JP2007179833A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】システムの停止時に乾燥ガスを生成して燃料電池スタックの内部に供給し、水分を除去することのできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池システム1は、冷却された凝縮体によって燃料電池スタック4に供給されるガスの水分を凝縮させて乾燥ガスを生成する凝縮器23を備え、システムの運転停止時に凝縮器23を作動させて燃料電池スタック4に供給されるガスを乾燥し、この乾燥ガスによって燃料電池スタック4の内部の水分量が予め設定した所定の水分量になると、燃料電池スタック4の運転を停止することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特にシステムの停止時に乾燥ガスを燃料電池内部に供給して水分を除去する燃料電池システムに関する。
近年の環境問題、特に自動車の排気ガスによる大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化の問題に対して、クリーンな排気及び高いエネルギー効率を可能とする電力源として、燃料電池技術が注目されている。
この燃料電池は、燃料ガスとしての水素ガスと酸化剤ガスとしての空気を燃料電池スタックに供給し、電気化学反応を起こして化学エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換システムである。
このような燃料電池の1つである高分子電解質型の燃料電池では、電解質膜が電気化学反応を促進するために含水していることが必要であるとともに、電気化学反応によって水が生成される。しかし、システムの停止後の負荷電流の取り出しがないときにこの水が電解質膜に残留していると、電解質膜等が劣化したり、次回起動時にフラッディングを起こしたり、零下起動時に凍結で発電障害を起こしたりする問題があることから、システム停止時には燃料電池内部の水分を除去する必要があった。
そこで、従来では燃料電池の通常運転終了後に、空気供給経路と水素供給経路に所定の乾燥空気を供給するとともに、冷却水流路を加熱して燃料電池内部の水分を除去していた。このような燃料電池システムの従来例として、例えば特開2002−246054号公報(特許文献1)が開示されている。
この従来例では、冷却水流路に冷却部と加熱部とを設け、冷却部では燃料電池の通常運転時に冷却水を冷却し、加熱部では水分除去運転時に冷却水を加熱している。そして、燃料電池の通常運転終了後には冷却水流路を加熱部側に切り替えて燃料電池内部の水分を除去していた。
特開2002−246054号公報
しかしながら、上述した従来の燃料電池システムでは、燃料電池内部の温度を上昇させることによって水分を蒸発させて除湿していたので、低負荷運転などによって燃料電池の温度が低い場合には、燃料電池の温度を上げるためだけに発電したり、除湿のために長時間パージを継続する必要が生じてしまうという問題点があった。
また、雨天時などには高湿度の空気を用いることになるので、パージ時間が長くなるなどの環境変化による影響を受け易くなるという問題があり、そのような環境変化を考慮して余裕をもった制御設計が求められ、これもシステムとしての効率を落す要因となっていた。さらには燃料電池を通過した水分パージ用不活性ガスを排出する際の騒音も問題であった。
上述した課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムであって、前記燃料電池に供給されるガスの水分を凝縮させる凝縮手段と、前記凝縮手段を通過するガスの圧力を上昇させる圧力増加手段と、前記燃料電池の運転停止時に前記凝縮手段と前記圧力増加手段とを作動させて前記燃料電池に供給されるガスを乾燥させ、この乾燥ガスによって前記燃料電池内部の水分量が予め設定した所定の水分量になると前記燃料電池の運転を停止する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムでは、凝縮手段によって燃料電池に供給されるガスの水分を凝縮させて乾燥させるとともに、圧力増加手段によって凝縮手段を通過するガスの圧力を上昇させるので、乾燥度の高い水分除去ガスを生成して燃料電池に供給することができ、これによって燃料電池内部からの水の持ち出し量が増大して環境条件や運転条件に左右されずに除湿時間を大幅に短縮することができ、システムの運転停止処理にかかる総合的な時間を短縮することができる。
また、短時間であっても確実に除湿できるので、燃料電池の劣化を抑制するためにも有効である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム1は、燃料極2に供給される水素ガスと酸化剤極3に供給される空気とを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池スタック4と、燃料電池システム1を制御するECU(制御手段)5と、水素ガスを貯蔵する高圧水素容器6と、高圧水素容器6から燃料電池スタック4の燃料極2に水素ガスを供給する水素供給配管7と、高圧水素容器6から供給される高圧水素を燃料電池スタック4の運転条件に適した圧力にまで減圧する水素調圧弁8と、燃料電池スタック4の運転停止時に水素ガスの供給を遮断する水素供給開閉弁9と、燃料極2から排出された水素や酸化剤極3から燃料極2に透過してきた不純物ガスを排出する水素排出配管10と、水素排出配管10から外気へガスを排出する水素排出開閉弁11と、燃料極2の出口圧力を検出する水素圧力センサ12と、燃料極2で消費されなかった水素ガスを燃料極2の入口へ再循環させる水素循環配管(燃料循環配管)13と、水素循環配管13内の水素ガスを循環させる水素循環ポンプ14と、外部から吸入した空気を加圧して送出する空気ブロア21と、空気ブロア21から送出された圧縮空気を燃料電池スタック4の酸化剤極3に供給する空気供給配管22と、空気ブロア21から送出された圧縮空気を凝縮させて乾燥ガスを生成する凝縮器23と、酸化剤極3に供給される空気流量を調整するための空気供給量調整弁24と、酸化剤極3から排出された空気を外気へ排出する空気排出配管25と、空気排出配管25から外気へガスを排出する空気排出開閉弁26と、酸化剤極3の出口圧力を検出する空気圧力センサ27と、燃料電池スタック4の発電状態をモニタする電圧センサ28とを備えている。
