JP5126929B2 - 光拡散樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、照明カバー、透過型ディスプレー用光拡散板、照明看板などに用いられ、入射した光を拡散透過させることを目的とした光拡散部材の製造に用いることができる樹脂粒子及びその製造方法に関する。
従来から、照明カバー、透過型ディスプレー用光拡散板、照明看板などの光拡散部材は、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂などのような透明性合成樹脂中に、有機系光拡散剤や無機系光拡散剤を含有させた上で板状に成形することによって製造されている。
従来では、光拡散部材は光を拡散させることができればよいとされていたが、近年では、光拡散部材に入射させる光を有効に利用すること、即ち、光拡散部材による光損失が少ないこと、又、光源が光拡散部材を透して透けないことが要望されている。
そして、透明性合成樹脂及び光拡散剤の透明性が低下すると光損失が大きくなり、又、透明性樹脂や光拡散剤が黄変すると光損失は勿論のこと、光拡散部材の外観も低下するといった問題点が発生していた。
そこで、特許文献1には、メタクリル系樹脂板に、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系の耐候剤より選ばれた少なくとも1種を0.1〜3重量%含有した平均粒子径2〜10μmの架橋スチレン系重合体粒子を6〜60g/m3 分散している光拡散性メタクリル系樹脂板が提案されている。
しかしながら、上記光拡散性メタクリル系樹脂板は、確かに長期間に亘って優れた耐候性を有するものの、耐候剤を添加することによって光拡散性メタクリル系樹脂板が着色してしまい、光拡散性メタクリル系樹脂板の光損失が大きくなると共に外観も低下するといった問題点を有していた。
一方、上記光拡散性メタクリル系樹脂板には、上述のように架橋スチレン系重合体粒子が含有されているが、この架橋スチレン系重合体粒子を製造するにあたっては、スチレン系単量体と、不飽和二重結合を分子内に少なくとも2個有する単量体とを含む単量体組成物を重合させることによって製造されている。
そして、不飽和二重結合を分子内に少なくとも2個有する単量体には、その製造時の蒸留過程や製造後の保管中において重合反応を生じないようにするために、重合防止剤が通常、100ppm以上含有されている(非特許文献1)。
通常、上記架橋スチレン系重合体粒子を製造するにあたって、不飽和二重結合を分子内に少なくとも2個有する単量体は、これに重合防止剤を多量に含有させた状態のまま使用されており、得られる架橋スチレン系重合体粒子には通常、重合防止剤が多量に含有されている。
一方、光拡散性メタクリル系樹脂板は、メタクリル樹脂と、架橋スチレン系重合体粒子やメタクリレート系樹脂粒子とを押出機に供給し溶融混練してシート状に押出すことによって製造されているが、このように製造時に高温に加熱すると、光拡散性メタクリル系樹脂板の着色が顕著に生じてしまうといった問題点を生じていた。
特開平8−109272号公報 新日鐵化学株式会社が製品名「DVB−810」にて市販しているジビニルベンゼンに関するパンフレット
本発明は、光拡散部材の製造時における着色原因を鋭意検討した結果、光拡散樹脂粒子に含まれている多量の重合防止剤が原因であることを発見し、重合防止剤の含有量を低下させることによって高温に加熱された場合にあっても着色を生じず、透明性が高くて光損失が少なく且つ外観性にも優れた光拡散部材を容易に得ることができる光拡散樹脂粒子及びその製造方法を提供する。
本発明の光拡散樹脂粒子は、(メタ)アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体50〜90重量%と、架橋性単量体10〜50重量%とを含む単量体組成物を無機系懸濁安定剤を含有する水性媒体中にて懸濁重合させて得られた架橋構造を有する光拡散樹脂粒子であって、キノン誘導体及びカテコール誘導体の総量が上記光拡散樹脂粒子の全重量に対して25ppm以下であって、初期色度b * が0.4以下であると共に、この初期色度b * と、200℃にて2時間に亘って加熱処理した後の色度b * との差が5以下であることを特徴とする
