JP5082311B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムに関する。
近年、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池をエネルギ源とした燃料電池システムが注目されている。この燃料電池システムに用いられる燃料電池は、通常、単セルを複数積層した燃料電池スタックとして構成されている。そして、この燃料電池スタックには、排出するオフガスが流れる排気流路が接続されており、この排気流路には、その一部を構成するようにオフガスの気液を分離する気液分離器が設けられている。
また、排気流路の下流には、外気へのオフガスの排出状態を切り替える排気弁が設けられている。そして、排気弁のさらに下流には排気端末流路が設けられ、この排気端末流路には、排出するオフガスを希釈する希釈器が設けられている。そして、このような燃料電池システムにおいて、排気弁の凍結を防止するために、排気弁を希釈器と気液分離器との間に配置する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−310717号公報
上記のように、排気弁を希釈器と気液分離器との間に配置するのでは、希釈器を通過するオフガスの温度は低下していることから、排気弁を十分に加熱することができない。
そこで、本発明は、排気弁を良好に加熱することができ、排気弁の凍結を抑制することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化ガスの供給を受けて電気化学反応により発電を行う燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに接続され該燃料電池スタックから排出されたオフガスが流れる排気流路と、前記排気流路に設けられた気液分離器と、前記排気流路における前記気液分離器の下流に設けられた排気弁と、を備え、前記排気弁が前記燃料電池スタックと前記気液分離器との間の開空間に配置されているものである。
かかる構成によれば、燃料電池スタックから排出されたオフガスが流れる排気流路に設けられる排気弁燃料電池スタックのオフガス排出口近傍に配置されることになる。よって、燃料電池スタックの排熱あるいは燃料電池スタックから排出されたオフガスの排熱の有効利用が可能となり、排気弁を良好に加熱することができる。
前記排気流路は、前記燃料電池スタックのスタック積層方向端部に配置されたエンドプレートにおける前記オフガスの排出口を始端にしてスタック積層方向に沿って所定長延びた後屈曲し、その後さらに前記エンドプレートに沿って延びる流路部を備えるものであり、前記気液分離器は、前記流路部のうち前記エンドプレートに沿って延びる部分に設けられていても良い。
前記排気弁は、金属製ブラケットによって前記エンドプレートに固定されていてもよい。
また、前記排気弁の排気口が重力方向下方に向けられていても良い。
さらに、本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化ガスの供給を受けて電気化学反応により発電を行う燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに接続され該燃料電池スタックから排出されたオフガスが流れる排気流路と、前記排気流路に設けられた気液分離器と、前記排気流路における前記気液分離器の下流に設けられた排気弁と、を備え、前記排気弁が前記燃料電池スタックと前記気液分離器との間の開空間、且つ、前記燃料電池スタックのオフガス排出口近傍に配置されているものでもよい。
本発明によれば、排気弁を、燃料電池スタックと、排気弁と燃料電池スタックとを結ぶ排気流路との間に配置したため、燃料電池スタックの排熱あるいは燃料電池スタックから排出されたオフガスの排熱を有効利用することが可能となり、排気弁を十分に加熱することができる。したがって、排気弁の凍結を抑制することができる。
次に、本発明に係る燃料電池システムの一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、燃料電池システム1のシステム構成図である。この燃料電池システム1は、燃料電池自動車の車載発電システムや船舶、航空機、電車あるいは歩行ロボット等のあらゆる移動体用の発電システム、さらには、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システム等に適用可能であるが、具体的には自動車用となっている。
燃料電池システム1は、反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電気化学反応により発電して電力を発生する燃料電池スタック10を備えるとともに、この燃料電池スタック10への酸化ガスとしての空気のガス供給を調整するカソード系の酸化ガス配管系2と、燃料ガスとしての水素ガスのガス供給を調整するアノード系の燃料ガス配管系3とを備えている。
酸化ガス配管系2は、加湿器20により加湿された酸化ガス(空気)を燃料電池スタック10に供給する空気供給配管21と、燃料電池スタック10から排出された酸化オフガスを加湿器20に導く導出配管22と、加湿器20から外部に酸化オフガスを導くための排出配管23とを備えている。空気供給配管21には、大気中の酸化ガスを取り込んで加湿器20に圧送するコンプレッサ24が設けられている。
燃料ガス配管系3は、高圧の水素ガスを貯留した燃料供給源としての水素タンク30と、水素タンク30の水素ガスを燃料電池スタック10に供給するための燃料供給配管31と、燃料電池スタック10から排出された燃料ガスのオフガスとしての水素オフガスが流れる導出配管32と、導出配管32の水素オフガスを燃料供給流路31に戻す循環配管33と、を備えている。