ここで、上述した燃料電池システム1において、燃料電池スタック4では燃料極2に燃料ガスである水素ガスが供給され、酸化剤極3に酸化剤ガスである空気が供給されて以下に示す電気化学反応によって発電が行われている。
アノード(燃料極):H2→2H++2e- (1)
カソード(酸化剤極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)
また、燃料極2に水素ガスを供給する水素供給系では、高圧水素容器6から水素供給配管7を通じて燃料電池スタック4の燃料極2に水素ガスが供給される。このとき高圧水素容器6から供給される高圧水素は、水素調圧弁8の開度を調節することによって燃料極2における水素ガスの圧力が所望の圧力になるように制御されている。ここで、水素調圧弁8の開度は、水素圧力センサ12で検出された水素圧力をECU5にフィードバックすることによって制御されている。また、燃料極2で消費されなかった水素ガスは水素循環ポンプ14によって水素循環配管13を通じて燃料極2の入口に再循環されている。さらに、水素供給系内に蓄積した窒素などの不純物は、水素排出配管10を通じて水素排出開閉弁11によって系外に排出されている。
一方、酸化剤ガスである空気を供給する空気供給系では、空気ブロア21によって加圧された空気が空気供給配管22を通じて燃料電池スタック4の酸化剤極3に供給されている。ここで、燃料電池システム1の通常運転時には、凝縮器23は機能していないが、システム停止時には凝縮器23によって空気ブロア21から供給される空気の水分を凝縮させて乾燥させ、この乾燥ガスを酸化剤極3に供給している。
ECU5は、例えば中央演算ユニット(CPU)、ランダムアクセスメモリ8RAM、リードオンリーメモリ(ROM)、及び入出力インターフェース(I/Oインターフェース)を有するマイクロコンピュータによって構成されている。ただし、ECU5を複数のマイクロコンピュータによって構成することも可能であり、後述する停止制御処理の制御の他にも複数の制御を実行する装置として構成してもよい。
またECU5では、空気圧力センサ27によって検出された酸化剤極3における空気圧の検出値がフィードバックされ、この検出値に基づいて空気ブロア21の回転数及び空気供給量調整弁24の開口面積を調節することによって酸化剤極3における空気圧を制御している。
さらに、ECU5は、水素圧力センサ12や空気圧力センサ27、電圧センサ28などの各種センサから検出された検出値に基づいてシステム内の各弁や空気ブロア21、水素循環ポンプ14、凝縮器23などを制御している。
次に、第1の実施形態に係る燃料電池システム1に設置された凝縮器23の構造を図2に基づいて説明する。図2に示すように、本実施形態の凝縮器23は、空気ブロア21(図1)から供給された空気が通過する凝縮器配管51と、供給された空気の露点温度以下の温度に冷却された凝縮体(凝縮手段)52と、凝縮体52の下流で空気ブロア21の供給圧を利用して凝縮体52の空間圧力を増加させる絞り弁(圧力増加手段)53と、絞り弁53の下流で凝縮体52によって吸熱された熱を放熱するための放熱体(放熱手段)54と、凝縮体52と放熱体54との間に冷媒を循環させる冷媒配管55と、凝縮体52で吸熱した際に膨張及び気化した冷媒を圧縮して液化するためのコンプレッサ56と、凝縮体52の上流で冷媒を減圧して温度を下げる絞り57と、凝縮体52で凝縮した水分を一時的に溜めるためのドレインパン58と、凝縮体52の下部とドレインパン58との隙間を空気がバイパスしないようにドレイン水を利用して空気の流れを妨げる気液分離板59と、所定量の凝縮水がドレインパン58に溜まると系外へ排出するドレイン配管60とを備えている。
この凝縮器23は、通常運転時には凝縮体52と放熱体54はオフにされ、絞り弁53は全開にされているので、空気ブロア21から供給された空気は凝縮器23を通過する。一方、システム停止時には凝縮体52はオンされて空気ブロア21から供給された空気の露点温度以下に冷却されて空気中の水分を凝縮させ、乾燥させる。さらに、このとき絞り弁53を所定開度だけ閉じて凝縮体52の部分の空気圧力を上昇させて空気中の水分の凝縮を促進する。その後、絞り弁53を通過して圧力及び温度の低下した空気は、放熱体54で加熱されて酸化剤極3に供給される。
このようにして凝縮器23では、空気ブロア21から供給された空気中の水分を凝縮して除去し、乾燥させた空気を酸化剤極3に供給している。
次に、本実施形態の燃料電池システム1による停止制御処理を図3のフローチャートに基づいて説明する。図3に示すように、燃料電池システム1に対して停止指令が入力されるとECU5による停止制御処理が開始され(S100)、まず残存燃料ガスの処理が行われる(S110)。この残存燃料ガスの処理としては、システム停止後における無用の電気化学反応(発電)を防止するために水素供給開閉弁9を閉じ、燃料極2の残存水素を電圧センサ28の情報に基づいて所定濃度、例えばシステム停止時における膜劣化の影響がでない程度まで消費する。
そして、このステップS110と一部並行して水分除去処理を行なう(S120)。この水分除去処理では、まず燃料電池スタック4内部の水分を除去するための乾燥ガスを生成するために、凝縮器23をONにして(S121)、凝縮体52を空気ブロア21から供給される空気の露点温度以下に冷却する。さらに凝縮体52における凝縮を促進させるために絞り弁53を、凝縮器23の性能よって決定される所定開度だけ絞って凝縮体52周辺の圧力を上昇させる(S122)。なお、この絞り弁53は停止制御処理以外の通常運転時には全開の状態とし、空気供給の妨げとならないようにしている。
