JP5125484B2 - 締結具、これを備えた長尺体、携帯機器、時計、装身具 - Google Patents
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このような中留のつく棒は、フレームから立ち上がる小径部と、小径部から膨出した大径部とを有する。そして、中留を留める際には、つく棒をバンドの孔に挿通し、バンドの孔から突出したつく棒の大径部をプッシュ中留部材の穴に係合させる。
(1)腕への着脱の都度、バンドの孔につく棒を抜き挿ししなくてはならず、バンドの孔からつく棒を抜く際に、つく棒の大径部がバンド裏面側でバンド孔の周縁に引っ掛かるので、バンド孔の近傍が傷みやすい。具体的に、バンドで装着された時計の携帯時にはバンドの剛性によって引張力が作用するため、つく棒の軸とバンド孔の中心とがずれてつく棒の小径部がバンド孔の内周面に当接し、バンド孔の周縁に大径部が引っ掛かった状態からつく棒を抜くため、バンド孔の近傍が傷みやすい。
このように、バンド孔の位置でつく棒とプッシュ中留部材とを係合させる構成では、着脱時にバンドの一部分のみに負荷が掛かるため、バンドの耐久性が低い。
なお、特許文献1とは反対側の位置につく棒が設けられた構成、例えば腕に当接するプレート部材などにつく棒が突設され、このプレートにバンドを被せるようにしてバンド孔につく棒を挿通させる構成の場合なども、バンドの裏側につく棒が隠れるため、つく棒とバンド孔との位置を合わせづらいという事情は変わらず、装着操作が困難である。
また、バンドには複数の孔が形成されており、腕への着脱の都度、所定の孔につく棒を挿通できるとは限らないため、締結時のバンドの長さが所望の長さとならない場合がある。
なお、被締結部材は、部材の部分であってもよい。
また、第2取付部材を有する第2部材は、適宜な手段によって他方のバンド(被締結部材)の所定位置に取り付けられる。例えば、他方のバンドの幅方向(バンドのスライド方向と交差する方向)に沿って設けられた棒状部材の両端部をそれぞれ第2取付部材の側壁に係合させることにより、第2取付部材が他方のバンドの所定位置に取り付けられる。
すなわち、第1部材および第2部材によってバンド同士の締結位置が規定されているので、締結時のバンド同士の位置決めは不要であり、バンドのスライド操作だけで第1部材と第2部材とがスライド方向に沿って近接して互いに係合するので、バンド装着の都度、所望のバンド長さで、バンドの締結操作を簡単に行うことができる。
一方、プッシュボタンを押すことにより、係合凸部がバンド幅方向内側に引っ込んで係合凹部から外れ、バンド同士を離間する方向にスライド可能となるので、バンドの締結を解除する操作も簡単に行うことができる。
加えて、本発明では、バンドをスライドさせるだけで締結、締結解除の操作が可能であり、バンドを着脱する都度、バンドの孔につく棒が挿通される従来例のようにバンドに部分的に負荷が掛からないため、バンドの耐久品質を向上させることができる。
ここで、本発明では、一方のバンドに第1部材を取り付ける際は、第1取付部材とボタンユニットとの間に当該バンドを挟み、プッシュボタンを第1取付部材の側壁の内側(バンドの幅方向内側)に押し込んだ状態でボタンユニットを第1取付部材の側壁間に配置し、側壁の第1開口部から第1取付部材の側壁の外側(バンドの幅方向外側)にプッシュボタンを突出させる。
このような本発明によれば、第1取付部材の側壁に第1開口部を形成することにより、第1取付部材とボタンユニットとを簡易な構成で一体に組み付けることが可能となる。
さらに、発明によれば、第1取付部材およびボタンユニットを一方のバンドに取り付ける際、プッシュボタンを押して括れ部を第2開口部に挿入した状態とし、そのままプッシュボタンを第1開口部側に押すことでプッシュボタンを第1開口部から突出させることができる。
さらにまた、第1取付部材およびボタンユニットをバンドから取り外す際も、プッシュボタンを押して括れ部と第2開口部との位置を合わせ、第2開口部を通じてプッシュボタンを第1取付部材から外すことが可能となる。
すなわち、プッシュボタン全体を側壁の内側に押し込んだ状態としなくても、第1取付部材とボタンユニットとを容易に係合させたり、外したりすることができるので、第1取付部材およびボタンユニットの一方のバンドへの取付を容易化できる。
