JP2008284129A - 締結具、これを備えた長尺体、携帯機器、時計、装身具 - Google Patents

締結具、これを備えた長尺体、携帯機器、時計、装身具 Download PDF

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Abstract

【課題】締結、締結解除の操作が容易で、被締結部材の耐久品質に優れた締結具、およびこれを備えた長尺体などの提供。
【解決手段】本発明の締結具は、長尺体としてのバンド11,12の所定位置にそれぞれ取り付けられる第1部材3Aと第2部材3Bとを備える。この締結具によれば、第1部材3Aと第2部材3Bとをピン40が切欠部213に支持された状態で相対的に回動させるだけで、係合凸部52が係合凹部323に係合してバンド11,12の装着が終了する。また、プッシュボタン32,32を押して締結時とは逆に回動させることにより、バンド11,12の締結を解除する操作も簡単に行うことができる。このように、第1部材3Aと第2部材3Bとの回動操作だけで締結および締結解除の操作が可能であり、バンド11,12に部分的に負荷が掛からないため、バンド11,12の耐久品質を向上させることができる。
【選択図】図12

Description

本発明は、バンド等の被締結部材を締結する締結具に関する。また、この締結具を備えた長尺体や、この長尺体を備えた携帯機器、時計、および装身具などに関する。
従来、時計バンドの開放端同士を締結するタイプの中留として、例えばつく棒(突棒)が突設されバンドに回動自在に設けられるフレームと、ばね力でつく棒を係止するプッシュ中留部材とを備えたものが知られている(特許文献1)。
このような中留のつく棒は、フレームから立ち上がる小径部と、小径部から膨出した大径部とを有する。そして、中留を留める際には、つく棒をバンドの孔に挿通し、バンドの孔から突出したつく棒の大径部をプッシュ中留部材の穴に係合させる。
特開平10−28605号公報
しかしながら、特許文献1のような中留には、次のような課題がある。
(1)腕への着脱の都度、バンドの孔につく棒を抜き挿ししなくてはならず、バンドの孔からつく棒を抜く際に、つく棒の大径部がバンド裏面側でバンド孔の周縁に引っ掛かるので、バンド孔の近傍が傷みやすい。具体的に、バンドで装着された時計の携帯時にはバンドの剛性によって引張力が作用するため、つく棒の軸とバンド孔の中心とがずれてつく棒の小径部がバンド孔の内周面に当接し、バンド孔の周縁に大径部が引っ掛かった状態からつく棒を抜くため、バンド孔の近傍が傷みやすい。
このように、バンド孔の位置でつく棒とプッシュ中留部材とを係合させる構成では、着脱時にバンドの一部分のみに負荷が掛かるため、バンドの耐久性が低い。
(2)つく棒をバンド孔に挿入する際に、つく棒とバンド孔との位置の見当を付けづらいため、装着操作が困難である。すなわち、バンドの開放端同士を締結する場合はバンドとバンドとの位置決めが必要であり、一方のバンドに設けられたつく棒と他方のバンドの孔との位置を合わせなくてはならないが、つく棒がフレームの裏側に隠れて見えづらい。
なお、特許文献1とは反対側の位置につく棒が設けられた構成、例えば腕に当接するプレート部材などにつく棒が突設され、このプレートにバンドを被せるようにしてバンド孔につく棒を挿通させる構成の場合なども、バンドの裏側につく棒が隠れるため、つく棒とバンド孔との位置を合わせづらいという事情は変わらず、装着操作が困難である。
また、バンドには複数の孔が形成されており、腕への着脱の都度、所定の孔につく棒を挿通できるとは限らないため、締結時のバンドの長さが所望の長さとならない場合がある。
そこで、本発明の目的は、締結操作および締結解除の操作が容易で、かつバンド等の被締結部材の耐久品質に優れた締結具、この締結具を備えた長尺体、およびこの長尺体を備えた携帯機器、時計、並びに装身具を提供することにある。
本発明の締結具は、2つの被締結部材にそれぞれ配設される第1部材と第2部材とを備え、これらの第1部材と第2部材とは、相対的に回動されて係合され、前記第1部材は、前記被締結部材における前記回動の軸に沿った方向の両側にそれぞれ設けられ開口部が形成された側壁と、これらの側壁を連結する連結部とを有する第1取付部材と、前記第1取付部材の側壁の内側から外側へと付勢手段により付勢されるプッシュボタンを有し、前記プッシュボタンが前記開口部を貫通することにより、前記第1取付部材との間に前記一方の被締結部材を挟むボタンユニットと、を備え、これらの前記第1取付部材および前記ボタンユニットは、前記一方の被締結部材の所定位置に取り付けられ、前記第1取付部材および前記ボタンユニットの少なくとも一方は、前記第2部材を回動可能に支持する支持部を有し、前記プッシュボタンは、前記第2部材が係合される被係合部を有し、前記第2部材は、前記他方の被締結部材における前記回動の軸に沿って前記他方の被締結部材の所定位置に取り付けられる軸部材と、前記被係合部に係合される係合部を有し、前記軸部材が前記支持部に支持された状態で前記第1部材側に回動可能に設けられる回動部材と、を備え、前記係合部は、前記回動部材が前記第1部材側に回動された際に前記被係合部に係合され、前記係合部と前記被係合部とは、前記付勢手段による付勢力によって係合していることを特徴とする。
以下では、便宜上、被締結部材のことをバンドと称するが、本発明における被締結部材はバンドに限らない。すなわち、本発明の締結具は、各被締結部材にそれぞれ配設された第1部材と第2部材とが相対的に回動されて係合される構造に特徴を有しており、被締結部材の形状等は、第1部材と第2部材とが相対的に回動可能である限り、任意に構成できる。なお、被締結部材は、部材の部分であってもよい。
本発明において、一方のバンド(被締結部材)に第1部材を取り付ける際は、第1取付部材とボタンユニットとの間に当該バンドを挟み、ボタンを第1取付部材の側壁の内側方向に押し込んだ状態でボタンユニットを第1取付部材の側壁間に配置し、側壁の開口部から第1取付部材の側壁の外側にボタンを突出させる。
なお、第1取付部材およびボタンユニットは、適宜な手段によってバンドの所定位置に取り付けられている。例えば、これらの第1取付部材およびボタンユニットの一方に、他方との間にバンドを押圧保持する突起やくさびなどが設けられていてもよい。
また、他方のバンドに第2部材を取り付ける際は、第2部材を適宜な手段によって当該バンドの所定位置に取り付ける。例えば、バンドに形成された当該バンドの幅方向に沿って貫通する孔に軸部材を通し、この軸部材の一部に回動部材を取り付ける。