こうして水分除去処理が実行されると、凝縮器23によって乾燥ガスが生成され、燃料電池スタック4の酸化剤極3に供給される。そして、予め設定されている所定時間が経過したか否かを監視し(S130)、所定時間が経過したら、次に水分除去処理を終了するための処理を実行する(S140)。ここで、この所定時間は、例えば燃料電池スタック4の水分を除去するために必要となる乾燥ガスの供給時間を予め実験などによって求めて設定しておいたものである。
そして、燃料電池スタック4の水分除去処理を終了するために、まず凝縮器23をOFFにし(S141)、絞り弁53を全閉にして(S142)、水分除去処理を終了する。なお、ここで絞り弁53を全閉にするのは、水素供給開閉弁9と同様にシステムの運転停止時に酸化剤極3に空気が侵入して、残存水素との間の無用な電気化学反応(発電)を防止するためである。
こうして水分除去処理が終了すると、次に乾燥ガスの供給が不要となるので、空気ブロア21あるいは水素循環ポンプ14をOFFにし(S150)、電圧センサ28からの情報に基づいて、停止時間短縮のために水分除去処理と一部並行して実行していたステップS110の残存燃料ガスの処理が終了しているか否かを確認し(S160)、終了していることが確認できたら、全ての停止制御処理を終了して燃料電池スタック4への不純物侵入を防止するために水素排出開閉弁11と空気排出開閉弁26を閉じて(S170)、本実施形態の燃料電池システム1による停止制御処理を完了し、燃料電池システム1を停止する。
このように、本実施形態の燃料電池システム1では、凝縮体52によって燃料電池スタック4に供給されるガスの水分を凝縮させて乾燥させるとともに、絞り弁53によって凝縮体52を通過するガスの圧力を上昇させるので、乾燥度の高い水分除去ガスを生成して燃料電池スタック4に供給することができ、これによって燃料電池内部から持ち出される水分量が増大して環境条件や運転条件に左右されずに除湿時間を大幅に短縮することができ、システムの運転停止処理にかかる総合的な時間を短縮することができる。特に、起動と停止が頻繁に行われる移動体用の燃料電池システムとして実用性を向上させることができる。さらに、短時間であっても確実に除湿できるので、燃料電池の劣化を抑制するためにも有効である。
また、本実施形態の燃料電池システム1では、凝縮体52を通過して乾燥したガスに放熱する放熱体54を備え、凝縮体52と放熱体54との間に絞り弁53を配置したので、凝縮体52で水分を除去した後の乾燥ガスを、凝縮体52の廃熱を利用して放熱体54で再加熱することができ、これによって乾燥ガスの乾燥度を上昇させて燃料電池スタック4から持ち出される水蒸気量が増大し、乾燥時間を短縮することができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム1では、空気供給配管22に凝縮体52と絞り弁53とを設置し、燃料電池スタック4の運転停止時に空気ブロア21を作動させて凝縮体52と絞り弁53にガスを供給するようにしたので、空気ブロア21を通常運転時には空気を供給するための供給ブロアとして動作させ、運転停止時には乾燥ガスを循環させるための循環ブロアとして動作させることができ、これによって低コストでシステムを構成することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図4は、本実施形態の燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態の燃料電池システム61は、燃料電池スタック4から排出された排出ガスを凝縮器70の上流へ循環させる空気循環配管62と、空気ブロア21に供給される空気の流路を外気側と空気循環配管62側とに切り替える供給切替弁63と、燃料電池スタック4から排出されたガスの流路を空気循環配管62側と空気排出開閉弁26側とに切り替える排気切替弁64とをさらに備えたことが第1の実施形態と異なっており、その他の構成については第1の実施形態と同様なので、詳しい説明は省略する。
次に、第2の実施形態に係る燃料電池システム61に設置された凝縮器70の構成を図5に基づいて説明する。図5に示すように、本実施形態の凝縮器70は、空気ブロア21(図4)から供給された空気が通過する凝縮器配管71と、供給された空気の露点温度以下の温度に冷却された凝縮体(凝縮手段)72と、凝縮体72の下流で空気ブロア21の供給圧を利用して凝縮体72の空間圧力を増加させる絞り弁(圧力増加手段)73と、絞り弁73の下流で凝縮体72によって吸熱した熱を放熱するための放熱体(放熱手段)74と、凝縮体72で吸収した熱を放熱体74に伝達するペルチェ素子75と、空気の出入口を仕切る断熱材76と、凝縮体72で生成された飛沫水を捕捉するためのミストトラップ板77と、凝縮体72で凝縮した水分を一時的に溜めるためのドレインパン78と、凝縮体72の下部とドレインパン78との隙間を空気がバイパスしないようにドレイン水を利用して空気の流れを妨げる気液分離板79と、所定量の凝縮水がドレインパン78に溜まると系外へ排出するドレイン配管80と備えている。
このように本実施形態の凝縮器70では、凝縮体72と放熱体74との間にペルチェ素子75を熱結合して構成している。したがって、ペルチェ素子75に凝縮体72が冷却端(吸熱)となるように駆動電流を流すと、凝縮体72で吸熱した熱量と駆動損失とを合わせた熱量が放熱体74へ伝達される。また、凝縮体72と放熱体74の形状は、通過するガスとの間の熱伝達を良くするために、図6に示すようなハニカム状か、あるいはフィン形状にすることが望ましい。
本実施形態の凝縮器70では、ペルチェ素子75の効率を最大限に利用するためにガス流路を折り返す構造にして伝熱経路を最短にしている。このためガスの出入口における管壁でペルチェ素子75の伝熱経路からの熱漏れを防ぐためにガスの出入口は断熱材76で仕切られている。さらに、入口側管壁では加圧により凝縮する効果が期待できるが、出口側からの熱でこの凝縮が阻害される場合がある。しかし、断熱材76で出入口を仕切ったことにより、入口側管壁での凝縮を阻害することがなくなる。