本発明では、第1取付部材とボタンユニットとを相対的に回動させて回動ロックボタンと回動ロック凹部とを係合させることにより、第1取付部材とボタンユニットとが一体に組み付けられる。また、係合凸部を係合凹部から外す際のプッシュボタンの押し込み量以上にプッシュボタンを押し込んで回動ロックボタンと回動ロック凹部とを離間させることにより、第1取付部材とボタンユニットとを回動させて第1取付部材とボタンユニットとの間のバンドを長さ方向に移動させることが可能となる。
このような本発明によれば、第1取付部材とボタンユニットとが回動可能に連結されているため、第1取付部材とボタンユニットとが分離することなくバンドの長さを調整することができる。すなわち、バンドの長さ調整時に第1取付部材とボタンユニットとがバラバラにならないので、取扱性が向上する。
また、第1取付部材とボタンユニットとが軸部を介して連結されていることにより、第1取付部材とボタンユニットとの組み付けを回動操作によって容易に行うことができる。以上のような構成により、バンドの長さ調整が容易となる。
ここで、回動ロックボタンは、プッシュボタンまたは係合凸部に対して、距離Aと距離Bとの前記関係を成立させる隙間を介して配置されている。これにより、バンド同士を締結する際に係合凸部が第2部材の側壁の内側に移動しても、回動ロックボタンが回動ロック凹部から外れない。また、バンドの締結を解除する際にプッシュボタンが押され、このプッシュボタンに連動して係合凸部が第2部材の側壁の内側に移動しても、回動ロックボタンが回動ロック凹部から外れない。すなわち、バンドの締結、締結解除の操作時に第1取付部材とボタンユニットとが分解されない。
なお、バンドの装着対象は、例えば腕であり、バンドの厚み方向において、装着対象側から、第1取付部材、一方のバンド、ボタンユニットの順に配置される。
なお、突起の径は一定とされていてよい。
この発明によれば、第1取付部材とボタンユニットとの相対回動時に回動ロックボタンが第1取付部材の側壁に当接した際に、前記斜面を介した分力により、回動ロックボタンがバンド幅方向内側に引っ込んだ後、回動ロック凹部に案内される。これにより、第1取付部材とボタンユニットとの組み付け操作を円滑に行うことができる。
この発明によれば、バンドのスライド時に係合凸部が第2取付部材の側壁に当接した際に、前記斜面を介した分力により、係合凸部がバンド幅方向内側に引っ込んだ後、係合凹部に案内されるので、スライド操作を円滑に行うことができる。
この発明によれば、前述した締結具を備えるため、前述と同様の作用および効果を享受できる。
この発明によれば、前述した締結具を有する長尺体を備えるため、前述と同様の作用および効果を享受できる。
ここで、携帯機器としては、情報機器、通信機器、メモリカード、カメラ、計測機器などを例示できる。
この発明によれば、前述した締結具を有する長尺体を備えるため、前述と同様の作用および効果を享受できる。
ここで、前記長尺体は、時計バンドであることが好ましい。
なお、時計バンドの材質等は問わず、時計バンドは、革製バンド、布製バンド、樹脂製バンド、金属製バンド等であってよい。
この発明によれば、前述した締結具を有する長尺体を備えるため、前述と同様の作用および効果を享受できる。
なお、第2実施形態以降の説明において、以下に説明する第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
本発明の第1実施形態を説明する。
〔1.全体構成〕
図1は、第1実施形態に係る腕時計1の側面図である。この時計1は、図示しない時計体と、時計体を収納する外装ケース2と、このケース2の6時側と12時側とにそれぞれ連結される革製の時計バンド11,12とを備え、バンド11とバンド12とは、締結具としての中留3によって締結されている。
図2は、中留3の斜視図である。中留3は、締結時のバンド長さ調整用の複数の係合孔111が形成された6時側バンド11に取り付けられる第1部材3Aと、12時側バンド12に取り付けられる第2部材3Bとを備え、これらの第1、第2部材3A,3Bが互いに係合されることにより、バンド11,12が締結されている。図2は、第1部材3Aと第2部材3Bとが係合しバンド11,12が締結された状態を示し、図3は、第1部材3Aと第2部材3Bとの係合が解除された状態を示す。
ここで、長尺体とは、幅寸法よりも長さ寸法が上回っており長さ方向を有する部材をいい、長尺体には、帯状体や板状体などが含まれる。