このように本発明では、各バンドの所定位置に第1部材と第2部材とがそれぞれ取り付けられており、軸部材を支持部に支持させた状態で第1部材と第2部材とを相対的に回動させることにより、係合部が被係合部に係合され、締結が終了する。
すなわち、第1部材および第2部材によってバンド同士の締結位置が規定されているため、締結時のバンド同士の位置決めは不要であり、軸部材および支持部をガイドとして第1部材と第2部材とを相対的に回動させる操作だけで、バンド装着の都度、所望のバンド長さで、バンドの締結操作を簡単に行うことができる。
一方、プッシュボタンを押すことにより、付勢力が作用する方向に係合されていた係合部と被係合部との係合を解除することができ、第1部材と第2部材とを締結時とは反対側に回動すればバンド同士が離間するので、バンドの締結を解除する操作も簡単に行うことができる。
加えて、本発明では、各バンドのそれぞれに配設された第1部材と第2部材とを回動させるだけで締結操作および締結解除の操作が可能であって、バンドを着脱する都度、バンドの孔につく棒が挿通される従来例のようにバンドに部分的に負荷が掛からないため、バンドの耐久品質を向上させることができる。
本発明の締結具では、前記一方の被締結部材が前記他方の被締結部材の前記装着対象側に配置され、かつ前記軸部材を前記支持部に前記装着対象とは反対側から支持させた状態で、前記第1部材と前記第2部材とが相対的に回動されることが好ましい。
この発明によれば、第2部材の軸部材を第1部材の支持部に装着対象とは反対側から支持させて、第2部材の回動部材を装着対象側に倒すようにして回動させることにより、第1部材と第2部材とが係合される。これにより、片手で簡単にバンドの締結操作を行うことができる。
なお、バンドの装着対象は、例えば腕であり、バンドの厚み方向において、装着対象側から、第1取付部材の連結部、一方のバンド、ボタンユニット、および、軸部材並びに回動部材の順に配置される。
本発明の締結具では、前記係合部および前記被係合部の少なくとも一方には、前記相対的に回動されることにより前記係合部と前記被係合部とが当接した際に前記付勢手段による付勢力に抗して分力が作用する方向に傾斜する斜面が形成されていることが好ましい。
この発明によれば、第1部材と第2部材との相対回動時に係合部が被係合部に当接した際に、前記斜面を介した分力によってプッシュボタンが押され、付勢手段による付勢力が働く方向に係合部と被係合部とを容易に係合させることができるので、バンドの締結時に第1部材と第2部材とを回動させる操作を円滑に行うことができる。
そのうえ、バンドの締結解除時には、プッシュボタンを押して被係合部が係合部に当接した際に、前記斜面を介した分力によって係合部が被係合部に対して持ち上げられるので、ほとんど回動操作することなく、第1部材と第2部材とを離間させることが可能となる。
なお、前記斜面は、傾斜角度が一定の直線的なテーパ形状とされていてもよいし、傾斜角度が一定でない曲面形状(R形状)とされていてもよい。
本発明の締結具では、前記支持部は、前記側壁に形成された切欠とされ、前記軸部材の両端部はそれぞれ、前記他方の被締結部材の端縁から突出し、かつ前記支持部に係合された状態で支持されることが好ましい。
この発明によれば、軸部材の両端をバンドの幅方向両側に突出させ、この軸部材の両端のみを側壁の切欠で支持する構成とされているため、支持部を簡易に構成できる。また、支持部と軸部材との係合部分が嵩張らないため、薄型化が図られる。
本発明の締結具では、前記第1取付部材は、側壁が連結部の両端部からそれぞれ起立した断面略コ字形状とされ、前記第1取付部材の前記側壁には、前記開口部である第1開口部と連続するように前記連結部側とは反対側から第2開口部が切欠形成され、前記側壁における起立方向と交差する方向において、前記第2開口部の寸法は、前記第1開口部の寸法よりも小さく、前記プッシュボタンが押されていない状態で当該プッシュボタンの前記第1開口部から突出する部分には、前記第2開口部に挿入可能な括れ部が形成されていることが好ましい。
この発明によれば、第1取付部材およびボタンユニットを一方のバンドに取り付ける際、プッシュボタンを押して括れ部を第2開口部に挿入した状態とし、そのままプッシュボタンを第1開口部側に押すことでプッシュボタンを第1開口部から突出させることができる。
また、第1取付部材およびボタンユニットをバンドから取り外す際も、プッシュボタンを押して括れ部と第2開口部との位置を合わせ、第2開口部を介してプッシュボタンを第1取付部材から外すことが可能となる。
すなわち、プッシュボタン全体を側壁の内側に押し込んだ状態としなくても、第1取付部材とボタンユニットとを容易に係合させたり、外したりすることができるので、第1取付部材およびボタンユニットの一方のバンドへの取付を容易化できる。
本発明の締結具では、前記軸部材は、前記他方の被締結部材における前記一方の被締結部材と締結される側の端部に、前記回動の軸に沿って当該他方の被締結部材を貫通するように取り付けられ、前記他方の被締結部材には、前記軸部材の一部が露出するように切欠が形成され、前記回動部材は、前記切欠を介して前記軸部材の周りに巻かれる巻付部を有することが好ましい。
この発明によれば、バンドを幅方向に沿って貫通するように軸部材を設けるとともに、バンドに形成した切欠から回動部材を軸部材に巻き付けることで、軸部材が目立たず、かつ軸部材および回動部材をバンドに容易にかつより確実に取付できる。
本発明の締結具では、前記被係合部は、前記プッシュボタンが押されていない状態で前記プッシュボタンの前記開口部から前記側壁の外側に突出する部分に形成され、前記係合部は、前記回動部材における前記回動の軸に沿った方向の端部に形成されていることが好ましい。
この発明によれば、プッシュ操作のため側壁から突出したプッシュボタンの突出部分に被係合部が形成され、この被係合部に回動部材の端部に形成された係合部を係合させる構成としたので、ボタンユニットにおける回動の軸と反対側の部分に被係合部が形成されていたり、プッシュボタンの側壁から突出しない部分で係合部と被係合部とが係合する構成と比べて、回動の軸に沿った方向における寸法と、回動の軸に交差する方向における寸法との両方を小さくでき、締結具を小型化できる。
本発明の締結具では、前記回動部材は、前記軸部材に沿った方向を含む平面にほぼ沿って板状に形成され、前記係合部は、前記回動部材における前記回動の軸に沿った方向の端部から、前記相対的に回動される際の前記第1部材側に立ち上がる凸部とされ、前記被係合部は、前記プッシュボタンにおいて前記相対的に回動される方向にほぼ沿って形成された凹部とされていることが好ましい。
