JP5126572B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムに関する。
近年、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池をエネルギ源とした燃料電池システムが注目されている。また、このような燃料電池システムにおいては、燃料電池から排出されたオフガスの気液を分離する気液分離器を設け、この気液分離器で水分を分離した後のオフガスを再利用することも行われている。気液分離器には、適宜開閉することにより水分をオフガスとともに排出するパージ弁が接続されており、このパージ弁には分離した水分を排出するための排出路が接続されている。
ところで、燃料電池システムにおいては、低温の環境下においてシステム内部の水分が凍結し、システム始動等に影響を及ぼすことがある。そのため、特許文献1においては、燃料電池から導出された流体(アノード又はカソードから排出されたオフガスや、燃料電池を循環した冷却水)の熱を利用して気液分離器のドレン部を温めている。
特開2006−147440号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように、燃料電池を循環した冷却水で気液分離器のドレン部を加温するためには、気液分離器のドレン部までわざわざ冷却水用の配管を導かなければならないので、配管が複雑になってしまう。また、ドレン部は、燃料電池において加温されたオフガスが通る循環路にあるため、その内部が凍結する心配はあまりない。それよりも、気液分離器において分離された水を排出するパージ弁より下流側の排出路において、むしろ水分が凍結し易い。パージ弁が開いた時にしかオフガスが通らないからである。
また、燃料電池からパージ弁までの距離が短いほど放熱が少なくなり、パージ弁の下流側の排出路を温め易くなるため、燃料電池のエンドプレートにパージ弁を搭載することも考えられるが、このエンドプレートは電位を有しているので、パージ弁よりも下流において絶縁を取る必要がある。ところが、材料の観点から、熱伝導と絶縁とを両立させることは困難である。
そこで、本発明は、複雑な配管を設けることなく、パージ弁よりも下流側の排出路の水分の凍結を抑制することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池システムにおいて、燃料ガス及び酸化ガスの供給を受けて電気化学反応を生じる燃料電池と、前記燃料電池から、電気化学反応に用いられたオフガスが導出される第1の流路と、前記第1の流路に接続されたパージ弁と、前記パージ弁を介して前記第1の流路に接続され、前記パージ弁が開弁したときに、前記第1の流路に導出されたオフガスを燃料電池システムの外部に排出する第2の流路とを備え、前記第1の流路と第2の流路が、互いに接するように配置され、前記パージ弁が閉弁したときにおいても、前記第1の流路に導出されたオフガスの熱により、前記第2の流路が加温される
かかる構成によれば、燃料電池から第1の流路に導出されたオフガスの熱により、第2の流路を加温することができる。また、パージ弁が閉じられている場合であっても、第1の流路と第2の流路との熱伝導を良好にし、第2の流路を効率良く加温することができる。
ここで、前記第1の流路と前記パージ弁とを接続する開口と、前記パージ弁と前記第2の流路とを接続する開口とを、1つの平面内に配置することにより、第1の流路及び第2の流路と、パージ弁との組み付けが容易となり、また配管も簡単になる。
また、前記第1の流路に、前記燃料電池から導出されたオフガスから水分が分離される気液分離室が配設されており、前記パージ弁が開弁したときに、前記第1の流路においてオフガスから分離された水分が、オフガスと共に前記第2の流路を通って排出されるようにしても良い。
かかる構成によれば、気液分離室に導入されたオフガスの熱により、第2の流路を加温できるので、低温の環境下においても、第2の流路において水分が凍結するのを抑制することが可能になる。
さらに、前記気液分離室及び前記第2の流路を同一の筐体内に配置することにより、気液分離室と第2の流路との熱伝導を良好にし、第2の流路を効率良く加温することができる。
また、前記第2の流路や、前記第1の流路の内、少なくとも前記パージ弁の開口に接続される領域を絶縁材料によって形成することにより、前記パージ弁との絶縁性を維持することができる。
また、燃料ガス及び酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うセルが複数積層されてなり、前記セルの積層方向両端部に配置された一対のエンドプレートに挟持された燃料電池スタックと、絶縁材料によって形成され、前記パージ弁を前記エンドプレートに固定するための固定部材をさらに備えても良い。
かかる構成によれば、パージ弁をエンドプレートから絶縁しつつ、パージ弁をエンドプレートに対して固定することができるので、熱伝導と絶縁とを両立させることができる。