燃料供給配管31には、燃料電池スタック10に燃料ガスを供給するために、水素タンク30からの水素ガスの供給を遮断又は許容するとともに許容時に水素ガスの圧力を調整する遮断弁付レギュレータ34が設けられている。この遮断弁付レギュレータ34に換えて、上流側のガス状態(流量、圧力、温度、モル濃度等)を調整して下流側に供給するインジェクタを設けても良い。
導出配管32には、燃料電池スタック10から排出された水素オフガスを循環配管33を介して再び燃料電池スタック10に供給するために、気液分離器35が設けられている。この気液分離器35は、燃料電池スタック10から排出された水素オフガスの気液を分離するもので、具体的には水素オフガスから水分を回収するものである。この気液分離器35には、排出弁(排気弁)36が接続されており、この排出弁36には、排出配管37が接続されている。
排出弁36は、図示略の制御装置からの指令によって作動することにより、気液分離器35で回収した水分と、導出配管32内の不純物を含む水素オフガスとを排出配管37を介して外部に排出(パージ)するものである。
循環配管33には、燃料電池スタック10から排出された循環配管33内の水素オフガスを吸引し加圧して燃料供給配管31側へ吐出することで、燃料電池スタック10から排出されるガスの循環を調整する水素ポンプ38が設けられている。また、排出配管37には水素オフガスを排出配管23からの酸化オフガスで希釈するための希釈器39が設けられている。
ここで、上記した導出配管32と気液分離器35とが、燃料電池スタック10に接続され燃料電池スタック10から排出されたオフガスが流れる排気流路のうち、燃料電池スタック10のスタック積層方向端部に配置されたエンドプレート52における水素出口60(オフガスの排出口)を始端にしてスタック積層方向に沿って所定長延びた後、略90度屈曲し、その後さらにエンドプレート52に沿って延びる流路部40を構成している。
このような燃料電池システム1において、水素タンク30から燃料供給配管31を介し遮断弁付レギュレータ34で調整されて燃料電池スタック10に供給された水素ガスと、コンプレッサ24による圧送で空気供給配管21を介し加湿器20で加湿されて燃料電池スタック10に導入された酸化ガスとが、燃料電池スタック10において電気化学反応を起こし、発電する。
また、燃料電池スタック10からの水素オフガスは、導出配管32を介して気液分離器35に導入され、水素ポンプ38で循環配管33を介して燃料供給配管31に導入されて、再び燃料電池スタック10に導入される。さらに、適宜のタイミングで排出弁36が開かれると、燃料電池スタック10からの水素オフガスは、気液分離器35から排出配管37を介して希釈器39に導入され、この希釈器39において、燃料電池スタック10から排出された酸化オフガスで希釈されて外部に排出される。
燃料電池スタック10は、図2に示すように、反応ガスの供給を受けて電気化学反応により発電する単セル50を所要数積層して構成されるスタック本体51と、スタック本体51を積層方向両端部から挟持する一対のエンドプレート52,53と、エンドプレート52,53を連結する図示略のテンションプレートとを有しており、スタックケース54に収納される。
このようにスタックケース54に収納された状態で燃料電池スタック10は、単セル50の積層方向を水平方向にした姿勢で車体に設置されることになり、以下、この設置時の姿勢で説明する。
本実施形態では、図3に示すように、上記した燃料電池スタック10の車両後方側のエンドプレート52に、燃料電池スタック10からの水素オフガスの出口である水素出口(オフガスの排出口)60が設けられている。そして、この水素出口60に導出配管32の一端部が接続されている。この導出配管32は、水素出口60からエンドプレート52に対し垂直に延出した後90度湾曲してエンドプレート52に平行に延在する形状をなしており、その他端部が気液分離器35の導入口35aに接続されている。
この気液分離器35のエンドプレート52側に、排出弁36が配管部材を介さずに直接接合、つまり図4に示すように、気液分離器35の排出口35bと排出弁36の導入口36aとが直結されている。これにより、排出弁36は、図3(a)に示すように、気液分離器35と燃料電池スタック10の一方のエンドプレート52との間に形成されている隙間に配置されることになる。
排出弁36は、金属製のL字状のブラケット61を介してエンドプレート52に固定されることになり、排出弁36に直結された気液分離器35もこのブラケット61及び排出配管32を介してエンドプレート52に固定されることになる。ここで、排出弁36が気液分離器35とエンドプレート52との間に配置されていることから、ブラケット61はエンドプレート52の水素出口60に近接した位置に接合されることになる。
また、排出弁36は、図4に示すように、流路を開閉するバルブボディ62とバルブボディ62を駆動するソレノイド63とで構成されており、ソレノイド63が上側にバルブボディ62が下側に配置されている。
バルブボディ62は、エンドプレート52とは反対の水平方向に向いて上記した導入口36aが設けられる一方で、図1に示す排出配管37が接続される排出口(排気口)36bが重力方向下方に向けて設けられている。なお、排出弁36のバルブボディ62のケーシング64は、その熱容量を低減し受熱効率を向上するために、例えばステンレス鋼材で薄肉に形成されている。
排出弁36の排出口36bには、重力方向下方に延出するように図1に示す排出配管37が接続されており、この排出配管37の末端に希釈器39が接続されている。これにより、排出弁36の下方に希釈器39が配置されている。