なお、中留3で締結可能な時計バンドは、長尺体に限らず、例えば、時計の外装ケースに連結されるブロック状の連結部と、この連結部から外装ケースとは反対側に延出する延出部とを備え、延出部に中留の部材が配設されるものなどであってもよい。
また、6時側バンドと12時側バンドとは必ずしも同様の形状に構成されていなくてもよい。すなわち、その一方が長尺体とされ、他方が長尺体でない任意の形状とされていてもよい。
図3に示すように、第1部材3Aは、6時側バンド11の幅方向に沿って設けられる第1取付部材20と、この第1取付部材20との間に6時側バンド11を挟み、かつプッシュボタン321を有するボタンユニット30とを備えている。
〔3−1.第1取付部材の構成〕
図4は、第1取付部材20を示す。第1取付部材20は、バンド11(図3)の幅方向両側でバンド11の厚み方向にほぼ沿ってそれぞれ起立する側壁21,21と、これらの側壁21,21を連結する連結部22とを有して断面略コ字状に形成されている。
側壁21,21にはそれぞれ、略矩形状の開口部211が貫通形成されている。
図5は、ボタンユニット30を示す。また、図6は、ボタンユニット30の内部を示し、図7は、ボタンユニット30の一部断面側面図である。なお、図6では、ボタンユニット30のボタンユニット枠31を破断している。
図5、図6に示すように、ボタンユニット30は、図4の第1取付部材20の側壁21,21間に配置されるボタンユニット枠31と、ボタンユニット枠31の両端の開口からそれぞれ突出するボタン部材32,32と、ボタンユニット枠31の底面に固定されボタンユニット枠31の上面から突出する突起33とを有して構成されている。
ボタンユニット枠31は、図5に示すように、金属薄板を用いた曲げ加工により断面略長方形状に形成され、その薄板端部の突き合わせ部には、突起33を通す孔311が形成されている。
また、図6、図7に示すように、ボタンユニット枠31の底面の一部が切り起こされることにより、各ボタン部材32をそれぞれ係止するストッパ312が形成されている。
コイルばね324,324はそれぞれ、ボタンユニット枠31の両側面部側で、ボタン部材32,32のそれぞれに形成された切欠326,326の間に配置されている。
ここで、ストッパ312が挿入される前記貫通孔325の寸法は、両側のプッシュボタン321,321をバンド11(図3)の幅方向内側に押し込んだ際に、側壁21,21の内面間の寸法よりもプッシュボタン321,321の先端間の寸法が小さくなり開口部211から各プッシュボタン321が外れるプッシュボタン321の最大押し込み量を実現する寸法で形成されている。
なお、プッシュボタン321をコイルばね324のばね力に抗して押していない状態では、コイルばね324のばね力により、ストッパ312が貫通孔325の内壁に当接していることが好ましい。これにより、プッシュボタン321の遊びをなくすことができる。
図8、図9は、第1取付部材20およびボタンユニット30の6時側バンド11への取付態様を示す。このバンド11の表面側には第1取付部材20が配置され、腕に接触する側であるバンド11の裏面側にはボタンユニット30が配置され、これら第1取付部材20とボタンユニット30との間にバンド11が介装される。なお、第1取付部材20とボタンユニット30とは、締結時のバンドの長さに応じて選択された所定の係合孔111の位置でバンド11に取り付けられる。
ここで、バンド11は第1取付部材20とボタンユニット30との間に挟まれており、第1取付部材20とボタンユニット30との間で突起33が係合孔111に挿入されているため、突起33は係合孔111から抜け出ず、第1取付部材20およびボタンユニット30に対するバンド11の平面位置が決まる。すなわち、第1取付部材20およびボタンユニット30がバンド11の所定位置に固定されることになる。
次に、12時側バンド12(図3)に取り付けられる第2部材3Bの構成を説明する。
図10は、第2部材3Bの分解斜視図である。第2部材3Bは、12時側バンド12に取り付けられる断面略コ字状の第2取付部材40と、ばね棒50とを有して構成されている。
ばね棒50は、バンド12の端部の革が巻かれて形成された孔121に挿通される筒体51と、筒体51の両端部にそれぞれ挿入され筒体51内部のばねによって筒体51の端部から出没自在とされた棒状部材52,52とを有している。
