JP4689299B2 - 硬貨入出金機 - Google Patents

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本発明は、硬貨を入金および出金する硬貨入出金機に関する。
従来、硬貨入出金機では、機体の前側上部に機体内に投入される入金硬貨および機体内から送り出される出金硬貨を受け入れる硬貨受部が設けられ、この硬貨受部の下方に硬貨受部から放出される硬貨を受け入れて1枚ずつ繰り出す貯留繰出部が設けられ、この貯留繰出部から繰り出される硬貨を受け入れて搬送する硬貨通路が機体の前後方向に沿って設けられている。この硬貨通路の下方には、硬貨通路で金種別に分岐される硬貨を一時保留する金種別硬貨一時保留部、この金種別硬貨一時保留部に一時保留した硬貨を重積状態に収納する金種別硬貨重積投出部が機体の前後方向に沿って配設されている。この金種別硬貨重積投出部の一側下部には、入金時のオーバーフロー硬貨、出金硬貨、回収硬貨、補充硬貨などを受け入れて貯留繰出部に送り込む搬送コンベヤが配設されている。また、機体の後部には、補充硬貨を収納して搬送コンベヤに放出可能とするとともに硬貨通路を通じて入金時のオーバーフロー硬貨や硬貨回収時の回収硬貨などを収納する硬貨カセットが着脱可能に配置されている。
そして、硬貨入金時における入金識別一時保留処理において、硬貨受部に投入された入金硬貨を貯留繰出部を通じて硬貨通路に1枚ずつ繰り出し、この硬貨通路で入金硬貨を識別するとともに金種別に分類して金種別硬貨一時保留部に一時保留し、金種別硬貨一時保留部や金種別硬貨重積投出部が満杯の金種はオーバーフロー硬貨として搬送コンベヤに送り込んで一括一時保留する。入金識別一時保留処理の完了後の入金承認による入金収納処理において、金種別硬貨一時保留部の入金一時保留硬貨を金種別硬貨重積投出部に収納し、搬送コンベヤ上の入金一時保留硬貨を貯留繰出部および硬貨通路を通じて硬貨カセットまで搬送して収納している。また、入金識別一時保留処理の完了後の入金非承認による入金返却処理において、金種別硬貨一時保留部の入金返却硬貨を搬送コンベヤに放出し、この搬送コンベヤ上の入金返却硬貨を搬送コンベヤから貯留繰出部および硬貨通路を通じて硬貨受部に搬送して返却している。
硬貨出金時には、金種別硬貨重積投出部から出金に必要な出金硬貨を搬送コンベヤに投出し、この出金硬貨を搬送コンベヤから貯留繰出部および硬貨通路を通じて硬貨受部に搬送して払い出している(例えば、特許文献1参照。)。
また、このような硬貨入出金機では、銀行の係員(テラー)、スーパーや百貨店などの係員が操作して硬貨の入金処理および出金処理(スーパーや百貨店の場合は釣銭硬貨の投出処理となるがこれも出金処理として扱う)などを行う係員用の硬貨入出金機がある。この硬貨入出金機では、硬貨入金時における入金識別一時保留処理において、貯留繰出部域や硬貨通路域などで硬貨詰まりが発生した場合、係員が鍵で機体のカバーを解錠して開放し、貯留繰出部域や硬貨通路域で詰まっている硬貨などを取り除くなどして硬貨詰まりを解消し、その解消後には、カバーを閉じて鍵で施錠し、入金識別一時保留処理を再開している。鍵は硬貨入出金機の管理者などが管理したり所定の管理場所で管理している。
特開2004−341676号公報(第13−15頁、図11−15)
しかしながら、従来の硬貨入出金機では、硬貨入金時における入金識別一時保留時に貯留繰出部域や硬貨通路域などで発生した硬貨詰まりを解消する場合に、係員が硬貨入出金機の管理者などから鍵を借りてきたり所定の管理場所から鍵を持ってくる必要があり、さらに、機体のカバーを開放するために鍵で解錠したり、硬貨詰まりの解消後にも閉じたカバーを鍵で施錠しなければならず、硬貨詰まりの解消に時間と手間がかかる問題がある。
また、機体のカバーを解錠して開放することにより、貯留繰出部域や硬貨通路域の入金識別一時保留処理における硬貨つまり入金収納前の硬貨とともに、金種別硬貨重積投出部の硬貨も自由に触れることが可能となり、入金収納前の機外硬貨と金種別硬貨重積投出部に収納されている機内硬貨との現金管理が区別されない問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、機外硬貨と機内硬貨との現金管理を明確に区別し、硬貨入金時の入金識別一時保留処理における硬貨詰まりを容易に解消にできる硬貨入出金機を提供することを目的とする。
請求項1記載の硬貨入出金機は、機体と、上部が背部方向に向かう傾斜姿勢に配置される回転可能な傾斜円盤、およびこの傾斜円盤の前面との間で硬貨を貯留するホッパ枠を備え、ホッパ枠の少なくとも下部域には可動ホッパ枠部開閉手段によって開閉可能な可動ホッパ枠部が設けられ、前記機体の前面側に配置された貯留ホッパ部と、この貯留ホッパ部から繰り出される硬貨を受け入れて搬送する硬貨識別分類通路であって、前記機体の前面幅方向に対応して配置されるとともに硬貨識別部、金種別分岐部および一時保留用硬貨取出部が設けられ、硬貨補充時に金種別分岐部で硬貨を金種別に分岐する硬貨識別分類通路と、この硬貨識別分類通路の一時保留用硬貨取出部の下方に設けられ、一時保留用硬貨取出部から硬貨識別分類通路外へ取り出される硬貨を一括して一時保留するとともに、入金一時保留硬貨を収納時および返却時に放出する硬貨一括一時保留部と、この硬貨一括一時保留部の硬貨を収納時には収納ルートへ、返却時には返却ルートへ送らせる制御手段と、前記機体内に着脱可能な硬貨カセットで構成され、前記硬貨一時保留部から収納ルートへ送られた硬貨を収納する硬貨一括収納部と、前記硬貨識別分類通路の背部域で機体の前面幅方向に対応して配列され、前記各金種別分岐部から分岐される硬貨を金種別に重積状態で収納する金種別収納部を有するとともにこれら金種別収納部の硬貨を投出する硬貨投出部を有する金種別硬貨重積投出部と、前記貯留ホッパ部および硬貨識別分類通路が前面に設けられ、前記機体内の金種別硬貨重積投出部の前側に位置して金種別硬貨重積投出部を機体外から仕切る仕切位置と金種別硬貨重積投出部を機体外に露出させる開放位置との間で開閉可能に設けられる仕切枠体と、この仕切枠体を仕切位置で施錠する施錠手段と、前記機体の前面側下部に設けられ、前記金種別硬貨重積投出部から投出される投出硬貨および前記返却ルートを通じて下方へ放出される入金返却硬貨を収集する硬貨収集具が着脱可能に配置される硬貨収集具配置部とを具備し、前記貯留ホッパ部域および硬貨識別分類通路域に位置する硬貨は前記施錠手段による仕切枠体の施錠状態でも操作可能とする機外硬貨とし、金種別硬貨重積投出部の硬貨は前記施錠手段の解錠による仕切枠体の開放により操作可能とする機内硬貨としたものである。
そして、貯留ホッパ部および硬貨識別分類通路が前面に設けられた仕切枠体を、機体内の金種別硬貨重積投出部の前側に位置して金種別硬貨重積投出部を機体外から仕切る仕切位置と金種別硬貨重積投出部を機体外に露出させる開放位置との間で開閉可能に設けるとともに、仕切位置で施錠手段により施錠することにより、貯留ホッパ部域および硬貨識別分類通路域に位置する硬貨は施錠手段による仕切枠体の施錠状態でも自由に操作可能とする機外硬貨とし、金種別硬貨重積投出部の硬貨は施錠手段の解錠による仕切枠体の開放により操作可能とする機内硬貨として明確に区分することが可能となり、硬貨入金時の入金識別一時保留処理などにおける貯留ホッパ部域および硬貨識別分類通路域での硬貨詰まりの解消を解錠操作なしで容易に可能となる。
請求項2記載の硬貨入出金機は、請求項1記載の硬貨入出金機において、硬貨一括一時保留部および硬貨一括収納部は機体の前面幅方向の一方および他方のいずれかに設けられ、硬貨一括一時保留部の硬貨は機外硬貨とし、硬貨一括収納部の硬貨は機内硬貨としたものである。
そして、硬貨一括一時保留部の硬貨は機外硬貨として解錠操作なしに取り出すなどの操作可能となり、また、機体に着脱可能とする硬貨カセットで構成される硬貨一括収納部の硬貨は機内硬貨として容易に回収可能となる。
請求項1記載の硬貨入出金機によれば、貯留ホッパ部および硬貨識別分類通路が前面に設けられた仕切枠体を、機体内の金種別硬貨重積投出部の前側に位置して金種別硬貨重積投出部を機体外から仕切る仕切位置と金種別硬貨重積投出部を機体外に露出させる開放位置との間で開閉可能に設けるとともに、仕切位置で施錠手段により施錠することにより、貯留ホッパ部域および硬貨識別分類通路域に位置する硬貨は施錠手段による仕切枠体の施錠状態でも自由に操作可能とする機外硬貨とし、金種別硬貨重積投出部の硬貨は施錠手段の解錠による仕切枠体の開放により操作可能とする機内硬貨として明確に区分することができ、硬貨入金時の入金識別一時保留処理などにおける貯留ホッパ部域および硬貨識別分類通路域での硬貨詰まりの解消を解錠操作なしで容易にできる。
請求項2記載の硬貨入出金機によれば、請求項1記載の硬貨入出金機の効果に加えて、硬貨一括一時保留部の硬貨は機外硬貨として取り出すことができ、また、機体に着脱可能とする硬貨カセットで構成される硬貨一括収納部の硬貨は機内硬貨として容易に回収できる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1、図2および図16に示すように、硬貨入出金機は、機体11を有し、この機体11の係員(テラー)と向き合う前面側(図1および図16の左側の前面、図2の手前側)には、機外に開口する前面開口11aが形成されるとともに、この前面開口11aの前方領域を開閉可能な開閉カバー10が配置されている。
開閉カバー10は、機体11の前面幅方向の全域に対応した横幅で機体11の前面から上面前部までの前面開口11aを一体に覆う形状に形成され、この開閉カバー10の下端部が機体11の前面下部に対して開閉カバー支軸10aで回動可能に支持されている。すなわち、開閉カバー10は、開閉カバー支軸10aを支点として、機体11の前面開口11aの前方領域を閉塞した閉塞位置と機体11の前方に倒れて開放された開放位置との間で開閉可能に支持されている。
