JP5126117B2 - ブラケット及びフィルタ取付構造 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記ブラケットの全体を樹脂化する場合、例えば、図11に示すように、樹脂ブラケット103に直接的にセンサ取付用のネジ穴123を切削形成し、そのネジ穴123に油圧センサ124を取り付けると、樹脂ブラケット103ではクリープによる熱変形が大きいため、油圧センサ124の締付けトルクが低下して油圧センサ124が緩み方向に回転してしまう恐れがある。
また、樹脂ブラケット103が複雑な油路構成(例えば、U字状の油路構成)を有する場合、この樹脂ブラケット103に油路構成用の捨て穴102aを設定し、この捨て穴102aを止め栓102bで封止する必要がある。そのため、型割が複雑となり高コストとなってしまう。
さらに、必要な強度を確保するために、樹脂ブラケット103の肉厚が厚くなり、また補強リブ等が多くなり、樹脂化による重量低減のメリットが少なくなる。
1.エンジンのシリンダ本体にオイルフィルタを取り付けるためのブラケットであって、
油路を形成する金属パイプと、
前記金属パイプの外周側に一体成形される樹脂パイプと、を備え、
前記金属パイプにはセンサ取付用のネジ部が形成されていることを特徴とするブラケット。
2.前記金属パイプの一端側には、前記シリンダ本体と前記ブラケットとの間に設けられるガスケットに接触する接触部が設けられている上記1.記載のブラケット。
3.前記接触部は、前記金属パイプの前記油路を形成する内周面により構成されている上記2.記載のブラケット。
4.前記接触部は、前記金属パイプの一端側に形成されたフランジ部により構成されている上記2.記載のブラケット。
5.前記ネジ部は、バーリングにより形成されている上記1.乃至4.のいずれか一項に記載のブラケット。
6.前記樹脂パイプの一端側には、前記オイルフィルタのケース部材との間で濾過室を形成するハウジング部が一体成形されている上記1.乃至5.のいずれか一項に記載のブラケット。
7.上記1.乃至6.のいずれか一項に記載のブラケットを備え、
前記ブラケットを介してエンジンのシリンダ本体にオイルフィルタが取り付けられていることを特徴とするフィルタ取付構造。
また、前記金属パイプの一端側に、前記シリンダ本体と前記ブラケットとの間に設けられるガスケットに接触する接触部が設けられている場合は、金属パイプの接触部がガスケットに接触することにより液密が確保される。この金属パイプの接触部は殆ど熱変形しないため、シリンダ本体のブラケット取付部でのオイル漏れを防止することができる。
また、前記接触部が、前記金属パイプの前記油路を形成する内周面により構成されている場合は、金属パイプの内周面を利用して軸シールを構成することができる。そのため、接触部として金属パイプの一端側に複雑な加工を施す必要がない。
また、前記接触部が、前記金属パイプの一端側に形成されたフランジ部により構成されている場合は、金属パイプのフランジ部の一部を利用して面シールを構成することができる。そのため、シリンダ本体にシールのための筒部等を設ける必要がなく、シリンダ本体の構造を簡素化できる。
また、前記ネジ部が、バーリングにより形成されている場合は、金属パイプの肉厚が比較的薄い場合であっても、ネジ部を簡易且つ確実に形成することができる。そのため、金属パイプの肉厚を薄くでき、ブラケットの更なる小型軽量化を図ることができる。
なお、前記ネジ部が、前記金属パイプの内側に向かって突出している場合は、複雑な油路構成であっても金属パイプの全長において任意の位置にネジ部を容易に形成することができる。また、前記ネジ部が、前記金属パイプの外側に向かって突出している場合は、金属パイプの油路にネジ部が突出していないので、その油路を流れるオイルの圧力損失を抑えることができる。
さらに、前記樹脂パイプの一端側に、前記オイルフィルタのケース部材との間で濾過室を形成するハウジング部が一体成形されている場合は、オイルフィルタの構成部品をブラケットの一部で兼用できるため、部品点数を低減して更なるコスト低減を図ることができる。
本実施形態1.に係るブラケットは、エンジンのシリンダ本体にオイルフィルタを取り付けるためのブラケットであって、以下に述べる金属パイプ及び樹脂パイプを備える。
なお、上記「オイルフィルタ」の種類、構成、形状、大きさ等は特に問わない。また、上記「シリンダ本体」の構成、形状、大きさ、材質等は特に問わない。