上記単量体組成物を構成している(メタ)アクリル系単量体としては、特に限定されず、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ヒドロフルフリル、メタクリル酸グリシジルなどが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味する。
又、上記単量体組成物を構成しているスチレン系単量体としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレンなどが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、上記単量体組成物を構成している架橋性単量体としては、特に限定されず、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレートなどの多官能ビニル単量体が挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記単量体組成物中における架橋性単量体の含有量は、少ないと、光拡散樹脂粒子の耐熱性が低下する一方、多いと、光拡散樹脂粒子の生産性が低下するので、10〜50重量%に限定され、15〜40重量%が好ましい。そして、同様の理由で、単量体組成物中における(メタ)アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体の総量は、50〜90重量%に限定され、60〜85重量%が好ましい。
更に、上記単量体組成物には、本発明の光拡散樹脂粒子の物性を損なわない範囲内において、光拡散樹脂粒子の改質などを目的として、(メタ)アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体と共重合可能な他の単量体を含有していてもよく、このような単量体としては、例えば、メチルビニルエーテルなどのアルキルビニル系単量体、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体、アクリロニトリルなどのニトリル系単量体などが挙げられる。
そして、本発明の光拡散樹脂粒子は上記単量体組成物を重合させて得られ、単量体組成物の重合方法としては懸濁重合が用いられる。この懸濁重合は、水などの水性媒体中に単量体を小滴状に懸濁させ、単量体に可溶性の重合開始剤を用いて重合させるものである。なお、水性媒体は、通常、単量体100重量部に対して100〜1000重量部用いられる。
上記重合開始剤としては、特に限定されず、油溶性の有機過酸化物或いはアゾ化合物などを用いることができる。上記有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オルソメトキシベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルパモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートなどが挙げられ、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が好ましい。
そして、重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類、単量体の重合性又は重合温度などの重合条件によって適宜調整されるが、単量体組成物100重量部に対して0.01〜2.0重量部が好ましい。
更に、水性媒体中に懸濁させた小滴状の単量体の安定化を図るために水性媒体中に無機系懸濁安定剤を含有させている。このような無機系懸濁安定剤としては、例えば、ヒドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウムなどのリン酸塩、炭酸カルシウム、水酸化カルシルム、硫酸カルシウム、コロイダルシリカなどの難水溶性無機化合物などが挙げられ、ピロリン酸マグネシウム、コロイダルシリカが好ましい。なお、無機系懸濁安定剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、水性媒体中に添加する無機系懸濁安定剤の量としては、単量体100重量部に対して0.2〜15重量部が好ましい。