次に、本実施形態の燃料電池システム61による停止制御処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。図7に示すように、燃料電池システム61に対して停止指令が入力されるとECU5により停止制御処理が開始され(S200)、まず残存燃料ガスの処理が行われる(S210)。この残存燃料ガスの処理としては、システム停止後における無用の電気化学反応(発電)を防止するために水素供給開閉弁9を閉じ、燃料極2の残存水素を電圧センサ28の情報に基づいて所定濃度、例えばシステム停止時における膜劣化の影響がでない程度まで消費する。
そして、このステップS210と一部並行して水分除去処理を行なう(S220)。この水分除去処理では、まず供給切替弁63と排気切替弁64とを空気循環配管62側へ切り替えて(S221)、燃料電池スタック4内に残存した空気を循環させる。そして、燃料電池スタック4内部の水分を除去するための乾燥ガスを生成するために、凝縮器70をONにして(S222)、凝縮体72を空気ブロア21から供給される空気の露点温度以下に冷却する。さらに凝縮体72における凝縮を促進させるために絞り弁73を、凝縮器70の性能よって決定される所定開度だけ絞って凝縮体72周辺の圧力を上昇させる(S223)。なお、この絞り弁73は停止制御処理以外の通常運転時には全開の状態とし、空気供給の妨げとならないようにしている。
こうして水分除去処理が実行されると、凝縮器70によって乾燥ガスが生成され、燃料電池スタック4の酸化剤極3に供給される。そして、予め設定されている所定時間が経過したか否かを監視し(S230)、所定時間が経過したら、次に水分除去処理を終了するための処理を実行する(S240)。ここで、この所定時間は、例えば燃料電池スタック4の水分を除去するために必要となる乾燥ガスの供給時間を予め実験などによって求めて設定しておいたものである。
そして、燃料電池スタック4の水分除去処理を終了するために、まず供給切替弁63を外気から吸入する側へ戻し、排気切替弁64を空気排出開閉弁26側へ戻して(S241)、凝縮器70をOFFにし(S242)、絞り弁73を全閉にして(S243)、水分除去処理を終了する。なお、ここで絞り弁73を全閉にするのは、水素供給開閉弁9と同様にシステムの運転停止時に酸化剤極3に空気が侵入して、残存水素との間の無用な電気化学反応(発電)を防止するためである。
こうして水分除去処理が終了すると、次に乾燥ガスの供給が不要となるので、空気ブロア21あるいは水素循環ポンプ14をOFFにし(S250)、電圧センサ28からの情報に基づいて停止時間短縮のために水分除去処理と一部並行して実行していたステップS210の残存燃料ガスの処理が終了しているか否かを確認し(S260)、終了していることが確認できたら、全ての停止制御処理を終えて燃料電池スタック4への不純物侵入を防止するために水素排出開閉弁11と空気排出開閉弁26を閉じて(S270)、本実施形態の燃料電池システム61による停止制御処理を完了し、燃料電池システム61を停止する。
このように本実施形態の燃料電池システム61では、上述した第1の実施形態に乾燥ガスを循環させための空気循環配管62と空気の流れを切り替える供給切替弁63、64を追加しただけの簡単な構成によって、導入した空気の温度や湿度、あるいはシステムの運転状態に影響を受けることなく常に自律的な水分除去処理が可能となる。例えば、システムを停止する直前の運転時間が短い場合には、燃料電池スタック4の温度が低いので、燃料電池スタック4の内部の飽和水蒸気圧が低くなって水分の持ち出し量が低下する場合がある。このような場合には、空気ブロア21の供給圧を上げて、凝縮器70における露点を上昇させ、低温でも凝縮するように制御することによって、凝縮器70における凝縮量を増すことによって対処することが可能となる。さらに、燃料電池スタック4の運転を継続するようにしてもよいし、ヒータ等を設置して温度を上昇させる手段と組み合わせるようにしてもよい。
また、クローズシステムとなることから、外部への排出は水のみとなり、排気性能や騒音性能(静粛性)などの点でも有利となる。特に、リモートシステム(インテリジェントキー)と組み合わせるように設計した場合には、運転者が車両(操作盤)を離れた後も水分除去処理のみを継続して、十分に理想的な水分量になってから自動停止するようにしても、排気性能や騒音性能が有利な分だけ実用性の高いシステムを設計することができ、システムの停止時間を短縮できるだけでなく、実用性能を向上させることもできる。
このように、本実施形態の燃料電池システム61では、燃料電池スタック4の運転停止時に空気循環配管62を通じて排出ガスを凝縮器70の上流へ循環させるので、気温や湿度などの外気条件の変動に左右されることがなくなって制御性を向上させることができる。また、閉空間である空気循環配管62内で乾燥処理を行うので、パージしていた従来の燃料電池システムと比較して騒音を低減することができる。さらに、燃料電池スタック4で暖められたガスを再利用することができるので、高温で低湿度の乾燥ガスを循環させて効率良く燃料電池スタック4から水分を除去することができる。
また、本実施形態の燃料電池システム61では、凝縮体72と放熱体74との間の熱の伝達をペルチェ素子75によって行なうので、システム停止時に電圧上昇制限処理で余剰となった電力を利用してペルチェ素子75を用いた凝縮器70を作動させることができ、これによってエネルギー効率のよい水分除去を実現することができる。また、可動部がないので、振動騒音性能や耐久信頼性を向上させることができる。さらに、冷媒を使用しないので、環境に対する負荷を低減することもできる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を図8に基づいて説明する。図8は、本実施形態の燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図8に示すように、本実施形態の燃料電池システム81は、酸化剤極3から排出された排出ガスを水素循環配管13に連通させる空気連通配管82と、空気連通配管82側へ水素循環配管13の流路を切り替える水素循環切替弁83と、燃料極2から排出された排出ガスを空気循環配管62に連通させる水素連通配管84と、水素連通配管84側へ水素排出配管10の流路を切り替える空気循環切替弁85と、循環している乾燥ガスの圧力を減圧する吸引ポンプ(減圧手段)86と、システムの周囲温度を検出する外気温センサ(外気温検出手段)87と、燃料極2から排出される排出ガスの水素濃度を検出する水素濃度センサ88と、酸化剤極3から排出される排出ガスの酸素濃度を検出する酸素濃度センサ89と、燃料極2と酸化剤極3との間の含水量を検出するために電気抵抗を測定する交流抵抗計(含水量検出手段)99とをさらに備えたことが第2の実施形態と異なっており、その他の構成については第2の実施形態と同様なので、詳しい説明は省略する。