そして、機体11内には、機体11の前面幅方向中央域(左右方向中央域)に硬貨(図中には符号Cで示し、以下省略する)を受け入れて上部域の硬貨繰出口12から1枚ずつ繰り出す貯留ホッパ部13が配置され、この貯留ホッパ部13の硬貨繰出口12から繰り出される硬貨を貯留ホッパ部13の真上域に方向変換して搬送する硬貨送込用方向変換通路14が配置され、貯留ホッパ部13の上方に硬貨送込用方向変換通路14を通じて1枚ずつ送り込まれる硬貨を搬送しながら識別および分岐する硬貨識別分類通路15が機体11の幅方向に沿って配置され、機体11の右側に硬貨識別分類通路15から分岐される入金リジェクト硬貨を収納する入金リジェクト硬貨収納部16が配置され、硬貨識別分類通路15の背部側にこの硬貨識別分類通路15で金種別に分岐される硬貨を上部から受け入れて収納するとともに出金時や回収時に下部から硬貨を1枚ずつ投出する金種別硬貨重積投出部17が機体11の幅方向に沿って配置され、機体11の左側に硬貨識別分類通路15の末端まで搬送された硬貨を一時保留する硬貨一括一時保留部18が配置され、この硬貨一括一時保留部18の一時保留硬貨を下方の第1の放出側と貯留ホッパ部13側である第2の放出側とに切り換えて放出する放出手段19が配置され、硬貨一括一時保留部18の下方に放出手段19で硬貨一括一時保留部18から放出される一時保留硬貨を一括収納する硬貨一括収納部20が配置され、機体11の前面側下部で幅方向中央域に金種別硬貨重積投出部17から投出される投出硬貨および貯留ホッパ部13から放出される入金返却硬貨を収集する硬貨収集具21が着脱可能に配置される硬貨収集具配置部22が設けられている。
機体11の前面開口11aにはこの前面開口11aを開閉可能な仕切枠体23が配置されている。図1ないし図3に示すように、この仕切枠体23は、硬貨一括一時保留部18および硬貨一括収納部20の領域を除く機体11の前面開口11aの略全域を隠蔽可能とする形状の仕切板によって構成されており、この仕切枠体23の下端部が機体11の前面側下部に対して仕切枠体支軸23aで回動可能に支持されている。すなわち、仕切枠体23は、仕切枠体支軸23aを支点として、機体11の前面開口11aを閉塞するとともに機体11内の金種別硬貨重積投出部17の前側に位置して金種別硬貨重積投出部17を機体11外から仕切る仕切位置と、機体11の前方に開放移動するとともに機体11の前面開口11aを開放して金種別硬貨重積投出部17を機体11外に露出させる開放位置との間で開閉可能に支持されている。この仕切枠体23の前方への開放移動を規制するための開放ストッパ23bが機体11側に設けられている。
仕切枠体23には、この仕切枠体23を仕切位置で施錠する施錠手段24が設けられている。この施錠手段24は、鍵を差し込んで回動操作することにより、施錠、解錠が可能なキーシリンダ体で構成されている。
したがって、仕切枠体23の前面側の貯留ホッパ部13域、硬貨送込用方向変換通路14域、硬貨識別分類通路15域などに位置する硬貨は係員による開閉カバー10の開放によって自由に操作可能とする機外硬貨として扱われ、金種別硬貨重積投出部17の硬貨は施錠手段24の解錠による仕切枠体23の開放により操作可能とする機内硬貨として扱われる。また、硬貨一括一時保留部18の硬貨は機外硬貨として扱われ、硬貨一括収納部20の硬貨は機内硬貨として扱われる。
そして、貯留ホッパ部13、硬貨送込用方向変換通路14、硬貨識別分類通路15、入金リジェクト硬貨収納部16、硬貨一括一時保留部18、硬貨一括収納部20、硬貨収集具配置部22が、機体11の前面側に配置されている。
次に、図1および図2に示すように、貯留ホッパ部13は、上部が背部方向に向かう傾斜姿勢で回転軸線25である回転軸26を中心に回転可能な傾斜円盤27、およびこの傾斜円盤27の前面との間で硬貨を貯留するホッパ枠28を備え、傾斜円盤27の周面上部域には傾斜円盤27の正転により硬貨を繰り出す硬貨繰出口12が形成されている。傾斜円盤27は、仕切枠体23の前面に形成された円形の凹部23cに配置されるとともに仕切枠体23の前面側と面一に配置され、傾斜円盤用モータM1(図19参照)の駆動で繰出回転方向である正転方向(図2反時計回り方向)と逆転方向(図2時計回り方向)とに回転駆動する。ホッパ枠28は、貯留ホッパ部13内に硬貨を投入しやすいように、ホッパ枠28の上縁部中央域の高さが上縁部両側部域に比べて低く形成され、仕切枠体23の前面側に取り付けられている。
ホッパ枠28の少なくとも下部域には放出口29が形成され、この放出口29を閉塞する可動ホッパ枠部30が上端側の軸部31を支点として下部側が開閉可能に設けられている。この可動ホッパ枠部30は、可動ホッパ枠部開閉手段としての可動ホッパ枠部用モータM8(図19参照)の駆動によって開閉駆動する。
傾斜円盤27の前面には、中央域に円形の高位部32が形成され、この高位部32の外周域に高位部32より処理する硬貨のうちの最小硬貨厚みより少し小さい寸法だけ低い低位部33が形成されている。傾斜円盤27の回転軸線25からの第1の所定半径域r1であって、高位部32と低位部33との段差部には、硬貨の周縁が厚み方向に1枚載る硬貨周縁保持部34が形成されている(図5(b)参照)。この硬貨周縁保持部34より半径方向外方であって、低位部33には、硬貨周縁保持部34からの半径方向寸法が処理する硬貨のうちの最大硬貨径より少し大きい寸法とされて硬貨の背面を保持する硬貨面保持部35が形成されている。
硬貨面保持部35における回転軸線25からの第2の所定半径域r2には、傾斜円盤27の前面側へ突出する複数の硬貨掻上げ突起36が円周方向に所定ピッチで固定配置されている。各硬貨掻上げ突起36は、傾斜円盤27の正転時に、処理する最大硬貨径から最小硬貨径までのいずれの硬貨であっても硬貨周縁保持部34との間で硬貨1枚を保持して傾斜円盤27の上部域に掻き上げることができる。硬貨掻上げ突起36は、図4に示すように、傾斜円盤27の正転時に、回転方向に対向して硬貨に接触する金属製のピン37と後続するガイド部38とを有し、この金属製のピン37により硬貨掻上げ突起36の摩耗を低減できる。この正転方向に対するピン37に対して反対方向側のガイド部38は、硬貨面保持部35からピン37の先端に向けて傾斜状で樹脂製のガイド部位38a、このガイド部位38aと同じく樹脂製でガイド部位38aとピン37とを接続する接続部位38b,38bで構成され、傾斜円盤27を逆転させる処理時に、このガイド部38により硬貨がピン37に引っ掛かるのを防止して硬貨詰まりが発生するのを防止できる。
硬貨面保持部35における第2の所定半径域r2より半径方向外方の第3の所定半径域r3には、傾斜円盤27の前面側へ突出する複数の硬貨崩し突起39が円周方向に所定ピッチで固定配置されている。これら複数の硬貨崩し突起39は、複数の硬貨掻上げ突起36に各々対応して硬貨掻上げ突起36より回転軸線25を中心に正転方向に対して後方へ所定角度ずれた位置に配置されている。なお、硬貨崩し突起39は、硬貨掻上げ突起36と同様にピン37とガイド部38とから構成されている。
そして、これら硬貨掻上げ突起36と硬貨崩し突起39とにより硬貨を掻き上げて繰り出す硬貨掻上げ繰出突起部47が構成されている。
硬貨周縁保持部34は、円周方向の複数の硬貨掻上げ突起36に対応して円周方向に所定ピッチで形成され、これら各硬貨周縁保持部34の円周方向長さは傾斜円盤27の正転時に対応する硬貨掻上げ突起36との間で1枚の硬貨を保持する長さとされている。図2および図5(a)に示すように、これら複数の硬貨周縁保持部34間には、高位部32と低位部33との段差部を傾斜面として、硬貨を下方へ滑落させる滑落部40が形成されている。
傾斜円盤27の上部域において、傾斜円盤27の周縁外方つまり傾斜円盤27の正転方向に対応した左方向へ硬貨を繰り出す硬貨繰出口12を構成する上下の硬貨ガイド部材41,42が配置されている。上側である一方の硬貨ガイド部材41は、ホッパ枠28より突出する傾斜円盤27の上部域から硬貨繰出口12にかけて、傾斜円盤27の前面より突出して配置されている。
下側である他方の硬貨ガイド部材42は、硬貨面保持部35の前面に近接対向して硬貨周縁保持部34から続けて硬貨を受け取り可能とし、硬貨掻上げ突起36との間で硬貨周縁保持部34から受け取った硬貨を保持して傾斜円盤27の周縁外方へ案内する。この硬貨ガイド部材42の硬貨面保持部35に対向する面には、回転移動する硬貨掻上げ突起36および硬貨崩し突起39が通過する溝部43が形成されている。
硬貨ガイド部材42には、硬貨繰出口12に対して厚み方向に多層状態で送られる硬貨を硬貨面保持部35に接する硬貨1層に対して多層に重なる残りの硬貨を貯留ホッパ部13内に滑落させる厚み方向規制ガイト部44が形成されている。図6に示すように、この厚み方向規制ガイド部44は、硬貨ガイド部材42の上縁に、硬貨面保持部35に接する硬貨が厚み方向に1枚載る寸法のガイド面45、およびこのガイド面45を残して硬貨を滑落させる傾斜面46にて構成されている。
次に、図2に示すように、硬貨送込用方向変換通路14は、貯留ホッパ部13の硬貨繰出口12と硬貨識別分類通路15との間に、機体11における左右方向の一方側である左方向へ向けて硬貨繰出口12から繰り出される硬貨を180°方向変換して左右方向の他方側である右方向へ送り出す略U字形に形成されている。この硬貨送込用方向変換通路14は、仕切枠体23の前面にて形成されていて傾斜円盤27の硬貨面保持部35と面一で硬貨の背面をガイドする通路面51を有している。この通路面51の内周側および外周側の両側には、硬貨繰出口12から連続して硬貨の周縁をガイドする硬貨ガイド部材41および硬貨ガイド部材42が配置されている。
