JP3703449B2 - バックル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、締着端部が分離可能な腕時計バンドや磁気バンドなどのバンド(ブレスレット)に用いられるバックルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、腕時計バンドや磁気バンドなどには開放型タイプおよび閉止型タイプがあり、閉止型タイプのバンドは途中で分離不可能であるため、使用時にはこれに手首部を通す必要がある。従って、手首部において内径が拡大および縮小する例えば折り畳み型のバックル構成とされる。一方、開放型タイプのバンドは途中で分離可能であるため、手首部に対する着脱が容易である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような開放型タイプのバンドにあっては、手首部に装着しているとき、何らかの衝撃を受けて分離し手首部から外れて落下したり、または落下に気付かずに紛失してしまう場合が多々あった。また、このような不都合を解決するため、これまではチェーンを併設したり締着部分の連結状態を安定保持するために複雑な構成が別途採用されている。しかし、このような複雑な構成を採用することにより、バンド全体のコストアップを招くほか、バンドを手首部に着脱する操作が面倒になるという問題があった。
【0004】
本発明は前記のような従来のバックルの問題点を解決したもので、手首部へのバンドの着脱が容易であり、バンドの装着中はバックル部材どうしの磁気的、機械的なロック作用によって、締着部分での不用意な分離および脱落を確実に防止できるバックルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るバックルは、バンドの両端部に取り付けられて、相互に分離可能に連結される第1のバックル部材および第2のバックル部材を有するバックルであつて、前記第1のバックル部材の裏面側には1対のかぎ部材と該かぎ部材の間に第1のマグネットとを配設し、前記第2のバックル部材には前記かぎ部材に対応する位置に係止部付挿入孔を穿設すると共に前記第1のマグネットに対峙し前記挿入孔の係止部側寄りに移動可能な第2のマグネットとを設けてなり、前記かぎ部材を前記挿入孔に挿入して第1のバックル部材および第2のバックル部材を重ね合わせたとき、前記第1のマグネットおよび第2のマグネットの磁力により、前記かぎ部材の係止片が前記挿入孔の係止切欠に係止して締着されると共に前記マグネット同士の磁力で第1のバックル部材が第2のバックル部材に対し移動固着できるようにしたことを特徴とする。
【0006】
請求項1に係る発明にあっては、第1のバックル部材と第2のバックル部材とを重ね合わせて、かぎ部材を挿入孔に挿入すると、第1のマグネットおよび第2のマグネットが相互に作用する磁力で、かぎ部材の係止片を前記挿入孔の係止切欠に自動係止させることができる。また、第1のバックル部材を第2のバックル部材方向に押圧することにより、マグネットの磁力を徐々に解除させると共に、かぎ部材の係止を解除させて、第1のバックルを第2のバックル部材から簡単で自由に分離することがきる。
【0007】
また、請求項2に係るバックルは、第1のバックル部材および第2のバックル部材に、前記係止片の前記係止切欠に対する係止状態を保持する係止保持部材を設けたことを特徴とする。
請求項2によれば、第1のバックル部材と第2のバックル部材との結合状態が確実に保持され、従って、人為的操作なしで前記結合状態が不用意に解除されるのを確実に防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図面に示す実施例について、本発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示す斜視図、図2は第1のバックル部材の側面図、図3同じく裏面図、図4は同じく正面図、図5および図6は第2のバックル部材の正面図および側面図である。また、図7はバックルの横断面図である。
【0009】
本発明に係るバックルは、図1に示すように、第1のバックル部材1と、これに対峙する第2のバックル部材2とで構成される。これらの第1のバックル部材1と第2のバックル部材2の端部は、バンド3の両端部にそれぞれ連結部4を介して取り付けられている。このバンド3には、健康増進用のマグネット部材や装飾部材が取り付けられている。