又、水性媒体中に上記無機系懸濁安定剤と共に界面活性剤を添加してもよい。このような界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン性界面活性剤などが挙げられ、無機系懸濁安定剤として難水溶性リン酸塩を用いる場合には、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムが好ましい。なお、界面活性剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
又、界面活性剤の使用量は、光拡散樹脂粒子の粒径などによって適宜調整されるが、一般的には、水性媒体中に0.001〜0.1重量%含有されていることが好ましい。
一方、上述したように、光拡散樹脂粒子の製造に用いられる単量体、特に、架橋性単量体には、その製造中及び製造後における自己重合を防止するために、重合防止剤としてヒドロキノン誘導体やカテコール誘導体が多量に含有されており、この重合防止剤が光拡散樹脂粒子の着色、特に、光拡散樹脂粒子を高温に加熱した場合の着色の原因となっていることを見出した。
具体的には、ヒドロキノン誘導体やカテコール誘導体は加熱されると酸化されてp−ベンゾキノンやo−ベンゾキノンとなり、p−ベンゾキノンとなった場合には黄色に、o−ベンゾキノンとなった場合には橙色に着色し、光拡散樹脂粒子が加熱された際の着色の原因となっていることを見出した。
上記ヒドロキノン誘導体としては、例えば、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキノンなどが挙げられ、カテコール誘導体としては、例えば、カテコール、ターチャリブチルカテコールなどが挙げられ、ヒドロキノンモノメチルエーテルを重合防止剤として用いている場合に本発明の効果が特に大きい。
そこで、本発明の光拡散樹脂粒子では、該光拡散樹脂粒子に含まれるキノン誘導体及びカテコール誘導体の総量を光拡散樹脂粒子の全重量に対して25ppm以下となるように限定し、20ppm以下が好ましい。ここで、キノン誘導体とは、ヒドロキノン誘導体及びこのヒドロキノン誘導体を酸化して得られるベンゾキノンを包含する。
このように、キノン誘導体及びカテコール誘導体の総量を所定量以下に限定していることから、光拡散樹脂粒子を加熱或いは長期間に亘って放置した場合にあっても、着色の原因となるo−ベンゾキノンやp−ベンゾキノンの総量を光拡散樹脂粒子が着色しない程度の量に抑えることができ、光拡散樹脂粒子が加熱や長期間に亘る放置によって着色するのを防止している。
更に、本発明の光拡散樹脂粒子の初期色度b*は、高いと、光拡散樹脂粒子が着色することがあるので、0.4以下に限定され、0.2以下が好ましい。又、本発明の光拡散樹脂粒子の初期色度b*と、200℃にて2時間に亘って加熱処理した後の色度b*との差、即ち色差ΔEは、大きいと、光拡散樹脂粒子が加熱に伴って黄変する虞れがあるので、5以下に限定される。
次に、上記光拡散樹脂粒子の製造方法について説明する。先ず、架橋性単量体中に含有されている重合防止剤量を低減する。この架橋性単量体中に含有されている重合防止剤の低減方法としては、特に限定されず、例えば、1)5重量%の水酸化ナトリウム水溶液100重量部中に架橋性単量体20〜70重量供給して5分間に亘って攪拌し、しかる後、水酸化ナトリウム水溶液を静置して、架橋性単量体層と水層とに分離させ、架橋性単量体層のみを採取し、この工程を一工程とし、この工程を1回から数回に亘って繰り返すことによって、架橋性単量体中に含有されている重合防止剤量を低減する方法、2)架橋性単量体をアルミナ、活性アルミナ、シリカゲル、活性炭、生石灰、珪酸アルミニウム及び珪藻土よりなる群から選ばれた少なくとも1種類の無機物質で処理する方法、3)架橋性単量体を減圧脱気するか、或いは、架橋性単量体に乾燥不活性ガスを通気バブリングさせて架橋性単量体中の水分を除去した上で、上記2)の方法によって架橋性単量体中の重合防止剤量を低減する方法、4)架橋性単量体を有機アルミニウムと接触処理させた後、上記2)の方法によって架橋性単量体中の重合防止剤を低減する方法、5)架橋性単量体を有機アルミニウムと接触処理させた後に蒸留する方法、6)架橋性単量体を有機アルミニウムと接触処理させた上で加水分解した後に蒸留する方法、7)架橋性単量体を有機アルミニウムと接触処理させた上で加水分解した後に、上記2)の方法によって架橋性単量体中に含有されている重合防止剤を低減する方法などが挙げられる。
そして、重合防止剤の低減処理後において、架橋性単量体中に含有されている重合防止剤の量が架橋性単量体の全重量に対して100ppm未満となるように調整され、50ppm以下となるように調整することが好ましい