この硬貨送込用方向変換通路14には、硬貨繰出口12と硬貨識別分類通路15の入口近傍との間に、硬貨繰出口12から繰り出される硬貨に当接してこの硬貨を1枚ずつ分離状態で後段の硬貨識別分類通路15へ向けて搬送する受渡円板52が配設されている。この受渡円板52は、仕切枠体23の前面に形成された円形の凹部23dに配置されていて、通路用モータM2(図19参照)によって図2反時計回り方向の一方向にのみ回転駆動する。
図7ないし図9に示すように、受渡円板52は、傾斜円盤27の硬貨面保持部35および通路面51と略面一で傾斜円盤27の回転軸線25と平行な回転軸線53である回転軸54を中心に回転可能とする回転面部55を有している。
この回転面部55における回転軸線53からの所定半径域には、切欠部56が形成されているとともに、この切欠部56に硬貨繰出口12から繰り出される硬貨に当接してこの硬貨を1枚ずつ分離状態で硬貨識別分類通路15へ向けて搬送する受渡突起57が少なくとも1個配置されている。
この受渡突起57は、回転軸54を直交して貫通する支軸58によって受渡円板52の回転方向に対応して揺動可能に軸支され、この支軸58に装着された付勢手段としてのばね59で回転面部55から突出する方向すなわち受渡円板52の回転方向へ向けて付勢され、回転面部55から略垂直に突出した状態で切欠部56の縁部に当接して突設状態が保たれる。
そして、この受渡突起57は、回転面部55の前面側へ処理する最小硬貨厚みより小さい寸法だけ突出するとともに、回転面部55側への押圧時つまり受渡円板52の回転方向に対して反対方向への押圧時に回転面部55内へ埋没可能としている。
次に、図1および図2、図10および図11に示すように、硬貨識別分類通路15は、貯留ホッパ部13より上方域を機体11の幅方向の一方側である左側から他方側である右側へ硬貨を搬送する第1通路域65、硬貨の搬送方向を第1通路域65の末端から上方へ向かうとともに機体11の幅方向の左側へ向けて折り返す折返し通路域66、この折返し通路域66の末端から機体11の幅方向の左側へ向けて硬貨を搬送する第2通路域67を備えた略U字形に形成されている。
これら通路域65〜67は、硬貨送込用方向変換通路14から連続して硬貨の背面をガイドする仕切枠体23の前面にて形成された通路面51を有し、この通路面51の両側には、硬貨送込用方向変換通路14から連続して硬貨の周縁をガイドする硬貨ガイド部材68,69が配置されている。第1通路域65の始端側における一方の硬貨ガイド部材68としては、硬貨送込用方向変換通路14の硬貨ガイド部材41を兼用している。
これら通路域65〜67にわたって、受渡円板52により1枚ずつ区分け状態で送り込まれる硬貨を1枚ずつ区分け状態で搬送する硬貨搬送体70が設けられている。この硬貨搬送体70は、無端状のベルト71にて構成され、このベルト71の通路面51に対向する面にはベルト71の長手方向に処理する最大硬貨径より大きい所定間隔で複数の突起72が突設されている。ベルト71は通路面51に対して処理する最大厚み硬貨よりも大きい寸法で対向配置され、突起72は通路面51に対して処理する最小硬貨厚みより小さい寸法で対向配置されている。
このベルト71は、第1通路域65の始端部および終端部、第2通路域67の始端部および終端部のそれぞれの内周側に回転可能に配置されるプーリ73,73,73,73にわたって回行可能に張設されているとともに、第2通路域67の終端部のプーリ73と第1通路域65の始端部のプーリ73との間の外周側に配置されてベルト71を押圧するテンションローラ74によってテンションが付与されている。各プーリ73,73,73,73には、ベルト71の突起72が係合する半円状の係合溝75が形成されている。
ベルト71は、受渡円板52と共通の通路用モータM2によって受渡円板52の回転と連動して回行し、受渡円板52により1枚ずつ区分け状態で送り込まれる硬貨をベルト長手方向の突起72間に受け入れて1枚ずつ区分けした状態で、硬貨の後側に位置する突起72で硬貨を押して搬送する。なお、受渡円板52およびベルト71による硬貨の搬送速度は、傾斜円盤27による硬貨の繰出速度より多少速く設定されている。
そして、硬貨識別分類通路15の第1通路域65には、硬貨を下側の硬貨ガイド部材68(硬貨ガイド部材41を兼用)の硬貨支持縁部68aに押し付ける幅寄せ部材77、異物78(例えば処理する最小硬貨径より小径な外国硬貨やクリップなどを含めた異物78)を分離して貯留ホッパ部13へ受収させる異物分離部79、硬貨を識別する硬貨識別部80が、搬送方向に沿って順に配設されている。
硬貨識別分類通路15の第1通路域65の始端域は、左側の硬貨送込用方向変換通路14に続けて右側に向かう左右方向通路域であり、この左右方向通路域に前記幅寄せ部材77および前記異物分離部79が配置されている。
幅寄せ部材77は、上側の硬貨ガイド部材69側に配置され、図示しないばねの付勢で通路内に突出して、硬貨を下側の硬貨ガイド部材68(硬貨ガイド部材41を兼用)の硬貨支持縁部68aに押し付ける。
異物分離部79は、図10に示すように、ベルト71に対向して、通路面51に分離溝部81が形成され、この分離溝部81内に通路面51より傾斜角度を大きくした分離ガイド面82が形成されている。この分離ガイド面82の下方への延長面は硬貨ガイド部材68の硬貨支持縁部68aより左側に配置する。図10(b)に示すように、処理する正規硬貨は、分離溝部81に入り込むことなく、硬貨の下部が硬貨ガイド部材68の硬貨支持縁部68aに載ったまま分離溝部81を通過して後段へ搬送できる。また、図10(c)に示すように、小径硬貨などの異物は、異物の上部側が分離溝部81に入り込み、異物の下部が硬貨ガイド部材68の硬貨支持縁部68aから外れて落下し、貯留ホッパ部13に受収される。
硬貨識別部80は、正規硬貨の金種、汚れていたり識別不能であったり外国硬貨などのリジェクト硬貨を識別する。
また、図2に示すように、折返し通路域66には、入金リジェクト硬貨を分岐する入金リジェクト硬貨分岐部84が設けられている。なお、この入金リジェクト硬貨分岐部84の構造は、第2通路域67に設けられる金種別分岐部86と同一構造であり、その構造を金種別分岐部86において説明する。
この入金リジェクト硬貨分岐部84の下部には、分岐された入金リジェクト硬貨を下方の入金リジェクト硬貨収納部16に導く入金リジェクト硬貨シュート85が配置されている。入金リジェクト硬貨収納部16に導かれた入金リジェクト硬貨は、機体11の前面側から取り出すことができる。
また、図2に示すように、第2通路域67では硬貨を下側の硬貨ガイド部材69の硬貨支持縁部69aに載せて搬送可能としている。この第2通路域67には硬貨を金種別に分岐する金種別分岐部86が設けられ、この第2通路域67の末端域には一時保留用硬貨を第2通路域67から硬貨一括一時保留部18に取り出す一時保留用硬貨取出部87が設けられている。
図1、図2、図11に示すように、各金種別分岐部86では、通路面51から下側の硬貨ガイド部材69にかけて開口部88が形成され、この開口部88内に分岐部材89が通路方向(搬送方向)に平行な軸部90を支点として前後方向に揺動可能に配置されている。
この分岐部材89は、軸部90で支持される支持部91を有し、この支持部91の上端に非分岐該当金種の硬貨を通過させる通過ガイド部92が設けられ、支持部91の背部に分岐該当金種の硬貨を開口部88の背部側に取り込んで分岐させる分岐ガイド部93が設けられている。各分岐部材89の支持部91には各アーム94を介して各分岐用モータM5-1〜M5-6(図19参照)の駆動力が伝達され、通過ガイド部92が開口部88に位置する通過位置と、分岐ガイド部93が開口部88の前方に退避する分岐位置とに切り換えられる。
通過ガイド部92は、通路方向から見て断面略コ字形で、硬貨を支えて通過可能とする通過溝95を有し、図1に示す通過位置のときには、通過溝95の右面および底面が通路面51および硬貨ガイド部材69の硬貨支持縁部69aと略面一となってこれら通路面51および硬貨ガイド部材69の硬貨支持縁部69aとともに硬貨の下部における背面および周縁をガイドし、硬貨の通過を許容する。なお、通過溝95の左面は、右面に対して最大硬貨厚みよりやや大なる寸法とされ硬貨の通過を許容する。また、図11に示す分岐位置のときには、開口部88の前方に退避する。
分岐ガイド部93は、前面側から見て断面略L字形で、上部側が第2通路域67の通路方向の上流側に位置して第2通路域67に対して斜めに配置される傾斜部96、この傾斜部96の下部側から第2通路域67の通路方向に対して垂直な垂直部97を有している。分岐ガイド部93には、ベルト71の突起72との干渉防止のために切欠部98が形成されている。そして、この分岐ガイド部93は、図11に示す分岐位置のときには、通路面51より前面側に突出し、第2通路域67を搬送している硬貨を傾斜部96および垂直部97さらには支持部91の背面側を通じて開口部88内に取り込む。また、図1に示す通過位置のときには、開口部88の後方に退避する。
なお、上述したように、入金リジェクト硬貨分岐部84は、この金種別分岐部86と同一構造が用いられ、その駆動には分岐用モータM5-0(図19参照)が用いられる。
各金種別分岐部86の背部側には、各金種別分岐部86で開口部88の背部側に分岐された硬貨を受け入れて金種別硬貨重積投出部17へ導く金種別シュート99が配置されている。