ここで、排気切替弁64は、酸化剤極3から排出された排出ガスを、空気排出開閉弁26側と空気循環配管62側と空気連通配管82側とに切り替え可能となるように構成されている。
次に、第3の実施形態に係る燃料電池システム81に設置された凝縮器90の構成を図9に基づいて説明する。図9に示すように、本実施形態の凝縮器90は、空気ブロア21(図8)から供給された空気が通過する凝縮器配管91と、供給された空気の露点温度以下の温度に冷却された凝縮体(凝縮手段)92と、凝縮体92の下流で空気ブロア21の供給圧を利用して凝縮体92の空間圧力を増加させる絞り弁(圧力増加手段)93と、凝縮器配管91の外側に設置されて外気に熱を放出する放熱フィン(放熱手段)94と、凝縮体92と放熱フィン94との間を熱結合したヒートパイプ95と、凝縮体92で凝縮した水分を一時的に溜めるためのドレインパン96と、凝縮体92の下部とドレインパン96との隙間を空気がバイパスしないようにドレイン水を利用して空気の流れを妨げる気液分離板97と、所定量の凝縮水がドレインパン96に溜まると系外へ排出するドレイン配管98とを備えている。
このように本実施形態の凝縮器90では、空気ブロア21から供給された空気の温度と外気温との温度差を利用した最も簡単な構成となっており、外気温を利用した受動的な凝縮手段ではあるものの凝縮体92の空間圧力を加圧することによって、高温高湿度の一巡乾燥ガスの露点を凝縮器配管91の温度以上に高めることは容易である。例えば、燃料電池スタック4の運転時の内部温度を80℃と仮定すると、一巡乾燥ガスの露点はほぼ80℃(飽和状態)で空気ブロア21へ還流する。従って、凝縮器配管91も最大で80℃となる。ここで、空気ブロア21と絞り弁93との関係から凝縮体92の部分の空間圧力を130kPa_absにすると、露点は約86℃となる。したがって、放熱量がほぼゼロであっても露点6度相当は凝縮させることが可能である。さらに、放熱して凝縮体92及び凝縮器配管91の温度が50℃である場合には86℃との差分36℃相当(水蒸気圧換算で60.834−12.345=48.489kPa)の凝縮水を乾燥ガスから除去することが可能である。
次に、交流抵抗計99による燃料電池スタック4の含水量の検出方法を図10に基づいて説明する。図10に示すように、燃料電池スタック4は、燃料極2に水素が供給され、酸化剤極3に空気が供給されて発電する燃料電池セル41を複数積層することによって構成されており、各燃料電池セル41は、高分子電解質膜42の両面に触媒層(図示せず)とガス拡散層43を配置して膜電極接合体(MEA)を構成し、さらにその外側に水素ガスを供給するための水素ガス流路44を有する燃料極セパレータ45と、空気を供給するための空気ガス流路46を有する酸化剤極セパレータ47とを配置して構成されている。
ここで、交流抵抗計99は、酸化剤極セパレータ47と燃料極セパレータ45との間の電気抵抗を交流インピーダンス法により検出し、予め設定された含水量マップや特性式を用いて燃料極2と酸化剤極3との間の含水量を検出している。 また、含水量を検出するための別の方法としては、図11に示すように電気抵抗が含水することによって変化する水分センサ48を、高分子電解質膜42の膜面上に複数箇所あるいは代表点1点に貼付して、高分子電解質膜42に平行な方向の含水量を検出するように構成することもできる。
尚、水分センサ48としては、静電容量式感湿素子や光ファイバ式感湿素子などを適用することができる。また、複数箇所に水分センサ48を貼付した場合には、複数の水分センサ48を直列接続することによって容易に平均値を得ることができる。これにより、例えば水分除去処理で乾燥しやすい部位と乾燥し難い部位とに水分センサ48をそれぞれ貼付しておけば、それらを直列接続することによって、その平均値により高分子電解質膜42の平均的な乾燥状態(水分除去状態)を判定することができる。
次に、本実施形態の燃料電池システム81による停止制御処理を図12のフローチャートに基づいて説明する。図12に示すように、燃料電池システム81に対して停止指令が入力されるとECU5により停止制御処理が開始され(S300)、まず残存燃料ガスの処理が行われる(S310)。この残存燃料ガスの処理としては、システム停止後における無用の電気化学反応(発電)を防止するために水素供給開閉弁9を閉じ、燃料極2の残存水素を電圧センサ28の情報に基づいて所定濃度、例えばシステム停止時における膜劣化の影響がでない程度まで消費する。
具体的には、空気ブロア21及び水素調圧弁8をそれぞれ調整しながら、酸化剤極3の酸素濃度と燃料極2の水素濃度とを発電で消費させて濃度を下げてゆく。このとき、酸素1molに対して水素2molが消費されることから、双方の極内の圧力にアンバランスが生じる。しかし、過度のアンバランス(差圧)は膜電極接合体(MEA)の破損に繋がるため、水素圧力センサ12と空気圧力センサ27の情報に基づいて空気ブロア21と水素調圧弁8を微調整しながら処理を進めていく。また、空気循環配管62と水素循環配管13とを含む総容積は、このときの処理に適合させて適切な容積に設計しておく。そして、この処理は酸化剤極3の酸素濃度が所定値以下になったときに完了し、この処理完了時点における酸化剤極3の残留ガスは、高濃度窒素ガスに水蒸気と残存酸素とからなる良好な不活性ガスとなる。したがって、このガスは燃料極2へ供給することが可能となる。