この発明によれば、係合部を板状部材からの立ち上げ片として構成することで、回動部材を簡易に製作できる。また、回動部材が板状とされているので、回動部材を第1部材側に回動して係合部を被係合部に係合させた状態において、締結具を薄型にできる。
本発明の締結具では、前記ボタンユニットは、前記プッシュボタンを保持するボタンユニット枠を有し、前記プッシュボタンは、前記被係合部が形成される本体と、この本体と前記ボタンユニット枠の内面との間に配置されて前記第1取付部材の前記開口部に係合される副体とを有し、前記本体は、本体付勢手段によって前記側壁の内側から外側に向かって付勢され、かつ、本体ストッパ部材によって前記ボタンユニット枠に係止され、前記副体は、副体付勢手段によって前記側壁の内側から外側に向かって付勢され、かつ、副体ストッパ部材によって前記ボタンユニット枠に係止され、前記本体と前記副体とは、前記本体が押された際に前記副体に当接するように間隙を介して凹凸係合され、前記本体が前記本体ストッパに当接するまで押された際の前記ボタンユニット枠に対する当該本体の移動距離をA、前記副体が前記副体ストッパに当接するまで押された際の前記ボタンユニット枠に対する当該副体の移動距離をB、前記本体が前記副体に当接されるまで押された際の前記ボタンユニット枠に対する当該本体の移動距離をC、とすると、A > B > C とされていることが好ましい。
この発明によれば、前記A,B,Cの各距離が上記関係にあることにより、外力により本体が押されても、本体が前記間隙を移動する間は副体は押されず、第1取付部材の開口部から副体が外れない。本体が距離Cよりも大きく移動し、副体に当接するまで押されるとはじめて、本体に凹凸係合された副体が押されて本体と共に移動するため、ボタンユニットと第1取付部材とを取り外すことが可能となる。すなわち、外力により不用意に本体が押され、ボタンユニットと第1取付部材と一方のバンドとが分解されてしまうことを防止できる。
本発明の締結具では、前記第1部材の連結部、および前記ボタンユニットの一方は、他方に向かって突出する突起を有し、前記突起は、前記一方の被締結部材に形成された孔に挿入されることが好ましい。
この発明によれば、突起がバンドの孔に挿入されることにより、第1取付部材およびボタンユニットに対するバンドの平面位置が決まるので、第1取付部材およびボタンユニットをバンドの所定位置に確実に取り付けることが可能となる。
なお、突起の径は一定とされていてよい。
本発明の長尺体は、前述の締結具を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、前述した締結具を備えるため、前述と同様の作用および効果を享受できる。
本発明の携帯機器は、前述の長尺体を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、前述した締結具を有する長尺体を備えるため、前述と同様の作用および効果を享受できる。
ここで、携帯機器としては、情報機器、通信機器、メモリカード、カメラ、計測機器などを例示できる。
本発明の時計は、前述の長尺体を備え、前記長尺体は、時計の外装ケースに連結されていることを特徴とする。
この発明によれば、前述した締結具を有する長尺体を備えるため、前述と同様の作用および効果を享受できる。
ここで、前記長尺体は、時計バンドであることが好ましい。
なお、時計バンドの材質等は問わず、時計バンドは、革製バンド、布製バンド、樹脂製バンド、金属製バンド等であってよい。
本発明の装身具は、前述の長尺体を備え、この長尺体により装着されることを特徴とする。
この発明によれば、前述した締結具を有する長尺体を備えるため、前述と同様の作用および効果を享受できる。
以上の本発明によれば、簡単な操作で締結および締結解除の操作を行うことができ、かつバンド等の被締結部材に部分的に負荷が掛からないため被締結部材の耐久性を大きく向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
〔1.全体構成〕
図1は、本実施形態に係る腕時計1の側面図である。この時計1は、図示しない時計体と、時計体を収納する外装ケース2と、このケース2の6時側と12時側とにそれぞれ連結される革製の時計バンド11,12とを備えている。バンド11,12のケース2に連結される基端部11A,12A側と反対側の開放端部11B,12Bは、締結具としての中留3によって締結されている。
〔2.中留の構成〕
図2は、中留3の斜視図である。中留3は、締結時のバンド長さ調整用の複数の係合孔111が形成された6時側バンド11に取り付けられる第1部材3Aと、12時側バンド12に取り付けられる第2部材3Bとを備え、これらの第1、第2部材3A,3Bが互いに係合されることにより、バンド11,12が締結されている。
本実施形態では、6時側バンド11および12時側バンド12のいずれも、帯状の長尺体であるが、本実施形態の中留3で締結可能な時計バンドは、このような帯状体に限らず、適宜な長尺体であってよい。
ここで、長尺体とは、幅寸法よりも長さ寸法が上回っており長さ方向を有する部材をいい、長尺体には、帯状体や板状体などが含まれる。
なお、中留3で締結可能な時計バンドは、長尺体に限らず、例えば、時計の外装ケースに連結されるブロック状の連結部と、この連結部から外装ケースとは反対側に延出する延出部とを備え、延出部に中留の部材が配設されるものなどであってもよい。
また、6時側バンドと12時側バンドとは必ずしも同様の形状に構成されていなくてもよい。すなわち、その一方が長尺体とされ、他方が長尺体でない任意の形状とされていてもよい。
〔3.第1部材の構成〕
図3は、第1部材3Aを示す。第1部材3Aは、6時側バンド11の幅方向に沿って設けられる第1取付部材20と、この第1取付部材20との間に6時側バンド11を挟み、かつプッシュボタン32を有するボタンユニット30とを備えている。
〔3−1.第1取付部材の構成〕
図4は、第1取付部材20を示す。第1取付部材20は、バンド11(図2)の幅方向両側でバンド11の厚み方向にほぼ沿ってそれぞれ起立する側壁21,21と、これらの側壁21,21をバンド11の裏側で連結する連結部22とを有して断面略コ字状に形成されている。
側壁21,21にはそれぞれ、略矩形状の第1開口部211が貫通形成されている。
また、側壁21の連結部22側とは反対側から切欠が形成されることにより、第1開口部211に連続する第2開口部212が形成されている。この第2開口部212のバンド11の長さ方向における寸法は、同じくバンド11の長さ方向における第1開口部211の寸法よりも小さくなっている。
