対して多層に重なる残りの硬貨を貯留ホッパ部13内に滑落させる厚み方向規制ガイド部44が形成されている。図5に示すように、この厚み方向規制ガイド部44は、硬貨ガイド部材42の上縁に、硬貨面保持部35に接する硬貨が厚み方向に1枚載る寸法のガイド面45、およびこのガイド面45を残して硬貨を滑落させる傾斜面46にて構成されている。
次に、図1に示すように、硬貨送込用方向変換通路14は、貯留ホッパ部13の硬貨繰出口12と硬貨識別分類通路15との間に、機体11における左右方向の一方側である左方向へ向けて硬貨繰出口12から繰り出される硬貨を180°方向変換して左右方向の他方側である右方向へ送り出す略U字形に形成されている。この硬貨送込用方向変換通路14は、ベース23の前面にて形成されていて傾斜円盤27の硬貨面保持部35と面一で硬貨の背面をガイドする通路面51を有している。この通路面51の内周側および外周側の両側には、硬貨繰出口12から連続して硬貨の周縁をガイドする硬貨ガイド部材41および硬貨ガイド部材42が配置されている。
この硬貨送込用方向変換通路14には、硬貨繰出口12と硬貨識別分類通路15の入口近傍との間に、硬貨繰出口12から繰り出される硬貨に当接してこの硬貨を1枚ずつ分離状態で後段の硬貨識別分類通路15へ向けて搬送する受渡円板52が配設されている。この受渡円板52は、ベース23に形成させた円形の開口部23bに配置されていて、通路用モータM2(図16参照)によって図1反時計回り方向の一方向にのみ回転駆動する。
図6ないし図8に示すように、受渡円板52は、傾斜円盤27の硬貨面保持部35および通路面51と略面一で傾斜円盤27の回転軸線25と平行な回転軸線53である回転軸54を中心に回転可能とする回転面部55を有している。
この回転面部55における回転軸線53からの所定半径域には、切欠部56が形成されているとともに、この切欠部56に硬貨繰出口12から繰り出される硬貨に当接してこの硬貨を1枚ずつ分離状態で硬貨識別分類通路15へ向けて搬送する受渡突起57が少なくとも1個配置されている。
この受渡突起57は、回転軸54を直交して貫通する支軸58によって受渡円板52の回転方向に対応して揺動可能に軸支され、この支軸58に装着された付勢手段としてのばね59で回転面部55から突出する方向すなわち受渡円板52の回転方向へ向けて付勢され、回転面部55から略垂直に突出した状態で切欠部56の縁部に当接して突設状態が保たれる。
そして、この受渡突起57は、回転面部55の前面側へ処理する最小硬貨厚みより小さい寸法だけ突出するとともに、回転面部55側への押圧時つまり受渡円板52の回転方向に対して反対方向への押圧時に回転面部55内へ埋没可能としている。
次に、図1および図2、図9および図10に示すように、硬貨識別分類通路15は、貯留ホッパ部13より上方域を機体11の幅方向の一方側である左側から他方側である右側へ硬貨を搬送する第1通路域65、硬貨の搬送方向を第1通路域65の末端から上方へ向かうとともに機体11の幅方向の左側へ向けて折り返す折返し通路域66、この折返し通路域66の末端から機体11の幅方向の左側へ向けて硬貨を搬送する第2通路域67を備えた略U字形に形成されている。
これら通路域65〜67は、硬貨送込用方向変換通路14から連続して硬貨の背面をガイドするベース23の前面にて形成された通路面51を有し、この通路面51の両側には、硬貨送込用方向変換通路14から連続して硬貨の周縁をガイドする硬貨ガイド部材68,69が配置されている。第1通路域65の始端側における一方の硬貨ガイド部材68としては、硬貨送込用方向変換通路14の硬貨ガイド部材41を兼用している。
これら通路域65〜67にわたって、受渡円板52により1枚ずつ区分け状態で送り込まれる硬貨を1枚ずつ区分け状態で搬送する硬貨類搬送体としての硬貨搬送体70が設けられている。この硬貨搬送体70は、無端状のベルト71にて構成され、このベルト71の通路面51に対向する面にはベルト71の長手方向に処理する最大硬貨径より大きい所定間隔で複数の突起72が突設されている。ベルト71は通路面51に対して処理する最大厚み硬貨よりも大きい寸法で対向配置され、突起72は通路面51に対して処理する最小硬貨厚みより小さい寸法で対向配置されている。
このベルト71は、第1通路域65の始端部および終端部、第2通路域67の始端部および終端部のそれぞれの内周側に回転可能に配置されるプーリ73,73,73,73にわたって回行可能に張設されているとともに、第2通路域67の終端部のプーリ73と第1通路域65の始端部のプーリ73との間の外周側に配置されてベルト71を押圧するテンションローラ74によってテンションが付与されている。各プーリ73,73,73,73には、ベルト71の突起72が係合する半円状の係合溝75が形成されている。
ベルト71は、受渡円板52と共通の通路用モータM2によって受渡円板52の回転と連動して回行し、受渡円板52により1枚ずつ区分け状態で送り込まれる硬貨をベルト長手方向の突起72間に受け入れて1枚ずつ区分けした状態で、硬貨の後側に位置する突起72で硬貨を押して搬送する。なお、受渡円板52およびベルト71による硬貨の搬送速度は、傾斜円盤27による硬貨の繰出速度より多少速く設定されている。
そして、硬貨識別分類通路15の第1通路域65には、硬貨を下側の硬貨ガイド部材68(硬貨ガイド部材41を兼用)の硬貨支持縁部68aに押し付ける幅寄せ部材77、異物78(例えば処理する最小硬貨径より小径な外国硬貨やクリップなどを含めた異物78)を分離して貯留ホッパ部13へ受収させる異物分離部79、硬貨を識別する硬貨類識別部としての硬貨識別部80が、搬送方向に沿って順に配設されている。
硬貨識別分類通路15の第1通路域65の始端域は、左側の硬貨送込用方向変換通路14に続けて右側に向かう左右方向通路域であり、この左右方向通路域に前記幅寄せ部材77および前記異物分離部79が配置されている。
幅寄せ部材77は、上側の硬貨ガイド部材69側に配置され、図示しないばねの付勢で通路内に突出して、硬貨を下側の硬貨ガイド部材68(硬貨ガイド部材41を兼用)の硬貨支持縁部68aに押し付ける。
異物分離部79は、図9に示すように、ベルト71に対向して、通路面51に分離溝部81が形成され、この分離溝部81内に通路面51より傾斜角度を大きくした分離ガイド面82が形成されている。この分離ガイド面82の下方への延長面は硬貨ガイド部材68の硬貨支持縁部68aより左側に配置する。図9(b)に示すように、処理する正規硬貨は、分離溝部81に入り込むことなく、硬貨の下部が硬貨ガイド部材68の硬貨支持縁部68aに載ったまま分離溝部81を通過して後段へ搬送できる。また、図9(c)に示すように、小径硬貨などの異物は、異物の上部側が分離溝部81に入り込み、異物の下部が硬貨ガイド部材68の硬貨支持縁部68aから外れて落下し、貯留ホッパ部13に受収される。
硬貨識別部80は、正規硬貨の金種、汚れていたり識別不能であったり外国硬貨などのリジェクト硬貨を識別する。
また、図1に示すように、折返し通路域66には、入金リジェクト硬貨を分岐する入金リジェクト硬貨分岐部84が設けられている。なお、この入金リジェクト硬貨分岐部84の構造は、第2通路域67に設けられる種類別硬貨類分岐部としての金種別分岐部86と同一構造であり、その構造を金種別分岐部86において説明する。
この入金リジェクト硬貨分岐部84の下部には、分岐された入金リジェクト硬貨を下方の入金リジェクト硬貨収納部16に導く入金リジェクト硬貨シュート85が配置されている。入金リジェクト硬貨収納部16は、機体11の前面側から取り出すことができる。
また、図1に示すように、第2通路域67では硬貨を下側の硬貨ガイド部材69の硬貨支持縁部69aに載せて搬送可能としている。この第2通路域67には硬貨を金種別に分岐する金種別分岐部86が設けられ、この第2通路域67の末端域には一時保留用硬貨を第2通路域67から硬貨一括一時保留部18に取り出す一時保留用硬貨取出部87が設けられている。
図1、図2、図10に示すように、各金種別分岐部86では、通路面51から下側の硬貨ガイド部材69にかけて開口部88が形成され、この開口部88内に分岐部材89が通路方向(搬送方向)に平行な軸部90を支点として前後方向に揺動可能に配置されている。
この分岐部材89は、軸部90で支持される支持部91を有し、この支持部91の上端に非分岐該当金種の硬貨を通過させる通過ガイド部92が設けられ、支持部91の背部に分岐該当金種の硬貨を開口部88の背部側に取り込んで分岐させる分岐ガイド部93が設けられている。各分岐部材89の支持部91には各アーム94を介して各分岐用モータM5-1〜M5-6(図16参照)の駆動力が伝達され、通過ガイド部92が開口部88に位置する通過位置と、分岐ガイド部93が開口部88に位置する分岐位置とに切り換えられる。