次に、図1、図12ないし図14に示すように、金種別硬貨重積投出部17は、硬貨識別分類通路15の背部域で機体11の幅方向に沿って配列され、各金種別分岐部86から分岐されて金種別シュート99で導かれる硬貨を金種別に重積状態で収納する金種別収納部105を有している。これら金種別収納部105は、金種別分岐部86から分岐された硬貨を上部から重積収納し、この重積収納された硬貨を下部から1枚ずつ前方へ投出する硬貨上入れ下出し式の筒体であって、上部が背部方向に向かって傾斜する状態に配置された筒体で構成されている。
各金種別収納部105の下部には、金種別収納部105内に収納された硬貨を支えて水平状態で重積させるとともに、重積収納された硬貨を下部から1枚ずつ前方へ投出する金種別の硬貨投出部106が配設されている。
各硬貨投出部106は、金種別収納部105の下端部から硬貨1枚が通過可能な間隔をあけて配置される底面ガイド107を有し、この底面ガイド107上にはこの底面ガイド107に載せて前方へ投出する硬貨の幅方向両側位置をガイドする両側の側面ガイド108,108が配置されている。これら金種別収納部105の下端部と底面ガイド107と両側の側面ガイド108,108との間で、硬貨を前方へ投出する硬貨投出口109が形成されている。
底面ガイド107の中央部には前後方向にスリット状のガイド溝110が形成され、このガイド溝110には金種別収納部105の下部域に対して後方から進退可能で底面ガイド107に載る最下位の硬貨を投出する投出部材111が配置されている。この投出部材111の前端側にはガイドローラ112が回転可能に軸支され、このガイドローラ112が底面ガイド107の下方に平行に配置されるガイド板113上に転動可能に配置され、投出部材111の前端側が水平移動するように支持されている。
金種別収納部105の背部側には上端の回動支点114を中心に前後方向に揺動する揺動レバー115が配置され、この揺動レバー115の回動支点114から離れた下端側の先端に投出部材111の後端が連結軸116によって回動可能に連結されている。各揺動レバー115の回動支点114は金種別の投出用モータM6-1〜M6-6(図19参照)によって回動駆動され、各揺動レバー115が揺動する。そして、図12(a)に示すように、投出部材111は、金種別収納部105の下部域に進出してこの金種別収納部105内の重積硬貨を載せた位置を定位置とし、硬貨投出時に、金種別収納部105の下部域から後方域に退避した後に再び下部域へ進出して重積硬貨のうちの最下位の硬貨を硬貨投出口109から押動投出する。
また、定位置に位置する各投出部材111のガイドローラ112の下方位置には、ガイド板113に開口部113aが形成されているとともに、この開口部113aにガイドローラ112の軸方向と平行に配置される支持軸117によって支持された振動用カム118が回転可能に配設されている。この振動用カム118の周面には、外周面で構成されていてガイド板113の上面より上方へ突出してガイドローラ112を押し上げる上昇作用面部118aと、外周面が平坦状に切り欠かれていてガイド板113の上面と面一になることを許容する下降作用面部118bとが形成されている。振動用カム118の下降作用面部118bがガイド板113の上面と面一になる位置は、投出部材111の上下位置を規制する規制位置としており、この規制位置を回転停止位置としている。そして、振動用カム118の回転により、ガイドローラ112とともに投出部材111が連結軸116を支点として上下移動し、投出部材111に載る重積硬貨に直接的に上下振動を付与する。
なお、底面ガイド107の下面には上昇するガイドローラ112と干渉しないようにする溝部107aが形成され、金種別収納部105には上昇する投出部材111と干渉しないようにする溝部105aが形成されている。また、投出部材111およびガイドローラ112の自重でガイドローラ112は振動用カム118の周面への当接状態が保証される。
図15に示すように、支持軸117は金種別の複数の金種別収納部105にわたって共通に設けられ、この支持軸117に各金種別収納部105の各振動用カム118が支持され、各振動用カム118が一体に回転する。支持軸117は、電気的駆動部としての振動用モータM9によって一方向に回転駆動する。そして、支持軸117および振動用モータM9などで、金種別収納部105への硬貨受入時に振動用カム118に回転を与える振動用カム駆動手段が構成されている。
振動用カム118の下降作用面部118bがガイド板113の上面と面一になる規制位置を検知する振動用カム位置検知手段119を備え、この振動用カム位置検知手段119は、支持軸117に取り付けられた例えばスリット有する検知板120、この検知板120のスリットを検知する定位置検知センサS1を備え、この定位置検知センサS1の検知に基づいて振動用カム118の位置を検知する。
硬貨投出口109には、投出硬貨の通過を検知するカウントセンサS2が配置されている。このカウントセンサS2は、底面ガイド107に形成されたセンサ孔107bを通じて投出硬貨の通過を検知する。
また、金種別硬貨重積投出部17の下部には、金種別硬貨重積投出部17から投出される投出硬貨を一時保留するとともに下部に臨む硬貨収集具配置部22に一時保留した投出硬貨を放出する投出硬貨一時保留部121が設けられている。この投出硬貨一時保留部121は、金種別硬貨重積投出部17の下部の前方域に配置される投出硬貨一時保留枠122、およびこの投出硬貨一時保留枠122の底面の放出口123を開閉するシャッタ124を有し、金種別硬貨重積投出部17の下部から投出される投出硬貨を投出硬貨一時保留枠122に受け入れてシャッタ124上に一時保留する。シャッタ124は、投出硬貨一時保留部用モータM7(図19参照)の駆動によって開閉する。
次に、図2、図16および図17に示すように、硬貨一括一時保留部18は、機体11の左側で、硬貨識別分類通路15の一時保留用硬貨取出部87の下方に配置され、一時保留用硬貨取出部87から取り出される硬貨を一括して一時保留するとともに入金硬貨収納指令時または入金硬貨返却指令時に入金一時保留硬貨を放出可能としている。硬貨一括一時保留部18は、上下方向に開口する枠状の硬貨一括一時保留枠130、およびこの硬貨一括一時保留枠130の底面の放出口131を開閉するシャッタ132を有し、一時保留用硬貨取出部87から取り出される硬貨を硬貨一括一時保留枠130内に受け入れて底面の放出口131を閉鎖するシャッタ132上に一時保留する。
硬貨一括一時保留枠130は、上端の支軸133を支点として前後方向に揺動可能に支持されており、その形状が支軸133を中心とした扇形枠状に形成されているとともに下面が支軸133を中心とした円弧面に形成されている。
シャッタ132は、硬貨一括一時保留枠130の底面の放出口131を開閉するシャッタ部134、およびこのシャッタ部134を支持するシャッタ支持部135を有し、シャッタ支持部135の上端が硬貨一括一時保留枠130と同じ支軸133を支点として前後方向に揺動可能に支持されている。シャッタ部134は、支軸133を中心とした円弧面に形成されている。
次に、図2、図16および図17に示すように、放出手段19は、硬貨一括一時保留部18の硬貨を硬貨一括収納部20側である第1の放出側と貯留ホッパ部13側である第2の放出側とに切り換えて放出させる。この放出手段19は、硬貨一括一時保留枠用モータM3(図19参照)の駆動により硬貨一括一時保留枠130を前後方向に移動させる硬貨一括一時保留枠用移動機構140、およびシャッタ用モータM4(図19参照)の駆動によりシャッタ132を前後方向に移動させるシャッタ用移動機構141を有している。
硬貨一括収納部20側である第1の放出側には硬貨一括一時保留部18から放出される硬貨を受け入れて硬貨一括収納部20に導く第1の放出シュート142が配置され、貯留ホッパ部13側である第2の放出側には硬貨一括一時保留部18から放出される硬貨を受け入れて貯留ホッパ部13に導く第2の放出シュート143が配置されている。
そして、図16および図17に示すように、硬貨一括一時保留枠130が前後方向の中間位置に位置してその硬貨一括一時保留枠130の底面の放出口131をシャッタ132で閉鎖している位置を、一時保留用硬貨取出部87から取り出される硬貨を硬貨一括一時保留部18に一括して一時保留する一時保留位置とする。
また、硬貨一括一時保留部18の硬貨を硬貨一括収納部20側である第1の放出側に放出する場合には、図16に示すように、まず、硬貨一括一時保留枠130を後方に揺動させて第1の放出シュート142上に臨ませ、続いて、シャッタ132を前方へ揺動させて硬貨一括一時保留枠130の底面の放出口131を開放し、硬貨一括一時保留部18の硬貨を第1の放出シュート142に放出する。この状態を硬貨一括一時保留部18の第1の放出側位置とする。
また、硬貨一括一時保留部18の硬貨を貯留ホッパ部13側である第2の放出側に放出する場合には、図17に示すように、まず、硬貨一括一時保留枠130を前方に揺動させて第2の放出シュート143上に臨ませ、続いて、シャッタ132を後方へ揺動させて硬貨一括一時保留枠130の底面の放出口131を開放し、硬貨一括一時保留部18の硬貨を第2の放出シュート143に放出する。この状態を硬貨一括一時保留部18の第2の放出側位置とする。
次に、図2、図16および図17に示すように、硬貨一括収納部20は、機体11の前面から機体11内に設けられた装着部150に着脱可能な硬貨カセット151によって構成されている。この硬貨カセット151は、長方形の6面で構成された直方体形状に形成されており、機体11内の装着部150に配置して硬貨一括収納部20として利用するほかに、硬貨収集具配置部22に配置して金種別硬貨重積投出部17から回収する回収硬貨を受け入れる硬貨収集具21としても利用可能としている。