なお、このような希釈器39の配置を採用することによって希釈器39がエンドプレート52よりも下方に突出する場合には、スタックケース54との干渉を避けるために、スタックケース54の下面を外方に膨出させて希釈器39を収容する凹部を当該スタックケース54の内面に形成しても良い。
以上に述べた燃料電池システム1によれば、燃料電池スタック10から排出された水素オフガスが流れる導出配管32及び気液分離器35、つまり、排気流路のうち流路部40よりも下流に設けられた排出弁36を、燃料電池スタック10と、排出弁36と燃料電池スタック10とを結ぶ流路部40との間に配置したため、流路長さが短く、これにより放熱による温度低下が抑制された流路部40を流れる水素オフガスによって、排出弁36を加熱することができる。
つまり、本実施形態の燃料電池システム1によれば、排気弁36が燃料電池スタック10から水素オフガスが排出される水素出口60の近傍に配置されているので、燃料電池スタック10及び水素オフガスの排熱を有効利用して排出弁36を良好に加熱することができる。したがって、排出弁36の凍結を抑制でき、低温始動時及び運転時における凍結による作動不良及び作動不可状態の発生を抑制することができる。
しかも、排出弁36を燃料電池スタック10と気液分離器35との間に配置して排出弁36と気液分離器35とをエンドプレート52の垂直方向に二段重ねの構成としたため、排出弁36の位置を相対的に温度の高い水素出口60に近づけることができる。したがって、排出弁36の凍結をさらに抑制することができる。
つまり、エンドプレート52上に、水素出口60と気液分離器35と排出弁36とを直列に並べると、水素出口60と排出弁36との距離が離れてしまうのに対し、本実施形態の燃料電池システム1では、排出弁36と気液分離器35を二段構成としたことにより、排出弁36と水素出口60との距離を近づけることができる。
加えて、排出弁36と気液分離器35とを配管部材を介さずに直結したため、排出弁36と水素出口60とを結ぶ流路長さが一層短くなり、これにより、水素オフガスは温度がより高い状態で排出弁36を通過できるようになるため、液滴量も減少し、この点からも排出弁36の凍結を抑制することができる。
さらに、排出弁36をエンドプレート52に金属製のブラケット61で固定することにより、エンドプレート52から排出弁36が効率良く受熱でき、この点からも排出弁36の凍結を抑制することができる。
加えて、排出弁36のバルブボディ62のケーシング64がステンレス鋼材で薄肉に形成されているため、熱容量が低減して受熱効率が向上することになり、この点からも排出弁26の凍結を抑制することができる。
また、排出弁36の排出口36bが重力方向下方に向いているため、排水性を向上して排出弁36内での水溜まりを抑制することができるとともに、希釈器39を下方に配置してその間の排出配管37の配管長を短縮することができる。したがって、排出弁36から希釈器39までの排出配管37の凍結を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池システムのスタックケース及びその内部の平面図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの要部を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの要部を示す側面図である。
符号の説明
1…燃料電池システム、10…燃料電池スタック、32…導出配管(流路画成部材)、35…気液分離器(流路画成部材)、36…排出弁(排気弁)、36b…排出口(排気口)、40…流路部、52…エンドプレート、60…水素出口(オフガスの排出口)

Claims (5)

  1. 燃料ガスと酸化ガスの供給を受けて電気化学反応により発電を行う燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックに接続され該燃料電池スタックから排出されたオフガスが流れる排気流路と、
    前記排気流路に設けられた気液分離器と、
    前記排気流路における前記気液分離器の下流に設けられた排気弁と、を備え、
    前記排気弁が前記燃料電池スタックと前記気液分離器との間の開空間に配置されている燃料電池システム。
  2. 前記排気流路は、前記燃料電池スタックのスタック積層方向端部に配置されたエンドプレートにおける前記オフガスの排出口を始端にしてスタック積層方向に沿って所定長延びた後屈曲し、その後さらに前記エンドプレートに沿って延びる流路部を備え、
    前記気液分離器は、前記流路部のうち前記エンドプレートに沿って延びる部分に設けられている請求項に記載の燃料電池システム。
  3. 前記排気弁が金属製ブラケットによって前記エンドプレートに固定されている請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記排気弁の排気口が重力方向下方に向けられている請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システム。
  5. 燃料ガスと酸化ガスの供給を受けて電気化学反応により発電を行う燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックに接続され該燃料電池スタックから排出されたオフガスが流れる排気流路と、
    前記排気流路に設けられた気液分離器と、
    前記排気流路における前記気液分離器の下流に設けられた排気弁と、を備え、
    前記排気弁が前記燃料電池スタックと前記気液分離器との間の開空間、且つ、前記燃料電池スタックのオフガス排出口近傍に配置されている燃料電池システム。
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