そして、このステップS310と一部並行して水分除去処理を行なう(S320)。この水分除去処理では、まず供給切替弁63と排気切替弁64とを空気循環配管62側へ切り替えて(S321)、燃料電池スタック4内に残存した空気を循環させる。そして、燃料電池スタック4内部の水分を除去するための乾燥ガスを生成するために、凝縮器90をONにして(S322)、凝縮体92を空気ブロア21から供給される空気の露点温度以下に冷却する。さらに、凝縮体92における凝縮を促進させるために絞り弁93を、凝縮器90の性能によって決定される所定開度だけ絞って凝縮体92周辺の圧力を上昇させる(S323)。尚、この絞り弁93は停止制御処理以外の通常運転時には全開の状態とし、空気供給の妨げとならないようにしている。
こうして水分除去処理が実行されると、凝縮器90によって乾燥ガスが生成され、燃料電池スタック4の酸化剤極3に供給される。そして、酸化剤極3の残留酸素を含む不活性(乾燥)ガスを燃料極2へ供給可能であるか否かを酸素濃度センサ89及び水素濃度センサ88の検出情報に基づいて判断し(S324)、所定の濃度以下になったら、排気切替弁64を空気排出開閉弁26側から空気連通配管82側へ切り替える(S325)。さらに、水素循環切替弁83を空気連通配管82側へ切り替えるとともに空気循環切替弁85を水素連通配管84側へ切り替えて(S326)、酸化剤極3からの不活性(乾燥)ガスが水素循環配管13へ供給されるようにする。このとき、先の処理で生じた酸化剤極3と燃料極2との差圧に注意しながら、水素循環切替弁83を徐々に切り換えるようにする。
そして、酸化剤極3と燃料極2の圧力がほぼ等しくなっていること(差圧≒ゼロ)を、空気圧力センサ27と水素圧力センサ12によって判定できたら、吸引ポンプ86で不活性ガスの一部を所定圧力になるまで吸引して排出する(S327)。この結果、燃料電池スタック4の両極が共に減圧される。
こうして水分除去処理が実行されたら、交流抵抗計99によって燃料電池スタック4の含水量を検出して所定値以下になったか否かを監視し(S330)、所定値以下になったら、次に水分除去処理を終了するための処理を実行する(S340)。
まず、燃料電池スタック4の水分除去処理を終了するために、水素循環切替弁83を水素循環配管13側へ戻すとともに空気循環切替弁85を水素排出開閉弁11側へ戻す(S341)。さらに、供給切替弁63を外気から吸入する側へ戻し、排気切替弁64を空気排出開閉弁26側へ戻して(S342)、凝縮器90をOFFにし(S343)、絞り弁93を全閉にして(S344)、水分除去処理を終了する。なお、ここで絞り弁93を全閉にするのは、水素供給開閉弁9と同様にシステムの運転停止時に酸化剤極3に空気が侵入して、残存水素との間の無用な電気化学反応(発電)を防止するためである。
こうして水分除去処理が終了すると、次に乾燥ガスの供給が不要となるので、空気ブロア21あるいは水素循環ポンプ14をOFFにし(S350)、電圧センサ28からの情報に基づいて停止時間短縮のために水分除去処理と一部並行して実行しているステップS310の残存燃料ガスの処理が終了しているか否かを確認し(S360)、終了していることが確認できたら、全ての停止制御処理を終えて燃料電池スタック4への不純物侵入を防止するために水素排出開閉弁11と空気排出開閉弁26を閉じて(S370)、本実施形態の燃料電池システム81による停止制御処理を完了し、燃料電池システム81を停止する。
このように本実施形態の燃料電池システム81では、システム停止時に乾燥ガスを酸化剤極3のみならず燃料極2へも循環させるようにしたので、酸化剤極3と燃料極2の双方から効果的に水分除去を行うことができる。また、吸引ポンプ86によって乾燥ガスを減圧するので、酸化剤極3と燃料極2の沸点を低下させることができ、乾燥ガスへの水分移動(蒸発)を促進して水分除去に要する時間を更に短縮することができる。
さらに、酸化剤極3側で生成した高濃度窒素からなる不活性ガスを、最終的には燃料電池スタック4の内部に封入して停止するので、空気を始めとする外部からのガス侵入を防ぐことができ、これによって燃料電池スタック4の劣化を抑制することもできる。
次に、図12に示したフローチャートのステップS330における含水量判定処理の他の方法を図13のフローチャートに基づいて説明する。この含水量判定処理では、システムを使用している環境の周囲温度に応じてシステム停止時の含水量のしきい値を変更するようにしている。
図13に示すように、ECU5は、まず外気温センサ87によって使用環境の周囲温度を検出し(S331)、予め最適運転制御と周囲温度との関係を停止含水量によって関連付けた停止含水量マップを参照し、そのときの周囲温度に適合した停止時の含水量を読み取る(S332)。
そして、交流抵抗計99によって検出された含水量が、ステップS332で読み取られた値に達したか否かを監視し(S333)、含水量が読み取った値に達したら停止含水量に到達したと判定して(S334)、含水量判定処理を終了する。
このように周囲温度を検出する外気温センサ87を備え、周囲温度に基づいて燃料電池スタック4の運転を停止するときの水分量を設定するようにしたので、停止時の周囲温度が低温の場合には燃料電池スタック4の内部の水分量が少なくなる(乾燥度を上げる)まで水分除去処理を実行し、周囲温度が高温の場合には劣化が促進しない程度の水分量を残して早めに水分除去処理を終了することができる。これによって、冬季など凍結の可能性が高い場合には燃料電池スタック4の内部の乾燥度を上げておき、次回起動時の解凍時間を短縮して結果的に起動時間を短縮することができる。また、冬季以外の凍結の心配がないときには水分除去処理を短時間に終えてシステムを停止することができる。
上述したように、本実施形態の燃料電池システム81では、燃料極2と酸化剤極3との間の含水量を検出する交流抵抗計99を備え、交流抵抗計99によって検出された含水量が所定値以下になると燃料電池スタック4の運転を停止するので、燃料電池スタック4の製造にばらつきがある場合や経時変化がある場合でも、その都度適切な含水量で燃料電池システム81を停止することができる。