すなわち、硬貨カセット151は、最も長い辺が機体11の前後方向に沿うとともに高さが高くなるように立てて機体11内の装着部150に前方から差し込み配置されて、硬貨一括一時保留部18から一括収納する硬貨を受け入れる第1の配置姿勢(第1の受入姿勢)と、最も長い辺が機体11の幅方向に沿うとともに高さが低くなるように倒して硬貨収集具配置部22に前方から差し込み配置されて、金種別硬貨重積投出部17から回収する回収硬貨を受け入れる第2の配置姿勢(第2の受入姿勢)とで利用可能としている。
硬貨カセット151が第1の配置姿勢のときに上面となる面151aの中央には、第1の放出シュート142の下方に位置して硬貨を受け入れる第1の硬貨受入口152が形成され、この第1の硬貨受入口152の内側には第1のシャッタ153が開閉可能に配置されているとともに、硬貨カセット151内に第1のシャッタ153を開閉する図示しない第1の開閉機構が配置されている。硬貨カセット151が第1の配置姿勢のときに機体11内の装着部150への差込方向F1の先端面となる面151bには、機体11内に配設された第1のシャッタ開放部材154が挿入される第1の挿通孔155が形成されている。そして、硬貨カセット151を装着部150に前方から差し込むときに、第1のシャッタ開放部材154が第1の挿通孔155に差し込まれることで第1のシャッタ開閉機構が作動して第1のシッャタ153を開放し、また、硬貨カセット151を装着部150から前方へ抜き外すときに、第1のシャッタ開放部材154が第1の挿通孔155から外れることにより、第1のシャッタ開閉機構が第1のシャッタ153を自動的に閉鎖する。
硬貨カセット151が第2の配置姿勢のときに上面となる面151cには、投出硬貨一時保留部121の放出口124の下方に位置して硬貨を受け入れる第2の硬貨受入口156が幅方向に長く形成され、この第2の硬貨受入口156の内側には第2のシャッタ157が開閉可能に配置されているとともに、硬貨カセット151内に第2のシャッタ157を開閉する図示しない第2の開閉機構が配置されている。硬貨カセット151が第2の配置姿勢のときに機体11の硬貨収集具配置部22への差込方向F2の先端面となる面151aには、硬貨収集具配置部22内に配設された第2のシャッタ開放部材158が挿入される第2の挿通孔159が形成されている。そして、硬貨カセット151を硬貨収集具配置部22に前方から差し込むときに、第2のシャッタ開放部材158が第2の挿通孔159に差し込まれることで第2のシャッタ開閉機構が作動して第2のシャッタ157を開放し、また、硬貨カセット151を硬貨収集具配置部22から前方へ抜き外すときに、第2のシャッタ開放部材158が第2の挿通孔159から外れることにより、第2のシャッタ開閉機構が第2のシャッタ157を自動的に閉鎖する。
次に、図2、図16および図17に示すように、硬貨収集具配置部22は、機体11の前面側下部で幅方向中央域に設けられ、前方から硬貨収集具21が着脱可能に配置される。この硬貨収集具配置部22には、硬貨収集具21を位置決めするために、硬貨収集具配置部22の奥側と硬貨収集具配置部22の左側とにストッパ160,161がそれぞれ配置されている。
そして、硬貨収集具21としては、出金硬貨収集用および回収硬貨収集用としてカルトン162が用いられ、また、回収硬貨収集用として硬貨一括収納部20の硬貨カセット151を用いることもできる。これらカルトン162および硬貨カセット151とも硬貨収集具配置部22に着脱可能に配置できる。
次に、図1および図16に示すように、機体11の開閉カバー10には、貯留ホッパ部13の前方域にこの貯留ホッパ部13へ硬貨を投入する投入口164が形成され、可動ホッパ枠部30の前方域にこの可動ホッパ枠部30の開放移動を許容する開口部165が形成され、硬貨カセット151の前方域にこの硬貨カセット151の着脱が可能な図示しない着脱口が形成され、入金リジェクト硬貨収納部16の前方域に入金リジェクト硬貨収納部16から入金リジェクト硬貨を取り出す図示しない取出口が形成されている。
投入口164の内側には、上部が背部方向に向かう傾斜姿勢のホッパ枠28の上部から貯留ホッパ部13内に投入される硬貨を導く投入口枠164aが形成され、この投入口枠164aの背部側に投入口164を開閉する投入口シャッタ166が配置されている。投入口シャッタ166は、開閉カバー10に対して上下方向にスライド可能に配設され、入金時や補充時に投入口164を開放し、出金時に投入口164を閉塞する。
また、図1および図2に示すように、ホッパ枠28の高さが低い上縁部中央域を開閉するホッパカバー167が配置されている。このホッパカバー167は、仕切枠体23に機体11の幅方向に対応してスライド可能に配設されており、仕切枠体23が仕切位置にある通常使用時には、ホッパ枠28の高さが低い上縁部中央域から右方向にスライド退避し、一方、仕切枠体23を解錠して開放するときにホッパ枠28の高さが低い上縁部中央域にスライド配置することにより、ホッパ枠28内に硬貨が入っている状態で仕切枠体23を前方に傾斜するように開放したとき、ホッパ枠28の高さが低い上縁部中央域から硬貨がこぼれ落ちるのを防止する。
次に、図19には、硬貨入出金機を制御する制御のブロック図を示す。ブロック図において、制御部170は、上位機からの信号や、入金、出金、補充、回収の各処理の指令および各種モードの指令をする操作指令部171、入金、出金、補充、回収の各処理の指令状態の表示、金額などを表示する表示部172、貯留ホッパ部13内の硬貨の有無を検知する複数のセンサを含むホッパ用センサ群173、硬貨識別分類通路15などの通路で硬貨を検知する複数のセンサを含む通路用センサ群174などから信号を入力し、各モータM1〜M9を制御する。
そして、制御部170は、硬貨一括一時保留部18に入金一時保留硬貨を一時保留した後の入金硬貨収納指令時または入金硬貨返却指令時において、硬貨一括一時保留部18の硬貨を収納時には収納ルートへ、返却時には返却ルートへ送らせる制御を行う制御手段175を有している。
すなわち、制御手段175による収納制御では、非還流収納モードと還流収納モードとを選択して設定可能としている。非還流収納モードでは、入金硬貨収納指令時には、硬貨一括一時保留部18の入金一時保留硬貨を放出手段19により第1の放出側の硬貨一括収納部20へ送る。また、還流収納モードでは、入金硬貨収納指令時には、硬貨一括一時保留部18の入金一時保留硬貨を放出手段19により第2の放出側となる貯留ホッパ部13側へ送り、可動ホッパ枠部30の閉塞状態において貯留ホッパ部13の傾斜円盤27および硬貨識別分類通路15の作動により、硬貨の補充が必要な金種硬貨は対応する金種の金種別分岐部86で分岐して対応する金種別収納部105へ補充し、硬貨の補充が必要でない金種硬貨は一時保留用硬貨取出部87を経由して硬貨一括一時保留部18へ一時保留し、貯留ホッパ部13の全ての硬貨を対応する金種別分岐部86または一時保留用硬貨取出部87へ送り込んだ後に硬貨一括一時保留部18の一時保留硬貨を放出手段19により第1の放出側の硬貨一括収納部20へ送る。なお、この硬貨の流れが収納ルートとなる。
また、制御手段175による返却制御では、入金硬貨返却指令時には、硬貨一括一時保留部18の入金一時保留硬貨を放出手段19により第2の放出側の貯留ホッパ部13側へ送るとともに可動ホッパ枠部30の開放姿勢を通じて貯留ホッパ部13の下方へ放出させる。なお、この硬貨の流れが返却ルートとなる。
さらに、制御手段175は、異物分離部79で分離されて貯留ホッパ部13へ受収された異物78を可動ホッパ枠部30の開放により硬貨収集具配置部22へ放出させる機能を有している。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
まず、図20ないし図27を参照して硬貨入出金機による各処理について説明する。この硬貨入出金機は、例えば金融機関の係員であるテラーが操作するもので、顧客から受け取った入金硬貨を入金処理したり、顧客に払い出す出金硬貨を出金処理するものである。
図20には、入金処理における入金計数から一時保留までの処理を示す。操作指令部171で入金処理を指令し、顧客から受け取った入金硬貨を機体11の開閉カバー10の投入口164から貯留ホッパ部13に投入することにより、貯留ホッパ部13に投入された入金硬貨をホッパ用センサ群173で検知して入金処理を開始する。入金処理の開始により、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71をそれぞれ回転させる。
貯留ホッパ部13の傾斜円盤27により貯留ホッパ部13内の入金硬貨を硬貨繰出口12から1枚ずつ分離状態で硬貨送込用方向変換通路14に繰り出し、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52により硬貨繰出口12から繰り出される入金硬貨を1枚ずつ区分け状態で受け取るとともに硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72間に受け渡し、この硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72により入金硬貨を1枚ずつ区分け状態で硬貨識別分類通路15に沿って搬送する。
硬貨識別分類通路15の第1通路域65を搬送する入金硬貨を硬貨識別部80により識別する。
硬貨識別部80による識別の結果、正規と識別された入金硬貨は、第1通路域65から折返し通路域66を通じて第2通路域67の末端まで搬送し、この第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から取り出し、硬貨一括一時保留部18に収納する。このとき、硬貨一括一時保留部18では、硬貨一括一時保留枠130およびシャッタ132が一時保留位置にあり、第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から受け入れた入金硬貨を一括一時保留する。