通過ガイド部92は、通路方向から見て断面略コ字形で、硬貨を支えて通過可能とする通過溝95を有し、図2に示す通過位置のときには、通過溝95の右面および底面が通路面51および硬貨ガイド部材69の硬貨支持縁部69aと略面一となってこれら通路面51および硬貨ガイド部材69の硬貨支持縁部69aとともに硬貨の下部における背面および周縁をガイドし、硬貨の通過を許容する。なお、通過溝95の左面は、右面に対して最大硬貨厚みよりやや大なる寸法とされ硬貨の通過を許容する。また、図10に示す分岐位置のときには、開口部88の前方に退避する。
分岐ガイド部93は、前面側から見て断面略L字形で、上部側が第2通路域67の通路方向の上流側に位置して第2通路域67に対して斜めに配置される傾斜部96、この傾斜部96の下部側から第2通路域67の通路方向に対して垂直な垂直部97を有している。分岐ガイド部93には、ベルト71の突起72との干渉防止のために切欠部98が形成されている。そして、この分岐ガイド部93は、図10に示す分岐位置のときには、通路面51より前面側に突出し、第2通路域67を搬送している硬貨を傾斜部96および垂直部97さらには支持部91の背面側を通じて開口部88内に取り込む。また、図2に示す通過位置のときには、開口部88の後方に退避する。
なお、上述したように、入金リジェクト硬貨分岐部84は、この金種別分岐部86と同一構造が用いられ、その駆動には分岐用モータM5-0(図16参照)が用いられる。
各金種別分岐部86の背部側には、各金種別分岐部86で開口部88の背部側に分岐された硬貨を受け入れて金種別硬貨重積投出部17へ導く金種別シュート99が配置されている。
次に、図2、図11ないし図13に示すように、金種別硬貨重積投出部17は、硬貨識別分類通路15の背部域で機体11の幅方向に沿って配列され、各金種別分岐部86から分岐されて金種別シュート99で導かれる硬貨を金種別に重積状態で収納する金種別収納部105を有している。これら金種別収納部105は、金種別分岐部86から分岐された硬貨を上部から重積収納し、この重積収納された硬貨を下部から1枚ずつ前方へ投出する硬貨上入れ下出し式の筒体であって、上部が背部方向に向かって傾斜する状態に配置された筒体で構成されている。
各金種別収納部105の下部には、金種別収納部105内に収納された硬貨を支えて水平状態で重積させるとともに、重積収納された硬貨を下部から1枚ずつ前方へ投出する金種別の硬貨投出部106が配設されている。
各硬貨投出部106は、金種別収納部105の下端部から硬貨1枚が通過可能な間隔をあけて配置される底面ガイド107を有し、この底面ガイド107上にはこの底面ガイド107に載せて前方へ投出する硬貨の幅方向両側位置をガイドする両側の側面ガイド108,108が配置されている。これら金種別収納部105の下端部と底面ガイド107と両側の側面ガイド108,108との間で、硬貨を前方へ投出する硬貨投出口109が形成されている。
底面ガイド107の中央部には前後方向にスリット状のガイド溝110が形成され、このガイド溝110には金種別収納部105の下部域に対して後方から進退可能で底面ガイド107に載る最下位の硬貨を投出する投出部材111が配置されている。この投出部材111の前端側にはガイドローラ112が回転可能に軸支され、このガイドローラ112が底面ガイド107の下方に平行に配置されるガイド板113上に転動可能に配置され、投出部材111の前端側が水平移動するように支持されている。
金種別収納部105の背部側には上端の回動支点114を中心に前後方向に揺動する揺動レバー115が配置され、この揺動レバー115の回動支点114から離れた下端側の先端に投出部材111の後端が連結軸116によって回動可能に連結されている。各揺動レバー115の回動支点114は金種別の投出用モータM6-1〜M6-6(図16参照)によって回動駆動され、各揺動レバー115が揺動する。
そして、揺動レバー115の回動支点114および連結軸116や投出用モータM6-1〜M6-6などにより、揺動レバー115に対して、投出部材111を進退移動させる投出用揺動と、投出部材111で金種別収納部105内の重積硬貨を振動させる振動用揺動とを与える揺動付与手段117が構成されている。
この揺動付与手段117による投出用揺動では、図11(a)に示すように、投出部材111が金種別収納部105の背部まで後退する投出待機位置と、投出部材111が金種別収納部105の前方まで進出する投出位置との間で揺動レバー115を揺動させる。投出部材111の投出位置から投出待機位置への移動により、金種別収納部105内の硬貨が底面ガイド107上に載り、投出部材111の投出待機位置から投出位置への移動により、底面ガイド107上に載る1枚の硬貨を硬貨投出口109から前方へ押し出して投出する。また、揺動付与手段117による振動用揺動では、図11(b)に示すように、投出部材111が金種別収納部105の前方まで進出する投出位置と、この投出位置より少し後方で投出部材111の前端側が金種別収納部105の下部に位置する中間位置との間で揺動レバー115を揺動させる。この揺動レバー115の揺動により、投出部材111の後端側に連結する連結軸116の高さが上下に変化し、投出部材111の後端側が上下に振動し、この投出部材111上に載る金種別収納部105内の重積硬貨に上下方向の振動を与え、金種別収納部105内での硬貨立ちを防止する。
硬貨投出口109には、投出硬貨の通過を検知するカウントセンサ118が配置されている。このカウントセンサ118は、底面ガイド107の形成されたセンサ孔119を通じて投出硬貨の通過を検知する。
また、金種別硬貨重積投出部17の下部には、金種別硬貨重積投出部17から投出される投出硬貨を一時保留するとともに下部に臨む硬貨収集具配置部22に一時保留した投出硬貨を放出する投出硬貨一時保留部121が設けられている。この投出硬貨一時保留部121は、金種別硬貨重積投出部17の下部の前方域に配置される投出硬貨一時保留枠122、およびこの投出硬貨一時保留枠122の底面の放出口123を開閉するシャッタ124を有し、金種別硬貨重積投出部17の下部から投出される投出硬貨を投出硬貨一時保留枠122に受け入れてシャッタ124上に一時保留する。シャッタ124は、投出硬貨一時保留部用モータM7(図16参照)の駆動によって開閉する。
次に、図1、図14および図15に示すように、硬貨一括一時保留部18は、機体11の左側で、硬貨識別分類通路15の一時保留用硬貨取出部87の下方に配置され、一時保留用硬貨取出部87から取り出される硬貨を一括して一時保留するとともに入金硬貨収納指令時または入金硬貨返却指令時に入金一時保留硬貨を放出可能としている。硬貨一括一時保留部18は、上下方向に開口する枠状の硬貨一括一時保留枠130、およびこの硬貨一括一時保留枠130の底面の放出口131を開閉するシャッタ132を有し、一時保留用硬貨取出部87から取り出される硬貨を硬貨一括一時保留枠130内に受け入れて底面の放出口131を閉鎖するシャッタ132上に一時保留する。
硬貨一括一時保留枠130は、上端の支軸133を支点として前後方向に揺動可能に支持されており、その形状が支軸133を中心とした扇形枠状に形成されているとともに下面が支軸133を中心とした円弧面に形成されている。
シャッタ132は、硬貨一括一時保留枠130の底面の放出口131を開閉するシャッタ部134、およびこのシャッタ部134を支持するシャッタ支持部135を有し、シャッタ支持部135の上端が硬貨一括一時保留枠130と同じ支軸133を支点として前後方向に揺動可能に支持されている。シャッタ部134は、支軸133を中心とした円弧面に形成されている。
次に、図1、図14および図15に示すように、放出手段19は、硬貨一括一時保留部18の硬貨を硬貨一括収納部20側である第1の放出側と貯留ホッパ部13側である第2の放出側とに切り換えて放出させる。この放出手段19は、硬貨一括一時保留枠用モータM3(図16参照)の駆動により硬貨一括一時保留枠130を前後方向に移動させる硬貨一括一時保留枠用移動機構140、およびシャッタ用モータM4(図16参照)の駆動によりシャッタ132を前後方向に移動させるシャッタ用移動機構141を有している。
硬貨一括収納部20側である第1の放出側には硬貨一括一時保留部18から放出される硬貨を受け入れて硬貨一括収納部20に導く第1の放出シュート142が配置され、貯留ホッパ部13側である第2の放出側には硬貨一括一時保留部18から放出される硬貨を受け入れて貯留ホッパ部13に導く第2の放出シュート143が配置されている。