各側壁41には、ばね棒50の棒状部材52が係止される孔411と、前述のボタンユニット30(図9)の係合凸部322が挿入される係合凹部412とが形成されている。
図11は、第2取付部材40をばね棒50によってバンド12に取り付けた状態を示す。第2取付部材40をバンド12に取り付ける際は、バンド12の孔121にばね棒50を通し、棒状部材52,52を筒体51の内部に没入させた状態でばね棒50の両端側に第2取付部材40の側壁41,41を配置し、各棒状部材52をそれぞれ側壁41の孔411に係止させる。
次に、図12〜図14を参照し、中留3でバンド11,12を締結し、時計1を腕(装着対象)に装着する操作について説明する。
図12は、本実施形態に係る時計1の側面図であり、図13は、6時側バンド11を長さ方向(矢印方向)に沿ってスライドさせる状態を示す。これらの図12、図13に示すように、6時側バンド11の端部を第2取付部材40の連結部42と12時側バンド12との間に挿通し、この6時側バンド11の端部を引っ張ると、6時側バンド11と12時側バンド12とが相対的に長さ方向反対側にスライドされる。この際、第2取付部材40の連結部42がガイドとなり、6時側バンド11が第2取付部材40の側壁41,41間でバンド11の長手方向に沿って案内される。
ここで、6時側バンド11のスライド操作により、係合凸部322の斜面322Aが側壁41に当たりバンド11の長さ方向に作用する力の分力によって、係合凸部322がバンド11の幅方向内側に引っ込むので、当該係合凸部322は側壁41の係合凹部412に円滑に案内される。こうして係合凸部322が側壁41の内側から係合凹部412に挿入されることで、バンド11,12が締結される。
このようにバンド11,12が締結された状態では、プッシュボタン321と係合凸部322との間の切欠323に第1取付部材20の側壁21の一部と、第2取付部材40の側壁41の一部とが収容されている。すなわち、切欠323の幅は、バンド11,12の長さ方向における開口部211の端縁から側壁21の端縁までの寸法と、同じくバンド11,12の長さ方向における係合凹部412の端縁から側壁21の端縁までの寸法との和よりも若干大きくなっている。
また、係合凸部322の立ち上がり部322Bがバンド11の長さ方向に対して略直角とされているので、バンド11,12の長さ方向に引っ張り力が作用しても、係合凸部322が係合凹部412から外れにくい。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)時計バンド11,12の中留3は、バンド11,12の所定位置にそれぞれ取り付けられる第1部材3Aと第2部材3Bとを備え、バンド11,12を締める方向にスライドさせるだけで、係合凸部322が係合凹部412に係合してバンド11,12の装着が終了するので、バンド装着の都度、所望のバンド長さで、バンド11,12の締結操作を簡単に行うことができる。
また、プッシュボタン321,321を押してバンド11,12を離間する方向にスライドさせることにより、バンド11,12の締結を解除する操作も簡単に行うことができる。
そのうえ、バンド11,12をスライドさせるだけで、締結および締結解除の操作が可能であり、バンド11,12に部分的に負荷が掛からないため、バンド11,12の耐久品質を向上させることができる。
ここで、上述の第1実施形態の変形例について、図15〜図17を参照して説明する。
図15は、6時側バンド11(図9)に取り付けられる本変形例の第1部材を示し、図9の第1部材3Aを図15の第1部材に置換することが可能である。
本変形例では、図16に示すように、第1取付部材20の側壁21の第1開口部211に連続して第2開口部212が形成されている。この第2開口部212は、側壁21の連結部22側とは反対側から切欠形成されており、バンド11の長さ方向における第2開口部212の寸法は、同じくバンド11の長さ方向における第1開口部211の寸法よりも小さくなっている。
また、第1取付部材20およびボタンユニット30をバンド11から取り外す際は、各プッシュボタン351を押して切欠351A,351Aと第2開口部212との位置を合わせ、第2開口部212を通じてプッシュボタン351を第1開口部211から外す。