さらに、側壁21の上端部に略U字状の切欠部213が形成されることによって、側壁21におけるバンド11の開放端部11B(図2)側の端部が立ち上がっており、この切欠部213は、後述するように第2部材3Bを構成するピンが回動可能に係合される支持部とされている。
連結部22の上面には、バンド11の係合孔111(図2)に挿入される突起23が設けられている。この突起23は、係合孔111の径と略同径の円柱形状とされ、連結部22の上面にかしめ固定されている。なお、かしめ固定に限らず、突起23は、例えばレーザ溶接などによって連結部22の上面に固定されていてもよい。この突起23の高さは、バンド11の厚みと同じである必要はない。
〔3−2.ボタンユニットの構成〕
図5は、ボタンユニット30の斜視図である。また、図6は、ボタンユニット30の内部を示し、図7は、ボタンユニット30の一部断面側面図である。なお、図6では、ボタンユニット30のボタンユニット枠31を破断している。
図5、図6に示すように、ボタンユニット30は、第1取付部材20(図4)の側壁21,21間に配置される略筒状のボタンユニット枠31と、ボタンユニット枠31の両端の開口からそれぞれ突出するプッシュボタン32,32と、圧縮コイルばね33,33とを有して構成されている。
ボタンユニット枠31は、図5に示すように、金属薄板を用いた曲げ加工により断面略長方形状に形成されている。また、図6、図7に示すように、ボタンユニット枠31の底面の一部が切り起こされることにより、各プッシュボタン32をそれぞれ係止するストッパ312が形成されている。
各プッシュボタン32は、図6に示すように、平面略矩形状の部材とされ、コイルばね33,33によってボタンユニット枠31の両端の開口の内側から外側に向かって付勢されており、第1取付部材20(図4)の側壁21に形成された第1開口部211の内側から外側に突出する。このプッシュボタン32は、第1開口部211の高さよりも若干小さい厚さで、かつ第1開口部211の幅よりも若干小さい幅で形成されている。
なお、各プッシュボタン32にそれぞれ形成された貫通孔321に前記ストッパ312が挿入されており、これによってプッシュボタン32,32はボタンユニット枠31に係止されている。
コイルばね33,33はそれぞれ、ボタンユニット枠31の両側面部側で、プッシュボタン32,32のそれぞれに形成された切欠322,322の間に配置されている。
なお、プッシュボタン32をコイルばね33のばね力に抗して押していない状態では、コイルばね33のばね力により、図7のようにストッパ312が貫通孔321の内壁に当接していることが好ましい。これにより、プッシュボタン32の遊びをなくすことができる。
ここで、各プッシュボタン32の側壁21(図4)からそれぞれ突出する先端部には、当該プッシュボタン32を厚み方向に貫通する被係合部としての係合凹部323が形成されている。
各係合凹部323のプッシュボタン32先端側の内側面には、図7に示すように、その内側面上端からプッシュボタン32の基端側に下るテーパ面323Aが形成されている。さらに、各係合凹部323におけるプッシュボタン32基端側の部分には、係合凹部323の内側に突出する突片323Bが形成されている。
また、各プッシュボタン32の先端部における側面には、バンド11の長さ方向両端側に一対の切欠324,324が形成されることにより、括れ部325が形成されている。
各切欠324の幅(バンド11の幅方向における寸法)は、第1取付部材20(図4)の側壁21の厚さより若干大きく、各切欠324の深さ(バンド11の長さ方向における寸法)は、バンド11の長さ方向における第1開口部211の寸法と第2開口部212の寸法との差の1/2よりも若干大きくなっている。
〔3−3.第1部材のバンドへの取付〕
図8は、第1取付部材20およびボタンユニット30の6時側バンド11への取付態様を示す。このバンド11の表面側にはボタンユニット30が配置され、腕に接触する側であるバンド11の裏面側には第1取付部材20が配置され、これら第1取付部材20とボタンユニット30との間にバンド11が介装される。なお、第1取付部材20とボタンユニット30とは、締結時のバンドの長さに応じて選択された所定の係合孔111の位置でバンド11に取り付けられる。
この第1取付部材20およびボタンユニット30をバンド11に取り付ける際は、図8に示すように所定の係合孔111に突起23を挿入し、両方のプッシュボタン32,32をバンド11の幅方向内側に押した状態で第1取付部材20の側壁21,21間にボタンユニット枠31を配置し、側壁21の第1開口部211からプッシュボタン32を突出させる。
ここで、側壁21,21間にボタンユニット枠31を配置する際、プッシュボタン32の全体を側壁21の内側まで押し込む必要はなく、切欠324,324と第2開口部212との位置が合うまで各プッシュボタン32を押して括れ部325が第2開口部212に挿入された状態とすることにより、側壁21,21間にボタンユニット枠31が配置されるから、そのまま各プッシュボタン32を第1開口部211側に押せばよい。そして、各プッシュボタン32に対する押込み力を解除することにより、各プッシュボタン32がそれぞれ第1開口部211から突出する。
このようにバンド11に第1取付部材20とボタンユニット30とを取り付けた状態において、バンド11は第1取付部材20とボタンユニット30との間に挟まれており、第1取付部材20とボタンユニット30との間で突起23が係合孔111に挿入されている。このため、突起23は係合孔111から抜け出ず、第1取付部材20およびボタンユニット30に対するバンド11の平面位置が決まる。すなわち、第1取付部材20およびボタンユニット30がバンド11の所定位置に固定されることになる。
なお、第1取付部材20およびボタンユニット30のバンド11への取付位置を調整する際には、プッシュボタン32,32を押して切欠324,324と第2開口部212との位置を合わせ、第2開口部212を介してプッシュボタン32を第1開口部211から外す。そして、突起23をバンド11に形成された他の係合孔111に挿入してから、プッシュボタン32,32を押して前述と同じ手順で第1開口部211から突出させればよい。
〔4.第2部材の構成〕
次に、12時側バンド12(図2)に取り付けられる第2部材3Bの構成を説明する。
図9は、第2部材3Bの分解斜視図である。第2部材3Bは、12時側バンド12の開放端部12Bに取り付けられる軸部材としてのピン40と、ピン40に回動可能に設けられる回動部材50とを有して構成されている。