そして、図14および図15に示すように、硬貨一括一時保留枠130が前後方向の中間位置に位置してその硬貨一括一時保留枠130の底面の放出口131をシャッタ132で閉鎖している位置を、一時保留用硬貨取出部87から取り出される硬貨を硬貨一括一時保留部18に一括して一時保留する一時保留位置とする。
また、硬貨一括一時保留部18の硬貨を硬貨一括収納部20側である第1の放出側に放出する場合には、図14に示すように、まず、硬貨一括一時保留枠130を後方に揺動させて第1の放出シュート142上に臨ませ、続いて、シャッタ132を前方へ揺動させて硬貨一括一時保留枠130の底面の放出口131を開放し、硬貨一括一時保留部18の硬貨を第1の放出シュート142に放出する。この状態を硬貨一括一時保留部18の第1の放出側位置とする。
また、硬貨一括一時保留部18の硬貨を貯留ホッパ部13側である第2の放出側に放出する場合には、図15に示すように、まず、硬貨一括一時保留枠130を前方に揺動させて第2の放出シュート143上に臨ませ、続いて、シャッタ132を後方へ揺動させて硬貨一括一時保留枠130の底面の放出口131を開放し、硬貨一括一時保留部18の硬貨を第2の放出シュート143に放出する。この状態を硬貨一括一時保留部18の第2の放出側位置とする。
次に、図1、図14および図15に示すように、硬貨一括収納部20は、機体11の前面11aから機体11内に設けられた装着部150に着脱可能な金箱151によって構成され、上面には装着時に第1の放出シュート142の下方に位置して硬貨を受け入れる硬貨受入口152が形成され、この硬貨受入口152にはシャッタ153が開閉可能に配置されている。
この金箱151は、横向き状態で硬貨収集具配置部22に配置して金種別硬貨重積投出部17内の硬貨を回収可能としている。それに対応するため、金箱151の側面には、金種別硬貨重積投出部17から投出される硬貨を受け入れる硬貨受入口154が形成され、この硬貨受入口154にはシャッタ155が開閉可能に配置されている。
次に、図1、図14および図15に示すように、硬貨収集具配置部22は、機体11の前面側下部で幅方向中央域に設けられ、前方から硬貨収集具21が着脱可能に配置される。この硬貨収集具配置部22には、硬貨収集具21を位置決めするために、硬貨収集具配置部22の奥側と硬貨収集具配置部22の左側とにストッパ160,161がそれぞれ配置されている。
そして、硬貨収集具21としては、出金硬貨収集用および回収硬貨収集用としてカルトン162が用いられ、また、回収硬貨収集用として硬貨一括収納部20の金箱151を用いることもできる。これらカルトン162および金箱151とも硬貨収集具配置部22に着脱可能に配置できる。
次に、図16には、硬貨入出金機を制御する制御のブロック図を示す。ブロック図において、制御部170は、上位機からの信号や、入金、出金、補充、回収の各処理の指令および各種モードの指令をする操作指令部171、入金、出金、補充、回収の各処理の指令状態の表示、金額などを表示する表示部172、貯留ホッパ部13内の硬貨の有無を検知する複数のセンサを含むホッパ用センサ群173、硬貨識別分類通路15などの通路で硬貨を検知する複数のセンサを含む通路用センサ群174などから信号を入力し、各モータM1〜M8を制御する。
そして、制御部170は、硬貨一括一時保留部18に入金一時保留硬貨を一時保留した後の入金硬貨収納指令時または入金硬貨返却指令時における制御を行う制御手段175を有している。
この制御手段175による収納制御では、非還流収納モードと還流収納モードとを選択して設定可能としている。非還流収納モードでは、入金硬貨収納指令時には、硬貨一括一時保留部18の入金一時保留硬貨を放出手段19により第1の放出側の硬貨一括収納部20へ送る。また、還流収納モードでは、入金硬貨収納指令時には、硬貨一括一時保留部18の入金一時保留硬貨を放出手段19により第2の放出側となる貯留ホッパ部13側へ送り、可動ホッパ枠部30の閉塞状態において貯留ホッパ部13の傾斜円盤27および硬貨識別分類通路15の作動により、硬貨の補充が必要な金種硬貨は対応する金種の金種別分岐部86で分岐して対応する金種別収納部105へ補充し、硬貨の補充が必要でない金種硬貨は一時保留用硬貨取出部87を経由して硬貨一括一時保留部18へ一時保留し、貯留ホッパ部13の全ての硬貨を対応する金種別分岐部86または一時保留用硬貨取出部87へ送り込んだ後に硬貨一括一時保留部18の一時保留硬貨を放出手段19により第1の放出側の硬貨一括収納部20へ送る。
また、制御手段175による返却制御では、入金硬貨返却指令時には、硬貨一括一時保留部18の入金一時保留硬貨を放出手段19により第2の放出側の貯留ホッパ部13側へ送るとともに可動ホッパ枠部30の開放姿勢を通じて貯留ホッパ部13の下方へ放出させる。
さらに、制御手段175は、異物分離部79で分離されて貯留ホッパ部13へ受収された異物78を可動ホッパ枠部30の開放により硬貨収集具配置部22へ放出させる機能を有している。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
まず、図17ないし図24を参照して硬貨入出金機による各処理について説明する。この硬貨入出金機は、例えば金融機関の係員であるテラーが操作するもので、顧客から受け取った入金硬貨を入金処理したり、顧客に払い出す出金硬貨を出金処理するものである。
図17には、入金処理における入金計数から一時保留までの処理を示す。操作指令部171で入金処理を指令し、顧客から受け取った入金硬貨を機体11の図示しない投入口から貯留ホッパ部13に投入することにより、貯留ホッパ部13に投入された入金硬貨をホッパ用センサ群173で検知して入金処理を開始する。入金処理の開始により、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71をそれぞれ回転させる。
貯留ホッパ部13の傾斜円盤27により貯留ホッパ部13内の入金硬貨を硬貨繰出口12から1枚ずつ分離状態で硬貨送込用方向変換通路14に繰り出し、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52により硬貨繰出口22から繰り出される入金硬貨を1枚ずつ区分け状態で受け取るとともに硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72間に受け渡し、この硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72により入金硬貨を1枚ずつ区分け状態で硬貨識別分類通路15に沿って搬送する。
硬貨識別分類通路15の第1通路域65を搬送する入金硬貨を硬貨識別部80により識別する。
硬貨識別部80による識別の結果、正規と識別された入金硬貨は、第1通路域65から折返し通路域66を通じて第2通路域67の末端まで搬送し、この第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から取り出し、硬貨一括一時保留部18に収納する。このとき、硬貨一括一時保留部18では、硬貨一括一時保留枠130およびシャッタ132が一時保留位置にあり、第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から受け入れた入金硬貨を一括一時保留する。
硬貨識別部80による識別の結果、リジェクト硬貨と識別された入金リジェクト硬貨は、折返し通路域の入金リジェクト硬貨分岐部84で分岐し、入金リジェクト硬貨シュート85を通じて入金リジェクト硬貨収納部16に収納する。
そして、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で入金硬貨を検知しなくなるとともに硬貨識別部80で硬貨を所定時間識別しなければ、投入された全ての入金硬貨の入金計数から一時保留までの処理を完了したものとし、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71をそれぞれ停止させる。また、識別結果は表示部172に表示し、入金硬貨の収納または返却を確認する。また、リジェクト硬貨があった場合には、入金リジェクト硬貨収納部16を機体11から引き出し、入金リジェクト硬貨収納部16内から入金リジェクト硬貨を取り出して顧客に返却する。