硬貨識別部80による識別の結果、リジェクト硬貨と識別された入金リジェクト硬貨は、折返し通路域の入金リジェクト硬貨分岐部84で分岐し、入金リジェクト硬貨シュート85を通じて入金リジェクト硬貨収納部16に導いて開閉カバー10の取出口から取り出し可能とする。
そして、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で入金硬貨を検知しなくなるとともに硬貨識別部80で硬貨を所定時間識別しなければ、投入された全ての入金硬貨の入金計数から一時保留までの処理を完了したものとし、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71をそれぞれ停止させる。また、識別結果は表示部172に表示し、入金硬貨の収納または返却を確認する。また、リジェクト硬貨があった場合には、入金リジェクト硬貨収納部16から入金リジェクト硬貨を取り出して顧客に返却する。
また、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で硬貨有りと検知しているにもかかわらず、硬貨識別部80で入金収納硬貨を所定時間識別しなければ、傾斜円盤27を一旦停止させ、この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返し、この間に硬貨が貯留ホッパ部13から繰り出されて硬貨識別部80で検知すれば、傾斜円盤27を正転に復帰させる。この傾斜円盤27を逆転させるとき、硬貨掻上げ突起36および硬貨崩し突起39に設けられたガイド部38により入金収納硬貨がピン37に引っ掛かるのを防止して硬貨詰まりが発生するのを防止できる。
また、貯留ホッパ部13に入金硬貨とともに異物78が投入された場合には、硬貨識別分類通路15における第1通路域65の硬貨識別部80より上流域に設けた異物分離部79で異物78を分離して貯留ホッパ部13へ受収させる。そのため、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で硬貨有りと検知しているにもかかわらず、硬貨識別部80で入金収納硬貨を所定時間識別しなくなり、そこで、傾斜円盤27を一旦停止させ、この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返すが、硬貨識別部80では入金収納硬貨を検知しない状態を継続する。この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返しても、硬貨識別部80で入金収納硬貨を検知しなければ、異物78が有りと判断し、貯留ホッパ部13の可動ホッパ枠部30を開放して異物78を下方のカルトン162へ放出する。このとき、傾斜円盤27を正逆転させることにより、異物78をより確実に放出できる。したがって、硬貨識別分類通路15での異物78による硬貨詰まりなどの発生を防止でき、異物78を簡単に取り出すことができる。
また、入金処理における入金識別一時保留処理において、仕切枠体23の前面側の貯留ホッパ部13域、硬貨送込用方向変換通路14域、硬貨識別分類通路15域などで硬貨詰まりが発生したり、硬貨一括一時保留部18で硬貨詰まりが発生した場合、係員は、機体11の開閉カバー10を前方に倒すように開放し、機体11の前面側に臨む仕切枠体23の前面側の貯留ホッパ部13域、硬貨送込用方向変換通路14域、硬貨識別分類通路15域などや、硬貨一括一時保留部18を露出させる。開閉カバー10の開放には、鍵による解錠操作の必要がなく、直ぐに開放できる。そのため、詰まりを生じている硬貨を取り除くなどして硬貨詰まりを迅速に解消できる。解消後は、開閉カバー10を機体11に閉じ、処理を継続して再開するか、入金返却で説明するように入金硬貨を一旦返却処理してから再度、入金識別一時保留処理をする。このとき、仕切枠体23は、機体11の前面開口11aを閉塞するとともに機体11内の金種別硬貨重積投出部17の前側に位置して金種別硬貨重積投出部17を機体11外から仕切る仕切位置で施錠されているため、係員は金種別硬貨重積投出部17の硬貨に触れることはできない。なお、開閉カバー10の開放は、後述の入金還流処理、補充処理などのときでも開放できる。
図21には、入金処理における一時保留後の入金硬貨返却の処理を示す。操作指令部171によって入金硬貨返却が指令されることにより、硬貨一括一時保留部18内の入金返却硬貨を、硬貨一括一時保留部18の第2の放出側位置への移動によって第2の放出側である貯留ホッパ部13側に放出し、第2の放出シュート143を通じて貯留ホッパ部13に送り込む。
貯留ホッパ部13の可動ホッパ枠部30を開放し、貯留ホッパ部13内の入金返却硬貨をホッパ枠28の放出口29から下方の硬貨収集具配置部22へ放出し、硬貨収集具配置部22に予め配置されているカルトン162に受収する。カルトン162を機体11の硬貨収集具配置部22から取り出し、カルトン162内の入金返却硬貨を返却する。その後、硬貨一括一時保留部18を一時保留位置に戻し、貯留ホッパ部13の可動ホッパ枠部30を閉じ、入金処理を終了する。
図22には、入金処理における一時保留後の入金非還流収納の処理を示す。予め入金非還流収納モードが設定されている場合に、操作指令部171によって入金硬貨収納が指令されることにより、硬貨一括一時保留部18内の入金収納硬貨を、硬貨一括一時保留部18の第1の放出側位置への移動によって第1の放出側である硬貨一括収納部20側に放出し、第1の放出シュート142を通じて硬貨一括収納部20つまり硬貨カセット151に収納する。その後、硬貨一括一時保留部18を一時保留位置に戻し、入金処理を終了する。硬貨カセット151は、第1の配置姿勢として、機体11内の装着部150に前方から差し込み配置することにより、第1のシャッタ開放部材154が第1の挿通孔155に差し込まれることで第1のシャッタ開閉機構が作動して第1のシャッタ153が開放移動し、第1の硬貨受入口152が開放されており、この第1の硬貨受入口152から入金収納硬貨を受け入れて収納する。
図23には、入金処理における一時保留後の入金還流収納の処理を示す。予め入金還流収納モードが設定されている場合に、操作指令部171によって入金硬貨収納が指令されることにより、硬貨一括一時保留部18内の入金収納硬貨を、硬貨一括一時保留部18の第2の放出側位置への移動によって第2の放出側である貯留ホッパ部13側に放出し、第2の放出シュート143を通じて貯留ホッパ部13に送り込む。
その後、硬貨一括一時保留部18を硬貨一括収納部20へ入金収納硬貨を放出する第1の放出側位置に移動させ、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71を再びそれぞれ回転させる。
貯留ホッパ部13の傾斜円盤27により貯留ホッパ部13内の入金収納硬貨を硬貨繰出口12から1枚ずつ分離状態で硬貨送込用方向変換通路14に繰り出し、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52により硬貨繰出口12から繰り出される入金収納硬貨を1枚ずつ区分け状態で受け取るとともに硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72間に受け渡し、この硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72により入金収納硬貨を1枚ずつ区分け状態で硬貨識別分類通路15に沿って押動搬送する。
硬貨識別分類通路15の第1通路域65を搬送する入金収納硬貨を硬貨識別部80により識別する。
硬貨識別部80による識別の結果、正規と識別された入金収納硬貨は、第1通路域65から折返し通路域66を通じて第2通路域67へ搬送し、該当する金種の金種別分岐部86で第2通路域67から分岐し、金種別シュート99を通じて金種別硬貨重積投出部17の金種別収納部105に収納する。
このとき、金種別硬貨重積投出部17では、図12(a)(b)に示すように、振動用モータM9を駆動し、支持軸117によって各振動用カム118を一体に回転させる。各振動用カム118の回転により、ガイドローラ112とともに投出部材111が連結軸116を支点として上下移動し、投出部材111に載る重積硬貨に直接的に上下振動を付与する。そのため、金種別収納部105の上部から受け入れた硬貨は、上下振動する重積硬貨上に落下して振動が伝わり、倒れやすく、硬貨立ちすることなく重積できる。
金種別硬貨重積投出部17の金種別収納部105が満杯状態となった金種の入金収納硬貨つまりオーバーフロー硬貨は、該当する金種別分岐部86で分岐せずに通過させ、第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から取り出し、硬貨一括収納部20へ入金収納硬貨を放出する第1の放出側位置に移動している硬貨一括一時保留部18を通じて硬貨一括収納部20に収納する。
硬貨識別部80による識別の結果、リジェクト硬貨と識別された入金リジェクト硬貨は、折返し通路域の入金リジェクト硬貨分岐部84で分岐し、入金リジェクト硬貨シュート85を通じて入金リジェクト硬貨収納部16に導く。
そして、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で入金硬貨を検知しなくなるとともに硬貨識別部80で硬貨を所定時間識別しなければ、全ての入金収納硬貨の収納処理を完了したものとし、硬貨一括一時保留部18を一時保留位置に戻し、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71をそれぞれ停止させ、入金処理を終了する。また、リジェクト硬貨があった場合には、入金リジェクト硬貨収納部16から入金リジェクト硬貨を取り出して回収する。また、異物78が有る場合は、図20と同様の処理を経て異物78をカルトン162へ放出し、表示部172でカルトン162の抜き取りをテラーに促す。