次に、本発明の第2実施形態について図18〜図25を参照して説明する。第1実施形態(図2、図3)では、12時側バンド12が下側(腕側)に、6時側バンド11が12時側バンド12の上側にそれぞれ配置された状態でバンド11,12が締結されていたが、本実施形態では、第1実施形態とは逆に、6時側バンド11が下側(腕側)に、12時側バンド12が上側にそれぞれ配置された状態でバンド11,12が締結される。
図19は、第1部材6Aと第2部材3Bとが外れた状態を示す。また、図20は、第1部材6Aを示す。
第1部材6Aは、6時側バンド11の幅方向に沿って設けられる第1取付部材60と、この第1取付部材60との間に6時側バンド11を挟むボタンユニット70とを有して構成されている。
図22は、ボタンユニット70を示す。ボタンユニット70は、第1実施形態のボタンユニット30(図5)と同様に、ボタンユニット枠31、ボタン部材32、および突起33を有するが、ボタンユニット枠31は、第1実施形態のボタンユニット30とは上下逆向きに、突起33が設けられた底面が上面となるように配置されており、ボタンユニット枠31に設けられた突起33は下側(腕側)に突出している。
図23に示すように、ボタンユニット70の突起33をバンド11の係合孔111の1つに挿入するとともに、プッシュボタン321,321をバンド11の幅方向内側に押し込んだ状態とし、これらのボタンユニット70およびバンド11を第1取付部材60の内部に挿通する。これにより、図24のように、プッシュボタン321が第1取付部材60の開口部211から突出し、第1取付部材60の延出部23,23(図21)とボタンユニット枠31との間にバンド11が介装された状態となる。
係合凸部322には斜面322Aが形成されているため、第1実施形態と同様、係合凸部322は側壁41と干渉することなく係合凹部412に円滑に挿入される。
一方、バンド11,12の締結を解除する際には、第1実施形態と同様に、プッシュボタン321,321をバンド11の幅方向内側に押して係合凸部322を係合凹部412から外すことにより、ほとんどスライドさせることなく自重により、バンド11、12を離間させることができる。
(6)第1取付部材60および第2取付部材40はそれぞれ、バンド11,12の幅方向に沿って設けられる連結部22,42を有し、バンド11の表面に第2取付部材40を載せた状態でバンド11,12をスライドさせる構成のため、連結部22,42を引き寄せるスライド操作が可能となる。これにより、片手で簡単にバンド11,12の締結操作を行うことができる。
次に、本発明の第3実施形態について図26〜図32を参照して説明する。本実施形態は、バンド長さの調整の容易化を図ったものであり、特に、第1取付部材とボタンユニットとが回動可能に連結された第1部材の構成に特徴を有する。
図26は、本実施形態の中留8の斜視図であり、中留8は、第1部材8Aと、第2部材8Bとを備えている。図27は、第1部材8Aと第2部材8Bとが外れた状態を示す。また、図28は、第1部材8Aおよび第2部材8Bの側面図である。
側壁81には、図27、図28に示すように、ばね棒901が挿通される軸孔811と、プッシュボタン321を挿通可能な切欠812と、回動ロック凹部としての回動ロック凹部813と、第2部材8B側にバンド11の長さ方向に沿って突出する突出部814とが形成されている。突出部814の下面には、バンドの長さ方向と側壁81の高さ方向との両方に対して斜め方向となる斜面814Aが形成されている。
ボタンユニット90は、図28、図29に示すように、第1取付部材80の側壁81,81間に配置されるボタンユニット枠91と、ボタン部材92,92と、プッシュボタン321および係合凸部322の間に配置された回動ロックボタンとしての回動ロックボタン94,94と、ボタンユニット枠91の底面に固定された突起33(図28参照)とを有している。
ボタン保持部912の上面の端縁部の一部には、図28、図29に示すように底面側に折り曲げられたストッパ912Aが形成され、このストッパ912Aによってボタン部材92および回動ロックボタン94がボタンユニット枠91に係止されている。なお、ボタン部材92および回動ロックボタン94のそれぞれの凹凸の一部がストッパ912Aの裏側に隠れることにより、ストッパ912Aはボタンユニット90の外観に寄与する。
回動ロックボタン94の先端部には、図30に示すように、第1取付部材80の側壁81の高さ方向とバンド11(図27)の幅方向との両方に対して斜め方向となる斜面941が形成されている。