また、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で硬貨有りと検知しているにもかかわらず、硬貨識別部80で入金収納硬貨を所定時間識別しなければ、傾斜円盤27を一旦停止させ、この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返し、この間に硬貨が貯留ホッパ部13から繰り出されて硬貨識別部80で検知すれば、傾斜円盤27を正転に復帰させる。この傾斜円盤27を逆転させるとき、硬貨掻上げ突起36および硬貨崩し突起39に設けられたガイド部38により入金収納硬貨がピン37に引っ掛かるのを防止して硬貨詰まりが発生するのを防止できる。
また、貯留ホッパ部13に入金硬貨とともに異物78が投入された場合には、硬貨識別分類通路15における第1通路域65の硬貨識別部80より上流域に設けた異物分離部79で異物78を分離して貯留ホッパ部13へ受収させる。そのため、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で硬貨有りと検知しているにもかかわらず、硬貨識別部80で入金収納硬貨を所定時間識別しなくなり、そこで、傾斜円盤27を一旦停止させ、この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返すが、硬貨識別部80では入金収納硬貨を検知しない状態を継続する。この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返しても、硬貨識別部80で入金収納硬貨を検知しなければ、異物78が有りと判断し、貯留ホッパ部13の可動ホッパ枠部30を開放して異物78を下方のカルトン162へ放出する。このとき、傾斜円盤27を正逆転させることにより、異物78をより確実に放出できる。したがって、硬貨識別分類通路15での異物78による硬貨詰まりなどの発生を防止でき、異物78を簡単に取り出すことができる。
図18には、入金処理における一時保留後の入金硬貨返却の処理を示す。操作指令部171によって入金硬貨返却が指令されることにより、硬貨一括一時保留部18内の入金返却硬貨を、硬貨一括一時保留部18の第2の放出側位置への移動によって第2の放出側である貯留ホッパ部13側に放出し、第2の放出シュート143を通じて貯留ホッパ部13に送り込む。
貯留ホッパ部13の可動ホッパ枠部30を開放し、貯留ホッパ部13内の入金返却硬貨をホッパ枠28の放出口29から下方の硬貨収集具配置部22へ放出し、硬貨収集具配置部22に予め配置されているカルトン162に受収する。カルトン162を機体11の硬貨収集具配置部22から取り出し、カルトン162内の入金返却硬貨を返却する。その後、硬貨一括一時保留部18を一時保留位置に戻し、貯留ホッパ部13の可動ホッパ枠部30を閉じ、入金処理を終了する。
図19には、入金処理における一時保留後の入金非還流収納の処理を示す。予め入金非還流収納モードが設定されている場合に、操作指令部171によって入金硬貨収納が指令されることにより、硬貨一括一時保留部18内の入金収納硬貨を、硬貨一括一時保留部18の第1の放出側位置への移動によって第1の放出側である硬貨一括収納部20側に放出し、第1の放出シュート142を通じて硬貨一括収納部20に収納する。その後、硬貨一括一時保留部18を一時保留位置に戻し、入金処理を終了する。
図20には、入金処理における一時保留後の入金還流収納の処理を示す。予め入金還流収納モードが設定されている場合に、操作指令部171によって入金硬貨収納が指令されることにより、硬貨一括一時保留部18内の入金収納硬貨を、硬貨一括一時保留部18の第2の放出側位置への移動によって第2の放出側である貯留ホッパ部13側に放出し、第2の放出シュート143を通じて貯留ホッパ部13に送り込む。
その後、硬貨一括一時保留部18を硬貨一括収納部20へ入金収納硬貨を放出する第1の放出側位置に移動させ、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71を再びそれぞれ回転させる。
貯留ホッパ部13の傾斜円盤27により貯留ホッパ部13内の入金収納硬貨を硬貨繰出口12から1枚ずつ分離状態で硬貨送込用方向変換通路14に繰り出し、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52により硬貨繰出口12から繰り出される入金収納硬貨を1枚ずつ区分け状態で受け取るとともに硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72間に受け渡し、この硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72により入金収納硬貨を1枚ずつ区分け状態で硬貨識別分類通路15に沿って押動搬送する。
硬貨識別分類通路15の第1通路域65を搬送する入金収納硬貨を硬貨識別部80により識別する。
硬貨識別部80による識別の結果、正規と識別された入金収納硬貨は、第1通路域65から折返し通路域66を通じて第2通路域67へ搬送し、該当する金種の金種別分岐部86で第2通路域67から分岐し、金種別シュート99を通じて金種別硬貨重積投出部17の金種別収納部105に収納する。
このとき、金種別硬貨重積投出部17では、図11(b)に示すように、揺動付与手段117により、投出部材111を金種別収納部105の前方まで進出する投出位置と、この投出位置より少し後方で投出部材111の前端側が金種別収納部105の下部に位置する中間位置との間で揺動レバー115を揺動させ、投出部材111の後端側に連結する連結軸116の高さを上下に変化させ、投出部材111の後端側を上下に振動させ、この投出部材111上に載る金種別収納部105内の重積硬貨に上下方向の振動を与えるため、金種別収納部105内に落下する入金収納硬貨が硬貨立ちするのを防止して確実に重積できる。
金種別硬貨重積投出部17の金種別収納部105が満杯状態となった金種の入金収納硬貨つまりオーバーフロー硬貨は、該当する金種別分岐部86で分岐せずに通過させ、第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から取り出し、硬貨一括収納部20へ入金収納硬貨を放出する第1の放出側位置に移動している硬貨一括一時保留部18を通じて硬貨一括収納部20に収納する。
硬貨識別部80による識別の結果、リジェクト硬貨と識別された入金リジェクト硬貨は、折返し通路域の入金リジェクト硬貨分岐部84で分岐し、入金リジェクト硬貨シュート85を通じて入金リジェクト硬貨収納部16に収納する。
そして、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で入金硬貨を検知しなくなるとともに硬貨識別部80で硬貨を所定時間識別しなければ、全ての入金収納硬貨の収納処理を完了したものとし、硬貨一括一時保留部18を一時保留位置に戻し、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71をそれぞれ停止させ、入金処理を終了する。また、リジェクト硬貨があった場合には、入金リジェクト硬貨収納部16を機体11から引き出し、入金リジェクト硬貨収納部16内から入金リジェクト硬貨を取り出して回収する。また、異物78が有る場合は、図17と同様の処理を経て異物78をカルトン162へ放出し、表示部172でカルトン162の抜き取りをテラーに促す。
なお、第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から取り出す入金収納硬貨つまりオーバーフロー硬貨は、硬貨一括一時保留部18に一時保留し、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で入金硬貨を検知しなくなるとともに硬貨識別部80で入金収納硬貨を所定時間識別しなくなってから、硬貨一括収納部20に収納してもよい。
図21には、出金処理における出金計数から一時保留までの処理を示す。操作指令部171で出金処理を指令し、出金金額を入力することにより、金種別硬貨重積投出部17のうちの出金該当金種の硬貨投出部106が動作し、この動作した硬貨投出部106により金種別収納部105内の下部の硬貨を1枚ずつ硬貨投出口109から投出し、この硬貨投出口109から投出する投出硬貨の枚数をカウントセンサ118で検知してカウントする。硬貨投出口109から投出される投出硬貨は、投出硬貨一時保留部121に収納する。このとき、投出硬貨一時保留部121では、投出硬貨一時保留枠122の放出口123をシャッタ124で閉鎖しており、投出された投出硬貨を一括して一時保留する。