これは、架橋性単量体中に含有される重合防止剤の量が多いと、得られる光拡散樹脂粒子中に含有される重合防止剤の量も多くなるため、上述のように、光拡散樹脂粒子を用いて光拡散部材を製造するにあたって光拡散樹脂粒子に熱が加えられると光拡散樹脂粒子が黄変し、得られる光拡散部材の透明性及び外観が低下したり或いは光損失が大きくなったりすることがあるからである。
次に、(メタ)アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体と、架橋性単量体とを含む単量体組成物、重合開始剤及び無機系懸濁安定剤、並びに、必要に応じて界面活性剤を水性媒体中に供給する。しかる後、ホモミキサーなどの高速剪断型分散機や超音波分散機などを用いて水性媒体を攪拌し、水性媒体中に単量体を小滴状に懸濁させた後、水性媒体を加熱して単量体組成物を重合させることによって架橋構造を有する光拡散樹脂粒子を得ることができる。
このようにして得られた光拡散樹脂粒子を透明性合成樹脂と共に押出機に供給して溶融混練した上で押出機から押出すことによって所望形状を有する光拡散部材を得ることができる。
本発明の光拡散樹脂粒子は、(メタ)アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体50〜90重量%と、架橋性単量体10〜50重量%とを含む単量体組成物を無機系懸濁安定剤を含有する水性媒体中にて懸濁重合させて得られた架橋構造を有する光拡散樹脂粒子であって、キノン誘導体及びカテコール誘導体の総量が上記光拡散樹脂粒子の全重量に対して25ppm以下であって、初期色度b * が0.4以下であると共に、この初期色度b * と、200℃にて2時間に亘って加熱処理した後の色度b * との差が5以下であることを特徴とするので、光拡散樹脂粒子に熱が加えられても黄変をすることはなく、この光拡散樹脂粒子を用いて、透明性が高くて光損失が低く且つ外観性に優れた光拡散部材を容易に製造することができる。
(光拡散樹脂粒子中のキノン誘導体及びカテコール誘導体の含有量)
光拡散樹脂粒子中におけるキノン誘導体及びカテコール誘導体の含有量は下記の要領にて測定される。先ず、光拡散樹脂粒子1gを精秤し、この光拡散樹脂粒子に、0.1体積%濃度のシクロペンタノールのジメチルホルムアミド溶液1ミリリットルを加えた上で、ジメチルホルムアミドで20ミリリットルとして測定溶液を作製する。
そして、上記測定溶液を24時間に亘って常温にて放置して、光拡散樹脂粒子中に含有されているキノン誘導体及びカテコール誘導体をジメチルホルムアミド中に抽出し、ガスクロマトグラフを用いてキノン誘導体及びカテコール誘導体の含有量を算出することができる。
なお、キノン誘導体及びカテコール誘導体のそれぞれのピークについて、内部標準液を特定比率で混合した標準溶液を作製し、この標準溶液を用いてガスクロマトグラフにより測定して特定した。
具体的には、下記のクロマトグラフ、カラム及び測定条件に基づいて測定することができる。
クロマトグラフ:島津製作所社製 商品名「GC−14A」
カラム:信和化工社製 商品名「ULBON HR−1」
I.D.:0.25mm df:0.25μm 50m
ディテクター温度:250℃
インジェクション温度:250℃
(単量体中のキノン誘導体及びカテコール誘導体の含有量)
単量体1gを精秤し、この単量体に、0.1体積%濃度のシクロペンタノールのジメチルホルムアミド溶液1ミリリットルを加えた上で、ジメチルホルムアミドで20ミリリットルとして測定溶液を作製し、この測定溶液を用いてガスクロマトグラフによりキノン誘導体及びカテコール誘導体の含有量を算出することができる。
なお、キノン誘導体及びカテコール誘導体のそれぞれのピークについて、内部標準液を特定比率で混合した標準溶液を作製し、この標準溶液を用いてガスクロマトグラフにより測定して特定した。
具体的には、下記のクロマトグラフ、カラム及び測定条件に基づいて測定することができる。
クロマトグラフ:島津製作所社製 商品名「GC−14A」
カラム:信和化工社製 商品名「ULBON HR−1」
I.D.:0.25mm df:0.25μm 50m
ディテクター温度:250℃
インジェクション温度:250℃
(色度b*
光拡散樹脂粒子の色度b* は、JIS Z7829に準拠してL* * * 表色系にて色度測定を行うことによって得ることができる。なお、色度b* は、数値が+側に大きくなる程、黄変度が増す。