なお、第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から取り出す入金収納硬貨つまりオーバーフロー硬貨は、硬貨一括一時保留部18に一時保留し、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で入金硬貨を検知しなくなるとともに硬貨識別部80で入金収納硬貨を所定時間識別しなくなってから、硬貨一括収納部20に収納してもよい。
図24には、出金処理における出金計数から一時保留までの処理を示す。操作指令部171で出金処理を指令し、出金金額を入力することにより、金種別硬貨重積投出部17のうちの出金該当金種の硬貨投出部106が動作し、この動作した硬貨投出部106により金種別収納部105内の下部の硬貨を1枚ずつ硬貨投出口109から投出し、この硬貨投出口109から投出する投出硬貨の枚数をカウントセンサS2で検知してカウントする。硬貨投出口109から投出される投出硬貨は、投出硬貨一時保留部121に収納する。このとき、投出硬貨一時保留部121では、投出硬貨一時保留枠122の放出口123をシャッタ124で閉鎖しており、投出された投出硬貨を一括して一時保留する。
図25には、出金処理における出金放出の処理を示す。金種別硬貨重積投出部17から出金金額分の硬貨の投出を完了したら、投出硬貨一時保留枠122のシャッタ124を開放し、投出硬貨一時保留部121内に一時保留していた投出硬貨を投出硬貨一時保留枠122の放出口123から下方の硬貨収集具配置部22へ放出し、硬貨収集具配置部22に予め配置されているカルトン162に受収する。カルトン162を機体11の硬貨収集具配置部22から取り出し、カルトン162内の投出硬貨を顧客に払い出す。その後、シャッタ124を投出硬貨一時保留枠122の放出口123を閉塞する状態に戻し、出金処理を終了する。
このように、金種別硬貨重積投出部17から投出される投出硬貨を投出硬貨一時保留部121に一時保留することにより、出金指示硬貨量と実際に投出された硬貨量とが一致したときにカルトン162へ放出することが可能で、出金指示硬貨量と実際に投出された硬貨量とで違算が発生するのを防止できる。
また、出金時(入金時、後述の補充時および回収時など)などにおいて、金種別硬貨重積投出部17で硬貨詰まりが発生した場合には、係員は硬貨入出金機の管理者などから鍵を借りてきたり所定の管理場所から鍵を持ってくる。その後、機体11の開閉カバー10を前方に倒すように開放し、ホッパカバー167をホッパ枠28の高さが低い上縁部中央域にスライドさせて閉塞し、仕切枠体23の施錠手段24を鍵で解錠し、仕切枠体23を前方に倒すように開放する。これにより、仕切枠体23の背部側の金種別硬貨重積投出部17を露出させ、硬貨詰まりを解消できる。
硬貨詰まりの解消後は、仕切枠体23を後方へ向けて倒すことにより、機体11の前面開口11aを閉塞するとともに機体11内の金種別硬貨重積投出部17の前側に位置して金種別硬貨重積投出部17を機体11外から仕切る仕切位置に移動させ、仕切位置に位置した仕切枠体23の施錠手段24を鍵で施錠し、開閉カバー10を機体11に閉じ、出金処理を継続して再開するか、一旦リセット処理してから新たに出金処理をやり直す。
図26には、補充処理であって、機体11内に硬貨が収納されていない初期補充における装填計数、および機体11内の硬貨が減少したときの途中補充における補充計数の処理を示す。
操作指令部171で補充処理を指令することにより、硬貨一括一時保留部18を硬貨一括収納部20へ入金収納硬貨を放出する第1の放出側位置に移動させる。補充硬貨を貯留ホッパ部13に投入することにより、貯留ホッパ部13に投入された補充硬貨をホッパ用センサ群173で検知して補充処理を開始する。補充処理の開始により、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71をそれぞれ回転させる。
貯留ホッパ部13の傾斜円盤27により貯留ホッパ部13内の補充硬貨を硬貨繰出口12から1枚ずつ分離状態で硬貨送込用方向変換通路14に繰り出し、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52により硬貨繰出口12から繰り出される補充硬貨を1枚ずつ区分け状態で受け取るとともに硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72間に受け渡し、この硬貨識別分類通路15のベルト71の突起72により補充硬貨を1枚ずつ区分け状態で硬貨識別分類通路15に沿って押動搬送する。
硬貨識別分類通路15の第1通路域65を搬送する補充硬貨を硬貨識別部80により識別する。
硬貨識別部80による識別の結果、正規と識別された補充硬貨は、第1通路域65から折返し通路域66を通じて第2通路域67へ搬送し、該当する金種の金種別分岐部86で第2通路域67から分岐し、金種別シュート99を通じて金種別硬貨重積投出部17の金種別収納部105に収納する。
このときも、振動用カム118の回転により金種別収納部105内の重積硬貨に上下方向の振動を与えることにより、金種別収納部105内に落下する補充硬貨が硬貨立ちするのを防止して確実に重積できる。
金種別硬貨重積投出部17の金種別収納部105が満杯状態となった金種の入金収納硬貨つまりオーバーフロー硬貨は、該当する金種別分岐部86で分岐せずに通過させ、第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から取り出し、硬貨一括収納部20へ入金収納硬貨を放出する第1の放出側位置に移動している硬貨一括一時保留部18を通じて硬貨一括収納部20に収納する。
硬貨識別部80による識別の結果、リジェクト硬貨と識別された補充リジェクト硬貨は、折返し通路域の入金リジェクト硬貨分岐部84で分岐し、入金リジェクト硬貨シュート85を通じて入金リジェクト硬貨収納部16に収納する。
そして、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で入金硬貨を検知しなくなるとともに硬貨識別部80で硬貨を所定時間識別しなければ、投入された全ての補充硬貨の補充処理を完了したものとし、硬貨一括一時保留部18を一時保留位置に戻し、貯留ホッパ部13の傾斜円盤27、硬貨送込用方向変換通路14の受渡円板52および硬貨識別分類通路15のベルト71をそれぞれ停止させ、補充処理を終了する。また、リジェクト硬貨があった場合には、入金リジェクト硬貨収納部16を機体11から引き出し、入金リジェクト硬貨収納部16内から補充リジェクト硬貨を取り出して回収する。
また、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で硬貨有りと検知しているにもかかわらず、硬貨識別部80で補充硬貨を所定時間識別しなければ、傾斜円盤27を一旦停止させ、この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返し、この間に補充硬貨が貯留ホッパ部13から繰り出されて硬貨識別部80で検知すれば、傾斜円盤27を正転に復帰させる。
また、貯留ホッパ部13に入金硬貨とともに異物78が投入された場合には、硬貨識別分類通路15における第1通路域65の硬貨識別部80より上流域に設けた異物分離部79で異物78を分離して貯留ホッパ部13へ受収させる。そのため、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で硬貨有りと検知しているにもかかわらず、硬貨識別部80で補充硬貨を所定時間識別しなくなり、そこで、傾斜円盤27を一旦停止させ、この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返すが、硬貨識別部80では補充硬貨を検知しない状態を継続する。この傾斜円盤27の逆転と正転とを所定時間または所定回数繰り返しても、硬貨識別部80で補充硬貨を検知しなければ、異物78が有りと判断し、貯留ホッパ部13の可動ホッパ枠部30を開放して異物78を下方のカルトン162へ放出する。このとき、傾斜円盤27を正逆転させることにより、異物78をより確実に放出できる。したがって、硬貨識別分類通路15での異物78による硬貨詰まりなどの発生を防止でき、異物78を簡単に取り出すことができる。
なお、第2通路域67の末端の一時保留用硬貨取出部87から取り出す補充硬貨つまりオーバーフロー硬貨は、硬貨一括一時保留部18に一時保留し、貯留ホッパ部13のホッパ用センサ群173で補充硬貨を検知しなくなるとともに硬貨識別部80で補充硬貨を所定時間識別しなくなってから、硬貨一括収納部20に収納してもよい。
図27には、硬貨カセット151を用いた回収処理を示す。
機体11内の装着部150に配置されていた硬貨カセット151を抜き外す。この抜き外す硬貨カセット151が第1のシャッタ開放部材154から外れることにより、第1のシャッタ開閉機構が第1のシャッタ153を自動的に閉鎖する。その結果、硬貨カセット151内に収納されている硬貨は収納状態が保証される。
外した硬貨カセット151を第2の配置姿勢とし、機体11の硬貨収集具配置部22に前方から差し込み配置する。硬貨カセット151を硬貨収集具配置部22に前方から差し込むときに、第2のシャッタ開放部材158が第2の挿通孔159に差し込まれることで第2のシャッタ開閉機構が作動して第2のシャッタ157が開放移動し、第2の硬貨受入口156が開放する。第2の硬貨受入口156は、投出硬貨一時保留部121の放出口123の下方に対向して位置する。