図22には、出金処理における出金放出の処理を示す。金種別硬貨重積投出部17から出金金額分の硬貨の投出を完了したら、投出硬貨一時保留枠122のシャッタ124を開放し、投出硬貨一時保留部121内に一時保留していた投出硬貨を投出硬貨一時保留枠122の放出口123から下方の硬貨収集具配置部22へ放出し、硬貨収集具配置部22に予め配置されているカルトン162に受収する。カルトン162を機体11の硬貨収集具配置部22から取り出し、カルトン162内の投出硬貨を顧客に払い出す。その後、シャッタ124を投出硬貨一時保留枠122の放出口123を閉塞する状態に戻し、出金処理を終了する。
このように、金種別硬貨重積投出部17から投出される投出硬貨を投出硬貨一時保留部121に一時保留することにより、出金指示硬貨量と実際に投出された硬貨量とが一致したときにカルトン162へ放出することが可能で、出金指示硬貨量と実際に投出された硬貨量とで違算が発生するのを防止できる。
図23には、補充処理であって、機体11内に硬貨が収納されていない初期補充における装填計数、および機体11内の硬貨が減少したときの途中補充における補充計数の処理を示す。
操作指令部171で補充処理を指令することにより、硬貨一括一時保留部18を硬貨一括収納部20へ入金収納硬貨を放出する第1の放出側位置に移動させる。補充硬貨を貯留ホッパ部13に投入することにより、貯留ホッパ部13に投入された補充硬貨をホッパ用センサ群173で検知して補充処理を開始する。補充処理の開始により、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71をそれぞれ回転させる。
貯留ホッパ部13の傾斜円盤27により貯留ホッパ部13内の補充硬貨を硬貨繰出口12から1枚ずつ分離状態で硬貨送込用方向変換通路14に繰り出し、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52により硬貨繰出口12から繰り出される補充硬貨を1枚ずつ区分け状態で受け取るとともに硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72間に受け渡し、この硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72により補充硬貨を1枚ずつ区分け状態で硬貨識別分類通路15に沿って押動搬送する。
硬貨識別分類通路15の第1通路域65を搬送する補充硬貨を硬貨識別部80により識別する。
硬貨識別部80による識別の結果、正規と識別された補充硬貨は、第1通路域65から折返し通路域66を通じて第2通路域67へ搬送し、該当する金種の金種別分岐部86で第2通路域67から分岐し、金種別シュート99を通じて金種別硬貨重積投出部17の金種別収納部105に収納する。
このときも、振動付与手段117により金種別収納部105内の重積硬貨に上下方向の振動を与えることにより、金種別収納部105内に落下する補充硬貨が硬貨立ちするのを防止して確実に重積できる。
金種別硬貨重積投出部17の金種別収納部105が満杯状態となった金種の入金収納硬貨つまりオーバーフロー硬貨は、該当する金種別分岐部86で分岐せずに通過させ、第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から取り出し、硬貨一括収納部20へ入金収納硬貨を放出する第1の放出側位置に移動している硬貨一括一時保留部18を通じて硬貨一括収納部20に収納する。
硬貨識別部80による識別の結果、リジェクト硬貨と識別された補充リジェクト硬貨は、折返し通路域の入金リジェクト硬貨分岐部84で分岐し、入金リジェクト硬貨シュート85を通じて入金リジェクト硬貨収納部16に収納する。
そして、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で入金硬貨を検知しなくなるとともに硬貨識別部80で硬貨を所定時間識別しなければ、投入された全ての補充硬貨の補充処理を完了したものとし、硬貨一括一時保留部18を一時保留位置に戻し、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71をそれぞれ停止させ、補充処理を終了する。また、リジェクト硬貨があった場合には、入金リジェクト硬貨収納部16を機体11から引き出し、入金リジェクト硬貨収納部16内から補充リジェクト硬貨を取り出して回収する。
また、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で硬貨有りと検知しているにもかかわらず、硬貨識別部80で補充硬貨を所定時間識別しなければ、傾斜円盤27を一旦停止させ、この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返し、この間に補充硬貨が貯留ホッパ部13から繰り出されて硬貨識別部80で検知すれば、傾斜円盤27を正転に復帰させる。
また、貯留ホッパ部13に入金硬貨とともに異物78が投入された場合には、硬貨識別分類通路15における第1通路域65の硬貨識別部80より上流域に設けた異物分離部79で異物78を分離して貯留ホッパ部13へ受収させる。そのため、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で硬貨有りと検知しているにもかかわらず、硬貨識別部80で補充硬貨を所定時間識別しなくなり、そこで、傾斜円盤27を一旦停止させ、この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返すが、硬貨識別部80では補充硬貨を検知しない状態を継続する。この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返しても、硬貨識別部80で補充硬貨を検知しなければ、異物78が有りと判断し、貯留ホッパ部13の可動ホッパ枠部30を開放して異物78を下方のカルトン162へ放出する。このとき、傾斜円盤27を正逆転させることにより、異物78をより確実に放出できる。したがって、硬貨識別分類通路15での異物78による硬貨詰まりなどの発生を防止でき、異物78を簡単に取り出すことができる。
なお、第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から取り出す補充硬貨つまりオーバーフロー硬貨は、硬貨一括一時保留部18に一時保留し、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で補充硬貨を検知しなくなるとともに硬貨識別部80で補充硬貨を所定時間識別しなくなってから、硬貨一括収納部20に収納してもよい。
図24には、回収処理を示す。操作指令部171で回収処理を指令することにより、投出硬貨一時保留部121のシャッタ124を開放した後、金種別硬貨重積投出部17の硬貨投出部106が動作し、この硬貨投出部106により金種別収納部105内の下部の回収硬貨を1枚ずつ硬貨投出口109から投出し、この硬貨投出口109から投出する回収硬貨の枚数をカウントセンサ118で検知してカウントする。硬貨投出口109から投出される回収硬貨は、シャッタ124が開放されている投出硬貨一時保留部121を通じて、硬貨収集具配置部22に予め配置されているカルトン162に受収する。金種別硬貨重積投出部17内の全ての回収硬貨を投出すれば、投出硬貨一時保留部121のシャッタ124を閉じ、回収処理を終了する。
そして、回収硬貨が収容されたカルトン162を機体11の硬貨収集具配置部22から取り出して回収する。
なお、金種別硬貨重積投出部17から投出される回収硬貨を投出硬貨一時保留部121に一時保留し、この投出硬貨一時保留部121に所定枚数分の回収硬貨を一時保留したら金種別硬貨重積投出部17からの回収硬貨の投出を一旦中断し、シャッタ124を開放して投出硬貨一時保留部121内の回収硬貨をカルトン162に放出し、その後、シャッタ124を閉じて金種別硬貨重積投出部17からの回収硬貨の投出を再開するというような回収動作を複数回繰り返してもよい。この場合、カルトン162の収容量に応じた回収硬貨量を投出硬貨一時保留部121に一時保留させた後、カルトン162へ回収硬貨を放出することが可能で、回収硬貨量が多すぎてカルトン162から回収硬貨が溢れ出すのを防止できる。