また、前記筐体を導電材料によって形成し、少なくとも、前記第1及び/又は第2の流路の絶縁材料と前記筐体の導電材料とを二色成型によって形成することにより、導電材料と絶縁材料との熱伝導を良好にし、第2の流路を効率良く加温することができる。
さらに、前記パージ弁が、樹脂材料によって形成されたモールドにより覆われたソレノイドを有しており、前記モールドに設けられた固定部材をさらに備えることにより、電位を有する部材(例えば、燃料電池のエンドプレート)であっても、そのような部材に対して絶縁性を維持しつつ、パージ弁を固定することができる。
本発明によれば、パージ弁よりも下流側の第2の流路を、燃料電池から導出されるオフガスの流路(例えば、気液分離器内)を通るように配設するので、オフガスの熱により第2の流路を加温することができる。従って、複雑な配管を設けることなく、パージ弁よりも下流側の流路(オフガスの排出路)における水分の凍結を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムについて、図1〜図4を参照しつつ説明する。
図1は、燃料電池システム1のシステム構成図である。この燃料電池システム1は、燃料電池自動車の車載発電システムや船舶、航空機、電車あるいは歩行ロボット等のあらゆる移動体用の発電システム、さらには、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システム等に適用可能である。
燃料電池システム1は、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電気化学反応により発電して電力を発生する燃料電池10を備えるとともに、この燃料電池10への酸化ガスとしての空気のガス供給を調整するカソード系の酸化ガス配管系2と、燃料ガスとしての燃料ガスのガス供給を調整するアノード系の燃料ガス配管系3とを備えている。
図2に示すように、燃料電池10は、反応ガスの供給を受けて電気化学反応により発電する単セル50を所要数積層して構成される燃料電池スタック51と、この燃料電池スタック51を積層方向両端部から挟持する一対のエンドプレート52及び53と、エンドプレート52及び53を連結するテンションプレート(図示略)とを有している。これらの燃料電池10等がスタックケース54内に収納されている。
酸化ガス配管系2は、加湿器20により加湿された酸化ガス(空気)を燃料電池10に供給する空気供給配管21と、燃料電池10のカソード側から排出されたガス(酸化オフガス)を加湿器20に導く排気配管22と、加湿器20から外部に酸化オフガスを導くための排出配管23とを備えている。空気供給配管21には、大気中の酸化ガスを取り込んで加湿器20に圧送するコンプレッサ24が設けられている。
燃料ガス配管系3は、高圧の燃料ガス(水素ガス)を貯留した燃料供給源としての燃料ガスタンク30と、燃料ガスタンク30に充填されている燃料ガスを燃料電池10に供給するための燃料供給配管31と、燃料電池10のアノード側から排出されたガス(燃料オフガス)を導く排気配管32と、排気配管32の燃料オフガスを燃料供給配管31に戻す循環配管33とを備えている。
燃料供給配管31は、燃料ガスタンク30に貯留されている燃料ガスを、燃料電池10に供給する。また、燃料供給配管31には、燃料ガスタンク30からの燃料ガスの供給を遮断又は許容するとともに、許容時に燃料ガスの圧力を調整する遮断弁付レギュレータ34が設けられている。なお、この遮断弁付レギュレータ34に換えて、上流側のガス状態(流量、圧力、温度、モル濃度等)を調整して下流側に供給するインジェクタを設けても良い。
排気配管32は、燃料電池10から排出された燃料オフガスを、気液分離器35に導入する。気液分離器35は、燃料オフガスに含まれている気体と液体(水分)とを互いに分離する。水分を分離されて残った気体(燃料オフガス)は、循環配管33に向けて導出される。
ここで、図3を参照すると、気液分離器35には、排気配管32及び循環配管33が接続されている。これらの配管は、望ましくは剛性が高い、金属等の導電材によって形成されており、公差吸収のため、気液分離器35に対して固定されている。また、排気配管32は、燃料電池スタック51の端部に配置されたエンドプレート52に固定されており、循環配管33は、燃料電池10に固定されている。それにより、気液分離器35のエンドプレート52や燃料電池10に対する位置が決定される。なお、気液分離器35の構造については、後で詳しく説明する。
循環配管33には、循環ポンプ38が設けられている。循環ポンプ38は、循環配管33内の燃料オフガスを吸引して加圧し、燃料供給配管31側へ吐出することにより、燃料電池10から排出される燃料オフガスの循環を調整する。燃料供給配管31に吐出された燃料オフガスは、再び燃料電池10に供給され、燃料ガスとして再利用される。