回動ロックボタン94が回動ロック凹部813から外れたら、図28のように、第1取付部材80とボタンユニット90とを相対的に回動させ、突起33が挿通されるバンド11の係合孔111を変更する。ここで、第1取付部材80とボタンユニット90とはばね棒901により連結されているため、前記各実施形態とは違ってバンド11の取り外しの際に第1取付部材80とボタンユニット90とが分離しない。
側壁101には、図28に示すように、ばね棒50の端部が係止される孔411と、ばね棒55の端部が係止される孔101Aと、ボタンユニット90の係合凸部322が挿入される係合凹部412と、第1部材8A側からバンドの長さ方向に沿って窪む凹部101Bとが形成されている。凹部101Bの内周の一部には、第1取付部材80の突出部814の斜面814Aと同じ方向の斜面101Cが形成されている。
なお、本実施形態の端縁部102Aはバンドの幅方向に沿って直線的に形成されており、端縁部102Aの全体がばね棒50の位置に対して第1部材8Aとは反対側に位置しているが、これに限らず、端縁部102Aの一部のみ、例えばバンド幅方向の両端部のみがばね棒50の位置に対して第1部材8Aとは反対側に位置していてもよい。
また、バンド11,12の締結解除時にプッシュボタン321を押しても、隙間Sの間隔が詰められるだけで回動ロックボタン94は移動しないので、やはり、第1取付部材80とボタンユニット90とが外れてしまうことはない。
なお、図28に示すように、ボタンユニット枠91におけるプッシュボタン321の下方の位置に案内部913が形成されているため、プッシュボタン321が不用意に押されてバンド11,12の締結が解除されてしまうことを防止できる。
(7)第1取付部材80とボタンユニット90とがばね棒901により回動可能に連結されているため、第1取付部材80とボタンユニット90とが分離することなくバンド11の長さを調整することができる。これにより、バンドの長さ調整がより一層容易となる。
また、第1取付部材80とボタンユニット90とがばね棒901により連結されていることにより、第1取付部材80とボタンユニット90との組み付けを回動操作によって容易に行うことができる。
なお、ボタン部材92と回動ロックボタン94との間に隙間Sが形成されていることにより、係合凸部322が第2取付部材100の係合凹部412に係脱する際に回動ロックボタン94が回動ロック凹部から外れず、バンド同士の締結、締結解除の操作時に第1取付部材80とボタンユニット90とのロック状態を維持できる。
図33は、第3実施形態の変形例に係る第1部材8A´を示す。この第1部材8A´は、第3実施形態における案内部913(図28)よりもバンド長さ方向の寸法が短い案内部103を有している。案内部103は、ボタンユニット枠91において係合凸部322が設けられた側の部分に形成されている。本変形例では、案内部103がプッシュボタン321の下方には形成されていないことにより、第3実施形態に比べてプッシュボタン321を押し易い。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、各種の改良および変形が可能である。
図34は、第1実施形態の変形例を示す。本変形例では、第1取付部材20の側壁21´および連結部22´がバンド11の長さ方向に沿って第2取付部材40側に突出形成されるとともに、これら側壁21´および連結部22´の突出方向とは逆に、第2取付部材40の側壁41´がバンド12の長さ方向に沿って第1取付部材20側に突出形成されている。これらの点を除いて、本変形例の中留は第1実施形態の中留3(図2)と略同様に形成されている。
本変形例では、締結時にバンド11,12をスライドさせた際に係合凸部322が第2取付部材40の側壁41´に当接するよりも前に、側壁21´が当該側壁41´に当接し、側壁21´の突出部分と側壁41´の突出部分とがバンド11,12の長さ方向に沿って当接することでバンド11,12の厚み方向における第1取付部材20と第2取付部材40との相対位置が決まる。このため、係合凸部322と係合凹部412とを一層容易に係合させることができる。
本発明において、バンド等の被締結部材に孔が形成されていることと、この孔に挿入される突起を第1取付部材またはボタンユニットが有していることは必須構成ではないが、このように突起が孔に挿入される構成とすることにより、第1取付部材およびボタンユニットを一方の被締結部材に容易にかつ確実に固定することができる。