そして、このように構成された硬貨入出金機では、傾斜円盤27および下部域が開閉可能なホッパ枠を有する貯留ホッパ部13を機体11の前面側の幅方向中央に配置し、この貯留ホッパ部13から繰り出される硬貨を搬送しながら識別および分類可能な硬貨識別分類通路15における第1通路域65、折返し通路域66および第2通路域67を機体11の前面側の幅方向に配置し、この硬貨識別分類通路15の第2通路域67の末端から取り出される硬貨を一括一時保留する硬貨一括一時保留部18を機体11の前面側に配置し、この硬貨一括一時保留部18の硬貨を入金硬貨収納指令時には第1の放出側に送り、入金返却指令時には第2の放出側である貯留ホッパ部13に送る放出手段19を設け、この放出手段19で第1の放出側に送られる硬貨を一括収納する硬貨一括収納部20を機体11の前面側に配置し、硬貨識別分類通路15で金種別に分岐される硬貨を金種別に重積収納するとともに収納した硬貨を投出可能とする金種別硬貨重積投出部17を硬貨識別分類通路15の背部域で機体11の幅方向に沿って配列し、この金種別硬貨重積投出部17から投出される投出硬貨および入金硬貨返却指令時に貯留ホッパ部13へ送られてこの貯留ホッパ部13から下方へ放出される入金返却硬貨を収集する硬貨収集具21が着脱可能に配置される硬貨収集具配置部22を機体11の前面側下部で幅方向中央域に設けたので、従来に比べて構造が簡単で、小形かつ安価にでき、しかも、出金硬貨が残留するのを防止でき、出金硬貨の額の違算を防止できる。
また、硬貨識別分類通路15の入金リジェクト硬貨分岐部84により分岐された入金リジェクト硬貨を、機体11の前面から取り出せる入金リジェクト硬貨収納部16に収納するため、入金リジェクト硬貨の回収に時間がかからず、入金リジェクト硬貨が残留するのを防止できる。
また、入金リジェクト硬貨分岐部84で入金リジェクト硬貨を分岐した後、第2通路域67の金種別分岐部86で正規硬貨を分岐するので、正規硬貨の分岐を確実にできる。
また、金種別分岐部86を第1通路域65より高い位置に位置する第2通路域67に設け、この第2通路域67の金種別分岐部86から金種別硬貨重積投出部17の上部域へ硬貨を送り込むので、金種別硬貨重積投出部17での硬貨収納量を増やしたり、硬貨収納量を少なくすることなく硬貨投出部106の高さ位置を任意に設定できる。
また、貯留ホッパ部13の硬貨繰出口12と硬貨識別分類通路15の始端域との間に、貯留ホッパ部13の硬貨繰出口12から繰り出される硬貨を方向変換して貯留ホッパ部13の直上域に位置する硬貨識別分類通路15の始端域へ送り込む略U字形の硬貨送込用方向変換通路14を設けたので、硬貨送込用方向変換通路14の機体幅方向における長さが短くなり、機体11の幅方向に小形にできる。
この硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52により貯留ホッパ部13の硬貨繰出口12から繰り出される硬貨を1枚ずつ区分け状態で硬貨識別分類通路15のベルト71に送り込むので、硬貨識別分類通路15での識別や分岐などの処理を確実にできる。
この硬貨送込用方向変換通路14が、貯留ホッパ部13の硬貨繰出口12から機体11の幅方向の一方側へ向けて繰り出される硬貨を方向変換して機体11の幅方向の他方側へ送り出す略U字形に形成され、また、硬貨識別分類通路15の始端域が、機体11の幅方向の他方側へ向かう通路域とされるので、硬貨送込用方向変換通路14および硬貨識別分類通路15の機体11の幅方向における長さが短くなり、機体11の幅方向に小形にできる。
また、揺動付与手段117により、揺動レバー115に対して投出部材111を進退移動させる投出用揺動と投出部材111で重積硬貨を振動させる振動用揺動とを与えるので、重積硬貨に振動を付与するための専用のモータなどの構成が必要なく、構造が簡単で、小形かつ安価にできる。
次に、図25ないし図27を参照して貯留ホッパ部13から硬貨識別分類通路15への硬貨の繰出分離搬送動作について説明する。
図25に示すように、傾斜円盤27の正転により、貯留ホッパ部13の下部域において硬貨面保持部35に背面が保持される硬貨(C1)を硬貨周縁保持部34と硬貨掻上げ突起36との間で1枚保持して傾斜円盤27の上部域に掻き上げ、硬貨繰出口12へ送り込む。
このとき、硬貨周縁保持部34と硬貨掻上げ突起36との間で複数枚の硬貨がブリッジ状に重なって掻き上げられようとしても、硬貨周縁保持部34と硬貨掻上げ突起36との間には1枚の硬貨のみが保持され、ブリッジ状に重なった硬貨は落下する。特に、円周方向の複数の硬貨周縁保持部34間には滑落部40が設けられているため、ブリッジ状に重った硬貨が滑落部40を通じて早い時点で確実に落下する。そのため、硬貨周縁保持部34と硬貨掻上げ突起36との間に1枚の硬貨のみを保持して硬貨繰出口12へ送ることができ、硬貨繰出口12近傍において硬貨周縁保持部34と硬貨掻上げ突起36との間に硬貨が詰まるのを防止できる。
傾斜円盤27の上部域に掻き上げて硬貨繰出口12に送り込まれる硬貨(C2)を硬貨周縁保持部34から硬貨ガイド部材42に受け取り、この硬貨ガイド部材42と硬貨掻上げ突起36との間で硬貨を1枚保持して硬貨繰出口12から傾斜円盤27の周縁外方の硬貨送込用方向変換通路14へ向けて繰り出す。
このとき、硬貨ガイド部材42の厚み方向規制ガイド部44により、厚み方向に多層状態で送り込まれる硬貨を硬貨面保持部35に接する硬貨の1層にして硬貨送込用方向変換通路14へ送るとともに残りの硬貨を滑落させるので、硬貨送込用方向変換通路14に硬貨を1枚ずつ分離状態で搬送でき、硬貨繰出口12付近において硬貨詰まりが発生するのを防止できる。また、厚み方向規制ガイド部44から滑落した硬貨を貯留ホッパ部13に受収するので、滑落した硬貨も繰り出すことができる。
図26に示すように、硬貨繰出口12から硬貨送込用方向変換通路14に繰り出す硬貨(C3)を、硬貨掻上げ突起36から引き継いだ硬貨崩し突起39により硬貨ガイド部材42との間に保持して繰り出す。そして、硬貨崩し突起39により硬貨ガイド部材42との間に保持して硬貨繰出口12から硬貨送込用方向変換通路14に繰り出す硬貨(C4)を、受渡円板52の受渡突起57に受け渡す。
このとき、傾斜円盤27から外方へ硬貨を繰り出す硬貨繰出口12に至る域、あるいは硬貨繰出口12の近傍域などにおいて、硬貨ガイド部材42と硬貨掻上げ突起36との間で硬貨のブリッジが生じても、硬貨崩し突起39により硬貨のブリッジを崩すことができ、硬貨詰まりを防止できる。また、受渡円板52の受渡突起57は、硬貨ガイド部材42との間に停滞する硬貨を噛み込んでもばね付勢に抗して回転面部55内へ埋没可能とするため、硬貨詰まりを防止できる。
図27に示すように、硬貨送込用方向変換通路14に繰り出された硬貨(C5)を、受渡円板52の受渡突起57で押しながら略U字形の硬貨送込用方向変換通路14に沿って搬送し、硬貨C5の搬送方向を左方向から上方を通じて左方向に向かわせるように方向変換する。
受渡円板52の受渡突起57で押しながら硬貨識別分類通路15の始端域に搬送した硬貨(C6)は、通路面51とベルト71との間でかつベルト71の長手方向の突起72間に入り込む。
受渡円板52の受渡突起57は硬貨識別分類通路15の始端域に硬貨(C7)を搬送した後にその硬貨(C7)からから離反して次に硬貨繰出口12から繰り出される硬貨を受け取りにいく。
受渡円板52の受渡突起57が離反した硬貨(C8)にベルト71の突起72が当接し、この突起72で硬貨(C8)を押しながら硬貨識別分類通路15に沿って搬送する。
このように、傾斜円盤27の周縁外方位置において硬貨繰出口12に臨んで受渡円板52を設け、この受渡円板52には傾斜円盤27の硬貨面保持部35と略面一で傾斜円盤27の回転軸線25と平行な回転軸線53を中心に回転可能とする回転面部55を設け、この回転面部55における回転軸線53からの所定半径域には回転面部55から前面側へ所定量突出するとともに回転面部55側への押圧時に回転面部55内へ埋没可能とする少なくとも1個の受渡突起57を設けることにより、この受渡突起57が硬貨繰出口12から繰り出される硬貨に当接してこの硬貨を1枚ずつ分離状態で硬貨識別分類通路15へ向けて搬送するので、硬貨詰まりの発生を防止でき、貯留ホッパ部13を大形化せずに硬貨収納量を増加できる。
また、受渡円板52を硬貨繰出口12と硬貨送込用方向変換通路と硬貨通路の入口近傍との間に設け、この受渡円板52の受渡突起57で硬貨を硬貨識別分類通路15のベルト71へ1枚ずつ分離状態で送り込むので、ベルト71により硬貨を確実に1枚ずつ区分け状態で搬送でき、硬貨識別分類通路15での硬貨の処理を確実にできる。
しかも、硬貨繰出口12と硬貨識別分類通路15の入口との間に硬貨送込用方向変換通路14を設けたので、貯留ホッパ部13と硬貨識別分類通路15が機体11の幅方向に併置されることがなく、貯留ホッパ部13の上部に硬貨識別分類通路15の一部を設けることができ、小形化できる。
次に、図28に第2の実施の形態を示す。