また、本実施形態の燃料電池システム81では、燃料極2と酸化剤極3との間の電気インピーダンスを計測し、この電気インピーダンスと含水量との関係を記録した含水量マップに基づいて燃料極2と酸化剤極3との間の含水量を検出するので、燃料極2と酸化剤極3との間の含水量を正確に検知することができ、これによって適切にシステムの停止処理を実行することができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム81では、燃料極2と酸化剤極3との間に挟持された高分子電解質膜42に平行な方向の含水量を検出するので、含水量を検出するための装置を簡素化することができ、これによってコストを低減することができる。
また、本実施形態の燃料電池システム81では、酸化剤極3の含水量を検出するようにしたので、乾燥度を上昇させたい酸化剤極3側の高分子電解質膜42表面の湿度を代表点として検出することができ、簡素で尚且つ感度よく含水量を推定することができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム81では、凝縮体92の熱を外気に放熱する放熱フィン94を備えたので、外気温との温度差による放熱を利用することができ、これによって効率よく燃料電池スタック4の水分を除去することができる。また、低コストで尚且つ信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態の燃料電池システム81では、酸化剤極3から排出された排出ガスを水素循環配管13に連通させる空気連通配管82と、燃料極2から排出された排出ガスを空気循環配管62に連通させる水素連通配管84とを備え、システムの運転停止時には酸化剤極3に乾燥ガスを循環させた後に、空気連通配管82と水素連通配管84とを通じて燃料極2に乾燥ガスを循環させるようにしたので、酸化剤極3と燃料極2の両極の水分を短時間で除去することが可能となる。また、生成水が多い酸化剤極3を積極的に乾燥させることができ、これによってセル流路の水詰りや、ガス拡散層(GDL)のフラッディング、凍結の原因となる過剰な水分を除去することができる。さらに、次回のシステム起動時に備えて含水していることが望まれる燃料極2側の含水状態は維持することができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム81では、乾燥ガスの圧力を減圧するための吸引ポンプ86を備え、運転停止時に循環している乾燥ガスの圧力を減圧させるようにしたので、水分の沸点を下げることができ、これによって燃料電池スタック4の内部及び配管内の水分蒸発を促進して水分除去処理に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態の燃料電池システム81では、周囲温度を検出する外気温センサ87を備え、周囲温度に基づいて燃料電池スタック4の運転を停止するときの水分量を設定するようにしたので、システム停止時の周囲温度に応じて燃料電池スタック4内部の水分量を調節することができる。
以上、本発明の燃料電池システムについて、図示した実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
例えば、第1及び第2の実施形態では、酸化剤極3のガス流路に乾燥ガスを供給するような構成としたが、これは燃料電池スタック4の発電(電気化学反応)によって酸化剤極3に反応生成水が生じることから、酸化剤極3を積極的に乾燥させることによって燃料極2へ乾燥ガスを供給しなくても、高分子電解質膜42の平衡作用によって燃料極2から水分を除去する効果が得られることによる最小限の構成として説明したものである。したがって、第3の実施形態で説明したように第1及び第2の実施形態でも燃料極2側に乾燥ガスを供給するようにしてもよい。また、凝縮器23、70、90についても説明の便宜上、3種類の構造を3つの実施形態でそれぞれ別々に説明したが、この組合せに限定されるものではなく、どの実施形態でどの構造の凝縮器を使用してもよい。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムに設置された凝縮器の構造を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムによる停止制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムに設置された凝縮器の構造を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムに設置された凝縮器の凝縮体と放熱体の構造を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムによる停止制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池システムに設置された凝縮器の構造を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池システムによる含水量の検出方法を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池システムによる含水量の検出方法を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池システムによる停止制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池システムによる含水量の判定処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1、61、81 燃料電池システム
2 燃料極
3 酸化剤極
4 燃料電池スタック
5 ECU(制御手段)
6 高圧水素容器
7 水素供給配管
8 水素調圧弁
9 水素供給開閉弁
10 水素排出配管
11 水素排出開閉弁
12 水素圧力センサ
13 水素循環配管
14 水素循環ポンプ
21 空気ブロア
22 空気供給配管
23、70、90 凝縮器
24 空気供給量調整弁
25 空気排出配管