また、第3実施形態の回動ロックボタン94の斜面941に関しても、この斜面941と同様の向きの斜面が第1取付部材80の側壁81の上端部に形成されていてもよい。あるいは、回動ロックボタン94と第1取付部材80の側壁81の上端部との両方に斜面が形成されていてもよい。
また、第3実施形態では、第1取付部材80とボタンユニット90との回動軸は、第1部材8Aのバンド長さ方向における第2部材8B側とは反対側の位置に設けられていたが、これに限らず、第1部材8Aのバンド長さ方向における第2部材8B側の位置に設けられていてもよい。このような構成の場合、回動軸よりも第2部材8B側の位置に係合凸部を設ければよい。
なお、第1取付部材80とボタンユニット90とを回動可能に連結する軸部としては、ばね棒に限らず、適宜な構成を採用できる。
ここで、装身具としては、腰や腕などに巻くベルトやバンド、首に巻くチョーカー、衣服の留め具などが挙げられる。このほか、本発明の締結具は、鞄、袋物、履物などの各種物品にも適用できる。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (14)
- 2つの被締結部材にそれぞれ配設される第1部材と第2部材とを備え、前記被締結部材同士が相対的に反対側にスライドされた際に前記第1部材と前記第2部材とが係合することにより結合する締結具であって、
前記第1部材は、
前記一方の被締結部材における前記スライドされる方向と交差する方向の両側にそれぞれ設けられた側壁と、これらの側壁を連結する連結部とを有する第1取付部材と、
前記被締結部材のスライド方向と交差する方向における前記被締結部材の内側から外側へと付勢されるプッシュボタンを有し、前記第1取付部材との間に前記一方の被締結部材を挟持するボタンユニットと、を備え、
前記第2部材は、
前記他方の被締結部材における前記スライドされる方向と交差する方向の両側においてそれぞれ当該被締結部材の所定位置に取り付けられる側壁を有する第2取付部材を備え、
前記第1取付部材および前記ボタンユニットは、前記一方の被締結部材の所定位置に取り付けられ、
前記ボタンユニットは、前記プッシュボタンと連動しかつ前記被締結部材同士がスライドされた際に前記第2取付部材の側壁に係合する係合凸部を有し、
前記第2取付部材の側壁は、当該側壁の内側から前記係合凸部が挿入される係合凹部を有し、
前記第1取付部材は、前記側壁が前記連結部の両端部からそれぞれ起立した断面略コ字形状とされ、
前記第1取付部材の前記側壁には、第1開口部が形成され、かつ、前記第1開口部と連続するように前記連結部側とは反対側から第2開口部が切欠形成され、
前記被締結部材のスライド方向において、前記第2開口部の寸法は、前記第1開口部の寸法よりも小さくされ、
前記プッシュボタンが前記第1開口部を貫通することにより、前記第1取付部材と前記ボタンユニットとが一体に組み付けられ、
前記プッシュボタンが押されていない状態で当該プッシュボタンの前記第1開口部から突出する部分には、前記第2開口部に挿入可能な括れ部が形成されている
ことを特徴とする締結具。 - 2つの被締結部材にそれぞれ配設される第1部材と第2部材とを備え、前記被締結部材同士が相対的に反対側にスライドされた際に前記第1部材と前記第2部材とが係合することにより結合する締結具であって、
前記第1部材は、
前記一方の被締結部材における前記スライドされる方向と交差する方向の両側にそれぞれ設けられた側壁と、これらの側壁を連結する連結部とを有する第1取付部材と、
前記被締結部材のスライド方向と交差する方向における前記被締結部材の内側から外側へと付勢されるプッシュボタンを有し、前記第1取付部材との間に前記一方の被締結部材を挟持するボタンユニットと、を備え、
前記第2部材は、
前記他方の被締結部材における前記スライドされる方向と交差する方向の両側においてそれぞれ当該被締結部材の所定位置に取り付けられる側壁を有する第2取付部材を備え、
前記第1取付部材および前記ボタンユニットは、前記一方の被締結部材の所定位置に取り付けられ、
前記ボタンユニットは、前記プッシュボタンと連動しかつ前記被締結部材同士がスライドされた際に前記第2取付部材の側壁に係合する係合凸部を有し、