【0010】
本発明の第1のバックル部材1は、図1、図2乃至図4に示すように、細長の矩形状に形成されており、表面側が全体として極僅かに「く」の字状に曲がるように形成されている。裏面側は平坦面でほぼ中央部分にマグネット5が埋設されている。このマグネット5を挟んで対向する位置に、先端(後端)がL字状に屈曲した係止片6を設けた所定高さのかぎ(鉤)部材7,7が形設されている。なお、これらのかぎ部材7の屈曲方向は同方向で、図上バンド3の固定部材4方向(図中、右方向)となっている。
【0011】
また、第1のバックル部材1の背面側で、前記ねかぎ部材7によってはさまれた位置には、肉厚内に食い込む所定深さの矩形状の凹部8が形成されている。この凹部8内に板状の第1のマグネット5が固着されている。なお、この第1のマグネット5は第1のバックル部材1の背面側に突出しない厚みに形成されている。
【0012】
この第1のバックル部材1は、錆を発生しない金属材料、例えばニッケル・クロムによって矩形板状にモールド成形するのが好ましい。表面側中央部には特定のデザインを表わしたりするための表示部9を形設してもよい。そしてこの第1のバックル部材1の端部には、所定長に亘って肉厚に形成され、この肉厚部でバンド3の一端にて連結する連結部4が形設されている。
【0013】
次に、第2のバックル部材2は、図1、図5乃至図6に示すように,第1のバックル部材1と同等の金属材料により、ほぼ同形の矩形板状にモールド成形されている。第2のバックル部材2の正面側は平坦面で、肉厚内に食い込む所定深さの凹部10が形成されている。この凹部10内には板状の第2のマグネット11が挿着されており、この凹部10を挟む2箇所に前記鉤部材7を挿入できる挿入孔12が設けられている。これらの挿入孔12には、図6、図7に示すように、L字状に屈曲するかぎ部材7の顎(あご)状の係止片6が係合する係合切欠13が形設されている。
【0014】
また、第2のバックル部材2にも左端部が所定長に亘って肉厚に形成されており、この肉厚部がバンド3のもう一方の端(他端)部と連結する連結部4となっている。
【0015】
更に、第2のバックル部材2はバンド3に対して全体として僅かに「く」の字状に曲がるように成形されている。この第2のマグネット11の取付面側が第1のバックル部材1の第1のマグネット5の取付面側に密接可能な平坦面となっている。
【0016】
上述の第1のバックル部材1および第2のバックル部材はそれぞれバンド3の両端部、すなわち前記一端および他端に取り付けられており、人の手首部に装着されないときは、互いに分離されている。一方、人の手首部に装着されるときは、バンド3を湾曲させて、二つの端部の第1のバックル部材1および第2のバックル部材2を、図7に示すように第1のマグネット5および第2のマグネット11が対向するように接合させる。
【0017】
この接合は、図7に示すように、第2のバックル部材2に設けられた各挿入孔12に第1のバックル部材1に設けられた各一のかぎ部材7をそれぞれ挿入することにより行われる。各挿入孔12はかぎ部材7の係止部6を自由に挿入できる大きさを持つ。これらのかぎ部材7の挿入孔12に対する挿入タイミングにおいては、第2のバックル部材2に対する第1のバックル部材2の接合位置は、図7(b)において、鎖線で示す位置にあり、従って、かぎ部材7の係止片6も挿入孔12内の鎖線で示す位置にある。
【0018】
一方、このとき第2のマグネット11に対して第1のマグネット5は同じく鎖線で示す位置にずれて正対していないため、二つのマグネット5、11には相互に正対しようとする磁力が作用する。従って、この磁力は、第1のバックル部材1を第2のバックル部材2に対して矢印P方向に所定量だけ摺動させる力として作用する。このため、かぎ部材7は挿入孔12内において同方向に移動し、かぎ部材7の係止片6が係合切欠13に係合する。
【0019】
従って、第1のバックル部材1の第2のバックル部材2に対する前述のような接合操作をするだけで、これらが二つのマグネット5、11の電磁力によるかぎ部材7と係合切欠13との係合保持によって、不用意に外力を受けても容易に分離することはない。仮に、外力を受けてもこの外力が継続しなければ、マグネット5、11の電磁力により、再び元の係合保持状態に戻され、従ってバンド3が手首部から不用意に脱落することはない。
【0020】