具体的には、光拡散樹脂粒子2.5gを測定容器(コニカミノルタ社製 商品名「粉体セルCR−A50」)内に充填し、この充填した光拡散樹脂粒子の色度b* を、コニカミノルタ社から商品名「CR−300」にて市販されている色彩色差計を用いて測定することができる。
(ヒドロキノンモノメチルエーテルの低減方法)
5重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液100重量部中に、ヒドロキノンモノメチルエーテルを含有するエチレングリコールジメタクリレート50重量部を供給して5分間に亘って攪拌した後、水酸化ナトリウム水溶液を30分間に亘って静置して、エチレングリコールジメタクリレート層と、水酸化ナトリウム水溶液層との上下二層に分離し、エチレングリコールジメタクリレート層のみを採取して、ヒドロキノンモノメチルエーテルの一部を除去したエチレングリコールジメタクリレートを得た。なお、下記実施例及び比較例においては、上記一連の操作を一工程とした。
(実施例1)
ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)を含有するエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)(共栄和化学社製 商品名「ライトエステルEG」)を用意した。このエチレングリコールジメタクリレートにはその全重量に対してヒドロキノンモノメチルエーテルが100ppm含有されていた。
上記ヒドロキノンモノメチルエーテルの低減方法を二工程行うことによって、ヒドロキノンモノメチルエーテルの一部を除去したエチレングリコールジメタクリレートを得た。なお、エチレングリコールジメタクリレート中にはその全重量に対してヒドロキノンモノメチルエーテルが50ppm含有されていた。
次に、オートクレーブ中に、メタクリル酸メチル(MMA)(三菱レイヨン社製 商品名「アクリエステルM」)1275重量部、上記エチレングリコールジメタクリレート225重量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)12重量部、ベンゾイルパーオキサイド3重量部、イオン交換水1500重量部、ヒドロキシアパタイト10重量部、及び、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部を供給し、オートクレーブ内をホモミキサーを用いて回転速度700rpmで10分間に亘って高速攪拌して懸濁液を作製した。なお、メタクリル酸メチルには、その全重量に対してヒドロキノンモノメチルエーテルが15ppm含有されていた。
しかる後、オートクレーブ内を50℃に昇温して3時間に亘って懸濁重合を行い、更に、オートクレーブ内を100℃まで昇温して2時間に亘って懸濁重合を行った。続いて、オートクレーブ内を冷却した後、20重量%濃度の塩酸200重量部をオートクレーブ内に供給して懸濁液を処理した上で遠心分離機を用いてろ過した後、乾燥機にて80℃で乾燥処理を行って平均粒径が8μmの光拡散樹脂粒子を得た。
(実施例2)
ヒドロキノンモノメチルエーテルの低減方法を二工程行う代わりに三工程行ったこと以外は実施例1と同様にして光拡散樹脂粒子を得た。なお、ヒドロキノンモノメチルエーテルの低減方法を三工程行った後のエチレングリコールジメタクリレート中にはその全重量に対してヒドロキノンモノメチルエーテルが10ppm含有されていた。
(実施例3)
ヒドロキノンモノメチルエーテルの低減方法を二工程行う代わりに三工程行ったこと、このエチレングリコールジメタクリレートの量を225重量部の代わりに500重量部としたこと、メタクリル酸メチルを1275重量部の代わりに1000重量部としたこと以外は実施例1と同様にして光拡散樹脂粒子を得た。
(実施例4)
メタクリル酸メチルの代わりにスチレン(ST)(住友化学社製 商品名「スチレンモノマー」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして光拡散樹脂粒子を得た。なお、スチレンには、その全重量に対してターシャリブチルカテコール(TBC)が13ppm含有されていた。
(実施例5)