上記金属パイプは、例えば、オイルフィルタでろ過されたオイルをエンジンに戻すための戻し油路を形成する第1金属パイプと、エンジンからオイルフィルタにオイルを送るための送り油路を形成する第2金属パイプとからなることができる。
上記油路は、例えば、1又は2以上の屈曲部を有する屈曲状に形成されていることができる。この油路が屈曲状である場合、金属パイプの形状としては、例えば、U字状、V次状、L字状等のうちの1種又は2種以上の組み合わせ等を挙げることができる。
上記樹脂パイプは、例えば、上記第1金属パイプの外周側に一体成形される第1樹脂パイプと、上記第2金属パイプの外周側に一体成形される第2樹脂パイプとからなることができる。
上記ネジ部は、例えば、バーリングにより形成されていることができる。この場合、ネジ部としては、例えば、(1)金属パイプの内側に向かって突出している形態(例えば、図1参照)、(2)金属パイプの外側に向かって突出している形態(例えば、図9参照)等を挙げることができる。上記(1)(2)形態では、上記ネジ部は、例えば、円筒部の内周側に雌ネジを形成してなることができる。
上記センサとしては、例えば、油圧の大きさを検出するセンサ、油圧の有無を検出するセンサ等を挙げることができる。
上記(1)形態では、上記ガスケットは、例えば、シリンダ本体側に設けられていてもよいし、ブラケット側にもうけられていてもよい。また、上記(2)形態では、上記ガスケットは、例えば、オイルフィルタ側に設けられていてもよいし、ブラケット側に設けられていてもよい。
上記(1)(2)形態において、上記ガスケットとしては、例えば、Oリング、メタル中空Oリング、ゴムガスケット、メタルガスケット、リップパッキン、オイルシール等を挙げることができる。
上記(1)形態では、例えば、上記ハウジング部は、オイルフィルタのケース部材に着脱自在に装着されることができる。
上記(2)形態では、例えば、上記装着部は、オイルフィルタの一方のケース部材に着脱自在に装着されることができる。
本実施形態2.に係るフィルタ取付構造は、上記実施形態1.のブラケットを備え、前記ブラケットを介して前記エンジンのシリンダ本体に前記オイルフィルタが取り付けられていることを特徴とする。
本実施形態3.に係るブラケットの製造方法は、上記実施形態1.のブラケットの製造方法であって、前記油路を形成する前記金属パイプにセンサ取付用の前記ネジ部を形成する工程と、前記ネジ部が形成された前記金属パイプをインサート成形して、該金属パイプの外周側に前記樹脂パイプを一体成形する工程と、を備えることを特徴とする。
(1)フィルタ取付構造の構成
本実施例1に係るフィルタ取付構造1は、図1及び2に示すように、ブラケット3を介してエンジンのシリンダ本体4にオイルフィルタ5が取り付けられている。このオイルフィルタ5は、エレメント交換型のオイルフィルタであり、後述するブラケット3のハウジング部が螺合されるケース部材7と、このケース部材7とハウジング部との間に形成される濾過室8内に収容されるフィルタエレメント9と、を備えている。このフィルタエレメント9は、濾材10と、この濾材10を外周側に装着してなる円筒状のプロテクタ11と、を備えている。このプロテクタ11の一端側には、後述する第1金属パイプに挿入される筒状の油路連結部11aが形成されている。この油路連結部11aの外周側にはOリング13(本発明に係る「ガスケット」として例示する。)が装着されている。
本実施例1に係るブラケット3は、第1金属パイプ15、第2金属パイプ16、第1樹脂パイプ17及び第2樹脂パイプ18を備えている。
なお、本実施例では、上記ネジ部23に取り付けられるセンサとして、油圧の有無を検出する油圧スイッチ24を採用するものとする。
先ず、予め屈曲成形された第1及び第2金属パイプ15,16を用意する。この第1金属パイプ15の一部にバーリングによりネジ部23を形成する。次に、これら第1及び第2金属パイプ15,16を、図示しない成形装置の型内にセットしてインサート成形を行う。すると、第1及び第2金属パイプ15,16の外周側に第1及び第2樹脂パイプ17,18が一体成形されたブラケット3が得られることとなる。
次に、上記構成のフィルタ取付構造1の作用について説明する。
