JP2005076476A - デリバリパイプ用シール構造 - Google Patents

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Abstract


【課題】 シール力の大きいデリバリパイプ用シール構造を提供することを目的とする。
【解決手段】 デリバリパイプ1のハウジング2の内部には燃料供給路21が形成され、ハウジング2にはプラグ3が取り付けられており、燃料供給路21の端部を閉塞している。ハウジング2とプラグ3との間には、円環状のシール部材4が設置され、ハウジング2およびプラグ3とともにシール構造SCを構成している。シール部材4は内周部に燃料供給路21内の燃料圧を受ける受圧凹部41が形成され、軸方向の両端部に形成された一対のフランジ部42とフランジ部42を連結する外周部43を備えており、その断面が略コの字状をしている。受圧凹部41が燃料圧を受けるとシール部材4は外方へ拡張して、その外面がプラグ3およびハウジング2に密着してシール力を増大する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、デリバリパイプの燃料供給路の端部をシールするデリバリパイプ用シール構造に関する。
燃料供給路に供給された燃料を複数の燃料噴射弁に分配するデリバリパイプのハウジングは、その燃料供給路の端部において、端部を閉塞する部材をかしめ等によって液密的に装着する、あるいは端部を閉塞する部材とハウジングとの間にOリング等を液密的に介装することでシールされているものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−31012公報(第3欄、第1図)
しかしながら、高圧用デリバリパイプの場合、燃料供給路における燃料圧が著しく高くなり、上述したようなシール構造においては、燃料圧に対してシール力に余裕が少ない場合があった。
本発明は上述のような事情に基づいて完成されたものであって、シール力の大きいデリバリパイプ用シール構造を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、内部に燃料供給路を備えるとともに、外周部に燃料噴射弁が取り付けられる複数の燃料噴射弁取付部が形成された長尺状のハウジングと、前記ハウジングに装着されて、前記燃料供給路の端部を閉塞するキャップ部材を備え、前記燃料供給路に供給された燃料を前記燃料噴射弁に分配するデリバリパイプに使用されて、前記ハウジングと前記キャップ部材との間をシールするデリバリパイプ用シール構造において、環状をしているとともに、その内周部に窪みによって形成された受圧凹部が設けられたシール部材が、その外面が前記ハウジングと前記キャップ部材とによって取り囲まれるように設けられ、前記受圧凹部が前記燃料供給路に臨むことによって、前記燃料供給路内の燃料圧を受けて外方へ拡張し、前記外面が前記ハウジングおよび前記キャップ部材に密着することを特徴とするデリバリパイプ用シール構造とした。
請求項2の発明は、前記シール部材は、前記燃料供給路の端面と前記キャップ部材によって、その軸方向において挟持されることを特徴とする請求項1記載のデリバリパイプ用シール構造とした。
請求項3の発明は、前記シール部材は外周面および軸方向の両端面が、その軸方向に切った場合の断面視において、直線によって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のデリバリパイプ用シール構造とした。
<請求項1の発明>
シール部材の内周部に燃料供給路に臨む受圧凹部が設けられており、その外面がハウジングとキャップ部材とによって取り囲まれるように設けられ、燃料供給路内の燃料圧が上昇した場合に、受圧凹部が受ける燃料圧によってシール部材が外方へ拡張し、外面がハウジングおよびキャップ部材に密着するためシール力が増大する。
<請求項2の発明>
シール部材が、燃料供給路の端面とキャップ部材によって、その軸方向において挟持されることにより、燃料供給路内の低圧時においても、シール部材とハウジングおよびキャップ部材との間の密着性が高く、燃料供給路内の燃料圧の上昇に伴い、圧力がシール部材とキャップ部材あるいはハウジングとの間に入り込むことがなく、すべて受圧凹部が受けることになるため、シール部材を外方に拡張させてシール力を増大させることができる。
<請求項3の発明>
シール部材は外周面および軸方向の両端面が、その軸方向に切った場合の断面視において、直線によって形成されているため、脱落しないようにハウジングに安定して装着できる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1乃至図4によって説明する。図1において、デリバリパイプ1は内部に断面が円形の燃料供給路21を備えたハウジング2と、ハウジング2の端部に装着され燃料供給路21の端部を閉塞するプラグ3、およびプラグ3と燃料供給路21の端部との間に設置されたシール部材4とを備えている。ハウジング2は例えばアルミニウム材を鋳造することにより形成され、図に示すように長尺状をしており、外周部には軸方向にエンジンの燃料噴射弁IVが取り付けられる複数の燃料噴射弁取付部22が形成されている。また、ハウジング2のプラグ3が装着された側の反対側に位置する端部には、燃料ポンプに接続される燃料チューブ(図示せず)が取り付けられることによって、燃料供給路21内に燃料を導入するインレット23が形成されている。