この実施の形態は硬貨掻上げ繰出突起部47の他の例であり、傾斜円盤27には、硬貨面保持部35における回転軸線25である回転軸26からの第2の所定半径域r2から第3の所定半径域r3の範囲に、半径方向に1つで傾斜円盤27の前面側へ最小硬貨厚みより小なる寸法突出する突起部180が円周方向に所定ピッチで固定配置されている。このように各突起部180に、硬貨掻上げ突起36と硬貨崩し突起39との両方の機能を一体に持たせている。
この突起部180に対応して、硬貨ガイド部材42の溝部43も径方向に1つ形成される。この溝部43と傾斜円盤27の硬貨面保持部35との間隔tは、溝部43に硬貨が入り込まないように、処理する最小硬貨厚みより小さい寸法に設定される。
次に、図29に第3の実施の形態を示す。
この実施の形態も硬貨掻上げ繰出突起部47の他の例であり、傾斜円盤27には、硬貨面保持部35における回転軸線25である回転軸26からの第2の所定半径域r2から第3の所定半径域r3の範囲に、半径方向に3つで傾斜円盤27の前面側へ突出する突起部181が円周方向に所定ピッチで固定配置されている。これら半径方向に3つの突起部181に、硬貨掻上げ突起36と硬貨崩し突起39との両方の機能を持たせている。
この突起部181に対応して、硬貨ガイド部材42の溝部43も径方向に3つ形成される。これら溝部43の幅は狭く、溝部43に硬貨が入り込むことはない。
なお、突起部181は半径方向に3つ以上設けてもよい。
次に、図30に第4の実施の形態を示す。
傾斜円盤27には各硬貨掻上げ突起36および各硬貨崩し突起39が背部側から前面側に出没可能とする孔部183が設けられ、傾斜円盤27の背面側には各硬貨掻上げ突起36および各硬貨崩し突起39を支持して傾斜円盤27の前面側に突出させる板ばね184が配置されている。
傾斜円盤27の正転時に、硬貨と当接する硬貨掻上げ突起36や硬貨崩し突起39に無理な力が加われば、板ばね184の付勢に抗して硬貨掻上げ突起36や硬貨崩し突起39が傾斜円盤27の背面側に退避できるため、硬貨詰まりが発生するのを防止できる。
次に、図31に第5の実施の形態を示す。
傾斜円盤27の前面側は硬貨面保持部35と面一な平面形状に形成され、硬貨周縁保持部34は傾斜円盤27の前面側に突出する硬貨面保持突起186で形成され、滑落部40は円周方向の硬貨面保持突起186間に形成されている。
次に、図32および図33に第6の実施の形態を示す。
硬貨識別分類通路15の各金種別分岐部86には、通路面51に硬貨を分岐する開口部188が形成され、この開口部188に硬貨を分岐する分岐部材189が配置されている。この分岐部材189は、搬送方向の下流側を支点として上流側が通路内に進退可能とし、図示しないモータやソレノイドなどの駆動手段により、通路内に突出して搬送されてくる硬貨を開口部188内に取り込んで分岐する分岐位置と、開口部188内に退避して硬貨を通過させる退避位置との間で揺動する。分岐部材189には、ベルト71との干渉防止のために切欠部190が形成されている。
この金種別分岐部86の構造は、入金リジェクト硬貨分岐部84にも適用できる。入金リジェクト硬貨分岐部84は、硬貨識別分類通路15の第1通路域65に配置してもよい。
なお、硬貨識別分類通路15の第2通路域67にのみに、入金リジェクト硬貨分岐部84および各金種別分岐部86を配置してもよい。
なお、貯留ホッパ部13に関し、傾斜円盤27は、回転軸26を有する場合と有さない場合のいずれでもよい。回転軸26を有さない場合は、傾斜円盤27の周縁に傾斜円盤27の位置決め兼姿勢保持用の複数のローラと傾斜円盤27の回転用の駆動ローラとを設ける。
傾斜円盤27には、滑落部40を形成せず、硬貨周縁保持部34を円周方向の全域に形成してもよい。
貯留ホッパ部13の開閉可能な可動ホッパ枠部30は、ホッパ枠28の下部域の場合に限らず、ホッパ枠28の全域の場合でもよい。
入金硬貨返却の際の可動ホッパ枠部30の開放は、入金硬貨返却指令時に可動ホッパ枠部30を開放姿勢にしても、入金硬貨返却指令時以前から可動ホッパ枠部30を開放姿勢にしてもよい。
また、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52に関し、繰出口部12と硬貨識別分類通路15の入口近傍に配置されていればよく、つまり、前記実施の形態のように繰出口部12と硬貨識別分類通路15の入口内部との間に配置していても、あるいは、繰出口部12と硬貨識別分類通路15の入口手前近傍に配置し、受渡円板52から放出される硬貨をガイド片などで斜め下方へ少しスライド下降させた後に硬貨識別分類通路15のベルト71に送り込むようにしてもよい。
また、硬貨識別分類通路15に関し、貯留ホッパ部13より上方域を機体11の幅方向の一方側から他方側へ硬貨を搬送する第1通路域65について、前記実施の形態では、第1通路域65の始端域が貯留ホッパ部13の上方域に設けられ、特に第1通路域65の始端域が貯留ホッパ部13の直上位置に設けられているが、これに限られるものではなく、貯留ホッパ部13の上方で貯留ホッパ部13の直上位置からはずれた上方位置に第1通路域65の始端域を設けてもよい。また、硬貨送込用方向変換通路14をなくし、貯留ホッパ部13の硬貨繰出口12に臨ませ第1通路域65の始端を対向配置してもよい。
また、硬貨一括一時保留部18の放出手段19に関し、収納側への収納用放出口とこの収納用放出口を開閉する収納用シャッタ、返却側への返却用放出口とこの返却用放出口を開閉する返却用シャッタをそれぞれ備えてもよい。あるいは、硬貨一括一時保留部18の放出口とシャッタとはそれぞれ1個ずつで、硬貨一括一時保留部18から放出される硬貨を受け入れるシュートの途中に収納側と返却側とへの放出切換片を備えてもよい。さらには、硬貨一括一時保留部18の放出口とシャッタとはそれぞれ1個ずつで、硬貨一括一時保留部18から放出される硬貨を受け入れるシュートの途中に、収納側への収納用放出口とこの収納用放出口を開閉する収納用放出口シャッタ、返却側への返却用放出口とこの返却用放出口を開閉する返却用放出口シャッタをそれぞれ備えてもよい。
また、貯留硬貨類繰出分離搬送装置は、硬貨入出金機のほか、硬貨入金機、硬貨分類機などにも適用でき、さらに、遊技用のメダルやトークンなどを処理するメダル処理機やトークン処理機にも適用できる。
そして、硬貨類としては、硬貨に限らず、コインやトークンなども含まれる。
本発明の一実施の形態を示す硬貨入出金機の内部構造を示す正面図である。 同上図1におけるA−A矢視の断面図である。 同上硬貨入出金機の傾斜円盤が備える硬貨掻上げ突起を示し、(a)は断面図、(b)は正面図である。 同上傾斜円盤の一部の断面図を示し、(a)は図1におけるB−B矢視の断面図、(b)は図1におけるD−D矢視の断面図である。 同上傾斜円盤および硬貨ガイド部材の図1におけるE−E矢視の断面図である。 同上受渡円板の正面図である。 同上受渡円板の図6におけるF−F矢視の側面図である。 同上受渡円板の図6におけるG−G矢視の側面図である。 同上図1におけるH−H矢視の断面図を示し、(a)は硬貨を搬送していない場合の断面図、(b)は正規硬貨の場合の断面図、(c)は異物の場合の断面図である。 同上硬貨分類部が硬貨を分類する状態の断面図である。 同上金種別硬貨重積投出部の断面図を示し、(a)は硬貨投出時の断面図、(b)は硬貨への振動付与時の断面図である。 同上金種別硬貨重積投出部の平面図である。 同上金種別硬貨重積投出部の金種別収納部の底面部材の斜視図である。 同図1の上硬貨入出金機を右側面側から見た側面図であって、硬貨一括一時保留部での硬貨一時保留から硬貨一括収納部への硬貨放出を示す側面図である。 同上図1の上硬貨入出金機を右側面側から見た側面図であって、硬貨一括一時保留部での硬貨一時保留から貯留ホッパ部への硬貨放出を示す側面図である。 同上硬貨入出金機の制御のブロック図である。 同上硬貨入出金機の入金計数から一時保留までの処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の入金返却の処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の入金非還流収納の処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の入金還流収納の処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の出金計数から一時保留までの処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の出金放出の処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の装填計数および補充計数の処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の回収の処理の説明図である。 同上貯留ホッパ部から硬貨識別分類通路への硬貨の繰出動作を説明する説明図である。 同上図25に続く貯留ホッパ部から硬貨識別分類通路への硬貨の繰出動作を説明する説明図である。 同上図26に続く貯留ホッパ部から硬貨識別分類通路への硬貨の繰出動作を説明する説明図である。 第2の実施の形態の傾斜円盤および硬貨ガイド部材を示し、(a)は正面図、(b)は断面図である。 第3の実施の形態の傾斜円盤および硬貨ガイド部材を示し、(a)は正面図、(b)は断面図である。 第4の実施の形態を示す傾斜円盤の硬貨掻上げ突起の側面図である。 第5の実施の形態を示す傾斜円盤を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のI−I矢視の断面図である。 第6の実施の形態を示す硬貨識別分類通路の金種別分岐部の斜視図である。 同上硬貨識別分類通路の正面図である。
