JP2007312972A - 中留、帯状装身具及び時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下バンド16に連結された蓋部20に、上バンド15に連結された移動ユニット40が嵌合された構成を有する中留2であって、蓋部20にはバンド部14の長手方向に並ぶ複数の係合孔21C、21Dが設けられ、移動ユニット40は、蓋部20に収容されるケース41と、ケース41から突出して係合孔21C、21Dに係合する突出部材44と、ケース41表面に露出するボタン42とを備え、ボタン42の操作によって突出部材44がケース41側に引き込まれる。
【選択図】図4
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡単でわかりやすい操作によって長さ調節が可能な中留、帯状装身具、及び時計を提供することを目的としている。
本発明によれば、ケース表面に露出する操作子を操作することにより、突起がケース側に引き込まれて係合孔から離脱し、枠体に対して移動ユニットを移動させることが可能となるので、枠体と移動ユニットとの相対位置、すなわち一対の帯状体の連結位置を移動させて、帯状体全体としての長さを調節できる。これにより、簡単でわかりやすい操作による長さ調節を実現できる。また、中留の構造が枠体と移動ユニットとを用いた非常にシンプルな構成であるため、容易に小型化が可能である。
この構成によれば、操作子の操作によって、突起がガイド溝に収容される位置まで引き込まれた状態で移動ユニットを移動させることが可能となり、端位置の係合孔に突起が係合するときに、突起の側面にガイド溝の端部が当接する。これにより、突起がガイド溝の端部に当接するまで移動ユニットを移動させれば、その位置において突起を係合孔に係合させることができる。すなわち、突起と係合孔との位置合わせを行わなくても、ガイド溝の端に突起が当接する位置を目安として、容易に長さ調節を行うことができる。
この構成によれば、操作子の操作によって、突起がケース内まで引き込まれて、ガイド溝にケース端部が嵌合した状態で移動ユニットを移動させることが可能となり、端位置の係合孔に突起が係合するときに、ケースの側面にガイド溝の端部が当接する。これにより、ガイド溝の端部にケースが当接するまで移動ユニットを移動させれば、その位置において突起を係合孔に係合させることができる。すなわち、突起と係合孔との位置合わせを行わなくても、ガイド溝の端にケースが当接する位置を目安として、容易に長さ調節を行うことができる。
この構成によれば、中留の枠体に板状部材を折り重ねることで、操作子が板状部材で隠されるので、誤って操作子が操作されて帯状体の長さが変わってしまうことがない。これにより、誤操作を確実に防止できる。
本発明によれば、ケース表面に露出する操作子を操作することにより、突起がケース側に引き込まれて係合孔から離脱し、枠体に対して移動ユニットを移動させることが可能となるので、枠体と移動ユニットとの相対位置、すなわち一対の帯状体の連結位置を移動させて、帯状装身具の長さを調節できる。これにより、簡単でわかりやすい操作による長さ調節が可能な帯状装身具を実現できる。また、枠体と移動ユニットとを用いた非常にシンプルな中留を用いることで、中留の小型化が容易であり、帯状装身具の装飾性を高めることができる。
本発明によれば、ケース表面に露出する操作子を操作することにより、突起がケース側に引き込まれて係合孔から離脱し、枠体に対して移動ユニットを移動させることが可能となるので、枠体と移動ユニットとの相対位置、すなわち一対のバンドの連結位置を移動させて、時計バンドの長さを調節できる。これにより、簡単でわかりやすい操作によるバンドの長さ調節が可能な時計を実現できる。また、枠体と移動ユニットとを用いた非常にシンプルな中留を用いることで、中留の小型化が容易であり、時計の装飾性を高めることができる。
図1は、本発明を適用した時計の実施形態として、腕時計1の構成を示す外観斜視図である。
この腕時計1は、ムーブメント(図示略)、文字板12、及び時刻表示針13を水密構造に収容する時計ケース11を備える。時計ケース11には、腕時計1を装着部位(装着者の手首)に固定する帯状装身具としてのバンド部14が、その上下端部(いわゆる、かん部)に連結されている。バンド部14は、時計ケース11に連結された帯状体としての上バンド15及び下バンド16を、中留2を介して連結したものである。