ピン40は、バンド12の端部の革が巻かれて形成された孔121に挿通され、その両端がバンド12の幅方向両端側の側面から突出した状態とされている。また、ピン40の中央部は、バンド12の端部に形成された切欠122から露出している。
なお、ピン40の両端がバンド12の側面から突出する寸法は、第1取付部材20(図4)の側壁21の厚みの寸法以下であることが好ましい。
回動部材50は、バンド12とほぼ同じ幅の略矩形状の板状部材とされ、ピン40に取り付けられる巻付部51と、その両方の短辺部からバンド12の裏側に立ち上がる係合部としての係合凸部52,52とを有している。
図10は、回動部材50の一部断面側面図である。各係合凸部52の先端部には、バンド12の厚さ方向に曲げられた斜面としてのテーパ面521,522がそれぞれ形成されている。
図11は、回動部材50およびピン40をバンド12に取り付けた状態を示す。この取付の際は、バンド12の孔121(図9)にピン40を通し、ピン40の両端部がバンド12の両側面から突出するようにしてピン40を孔121に接着し、ピン40と切欠122内側面との間に回動部材50の巻付部51を挿入してピン40の周りにカーリングする。
〔5.中留によるバンドの締結操作〕
次に、図12〜図15を参照し、中留3でバンド11,12を締結して時計1を腕(装着対象)に装着する操作について説明する。
図12に示すように、12時側バンド12よりも腕側に6時側バンド11を配置し、6時側バンド11の上に12時側バンド12を被せるようにして、第1部材3Aと第2部材3Bとを係合させる。
ここで、回動部材50をバンド12の平面方向に対して若干回動させて起こし、12時側バンド12の幅方向両側の側面から突出したピン40の両端部を第1取付部材20の切欠部213に係合させることにより、回動部材50が第1取付部材20に回動可能に支持された状態とする。
図13は、この状態における時計1の側面を示す。バンド11,12同士に働く引張力が、回動部材50をの切欠部213側に押圧する方向に作用するため、回動部材50は切欠部213に安定的に支持される。
次いで、ピン40および切欠部213を回動中心として、回動部材50を第1部材3A側に(図12の円弧状の矢印方向に)回動させる。図12に、この際の回動軸Aを示す。このように第1部材3Aと第2部材3Bとを相対的に回動させる際、第1部材3Aにおける回動方向前方側に、係合凸部52が突出する。
図14、図15は、回動部材50およびボタンユニット30の一部断面側面図であり、回動軸A(図12)を回転中心に回動部材50をボタンユニット30および第1取付部材20側に回動させると、係合凸部52のテーパ面522がプッシュボタン32の突片323Bに対して略垂直に当たる。この際に水平方向に作用する分力によってプッシュボタン32が一旦押された状態となり、さらに、図15のように、回動部材50がボタンユニット30の上面に重なるまで回動部材50を回動させると、係合凸部52は突片323Bの裏側に係止される。このように、係合凸部52がコイルばね33(図6)の付勢力を受けた状態で係合凹部323に係合されることによって、バンド11,12は締結される。
バンド11,12の締結を解除する際は、両方のプッシュボタン32,32をバンド11の幅方向内側に向かって押すことにより、係合凸部52と係合凹部323との係合が解除されるとともに、プッシュボタン32のテーパ面323Aが係合凸部52のテーパ面521に当たり、この際、プッシュボタン32の平面方向に対して垂直方向に作用する分力によって回動部材50はプッシュボタン32から離間する。すなわち、回動部材50と第1部材3Aとは締結時とは逆方向に相対的に回動されるので、ピン40を切欠部213から外すことにより、バンド11,12の締結が解除される。
〔6.本実施形態の効果〕
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)時計バンド11,12の中留3は、バンド11,12の所定位置にそれぞれ取り付けられる第1部材3Aと第2部材3Bとを備え、これらの第1部材3Aと第2部材3Bとをピン40が切欠部213に支持された状態で相対的に回動させるだけで、係合凸部52が係合凹部323に係合してバンド11,12の装着が終了するので、バンド装着の都度、所望のバンド長さで、バンド11,12の締結操作を簡単に行うことができる。
また、プッシュボタン32,32を押して第1部材3Aと第2部材3Bとを離間する方向に回動させることにより、バンド11,12の締結を解除する操作も簡単に行うことができる。
そのうえ、第1部材3Aと第2部材3Bとを回動させるだけで、締結および締結解除の操作が可能であり、バンド11,12に部分的に負荷が掛からないため、バンド11,12の耐久品質を向上させることができる。
(2)12時側バンド12よりも腕側に6時側バンド11が配置され、腕とは反対側からピン40を切欠部213に支持させた状態で、回動部材50を腕側に倒すように回動させることにより、係合凸部52が係合凹部323に係合される。これにより、片手で簡単にバンドの締結操作を行うことができる。
(3)回動部材50が板状に形成され、回動部材50がボタンユニット枠31の上面とほぼ全体的に重なった状態で第1取付部材20に係合されるので、中留3を薄型化できる。
(4)回動部材50のテーパ面522を介した分力により、係合凸部52が係合凹部323に円滑に挿入されるので、バンド11,12の締結時に第1部材3Aと第2部材3Bとの回動操作をより容易に行うことができる。
そのうえ、バンド11,12の締結解除時には、プッシュボタン32を押して係合凹部323が係合凸部52に当接した際に、プッシュボタン32のテーパ面323Aおよび回動部材50のテーパ面521を介した分力によって回動部材50がプッシュボタン32に対して持ち上げられるので、ほとんど回動操作することなく、第1部材3Aと第2部材3Bとを離間させることが可能となる。
(5)ピン40の両端部をバンド12の幅方向両側の側面に突出させ、このピン40の両端部のみを切欠部213で支持する構成とされているため、第2部材3Bを第1部材3Aに回動可能に支持させる構成を簡易に構成でき、かつ中留3を薄型にできる。
(6)第1取付部材20の側壁21に第1開口部211および第2開口部212が形成され、各プッシュボタン32の第1開口部211から突出する部分にそれぞれ括れ部325が形成されているので、プッシュボタン32,32を最大限押し込んでプッシュボタン32,32の全体を側壁21の内側に押し込んだ状態としなくても、第1取付部材20とボタンユニット30とを容易に係合させたり、外したりすることができる。このため、例えば店頭での購入時のバンドのサイズ合わせや購入後のユーザ自身によるバンドのサイズ合わせを容易に行うことができる。