11 機体
12 硬貨類繰出口としての硬貨繰出口
13 貯留ホッパ部
14 硬貨類送込用方向変換通路としての硬貨送込用方向変換通路
15 硬貨類通路としての硬貨識別分類通路
25 回転軸線
27 傾斜円盤
28 ホッパ枠
34 硬貨類周縁保持部としての硬貨周縁保持部
35 硬貨類面保持部としての硬貨面保持部
36 硬貨類掻上げ突起としての硬貨掻上げ突起
39 硬貨類崩し突起としての硬貨崩し突起
40 滑落部
42 硬貨類ガイド部材としての硬貨ガイド部材
44 厚み方向規制ガイド部
47 硬貨類掻上げ繰出突起部としての硬貨掻上げ繰出突起部
52 受渡円板
53 回転軸線
55 回転面部
57 受渡突起
65 第1通路域
66 折返し通路域
67 第2通路域
70 硬貨類搬送体としての硬貨搬送体
79 異物分離部
80 硬貨類識別部としての硬貨識別部
86 種類別硬貨類分岐部としての金種別分岐部
C 硬貨類としての硬貨

Claims (8)

  1. 上部が背部方向に向かう傾斜姿勢で回転軸線を中心に回転可能な傾斜円盤、およびこの傾斜円盤の前面との間で硬貨類を貯留するホッパ枠を有する貯留ホッパ部と、
    前記傾斜円盤の円周方向に沿って所定ピッチで配置されるとともに前記傾斜円盤の前面側へ突出され、前記傾斜円盤の回転時に硬貨類1枚を保持して前記傾斜円盤の上部域に掻き上げるとともに前記傾斜円盤の周縁外方へ繰り出す複数の硬貨類掻上げ繰出突起部と、
    前記傾斜円盤の上部域において前記傾斜円盤の周縁外方へ硬貨類を繰り出す硬貨類繰出口を構成し、前記硬貨類掻上げ繰出突起部で繰り出す硬貨類を前記傾斜円盤の周縁外方へ案内する硬貨類ガイド部材と、
    前記硬貨類繰出口の後段に設けられた硬貨類通路と、
    前記硬貨類繰出口から前記硬貨類通路に繰り出された硬貨類を1枚ずつ区分け状態で搬送する硬貨類搬送体と、
    前記傾斜円盤の周縁外方位置において前記硬貨類繰出口に臨んで設けられ、前記傾斜円盤の回転軸線と平行な回転軸線を中心に回転可能とする回転面部と、この回転面部における回転軸線からの所定半径域に少なくとも1個設けられ、前記回転面部から前面側へ所定量突出し、前記硬貨類繰出口から繰り出される硬貨類に当接し、この硬貨類を1枚ずつ分離状態で搬送して前記硬貨類搬送体に受け渡す受渡突起を有する受渡円板
    を具備していることを特徴とする貯留硬貨類繰出分離搬送装置。
  2. 前記傾斜円盤の前面において前記傾斜円盤の回転軸線からの第1の所定半径域に形成され、硬貨類の周縁が厚み方向に1枚載る硬貨類周縁保持部と、
    前記傾斜円盤の前面において前記硬貨類周縁保持部より半径方向外方に形成され、前記硬貨類周縁保持部からの半径方向寸法が処理する最大硬貨類径より少し大きい寸法とされて硬貨類の背面を保持する硬貨類面保持部とを具備し、
    前記硬貨類掻上げ繰出突起部は、前記硬貨類面保持部における前記傾斜円盤の回転軸線からの距離が第1の所定半径域より大きい所定半径域に配置され、
    前記硬貨類ガイド部材は、前記傾斜円盤の上部域において前記硬貨類面保持部の前面に近接対向して前記硬貨類周縁保持部から硬貨類を受け取り可能に配置され、前記硬貨類掻上げ繰出突起部との間で前記硬貨類周縁保持部から受け取った硬貨類を保持して前記傾斜円盤の周縁外方へ案内する
    ことを特徴とする請求項1記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置
  3. 前記硬貨類掻上げ繰出突起部は、硬貨類掻上げ突起と硬貨類崩し突起とを有し、
    前記硬貨類掻上げ突起は、前記傾斜円盤の回転軸線からの距離が第1の所定半径域より大きい第2の所定半径域に形成され、
    前記硬貨類崩し突起は、前記硬貨類面保持部における第2の所定半径域より半径方向外方の第3の所定半径域に、円周方向に所定ピッチで配置されるとともに前記傾斜円盤の前面側へ突出して設けられ、これら複数の硬貨類崩し突起は、前記複数の硬貨類掻上げ突起に各々対応して前記硬貨類掻上げ突起より前記傾斜円盤の回転軸線を中心に回転方向後方へ所定角度ずれた位置に配置される
    ことを特徴とする請求項または記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置。
  4. 前記硬貨類周縁保持部は、前記円周方向の複数の硬貨類掻上げ繰出突起部に対応して円周方向に所定ピッチで形成され、これら各硬貨類周縁保持部の円周方向長さは前記傾斜円盤の回転時に対応する前記硬貨類掻上げ繰出突起部との間で1枚の硬貨類を保持する長さとされ、
    これら複数の硬貨類周縁保持部間には、硬貨類を下方へ滑落させる滑落部が形成されている
    ことを特徴とする請求項2記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置。
  5. 前記硬貨類繰出口を構成する硬貨類ガイド部材には、厚み方向に多層状態で送られる硬貨類を1層にして残りを滑落させる厚み方向規制ガイド部が形成され、
    前記貯留ホッパ部は、前記硬貨類ガイド部材の厚み方向規制ガイド部から滑落する硬貨類を受収する
    ことを特徴とする請求項1ないしいずれか記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置。
  6. 前記硬貨類繰出口と前記硬貨類通路の入口との間には硬貨類送込用方向変換通路が設けられ、
    前記受渡円板は、前記硬貨類繰出口と前記硬貨類送込用方向変換通路と前記硬貨類通路の入口近傍との間に設けられ、前記傾斜円盤から繰り出される硬貨類を前記受渡突起により1枚ずつ分離状態で前記硬貨類送込用方向変換通路を経由して前記硬貨類通路の硬貨類搬送体へ送り込む
    ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置。
  7. 前記硬貨類送込用方向変換通路は、前記傾斜円盤における左右方向の一方側へ向けて前記硬貨類繰出口から繰り出される硬貨類を方向変換して左右方向の他方側へ送り出す略U字形に形成され、
    前記硬貨類通路の始端域は、前記硬貨類送込用方向変換通路に続けて左右方向の他方側に向かう左右方向通路域を有し、この左右方向通路域に異物を分離する異物分離部が形成され、
    前記貯留ホッパ部は、前記異物分離部で分離される異物を受収可能とし、少なくとも下部域が異物を放出するために開放可能とする
    ことを特徴とする請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置。
  8. 機体を具備し、
    前記貯留ホッパ部は機体幅方向中央域に設けられるとともに、前記硬貨類通路は機体幅方向に沿って設けられ、
    この硬貨類通路は、前記硬貨類送込用方向変換通路に接続されて前記貯留ホッパ部より上方域を機体幅方向の一方側から他方側へ硬貨を搬送する第1通路域、硬貨の搬送方向を第1通路域末端から上方へ向かうとともに機体幅方向の一方側へ向けて折り返す折返し通路域、この折返し通路域末端から機体幅方向の一方側へ向けて硬貨を搬送する第2通路域を備え、前記第1通路域には硬貨類識別部が設けられ、前記第2通路域には種類別硬貨類分岐部が設けられた
    ことを特徴とする請求項記載の貯留硬貨類繰出分離搬送装置。
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