また、気液分離器35には、パージ弁36が設けられている。パージ弁36は、図示略の制御装置による制御の下で動作することにより、気液分離器35において分離された水分と、排気配管32内の不純物を含む燃料オフガスとを、排出配管37を介して外部に排出(パージ)する。
パージ弁36と排出配管37との間には、気液分離器35内に形成された流路(排出路66)が設けられている。また、排出配管37の先には、排出される燃料オフガスを、排出配管23を介して導入された酸化オフガスによって希釈する希釈器39が設けられている。
このような燃料電池システム1において、燃料ガスタンク30から供給された燃料ガスと、コンプレッサ24により取り込まれて加湿された酸化ガスとが、燃料電池10において電気化学反応を生じることにより、電気が発生する。
また、燃料電池10からの燃料オフガスは、排気配管32を通って気液分離器35に導入され、循環ポンプ38により循環配管33を介して燃料供給配管31に導入され、再び燃料電池10に導入される。さらに、適切なタイミングでパージ弁36が開かれると、気液分離器35内の燃料オフガスが排出され、排出配管37を介して希釈器39に導入される。その際に、気液分離器35において分離された水分も排出配管37を介して排出される。燃料オフガスは、希釈器39において、燃料電池10から排出された酸化オフガスにより希釈されて燃料電池システム1の外部に排出される。
次に、気液分離器35の構造について、図4を参照しながら説明する。気液分離器35は、分離空間60と、分離空間60の底位置よりも上側で側方に開口して排気配管32(図1参照)に接続される入口開口部61と、分離空間60の天井位置から上方に開口して循環配管33(図1参照)に接続される循環出口開口部62と、分離空間60の底部の高さ位置で入口開口部61とは反対の側方に開口する排出出口開口部63とを有している。
分離空間60は、入口開口部61から気液分離器35に導入された燃料オフガスが気体と液体とに分離する気液分離室である。ここで分離された液体(水分)は、分離空間60内に一旦溜まり、水分を分離された燃料オフガスは、循環出口開口部62から排出される。
また、気液分離器35は、排出出口開口部63の下側にこれと並んで設けられて側方に開口する排出路入口開口部65と、排出路入口開口部65から分離空間60と並んで所定距離延出した後に下方に屈曲する排出路66と、排出路66の末端から下方に開口して排出配管37(図1参照)に接続される排出路出口開口部67とを有している。
上記の排出路入口開口部65、排出路66及び排出路出口開口部67は、合成樹脂等の絶縁材からなる剛性の低い絶縁部69で形成されている。また、分離空間60、入口開口部61、循環出口開口部62及び排出出口開口部63は、すべて金属等の導電材からなる剛性の高い本体部70で形成されている。この本体部70は、さらに、絶縁部69の両側の開口端部69a及び69bを除く排出路66の外側をすべて覆っている。それにより、気液分離器35の外面の内、絶縁部69の開口端部69a及び69bを除く領域は、導電性の本体部70で形成されることになる。このような本体部70と絶縁部69とは、導電材と絶縁材との二色成型で形成されている。
また、上記の排出出口開口部63及び排出路入口開口部65は、気液分離器35の1つの側面である側面部71に形成されており、この側面部71にパージ弁36が接合される。
パージ弁36は、接合時に排出出口開口部63に連通する連通入口開口部73と、接合時に排出路入口開口部65に連通する連通出口開口部74とが、金属等の導電材からなる弁ケース75の1つの側面である側面部76に形成されており、連通入口開口部73から気液分離器35とは反対に延出する流路部77と、この流路部77の延出先端から下方に屈曲する流路部78と、この流路部78の下端から連通出口開口部74の方向に延出する流路部79とが弁ケース75内に形成されている。弁ケース75の流路部77と流路部78との境界位置には、上側に向いて弁座81が形成されており、弁座81の上側には、上下に移動して弁座81を開閉する弁体82が設けられている。弁ケース75の上面には、弁体82を駆動するソレノイド83が接合されている。ソレノイド83の内側には、下から順に弁体82、弁体82を下方に押圧するスプリング84、スプリング84を押さえるスプリング押さえ部材87が設けられている。ソレノイド83は、コイル85を絶縁性のモールド樹脂部86で被覆することにより形成されている。
パージ弁36の側面部76において、連通入口開口部73の周囲には、気液分離器35との接合面からのガスや水分の漏れを規制するOリング88が設けられている。また、連通出口開口部74の周囲にも、気液分離器35との接合面からのガスや水分の漏れを規制するOリング89が設けられている。
ソレノイド83が駆動されていない場合に、弁体82はスプリング84の付勢力で弁座81に着座した状態となっており、このとき、分離空間60と排出路66との連通は遮断されている。一方、ソレノイド83が駆動されると、弁体82がスプリング84の付勢力に抗して弁座81から離座し、分離空間60と排出路66とが流路部77〜79を介して連通する。それにより、分離空間60に溜まった水分が、オフガスの圧力でオフガスとともに排出される。