上バンド15は、文字板12の12時位置において時計ケース11に連結され、下バンド16は、文字板12の6時位置において時計ケース11に連結される。これら上バンド15及び下バンド16は、ステンレス、チタン等の金属材料で形成された多数のコマを、円滑に回動可能なように連結して構成される。
中留2は、いわゆる三折れ方式(三折れプッシュ方式ともいう。)の中留である。中留2は、上バンド15の端部に連結された枠体としての蓋部20と、下バンド16の端部に回動自在に連結された板状部材としての下板37と、蓋部20と下板37とを折り畳み可能に連結する板状部材としての中板36とを備える。蓋部20と中板36との連結部、及び、下板37と中板36との連結部は、いずれもピン(図示略)により回動自在に連結され、蓋部20の下に中板36と下板37とを重ねて折り畳むことが可能である。
中板36は所定の間隔をあけて並ぶ細幅の2枚の板状部材であり、下板37は、中板36における間隔より細幅とされた板状部材である。中板36の一端は蓋部20の内側において蓋部20に連結されるので、中板36の外側の幅は蓋部20よりも細く構成されている。
また、下板37には、中留2を折り畳んだ状態で保持するための錠止ピン38が設けられる。錠止ピン38は、中留2を折り畳む際に、蓋部20に配設されたボタンユニット30(図3)に係合して保持され、この保持力によって中留2が折り畳まれた状態が保たれる。ここで、解除操作子としてのプッシュボタン31が押圧操作されると、ボタンユニット30による錠止ピン38の保持状態が解除され、中留2が展開される。
蓋部20は、略長方形の平板部21の両側端に側壁22、23が立ち上がった形状を有する。蓋部20の長手方向一端部において、側壁22、23にはばね棒挿入孔21Aが形成され、このばね棒挿入孔21Aに挿入されるばね棒により、中板36が回動自在に連結される。また、蓋部20の側壁22、23には、ばね棒挿入孔21Aの他、プッシュボタン挿通孔21B、及び、長方形の係合孔21C、21Dが形成されている。これらプッシュボタン挿通孔21B、及び係合孔21C、21Dは、いずれも側壁22、23を貫通する貫通孔である。
蓋部20の内側には、補助枠としての案内部材24が重ねて配設される。案内部材24は、略長方形の平板部25の両側端に側壁26、27が立ち上がった形状を有し、蓋部20とほぼ相似形である。案内部材24の長さは、蓋部20の長手方向において、少なくともプッシュボタン挿通孔21Bから係合孔21Dに跨る長さである。案内部材24の側壁26、27には、側壁22、23のプッシュボタン挿通孔21Bに重なるプッシュボタン挿通孔24Aが形成されている。また、側壁26、27にはガイド溝24Bが形成されている。ガイド溝24Bは、案内部材24の長手方向に延びる長孔であり、少なくとも側壁22、23に形成された全ての係合孔21C、21Dに跨っている。さらに、平板部25には、案内部材24の長手方向に沿ってボタン逃がし部24Cが開口している。
ボタンユニット30は、蓋部20の幅方向に延びる筒状の本体と、この本体の両端から各々突出する2つのプッシュボタン31と、本体の側面に開口する錠止孔32と、錠止孔32に露出する2つの係止爪33とを備える。2つの係止爪33は、ボタンユニット30の本体内部において2つのプッシュボタン31にそれぞれ連結される。2つの係止爪33は互いに近接するよう付勢されており、この付勢力によって、プッシュボタン31は、本体の外側へ向けて付勢される。この付勢力に抗して、プッシュボタン31を本体内部に向けて押圧して移動させると、係止爪33が互いに離隔する方向に移動する。
ここで、ボタンユニット30の本体は扁平な筒状に構成され、プッシュボタン31は平板部25と略平行な平板状に形成される。これに対応して、プッシュボタン挿通孔21B及びプッシュボタン挿通孔24Aは、蓋部20の長手方向に延びる長孔となっている。このため、プッシュボタン31がプッシュボタン挿通孔24A及びプッシュボタン挿通孔21Bを貫通した状態では、案内部材24と蓋部20とは互いに傾かないよう固定され、蓋部20と案内部材24とが重なった状態が保たれる。
このように、ボタンユニット30は、案内部材24と蓋部20とを傾かないよう固定する機能と、中留2を折り畳み状態で保持するとともにプッシュボタン31の操作に応じて保持を解除する機能とを有する。
移動ユニット40は、中空のケース41に各部を収容して構成される。ケース41の上バンド15側の端部には、第1コマ15Aに嵌合するよう細幅の連結部46が突出しており、連結部46にはピン挿通孔46Aが形成され、このピン挿通孔46Aを貫通するピン15Bによって、上バンド15の第1コマ15Aに回動可能に連結される。