図2に示すように、ハウジング2の端部には、プラグ3を螺合させるための雌ネジ孔24が形成されており、雌ネジ孔24の下穴24aと燃料供給路21との間には、下穴24aよりも小径のシール部材装着孔25が形成されている。シール部材装着孔25は、燃料供給路21側に形成され、本発明の燃料供給路の端面に該当する立壁25aと、外周面25bとによって構成されている。プラグ3は本発明のキャップ部材に該当し、ハウジング2に形成された雌ネジ孔24と螺合する雄ネジ部31と、雄ネジ部31の前方部に形成された小径の保持部32、および雄ネジ部31の後方部に設けられた頭部33によって構成されている。頭部33は、プラグ3を雌ネジ孔24にねじ込むときに締付工具にて保持されるように、六角形状あるいは二面幅にて構成されている。
シール部材装着孔25に設置されハウジング2およびプラグ3とともにデリバリパイプ用シール構造SCを構成するシール部材4は、合成ゴム材料あるいは弾性力を備えた樹脂材料によって全体が円環状に形成され、ハウジング2とプラグ3との間をシールする。図4に示すように、シール部材4は、その内周部に窪みによって形成された受圧凹部41が形成されているとともに、軸方向の両端部に形成され互いに対向した一対のフランジ部42と、フランジ部42を互いに連結する外周部43とを備えている。また、シール部材4の外周面および軸方向の両端面が、その軸方向に切った場合の断面視において直線によって形成されており、略コの字状を呈している。
本実施形態のシール部材4をハウジング2に装着するとき、まず、シール部材4をハウジング2の雌ネジ孔24から挿入する。シール部材4が、シール部材装着孔25内に設置された後、プラグ3をハウジング2の雌ネジ孔24に螺合させていき、図3に示すように、プラグの頭部33がハウジング2の端面26に係合することによって、プラグ3とハウジング2との間に所定の締付力を発生させて固定し、シール部材4の装着を完了する。これによって、シール部材4はその外面(外周面および軸方向の両端面)がハウジング2とプラグ3によって取り囲まれるように、燃料供給路21の端部に設けられる。
ハウジング2への装着が完了した状態で、シール部材4の受圧凹部41は燃料供給路21に臨んでおり、燃料供給路21内に発生する燃料圧を受けるように位置している。また、プラグ3の保持部32の底面とシール部材装着孔25の立壁25aとの間の距離は、シール部材4の軸方向長さよりも小さく設定されているため、保持部32の底面とシール部材装着孔25の立壁25aとの間で、シール部材4はその軸方向に挟持されて(はさまれて)いる。
燃料ポンプによって吐出された燃料が、インレット23を介して燃料供給路21内に導入されると、燃料は燃料噴射弁取付部22に取り付けられた各燃料噴射弁IVに分配され、エンジンの各気筒に噴射される。燃料が燃料供給路21内に導入されると、燃料供給路21内の燃料圧が上昇して、シール部材4の内周部の受圧凹部41に作用してシール部材4を外方へ拡張させる。これによって、シール部材4は、そのフランジ部42がそれぞれシール部材装着孔25の立壁25aとプラグ3の保持部32の底面に押し付けられ、外周部43はシール部材装着孔25の外周面25bに押圧されるため、燃料供給路21内の燃料圧の上昇にともなって、外面のそれぞれに対するシール力を増大させることができる。
本実施形態においては、シール部材4が、立壁25aとプラグ3の保持部32の底面によって、その軸方向において挟持されることにより、燃料供給路21内の低圧時においても、シール部材4とハウジング2およびプラグ3との間の密着性が高く、燃料供給路21内の燃料圧の上昇に伴い、圧力がシール部材4とプラグ3あるいはハウジング2との間に入り込むことがなく、すべて受圧凹部41が受けることになるため、シール部材4を外方に拡張させてシール力を増大させることができる。また、シール部材4は、外周面および軸方向の両端面が、その軸方向に切った場合の断面視において直線によって形成されており、断面形状が略コの字状に形成されていることにより、脱落しないようにハウジング2のシール部材装着孔25に安定して装着できる。
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態によるシール部材5を表している。本実施形態においては、図に示すようにシール部材5の外周部の角部が丸みを帯びており、その断面形状が略C形状をしており、内周部にはやはり受圧凹部51が形成されている。また、シール部材5も、その軸方向の両端部がシール部材装着孔25の立壁25aとプラグ3の底面によって挟持されている。本実施形態によるシール部材5の作用効果については、上述した第1実施形態とほぼ同様であるため説明は省略する。
<他の実施形態>
本発明は上述の記載および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、以下の記載のもの以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)シール部材に弾性の大きな材質を使用することにより、燃料圧によってシール部材を変形させて燃料供給路内の圧力変動を吸収し、燃料供給路内の圧力振動低減にも利用することができる。
(2)キャップ部材として、ネジ込み式のプラグに代えて、ハウジングの端部にかしめ固定するもの、または溶接あるいは溶着によって固定するものを使用してもよい。
(3)デリバリパイプのハウジングは、アルミニウムの鋳造にて形成しなくても、鋳鉄、あるいは鋼材を加工したものによって形成してもよい。
第1実施形態によるシール構造を使用したデリバリパイプの断面図である。 図1に示したシール構造の分解図である。 図1に示したデリバリパイプの要部拡大図である。 図3に示したシール部材の拡大図である。 第2実施形態によるシール部材の拡大図である。
符号の説明
1…デリバリパイプ
2…ハウジング
3…プラグ
4、5…シール部材
21…燃料供給路
22…燃料噴射弁取付部
25…シール部材装着孔
25a…立壁
25b…外周面
41、51…受圧凹部
42…フランジ部
43…外周部
SC…デリバリパイプ用シール構造