以上説明した第1の実施形態によれば、燃料電池スタック51から排出されたオフガスが通過する気液分離器35に、パージ弁36よりも下流側の排出路66を設けるので、パージ弁36が閉じられている間であっても、オフガスの熱により排出路66を加温することができる。それにより、低温の環境下においても、パージ弁36よりも下流側の排出路66の水分の凍結を抑制することができる。
また、気液分離器35と、パージ弁36よりも下流側の配管は、もともと近くに配設されているので、排出路66を気液分離器35に設ける際にも、別途配管を設ける等構成を複雑にしないで済む。
また、気液分離器35からパージ弁36への流路と、パージ弁36から気液分離器35に設けられた排出路66への流路とを、1つの平面(側面部71)に設けられた開口(排出出口開口部63及び連通入口開口部73、並びに、連通出口開口部74及び排出入口開口部)において連通させるので、気液分離器35とパージ弁36との組み付けが容易となる。また、それにより、公差による取り付け誤差を吸収するためのベローズやゴムホースを用いる必要がなくなる。その結果、パージ弁36から排出路66への経路長が短くなるので熱容量が小さくなり、排出路66がより温まり易くなると共に、排水性も良くなる。
加えて、気液分離器35が、導電性がある本体部70と排出路66を形成する絶縁部69とで形成されているため、静電気防止及び絶縁が可能となる。なお、排出路66を、絶縁材料ではなく、導電材料によって形成し(即ち、本体部70のみで一体形成し)、気液分離器35と排出路66よりも下流である排出配管37との間、あるいは排出配管37の途中に絶縁部を設けることも可能である。
さらに、気液分離器35は、導線性の本体部70と絶縁性の絶縁部69とが二色成型で形成されることで密に結合するため、排出路66への熱伝導率を上げることができ、熱をより有効に利用できる。
加えて、気液分離器35の外面の内、絶縁部69の開口端部69a及び69bを除く領域は、すべて導電性の本体部70で形成されているため、気液分離器35に導入されたオフガスの熱をより有効に利用できる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムについて、図5を参照しつつ第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、気液分離器35の排出路入口開口部65、排出路66、及び、排出路出口開口部67が絶縁部69によって形成されているのに加えて、さらに、排出出口開口部63も合成樹脂等の絶縁材からなる絶縁部91によって形成されている。つまり、パージ弁36への入口側及び出口側の両方が絶縁部とされている。これらの絶縁部69及び絶縁部91も、第1の実施形態と同様に、本体部70と共に二色成型によって形成されている。
また、パージ弁36のソレノイド83のモールド樹脂部86には、パージ弁36を他に固定するために、絶縁性の部材によって形成された固定部92が設けられている。
本実施形態において、固定部92を設ける理由は、次の通りである。即ち、第2の実施形態においても、気液分離器35からパージ弁36への流路と、パージ弁36から気液分離器35に設けられた排出路66への流路とが、1つの平面(側面部71)に設けられた開口において連通するように、気液分離器35とパージ弁36とが組み付けされる。ところが、パージ弁36への入口側及び出口側の両方を絶縁材料(絶縁部69及び91)によって形成すると、気液分離器35に対するパージ弁36の取り付け強度が十分でなくなるおそれが生じる。特に、本実施形態におけるように、パージ弁36としてソレノイド弁を用いる場合には、弁自体に比較的重量があるので、流路の連通部周辺以外にも、固定部材を設けることが望ましい。一方、パージ弁36の固定先は燃料電池10のエンドプレート52(図2参照)が適切であるが、電位を有している。
そこで、本実施形態においては、パージ弁36の内、絶縁性の材料によって形成されているモールド樹脂部86に、固定部92を斜め上向きの側方に延出して形成し、この固定部92をエンドプレート52に直接ボルト止めする構造を採用している。それにより、パージ弁36をエンドプレート52から絶縁しつつ、パージ弁36をエンドプレート52に対して固定することが可能になる。
以上説明した本発明の第1及び第2の実施形態においては、気液分離器35の筐体とも呼べる本体部70の内部に、分離空間60に近接するように排出路66を配置した。しかしながら、排出路66の配置はこれらの実施形態に限定されず、パージ弁36よりも下流に配置される排出路66が、パージ弁36よりも上流の流路を通過するオフガスの熱によって加温される構成であればどのような形態であっても良い。例えば、排出路66を気液分離器35の外側に直接接触するように設けても良いし、それらの間に熱伝導率の高い材料を介在させても良い。或いは、排出路66を分離空間60の中を通るように配設しても良い。