(7)バンド12を幅方向に沿って貫通するようにピン40を設けるとともに、バンド12の切欠122から回動部材50をピン40に巻き付けることで、ピン40および回動部材50をバンド12に容易にかつより確実に取付できる。
(8)側壁21から突出したプッシュボタン32の突出部分に係合凹部323が形成され、この係合凹部323に回動部材50の端部に形成された係合凸部52を係合させる構成としたので、ボタンユニット30における回動軸Aと反対側の部分に被係合部が形成されていたり、プッシュボタン32の側壁21から突出しない部分で係合凸部と係合凹部とが係合する構成と比べて、回動軸Aに沿った方向における寸法と、回動軸Aに交差する方向における寸法との両方を小さくでき、中留3を小型化できる。
(9)第1取付部材20とボタンユニット30との間に6時側バンド11が介装され、第1取付部材20とボタンユニット30との間で突起23がバンド11の係合孔111に挿入されることにより、第1取付部材およびボタンユニットをバンドの所定位置に確実に取り付けることが可能となる。
[本発明の変形例]
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、各種の改良および変形が可能である。
図16は、本発明の変形例に係るボタンユニット60の内部を示す。前記実施形態のボタンユニット30(図6)とは異なり、本変形例のボタンユニット60では、プッシュボタンが三体で構成され、これら三体の移動距離が所定の関係に設定されている。
本実施形態の各プッシュボタンはそれぞれ、係合凹部323が形成される本体62と、この本体62とボタンユニット枠61の内面との間に配置されて第1取付部材20(図4)の第1開口部211に係合される副体63,63とから構成されている。ボタンユニット60は、本体62を付勢するコイルばね34と、副体63,63をそれぞれ付勢するコイルばね35,35とを備え、本体62は本体ストッパ312に係止され、副体63,63は副体ストッパ612,612にそれぞれ係止されている。
本体62は、プッシュボタンの基端部から先端部までの全体に亘って設けられ、幅方向両側の側面に、各副体63に向かってそれぞれ突出する凸部621,621を有している。また、本体62の基端部には、コイルばね34が係止される切欠622が形成されている。
各副体63におけるプッシュボタン先端側の端部は、ボタンユニット枠61から突出し、第1取付部材20(図4)の開口部211に係合する。この副体63の端部を含んで、括れ部325を構成する切欠324が形成されている。
また、副体63には、本体62の凸部621が挿入される凹部631と、副体ストッパ612が挿入される係止用凹部632とが形成され、副体63におけるプッシュボタン基端側の端部には、コイルばね35が係止されている。
本体62の凸部621と副体63の凹部631との間には、コイルばね34,35による付勢方向に沿って間隙Sが形成されている。
ここで、本体62が本体ストッパ312に当接するまで押された際のボタンユニット枠61に対する当該本体62の移動距離をA、副体63が副体ストッパ612に当接するまで押された際のボタンユニット枠61に対する当該副体63の移動距離をB、本体62の凸部621が副体63の凹部631の側面に当接されるまで押された際のボタンユニット枠61に対する当該本体62の移動距離をC、とする。これら移動距離A,B,Cはいずれも、ボタンユニット60の長さ方向(バンド幅方向)における距離であり、次式を満足するように設定されている。
〔関係式〕
A > B > C
これらの移動距離A、B,Cの関係により、外力により本体62が押されても、本体62が間隙を移動する間は副体63は押されず、副体63の端部が第1取付部材の開口部211に係合したまま外れない。本体62が距離Cよりも大きく移動し副体63に当接するまで押されてはじめて、本体62と副体63とが共に移動し、本体62と副体63との間の切欠324,324と側壁21の第2開口部212との位置が合うことで、第2開口部212を介してプッシュボタン62を第1取付部材20から取り外すことが可能となる。すなわち、外力により不用意に本体62が押され、ボタンユニット60と第1取付部材20とバンド11とが分解されてしまうことを防止できる。
そのうえ、プッシュボタン62を本体62と副体63,63との三体で構成することにより、括れ部325の切欠324の形成が容易となり、また、コイルばね34を係止するための切欠(図6の切欠322)の形成を不要にできる。
なお、前述した実施形態や変形例において、第1取付部材の側壁には第1開口部211と第2開口部212とが形成され、プッシュボタンには、第2開口部212に挿入可能な括れ部325が形成されていたが、これらの第2開口部212および括れ部325は無くてもよい。すなわち、プッシュボタンの先端部が側壁21の内側に位置するまでプッシュボタンを押し込んだ状態としてから、第1開口部211からプッシュボタンを突出させればよい。この場合、ストッパ312が挿入される前記貫通孔321の寸法は、各プッシュボタンをバンドの幅方向内側に押し込んだ際に、側壁21,21の内面間の寸法よりもプッシュボタンの先端間の寸法が小さくなり第1開口部211から各プッシュボタンが外れるプッシュボタンの最大押し込み量を実現する寸法で形成される。
前記実施形態では、軸部材としてのピン40の両端を側壁21の切欠部213に係合させることで、回動部材50を第1取付部材20に回動可能に支持させる構成であったが、これに限らず、第1部材の軸部材と第2部材の支持部とが係合して、軸部材が回動可能に支持される構成であれば任意の構成を採用できる。要するに、軸部材および支持部によって第1部材と第2部材とを相対的に回動させる際の回動軸が決まるように構成されていればよい。
なお、前記実施形態では、支持部は第1取付部材に形成されていたが、支持部がボタンユニットに形成されていてもよい。また、回動軸上にボタンユニットと第1取付部材との両方が配置される場合は、ボタンユニットと第1取付部材との両方に支持部を形成することも考えられる。