エンジンの駆動によりオイルポンプ(図示省略)が作動すると、図1に示すように、シリンダ本体4の油路27a及びブラケット3の送り油路21を介してエンジン内のオイルがオイルフィルタ5の濾過室8のダスティ側に供給される。その後、フィルタエレメント9により濾過された濾過室8のクリーン側のオイルは、ブラケット3の戻し油路20及びシリンダ本体4の油路26aを介してエンジンに戻される。
以上より、本実施例1のブラケット3によると、第1金属パイプ15にセンサ取付用のネジ部23が形成されているので、ネジ部23での熱変形が殆どなく、ネジ部23にネジ止めされる油圧スイッチ24の取付強度の低下を抑制できる。また、油路20,21を形成する第1及び第2金属パイプ15,16と、これら第1及び第2金属パイプ15,16の外周側に一体成形される第1及び第2樹脂パイプ17,18と、を備えているので、複雑な油路構成であっても捨て穴や止め栓を用いる必要がなく、型割の単純化によるコスト低減を図ることができる。さらに、第1及び第2金属パイプ15,16による強度確保により第1及び第2樹脂パイプ17,18の肉厚を薄くでき、また補強リブを低減でき、ブラケット3の小型軽量化を図ることができる。特に、従来のように全体が樹脂製のブラケット103(図11参照)では、樹脂ブラケットの肉厚が約2.5〜3mmとなるが、上記実施例1では、第1金属パイプ15及び第1樹脂パイプ17の合計の肉厚が約2mmであり、第2金属パイプ16及び第2樹脂パイプ18の合計の肉厚が約2mmであり、小型軽量化が図られている。
次に、実施例2に係るフィルタ取付構造31について説明する。なお、本実施例2において、上記実施例1のフィルタ取付構造1と同じ構成部位には同符号を付けて詳説を省略し、以下に相違点について詳説する。
本実施例2に係るフィルタ取付構造31は、図6及び7に示すように、ブラケット33を介してエンジンのシリンダ本体34にオイルフィルタ5が取り付けられている。
本実施例2に係るブラケット33は、第1金属パイプ35、第2金属パイプ36、第1樹脂パイプ37及び第2樹脂パイプ38を備えている。
ここで、本実施例では、上記フランジ部40の装着溝40aによって本発明に係る「接触部」が構成されていると言える。
以上より、本実施例2のブラケット33によると、上記実施例1のブラケット3と略同様の作用・効果を奏することに加えて、第1及び第2金属パイプ35,36のフランジ部40のOリング41がシリンダ本体34のシール面34a,34bに接触(圧接)するので、シリンダ本体34とブラケット33との間の液密が確保される。これら第1及び第2金属パイプ15,16は殆ど熱変形しないため、シリンダ本体34のブラケット取付部でのオイル漏れを防止することができる。また、第1及び第2金属パイプ15,16のフランジ部40を利用して面シールしているので、シリンダ本体34に軸シール用の筒状部等を設ける必要がなく、シリンダ本体34の構造を簡素化できる。
Claims (7)
- エンジンのシリンダ本体にオイルフィルタを取り付けるためのブラケットであって、
油路を形成する金属パイプと、
前記金属パイプの外周側に一体成形される樹脂パイプと、を備え、
前記金属パイプにはセンサ取付用のネジ部が形成されていることを特徴とするブラケット。 - 前記金属パイプの一端側には、前記シリンダ本体と前記ブラケットとの間に設けられるガスケットに接触する接触部が設けられている請求項1記載のブラケット。
- 前記接触部は、前記金属パイプの前記油路を形成する内周面により構成されている請求項2記載のブラケット。
- 前記接触部は、前記金属パイプの一端側に形成されたフランジ部により構成されている請求項2記載のブラケット。
- 前記ネジ部は、バーリングにより形成されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のブラケット。
- 前記樹脂パイプの一端側には、前記オイルフィルタのケース部材との間で濾過室を形成するハウジング部が一体成形されている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のブラケット。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のブラケットを備え、
前記ブラケットを介して前記エンジンのシリンダ本体に前記オイルフィルタが取り付けられていることを特徴とするフィルタ取付構造。
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