前記第2取付部材の側壁は、当該側壁の内側から前記係合凸部が挿入される係合凹部を有し、
前記第1取付部材と前記ボタンユニットとは、前記被締結部材のスライド方向と交差する方向に沿った軸部を介して相対的に回動可能に連結され、
前記ボタンユニットは、前記被締結部材のスライド方向と交差する方向における前記被締結部材の内側から外側へと付勢され前記第1取付部材の前記側壁に係合する回動ロックボタンと、前記プッシュボタン、前記係合凸部、および前記回動ロックボタンを保持するボタンユニット枠とを有し、
前記第1取付部材の側壁は、当該側壁の内側から前記回動ロックボタンが挿入される回動ロック凹部を有し、
前記回動ロックボタンは、前記プッシュボタンを押す方向において前記プッシュボタンまたは前記係合凸部に隙間を介して対向し、
前記係合凸部が前記係合凹部に係脱する際における前記プッシュボタンの前記ボタンユニット枠に対する移動距離をA、前記回動ロックボタンが前記回動ロック凹部に係脱する際における前記プッシュボタンの前記ボタンユニット枠に対する移動距離をBとすると、少なくとも前記隙間の寸法分、AはBよりも小さい
ことを特徴とする締結具。 - 請求項1または請求項2に記載の締結具において、
前記第2取付部材は、当該第2取付部材の側壁間に架設される連結部を有し、
前記一方の被締結部材は、前記被締結部材同士がスライドされる際、前記第2取付部材の前記連結部と前記他方の被締結部材との間に挿通される
ことを特徴とする締結具。 - 請求項1または請求項2に記載の締結具において、
前記一方の被締結部材は、当該被締結部材の装着対象に装着される際に前記ボタンユニットの前記装着対象側に配置され、
前記被締結部材同士は、前記一方の被締結部材の前記ボタンユニット側に前記第2取付部材を載せた状態でスライドされる
ことを特徴とする締結具。 - 請求項1から4のいずれかに記載の締結具において、
前記第1取付部材の連結部、および前記ボタンユニットの一方は、他方に向かって突出する突起を有し、
前記突起は、前記一方の被締結部材に形成された孔に挿入される
ことを特徴とする締結具。 - 請求項2に記載の締結具において、
前記第1取付部材および前記ボタンユニットの互いの近接側への回動方向における前記回動ロックボタンの前記第1取付部材側の端部と、前記回動方向における前記第1取付部材の側壁の前記ボタンユニット側の端部との少なくとも一方は、前記第1取付部材および前記ボタンユニットの回動により前記回動ロックボタンと前記第1取付部材の側壁とが当接した際に前記第1取付部材の側壁の内側に向かって分力が作用する方向に傾斜する斜面とされている
ことを特徴とする締結具。 - 請求項1から6のいずれかに記載の締結具において、
前記係合凸部における前記被締結部材のスライド方向で前記第2部材側の端部、および、前記第2取付部材の側壁における前記被締結部材のスライド方向で前記第1部材側の端部の少なくとも一方は、前記被締結部材同士のスライドにより前記係合凸部と前記第2取付部材の側壁とが当接した際に前記第1取付部材の側壁の内側に向かって分力が作用する方向に傾斜する斜面とされている
ことを特徴とする締結具。 - 請求項1から7のいずれかに記載の締結具において、
前記第2部材は、筒体に挿入された棒状部材がばねにより出没自在とされたばね棒を有し、
前記第2取付部材の側壁は、前記ばね棒によって前記他方の被締結部材に取り付けられている
ことを特徴とする締結具。 - 請求項1から8のいずれかに記載の締結具において、
前記プッシュボタンと前記係合凸部とは、板状の一体の部材の一部としてそれぞれ形成され、
前記プッシュボタンと前記係合凸部との間には、前記第1取付部材の側壁の一部と前記第2取付部材の側壁の一部とを収容する切欠が形成されている
ことを特徴とする締結具。 - 請求項1から9のいずれかに記載の締結具を備えた
ことを特徴とする長尺体。 - 請求項10に記載の長尺体を備えた
ことを特徴とする携帯機器。 - 請求項10に記載の長尺体を備え、
前記長尺体は、時計の外装ケースに連結されている
ことを特徴とする時計。 - 請求項12に記載の時計において、
前記長尺体は、時計バンドである
ことを特徴とする時計。 - 請求項10に記載の長尺体を備え、この長尺体により装着される
ことを特徴とする装身具。
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