26 空気排出開閉弁
27 空気圧力センサ
28 電圧センサ
41 燃料電池セル
42 高分子電解質膜
43 ガス拡散層
44 水素ガス流路
45 燃料極セパレータ
46 空気ガス流路
47 酸化剤極セパレータ
48 水分センサ
51、71、91 凝縮器配管
52、72、92 凝縮体(凝縮手段)
53、73、93 絞り弁(圧力増加手段)
54、74 放熱体(放熱手段)
55 冷媒配管
56 コンプレッサ
57 絞り
58、78、96 ドレインパン
59、79、97 気液分離板
60、80、98 ドレイン配管
62 空気循環配管
63 供給切替弁
64 排気切替弁
75 ペルチェ素子
76 断熱材
77 ミストトラップ板
82 空気連通配管
83 水素循環切替弁
84 水素連通配管
85 空気循環切替弁
86 吸引ポンプ(減圧手段)
87 外気温センサ(外気温検出手段)
88 水素濃度センサ
89 酸素濃度センサ
99 交流抵抗計(含水量検出手段)
94 放熱フィン(放熱手段)
95 ヒートパイプ

Claims (13)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に供給されるガスの水分を凝縮させる凝縮手段と、
    前記凝縮手段を通過するガスの圧力を上昇させる圧力増加手段と、
    前記燃料電池の運転停止時に前記凝縮手段と前記圧力増加手段とを作動させて前記燃料電池に供給されるガスを乾燥させ、この乾燥ガスにより前記燃料電池内部の水分量が予め設定した所定の水分量になると前記燃料電池の運転を停止する制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池から排出された排出ガスを前記凝縮手段の上流へ循環させる循環配管をさらに備え、
    前記制御手段は、前記燃料電池の運転停止時に前記循環配管を通じて前記排出ガスを前記凝縮手段の上流へ循環させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池の燃料極と酸化剤極との間の含水量を検出する含水量検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記含水量検出手段により検出された含水量が所定値以下になると前記燃料電池の運転を停止することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の燃料電池システム。
  4. 前記含水量検出手段は、前記燃料電池の燃料極と酸化剤極との間の電気インピーダンスを計測し、この電気インピーダンスと含水量との関係を記録した含水量マップに基づいて前記燃料電池の燃料極と酸化剤極との間の含水量を検出することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記含水量検出手段は、前記燃料電池の燃料極と酸化剤極との間に挟持された電解質膜に平行な方向の含水量を検出する ことを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の燃料電池システム。
  6. 前記含水量検出手段は、前記燃料電池の酸化剤極の含水量を検出することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記凝縮手段を通過して乾燥したガスに放熱する放熱手段をさらに備え、前記凝縮手段と前記放熱手段との間に前記圧力増加手段が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記凝縮手段と前記放熱手段との間の熱の伝達をペルチェ素子により行なうことを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記放熱手段は、前記凝縮手段の熱を外気に放熱する放熱板により構成されていることを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載の燃料電池システム。
  10. 前記燃料電池に酸化剤ガスを供給するブロアを備え、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給配管に前記凝縮手段と前記圧力増加手段とを設置し、
    前記制御手段は、前記燃料電池の運転停止時に前記ブロアを作動させて前記凝縮手段と前記圧力増加手段にガスを供給することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料電池の燃料極から排出された排出ガスを前記燃料極の上流へ循環させる燃料循環配管と、前記燃料電池の酸化剤極から排出された排出ガスを前記燃料循環配管に連通させる酸化剤連通配管と、前記燃料極から排出された排出ガスを前記循環配管に連通させる燃料連通配管とを備え、
    前記制御手段は、前記燃料電池の運転停止時に前記酸化剤極に乾燥ガスを循環させた後に、前記酸化剤連通配管と前記燃料連通配管とを通じて前記燃料極に乾燥ガスを循環させることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。
  12. 前記乾燥ガスの圧力を減圧する減圧手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記燃料電池の運転停止時に循環している乾燥ガスの圧力を前記減圧手段により減圧することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  13. 当該燃料電池システムの周囲温度を検出する外気温検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記外気温検出手段により検出された周囲温度に基づいて前記燃料電池の運転を停止するときの前記燃料電池内部の水分量を設定することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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