また、以上の実施形態においては、気液分離器においてオフガスから液体(水分)を分離し、分離された水分をオフガスと共に燃料電池システムの外部に排出する構成について説明した。しかしながら、本発明は、気液分離器の代わりに単なる配管を設け、オフガスから特に水分を分離することなく、オフガスを燃料電池に循環させたり、燃料電池システムの外部に排出する構成にも適用することができる。例えば、図4に示すパージ弁36の連通入口開口部73に、燃料電池からオフガスが導出される第1の配管を接続し、パージ弁36の連通出口開口部74に、オフガスを燃料電池システムの外部に排出する第2の配管を接続する。そして、第2の配管を第1の配管に近接して配置する。それにより、パージ弁36が閉弁している間であっても、第1の配管を通過するオフガスの熱により、第2の配管を温めることができる。それにより、低温の環境下においても、第2の配管に滞留する水分が凍結するのを抑制することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムを示す構成図である。 図1に示す燃料電池の内部を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの要部を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの要部を示す正断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムの要部を示す正断面図である。
符号の説明
1…燃料電池システム、10…燃料電池、35…気液分離器、36…パージ弁、60…分離空間、66…排出路、69…絶縁部、69a,69b…開口端部、70…本体部、71…側面部、83…ソレノイド、86…モールド樹脂部、92…固定部

Claims (9)

  1. 燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池システムにおいて、
    燃料ガス及び酸化ガスの供給を受けて電気化学反応を生じる燃料電池と、
    前記燃料電池から、電気化学反応に用いられたオフガスが導出される第1の流路と、
    前記第1の流路に接続されたパージ弁と、
    前記パージ弁を介して前記第1の流路に接続され、前記パージ弁が開弁したときに、前記第1の流路に導出されたオフガスを燃料電池システムの外部に排出する第2の流路と、を備え、
    前記第1の流路と第2の流路が、互いに接するように配置され、
    前記パージ弁が閉弁したときにおいても、前記第1の流路に導出されたオフガスの熱により、前記第2の流路が加温される、燃料電池システム。
  2. 前記第1の流路と前記パージ弁とを接続する開口と、前記パージ弁と前記第2の流路とを接続する開口とが、1つの平面内に配置されている、請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記第1の流路に、前記燃料電池から導出されたオフガスから水分が分離される気液分離室が配設されており、
    前記パージ弁が開弁したときに、前記第1の流路においてオフガスから分離された水分が、オフガスと共に前記第2の流路を通って排出される、
    請求項1又は2記載の燃料電池システム。
  4. 前記気液分離室及び前記第2の流路が、同一の筐体内に配置されている、請求項記載の燃料電池システム。
  5. 前記第2の流路が絶縁材料によって形成されている、請求項記載の燃料電池システム。
  6. 前記第1の流路の内、少なくとも前記パージ弁の開口に接続される領域が、絶縁材料に
    よって形成されている、請求項記載の燃料電池システム。
  7. 燃料ガス及び酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うセルが複数積層されてなり、前記セルの積層方向両端部に配置された一対のエンドプレートに挟持された燃料電池スタックと、
    絶縁材料によって形成され、前記パージ弁を前記エンドプレートに固定するための固定部材をさらに備える請求項1記載の燃料電池システム。
  8. 前記筐体が導電材料によって形成されており、
    少なくとも、前記第1及び/又は第2の流路の絶縁材料と前記筐体の導電材料とが、二色成型によって形成されている、
    請求項又は記載の燃料電池システム。
  9. 前記パージ弁が、樹脂材料によって形成されたモールドにより覆われたソレノイドを有しており、
    前記モールドに設けられた固定部材をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項記載の燃料電池システム。
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