また、前記実施形態の回動部材50は、バンド12の端部に接着して固定したピン40の周りに巻付部51が巻き付けられることによってピン40に回動可能に設けられていたが、回動部材が軸部材に回動可能に設けられ、かつこれら回動部材と軸部材とが他方の被締結部材に係止される構成はこれに限らない。例えば、軸部材が、その両端部がバンドの孔121の径に応じた大径部であり、その中央部が小径部であって、両端側に分割可能なピンとして構成されており、このピンをバンドに取り付ける前に回動部材の巻付部を巻いた状態でバンドの切欠122に配置してから、バンドの孔121にピンを圧入してもよい。これにより、巻付部51がピンの小径部に回動可能に取り付けられる。ここで、巻付部51をプレス成形する際などに、巻かれた状態で内側となる内周面に、面外方向に突出する球状突起などを形成しておくことにより、ピンの軸方向に沿った移動が規制されるので、ピンと回動部材とがバンドに係止される。
なお、前記実施形態では、バンドの締結時に機能するテーパ面522が係合凸部52に形成されていたが、このような傾きの斜面が形成されるのは、係合凹部323側であってもよく、また、係合凸部と係合凹部との両方に斜面が形成されていてもよい。
そして、前記実施形態では、係合部が凸部(係合凸部52)とされ、被係合部が凹部(係合凹部323)とされていたが、これに限らず、係合部が凹部とされ、被係合部が凸部とされるなどの構成であってもよい。
また、前記実施形態において、バンド11の係合孔111に挿入される突起23は第1取付部材20に設けられていたが、これに限らず、ボタンユニットにこのような突起が形成されていてもよい。
本発明において、バンド等の被締結部材に孔が形成されていることと、この孔に挿入される突起を第1取付部材またはボタンユニットが有していることは必須構成ではないが、このように突起が孔に挿入される構成とすることにより、第1取付部材およびボタンユニットを一方の被締結部材に容易にかつ確実に固定することができる。
前記実施形態では、ボタンユニット枠31の底面から立ち上がるストッパ312,612によってプッシュボタン32や本体62、副体621をボタンユニット枠31に係止していたが、このようなストッパ311Cの代わりに、例えば、ボタンユニット枠31からプッシュボタン32の貫通孔321に突出するように設けられたねじなどによって、プッシュボタン32をボタンユニット枠31に係止してもよい。あるいは、ストッパ612は、ボタンユニット枠61の底面ではなく側面の一部をボタンユニット枠61の内側に突出させるなどして、形成してもよい。
なお、本発明の締結具は、被締結部材同士を締結する各種用途に利用できる。前記実施形態のバンド11,12は外装ケース2にそれぞれ設けられた別部材であったが、これに限らず、バンド11,12は繋がった一つの部材であってもよい。
また、前記実施形態では、時計バンドに適用された締結具としての中留を示したが、本発明の締結具は各種の装身具にも適用できる。
ここで、装身具としては、腰や腕などに巻くベルトやバンド、首に巻くチョーカー、衣服の留め具などが挙げられる。このほか、本発明の締結具は、鞄、袋物、履物などの各種物品にも適用できる。
さらに、本発明の締結具は2つの被締結部材同士を締結するが、複数の締結具を使用することによって3つ以上の被締結部材を締結することが可能となる。例えば、円弧状などの3つ以上の部品でブレスレットタイプの時計バンドが構成される場合などは、隣合う部品と部品とを本発明の締結具で締結することが可能となる。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の一実施形態に係る時計および時計バンドを示す側面図。 前記実施形態における時計バンドの中留を示す斜視図。 前記実施形態の中留が備える第1部材の斜視図。 前記第1部材が有する第1取付部材の斜視図。 前記第1部材が有するボタンユニットの斜視図。 前記ボタンユニットの内部を示す図。 前記ボタンユニットの一部断面側面図。 第1取付部材およびボタンユニットの6時側バンドへの取付態様を示す図。 前記実施形態の中留が備える第2部材の分解斜視図。 前記第2部材が有する回動部材の一部断面側面図。 前記第2部材を12時側バンドに取り付けた状態を示す図。 前記実施形態の中留におけるバンドの締結操作を示す図。 前記実施形態の中留におけるバンドの締結操作を示す時計の全体図。 前記実施形態の中留におけるバンドの締結操作を示す一部断面側面図。 前記実施形態の中留によってバンドが締結された状態を示す一部断面側面図。 本発明の変形例に係るボタンユニットの内部を示す図。
符号の説明
1・・・時計、2・・・外装ケース、3・・・中留(締結具)、3A・・・第1部材、3B・・・第2部材、11・・・6時側バンド(一方の被締結部材)、12・・・12時側バンド(他方の被締結部材)、20・・・第1取付部材、21・・・側壁、22・・・連結部、23・・・突起、30・・・ボタンユニット、31・・・ボタンユニット枠、32・・・プッシュボタン、33・・・コイルばね(付勢手段)、34・・・コイルばね(本体付勢手段)、35・・・コイルばね(副体付勢手段)、40・・・ピン(軸部材)、50・・・回動部材、51・・・巻付部、52・・・係合凸部(係合部)、60・・・ボタンユニット、61・・・ボタンユニット枠、62・・・本体、63・・・副体、111・・・係合孔、122・・・切欠、211・・・第1開口部、212・・・第2開口部、213・・・切欠部(支持部)、312・・・ストッパ(本体ストッパ部材)、323・・・係合凹部(被係合部)、323A・・・テーパ面(斜面)、325・・・括れ部、521・・・テーパ面(斜面)、522・・・テーパ面(斜面)、612・・・副体ストッパ(副体ストッパ部材)、A・・・回動軸、S・・・間隙。

Claims (15)

  1. 2つの被締結部材にそれぞれ配設される第1部材と第2部材とを備え、これらの第1部材と第2部材とは、相対的に回動されて係合され、
    前記第1部材は、
    前記被締結部材における前記回動の軸に沿った方向の両側にそれぞれ設けられ開口部が形成された側壁と、これらの側壁を連結する連結部とを有する第1取付部材と、
    前記第1取付部材の側壁の内側から外側へと付勢手段により付勢されるプッシュボタンを有し、前記プッシュボタンが前記開口部を貫通することにより、前記第1取付部材との間に前記一方の被締結部材を挟むボタンユニットと、を備え、
    これらの前記第1取付部材および前記ボタンユニットは、前記一方の被締結部材の所定位置に取り付けられ、
    前記第1取付部材および前記ボタンユニットの少なくとも一方は、前記第2部材を回動可能に支持する支持部を有し、
    前記プッシュボタンは、前記第2部材が係合される被係合部を有し、
    前記第2部材は、
    前記他方の被締結部材における前記回動の軸に沿って前記他方の被締結部材の所定位置に取り付けられる軸部材と、