一方、前記のように係合保持状態の第1のバックル部材1を第2のバックル部材2から分離させるには、図7(a)に示すように、指操作によって第1のバックル部材1を矢印P方向とは反対方向にずらせて鎖線位置に保持させた後、この保持位置にて第2のバックル部材2から離すようにすればよい。
【0021】
なお、この第1のバックル部材2の分離のための操作は、第2のバックル部材2の先端縁Qを支点にして、第1のバックル部材1を矢印R方向に回動させるようにすれば、比較的簡単かつスムースに行える。
【0022】
図8は本発明の他の実施例を示す。これは第2のバックル部材2の一つの側面に筒状の軸支部材21を固定し、この軸支持部材21に一端部を支持させた長ループ部材22の他端を、第1のバックル部材1の一つの側面に設けられた係止突起23に対し係止保持可能としたものである。24は長ループ部材22の他端に取り付けられて、前記係止保持操作および係止保持解除操作を行うための球状の摘みである。
【0023】
このような構成の係止保持部材Sを設けることにより、指操作による長ループ部材22の係止突起23に対する係合によって第1のバックル部材1の第2のバックル部材2に対する結合状態が更に安定に保持される。また、爪による摘み24の操作によって長ループ部材22の係止突起23に対する前記係合保持状態を軽快かつ容易に解除でき、第1のバックル部材1の第2のバックル部材2に対する前記分離操作を容易に行うことができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は以上述べた如く、第1のバックル部材と第2のバックル部材との係合状態を、これらが有するマグネットの磁力による摺動付勢によって保持させるようにしたことで、第1のバックル部材と第2のバックル部材との連結構造が簡素かつローコストであるにも拘らず、不用意な外力によっては容易に分離せずに安定した連結状態を維持でき、一方、人為的には容易に分離操作を実現できる。従って、バンドを手首部に装着した後は、不用意な外力を受けることがあっても、第1のバックル部材および第2のバックル部材の前記不用意な分離によるバンドの脱落を未然に回避できる。また、前記連結操作は二つのマグネットの磁力を利用するものであるため、極めて簡単かつ迅速に行うことができ、取り扱いの上で便利である。
【0025】
また、第1のバックル部材および第2のバックル部材に、前記かぎ部材の係止部に対する係止状態を保持する係止保持部材を設けることで、第1のバックル部材と第2のバックル部材との前記係合状態が確実に保持され、従って、人為的操作なしで前記係合状態が不用意に解除されるのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図
【図2】第1のバックル部材を示す側面図
【図3】第1のバックル部材を示す裏面図
【図4】第1のバックル部材を示す表面図
【図5】第2のバックル部材を示す正面図
【図6】第2のバックル部材を示す側面図
【図7】本発明のバックル全体を示す横断面図
【図8】本発明の他の実施例を示す平面図
【符号の説明】
1…第1のバックル部材
2…第2のバックル部材
3…バンド
4…連結部
5…第1のマグネット
6…係止片
7…かぎ部材
8、10…凹部
11…第2のマグネット
12…挿入孔
S…係止保持部材
Claims (2)
- バンドの両端部に取り付けられて、相互に分離可能に連結される第1のバックル部材および第2のバックル部材を有するバックルであつて、前記第1のバックル部材の裏面側には1対のかぎ部材と該かぎ部材の間に第1のマグネットとを配設し、前記第2のバックル部材には前記かぎ部材に対応する位置に係止部付挿入孔を穿設すると共に前記第1のマグネットに対峙し前記挿入孔の係止部側寄りに移動可能な第2のマグネットとを設けてなり、前記かぎ部材を前記挿入孔に挿入して第1のバックル部材および第2のバックル部材を重ね合わせたとき、前記第1のマグネットおよび第2のマグネットの磁力により、前記かぎ部材の係止片が前記挿入孔の係止切欠に係止して締着されると共に前記マグネット同士の磁力で第1のバックル部材が第2のバックル部材に対し移動固着できるようにしたことを特徴とするバックル 。
- 第1のバックル部材および第2のバックル部材に、前記係止片の前記係止切欠に対する係止状態を保持する係止保持部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のバックル。
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