Claims (3)

  1. 内部に燃料供給路を備えるとともに、外周部に燃料噴射弁が取り付けられる複数の燃料噴射弁取付部が形成された長尺状のハウジングと、前記ハウジングに装着されて、前記燃料供給路の端部を閉塞するキャップ部材を備え、前記燃料供給路に供給された燃料を前記燃料噴射弁に分配するデリバリパイプに使用されて、前記ハウジングと前記キャップ部材との間をシールするデリバリパイプ用シール構造において、
    環状をしているとともに、その内周部に窪みによって形成された受圧凹部が設けられたシール部材が、その外面が前記ハウジングと前記キャップ部材とによって取り囲まれるように設けられ、前記受圧凹部が前記燃料供給路に臨むことによって、前記燃料供給路内の燃料圧を受けて外方へ拡張し、前記外面が前記ハウジングおよび前記キャップ部材に密着することを特徴とするデリバリパイプ用シール構造。
  2. 前記シール部材は、前記燃料供給路の端面と前記キャップ部材によって、その軸方向において挟持されることを特徴とする請求項1記載のデリバリパイプ用シール構造。
  3. 前記シール部材は外周面および軸方向の両端面が、その軸方向に切った場合の断面視において、直線によって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のデリバリパイプ用シール構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102006035193A1 (de) * 2006-07-29 2008-01-31 Bayerische Motoren Werke Ag Hochdruckanschluss für ein Kraftstoffsystem einer Verbrennungskraftmaschine

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