    前記被係合部に係合される係合部を有し、前記軸部材が前記支持部に支持された状態で前記第1部材側に回動可能に設けられる回動部材と、を備え、
    前記係合部は、前記回動部材が前記第1部材側に回動された際に前記被係合部に係合され、
    前記係合部と前記被係合部とは、前記付勢手段による付勢力によって係合している
    ことを特徴とする締結具。
  2. 請求項1に記載の締結具において、
    前記一方の被締結部材が前記他方の被締結部材の前記装着対象側に配置され、かつ前記軸部材を前記支持部に前記装着対象とは反対側から支持させた状態で、前記第1部材と前記第2部材とが相対的に回動される
    ことを特徴とする締結具。
  3. 請求項1または2に記載の締結具において、
    前記係合部および前記被係合部の少なくとも一方には、前記相対的に回動されることにより前記係合部と前記被係合部とが当接した際に前記付勢手段による付勢力に抗して分力が作用する方向に傾斜する斜面が形成されている
    ことを特徴とする締結具。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の締結具において、
    前記支持部は、前記側壁に形成された切欠とされ、
    前記軸部材の両端部はそれぞれ、前記他方の被締結部材の端縁から突出し、かつ前記支持部に係合された状態で支持される
    ことを特徴とする締結具。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の締結具において、
    前記第1取付部材は、側壁が連結部の両端部からそれぞれ起立した断面略コ字形状とされ、
    前記第1取付部材の前記側壁には、前記開口部である第1開口部と連続するように前記連結部側とは反対側から第2開口部が切欠形成され、
    前記側壁における起立方向と交差する方向において、前記第2開口部の寸法は、前記第1開口部の寸法よりも小さく、
    前記プッシュボタンが押されていない状態で当該プッシュボタンの前記第1開口部から突出する部分には、前記第2開口部に挿入可能な括れ部が形成されている
    ことを特徴とする締結具。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の締結具において、
    前記軸部材は、前記他方の被締結部材における前記一方の被締結部材と締結される側の端部に、前記回動の軸に沿って当該他方の被締結部材を貫通するように取り付けられ、
    前記他方の被締結部材には、前記軸部材の一部が露出するように切欠が形成され、
    前記回動部材は、前記切欠を介して前記軸部材の周りに巻かれる巻付部を有する
    ことを特徴とする締結具。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の締結具において、
    前記被係合部は、前記プッシュボタンが押されていない状態で前記プッシュボタンの前記開口部から前記側壁の外側に突出する部分に形成され、
    前記係合部は、前記回動部材における前記回動の軸に沿った方向の端部に形成されている
    ことを特徴とする締結具。
  8. 請求項7に記載の締結具において、
    前記回動部材は、前記軸部材に沿った方向を含む平面にほぼ沿って板状に形成され、
    前記係合部は、前記回動部材における前記回動の軸に沿った方向の端部から、前記相対的に回動される際の前記第1部材側に立ち上がる凸部とされ、
    前記被係合部は、前記プッシュボタンにおいて前記相対的に回動される方向にほぼ沿って形成された凹部とされている
    ことを特徴とする締結具。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の締結具において、
    前記ボタンユニットは、前記プッシュボタンを保持するボタンユニット枠を有し、
    前記プッシュボタンは、前記被係合部が形成される本体と、この本体と前記ボタンユニット枠の内面との間に配置されて前記第1取付部材の前記開口部に係合される副体とを有し、
    前記本体は、本体付勢手段によって前記側壁の内側から外側に向かって付勢され、かつ、本体ストッパ部材によって前記ボタンユニット枠に係止され、
    前記副体は、副体付勢手段によって前記側壁の内側から外側に向かって付勢され、かつ、副体ストッパ部材によって前記ボタンユニット枠に係止され、
    前記本体と前記副体とは、前記本体が押された際に前記副体に当接するように間隙を介して凹凸係合され、
    前記本体が前記本体ストッパに当接するまで押された際の前記ボタンユニット枠に対する当該本体の移動距離をA、
    前記副体が前記副体ストッパに当接するまで押された際の前記ボタンユニット枠に対する当該副体の移動距離をB、
    前記本体が前記副体に当接されるまで押された際の前記ボタンユニット枠に対する当該本体の移動距離をC、とすると、
    A > B > C とされている
    ことを特徴とする締結具。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の締結具において、
    前記第1部材の連結部、および前記ボタンユニットの一方は、他方に向かって突出する突起を有し、
    前記突起は、前記一方の被締結部材に形成された孔に挿入される
    ことを特徴とする締結具。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の締結具を備えた
    ことを特徴とする長尺体。
  12. 請求項11に記載の長尺体を備えた
    ことを特徴とする携帯機器。
  13. 請求項11に記載の長尺体を備え、
    前記長尺体は、時計の外装ケースに連結されている
    ことを特徴とする時計。
  14. 請求項13に記載の時計において、
    前記長尺体は、時計バンドである
    ことを特徴とする時計。
  15. 請求項11に記載の長尺体を備え、この長尺体により装着される
    ことを特徴とする装身具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112006386A (zh) * 2019-05-30 2020-12-01 Oppo广东移动通信有限公司 表带及手表
CN112790487A (zh) * 2020-12-28 2021-05-14 歌尔光学科技有限公司 一种腕戴设备

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