図9及び図10に示すように、突出部材44は、ケース41内に収容される略棒状の軸部44Cと、この軸部44Cの先端側に形成された幅広の肩部44Bと、肩部44Bのほぼ中央に立設された細幅の先端部44Aと、軸部44Cの基端部に形成されたアングル部44Dとを有する形状となっている。この突出部材44は、先端部44A及び肩部44Bがケース41から外に突出して、案内部材24のガイド溝24B、及び、蓋部20の係合孔21C、21Dに挿入される。
先端部44Aは、係合孔21C、21Dに挿入可能なサイズに形成される。ここで、先端部44Aの断面が係合孔21C、21Dよりわずかに小さい長方形であれば、係合孔21C、21Dに先端部44Aが嵌合することによって、移動ユニット40が平板部21に対して回動しないよう固定されるため、より好ましい。
また、突出部材44のアングル部44Dでは軸部44Cの基端側が直角に曲げられ、L字形状をなしている。移動ユニット40が備える2つの突出部材44は、同一形状及び同一サイズとされていて、一方のアングル部44Dの先端が他方の軸部44Cに突き当たるように組み合わされる。このため、移動ユニット40の中央部においては、アングル部44Dにより囲まれた方形の空間が形成される。ケース41の上面には、この空間に相当する位置にボタン嵌込孔41Bが開口しており、このボタン嵌込孔41Bに、操作子としてのボタン42が嵌め込まれる。また、ボタン嵌込孔41Bが開口した反対側の面には、ボタン逃がし部41Cが開口する。
図11(A)に示すように、ボタン42は、角錐台形状のベース部42Aと、このベース部42Aに立設された角柱状の細径部42Cと、細径部42Cの先端を幅広に形成した先端部42Dとを有し、先端部42Dは先細り形状となっている。細径部42Cとベース部42Aとの境界部分には、ベース部42A側から細径部42C側へかけて次第に細幅となるテーパー部42Bが形成されている。
このボタン42が上記のボタン嵌込孔41Bに差し込まれると、2つのアングル部44Dにより囲まれる方形の空間に先端部42Dが入り込み、アングル部44Dを押し拡げる。そのままボタン42を差し入れると、図12に示すように、2つのアングル部44Dにより細径部42Cが挟まれて安定する。
このため、上記のようにボタン42をボタン嵌込孔41Bに挿入すると、2つのアングル部44Dが、ばね45の付勢力によって細径部42Cを挟み込み、ボタン42を脱落不能に支持する。
このように、移動ユニット40は、ボタン42の押圧操作によって突出部材44が出入りするよう構成されている。
なお、上述のように案内部材24にはボタン逃がし部24Cが形成されているので、ボタン42が蓋部20に向けて押圧された場合は、その先端部42Dがボタン逃がし部24Cに収容される。このため、先端部42Dが案内部材24に当たるおそれはない。また、蓋部20の裏面に、ボタン逃がし部24Cに重なる位置に凹部を設けて、蓋部20に先端部42Dが当たらないようにしてもよい。
図13〜図15は、中留2の要部構成を示す平面図であり、側壁22、23及び側壁26、27については破断面を示す。
図13には、移動ユニット40が下バンド16側に最も寄っており、バンド部14が最も短い状態を示す。この図13の状態で、移動ユニット40の先端部44Aは、側壁22、23に設けられた係合孔のうち最も下バンド16側に位置する係合孔21Cに嵌合する。また、ケース41から突出した肩部44Bはガイド溝24Bの端に寄っており、ガイド溝端面24Eに接している。
そして、ボタン42を押圧したまま移動ユニット40を上バンド15側に移動させると、図15に示すように、肩部44Bがガイド溝24Bの端に達し、ガイド溝端面24Fに当接する。肩部44Bがガイド溝端面24Fに当たったところでボタン42を押圧する力を弱めると、突出部材44がケース41の外側に移動し、先端部44Aが係合孔21Dに挿入される。
以上の操作により、移動ユニット40を係合孔21Cの位置から係合孔21Dの位置まで移動させることができ、これに伴ってバンド部14が伸長する。また、上記と同様に、ボタン42を押圧しながら移動ユニット40を移動させる操作を行えば、容易にバンド部14を短くすることもできる。
また、係合孔21C、21Dは側壁22、23を貫通する貫通孔であるから、係合孔21C、21Dを通して突出部材44の位置を視認できる。このため、ボタン42を操作して移動ユニット40を移動させる際に、突出部材44と係合孔21C、21Dの位置を、目視により簡単に合わせることができ、より容易に長さ調節を行うことができる。