操作指令部171で回収処理を指令することにより、投出硬貨一時保留部121のシャッタ124を開放した後、金種別硬貨重積投出部17の硬貨投出部106が動作し、この硬貨投出部106により金種別収納部105内の下部の回収硬貨を1枚ずつ硬貨投出口109から投出し、この硬貨投出口109から投出する回収硬貨の枚数をカウントセンサS2で検知してカウントする。硬貨投出口109から投出される回収硬貨は、シャッタ124が開放されている投出硬貨一時保留部121を通じて、硬貨収集具配置部22に配置された硬貨カセット151の第2の硬貨受入口156から受け入れて収納する。金種別硬貨重積投出部17内の全ての回収硬貨を投出すれば、投出硬貨一時保留部121のシャッタ124を閉じ、回収処理を終了する。
そして、第1の配置姿勢時に収納された収納硬貨および第2の配置姿勢時に収納された回収硬貨が収容された硬貨カセット151を機体11の硬貨収集具配置部22から前方へ抜き外して回収する。硬貨カセット151を硬貨収集具配置部22から前方へ抜き外すときに、第2のシャッタ開放部材158が第2の挿通孔159から外れることにより、第2のシャッタ開閉機構が第2のシャッタ157を自動的に閉鎖する。
なお、回収処理は、硬貨収集具配置部22にカルトン162を配置してこのカルトン162に回収することもできる。この場合には、金種別硬貨重積投出部17から投出される回収硬貨を投出硬貨一時保留部121に一時保留し、この投出硬貨一時保留部121に所定枚数分の回収硬貨を一時保留したら金種別硬貨重積投出部17からの回収硬貨の投出を一旦中断し、シャッタ124を開放して投出硬貨一時保留部121内の回収硬貨をカルトン162に放出し、その後、シャッタ124を閉じて金種別硬貨重積投出部17からの回収硬貨の投出を再開するというような回収動作を複数回繰り返してもよい。これにより、カルトン162の収容量に応じた回収硬貨量を投出硬貨一時保留部121に一時保留させた後、カルトン162へ回収硬貨を放出することが可能で、回収硬貨量が多すぎてカルトン162から回収硬貨が溢れ出すのを防止できる。
以上のように、硬貨入出金機によれば、貯留ホッパ部13および硬貨識別分類通路15などが前面に設けられた仕切枠体23を、機体11内の金種別硬貨重積投出部17の前側に位置して金種別硬貨重積投出部17を機体11外から仕切る仕切位置と金種別硬貨重積投出部17を機体11外に露出させる開放位置との間で開閉可能に設けるとともに、仕切位置で施錠手段24により施錠することにより、貯留ホッパ部13域および硬貨識別分類通路15域などに位置する硬貨は施錠手段24による仕切枠体23の施錠状態でも自由に操作可能とする機外硬貨とし、金種別硬貨重積投出部17の硬貨は施錠手段24の解錠による仕切枠体23の開放により操作可能とする機内硬貨として明確に区分することができ、硬貨入金時の入金識別一時保留処理などにおける貯留ホッパ部13域および硬貨識別分類通路15域などでの硬貨詰まりの解消を解錠操作なしで容易にできる。
また、硬貨一括一時保留部18の硬貨は機外硬貨として取り出すことができ、また、機体11に着脱可能とする硬貨カセット151で構成される硬貨一括収納部20の硬貨は機内硬貨として容易に回収できる。
なお、仕切枠体23の施錠手段24としては、鍵によって解錠、施錠が可能とする構成に限らず、磁気カードやICカードなどのカードによって解錠、施錠が可能に構成してもよい。
また、金種別硬貨重積投出部17は、硬貨を上入れ、下出しするタイプに限らず、硬貨を上入れ、上出しするタイプでもよい。
また、投出硬貨一時保留部121を設けることなく、硬貨収集具配置部22の硬貨収集具21に収納してもよい。
本発明の一実施の形態を示す硬貨入出金機の図2におけるA−A矢視の断面図である。 同上硬貨入出金機の内部構造を示す正面図である。 同上硬貨入出金機の仕切枠体の正面図である。 同上硬貨入出金機の傾斜円盤が備える硬貨掻上げ突起を示し、(a)は断面図、(b)は正面図である。 同上傾斜円盤の一部の断面図を示し、(a)は図2におけるB−B矢視の断面図、(b)は図2におけるD−D矢視の断面図である。 同上傾斜円盤および硬貨ガイド部材の図2におけるE−E矢視の断面図である。 同上受渡円板の正面図である。 同上受渡円板の図7におけるF−F矢視の側面図である。 同上受渡円板の図7におけるG−G矢視の側面図である。 同上図2におけるH−H矢視の断面図を示し、(a)は硬貨を搬送していない場合の断面図、(b)は正規硬貨の場合の断面図、(c)は異物の場合の断面図である。 同上硬貨分類部が硬貨を分類する状態の断面図である。 同上金種別硬貨重積投出部の断面図を示し、(a)は硬貨投出時の断面図、(b)は硬貨への振動付与時の断面図である。 同上金種別硬貨重積投出部の平面図である。 同上金種別硬貨重積投出部の金種別収納部の底面部材の斜視図である。 同上金種別硬貨重積投出部の振動用カム駆動手段の平面図である。 同上図2の硬貨入出金機を右側面側から見た側面図であって、硬貨一括一時保留部での硬貨一時保留から硬貨一括収納部への硬貨放出を示す側面図である。 同上図2の硬貨入出金機を右側面側から見た側面図であって、硬貨一括一時保留部での硬貨一時保留から貯留ホッパ部への硬貨放出を示す側面図である。 同上硬貨入出金機の硬貨カセットの斜視図である。 同上硬貨入出金機の制御のブロック図である。 同上硬貨入出金機の入金計数から一時保留までの処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の入金返却の処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の入金非還流収納の処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の入金還流収納の処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の出金計数から一時保留までの処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の出金放出の処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の装填計数および補充計数の処理の説明図である。 同上硬貨入出金機の回収の処理の説明図である。
符号の説明
11 機体
13 貯留ホッパ部
15 硬貨識別分類通路
17 金種別硬貨重積投出部
18 硬貨一括一時保留部
21 硬貨収集具
22 硬貨収集具配置部
23 仕切枠体
24 施錠手段
27 傾斜円盤
28 ホッパ枠
30 可動ホッパ枠部
80 硬貨識別部
86 金種別分岐部
87 一時保留用硬貨取出部
105 金種別収納部
106 硬貨投出部
151 硬貨カセット
C 硬貨
M8 可動ホッパ枠部開閉手段としての可動ホッパ枠部用モータ

Claims (2)

  1. 機体と、
    上部が背部方向に向かう傾斜姿勢に配置される回転可能な傾斜円盤、およびこの傾斜円盤の前面との間で硬貨を貯留するホッパ枠を備え、ホッパ枠の少なくとも下部域には可動ホッパ枠部開閉手段によって開閉可能な可動ホッパ枠部が設けられ、前記機体の前面側に配置された貯留ホッパ部と、
    この貯留ホッパ部から繰り出される硬貨を受け入れて搬送する硬貨識別分類通路であって、前記機体の前面幅方向に対応して配置されるとともに硬貨識別部、金種別分岐部および一時保留用硬貨取出部が設けられ、硬貨補充時に金種別分岐部で硬貨を金種別に分岐する硬貨識別分類通路と、
    この硬貨識別分類通路の一時保留用硬貨取出部の下方に設けられ、一時保留用硬貨取出部から硬貨識別分類通路外へ取り出される硬貨を一括して一時保留するとともに、入金一時保留硬貨を収納時および返却時に放出する硬貨一括一時保留部と、
    この硬貨一括一時保留部の硬貨を収納時には収納ルートへ、返却時には返却ルートへ送らせる制御手段と、
    前記機体内に着脱可能な硬貨カセットで構成され、前記硬貨一時保留部から収納ルートへ送られた硬貨を収納する硬貨一括収納部と、
    前記硬貨識別分類通路の背部域で機体の前面幅方向に対応して配列され、前記各金種別分岐部から分岐される硬貨を金種別に重積状態で収納する金種別収納部を有するとともにこれら金種別収納部の硬貨を投出する硬貨投出部を有する金種別硬貨重積投出部と、
    前記貯留ホッパ部および硬貨識別分類通路が前面に設けられ、前記機体内の金種別硬貨重積投出部の前側に位置して金種別硬貨重積投出部を機体外から仕切る仕切位置と金種別硬貨重積投出部を機体外に露出させる開放位置との間で開閉可能に設けられる仕切枠体と、
    この仕切枠体を仕切位置で施錠する施錠手段と、
    前記機体の前面側下部に設けられ、前記金種別硬貨重積投出部から投出される投出硬貨および前記返却ルートを通じて下方へ放出される入金返却硬貨を収集する硬貨収集具が着脱可能に配置される硬貨収集具配置部と
    を具備し、
    前記貯留ホッパ部域および硬貨識別分類通路域に位置する硬貨は前記施錠手段による仕切枠体の施錠状態でも操作可能とする機外硬貨とし、金種別硬貨重積投出部の硬貨は前記施錠手段の解錠による仕切枠体の開放により操作可能とする機内硬貨とした
    ことを特徴とする硬貨入出金機。
  2. 硬貨一括一時保留部および硬貨一括収納部は機体の前面幅方向の一方および他方のいずれかに設けられ、硬貨一括一時保留部の硬貨は機外硬貨とし、硬貨一括収納部の硬貨は機内硬貨とした
    ことを特徴とする請求項1記載の硬貨入出金機。
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