メタクリル酸メチルの代わりにスチレン(住友化学社製 商品名「スチレンモノマー」)を用いたこと、ヒドロキノンモノメチルエーテルの低減方法を二工程行う代わりに三工程行ったこと以外は実施例1と同様にして光拡散樹脂粒子を得た。なお、スチレンには、その全重量に対してターシャリブチルカテコール(TBC)が13ppm含有されていた。
(比較例1)
ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)を含有するエチレングリコールジメタクリレート(共栄和化学社製 商品名「ライトエステルEG」)にヒドロキノンモノメチルエーテルの低減処理を施さなかったこと以外は実施例1と同様にして光拡散樹脂粒子を得た。
(比較例2)
ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)を含有するエチレングリコールジメタクリレート(共栄和化学社製 商品名「ライトエステルEG」)にヒドロキノンモノメチルエーテルの低減処理を施さなかったこと、このエチレングリコールジメタクリレートの量を225重量部の代わりに300重量部としたこと、メタクリル酸メチルを1275重量部の代わりに1200重量部としたこと以外は実施例1と同様にして光拡散樹脂粒子を得た。
(比較例3)
ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)を含有するエチレングリコールジメタクリレート(共栄和化学社製 商品名「ライトエステルEG」)にヒドロキノンモノメチルエーテルの低減処理を施さなかったこと、このエチレングリコールジメタクリレートの量を225重量部の代わりに500重量部としたこと、メタクリル酸メチルを1275重量部の代わりに1000重量部としたこと以外は実施例1と同様にして光拡散樹脂粒子を得た。
得られた光拡散樹脂粒子中に含有されているヒドロキノンモノメチルエーテル、ターシャリブチルカテコール、p−ベンゾキノン及びo−ベンゾキノンの総量(表1では「キノン・カテコール誘導体総量」と表記した)並びにo−ベンゾキノン及びp−ベンゾキノンの総量(表1では「ベンゾキノン総量」と表記した)を測定し、その結果を表1に示した。
又、得られた光拡散樹脂粒子の初期色度b* を測定し、その結果を表1の「初期色度」の欄に記載した。
更に、光拡散樹脂粒子10gを100ミリリットルのガラスビーカー中に供給し、このガラスビーカーをオーブンに供給して200℃で2時間に亘って加熱した後、このガラスビーカーをデシケーターで冷却した。次に、ガラスビーカー内の光拡散樹脂粒子の色度b* (以下「耐熱試験後の色度b* 」という)を測定し、その結果を表1の「加熱処理後」の欄に記載した)。
そして、光拡散樹脂粒子における加熱処理後の色度b* から初期色度b* を引いて得られた差(色差ΔE)を表1に示した。
Figure 0005126929

Claims (2)

  1. (メタ)アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体50〜90重量%と、キノン誘導体及びカテコール誘導体の量が架橋性単量体の全重量に対して100ppm未満である上記架橋性単量体10〜50重量%とを含む単量体組成物を無機系懸濁安定剤を含有する水性媒体中にて懸濁重合させて得られた架橋構造を有する光拡散樹脂粒子であって、キノン誘導体及びカテコール誘導体の総量が上記光拡散樹脂粒子の全重量に対して25ppm以下であって、初期色度b*が0.4以下であると共に、この初期色度b*と、200℃にて2時間に亘って加熱処理した後の色度b*との差が5以下であることを特徴とする光拡散樹脂粒子。
  2. (メタ)アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体50〜90重量%と、キノン誘導体及びカテコール誘導体の量が架橋性単量体の全重量に対して100ppm未満とされた上記架橋性単量体10〜50重量%とを含む単量体組成物を無機系懸濁安定剤を含有する水性媒体中にて懸濁重合させて、上記キノン誘導体及び上記カテコール誘導体の総量が上記光拡散樹脂粒子の全重量に対して25ppm以下であって、初期色度b*が0.4以下であると共に、この初期色度b*と、200℃にて2時間に亘って加熱処理した後の色度b*との差が5以下である架橋構造を有する光拡散樹脂粒子を製造することを特徴とする光拡散樹脂粒子の製造方法。
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