この変形例では、図16に示すように、ケース端部41Dがガイド溝24Bに入り込んでおり、このケース端部41Dから先端部44Aが突出して係合孔21Cに嵌合している。ここでボタン42が押圧操作されると、図17に示すように、先端部44Aが完全にケース41内に収容される。この状態では、ケース端部41Dがガイド溝24Bに収容されているので、ケース端部41Dがガイド溝24Bに沿って移動する範囲において、移動ユニット40を移動させることができる。従って、例えば図18に示すように、移動ユニット40を上バンド15側に移動させて、ボタン42の押圧を解き、突出部材44を係合孔21Dに嵌合させることができる。
このように、図16〜図18に示す例では、ケース端部41Dがガイド溝24Bに嵌合し、ボタン42の操作により突出部材44が完全にケース41に収容される構成とした場合にも、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態において、上バンド15及び下バンド16は、金属材料で形成された駒を多数連結して構成されるものに限定されず、例えば、皮バンド、ウレタン・ゴム等のラバー系バンドであってもよく、その他の細部構成についても適宜変更可能である。
さらに、本発明は、上記実施の形態で説明した三折れ方式の中留に限らず、二つ折れ方式の中留、両開き中留等にも広く適用可能である。また、上記においては腕時計のバンドに本発明を適用した例について説明したが、ブレスレット、ネックレス、衣服用のベルト、バッグ等の携帯品のベルト等、各種の帯状装身具に広く適用可能である。
Claims (7)
- 一対の帯状体のうち一方に連結された枠体に、他方の前記帯状体に連結された移動ユニットが嵌合された構成を有し、
前記枠体には、前記帯状体の長手方向に並ぶ複数の係合孔が設けられ、
前記移動ユニットは、前記枠体の内側に収容されるケースと、前記ケースから突出して前記係合孔に係合する突起と、前記ケース表面に露出する操作子とを備え、
前記操作子の操作により前記突起が前記ケース側に引き込まれること、
を特徴とする中留。 - 前記係合孔は、前記枠体を貫通して前記枠体の外側に開口する孔であること、
を特徴とする請求項1記載の中留。 - 前記枠体と前記移動ユニットとの間に、前記帯状体の長手方向に延設されたガイド溝を有する補助枠が介設され、
前記ガイド溝の長手方向の端は、端位置の前記係合孔に前記突起が係合するときに前記突起の側面に当接する位置とされ、
前記操作子の操作により、前記突起は前記補助枠の前記ガイド溝内に収容されるまで引き込まれること、
を特徴とする請求項1または2記載の中留。 - 前記枠体と前記移動ユニットとの間に、前記帯状体の長手方向に延設されたガイド溝を有する補助枠が介設され、前記補助枠の前記ガイド溝には前記ケースの端部が嵌合し、
前記ガイド溝の長手方向の端は、端位置の前記係合孔に前記突起が係合するときに前記ケースの側面に当接する位置とされ、
前記操作子の操作により、前記操作子の操作により、前記突起が前記ケース内まで引き込まれること、
を特徴とする請求項1または2記載の中留。 - 前記帯状体と前記枠体とは板状部材を介して連結され、前記板状部材を前記枠体に折り重ね可能に構成され、
前記操作子は、前記枠体と前記板状部材とを重ねた状態で前記板状部材により覆われる位置に配設されたこと、
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の中留。 - 一対の帯状体を連結する中留を備えた帯状装身具において、
前記中留は、一方の前記帯状体に連結された枠体に、他方の前記帯状体に連結された移動ユニットが嵌合された構成を有し、
前記枠体には、前記帯状体の長手方向に並ぶ複数の係合孔が設けられ、
前記移動ユニットは、前記枠体の内側に収容されるケースと、前記ケースから突出して前記係合孔に係合する突起と、前記ケース表面に露出する操作子とを備え、
前記操作子の操作により前記突起が前記ケース側に引き込まれること、
を特徴とする帯状装身具。 - 時計ケースに連結された一対のバンドと、これら一対のバンドを連結する中留とを備え、
前記中留は、一方の前記バンドに連結された枠体に、他方の前記バンドに連結された移動ユニットが嵌合された構成を有し、
前記枠体には、前記バンドの長手方向に並ぶ複数の係合孔が設けられ、
前記移動ユニットは、前記枠体の内側に収容されるケースと、前記ケースから突出して前記係合孔に係合する突起と、前記ケース表面に露出する操作子とを備え、
前記操作子の操作により前記突起が前記ケース側に引き込まれること、
を特徴とする時計。
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